- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 14:31:29.07 ID:+x4NW3EDP
- 0.九月十九日、土曜日
「待てこらぁー!」 世間は正義に厳しい、とそう感じさせる叫びだった。 「止まれ不審者、変な服ー!」 世間は正義にとっても厳しい、とそう感じさせる叫びだった。 「ばかー! あんぽんたんー! 生命活動ごと停止しろー!」 聞いているだけで涙が出てきそうになるいわれようだが、それでも足は止めない。走る。走る。走る。 罵声混じりに追ってくる少女はすでに息を切らせていた。 無理もないだろう。事件現場からここまでおよそ二百メートル、全力疾走を強いられればそうもなる。 むしろ、見るからに華奢な体つきの少女が、自転車に乗っているでもなく自分のように『魔法』で強化されているでもないのに付いてこれたことの方が不思議といえた。 しかし、そのがんばりもここでおしまいだろう。 目の前には川がある。 そして、橋は横手に数百メートルの遠く。 「……第三十七『魔法』術式――解放」 手にした杖が光る。 行使された『魔法』が自身を跳ね上げる。 十メートルほどの高さへと一気に、文字通り、飛ばされた。 強烈な加速にギリギリと体は縛られ、身にまとう黒の衣装は風を吸ってばたばたとはためく。 川の中央よりやや前方を最高点に、『魔法』の反動は失われ放物線運動。 「……第十八『魔法』術式――解放」 減速をし、川の対岸にふわりと着地した。
- 2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 14:32:42.38 ID:+x4NW3EDP
- 「何よ……それ……」
後ろを見ると、やはり川は越えられず、少女は呆然と立ち尽くしていた。 「そんなにあたしを苦しめて楽しいの?」 悪かったとは思う。 「あたしの何がいけなかったっていうのよ!」 でも―― 「取材に応えろ、ばっきゃろー!」 そんなものに応えたくはないのだ。 「……断る」 できるだけ感情を出さないように、声も表情も抑えて告げた。 「逃げ方が下手な分だけ政治家の方がまだあんたより可愛げがあるわぁあああ!」 怒りのヤクザキックを喰らって、何の罪もない川岸のフェンス君がびぃん、と鳴いた。 「二度と来んな、魔法少女!」 >>
- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 14:33:54.08 ID:+x4NW3EDP
- 『本誌記者、またしても魔法少女に遭遇!』
九月十九日午後三時ごろ、美浜区幕張西にて強盗事件が発生。近本誌記者が駆けつけたところ、くだんの魔法少女が現れ瞬く間に犯人を捕縛した。 本誌記者は魔法少女に取材を試みるも返答はなく、大空へと姿をくらませた。 これで七度目の遭遇と相成ったが、未だに一言の回答も得ることができていない。寡黙な彼女の正体は何なのか、なぜ事件を解決するのか、魔法は実在しているのか、疑問は尽きない。 ――『週刊奇跡報道』記者、母里佐奈 >>>>>
- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 14:35:35.76 ID:+x4NW3EDP
- 人類には四連休が与えられた。
名前は、日曜日、敬老の日、振り替え休日、秋分の日。 これを大事にしないやつは人類じゃない。 1.九月二十日、日曜日、四連休初日 ――と、そのようなことを思い玄関を見やった。 「朝霧さーん、お願いしますよー」 ゴンゴン、と戸をたたく音。 呼び鈴を使わないのはわざとなのか、非常にやかましい。 「朝霧さーん、三ヶ月だけでいいですからー」 それはつまり、『最低三ヶ月は契約をしないと、今後も日曜の早朝に現れて貴様の惰眠を妨害するぞ』という意思表示か? 「ほら、いまどき新聞も読んでないなんてひと、いませんよー。頭に入れておかないときっと会話に困りますってー」 どれだけ僕は話題が貧困そうに見えるのか。 まったく、めんどくさい話だ。 「まだどこの新聞もとってないんでしょー? ウチのを頼みますよー」 まだとっていないのではない。 とる気がそもそもないのだ。 情報化社会が叫ばれインターネット全盛のこの時代、紙の媒体の情報に拘泥する必要はすでになくなっている。無論、情報を得る上ではいまだに権威のあるツールには違いないが――問題は、それが有料であるということ。 月々およそ三千円。 マンションとは名ばかりの古アパートに住まうひとり暮らしの高校生に、特段の理由もなくその額面をひねり出せというのは酷なもの。
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 14:36:48.25 ID:+x4NW3EDP
- で、あるからして――
「朝霧さーん、少しだけでいいですからお話しましょうよー。いるのはわかってるんですからー」 ――現在、絶賛居留守中。 騒々しい玄関を放置して、パソコンと向き合う。 イヤホンをしてカチカチと、巡回サイトをぐるりと一周。 どこも日記ばかりで大きな更新がなかったことを確認すると、時刻はちょうど午前七時四十分。 「うーん……じゃあ、また来ますね。朝霧さん」 いつもどおりのタイミングで、新聞拡張員はそうつぶやいた。 かつかつ、と足音がしてようやく一息。 「さて、と……」 ぐい、と伸びをしてあくびをひとつ。 ぽきぽき、と背骨が轟音を響かせた。 「ふぁあ……」 ……だるい。 あああ、ダメだ。連休初日なのに早起きさせられて損したと思うとテンション下がる! よしよしよし、考え方を変えよう考え方を。休みなのに早起きを強要されたといえば聞こえが悪いけれど、休日を目一杯使う機会を与えられたともいえるはずだ。おや、天気はどうだったろうか、晴れならばたまった洗濯物を一気に干せるな。 そうだ、寒くなってくることだしそろそろ毛布君にもご出陣を願う時期。がんばれば、今夜はふかふかほわほわのお日様のにおいのする毛布に包まって寝れるじゃないか。よしよし、わくわくしてきたぞ。 「よぉし! 手紙の確認、しかる後にさっさと朝ごはんだ! かかれっ!」 さあ、楽しい楽しい連休の始まりだ―― ――と、ドアを開けたら拡張員がまだいた。 「ふっふっふ、朝霧さ~ん。お待ちしていましたよ~」 こっちはちっとも待ってないんですが。
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 14:37:25.52 ID:9itgcLOg0
- 支援
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 14:38:17.07 ID:+x4NW3EDP
- 「今日こそじっくりと当社の新聞を取ることの利点についてお話いたしますねぇ~」
「や、今日はすぐ出かけないといけないんで、遠慮させてもらいます」 じろ、と上から下まで見られた。 「その格好で、ですか? コンビニくらいでしたらお待ちいたしますよ」 我が愛用のくまさん柄パジャマを局地戦専用と愚弄するか、貴様。 「いえいえ、もちろん着替えますとも。あいにくと丸一日出ていることになりそうなので」 「そうですかぁ」 にこにこ、と拡張員は微笑む。 「そうなんですよぉ」 負けじとこちらもにこにこ、と笑んだ。 本当に出かけるのかどうかじーっと見守る拡張員との無言の戦いが幕を下ろした。 >>
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 14:39:41.22 ID:+x4NW3EDP
- 実にもったいない。
休みとは家でゴロゴロするためにこそ存在するというのに、表に出るなど不経済極まりない。 暖房? そんな軟弱なものは必要ない。人間、少しとはいえ熱を発している。室内に居続ければそれなりには暖かくなるようになっているのだ。 それを思うと、寒空の下にいるということがどれだけのエネルギーを無駄遣いするかということを我々人類はじっくり考えるべきで―― 「へっくし」 ……止めよう。考えるだけエネルギーの無駄だ。 九月は中盤を回り、後半に入り、終盤となった。 珍しく少し気の早い前線は、いつになく過ごしやすい残暑を我々に提供してくれている。 おかげで冷房代が節約できて万歳であった。 が、今日はそれを少し恨みたい。 涼しいを通り越して寒いのだ。 持ちうる最大の防寒具であるところの薄っぺらなジャンパーを羽織り、ナップサックを担いで出てみれば、天気予報も嘘をついていた。 洗濯日和の二重丸はどこへやら、もくもくと現れた雲であっという間に天は半分以上が覆われた。 放っておけば雨すら降りかねない嫌な空模様である。 「うーむ、多少はあったかいかと思ったんだけど、失敗か……」 ちらり、と入り口にかけられた看板を見る。 大森林公園。 一周するのに歩いて五分とかからない上、申し訳程度に樹木が並んでいるだけのここにそのようなたいそうな名前を付けた人間は何者なのだろうか。気にならないけど気になる。 まあ、公園としては小さくとも、周囲に大きな建物の影がない。団地都市としては貴重な日照権が大いに守られている土地である……が、 「寒い」 期待したほどの強い日差しはなかった。 海に程近く、新幹線はなくともそこそこ交通の便がよく、都心からもまあまあ遠くないそんな街。そこに建つ、住み慣れた――というには幾分付き合いの短いアパート。そこからさらに徒歩十分、駅とは反対側にある公園までわざわざ出向いたのは暖を期待したからだ。 本来であれば文明の利器に頭を下げて暖房の利いた屋内へと避難をするところ。 しかし、駅前でウィンドウショッピングとしゃれ込もうにも時刻は午前八時。さすがにシャッターが上がっていない。 そこで、猫がよくひなたぼっこをしに来ると聞いた公園を訪れたのだ。 だが、 「猫の子一匹おりませんがな……」 うわさは当てにならん。 秋の空 毛皮を着たいな はひふへほ もうちょっと煮詰めれば五百年くらい残りそうな一句が生まれそうな経験だ。うんうん。へっくしょい。
- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 14:40:57.07 ID:+x4NW3EDP
- それにしても、ここはひとりでいるにはさみしすぎる。
他人が見たらば、人目を嫌ってこそこそと逃げてきたように思うんじゃなかろうか。 「……このままブランコにでも座っていたら、完全にリストラお父さんだな」 ためしに座ってみた。 ひゅるり、と風が吹いた。 腕を抱くようにしてさすった。 「とっても寒い」 体も心も。 猫や野生のおじさんが生息していないのは、どうやら公園の大きさだけが理由ではなさそうだ。 ここは風が冷たい。 高台から海と街を同時に眺められるロケーション――といえば格好いいが、その実は海風にもビル風にも見舞われる強風地帯だった。 「しかたないな、駅前でも――ん?」 ブランコから立ち上がろうとしたら、変なものを見つけた。 いや、本来正しいわけなのだが、それこそが奇妙であるものを発見したというべきか。 染めていない黒の髪。紺のブレザー、ねずみ色のミニスカート。それらには、白の線が一本と走っている。胸元には赤のネクタイ。靴下も靴も決められたとおりの逸脱していないもの。 規定違反スレスレあるいはそれを明らかに超えた改造品ばかり見ていたためだろう、妙に露出が足りない気がする。 誰も覚えていない『本来そうあるべき』一文を思い出す。 ――外出時は、学外の活動であっても制服を着用すること。 その娘は、白鳳高校の制服に身を包んでいた。 「はて……?」 部活動か呼び出しか、もしくは冠婚葬祭。 休日にまで制服を着るとなれば、理由はおおよそ、その三つに絞られる。 さて、どれだろう。 そのいずれにしてもここは目的地ではなく、さらに移動が必要なわけだが、 「この辺でいいかな?」 と、彼女は街を見下ろせる柵の手前に立った。
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 14:42:19.02 ID:+x4NW3EDP
- 転落防止のため背丈よりも高い柵。
色は白だったらしいが、ところどころペンキがはがれ始めていて、何年も修繕されていないことがうかがわれた。 それなのに、彼女は少しでも近くへ、といわんばかりに柵に顔を近付け、その向こうを見ている。 「見えたらいいな……」 何が、だろうか。 ブランコを立ち、同じように柵から、目を凝らす。 見えるのは、平凡な世界。 計画性があったと思しききちんとした区画の地域と、ひとが増えるにしたがって場当たり的に作られたぐちゃぐちゃした区画。それらが半端にかみ合ってひとつの秩序を作り出していた。 たぶん、ありふれた光景。 特徴的な建物なんて何もない。 巨大なタワーもなければ、長大なビルもない。雄大な牧場もなければ、広大な遺跡もない。 強いてあげれば海とそれを埋め立てて作った土地があることくらいだろう。 詰まらないところだ。 ただ、 「……見えたら、いいな」 そうというのが野暮だってことがわかるくらいに、彼女は真剣な目をしていた。 「おっと、いけないいけない」 そう言うと、彼女はおもむろに手に持っていた紙袋からダンボールを取り出した。 公園+ダンボール イコールの先にピンと来るものがひとつある方程式だ。 「まさか……」 彼女はおぼつかない手付きで苦労しながらも、二分ほどでダンボール箱を組み上げた。 直方体だ。 きちんと全面ふたをされているきれいな直方体である。 「できたー♪」 あ、自分で拍手してる。 「……それで、これはどうやって住むのかな?」 やっぱり住む気だった!
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 14:43:22.77 ID:+x4NW3EDP
- 「うーん……」
腕組みをし、首を傾げて考える。 考える。 考える。 ものすごく考える。 本人は必死なのだろうけれども、なにやら可愛らしい。 小動物的に微笑ましいともいうかもしれない。 クワッと効果音が出そうなポーズを決め、 「――こうだっ!?」 それは、直方体のダンボール箱の上部を開け、その中に座り込む―― 一言でいえば、捨て猫なスタイルだった。 「……君は誰かに拾われたいのか?」 「ひゃわぁあああっ!?」 何の気なしにツッコんだら二メートルくらい後退られた。 そこまで驚かれると傷付くんだけどなぁ。 「だ、だ、だ、誰っ!? わ、ワタシ、ニホンゴ、シャベレナイアルヨ!」 「いやそれ日本語だから」 「ふぇ? あっ……」 大きな瞳が驚いていた。 朱の唇も小さく開いて呆然と。 何か信じられないようなものを見てしまったように―― 「あああああっ!」 「な、何?」 「わ、私のおうちがぁー……」 足元を見ると、後退ったときに彼女自身に踏み付けられ、無残な姿となったダンボールハウスも怒気があった。 ぷつり、と意図が切れたように力なくへたり込み、地べたに手を付く。
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 14:45:49.26 ID:+x4NW3EDP
- 「世界にはもう絶望以外ない……アル……」
あるのかないのかどっちだ。 ぐきゅうううっ 「……何、今の音?」 答えることなく、彼女はもそもそと潰れたダンボールの上で横になった。それだけを見たならば行き倒れのような格好で。 「……それで?」 「おかなが空き過ぎた少女はもう動けません……」 さいですか。 「おうちを組み立てなおす余力もないようです……」 そうですか。 「極寒の地に放置すれば、きっと明日の朝刊をにぎわすことでしょう……。ダイイングメッセージは似顔絵付の豪華版……」 「豪華なのかなぁ」 かなり疑問だ。 「そこのお優しいお方。慈悲と謝罪の精神があらば、力なく果てたびしょーじょにお恵みをー」 「とても元気に見えます」 実際、そんなに衰弱しては見えない。 「何をおっしゃいますか、私はもう体力ゼロですよ。ううっ、くるしい~」 ぱたぱた、と手足を振ってわざとらしくデフォルメした苦しむフリ。 なんだか、楽しくて笑ってしまった。 まあ、ダンボールを壊した責任は僕にもありそうだし、 「コンビニの菓子パンくらいしか買えないけどいいかな?」 「もちろん♪」 元気だなぁ。 >
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 14:46:41.63 ID:+x4NW3EDP
- 「おーい、こっちこっちー♪」
「はいはい」 再建された捨て猫ハウスで彼女はぱたぱたと手を振っていた。 「ホントにコンビニくらいしかやってなかったから、大したものはないよ?」 言いつつ、コンビニ袋からアンパンを取り出した。 「いえいえ、食べるものがあるだけで大感謝です♪」 両手でちょこんとビニールを持ち、包装をはがしてかぶり付く。 もぎゅもぎゅと噛んで、ごくりと飲み込む。 「はあぁ……おいしいぃ……」 「よござんした」 おかげでただでさえ軽い財布が羽の生えたようになってしまったけどね。 「どっこいしょ……っと」 公園備え付けのベンチがあまり冷たくなっていなかったのは幸いだった。 見上げると先ほどよりもさらに曇天具合が悪化していた。 うーん、参るなぁ。 降られるとさすがに屋外というわけにもいかないし……。 羽ばたいている財布の中身を確認、口座の残高もついでに思い出す。 ……降ったら帰るしかないね、こりゃあ。 「うまいかー?」 「それは、もう!」 よしよし、と頭をなでたくなるいいお返事で。 「はふぅ~……ごちそうさまでした」 「おそまつさまでした」 人心地付いたか、彼女はほにゃーとした笑顔を見せた。 「パン一個で足りたの?」 「あはは……しばらく食べてなかったからか、もう胃が満杯です」 それはまたなんというか。 「食生活って大事です。今度ばかりは実感しましたよ」 「だろうねぇ」
- 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 14:47:57.49 ID:+x4NW3EDP
- 「『ぼんきゅっぱーん』ですらっとした長身が光る見事なモデル体型だったのですが、いやはやもったいないもったいないもったい……ない……。ううぅ……しくしく」
「そんな、自らさえ偽れない嘘を付かずとも」 ひとまず『ぼんきゅっぱーん』はおいておくとして、それでも背が足りない。彼女は百五十センチほどだろうか、僕よりも頭ひとつは低く小さい。 「まあ、食生活どころか衣食住全滅なんですけどね」 たはは……と、彼女は長い黒髪をかきあげた。 「んー……聞いていいかな?」 その、衣食住全滅になった過程を。 「では、おもしろみのある答えとない答えがございますので、お選びくださいませませ」 立ち上がり、スカートの端をつまんで優雅に一礼。おどけたしゃべりと対照的にぴしりと決められた。 何を聞きたいかはわかっている、といってくれるのなら話は早い。 「じゃあ、おもしろみのない方で」 「おや、意外。君ならおもしろい方を選ぶと思ったのになー」 「僕と君の仲なのに……わかってもらえないとは悲しいよっ!」 合わせて僕が舞台役者のように振ってみた。 「ぷっ……あはははは」 「お気に召したようでなによりでございますます」 同じく立ち上がり、胸元に手を当ててうやうやしく一礼。彼女ほどじゃないにしてもそれなりには決まったと思う。 「でも、端折っちゃうと本当におもしろみがないよ。着の身着のまま家出をした末路です、ハイ」 なるほど。 「お疲れ様でした」 「いえいえ、ごちそうさまでした」 「それじゃあ、強く生きてください」 しゅたっと手を上げ、回れ右。
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 14:50:22.83 ID:+x4NW3EDP
- 「へいゆー。じゃすとあもーめんと、だ」
「ダメ」 僕はノーといえる日本人です。 「まあまあ、まだ何も言ってないですし、聞くだけ聞いてよー」 「じゃ、聞くだけ」 「泊――」 「ダメ」 終了。 「早っ! 言い切ってもいないよっ!?」 「あいにくとひとり暮らしなもんでねぇ」 「家事なら手伝えるよっ!」 「いいえ、先立つものがさっぱりなんです」 とほほ、と僕は肩をすくめた。 「いやいやぁ、一日あたりたった三食でこーんな美少女があなたの生活を潤してくれる。くうぅっ、お買い得っ!」 「間に合ってます」 「三ヶ月だけ! 三ヶ月だけ置いてもらえれば、洗剤六個サービスしちゃうよ!?」 「契約を迫る新聞屋かい!」 「あはははは」 ホント、ノリがいいなぁ。 ひとしきり笑うと彼女は腕組みをして、 「やー。だけど実際その――大変だよ、契約って……」 しみじみと口にした。 「そうだなぁ……」 「うん……」
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 14:52:38.06 ID:+x4NW3EDP
- 契約。
契約は重い。 一個一個の重さは違うだろうけれど、ときとして予期せぬ重みを持つ場合がある。というか、あった。 うふふ、なんかやり場のない怒りの類がこみ上げてきてございましてよ? そりゃあ望んださ。望んだけど――そりゃあねっすよ! 休日の朝に寒空の下、新聞拡張員に迫られて逃げてきました。連休は結局遊んだ記憶がございません。漫画が読みたい? ゲームをやりたい? お金がないので生活費以外はすべて贅沢品です。 アレ? なんだか泣きたくなってきたよママン。 ゴホン、と咳払いをひとつ、ばね仕掛けの人形のように彼女は立ち上がった。 「あー、寒いっ! ね、ちょっとお留守番お願いしていい?」 「それはつまり、ダンボールが風で飛ばないように押さえてろ、と」 「おうちですー!」 彼女はぱたぱた腕をばたつかせた。 「はいはい、行ってらっしゃいな」 「ありがと、すぐ戻ってくるからよろしくね」 「さっさと用を足したり引いたりして来るといい」 「直接的な物言いをするなー!」 はっはっは。 >
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 14:53:50.84 ID:+x4NW3EDP
- 「ふぅ……」
こういってはなんだが、助かった。 沈みかけた空気を引き上げて、気分を変えるための時間までくれた。よく気の回る娘だ。 こちらの気持ちをうまく察してくれているというか……深読みし過ぎかな? 「……そういや、まだ名前も聞いてなかったな」 パンをおごって、莫迦な話をして、個人的な事情を少しばかり教えてもらって、そのおかげかなんとなく前々からの知り合いのような気がしていた。 こう……具体的に理由を言葉にすることは難しいのだが、なんだか話しやすい。妙に馬が合った。 せいぜいが二十分足らずの短い――そこまで短かったのか、と時計を確認してしまったくらい短い――付き合いなのに、多少なら手助けをしてもいいと思えるほどに、だ。 「だけど、一緒に住むってのは無理だな……」 アレだけは、アレだけは……何が何でも他人に見られるわけにはいかん! 「うぉ……っと!」 決意を新たにした瞬間、一段と強い風が吹いた。 ダンボールハウスから紙片が舞い上がる。 「うわわわわ」 あわてて追いかける。 意思を持っているかのように右へ左へと逃げ回るそれをどうにか確保した。 「ん?」 これは、契約の書類……? いつぞや見せられた新聞屋のそれとほぼ同じ形態。 そういえば、さっき彼女と新聞契約について話してたっけか。 「……ふむ」 まあ、なんだ。 三ヶ月くらいなら……ね? その、ほら! 放っておくとまたあの拡張員は押しかけてくるじゃあないか。 それなら、彼女を相手に契約してしまった方がまだすっきりするというかなんというか。 ……安易に家出外泊を引き伸ばすようなことが正しいかどうかはわからないけれども――少しは喜んでくれるかもしれないし。 「期間は三ヶ月、契約者名は朝霧瑞希……っと」 「ダメぇえええ!」 「えっ――うわっ!?」 後ろからの彼女の大声に、振り向きかけた瞬間――
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 14:55:07.81 ID:+x4NW3EDP
- 光。
白い光。 書類から放たれる光。 圧倒的な光量が目を襲った。 「――っ!」 幻想的なんて余裕はさっぱりない。 目を焼こうとしているとしか思えない強すぎる明かり。 視界どころか視覚すら機能しているのか怪しいくらいの圧力がかかっている。 「――ぅ……あ?」 見える。 見えている。 見えてしまっている。 「り……の……?」 この光の中でなぜか、彼女の姿だけがくっきりと目に映っていた。 目を凝らさずとも大きな瞳のそのまた瞳孔の開き具合まで。 回り込まずとも流れる髪の毛の一本一本まで視認できる。 「……きれい、だ」 いや、違うだろ僕。何をのんきなことを言っているんだ。そんなマニアック過ぎる部分に見惚れたみたいなことを――ってそれでもなくて! がくん、と唐突に光の奔流は消え去った。 同時に、異常なくらいよく見ることができた彼女の姿も、元通り僕の当たり前の視覚範囲でのみでしか確認できなくなった。 「け、契約完了……?」 「な、なんだぁ、今の?」 「みみみ、見せて。契約書、見せて!」 彼女は、半ばひったくるようにして書きたてほやほやのそれを手に取る。 長々細々とした契約の文言をすっとばし、最後のページにある契約期間と契約者名までを一分足らずで読み終えた。 「ふ、ふふ……ふふふふふ……」 「え、えと、お嬢様? 笑い方が恐ろしゅうございますが……」 「なんてことすんのよー!」 びゅん、とダンボール箱を振り回された。
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 14:56:28.12 ID:+x4NW3EDP
- 「ま、待て待て待て、僕はその、君のために三ヶ月だけ新聞を取ろうと――」
「これは新聞の購読契約書じゃなーいっ!」 「じゃあ、これはいったい――」 「すとーっぷ!」 言葉を強引にさえぎられた。 「な、何?」 「ここから先、しゃべらないで!」 「へ?」 「しゃべるなぁあああ!」 「いやその、なんで? ――説明して」 付け加えるように頼んだその言葉だけが、震えた。 かちり、と何かがはまったような音が聞こえた。 彼女の手の中にあった契約書が薄く輝き、 「ハイ、私があなた様のご命令を聞かなくてはならないからですっ!」 彼女はこぼれ落ちそうなくらいのニコニコ笑顔になった。 「――どうして?」 かちり 「契約によって、私があなた様の使い魔になれたからです! ――ってあああああっ!」 ニコニコタイム終了。 えーっと……、 「なかなかハイセンスだった!」 「ギャグじゃなあああいっ!」 「なら――」 「すとぉーっぷ! 今度こそ完全停止要求! すとっぷおぶすとっぷ! 私にもプライバシーというものがあるの!」 「……わかった。任せるから説明してほしい」 本当かどうかの判断は後に回そう。 ――たぶん、本当なんだろうけど。ああ、なんでまた僕は厄介ごとを拾っちゃうかなぁ……。
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 14:57:40.52 ID:+x4NW3EDP
- 「まずその前に、お願い」
彼女は人差し指を立てた。 「黙秘権を認めてほしいの。話したくないこともあるから」 「了解。他は?」 顔を赤らめて、おずおずと、 「え、えっちぃ命令はやめてね?」 「しない。誓おう」 ほっと胸をなでおろした。 「――では、名乗ろう。私はリノである」 「……である?」 なんで急に時代がかった口調に? 「そう、異世界――魔界の王たるもののひとり、魔王リノである!」 と、リノは大仰かつえらそうにそれでいて迫力満点――なつもりなのだろう――に見得を切る。 ちょいーん、と何かが抜けた効果音が僕の脳内で鳴ったことは内緒にしておいてあげよう 「不本意ながらも契約によって君とつながりが生まれた。なれば、私は魔王としてその庇護下にあるべきしもべを守る義務があろう!」 使い魔やら魔界が存在するというトンデモ話はとりあえず鵜呑みにするとして、 「……リノが使い魔なら、リノがしもべなんじゃないのか?」 「ちっちっち、これは代償によってなされる対等な契約。だから、私は君のしもべではないのよ。そして、私は魔王! つまりえらい! よって、君がしもべなの!」 なんだかものすごーく怪しい論理。 「代償って?」 「うっ!」 あ、痛いところなんだ。 「も、黙秘権を行使させてください……」 「ここでは却下。大事なことだから話して。――命令」 かちり 「ううぅ……」 涙目になって縮こまって可愛いなぁ……って、変な趣味に目覚めてしまいそうだ。いかんいかん。 「……き」 「えっ?」 よく聞き取れなかった。
- 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 14:58:53.23 ID:+x4NW3EDP
- 「三食、おやつ付き……」
……は? 「お、おなかが空きすぎて、つい、その、そういう内容の使い魔契約書を捨てられなくて……。も、もちろん、使う気なんてなかったよっ!? ちっとも。ぜんぜん。まったく。本当に!」 感想。 「魔王やっすぅううう!」 「思っても口にするなぁあああ!」 「いやもう、そんな人類のまだ見ぬ境地に挑まれても」 「そこまで!? そこまでの無理難題なのっ!?」 そりゃあもう。 「……と、ともかく! 君は私ののしもべなの! 魔王様の命令は絶対なのー!」 もう完全に口調は元に戻っている。 「そういわれてもなぁ。――リノは僕のしもべである方がうれしいんじゃない?」 いい加減耳慣れてきたかちり、という音。 「ハイ、ご主人様。リノはご主人様のしもべであることが喜びですっ♪ ――って、言わすなぁあああ!」 「はっはっは」 なんか、おもしろい。おもしろくていいのかは知らないけど。 「みっ!?」 突然リノが震えた。 何かと驚いたが、ぽつりぽつりと土にしみができればわかるというもの。 「あちゃー、ついに降り出したか……」
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 15:00:08.28 ID:+x4NW3EDP
- まあ、長い話になりそうだし……家に上げるよりはまだいいということで、
「行こう、続きは喫茶店で聞くよ」 「え、で、でもあの……わ、私には個人で使える予算があまり、その……」 指先を合わせていじいじと。 それは先刻承知です。 「はいはい、僕がおごるからさ」 「ほ、本当っ!?」 リノが、がばっと顔を上げた。 「あんまり高いものは無理だけどね」 「ほ、ほっとけーきは……注文して、いい……?」 「ホットケーキ? そのくらいならいいよ」 ぱあっと咲いたような笑顔。 「うん、私はいいしもべに恵まれたよっ♪」 本当に安いなぁ、魔王様。 「うん? 何か言った?」 「空耳だよ、きっと」 >>
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 15:01:21.03 ID:+x4NW3EDP
- 公園からそう遠くなく、ついでにホットケーキが絶品という喫茶店。『北ガラス』はそんな店なのだそうな。
「くぅ~……このふわふわ感がおいしいっ♪」 右手にフォークを構えたまま、こぼれるとでもいうのか左手でほっぺたを押さえてリノは喜んだ。 「うーむ……確かに、これはうまいなぁ……」 ふかふかの生地にとろりと溶けるバター、すっと塗られたハチミツ、アクセントに生クリームをトッピングした特製ホットケーキはすばらしく甘かった。 「部長のグルメマップに感謝だな、こりゃ……」 「部長さん?」 器用にも鼻の頭にクリームを乗せたまま訊ねるリノ。 「ウチの部の、ね。学校周辺で食べ歩くのが趣味なんだってさ」 「優雅な趣味だねぇ……」 「まったく同感。普通にそんな趣味を楽しもうと思ったらいくらお金があっても足りないよ」 あー、紅茶もいい香りだ。 「ただ、部長はその辺、頭のいいことを考えてね」 「うん?」 くき、とリノは首を傾けた。 「公然と部費で食べ歩きできるクラブを作ったんだよ」 「……不正じゃあないの?」 鼻の頭が真剣な表情を台無しにしているけど、あえて指摘しない。 「さあね。部長がいうには合法で、先生方もグルメマップの愛用者がいるから問題ないんだってさ」 「ふぅん」 あ、鼻をかいた。 気が付いちゃった。残念。 「まあ、正義感にかぶれて行動をするには……役に立ってるみたいだし、微妙なところだよ」 ずずず、と紅茶をすすった。 「さて、そろそろ詳しい話を聞かせてよ」 「うーん……どこから話したものかなぁ」 時計は、まだ九時前。 「時間はあるから大枠からでいいよ」 「じゃあ、世界についてから話すね」 本気で大きな枠だなぁ。
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 15:02:34.87 ID:+x4NW3EDP
- 「こちらの世界とは別に、けれども非常に近しい場所にもうひとつ世界があるの。で、こちらの世界の言葉を借りて、その世界は『魔界』と称されている。これが前提」
空になったカップをそっと置いた。 「数学的、また物理的な考察からその世界はやはり天体のひとつであり、『地球』と同じように宇宙に浮かんでいる球であるといわれている。でも、不可思議なことに『地球』と『魔界』は部分的につながっていたの」 「へぇ」 「そのつながりはとても小さく、とても細く、とても短い。だから、『魔法』という素地があればこそ『魔界』の住人にのみ知られているのよ」 「ほぉ」 「『地球』と『魔界』という対比は言葉として少し変なものだよね? ここで私が『魔界』と呼称しているものは、その世界での惑星のひとつなのだから惑星の名で呼ばれてしかるべきなんだけれど……それについては、文化的背景の問題へと踏み込まないといけないので割愛、と」 「はぁ」 「……ちゃんと聴いてる?」 ものすごく眉根を寄せられた。 「興味がないわけじゃないけれど、結論から枝葉に広げる説明のしかたが好みかな」 「むぅ……」 うなり、リノはフォークを置いた。 「さっきもいったとおり、私は魔王のひとり。ふとした事情から、こちらの世界で単身しばらく過ごすことにした。その準備の途中で瑞希と出会い、契約を結んでしまった。これがここまでの流れね」 「うん。そのくらいなら、なんとなくわかってた」 ダンボールハウスに住むつもりだったのか、とは問いたいけど。 「君が一番気になるところは、ここでの『契約』に関する部分だと思うけれど」 「まあ、そうだね」 他は僕とかかわりのない――積極的にかかわろうとしなければ、かかわらずにすむかもしれない――ところだし。 「成立にいたるまでの歴史や経緯もこれまたごっそりと省略して、結論――つまり、私と瑞希にかかる制約についてのみ話すよ?」 「よろしく」 「使い魔側にかかる制約は三つ。主人の命令の遵守、主人への虚偽報告の禁制、その他主人への反抗の禁止」 まあ、そうだろう。 「主人側にかかる制約はひとつ。契約時の対価受け渡し遵守だけ」 「ずいぶんと主人側に都合のいいものなんだね」 とてもじゃないが、対等とは思えない。 「たとえば、主人が契約時の対価に金銭を指定したとして、それ以上の額を使い魔の個人資産から引き出させることもできるんじゃないか?」 「できるよ」 なんだそりゃ。
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 15:03:54.82 ID:+x4NW3EDP
- 「使い魔側にうまみがぜんぜんないな……まるで、売られて行く奴隷の契約みたいだ」
「当たらずとも遠からず……かな」 「まあ細かくは訊かないよ。あまり話すとリノの不利が大きくなりすぎるだろうし」 きょとんとしてリノは目をしばたかせた。 「その……なんだろう、私がいうことでもない気がするんだけど……いいの?」 「んー」 紅茶を一口。 「特に奴隷が必要でもないし、ほしいとも思ってない。意味もなくうらみを買う趣味だって持ち合わせてないし、ね」 「瑞希……」 リノの顔がほころんだところで、 「なにより、まだその言葉を鵜呑みにできるだけの信用がリノにないんだよねー♪」 おー、笑顔が凍った凍った。 「『実はファンタジック美人局でした♪』というオチも考えうるし!」 「何その視聴率が取れそうにない深夜番組のような名前はー!」 「はっはっは」 ……まあ、考えうるというだけで、リノがうそをついていないことはわかっている。 前提となる知識について、僕がまったくの無知ではなかったから。 でも、口には出さない。 リノがおもしろいし。 「むぐぐ……」 「質問だけど、契約を守れなかったらどうなるんだ?」 三度三度食わせておやつまで付けないといけないペットを飼う財力はないんだが。 「それはないよ」 「?」 「私があれほど無様に……もとい、素直に質問に答えてしまったように、瑞希にも同様の強制力が働いているの。その力の大きさはふたりの魔力総量に比例するらしいけど――どちらにしても、ひとの身で抗うのはどだい不可能な代物だよ」 「つまり、僕は何があろうとリノに三食プラスおやつを出し続けてしまう、と」 「うん♪」 胸を張られた。 「やっぱりファンタジック美人局だった!」
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 15:05:19.76 ID:+x4NW3EDP
- 「一食二食につられて身売りする気なんてなかったよっ!」
一ヶ月なので、ざっと九十食だけどね。 「うーん……食費が倍ってのは怖いなぁ。何万円増えるんだろう」 「……何万円?」 怪訝な顔でリノが見上げてきた。 「一食四百円としても九十食だと三万六千円になるでしょ?」 「瑞希……もしかして、自炊はしてないの?」 「人類が摂取できるはずの食材を人類が摂取できない物体に調理することはできるぞ」 焼けば炭ができて、蒸せば炭ができて、煮ても炭ができる。料理とは実に不思議だ。 「はぁ……ちゃんと節約して料理すれば一ヶ月で三万円もかからないでしょうに」 「……一人分で?」 「二人分」 一人分の食費よりも安い二人分の食費ってことですか!? 「これでも料理は得意なの。日本風な和洋中もこなせるよっ♪」 おおぉ……後光が差している……。 「日本風というからには、カレーライスも……」 「かれーは水っぽいものよりも、どろっとした、ごはんにあわせて食べるものの方が好きですよぉ……フフフ……」 「魔王様!」 「ふっふっふ、あがめるがいいー♪」 「アパートの庭に小屋を建てるので来てくださいっ!」 おおっ、コケた。いいリアクションだ。 「私は犬かっ!?」 「捨てられ方は猫のようにも見えましたっ!」 「捨てられてたわけじゃなーいっ!」 魔王ハウス。 「まあ、まじめにいうと……僕、ひとり暮らしなんだよね」 「うん?」 「つまり、リノが来ると、年頃の男女がひとつ屋根の下!」 「別に構わないよ?」 ぐっ……ちょっとはひるもうよ。
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 15:06:39.67 ID:+x4NW3EDP
- 「証明としては物足りないかもしれないけど――私はこういうこともできるからね」
そう言って、リノは自分の指を軽くなめると、さらさらと紙ナプキンに何かを書いた。 スティックシュガーの袋を開け、その紙ナプキンの一ヶ所に山を作り―― 「燃えよ」 ボッ 紙ナプキンの端にリノが指を乗せると、砂糖が一瞬で燃え尽きた。 「これが『魔法』。君たちには使えない異形なるものの力――」 「コンロはあるよ?」 おー、突っ伏した。 「ちっがぁあああう!」 一瞬取り戻しかけた威厳はすこーんと吹っ飛んでいった。 「リノって、実はお笑い番組好きでしょ?」 「き、嫌いではないけど……って、そうじゃなくて! 私は『魔法』使えるの! もの燃やしたりもの凍らせたりできるの!」 「冷蔵庫もあるよ?」 「ちーがーうーのー!」 あっはっは。 「と、ともかくね。私は強いの。君が何かしでかそうとしても逃げることは簡単なんだよ! だから、その点は気にせず、私をあったかいおうちに入れてくださいお外は想像以上に寒かったんです残暑でこれだと冬が本気で恐ろしいんですお願いしますお頼みしますお願いします」 後半なにやら本音が駄々漏れしていた気もするが、さて困った。 うまい料理ができて、なおかつそのまま節約につなげられるというのはのどから手が出るほどほしい逸材。 だが、家に上げると……ましてや、同居するとなると……バレる確率が……。 ちゃらりらりらりら~♪ 喫茶店らしく天井付近にすえられたTVから、特徴的な音楽が流れ始めた。 「え、もう『新感覚、嫌死刑魔法少女☆祈坂』の時間なの?」 見ると、派手派手しいコスチューム――大きなお友達のことを考えてか、やや露出過多――に身を包んだ可愛らしい少女が、これまた派手派手しい『魔法』で敵と思しき肥満気味の中年男性とやせぎすなメガネ男を音楽に合わせて吹っ飛ばしていた。どうやらオープニングらしい。 「魔法少女ねぇ……好きなのか?」 「うん! 強いしカッコイイし、特に第三羽の『大変! 大怪我をしているわ。こうなったら……楽にしてあげるしか……』とためらいなく被害者を救済するシーンでの魔法少女祈坂の癒し系っぷりが大好き♪」 「……ほぉ」 はた、とリノが我に返る。
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 15:08:39.59 ID:+x4NW3EDP
- 「な、何かな、その目は? あ、アニメだからといって莫迦にできるものじゃあないよ? 社会風刺を思わせると同時にキャラクター性を確立し、それでいて深い心理描写、ハイスピード過ぎる戦闘シーンなど見所いっぱいなんだから!
こ、子供向けではないよ! 一線を画した大人向けの本格派アニメなのっ!」 いや、それはどうでもいいんだけど、 「『魔法』使えるのに、魔法少女好き……」 「魔法少女に限定するのはまだまだ日の浅いヒヨっこのすることですよ。当然、私は魔女っ子も好きですね!」 どう違うんだか。 「うーむ」 むむむ……。 料理+節約+魔法少女好き……。 「……変、かな?」 上目遣いに、さみしそうにリノはつぶやいた。 「そんなことはないと思うよ。世の中、もっとすごい趣味の人だっていくらでもいるだろうし」 「ううん、瑞希にとって、の話」 僕にとって……? 「瑞希は、正義って嫌い?」 正義。 正義ときたか。 よりによって、『正義なんか』がきたか。 「んー……嫌いじゃあないけど――」 リノはその一瞬、落胆したような表情を見せた。 「――大好きって声を張り上げるのは、僕じゃいけないと思うけど」 「えっ?」 「僕なんかが高らかに正義を語っても、誰も納得しないでしょ? そういうこと」 たぶん、逃げ。 だけども、リノにあの表情はさせておきたくなかった。 「……瑞希」 「ん?」 「ありがとう」 リノは小さく笑った。
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 15:10:37.29 ID:+x4NW3EDP
- 「……何が?」
というよりも、『どういう意味で?』と。 「無茶な命令だってできる状態で、これほどよくしてくれて」 うらみごとのひとつもいってくれればいいのに。 「行くあてでもある……のか?」 「うーん……先住民がいる駅のホームで相談してみようと思うよっ」 「……」 はぁ……。 僕も焼きが回ったかなぁ? 「ひとつ、約束」 「ん? 何?」 「僕の部屋には入らない。いい?」 「うん」 うなづいてから、一秒ほどリノは止まった。 「……え? ええっ!? い、いいの!? 私も一緒に住んでいいのっ!?」 「覗いたら鶴になって空に帰っちゃうからそのつもりでね」 「大船に乗ったつもりで任せておいてっ! 何があろうとも守っちゃうよー♪」 うん、いい笑顔だわ。 >>
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 15:12:00.71 ID:+x4NW3EDP
- いや、色気のある展開を期待したわけじゃないけれどね?
「ああ、疲れた……」 ぐるん、と腕を回し、首をこきこきと鳴らす。 疲れが取れるわけでもないが、幾分楽になったような気がした。 いっそ全身ストレッチでもしようかと考えていると、コーヒーを飲もうと沸かしていたやかんが騒ぎ始めた。 時刻はというとすでに暮れてかかっていてる午後五時。 「ミズキは本当にお人よしだよねぇ」 いたずら好きな子供を思わせる高い声がした。 「うっさい、棒」 「放っておけばいいのに、目の前で他人が困ってるとどうしても手を出しちゃう。普段、達観したような顔をしてるのにねぇ。くふふ」 「折るぞ?」 「あっ、ちょっ、痛い痛い痛い折れる折れる折れるハルちゃん折れちゃうべキっと割れちゃうポッキリいっちゃうやめてやめてやめてー」 と、騒いでもリノは一言も発することはなかった。 「くぅ……」 僕のベッドを占領する形で、リノはすやすやおやすみ中。 「ぐっすり寝てるねぇ、ミズキ」 「まあ……疲れてるんだろうね。いつからかは知らないけど表にいたみたいだし」 「初めて訪れた男の部屋であっさり寝れるって、情状を酌量しても大物だねぇ」 「僕もまさか寝てるとは思わなかったよ」 家に帰ってきて、テーブルに倒れ込んでいる姿を見付けたときには何事かと思ったが。 「ねぇねぇ、それでさ、この娘は誰?」 「ん? 聞いてなかったのか?」 「ちょっと眠くってねぇ」 道理で静かだと。 「僕がハルにそれを訊ねたかったんだけどね」 「どういうこと?」 棒なのに首を傾げるな。 「魔王って言ってた」 さすがに意表を突かれたのか、ハルの息が止まる。息してるのかわからないけど。 「魔王ねぇ……前にもいったと思うけど、魔界の統一王は存在しないよ?」
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 15:13:25.30 ID:+x4NW3EDP
- 「だから、可能性としてありうるのは魔界のどこかの国の王様かな、と思ったんだ」
「むー、知らないねぇ。ハルちゃんはそんなに王族に詳しいわけじゃないけれど、この娘がどこかの王様だった記憶はないみたい」 まあ、そもそもこちらで見ることなんてありえないけどね、とハルは笑った。 「となると、おかしい」 「何がおかしいの、ミズキ?」 「どうせバレることだからいっちゃうと、この娘と契約したんだ」 しん、と静まった。 「……使い魔の契約?」 首肯。 「おかしいよ、ミズキ。うん、それはおかしいよ」 「だよね」 「契約したのであれば、うそはつけない。これは絶対のルールなんだよ?」 リノ本人もいっていたな。 「ということは、ハルちゃんが考えるに、ありえるのは三通り。この娘の記憶能力がおかしいか、この娘の言語能力がおかしいか、この娘の判断能力がおかしいか」 「それは違う。少なくともその倍、いや、三倍の数までは確実にありうるよ」 いやだから、棒なのに器用に首を傾げるな、と。 「『リノ』だけじゃなくて、『朝霧瑞希』や『ハル』がおかしいという可能性もあるということさ」 つまり、僕がリノの言葉を記憶し損じた可能性。僕がリノの言葉を言語的に理解し損ねた可能性。僕が理解したリノ言葉を誤って判断した可能性。それと、ハルが僕へ説明したもろもろが同様に間違っていた可能性がある。だから、三倍だ。 「ああ、なるほど~。ミズキは頭いいねぇ」 ただ、状況証拠だけを並べるのであればリノが一番怪しいというのも事実だけれども。 「――でも、そこまで理解していて連れてきちゃった理由は?」 「料理ができるんだってさ。二人分作っても一人前を買うよりも安いらしい」 「ミズキ……」 目があったら哀れみのそれで見つめてきそうな雰囲気をただよわせるな、棒。 「さすがに、お人よしが過ぎるよねぇ」 「別に……三ヶ月くらい、どうということはないよ」 ため息をつきなさんな。 「この娘、服や髪がキレイだって気が付いてるよねぇ?」 身なりのきれいな家出少女が、たまたま魔王でした。あはははは。 ――ない。ないわ。
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 15:14:32.14 ID:+x4NW3EDP
- 「……まあね」
「魔界から機界に来ることはたぶんまだできないと思ってたけど……技術革新でも起こったのかなぁ? ――その新しくてものすごーく高額を吹っかけられそうな技術を使えるって、すごいよねぇ?」 「……ああ、わかってる」 ため息をついてしまった。 リノには持ち物らしい持ち物もほとんど見当たらなかった。持ち歩いていたのは、せいぜいがバッグに入る程度の着替えくらいのもの。隠しているのか着の身着のままなのか、あるいは送り届けられる算段でも付いているのか。はてさて、どうなんだろう。 奇妙すぎる情報が山積していて、さっぱりそれらはつながらない。にもかかわらず、それらのいずれもが高い確率で正しい情報なのだという。なんだこりゃ。 「わかってるならいいよ、ハルちゃんはミズキの意思を尊重する」 「……ありがとう、ハル」 「わ、ミズキからハルちゃんへの感謝の言葉聞いたのかなり久しぶり! 明日は雪が降るかなぁ?」 「秋口が見えてきたとはいえさすがにまだ早いだろ。……けど、寒いのであれば暖めてやることはやぶさかではないね」 「えっ?」 「ちょうど、湧きたてのお湯が残ってるし……」 コーヒーおいしいです。 「み、ミズキ? えと、それを……ハルちゃんにどうするつもり――」 「煮沸消毒?」 ちょっと違うかも。まあいいか。 「あ、ちょっ、熱い熱い熱い融ける融ける融けるハルちゃん融けちゃうドロっと崩れちゃうポロリといっちゃうやめてやめてやめてー」 別に、照れ隠しではない。 「ミズキミズキミズキ、出撃出撃出撃だよっ! ほらもうすぐ出撃しないと熱い熱い熱いー」 「……このタイミングで?」 「一刻の猶予もないねぇ! うんっ!」 じとーっ 「うわ、ミズキものっそいジト目だねぇ。でも急がないと!」 「……じゃあ、続きは後にしよう」 「するのっ!? 続きするのっ!?」 当然です。 >>
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 15:15:48.20 ID:+x4NW3EDP
- 魔法少女になって、数少ないよかったと思えることのひとつ。
それが、空を飛べること。 飛行機には乗ったことがある。そのときは大した感慨もなく、ああ飛んでいるな、と窓から地上を見下ろしただけだった。 空を飛びたいと願った古の巨人たちも飛行機に乗ったらばいうだろう。「こういうことじゃあないんだよねぇ」と。 大空を自在に。その身で感じられるように。 きっと、そういう思いがあったのではないだろうか。 まあ、空を飛べるといっても、優雅にふわりふわり、とではなく―― びゅごぉおおおおおおおお 耳をつんざく轟音を横手に、『魔法』障壁が音速の壁をばしばし叩いている。 気を抜いたら? 気を抜く暇なんてあるわけがない! 古の巨人たちもこういうだろう。「これはこれで間違ってるっぽい」と。 目印にしていた建物が目に入った。 すう、と息を吸い込み――足を天へと向ける。 「……っ!」 上空数百メートルからの落下。 高空というには浅く、だけれどもたたきつけられて死ぬには十分過ぎる高度。 今から十数秒か、数秒か、あるいはそれよりもさらに短い時間、意識が途切れただけでも容易に人間は『失われる』。 背筋が凍る。 恐ろしい。 怖い。
- 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 15:17:08.14 ID:+x4NW3EDP
- 「……ふぅ」
恐怖で固まる頭に深呼吸をひとつ。体を返し、足を地面へと向け、 「……第十七『魔法』術式――展開!」 どかん、と逆にGが生まれた。 「……くっ!」 すさまじい圧が体を襲う。 めきめきと絞り上げられるような感触。 もし『魔法』障壁がなくなれば、針をつきたてられた風船のように中にいる自分はめちゃくちゃになってしまうのではないか――と、せんのないことを思った。 地面から数十センチの安全距離をとって、静止。 そうしてから重力に身をゆだね、そっと降り立った。 で、 「来たわねぇ……魔法少女! 今度こそ、インタビューに応えてもらおうじゃないの!」 なんでこのひと、すでに現場にいるの? 「……心から断る」 なんだてめえは、とわかりやすいチンピラ台詞を口にしたコンビニ強盗を沈め、さっさと逃げた。 >>
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 15:18:23.54 ID:+x4NW3EDP
- 『本誌記者、魔法少女の正体をつかんだ――か?』
九月二十三日午後一時ごろ、美浜区ひび野にてコンビニ強盗事件が発生。近くを通っていた本誌記者が駆けつけたところ、くだんの魔法少女が現れ、不思議な『魔法』を用いて抵抗する犯人を捕縛した。 本誌記者は魔法少女に取材を試みるも回答はなく、独占インタビューの機会は得られなかった。 通産八度目の遭遇となり、本誌記者も「次回に現れる場所に見当が付くようになった。おそらく彼女が何者であるか正しく把握できたからだ」と自信満々である。 寡黙な彼女の正体について、次週の『週刊奇跡報道』では本誌記者が大胆に明かしてくれるであろう。 ――『週刊奇跡報道ウェブ』記者、母里佐奈 >>>>>
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 15:24:00.73 ID:+x4NW3EDP
- いっそ、『七月の暑さを解決できたらノーベル賞をまとめて五個プレゼントキャンペーン』なんてやってくれないだろうか。その小粋さにきっと全世界の科学者ががんばってくれる。んでもって、僕たち涼しくなってハッピー。万々歳。
半ば以上本気で思った。 「重要なのはプリム部分だ。いいかね、アサ。繰り返すが、メイドさんは記号であり、その象徴はプリム部分なのだ」 そして、その蒸し暑い初夏の真っ昼間だというのに、鼎は絶好調だった。 「あのプリムのおかげで、我々はメイドさんにセーラー服を着せることができるようになった。スク水を着せることができるようになった。いや、そればかりか十八キーンな場面においてもその役柄を見誤ることなく裸体を注視し得るようになったのだ。 これは蒸気機関の発明よりも人類にとって意義があることとは思わないかね?」 人類の九十九パーセント以上が心の底からどうでもいいと思うことを第三帝国の総統ばりに演説できると、人生において何かプラスになることがあるのだろうか。 パンの最後のひとかけらを飲み込み、僕はくしゃくしゃとスマイリーなマークの付いた購買紙袋を丸めた。 「何なんだ、そのプリムってのは……?」 「プリムというのは、メイドさんが頭部に装着しているあのひらひらふりふりした夢と希望から生まれた物質のことだ。ホワイトプリム、ヘッドドレスなどと呼ばれることもあるな」 夢と希望がそんな形態変化をするとは思わないけれど理解。アレはプリムという名前だったのか。 「で、何の話だっけ? 購買のメロンラスクはやっぱり存在しないって話だったよね?」 「そんな話はしておらん。メイドさんはプリムを装着している限りメイドさんとして見ることができる。 であるからして、メイドさんはメイド服にのみ拘泥することなく他の衣装、ひいては他の立場を兼ね合わせることができるという、歴史的にも製紙技術の構築より意味のあることを話していたのだ」 知らんがな。 「一緒に学校に通いながらも『確かに同級生ですけれど、わたしはメイドですから♪』とオレから一歩下がってひかえる姿! セーラー服なのにメイド! 同級生なのにメイド! 『これもお仕事です! さ、おとなしくお口を開けてくださいな。はい、あ~ん♪』と恥ずかしがるオレに教室でお手製弁当をあ~んしてくれる! さらには、プールの授業後――」 僕は鼎と友人であっていいのかどうか、そろそろ真剣に悩んでいいと思う。 暑い。 見上げれば空は青く、雲ひとつない晴天。わずかに木々もそよいでいた。 これで湿度と気温が高くさえなければ花丸を差し上げるところなのだが、いかんせん暦は日本の四季から個人的に取り除いてほしいランキング一位の、夏だ。 「――というわけで、世界的な見地からしてもメイドさんは偉大なんだが……アサよ、聞いているかね?」 「聞いてないよ」 懇切丁寧かつ簡潔無比な返答をしてあげた。 「はぁ……まったく、アサは才能があるというのにそんなことでどうするというのだね?」 何の才能だか。 「まあ、オレたちにはまだ時間がある。ひとまずはオレの話を聞き流しているだけでいい。それは絶対アサの力になるだろう」 ならんならん。 「こらこら、勝手にたそがれるな。しかたないな……アサよ、ひとつおいしい話をしてやろうではないか」 「おいしい話?」
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 15:25:29.39 ID:+x4NW3EDP
- 「おいしい話?」
「そのとおり。これを見よ!」 部活動許可申請書……? 「二学期までもつれ込んでしまうが、ようやく認可が下りたのだ」 「……それが、どうしておいしい話と関係あるの?」 「これが予算。この項目が活動内容だ」 ばさり、と数枚の紙が机の上に置かれた。 えーと、何々―― 「鼎」 「何かね、朝霧瑞希君?」 ふんぞり返るな。 「ずいぶんと予算が多いね」 「生徒会に根回しをしたからな」 「それと、活動内容にある『現地での部員レクリエーション』って項目が気になるね」 「一部教職員にも根回ししたからな」 要するに、 「これって、部活動費で買い食いする部活ってことだよね?」 「そういう側面もあるかもしれんな」 灰色な答え、ありがとう。 「部員が少々必要でな、今探しているところだ。もし、名義を入れたいという友人がいれば――たまにいい目が見れる可能性もあろう」 「わかった、これからよろしく」 入部届けください、と出した手を避けられた。 「その前に、メイド談義の続きに花を咲かせるとしようではないか、アサよ」 「……初回はチョコ系で頼むよ?」 「了解だ、親友よ」 よしよし、じゃあさっさと書いてしまうか。 さらさらさらっと。
- 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 15:27:50.84 ID:+x4NW3EDP
- 「はい」
「うむ、ご苦労。朝霧部員よ」 「ありがとうございます、斉藤部長」 ……あの、なんでこのタイミングでニヤリと笑いますか? 「これで、君も栄えある『正義部員』だ」 2.九月二十四日、木曜日 ――と、そのような絶望的な過去の夢を見た。 「なんで正義部だ!?」 いまさらで、相手も目の前にいないがツッコまざるを得ない。 メイド部というのならまだわかりやす……いや、それはさすがに張り倒してでも入部届けを奪いとらねばならないが。 「……ふぁあ」 時計を確認すると午前六時。デジタルなそれは今日が木曜であることまで克明に知らせてくれる。余計な真似をしおってからに。 「んー……寝足りない」 昨日も動き回ったせいだろう、連休明けだというのに回復した気がしない。 「しかして、それでも平日はやってくる……ってか」 どことなく体が痛い。 「……敷布団くらいはほしいかなぁ?」 タオルケットを敷いても、床はやっぱり硬い。 ベッドをリノに譲れば、自然と僕はあぶれる。 幸い毛布はあったので寒くて凍えることはなかったが、今後を考えるといろいろと買っておく必要があるだろう。 「瑞希、おはよう。朝からすっとんきょうな声を上げて、どうかしたの?」 「エプロン」 もとい、エプロン姿のリノだ。制服エプロンとはこしゃくな。 「うん? あ、朝ごはんはもうちょっと待ってね。もう少しでできあがるから座って待っていてよ」 「うん、わかった。ありがとう」
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 15:29:04.29 ID:+x4NW3EDP
- 「ふふん、この魔王リノ様にたくさん感謝するがいいのだー♪」
「エプロン姿で家事をこなす『魔王様』に感謝です」 あ、苦い顔になった。 「――リノ、朝は笑顔で行こうよ」 かちり 「はいっ、ご主人様♪ リノ笑顔でがんばりまぁすっ――ってさせるなぁあああ!」 契約の日から三日が過ぎた。 主従関係にもにもすっかり慣れて、もっぱらリノと遊ぶ――というか、リノで遊ぶ――ためにしばしば用いている。すみません、おもしろいんです魔王様が。 生活はずいぶんと楽になった。 家事の何割かをリノが受け持ってくれたのもあるが、本当に食費が安くなったのだ。 本当に、魔王様には大感謝です。 「まったくもう……瑞希がこんなに意地悪だとは思わなかったよ……」 「んー、でも、寝起きは機嫌のいい顔が見たいよね?」 「むぅ……なら――って、私は確か機嫌よく瑞希に挨拶したよっ! どういうこと!っ?」 バレた。 「おはようリノ、今日もいい朝だね♪」 「ごまかすなー!」 はっはっは。 >
- 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 15:30:17.29 ID:+x4NW3EDP
- 「ごちそうさまでした」
「うん、おそまつさまでした」 いうだけのことはあり、リノは本当に料理上手のようだった。 「どう? おいしかったかな?」 と、訊く声も答えを確信し切った自信ありげなものだし。 「そうだね、うまかったよ」 「そうでしょうそうでしょう♪」 「今まで目玉焼きは、こげているか炭になっているか白身が透明なままのものしか食べたことなかったから、画期的だった」 「……瑞希、今までどういう食生活してたの?」 「しょくせいかつ」 と申されましても。 戸棚を開け、箱に詰めた様々なパックをテーブルに並べた。 「インスタント文明は素敵なのですよ」 「なるほど……食費がかかるわけね」 はあ、とため息をつかれた。 「料理のひとつくらい覚えればよかったのに」 軽々しく言うんじゃありません。 「リノは、爆発する鍋とか爆発するフライパンとか爆発する冷蔵庫を見てもそれを言い続けられるのか?」 「お鍋やフライパンはなんとなくわかるけど……冷蔵庫って爆発するものだった?」 するんです。したんです。 「ところで瑞希、疑問なんだけど」 「ん? 何?」 「昨日も夕方から夜中までいったいどこに出かけてたの?」 ……。 「二日連続で帰りが夜中は遅すぎると思うの」 すみません、実は夜中から出かけてる日もあるんです。 「『出かける』の書き置きひとつだけだと不安になるよ」 「あー、バイトみたいなものだよ」 「バイト?」 「不定期だから突然いなくなるけれど、気にしないでね」
- 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 15:48:12.96 ID:TkVz0AV20
- 始まってた支援
- 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 16:00:10.51 ID:+x4NW3EDP
- 「変わったバイトをしてるね……どういうお仕事なの?」
「ノーコメントでお願いします」 「わかった」 物分りいいなぁ。 「あと、もうひとつ訊きたいんだけど、瑞希はどこに通っているの?」 「僕? リノと同じ白鳳で、一年二組だよ」 正しくは、リノの着ている制服と同じで、だけど。 「へぇ、この制服って白鳳って学校のものなんだ……」 ……すみません、そこからですか。 「学校、楽しい?」 「えーあー……うーん……チットモサッパリ、タノシクナイ、デスヨ?」 おもしろいことなんてなにもありませんよ、はい。 「そうなの?」 「ええそうですとも学校なんて勉強を詰め込むための機関に過ぎませんそもそも教師だって社会人としての経験なく教師としていきなり大量の部下たる生徒を任される立場にあるわけですから 命令する立場としての経験や人格形成においてそれが十分になされているとは限らないわけであるからしてですね」 「ふぅん」 よし、興味がそれた! 「おおっと、じかんがきてしまった。やあ、そろそろぼくはがっこうにいそがないと、ちこくしちゃう。わあ、たいへん」 「あれ? 木曜日は早いの?」 大まかな生活パターンは教えてある。 「きっとそういうことです!」 「じゃあ、後片付けは私がしておくから、瑞希は行きなよ」 うぐっ! な、なんか罪悪感が……。 「はい、お弁当。早めに帰ってきてよね?」 「承知した」 「荷物持ちがいると買い物が楽だし……フフフフフ」 「はめられたっ!?」 >>>
- 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 16:01:41.23 ID:TkVz0AV20
- しーえんっ!
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 16:02:08.50 ID:+x4NW3EDP
- 「またか、こんちくしょー!」
叫び、男はどかん、と机をたたいた。 こんもりと山を作っていた灰皿が一瞬浮き、がしゃんと耳障りな音を立てた。 「そうはいってもですね、あたしがこれ以上何かできたと思います?」 電話の向こうで可愛らしい声が、とげのある言葉を放っている。 煙草の煙が充満した部屋の中、男はそれでもメモ帳とペンを引き寄せ訊ねる。 「ああ無理だな、当たって悪かった。で、今回の事件のあらましを教えてくれ。なるべく、詳しくな」 はあ、と大きなため息があった。 男に聞こえるよう、わざと大きくしたのだろう。 「本日九月二十四日の午前八時三十分ごろ、白鳳高校のそばの路地で金切り声。急いで向かった先には彼女と被害者女性、あと犯人らしき人物。 で、あたしが着いたときにはすでにソイツは転がっていて、彼女は去る直前。あわてて声をかけたけれども聞こえていたかどうかも怪しいわね、あれじゃ」 嫌がらせのように速い報告を、自己流の速記で男は書き留めた。 「事件の中身は?」 「知らない。状況から見て強盗か強姦でしょ。でも、それを調べるのはあたしの仕事じゃない」 だから聞くな、と言外にいった。 しかし、少女のいいたいことをわかって、その上で男は笑う。 「おーう、ご苦労さん。んじゃ、勉学いそしんでくれ」 「保坂編集長……そう思うなら、あたしを頼らないでいただけませんか?」 明らかに怒気を孕んだ声を柳と流し、 「ま、そう膨れるな。これで八度目の遭遇だ、社長賞もくれてやるよおめでとさん」 「まったく……連休明けくらい、彼女も休んでくれればいいのに」 「そりゃ、佐奈よぉ。相手のが若いってことだ」 けけけ、と意地悪く保坂は笑った。 電話はものすごい音を響かせて、ぶっちりと切れた。 > >
- 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 16:03:34.69 ID:+x4NW3EDP
- 「そりゃあ、彼女の正体は気になるわよ……。だけど、あたしに調べさせるというのはどういうことだ!」
佐奈は叫んだ。 購買の脇に設置された公衆電話は、不満げに、がこんと鳴いた。 昼食を買いそびれた何人かの生徒が何事かと振り返ったが、佐奈は気にしなかった。 いい加減頭にきているのだ。 弱小出版の弱小雑誌の弱小編集部、そこの長が佐奈のおじである保坂だった。 言葉巧みに『マスコミに興味がある』という言葉を引き出させ、それからというもの佐奈は保坂のいい小間使いである。 「第一、『週刊奇跡報道』なんて、紙面の八割がUMA関連のうそつき雑誌じゃないのよ……何が報道よ! 何がマスコミよ!」 がん、と一発、佐奈は公衆電話を蹴りつけた。 「ひゃっ!?」 直後、その公衆電話が鳴り出した。 「も、もしもし……?」 恐る恐る受話器を上げると、 「言い忘れてたんだが、彼女をどうにか見つけてくれ」 何事もなかったかのように保坂がしゃべり始めた。 「は?」 佐奈は素でそんな声を漏らした。 携帯電話の番号を知られないようわざわざ公衆電話を用いているのにどうやって逆探知したのかもわからなかったが、何よりも保坂の言っていることが微塵もわからなかったからだ。 「聞こえなかったか? アレだよ、ホラ、俺らってここまで彼女のかかわる事件を見に行っただけじゃん」 「見に行ったのはあたしだけですが」 「だから後手後手回ってた。ってことは、先手――つまり、彼女の正体を暴いちまえばいくらでも取材し放題ってことだ」 莫迦? と、佐奈は本気で思った。一分の迷いもなかった。 「それにだな」 「何よ?」
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 16:04:47.11 ID:+x4NW3EDP
- 「実は、ウェブで発表しちまったんだ。『専属記者が魔法少女の正体をつかみました』って」
莫迦。 と、佐奈は本気で思った。脳内カテゴライズも完了していた。 「つーわけで、ボーナスははずむから頼んだ」 「ちょ、ちょっと待ってよ! あたしひとりで探せるわけないでしょ!?」 「まあ、聞け。俺だって何も考えてないわけじゃあない」 その一言に佐奈はほっと胸をなでおろした。 「相手が女の子なんだから、お前のとこの学生かもしれないだろ」 まあ、そうだ。 それで、どうやって絞り込むのだろうか。 「じゃ、そういうことで、がんばれ」 電話は切れた。 佐奈も切れた。 >>>
- 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 16:06:12.40 ID:+x4NW3EDP
- 白鳳学院高等学校は偏差値の高い私立校だ。
有名国公立大学への進学者数も多く、受験倍率もまずまず。経営的にはうまくいっているといえる状態だろう。 ただ、創立より間もない平成生まれの学校のためか、全国クラスの部活の育成には成功していないのが現状である。 なお、ほどよく便の悪い立地は、毎日登下校に歩くことで生徒の体力を養うため、らしい。地価のせいではない、らしい。らしい。 そんな白鳳高校の特徴のひとつが、木曜日の午後の授業時間枠をまるまる部活にあてていることだ。 表向きには『健全にして強固な人間関係の育成を奨励し、また、勉学のみならずスポーツにも力を注ぐことができるよう配慮したためである』とあるが、生徒はおろか教師のひとりとて信じてはいないだろう。 要するに、部活で成果がほしいのだ。 願わくば、一般の生徒まで飛び火しないよう特待生諸君の奮起を期待したい。 「朝霧部員、待ちたまえ」 そんな木曜日午前中の最後の授業が終了した直後に、呼び止められた。 「……何かな、鼎?」 「朝霧部員、今は部活の時間だ。オレのことはきちんと斉藤部長と呼びたまえ」 メイド狂いは堂々と仁王立ちをしていた。僕の席の目の前で。 「正確にはまだ昼休みだよ、鼎。部活の時間は一時から」 「細かいことを気にしてはいかん。そんなことより朝霧部員。それは何なのだね?」 「……弁当だよ?」 僕の机の上には弁当が広げられていた。 錦糸卵が乗せられたご飯に、アスパラガスのベーコン巻き、ほうれん草のおひたし、きんぴらごぼう、おまけにプチトマトがちょこんと入っている。 「ずいぶんと手の込んだ豪勢な弁当に見えるのだが、気のせいかね?」 「気のせい気のせい」 はたはた、と手のひらを振ってやった。 「朝霧部員」 「なんですか、顔が近い斉藤部長」 「オレは朝霧部員の親友として中高を渡り歩いてきたつもりなのだが」 腐れ縁ともいう。
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 16:07:37.36 ID:+x4NW3EDP
- 「その経験知識からいわせてもらうと、朝霧部員の料理の腕は破滅的だ」
「きょうび、ゲームの女性キャラにも用いられそうにない寸評をありがとう」 「そして、朝霧部員はひとり暮らし。では、この弁当の正体は何だね?」 リノが早起きして作ってくれました。 晩ごはんの詰めなおしではなく、きちんと全部のおかずを作り直してくれたというので今朝からお弁当の中身が楽しみでした。ハイ。 え? リノが誰かって? 魔王陛下様ですよ。魔界の王様です。『魔法』も使えるんですよ。 「僕も成長するということさ」 ――言えません。言いません。 「朝霧部員が成長……するのか?」 「いや、真剣に驚かれても」 「ふむ……まあいい、好意を持たれたのならば大切にしたまえ」 「へーい」 あー、きんぴらごぼうがおいしい。 「さて、朝霧部員。ここからが本題だ」 「……食事時にメイドさんの話はやめてくれよぉ」 少量なら健康にもいいのだが、鼎の提供するメイドさんの話題は明らかに過剰だ。おーばーどーずだ。致死量だ。 「いいや、オレはちゃんと『朝霧部員』と呼びかけているだろう。正義部の話だ」 ぴた、とプチトマトをつかむハシが止まった。 「おおっとぉ! いやぁ、僕、音子姉に呼ばれてたんだ。やあ、ごめんごめん。それじゃあ、斉藤部長。また今度ー」 食べかけの弁当をしまいこみ、ささっと脱出を試みた。 「では、姉さんに夕飯はいらないと伝えておいてくれたまえ。オレは本日中に片をつけるつもりなのでな」 何の話やら。 >>
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 16:08:48.00 ID:+x4NW3EDP
- 首尾よく鼎の魔の手から逃れることはできたが、言い訳に使ったおかげで思わぬ用事が増えた。
このままこそこそとエスケープするつもりだったのだが、いやはや世の中とはなかなかうまく行かないものだ。 「というわけで、音子姉をいぢめに来ました」 「えええええっ!?」 「音子姉さん、声が大きいです。他の先生方に迷惑ですよ」 「えっあっ、ご、ごめんなさいです?」 職員室の面々はさして気にした様子もなく――むしろ、微笑ましげにこちらを見つめていた。 「鼎から伝言です。夕飯はいらないとのこと」 「あ、はぁい。わかりました。伝言ありがとうございます」 ぺこ、と音子姉は頭を下げた。 「いい子だ」 なでやすい位置にあったので、とりあえず頭をなでてみた。 「わーい……って、違いますよぉ! 先生の頭をなでちゃいけませーんっ!」 「まあ、いいじゃないですか。頭のひとつやふたつ」 「人間に頭はひとつしかありませんっ!」 この木村の姓を持つ女教師は、何の間違いか鼎の実の姉である。 音子姉は眉目秀麗ですらりとした長身の持ち主だ。幼少より叩き込まれたという礼儀作法のおかげかその立ち居振る舞いは実に優雅で格好いい。 武芸にも秀で、勉学についても文句の付けようがなかったという。なんというか、女性にモテる女性を絵に描いたような傑物――なのだが、会話をすればこのとおり。実に困ったおひとなのだ。 そんな人畜無害が羊の皮を被ったような女性は、一応のところ我がクラスの担任教師として君臨している。 「うぅ~……いくら瑞希君が大人な先生にあこがれているからといっても、この対応はいただけません。減点です! ダメダメです!」 「むちむち頭脳が売りの大人先生ばんざーい」 「えっへん♪ ……頭脳?」 ワンテンポ遅れて音子姉の頭にクエスチョンマークが生まれた。 「無知無知ですよね?」 「え、ええ、もちろんです! 音子姉さんはお胸の立派なむちむちさんです!」 そんな無知蒙昧な大平原。 「それはそうとして、朝霧君はもっと先生を――」 がら、と職員室の戸が開けられた。 「失礼します木村先生はいらっしゃいますか?」 げっ。
- 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 16:09:35.40 ID:9itgcLOg0
- しえん
- 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 16:10:14.22 ID:+x4NW3EDP
- 「ね、音子姉。急用みたいだし、僕はもう行くよじゃあね!」
「すぐ終わるから気にしないでいいわよ」 はあ、そうですか。僕はすぐにでも帰りたいなぁと思うのですけれど。 「単刀直入に訊きます。先生、ここしばらくで奇妙な言動をしたことのある、あるいはしている生徒に心当たりはありませんか?」 茶髪のショート。きらりと光るメガネがひとつ。手帳を片手にペンを持ち。走れば速く持久力もあるすらりとした足を備えて。 白鳳高校生兼雑誌記者、母里佐奈がそこにいた。 「先生の生徒には、特にそういったひとはいませんでしたよ?」 「そうですか失礼します」 答えが得られたらもう用はないとばかりに、母里さんは職員室の戸に手をかけ―― 「先生」 「はい? 他にも何か質問ですか?」 ええ、と体半分を戸に向けたまま母里さんは口を開いた。 「魔法少女と思しき生徒はいませんか?」 ぴた、と音子姉の動きが止まった。
- 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 16:11:43.58 ID:+x4NW3EDP
- 「母里さん」
「なんですか?」 辺りをうかがい、周辺の席に自分たちしかいないことを確認すると、音子姉はいつになく真面目な顔をして、近くに寄るよう手招きをした。 「母里さん……あなた、ひょっとして――」 その声に、ごくり、と思わず生唾を飲んでしまう。 まさか、本当に何か知っているんじゃ―― 「――魔法少女好きなんですかっ!?」 「「……は?」」 ハモった。 「そうなんですよね! 魔法少女好きだと街でホントに活躍している魔法少女さんがいると探したくなりますよね! ええ、ええ、わかります。先生も魔法少女さんの正体をつきとめたら、あわよくば魔法少女二号になる資格がもらえるかもしれないと思うといてもたってもいられなく――」 僕はこそっと職員室から抜け出した。 >>
- 53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 16:12:45.86 ID:TkVz0AV20
- しぇ!
- 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 16:13:05.62 ID:+x4NW3EDP
- 職員室を出ると、南熊さんがいた。
「……よーろれひー」 片手を挙げられた。横文字の挨拶らしい。 「南熊さん、何してるの?」 「……すとーきんぐ」 どろぼうチックに忍び足ポーズをされた。横文字の挨拶らしい。 ……えっと。 「じゃ、がんばってください。僕はこれで!」 しゅたっと手を挙げ、さわやかに歯を光らせて僕は立ち去ることを宣言した。 「……がんばる」 うん、そんな気はしたけど付いてきた。 「えーと、南熊さん?」 「……何?」 ちょこん、と首を傾げられた。 「なんだって僕をストーキングなさっているのでございましょう?」 聞かれると思っていなかったのか、目を瞬かせると、足を止め考え始めた。 三秒ほどして、 「……くーるさん、だから?」 「違う、それクールさん違う。たぶん不思議ちゃん」 「……その解釈は受け入れがたい、かも」 他にどう解釈せよと。 南熊英という自称クールさんがいる。 天然だろうかやや赤みがかったポニーテールが輝く同級生。細身の肢体が麗しい美人さんでもある。 友人も多く、快活で話題豊富なムードメーカーとしてクラスでも注目されている人物……らしい。いろいろ謎だ。
- 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 16:40:21.21 ID:dbccWjerO
- 出遅れた支援。
- 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 16:42:31.69 ID:TkVz0AV20
- む、さるってるのか?
- 57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 16:46:03.85 ID:00+7spwNO
- しえん
- 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 16:51:24.86 ID:dbccWjerO
- 今日こそ俺の可愛い嫁ことパンが本体なのか棒が本体なのかわからない地球外生命体が活躍しますようニット。
- 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 17:00:03.90 ID:+x4NW3EDP
- 「部活はいいの?」
「……問題は、ないこともない」 あるんかい。 「……先送り」 しなさんな。 「部活があるんなら出た方がいいよ。いやまあ、ひとのことなんていえないけどさ」 これからサボって帰るところだし。 「……朝霧は、部活しないの?」 「出てるよ。毎日のように部長さんが現れるから致し方なく、ともいうがね」 「……ごしゅうしょうさま」 殺さないでー。 「ちょっと、あんた!」 職員室の戸が勢いよく開くと、遠慮のない声がやってきた。 「僕……だよね?」 「他に誰がいるってのよ」 と、母里さんはふんぞり返った。 よくあの音子姉の無駄話からこんなに早く解放され―― 「木村先生が呼んでる」 ――ああ、なるほど。僕がイケニエとしてささげられたんですね、わかります。 「いっとくけど、別にあんたを身代わりにしたわけじゃあないからね」 ちょっと驚いた。 「僕が考えたこと、よくわかったね」 「ふん、これでも記者の端くれよ。顔色を読むくらいわけないわ」 「……記者?」 「あー……ごめん、聞かなかったことにして」 記者であるというつもりはなかったのか、母里さんは話をごまかした。
- 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 17:01:31.97 ID:+x4NW3EDP
- ☆
さるさん復帰 単位時間あたりのレス占有率で決まるらしい
- 61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 17:03:06.80 ID:+x4NW3EDP
- 「……わかった」
「ん……?」 母里さんが南熊さんの反応に首をひねった。 「いや、まさか……でも、アイツも確かにこういう反応の仕方をしてたような……」 何を悩んでいるのやら。 「と、それじゃあ僕は帰るよ。南熊さん、母里さん、またね」 どうせろくでもない音子姉の呼び出しは回避するとして、鼎にも会いたくない。ならばさっさと退散するのみ。 「……部長さん」 「ん?」 「……部長さん、近い」 指差す方向を見ると、鼎がいた。 「げっ」 「……逃げる?」 つん、と軽くつつかれた。 「足止め頼める?」 「……そうやって、あなたは都合の悪い何もかもから逃げるのね」 えっと……鼎の方に歩み出したから、了解ってこと……だよね? 本当に、よくわからんひとだ。 >
- 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 17:03:10.19 ID:TkVz0AV20
- しーえーんー
- 63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 17:04:11.95 ID:+x4NW3EDP
- 「ミズキミズキ」
「ん? 何かあった?」 靴箱へと向かう途中の廊下。カバンの中からしたハルの声に、僕は訊ねた。 「あったことはあったんだけど……なんていうか、微妙なものだよ」 「微妙?」 「ミズキが出なくてもおそらく収まるくらい。でも、出ることもできる。そういう感じだねぇ」 そりゃまた微妙な。 「危険度は?」 「大したことないねぇ」 「緊急性は?」 「それほどでもないねぇ」 そりゃまたものすごく微妙な。 「ミズキ、どうする?」 「うーん……」 わざわざそうする機会を増やしたくはないけれど、話が早いのは確実にこっちだし。だけど、また帰りが遅れるとリノに怒られそうで怖いし。 「むむむ……」 「……むむむ教団へようこそー」 「南熊さん、なんですかその謎の宗教団体は……」 あと、気配なく急に横に立たれるとびっくりするんですが。 「……なんだろう。教えて」 たすけて魔王様、電波さんがいるよー。 「うむ、確かにその教団の正体は気になるところだな南熊部員」 ぎぎぎ、と首を後ろに向けると鼎がいた。 「ええと……いろいろ疑問があるんだけど、とりあえずひとつ聞いていいかな?」 「オレは親友の頼みを無碍に断るほどケチではない。何なりと聞きたまえ」 「『南熊部員』って、誰?」 「そこにいる女生徒のことだが?」 「……南熊部員です」 小さく右手を挙げていた。
- 64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 17:05:36.11 ID:+x4NW3EDP
- 「南熊さん南熊さん」
「……朝霧部員、何?」 合わせなくていいから。 「これは一体全体どういうこと?」 「……足止めをしている」 僕の!? 「では、行こうか朝霧部員。用事は済んだのだろう?」 「……ごぉごぉ」 何かをとてつもなく間違った気がした。 >>
- 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 17:06:43.28 ID:TkVz0AV20
- 支援
雑談したいけど雑談の内容が無い
- 66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 17:07:09.95 ID:+x4NW3EDP
- 文化研究会。
通称、正義部。 活動内容、地元食文化について探求するべくどうのこうの、あと歴史的観点から異文化の従僕について探求するべくぬったらべったら。 あれやこれやと欺瞞だらけで生まれたそんな部である。 部室棟という名前の隔離施設の一番奥まった場所にある我らが正義部の部室だが、それなりの広さが確保されている。本来、野球部やサッカー部といった大人数部活用だったのではないか、と踏んでいる。 詮索はしない。聞いてもいいことなさそうだし。 ただ、そのスペースの余裕と比べればいささか質素なのが備品だ。 ホワイトボードひとつに長いテーブルがふたつ、あとはパイプイスが少々に戸棚がひとつだけ。 「さて、朝霧部員。君をここへ招いた理由はわかるかね?」 腕組みをしてえらそうに腰掛ける鼎。パイプイスがワイングラスとペルシャ猫の似合う豪奢なイスに見えるから不思議だ。 「これは招くというより拉致したというべきじゃないかなぁ?」 「『彼女』の目撃情報から新たな事実が判明した」 ……。 「何が判明したの?」 「『彼女』のおおよその生活範囲だ」 ごほん、と鼎は咳払い。 「昨日、海道沿いで起きた事件に『彼女』は姿を見せた。この事件が以前のものと比較しても規模の小さいものであることは間違いないのだが――オレが目を付けたのは別の部分だ」 鼎は地図を広げると、ホワイトボードに磁石で固定した。 「この事件の概要は、タクシーの運転手が乗客であった酔っ払いの男に暴行を受けそうになった、という些細なものである」 珍しい部分はない。 「重要なのは、被害者が時刻を気にしていたという部分だ」 「時刻?」 「所用で電話をかける必要があり、急いでいた。まあ、所用というのは詐欺で、彼は危うくだまされるところだったからそちらに関しても『彼女』に救われている――が、これもまた余談だ。 ともかくそういうわけで、事件の発生時刻と『彼女』の到着時刻をきちんと記憶していたのだよ」 「……」
- 67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 17:08:49.43 ID:+x4NW3EDP
- 「事件発生時刻が午後十時三十七分。それに対し、『彼女』が現れた時刻は午後十時四十二分。時間差は五分だ」
ぽん、と鼎はマジックのふたを取った。 「同様に時刻がきちんとわかっている数件の事件について、事件発生から到着までの時間差と位置関係を代入していくと……」 きゅーっと赤いマジックが地図を染めていく。 「この辺りが、『彼女』の『出動場所』ということになる」 計算自体は単純。高校一年で習う数学のそれだった。 ふたつ以上の発生時刻と到着時刻、それと『彼女』の直線速度を頭に入れさえすれば求めることができる。 「目撃情報からの『彼女』の外見年齢も加味して考えたまえ、『彼女』はどこにいたか」 「要するに……『彼女』の正体は白鳳の生徒である、と」 「正解だ」 地図の赤は、白鳳学院高校の校舎を中心に大きな円を描いていた。 「これより我々『正義部』は、その総力をもって『彼女』の正体を暴きにかかる!」 だん、と鼎はホワイトボードをたたいた。 「……やんややんや」 南熊さん、拍手はいいから。 「それで、どうするの?」 「まず、もっとも地味な方策として、現在白鳳学院高校に所属する生徒全員の写真を入手した。これは集合写真をそろえるだけだったので容易であった」 大型の封筒を取り出し、それをひっくり返す鼎。ざざざざざっと、中からは大量の集合写真が出てきた。 「斉藤部長」 「何かね、朝霧部員?」 「何、これ?」 「白鳳学院高校に所属する生徒全員の写真だ」 とてつもなく嫌な予感がするんですけれど、 「それを、どうしろと?」 「『彼女』が誰なのかしらみつぶしに見て回るだけだ」
- 68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 17:09:47.20 ID:dbccWjerO
- しえーん
- 69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 17:10:28.03 ID:TkVz0AV20
- しぇーん!
- 70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 17:10:35.52 ID:+x4NW3EDP
- ☆
雑談ネタ…… まあ、ちまちま書き換わってはいてもほとんど新しい話がないからねぇw あ、美浜区限定魔法少女から美浜区周辺限定魔法少女に替わりました。 理由は、事件発生件数が想定よりも少なかったからw
- 71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 17:11:46.91 ID:+x4NW3EDP
- くらっときた。
「一学年に何人いるんだっけ、この高校?」 「およそ三百人だな」 「冷静に考えようよ、鼎。九百人ってすごい数だよ?」 「付属中学の分はひとまず除いてあるから、女生徒に限定すればおよそ四百五十人だ。オレと朝霧部員のふたりで手分けをすれば一人頭二百二十五人。十分可能な数字だ」 ぎゃー。 「な、南熊さん! 南熊さんは!?」 「……見たこと、ない」 「ということだ。『彼女』の顔を知るのは、オレと朝霧部員の二名のみ。何、今日中には帰れるさ」 いーやぁー。 「なぐまさん、なぐまさん。なぐまんたすけて。なぐまん」 「……なぐまん」 ほほを染めないでいいから。 「南熊部員、退路をふさぎたまえ」 「……なぐまん、了解」 あああああん。 >>>
- 72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 17:13:07.97 ID:+x4NW3EDP
- 自宅玄関である。
「むー」 ぶっ倒れている僕の頭上でリノが膨れていた。 「瑞希、今何時だと思ってるの?」 午後九時です。 「私、早く帰ってきてっていったよね? 朝、それしかいわなかったよね?」 そうですね。 「どういうこと?」 バイトじゃあないんです。 こう、理不尽メイドニストに拉致られたといいますかなんといいますか。 「もう、知らないっ。あったかい晩ごはんなんてないよっ!」 あー、冷めちゃった晩ごはんはあるんですね。ありがとうございます。 「お風呂はご飯食べてる間に沸かさないとぬるくて入ってられないからねーだっ!」 憤懣やるかたなしといった様子でリノは居間へと引っ込んでいった。 ……疲れすぎて声も出ません。 「ミズキって、結婚すると尻にしかれるタイプだと思う」 棒さん、おじゃかましくてよ? 家主を玄関に置き去りにしたまま、夜はふけていったのであった……。 >>>>>
- 73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 17:14:32.21 ID:+x4NW3EDP
- 少しだけ優しい女の子がいた。
電車内の三人がけのイスに座っていた。 僕と彼女ともうひとり。同じ西三小の制服を着ているが、顔も名前も知らない男子。 座席を探したら、たまたま空いていたのが僕と彼女の隣だったというだけだろう。 僕たちが乗ってから四つ目の駅で、見える限りの座席が完全に埋まった。 五つ目の駅で、三人のおじいさんが僕たちの座席に近いドアから乗り込んできた。 「よろしければ、どうぞ」 彼女は立って、席を譲った。 そうするだろうと思っていたので、彼女が席を立った時点で僕も立っていた。 おじいさんたちは僕たちに礼を述べ、誰が座るかを譲り合い始めた。 「……どうぞ」 と、そのとき、それまで僕の隣に座っていた男子が席を立ち、吊り革につかまった。 「ありがとう」 その男子に、おじいさんたち三人は微笑んだ。 たったそれだけのなんでもない出来事に、彼女はとてもうれしそうだった。 そんな、少しだけ優しい女の子。 3.九月二十五日、金曜日 ――と、そのような感傷的な記憶がよみがえった。 別名を、走馬灯という何かじゃなかろうか。 「げほげほ……ヴぁー……」 せきこんだ拍子に鼻水がてろん、と垂れた。 「へっひゅへっひゅ……」 ちーん 「瑞希、生きてる?」 ひょこっと土鍋リノが現れた。 「なんとか……げほげほ……」
- 74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 17:14:39.65 ID:TkVz0AV20
- しーえーーーん
- 75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 17:17:42.36 ID:dbccWjerO
- しえん。
- 76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 17:18:37.49 ID:lyJM/GRAO
- さるさん三回目
間隔短くなったし、きりがいいので続きは夜に
- 77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 17:22:34.31 ID:5GI9J+6wO
- 支援
- 78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 17:33:04.45 ID:7Um7kaVdO
- 支援
- 79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 17:34:28.10 ID:dbccWjerO
- そういえば角煮パンなんて何処で売ってるの?
近くコンビニにはないんだけど。
- 80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 17:41:57.60 ID:TkVz0AV20
- 角煮とな?
俺もしらんな
- 81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 17:45:55.79 ID:lyJM/GRAO
- 津田沼の駅で見かけたよ
- 82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 17:48:13.49 ID:9itgcLOg0
- 支援
- 83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 17:48:28.56 ID:dbccWjerO
- 情報サンクス。
津田沼って何処?というレベルなのであきらめます。
- 84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 18:14:13.99 ID:+x4NW3EDP
- >>83
千葉県だねぇ
- 85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 18:14:35.83 ID:v4cP0CrKO
- 支援
- 86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 18:16:31.95 ID:TkVz0AV20
- ホッシュ!
- 87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 18:23:32.64 ID:dbccWjerO
- 千葉とか遠すぎて無理w
せめて愛知ぐらいまでならね。 やっぱりあきらめて木の枝を拾う作業に戻りますね。
- 88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 18:34:43.37 ID:TkVz0AV20
- ほっし
- 89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 18:53:24.19 ID:TkVz0AV20
- 今回はsage進行?
保守
- 90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 18:56:51.16 ID:+x4NW3EDP
- そういえばsageはずすの忘れてたや
特にsage進行ではないですよー
- 91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 19:06:23.15 ID:TkVz0AV20
- 保守
- 92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 19:14:57.79 ID:lVUEjyqK0
- ほしゅ
- 93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 19:19:50.40 ID:7Um7kaVdO
- ほしゅ
- 94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 19:34:13.47 ID:TkVz0AV20
- ほ
- 95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 19:50:56.01 ID:dbccWjerO
- ほし
- 96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 20:00:51.67 ID:+x4NW3EDP
- ☆
続き行くよー
- 97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 20:02:23.17 ID:+x4NW3EDP
- リノはベッドの横に木のイスを寄せると、そこに鍋敷きを置いた。
「とりあえず、おじやを作ってみたけれど……食べれるの?」 「うー……食べる。食べないと治らないし」 じゃあ、とリノは持っていた土鍋をイスに乗せた。 「いたらきまへくしゅっ! ……ヴぁー」 てろん 「食べる前に、体温計だよ。あと、はいコレ」 「はりはほう……」 ちーん 結局あの晩力尽きた僕は、そのまま朝を向かえ、見事に風邪を引いた。 それも、ただの風邪ではなく弩風邪のようで。せきは出るわ、鼻水は出るわ、熱は高いわ、のどは痛いわ、関節は動かないわのオンパレード。 おかげで、このとおりベッドにくくりつけられている現状である。 「あー……頭がぼーっとする……」 ぴぴぴ、と電子音が聞こえた。 「鳴ったよ、瑞希」 「何がー……?」 「……大丈夫? 体温計だよ?」 あー。 うん、なんか判断力とか記憶力とかないです。やほぅ。 「んーと……三十九度ちょい、でした」 やほぅ。
- 98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 20:04:34.61 ID:+x4NW3EDP
- 「……瑞希、私の記憶が正しければ、人間の平熱ってせいぜい三十八度弱までだよね?」
いい記憶力です。ついでにいえば、僕の平熱はそれよりもさらに二度ほど低かったような気もしますね。 「インフルエンザかな? だとすると、やっぱり病院に行った方がいいよ、瑞希」 「我が家にそんなお金はあまりありませんっ!」 おおぅ、叫んだら頭がくらくらする。 「瑞希、ダメ。ちゃんと治そうよ。ね?」 いつになく真剣な表情ですね。 「……わかった。食べたら病院行くよー」 「よろしい♪ ごほうびに、おじやを食べさせて進ぜよう」 慈悲深い魔王様じゃて。 ……はて、何か大事なことを忘れているような? >>
- 99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 20:05:46.92 ID:+x4NW3EDP
- 「思い出した……」
熱に浮かされて、リノを自分の部屋に上げてたよぉおおお。ふんぎゃー。 「あ、ミズキが壊れた」 ナップサック、もといその中にいるハルが失敬なことをのたまった。 「ちゃうわい」 病院からの帰り道。解熱剤が効いたのか、いまだに足元がおぼつかなくはあるもののどうにかこうにか思考力は戻ってきた気がする。 「あーあー、僕の安住の地がどんどん少なくなっていくなぁ」 「ミズキはそういう運命なんだよ、きっとねぇ」 やな運命だな、オイ。 「それよりも、ミズキが見られたくないものって何だったのかな?」 ん? 「そりゃ、ハルだよ」 「ハルちゃん?」 「もしもし、根本的なところを忘れてませんか? 君、しゃべる棒」 「間違ってないけどハルちゃん不満だなぁ、その分類は」 お黙り。 「――というか、ハルは『魔法』の産物だろ?」 「間違ってないけどハルちゃん悲しいなぁ、その扱いは」 でも、とハル。 「ミズキが『魔法』とかかわりがあるって知られても別に何も問題ないんじゃないの?」 「大ありだよ。今この辺で『魔法』といえば、魔法少女しかいないじゃないか。恥ずかしいどころの騒ぎと違いますよ?」 「ああ、なるほどだねぇ」 海のそばの高台にたどり着いた。 それはつまり家まで、このまま歩いてあと五分ほどということ。 「……リノってさ、悪いやつじゃないと思うんだ」 はぁあ……と、ハルは盛大にため息をついた。 「ミズキ。それ、ダメ」 「何が?」 「あのね、ミズキの優しいところは『ヒト』としてすばらしいことだし、尊敬もするよ」 でも、とハルは呼吸を切った。
- 100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 20:07:06.03 ID:+x4NW3EDP
- 「甘過ぎるよ、ミズキは」
「もしもし、僕は何も結論らしきことは口にしていないんだが?」 あ、首をすくめたな。わかる。わかるぞ、棒め! 「ミズキは、TVの向こう――ニュースに映ったどこかの国で、誰とも知らないひとが死んだらどう思う?」 からからに渇いた、冷たい風が吹いた。 「どうとも思わない。そして、そのことを残酷にすら思わない。無感動に『そうなんだ』って一言感想を覚える程度」 「そうだよね、ミズキはそうだよねぇ」 でもさ、と続けて、 「ミズキの手にほんの一億円ほどがあったら、同じ感想は出せないと思う」 「一億円とは、ずいぶんな大金だね。サラリーマンの生涯年収がざっと三億円前後っていわれているんだし、まあ十年やそこいらはのんびりと過ごせそうだ。うんうん」 「……」 くしゃ、と並木の枯葉を踏んだ。 茶色のそれが何枚も何枚も、この先に続く遊歩道いっぱいに敷き詰められている。 「ハルちゃんはね、ミズキが本当にそういうヒトだったら、どんなにか――いいなぁと思うよ?」 「……普通、逆じゃないか?」 ハルは軽く笑った。 「じゃあ、ハルちゃんって何者さ?」 「棒」 一秒のためらいもなく答えてあげました。 「にゃはは、いやあミズキはいいねぇ」 それでさ、ともう一度切った。 「あの魔王様は、結局何者だと思うのかな?」
- 101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 20:09:59.79 ID:dbccWjerO
- しえんだ!
- 102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 20:11:58.14 ID:+x4NW3EDP
- ☆
この辺からちょっと情報追加するためにリアルタイムで書く部分が増えるよっ!
- 103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 20:18:05.18 ID:+x4NW3EDP
- 「んー……ヒントが足りないって感じだな」
「ヒント?」 「僕には『魔法』の知識が圧倒的に不足している」 「うん、そうだねぇ」 「君らが『魔法』で何をどこまでできるのかきちんと把握しないと、推理すらできないよ」 なるほど、とハルはうなづいた。 「逆に訊ねるけど、ハルはどう推測しているの?」 「ハルちゃん?」 うーん……と、腕組みをしているかのようにハルは声を悩ませた。 「ミズキは『魂』って信じてる?」 「『幽霊』が『人間だったもの』だとは信じてない。心霊写真で見られるオーブや映り込みなんかも、カメラの知識があれば容易に同じものを作れるし、ね」 「魔界では――まだまだ仮説の段階なんだけれど――『魂』は存在するんじゃないかっていわれてるねぇ」 ほう。 「ただ、『脳』という物理的な媒体でも思考や記憶をつかさどる場所が存在して、実際にそれを行っている事実もあるよねぇ」 それは確かに。 医学や科学で比べるなら、はるかにこちらが進んでいる。そういった客観的な事実も、『魂』を否定する大きな要因であるのだし。
- 104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 20:20:42.67 ID:dbccWjerO
- シエンタ
- 105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 20:22:13.73 ID:+x4NW3EDP
- 「『魂』がどういう機能を持っているかは定かじゃあないんだけれどね、ハルちゃんたちは、それでも『魂』が実在すると考えた方が説明がしやすい事例をいくつも見付けたよ」
ふむ。 「そして、実際に『魂』と『肉体』に関しての実験も行われていたらしいんだけれど……その結果があるからこそ、ハルちゃんが思いついた仮説は絶対にありえないんだよねぇ」 なんだそりゃ 「どんな仮説なの?」 「それはね――んっ?」 「どうかしたのか?」 「なんでもないよ」 ハルは応えた。 「……何かあったのか?」 「ないよ?」 かさかさになった落ち葉を踏む足が止まった。 なんだろうか、違和感を覚えて。 「……」 何に。 誰に。 どんな。 「ほらほら、ミズキ。表でぼーっとしてるとまた症状が悪化するよ? また、魔王様に怒られちゃうよ?」 「あー……そうだな」 ひとまず気にしないことにした。 >>
- 106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 20:27:58.80 ID:+x4NW3EDP
- 「で、だ」
僕は状況を整理すべくやや大きめに声を上げた。 「……こまんたれヴー」 南熊さんが小さく右手を挙げた。はい、こんにちは。 「何かね、朝霧部員?」 鼎はふんぞり返ったままあわてもしない。にくいこんちくしょうだ。 「なんで、君ら我が家にいるの?」 小さなテーブルをぐるりと囲んで、三人はいた。三人が。 「それは当然、正義部の活動にかこつけた朝霧部員の見舞いに違いあるまい」 ナチュラルに上座であぐらをかく鼎が、秘蔵のカステラを口に運んだ。 「……すとーきんぐ中」 ちょこんと正座をしていた南熊さんがお茶をすする。てか、まだそれ続いてたんですね。 「リノさぁん、どーゆーことよぉ?」 現場責任者ー。 「え、ええと……いつの間にかおふたりがいました」 は? 「南熊部員が合鍵を持っていたのでな、勝手に上がらせてもらったまでだ」 いやその、合鍵渡した記憶なんてないんですが。 「……合鍵」 じゃらり、と南熊さんは取り出した。 「それ、合鍵と違う。ピッキングツール」 「……正義部員には必須の技能と、斉藤部長に教えられた」 何を教えてるんだあんたは。 「それよりも朝霧部員、彼女は何者かね?」 「……リノはいとこだよ」 ほう、と鼎は息を漏らす。 「白鳳学院高校の制服を身につけているようだが――何年何組か教えてもらえるだろうか?」 「あ、え、その――」 「今度転校してくるんだよ。たぶん、僕がいない間に着心地を試してたんだよ」 言いよどみそうになったリノを押し退け、答えた。
- 107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 20:29:13.58 ID:+x4NW3EDP
- 「いとこが転校してくるというのに話題に出てきた記憶がないのだが?」
「急な話で僕も驚いてるくらいだからね」 「なるほど、筋は通っているようだ」 「……君はどこの査察だ、鼎」 ずっ、と鼎は一息にお茶を飲み下し、 「では、本題である。南熊部員、例のものを」 「……了解」 そう言うと、南熊さんはバッグから十数人の名前が連ねられた名簿を取り出した。 「昨日絞り込んだ『彼女』候補がこの面々であった」 過去形、か。 「夜、オレはその十数人についてより多くの写真を集め、記憶と照合した。その結果――『彼女』は白鳳の生徒ではないことが判明した。それにより――」 「待った」 「何かね、朝霧部員?」 「僕は病人で、リノは部外者。わざわざ押しかけてまで話すようなことかな?」 「ふむ」 と、コップを傾ける鼎。中身を飲み干していたことに気が付いて、そのままコップをテーブルに戻した。 「確かに、オレはあせっているのかもしれんな」 だが、と鼎は座りを直し、 「朝霧部員の知恵を貸してほしいのだ。なんとしても、『彼女』の正体を突き止めるために」 ……うーん。普通の事柄であれば手伝うんだけれどなぁ。 「頼む!」 「よ、よせよ。頭なんか下げるなって!」 「そういわれても、オレにできることはこれぐらいしか――」 「あのー……」 リノが遠慮がちに手を挙げていた。 「話の腰を折ってごめんなさい。でも、『彼女』が誰のことなのか気になって……」 わざとだ。 いつかと同じに、リノは空気を読んであえて話の腰を折りにいったのだろう。 「……未来の部員に説明をするのは、義務、かも」 と、南熊さんが助け舟を出港させた。てか、部員は確定なんですか。
- 108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 20:30:27.87 ID:dbccWjerO
- 魂の流布蘭。
- 109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 20:30:28.95 ID:v4cP0CrKO
- がんばれー
支援
- 110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 20:30:46.98 ID:lyJM/GRAO
- ばいさる
- 111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 20:30:57.32 ID:TkVz0AV20
- しぇー
- 112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 20:34:22.72 ID:dbccWjerO
- 今十分間隔で支援してるけどスピードあげようか?
- 113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 20:41:53.22 ID:dbccWjerO
- しえ
- 114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 20:44:36.50 ID:lVUEjyqK0
- 10分で大丈夫だと思う
乱立とかなければだけど
- 115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 20:50:27.70 ID:dbccWjerO
- しえーん
- 116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 20:55:19.32 ID:TkVz0AV20
- しえんしえん
- 117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 21:00:49.47 ID:dbccWjerO
- しえん
- 118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:06:27.68 ID:+x4NW3EDP
- 「ふむ……わかった、説明しよう。朝霧部員、TVを借りるぞ」
鼎はチャンネルを地方局へと合わせた。 「地域民であれば『彼女』といえば誰のことかは通じるものだが、転校生であればしかたがないかもしれんな」 昼下がり。全国ネットの民放であれば芸能人の恋愛劇でも追いかけている時間だが、この地方局に限定すればそうではない。 「美浜区周辺限定魔法少女――名称不明。それが、『彼女』である」 古ぼけたブラウン管には、限界まで引き伸ばされた魔法少女の写真が踊っていた。 >
- 119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:08:10.65 ID:+x4NW3EDP
- やかんを乗せれば沸くかもしれない。
そのくらいに、魔王陛下のご不満は頂点に達していた。 「どうして、瑞希は私に『彼女』のこと教えてくれなかったのー!?」 魔法少女好きとして譲れないものがあるようで、それはもうすばらしい怒りようでしたとさ。 ~完~ 「瑞希、話聞いてるっ!?」 「はい」 終われない。 美浜区周辺限定魔法少女こと『彼女』。 二ヶ月前に突如として現れ、以来数十件の事件にかかわっているとされている。 ここでいう『事件』とは、犯罪ではない――刑事や民事で裁かれることのない――ものも含まれている。 さて、『彼女』が魔法少女として認識されているのには大きくわけて三つの理由がある。 ――その一、格好が魔法少女。 黒を基調にした派手派手しいゴスロリちっくな衣装。そして、杖。 ――その二、自称が魔法少女。 自分の名前こそ言わないものの、魔法少女であるとは明言している。 ――その三、『魔法』を使う。 これが問題なのだ。 世界には『魔法』なんてものはないのだ。 物理学者が延々と研究し続け探求し続ける先に輝いている『物理法則』こそがこの世の支配者であり絶対のはずなのだ。 杖を振るった程度ですさまじい力を発生させたり、するどい氷を召喚したり、ましてや空なんて飛んではいけないものなのだ。のだ。
- 120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:09:04.85 ID:TkVz0AV20
- しーえーんー
- 121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:09:34.15 ID:+x4NW3EDP
- ただ、
「リアルまほーしょーじょー」 「じたばたしなさんな」 リノが文句をいっているのは問題がまるで違うようであった。 鼎の説明からその後、時刻はすっかりと夜になり鼎は退散した。「押しかけてすまなかった」と、珍しく殊勝なことまで述べていたことが印象的だ。 ――が、 「……なかなかの駄々っ子ぶり」 「何その盆栽の枝ぶりを褒めるような」 なぜか南熊さんはまだいた。 「えーと、南熊さん。そろそろ午後も七時なんですが……」 「……大丈夫」 何が。 「……おとまりセットはこのとおり」 「あの、男性のひとり暮らしに女性を泊めるのはいささか問題があるのではないかと存じ上げる次第です」 「……ふたり」 あー、リノいたね。そういえば。 「私のこと忘れてなかった……?」 「キノセイデスヨ?」 ジト目はやめてください。心の奥底から真実が漏れてしまいそうです。 「えっとね、ほら、リノは僕のいとこだから家族みたいなもので」 「……親戚はときとして増える」 宝くじでも当たったときに? 「……他に、結婚したときなども」 ええっとー……どういう意味でせうか? 「……つまりは、こういうこと」 ぴとっと南熊さんがしだれかかってきた。 「ななな、南熊さんっ!?」
- 122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 21:10:25.24 ID:dbccWjerO
- しえーんじゃ
- 123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:10:50.36 ID:+x4NW3EDP
- 「……よかった」
「な、何がでございましょうか?」 つい、と南熊さんは僕の顔へと手を伸ばしながら、 「……朝霧がいつもの態度ほど女慣れしてなくて」 そして―― 「ひとの家で何してるのよー!」 べりっとリノに引き剥がされた。 「……愛撫?」 違う。それはさすがに違う。 「ほら、瑞希は病人なんだから近くに寄らない寄らない。さっさと帰らないと狼が出て食べられちゃうわよ。かぷかぷって!」 「……送り狼になら、食べられてもいい」 こちらを見られても困るのですが。 「ダメ! 瑞希は私の――ぶ、部下なんだからっ!」 「何このわかりやすいツンデレ!?」 「ツンデレじゃなーいっ!」 意外と特定階層日本文化に精通してらっしゃいますね、魔王様。 「……親戚は、婚姻に口を挟むべきではないと思う」 「い、いとこは結婚できるんだよっ!?」 あーた、そもそも本当はいとこじゃないでしょう。 「……世間体すら考えられないようでは、まだまだお子様」 「同い年でしょうがぁー!」 あ、同い年だったんですか。 「だ、大体、なぐまんは口調が変わりすぎっ! 瑞希いないときと今とでぜんぜん違うよっ!?」 なぐまん。 「……それは言わないお約束」 「してないよっ!?」
- 124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:14:30.41 ID:9itgcLOg0
- ん?
なぐまんは、自分が瑞希の前では口調が変わることを認識しているのか?
- 125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:14:34.61 ID:TkVz0AV20
- リノを見てるとニヤニヤしてしまう
支援
- 126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 21:15:27.62 ID:dbccWjerO
- しえん
- 127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:16:07.01 ID:+x4NW3EDP
- ☆
さて、そろそろ安価をやろうか リノVSなぐまん、口論が続いているけど、どうする? 1.成り行き任せの第三者のフリ 2.こっそり自宅から逃げる 3.「明日は土曜だし、準備をしてあるんだから」とリノをなだめてなぐまんを泊める 4.その他、具体的に >>150 一応、死なないけど展開にはかかわるかなー
- 128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 21:17:28.34 ID:dbccWjerO
- 角煮の2
- 129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:17:39.19 ID:+x4NW3EDP
- >>124
結論からいうとYES ただし、正しく認識できているかは別のお話w 今日は四章まで書きたいなぁ
- 130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:18:33.86 ID:9itgcLOg0
- なるほど。
- 131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:19:08.15 ID:7Um7kaVdO
- ksk
- 132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 21:20:04.09 ID:dbccWjerO
- 過疎区しますよっと。
- 133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:20:15.17 ID:9itgcLOg0
- ksk
安価とおいwww
- 134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:21:26.47 ID:TkVz0AV20
- む、ここで安価とは
kskst
- 135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 21:21:56.94 ID:dbccWjerO
- すぴーどあっぷ
- 136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:22:30.31 ID:v4cP0CrKO
- 安価遠くね?
- 137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:22:58.89 ID:+x4NW3EDP
- ぶっちゃけ、さるさん対策もあって安価遠めにした
レス比率がちょっと悪いらしくすぐひっかかるんよー
- 138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 21:23:24.39 ID:dbccWjerO
- 加速装置
- 139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:23:56.31 ID:TkVz0AV20
- 俺は1か2を押すぜ!
- 140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 21:25:02.26 ID:dbccWjerO
- 加速化
- 141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:25:05.93 ID:9itgcLOg0
- 安価なら、4その他
なぐまんはきちんと帰して、リノと二人きりの夜を過ごす。 ……もちろん、病気なんですから、体力回復の為に普通に寝るだけですよ? ここで体力回復させとかんと、後がきつそうだし。
- 142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 21:26:36.04 ID:dbccWjerO
- くいっくたーん
- 143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:28:50.51 ID:9itgcLOg0
- 更に言うなら、
な ぐ ま ん は み ん な の 嫁 だ !!! 瑞希に食われてなるものかwwwwww という訳で、4を押すぞ~~~~
- 144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:29:42.07 ID:TkVz0AV20
- Vたーん
- 145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 21:30:11.29 ID:dbccWjerO
- 過疎区
- 146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:30:57.42 ID:9itgcLOg0
- ksk
- 147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:31:43.26 ID:TkVz0AV20
- kskst
- 148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:32:55.36 ID:TkVz0AV20
- ksk
- 149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:33:01.61 ID:9itgcLOg0
- かそく
- 150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:35:08.12 ID:v4cP0CrKO
- 4その他
なぐまんを帰して、静養する
- 151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:35:33.41 ID:+x4NW3EDP
- >>150
把握した。
- 152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:37:06.99 ID:9itgcLOg0
- 書き込み規制うぜぇorz
- 153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:37:33.49 ID:TkVz0AV20
- うっし
支援ー
- 154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:42:24.28 ID:+x4NW3EDP
- 収拾がつかないな、こりゃ。
「ええと……南熊さん?」 「……何?」 「その、お泊り道具を持ってきたみたいだけれども、もてなす準備もしてないし」 「……気にしない」 「ほ、ほら、うち、敷布団がないんだ。だから、寝る場所もないし」 「……気にしない」 いや、どして。 「……一緒に、寝る」 「くわーっ!」 ああっ、魔王様が壊れた!
- 155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 21:44:59.13 ID:dbccWjerO
- しえんだぜ
- 156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:45:25.45 ID:+x4NW3EDP
- 「瑞希も帰るよういってるんだから、なぐまんは帰るのっ! 投票率百パーセントで全員一致に反対票なんだから民主主義的に帰るのー!」
「……参政権を、求む」 「あげません!」 「……むー」 「きしゃー」 じりじりと視線のぶつかるところで火花を生み出すふたり。 先にそらしたのは南熊さんの方だった。 「……きょうのところはこのへんにしておいてやろう」 「帰れ帰れーっ!」 どうでもいいけど塩まくな。もったいない。 >>>
- 157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:47:13.85 ID:TkVz0AV20
- しぇー
- 158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:47:49.19 ID:+x4NW3EDP
- 「あー……なんか、初めてハルに感謝したくなったよ」
びゅうびゅうと風が吹きぬける。 場所はビルの屋上。 高層というほどではないにしても見下ろせば人間など豆粒のように感じられる、そのくらいの高さのビル。 「うーん、ミズキはもっと頻繁にハルちゃんに感謝してもいいと思うよ?」 そうとしゃべるハルはいつもよりはるかに長さを増し、両手でつかんでもあまるほどのになっていた。 「バレたらまた何かいわれるんだろうなぁ」 時刻は夜。 すでに深夜営業を行う一部の店舗以外はすべてが明かりを落とした後である。 「バレたらって、病み上がりなのに表に出ていること? それともミズキが魔法少女をしていること?」
- 159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 21:49:50.71 ID:dbccWjerO
- しえんどす
- 160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:52:15.54 ID:+x4NW3EDP
- 「……どっちもだな」
いずれにしてもすごく怒られるだろうし、後者は生き恥さらしというおまけ付きだ。 「いえない理由でこっそり家を抜け出せて感謝ってのもどうなのかなぁ?」 「それは……アレだ。夏休み終了間際に、夏休みの宿題が大量に残っていて、『でもお母さんに呼ばれたからご飯を食べにいかなきゃいけないなぁ、困った困った』的な」 「わかるようなわからないよなだねぇ――んっ!」 「来たか?」 ハルは小さくうなづく。杖なのに。 「来たよ……うん。これは、ミズキでないと無理」 「上等っ!」 僕は走りだした。 普段の数倍、あるいは数十倍の速さ。知覚が追いつくギリギリ。二秒と経たず金網は目の前に。 僕は跳んだ。 二メートルはあるフェンスの上端を優々と越えて空へと身を躍らせる。 「ハル、第三十七『魔法』術式解放だ」 「了解っ!」 どごん、と一瞬の猛加速。 音速の壁を刹那にすっ飛ばし、なおもぐんぐん速度を上げる。 「くぅ~……さすがにクるなぁ、このGは」 「ハルちゃんが防護していても限界はあるからねぇ」 街に残ったわずかな光の点は、加速とともに引き伸ばされ、やがて光の線となった。
- 161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:53:54.91 ID:9itgcLOg0
- し
静養してねぇw
- 162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:54:05.15 ID:+x4NW3EDP
- 「ミズキは、これで部長さん対策万全だと思う?」
「どうだろうなぁ、出撃位置や速度を変えたところでそんなのはめくらましにしかならないし……」 ただ、正体をつかむところまではいかないだろう、と確信はしている。 なぜなら―― 「ところで、ハル」 「何、ミズキ?」 「この姿はどうにかならないのかなぁ?」 「無理だよ。ハルちゃんは――主人を魔法少女にする杖、だもの」 ひらひらゴスゴスのドレスにプリムをまとい、『魔法』を用いて敵と戦う可愛らしい女の子。しかしてその正体は、白鳳学院高校一年二組、朝霧瑞希。男子。 あああああ、もう、絶望したいっ! 「まあまあミズキ、大丈夫だよ。女装だけど異性装じゃないし」 「何がどう大丈夫なんだよっ!?」 叫ぶ声も高くて可愛らしいときているから困る。 「ハルちゃんを手放さない限りは『魔法』は継続するから、おしりだっておっぱいだってホンモノだよ?」 「だーかーらー、それのどこが大丈夫なのか、と聞いている」 そりゃあ、とハルは笑った――気がする。 「もし、十八歳未満お断りな展開になっても、ハルちゃんを手放すだけで回避可能っ!」 「救いになってない救いに」 せめて……せめて、変身マスクヒーローだったら……っ! 戦隊モノっぽい格好で、たったひとりでもいい。 後ろ指差されて「ママー、なんであのレンジャーひとりなの?」とか言われても、「しっ、見ちゃいけません! 友達いないのが移るわよ!」とか言われても構わないですから! 「ミズキ、そろそろ現場。切り替えて」 「はぁあ……わかった!」
- 163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:55:46.69 ID:+x4NW3EDP
- 橋があった。
八百メートルを超える若葉第1号橋、若葉第2号橋にはさまれるようにして京葉線の線路が川を隔てて通っていた。 ――おそらく、数分前まで。 「こりゃまた見事に……」 「切れてるねぇ」 寸断。 何が原因か、誰が原因か橋の一部が崩落していた。 「ハル、ダイヤは!?」 「あと三十秒!」 三十秒後、もし気が付かなければ電車は川へと落ちることになる。 車掌が気付いてくれればよし。車掌が気付かずとも、ブレーキシステムが働けばよし。ブレーキシステムが働かずとも、事前の通報で強制停止がかかればよし。だが、それら一切が間に合わなかったら―― 「来たっ!」 貨物車があたりに響き渡るすさまじいブレーキ音を立てながら現れた。 が、 「速いっ!」 明らかにブレーキの効きが弱い。足りていない。 「ハル、第十八『魔法』術式――解放っ!」 「了解っ!」 ああ、明日の一面飾っちゃうんだろうなぁ……と、僕はなんだか涙が出た。 >>>>
- 164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:57:57.23 ID:+x4NW3EDP
- 少しだけ優しい女の子がいた。
朝会った彼女はなぜか体操着だった。 物静かな彼女にしても、それは明らかに落ち込んだ様子で座っていた。 だから、僕はとりあえず彼女をくすぐった。 「あははははははははは」 実に弱い。 「……いきなり何をするかな、君は?」 落ち込んでいる様子だったから、と答えた。 「……やっぱり何を考えてるかわからない」 何かあったのか、と訊ねると彼女は言葉少なに語り出した。 登校途中、車に轢かれた仔猫がいた。 車の通りの多い道で、それだけに大人たちはその死体を邪魔くさそうに見つめていた。 彼女は、仔猫を拾い上げると、近くの公園に埋めた。 「わたしは無力だ」 彼女は悲しそうにつぶやいた。 「ただあの場所から引き離し、埋めてあげることしかできなかった……」 「そんなことはないよ」 僕は、彼女の髪をくしゃっとなでた。 「血まみれの仔猫を抱き上げて、公園に運んで埋める。それは簡単なことだけれども『誰もができること』じゃあないよ」 「普通の人間は損得を考えてしまう。その猫を拾い上げれば血が付くだろうし、埋めてやるとなれば穴を掘らなければならない」 「そんなの……大したことじゃない」 「少しばかりの時間や体力を惜しんで『それ』見て見ぬふりをするひとが多い中で、君だけが『仔猫』を見てやった。『それ』じゃなくて『仔猫』を。だから、十分なんだよ」 たったそれだけの出来事に、彼女はちょっとだけ泣いた。 そんな、少しだけ優しい女の子。 4.九月二十六日、土曜日 ――と、そのような美しき思い出に浸った。
- 165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 21:59:29.35 ID:+x4NW3EDP
- 浸っている。
浸らざるを得ない。 わかっていたことだけれども、それでもなお精神的ダメージは大きかった。 「瑞希瑞希瑞希、すごいよすごいよ。ほらほら、一面にでかでかと載ってるよ!」 あああん、リノさん言わないで。 「ええと……『本日未明、JR京葉線の橋の一部が崩落していることが確認された。橋を通過する予定であった貨物列車は幸い橋の直前で停車することができた。乗員に怪我はなかった』」 それだけならどれほどいいことか。 「『彼らを救ったのは、ここ二ヶ月ほど前から出没するようになった魔法少女を名乗る女性であると事故にかかわった鉄道職員からコメントがなされている。 どのような方法を用いたかは定かではないが、貨物車両を強引に停車させることに成功したことは間違いないようである。警察と鉄道関係者は、橋の崩落にも女性がかかわっているものとして――』」 えええええ、犯罪者扱い!? しかも、橋の崩落にはかかわってないのに! 「むー」 あ、また膨れてる。 「この新聞、ダメ! 次!」 朝。リノはTVのニュースで魔法少女の大活躍――そう、大活躍だ! 大活躍ったら大活躍なの――を知るや否や家を飛び出し、全国紙から地方版、スポーツ新聞までずらりとそろえて帰ってきた。 「むー……こっちも『重要参考人として』ってごまかしてるけど、犯罪者扱いー!」 くしゃくしゃぽい あの、リノさん……せめて買ってしまった以上は目を通すくらいはしたいんですけれど……。 「何っ!?」 何も申しておりません。目が怖いです。 「がるるるる……」 退化しないでください。 「あー、味噌汁がうまい……」 現実逃避現実逃避。
- 166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 22:01:13.29 ID:dbccWjerO
- しえーん
- 167 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 22:03:12.13 ID:+x4NW3EDP
- さて、土曜日(休日)です
敷布団とか食材の買い出しとかアレコレすべきかなぁ、と思っているわけですが、どうする? 1.リノをつれて、敷布団を見に行く 2.リノにつれられて、食材の買出しに行く 3.その他、具体的な行動を >>175
- 168 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 22:06:30.62 ID:dbccWjerO
- かそーく
- 169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 22:07:34.65 ID:dbccWjerO
- 過疎区
- 170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 22:08:40.17 ID:dbccWjerO
- KSK
- 171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 22:10:55.06 ID:dbccWjerO
- スピードアップ
- 172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 22:13:14.16 ID:dbccWjerO
- 角煮の2
- 173 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 22:16:56.36 ID:dbccWjerO
- 過疎区
- 174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 22:16:58.55 ID:+x4NW3EDP
- とたんに過疎ったな
- 175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 22:17:05.58 ID:9itgcLOg0
- 一緒に寝れば布団いらないんじゃね?
という訳で2
- 176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 22:18:09.84 ID:dbccWjerO
- 二番でお願いします。
- 177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 22:18:10.61 ID:TkVz0AV20
- 眠い
支援
- 178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 22:18:12.46 ID:+x4NW3EDP
- >>175
把握した。
- 179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 22:23:23.47 ID:dbccWjerO
- シエンタ
- 180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 22:25:03.17 ID:+x4NW3EDP
- 「うん、今日の味噌汁はいつにも増していい出来だよ」
ダシを替えたのか、味わいがより深くなっている気がする。 「味噌の力強さが感じられるというか……」 うん。 「リノさんや」 「なーに?」 「どうして、味噌汁以外のものが食卓に並んでいないのでしょうか?」 さらにいうと、味噌汁だけど具がない。 これでは味噌『しる』というよりは、味噌『じる』だ。 一個の『味噌汁』存在ではなく、『味噌』と『汁』の合算といった感じである。
- 181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 22:30:47.57 ID:+x4NW3EDP
- 「それはね」
あれ? リノさん、目が笑ってませんよ? 「木曜日に遅く帰ってきて」 あの、なぜ詰め寄ってきているのでありましょう? 「風邪を引いて金曜日も一日動けなかった」 ええっと、そのもしかしてあの、ほら、どっこいしょ? 「瑞希のせいで、買い物ができなかったからですよー」 ぴぎゃああああ。 >
- 182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 22:33:00.77 ID:dbccWjerO
- しえーん
- 183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 22:42:38.89 ID:+x4NW3EDP
- 問屋、というものがある。
生産者の作った商品を買い、それを小売り業者へと売り渡す仲介役のことだ。 仲介役とはいえ彼らは小売業者とは別の商売人である。当然、仲介する分だけ料金が上乗せされることになる。 生産する場所は少ない方がコストが安く、生産する量は多いほうがコストが安い。 そういうわけで、問屋は大量に買い付けてあちこちに売ることを生業としているのだ。
- 184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 22:43:09.02 ID:9itgcLOg0
- しえん
- 185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 22:47:36.07 ID:+x4NW3EDP
- さて、この問屋。
中には、業者のみならず一般のお客さんにも小売りするものもある。 そして、買い付け価格が安い彼らは、当然のように一般的な小売業者よりも安い価格で大量に販売を行っている。 そんな問屋のひとつが、この『小売り問屋☆雷太』であった。 「荷物持ちが必要というのもわかるなぁ……」 「箱単位になっちゃうけど、長い目で見れば確実に安いもの♪」
- 186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 22:55:53.32 ID:+x4NW3EDP
- うーん、主婦過ぎる。
ひとひとりがようやく進める狭い通路の左右は、頑丈な鉄製の棚に積み上げられた箱の山だった。 狭さのせいで暗くならないようになのか、照明が強くて頭が暑い。 「おぅ、ずいぶんとわけぇ、夫婦だな」
- 187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 22:56:11.78 ID:lVUEjyqK0
- 支援
- 188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 23:03:37.29 ID:dbccWjerO
- しえん
- 189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 23:03:39.79 ID:+x4NW3EDP
- 振り返ると、太い男性がいた。
太い。 太っている、ではない。太いのだ。 確かに腹は出ているが、長身に広い肩幅、そして何より筋肉が丸太のように詰まった腕。 立派なヒゲと金髪碧眼な彼の胸には『店長、雷太』と書かれたプレートがくっついていた。 「どぉでぇ、うちの店はよ? なんでもあるだろ!」 ぐわっはっは、と店長は豪快に笑った。
- 190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 23:06:45.46 ID:5kyX+ov2O
- なんか最初のほう見た事ある…おもしろい
前作とかのまとめサイトやらありますか? スレタイでググレば良し?
- 191 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 23:08:46.38 ID:+x4NW3EDP
- 「ええ、すごい品揃えですね」
敷地面積を知らないかのような商品の多さには驚きました。 「わかってくれるか、だんなさんよ! 聞いとくれ、我が愛と闘争の半生、そしてこの問屋を立ち上げるまでの伝説を!」 太い腕が首に絡んできた。 というか、速度的にラリアットと同等の破壊力が確認されたので回避した。
- 192 :ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw []:2009/05/04(月) 23:10:42.15 ID:+x4NW3EDP
- >>190
あざっす! 何回か建て直して、そのたびに落ちたというだけのお話w 私の過去作はこちらに何点かまとめてあります。お暇があればどぞ。 http://mimikaki.blog.shinobi.jp/
- 193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 23:11:38.93 ID:dbccWjerO
- シエンタ
- 194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 23:15:07.51 ID:+x4NW3EDP
- 「おおっと、嫁さんの前でいちゃつくのは日本文化にはなかったな、失礼したわ!」
日本以外の文化でも確認できそうにありませんが。 「わびがわりだ、ソイツはタダでいいから持ってってくんな!」 と、僕が転がしていたカゴを指差す。 「いいんですか?」 「おーともよ! そんかわし、夫婦でまた来てくれよ!」 ぐわっはっは、と店長はまた豪快に笑い、レジへと去っていった。
- 195 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 23:18:14.97 ID:+x4NW3EDP
- 「うーむ」
「どうかしたの?」 と、リノが背後から聞いた。 「濃いひとだったな」 「そうだねぇ……びっくりしたよ」 「言動もだけど、外見的にもインパクトが十分ですばらしかった」 「……何の話?」 「それにひきかえ、ウチの魔王様は……はぁ」 「ため息をつくなぁあああ!」
- 196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 23:22:26.49 ID:dbccWjerO
- しえん。
- 197 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 23:22:58.58 ID:+x4NW3EDP
- だってさぁ、
「黒髪」 「きれいでしょ」 「ロング」 「さらさらしてるよ」 「黒目」 「つぶらな瞳ー」 「ちっこい」 「ちっこい言うなー!」 「どこに魔王らしさが?」
- 198 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 23:31:41.53 ID:dbccWjerO
- しえーん
- 199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 23:31:49.85 ID:+x4NW3EDP
- 「……ちょ、ちょっと待って!」
そして、リノは自分を弁護する言葉を捜し始めた。 本気のようだった。 全力のようだった。 何を言えば納得させられるのかもてる限りの知力を注ぎ込んでいるようだった。 三千里ほどママンを探す方が幾分か楽な道程なのではないかと思えるくらいの悩みようだった。 で、 たっぷり十分ほどかけて、もらった商品を袋に詰め終わるころになって一言。 「ま、『魔法』が使えるよっ!」 ごめん、実は僕も使えるんだ、とはさすがに言えなかった。 >
- 200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 23:33:08.57 ID:+x4NW3EDP
- ☆
少々きりが悪い感じだけど、本日はこの辺でー。 感想や文句などありましたらお教えくださいませませ。
- 201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 23:33:42.21 ID:5kyX+ov2O
- >>192
ミミだったのねww ありがとうww サイト見ないで遭遇するとうれしいな さて、うるさい携帯は黙ります 支援
- 202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 23:34:36.66 ID:+x4NW3EDP
- >>201
知ってたのかwww もっとしゃべれもっとしゃべれw
- 203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 23:36:07.93 ID:5kyX+ov2O
- あら、今日は終わりですか
おもしろいですよ! 楽しみに待ってますね
- 204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 23:37:55.93 ID:+x4NW3EDP
- >>203
体力はまだ続いてるんだけど、今これ以上書くとクオリティが落ちる悪寒がしたんだ こういうときは、一晩寝かせてネタの神を降臨させてから書くに限る! あざっす しかし、スレ落ち終了は健在w
- 205 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 23:43:08.72 ID:5kyX+ov2O
- >>204
ふふ…携帯はすぐに調子に乗りますよ? ふんふん、お休みは大事ですよね 落ちたらまた建てるわけですねわかりますw
- 206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 23:45:59.55 ID:lyJM/GRAO
- さるさん
日にちをまたいでレスするわw
- 207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/04(月) 23:51:58.32 ID:dbccWjerO
- ミミさん乙ー
- 208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 23:52:06.95 ID:5kyX+ov2O
- あいやー
支援してたほうがよかったなw けどいつも推理のときくらいにしか書き込まないっていうww
- 209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/04(月) 23:57:00.89 ID:5kyX+ov2O
- なんか無駄話をしてしまったような…
これだから携帯って言われるわけですね とりあえずミミさん乙っした!
- 210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 00:00:19.37 ID:zbRM7Gy5P
- >>205
どんどん調子に乗れ! ぶっちゃけ、投下と『保守』『支援』ばっかだと飽きる!w 雑談ばんざーい。 はっはっは すでに何回か落ちたので、もう建てませんorz >>209 こー、なんでもいいから反応があるとうれしいもんですよ?
- 211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 00:03:54.07 ID:VoUupUMxO
- このスレの名産品
毒ガス魔王の空気の缶 不思議クールのパンの缶(角煮味) 爆発する冷蔵庫 鼎の食べ歩きマップ 捨て猫ハウス ロールパンつき魔法のステッキ ハルという名の枝 雷太の店(夏コミのブース)
- 212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 00:04:24.84 ID:zbRM7Gy5P
- また増えてる!
- 213 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 00:07:54.32 ID:VoUupUMxO
- なぜわかったし
- 214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 00:09:07.68 ID:zbRM7Gy5P
- 直感だ!
- 215 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 00:15:05.73 ID:VoUupUMxO
- じゃあ名産品に偉大な戦士諭吉四人の遺影も入れましょうか?
- 216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 00:18:19.22 ID:zbRM7Gy5P
- ゆきちー
……ネタ忘れた
- 217 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 00:19:44.97 ID:1IdXGObhO
- >>210
雑談は楽しいけどそれが気に入らない人もいるからなぁ~とか思ったり思わなかったり。 なん…だと…? 完結させてよ!w そういってくれるとうれしくなるですねw 自分のレスの遅さにびっくりだよ…
- 218 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 00:21:26.90 ID:7jB11ZTWO
- 保守
- 219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 00:22:25.74 ID:VoUupUMxO
- それは思い出さなくていいよ。
棒にメロンパンさすと棒がエロカワキャラになるって本当ですか?
- 220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 00:22:53.61 ID:zbRM7Gy5P
- >>217
まーねぇw 「>>1は投下だけしてろよ」的な風潮があるもんなぁ >>1だって人間なんです! >>1だってVIPPERなんです! >>1に自由を! >>1に権利を! ――>>1地位向上委員会 うれしくなるのです。グフェフェフェフェw
- 221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 00:24:12.47 ID:zbRM7Gy5P
- >>219
なん……だと……? どうでもいい裏話 ハルは性別明記してないけど、最初は男のつもりで書いてた。 今は、ハルという生き物だと思って書いている。
- 222 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 00:27:40.27 ID:VoUupUMxO
- 棒性別なしなんだ。
しゃべり方が女の子っぽいからてっきり女の子かと。 でも妄想上は女の子だからどちらでもおけ!
- 223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 00:30:38.05 ID:zbRM7Gy5P
- >>222
なしというか……あるんだけど、ネタバレにかかわりそうだからあまりkwskいえない部分。 その話に関連して、 現時点じゃ多分解けないけど、こういう問題が出ます。 ・リノはどういう存在で、どのようにしてそうなっているか 設定レベルの謎だから、これは早々当たらないぞーw
- 224 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 00:36:39.78 ID:VoUupUMxO
- 色々予想してるけどさっぱりわからんね。
今のところは。 今わかることは魔王に色を付けて新キャラが本当に空気とかしたことくらいだね。
- 225 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 00:38:10.15 ID:zbRM7Gy5P
- >>224
あー、 そういえば佐奈の存在を完全に忘れてた。 まあいいや、このまま忘れようわなにすやめくぁせdrftgyふじこlp;@
- 226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 00:41:30.06 ID:1IdXGObhO
- >>223
>>1っていうかミミの地位向上委員会w もう十分地位あるかww 早速問題が出とる… 魔界の人(棒)ってくらいしかわからんぬ
- 227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 00:44:09.81 ID:VoUupUMxO
- 母里親子に愛の手を
- 228 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 00:45:56.06 ID:zbRM7Gy5P
- >>226
最終的に、その問題で苦しんでもらうよっ!w
- 229 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 00:50:41.28 ID:VoUupUMxO
- 鼎は瑞樹への愛に目覚めて河合い冥土さんになる予定はありますか?
- 230 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 00:53:57.65 ID:zbRM7Gy5P
- >>229
あー なぐまんにメイドさんをやってもらおうか、と今ひらめいた
- 231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 01:01:00.91 ID:VoUupUMxO
- えっ?
なぐまん冥土・・・ゴクリ
- 232 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 01:02:33.42 ID:zbRM7Gy5P
- リノはどうやって対抗させるべきか……むむむ
- 233 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 01:08:42.34 ID:VoUupUMxO
- ゴスロリ、メイドときて貧乳魔王は貧しい乳を生かして着物、巫女服はいかがか。
- 234 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 01:11:31.64 ID:zbRM7Gy5P
- リ「貧しくないよ!? 貧しくなんかないよっ!」
巫女魔王……どんどん意味不明になっていくなw
- 235 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 01:16:06.01 ID:VoUupUMxO
- 最後は宇宙を征服して、
宇宙統一巫女大魔王とかになるだろうからきにしない。 ナース、CA、エレガ、秘書、女教師、アイドル、猫耳、レースクイーン、女王好きなものを選ぶと言い。
- 236 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 01:17:02.06 ID:zbRM7Gy5P
- なんてこったい
じゃあ、ネコミミで。
- 237 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 01:21:15.26 ID:VoUupUMxO
- オゥケィー。
じゃあスクミズネコミミ魔王様バンザーイ。 もしくはブルマネコミミ魔王バンザーイ
- 238 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 01:22:35.52 ID:zbRM7Gy5P
- 魔王様が欲望にまみれていく!
ある意味魔王っぽい!
- 239 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 01:29:28.34 ID:VoUupUMxO
- ネコミミ魔王と不思議クールメイドとムチムチバディに無知無知女教師と空気記者。
ヒロインがカオス。
- 240 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 01:30:33.32 ID:zbRM7Gy5P
- あ、無知無知先生はひんぬー教徒です
- 241 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 01:34:02.17 ID:VoUupUMxO
- まさか、騙されたのか?
お胸がムチムチといっていたのに・・・。 ってことはなぐまん以外は大体貧しいってことでよろしいかな?
- 242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 01:38:03.44 ID:zbRM7Gy5P
- >>241
無知無知先生は、よくいえばスレンダー 明記されているように大平原であります! リノは並か並-くらいだと思ってください
- 243 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 01:43:11.91 ID:VoUupUMxO
- まぁ、おれが宇宙統一巫女大魔王とかになれば貧乳コンプキャラを軒並みE位にして肩凝りの刑にしてやるぜ。
- 244 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 01:44:54.78 ID:zbRM7Gy5P
- >>243
愚かな…… ひんぬーコンプキャラからコンプを取り除いてどうするんだ!
- 245 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 01:49:07.98 ID:VoUupUMxO
- そして巨乳どもを無乳にすればこの世から争いがなくなる。
ばっちゃが言ってた争いのない世界を俺たちで作るんだ!
- 246 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 01:50:32.53 ID:zbRM7Gy5P
- いいや、それは新たなる戦乱の火種になる……
始まるのはそれまで乳をむさぼってきた元きょぬーたちの迫害だ!
- 247 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 01:57:45.66 ID:VoUupUMxO
- これにより後の乳格差による差別が拡大し乳差別撤廃運動が始まる。
しかしこれはまた別の機会に。
- 248 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 01:58:15.43 ID:zbRM7Gy5P
- ~完~
- 249 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 02:06:12.49 ID:VoUupUMxO
- イイハナシダナー。
そろそろ寝ないで大丈夫?
- 250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 02:07:41.36 ID:zbRM7Gy5P
- 寝るべきなんだがなぜか眠くない
昼やるためには寝ないとまずいんだが――なぜか眠くないw
- 251 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 02:14:01.50 ID:VoUupUMxO
- それはまずい!
まぁまったり眠くなるのを待つしかないね。
- 252 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 02:16:43.91 ID:zbRM7Gy5P
- ですよねー
いい加減、ネタ以外の設定は書き飽きた(ノートが60ページくらい埋まった)し、やることないw
- 253 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 02:25:41.33 ID:VoUupUMxO
- 何その素敵ノート。
俺のですノート(ジャポニカ学習帳)と交換しようよ。
- 254 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 02:27:15.77 ID:zbRM7Gy5P
- へへん、どっちにしても私の悪筆速記は私以外に読めるわけがないw
ちなみに、無印良品のちっちゃくて分厚いノートを今は使ってます
- 255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 02:36:05.60 ID:VoUupUMxO
- 自分で書いた字が数日たてば読めない俺への挑戦か!
ということでミミハウスと書いた字うp
- 256 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 02:38:21.63 ID:zbRM7Gy5P
- ただでさえ悪筆なのに、電車で立ちながら略語で書いてるんだZE?
うpはめんどいなぁ
- 257 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 02:43:23.10 ID:zbRM7Gy5P
- 思いついたことはいつでも書き留めるので、字が揺れる揺れるw
でも、全部忘れたっていいの。私の心に残っているから……うわなにすやめくぁせdrftgyふじこlp;@
- 258 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 03:19:53.54 ID:zbRM7Gy5P
- これは……放置すれば落ちる流れ!
でも寝よう
- 259 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 04:10:27.89 ID:zbRM7Gy5P
- 寝(ry
- 260 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 04:23:05.21 ID:VoUupUMxO
- ミミさんお休み。
- 261 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 04:42:58.07 ID:VoUupUMxO
- ほし
- 262 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 05:09:26.51 ID:VoUupUMxO
- 眠い星
- 263 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 05:16:25.74 ID:1IdXGObhO
- 楽しそうな雑談だなぁ…★
- 264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 05:45:08.98 ID:8iIidfiUO
- 眠い
- 265 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 06:33:02.30 ID:WlfN5QnxO
- ほし
- 266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 06:33:05.71 ID:D02FDODd0
- しまった
昨日寝落ちしたらもうこんな時間に!? 保守
- 267 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 06:34:38.29 ID:XXDXpCXuO
- いつのまにか寝ちまってたぜ…
おまいらおはよう
- 268 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 07:04:06.94 ID:D02FDODd0
- 7時保守
- 269 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 07:04:52.66 ID:WlfN5QnxO
- おはようほし
- 270 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 07:33:03.58 ID:D02FDODd0
- 7:30保守
- 271 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 08:13:34.99 ID:D02FDODd0
- 8時ほ
- 272 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 08:28:40.09 ID:D02FDODd0
- 8時30分保守
- 273 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 08:53:28.94 ID:GOy9QErn0
- ほし
- 274 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 08:59:12.01 ID:D02FDODd0
- 9時ほ
- 275 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 09:27:27.19 ID:XXDXpCXuO
- 再開は昼間かー
まあ今日はGWだし人居るから落ちることはないだろうけど
- 276 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 09:32:24.49 ID:D02FDODd0
- 9時30分保守
- 277 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 09:32:46.75 ID:81ocasOW0
- ぬるぽほす
- 278 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 09:44:59.76 ID:oBezwbCq0
- >>277
ガッホス!
- 279 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 10:01:17.41 ID:D02FDODd0
- 10:00保守
- 280 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 10:27:00.31 ID:D02FDODd0
- 10:30保守
- 281 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 10:27:49.78 ID:zbRM7Gy5P
- おはようございました
おやすみなさい
- 282 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 10:46:22.54 ID:zbRM7Gy5P
- 本日の迷言
「納豆さえあれば人類は滅びんよ」
- 283 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 10:48:41.95 ID:81ocasOW0
- 「ぬるぽさえあれば人類は滅びんよ」
- 284 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 11:02:33.64 ID:D02FDODd0
- 11:00保守
- 285 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 11:04:40.93 ID:oBezwbCq0
- >>283
「ガッで滅んでしまえ」
- 286 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 11:29:52.17 ID:oBezwbCq0
- NullPointerException
- 287 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 11:29:55.90 ID:D02FDODd0
- 11:30保守
- 288 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 12:11:41.09 ID:D02FDODd0
- 12:00保守
- 289 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 12:37:06.35 ID:7jB11ZTWO
- おはよー保守
- 290 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 13:03:00.16 ID:D02FDODd0
- 13:00保守
- 291 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 13:03:06.97 ID:XXDXpCXuO
- まだかなー
- 292 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 13:03:09.35 ID:VoUupUMxO
- ほし
- 293 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 13:12:21.09 ID:zbRM7Gy5P
- 予定通りなら14時ごろ再開したいー
- 294 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 13:15:04.98 ID:QQJdhVXP0
- / )
∟Χ \ ∧_∧∩ ( ・∀・)ノ ……。 と / / / / (__)_) Λ_Λ ( ´∀`) ←>>286 ( ) ニヤニヤ ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ( ・∀・) < オマイは喜びそうだからやめとく ( ) \__________ | | | (__)_) Λ_Λ Σ(´Д` ) ( )
- 295 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 13:15:19.12 ID:zbRM7Gy5P
- ついでに
なんかオススメの作業用BGMなんぞありましたら教えてくださいませ ハイテンポなのが好きー
- 296 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 13:16:08.63 ID:D02FDODd0
- 腕時計の電池が切れた
- 297 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 13:25:41.30 ID:saj0vOieO
- 念のため保守
- 298 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 13:26:48.61 ID:7jB11ZTWO
- あと30分か
- 299 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 13:54:06.20 ID:NmE/SjoU0
- もうそろそろだな
- 300 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 14:00:30.78 ID:zbRM7Gy5P
- ~再開~
- 301 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 14:02:32.10 ID:zbRM7Gy5P
- リヤカー代わりとなった我が自転車が、重そうにタイヤを潰していた。
「たいりょーたいりょー♪」 「リノさんや。油断すると重心がどこにいくかわからないんだから、荷台に体重をかけるのはやめてくださいな」 「らじゃー!」
- 302 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 14:09:58.68 ID:zbRM7Gy5P
- 問屋から始まり、数件を回って当面必要な『大物』を買い揃えると、もう太陽は頂点に来ていた。
まだ昼になったばかりともいえるか。 「これからの予定はどうなってるんだ?」 リノに訊ねると、 「んー……さすがにこれ以上は乗せられないよね?」 荷台はみっしり詰まっている。
- 303 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 14:11:06.36 ID:7jB11ZTWO
- 再開してたのか
支援ですぞ
- 304 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 14:11:15.97 ID:zbRM7Gy5P
- ☆
間違って、ニコニコにこの文章書くところだったwww
- 305 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 14:15:32.89 ID:1IdXGObhO
- 支援
あぶないあぶないww
- 306 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 14:16:48.07 ID:zbRM7Gy5P
- 「じゃあ、このまま帰ろー!」
「あーい」 魔王様のご命令に従って、僕はからからと重量級自転車を押し始めた。 「うぁー……暑いぃ……」 数日前の寒さはなんだったのか、と思うくらい今日はお日様が元気だ。
- 307 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 14:20:10.21 ID:zbRM7Gy5P
- 天気予報を見ておいてよかった、と心から思う。
長袖で歩いていたら、とは考えたくもない。 であるからして、 「あちゅい……」 「ああっ、魔王様が融けてるっ!」 制服ブレザーな冬季用魔王様はものすごく暑がっていた。
- 308 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 14:26:18.93 ID:zbRM7Gy5P
- 「みずきぃ……きっさてんで、つめたいものを……」
「節約しに出かけた意味がなくなってる!?」 くってりしながらリノはふらふら歩いている。 「そんなに暑がるなら素直にうちで待ってればよかったのに」 「うーん……瑞希だけだと、ちゃんと買い物ができるか不安だったし」 「僕は子供ですかい」
- 309 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 14:28:01.17 ID:NmE/SjoU0
- お昼食べながら支援
- 310 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 14:32:51.66 ID:zbRM7Gy5P
- 「ふふん、自分のごはんもきちんと用意できないひとのことを子供というのですよ」
「子は親を超えるもの。なれば、僕はリノを超えて見せよう!」 「やれるものなら、どうぞやってみせてくださいな」 ニヤリと僕は不敵に笑った。 同じようにしてリノも不敵に笑った。 が、すぐに潰れた。 「あひゅい……」 ダメだこりゃ。
- 311 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 14:40:02.92 ID:zbRM7Gy5P
- 熱射病……というわけではないと思うけど、どうしたものか。
家まではまだ十分少々かかる。 三十分もかかるのであれば冷房の効いたところに避難をするし、五分くらいならばまっすぐ帰ってしまえばいい。 十分少々は微妙な時間だ。 「どうしたものか」 にゃあ 「ん?」 塀の上に猫がいた。
- 312 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 14:44:02.64 ID:zbRM7Gy5P
- そこで思い出す。
「あ、そうだ。この辺にあったんだ」 僕は進路を変更した。 >
- 313 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 14:44:08.19 ID:ec2cPk09O
- 今北産業
- 314 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 14:46:46.20 ID:VoUupUMxO
- 支援
- 315 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 14:51:35.41 ID:b4Lsw3JbO
- さるさん
- 316 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 14:52:31.48 ID:b4Lsw3JbO
- >>313
ラノベ の 類
- 317 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 14:57:18.07 ID:NmE/SjoU0
- 最近さるさんは休憩時間を作ってくれてるんだとかんがえはじめた
- 318 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 15:00:42.95 ID:b4Lsw3JbO
- >>317
その発想はなかった
- 319 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 15:01:04.56 ID:zbRM7Gy5P
- 申し訳程度の樹木が風に揺られていた。
「はふぅ……涼しい……」 リノもくってりしたままではあったが、ずいぶんと楽そうにつぶやいた。 かしゃん、と落下防止用の柵が笑った。 大森林公園。 海風とビル風の吹き荒れる猫がひなたぼっこをしているといわれる名前負けして小さいリノが使い魔になった、あの公園だ。つなげて読んではいけない。
- 320 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 15:01:56.26 ID:VoUupUMxO
- しえーん
- 321 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 15:08:37.92 ID:zbRM7Gy5P
- ☆
もちろん正しい読み方は 海風とビル風の吹き荒れる猫が ひなたぼっこをしているといわれる名前負けして小さいリノが 使い魔になった ですが何か?
- 322 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 15:10:38.04 ID:zbRM7Gy5P
- あれから一週間だ。
短かったような気もしたけれど、ものすごく長かったような気もする。 そういえば、 「もう、見なくていいのか?」 「ふぇ?」 「町。何か探してるみたいに見下ろしてただろ?」
- 323 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 15:13:20.73 ID:VoUupUMxO
- しえん
- 324 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 15:16:32.38 ID:zbRM7Gy5P
- リノは柵に背中を当てて寄りかかっていた。
同じ涼むなら柵越しに町を見ながらでもいいはずだし、そもそもあの日からリノがここに来たという話は聞いていない。 「あ、うん。もういいの」 「ふぅん?」 「探し物は拍子抜けするくらいあっさり見つかっちゃったから」 「そりゃよかったね」 「うん♪」
- 325 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 15:24:15.45 ID:zbRM7Gy5P
- いい笑顔だった。
同い年とは思えないくらい無邪気な、いろんないらないものが混ざってないきれいな笑顔だった。 「……まいったなぁ」 一個くらいは聞き出そうと思っていた。
- 326 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 15:33:43.17 ID:zbRM7Gy5P
- 謎だらけの魔王様。
何が目的なのか。 何をしていたのか。 それ以前に、何者なのか。 白鳳の制服と少しの着替えしか持たなかった。 白鳳のことは名前さえ知らなかった。 身なりはきれいだったけれどもお金をろくに持ち合わせていなかった。 魔王を名乗り、『魔法』を使え、使い魔契約ができた。 見た目は日本人。広げても黄色人種にしか見えない。
- 327 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 15:42:52.93 ID:zbRM7Gy5P
- 「……」
行動に関して論理的な矛盾が見当たらないわけでもない。 たとえば、契約。 リノは使い魔契約書を、なぜ無防備に捨て猫ハウスに残したのか。 自分の生命財産権利のすべてと同等とさえいえるそれを、果たして忘れるだろうか? いいや、もっと根本的な疑問がある。 ――どんな理由で使い魔契約書を作ったのだろうか?
- 328 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 15:46:53.29 ID:zbRM7Gy5P
- 「……」
僕が一言、口にすればいい。 命令だ、と。 それだけでリノは白状する。 リノ自身が望む望まざるにかかわらず、僕はそれを蹂躙する権利を持っている。 実際に権利を行使せずとも、リノに妥協を求めればいい。 命令はしたくない。けれども、どういうことなのか気になる。『自主的に』教えてほしい。 と、そんなことをいえばいい。 リノはしぶしぶでも、ひとつふたつ真実を語ってくれるだろう。
- 329 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 15:57:42.04 ID:zbRM7Gy5P
- 「――って、思ったんだけどな」
「どうかしたの?」 「いんや、なんでもありませんですよ、魔王様」 いつかと同じく、うやうやしく一礼。 「うむうむ、では余を我が城までえすこーとするがよいぞよ、下僕」 リノは鷹揚に、僕へ片手を握る栄誉を与えてくださった。 「じゃ、帰ろうか」 「ごーほーむ♪」 ――そんないい笑顔されちゃあ、何も聞けないよ。 >
- 330 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 16:00:50.98 ID:7jB11ZTWO
- 支援なり
- 331 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 16:03:19.15 ID:VoUupUMxO
- シエンタ
- 332 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 16:05:25.95 ID:zbRM7Gy5P
- ( ゚д゚ )ショウキュウシ
- 333 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 16:21:21.78 ID:NmE/SjoU0
- 支援
- 334 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 16:34:56.06 ID:QQJdhVXP0
- age
- 335 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 16:52:44.79 ID:zq7wC7fyO
- 支援
- 336 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 17:04:02.81 ID:zbRM7Gy5P
- 掃除にかりだされています
さーせん、夜までお待ちください
- 337 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 17:27:16.26 ID:D02FDODd0
- ただいま
- 338 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 17:50:37.37 ID:GBocGxWNO
- スレ建てが昨日の1430
つーことは明日の1430までか
- 339 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 18:05:38.05 ID:D02FDODd0
- ほ
- 340 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 18:19:05.61 ID:XXDXpCXuO
- さて、ミミたん来るまで寝るか
- 341 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 18:34:59.17 ID:ygyhzduUO
- ほ
GW中の仕事はつらいぜ。 肉体的にではなく、精神的に。
- 342 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 18:41:13.00 ID:7jB11ZTWO
- 保守でござる
- 343 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 19:02:25.27 ID:D02FDODd0
- 19:00保守
- 344 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 19:23:55.65 ID:zq7wC7fyO
- 保守
- 345 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 19:30:15.82 ID:7jB11ZTWO
- 保守なり
- 346 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 19:42:47.73 ID:ygyhzduUO
- ほし
- 347 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 19:54:20.85 ID:ygyhzduUO
- ★
- 348 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 20:10:06.15 ID:WlfN5QnxO
- ほし
- 349 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 20:23:53.51 ID:VoUupUMxO
- ボッシュ
- 350 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 20:27:09.88 ID:D02FDODd0
- 20:30保守
- 351 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 20:27:31.43 ID:zq7wC7fyO
- ほ
- 352 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 20:33:41.58 ID:NmE/SjoU0
- ミミたん何時くらいに現れるのか・・・
- 353 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 20:39:08.98 ID:zq7wC7fyO
- 保守
- 354 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 20:53:20.00 ID:zq7wC7fyO
- age
- 355 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 20:58:28.70 ID:D02FDODd0
- 21:00保守
- 356 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 21:19:32.27 ID:0E35UdfB0
- あげ
- 357 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 21:28:57.45 ID:zbRM7Gy5P
- ミミが再起動されました
22時から続きやるっすー
- 358 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 21:29:21.82 ID:0E35UdfB0
- 【ゆっくりしていってね!!】
∧,,∧ ∧,,∧ ∧,,∧ ∧,,∧(´・ω・`)(´・ω・`)∧,,_∧・ω・` ) ( ´・ω・`)(つ⌒と つ⌒と)´・ω・`) ∧,,∧ (つ∧( ´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・` ∧,,∧・ω・` ) ∧,,( ´・ω(_.__つと_(_.__つと_) ∧,,∧ ∧,,∧ (´・( つ ∧,,∧ __ _(´・ω・` )・ω・` ) ( ∧,,∧・ω・`)_____|i\__\ と )∧,,∧と) ( ´・ω・`)と_※ ※ |i i|.====B|ヽノ(・ω・` ) (つとノ`--∧,,∧|\\|_____◎_|_i∧,,∧ ∧,,∧  ̄( ´・ω・| | ̄ ̄ ̄ ̄ |(・ω・` )(・ω・` ) (つとノ.\|_____|(つとノ (つとノ
- 359 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 21:29:48.86 ID:D02FDODd0
- 21:30保守!
- 360 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 21:39:25.75 ID:NmE/SjoU0
- ほし
- 361 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 21:42:17.07 ID:8iIidfiUO
- ほしゅ
- 362 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 21:51:43.83 ID:D02FDODd0
- そろそろか保守
- 363 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 21:57:22.24 ID:40EELumV0
- 着物きた魔王様となぐまんが見たいです
- 364 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:00:18.75 ID:zbRM7Gy5P
- ~再開~
- 365 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:00:31.33 ID:D02FDODd0
- 支援!支援!
- 366 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:01:41.86 ID:zbRM7Gy5P
- >>363
流れ次第だけど、考えてみてる メイドなぐまんVS巫女リノやってみたいしw
- 367 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:03:48.44 ID:D02FDODd0
- 巫女…だと!?
- 368 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:03:49.81 ID:zbRM7Gy5P
- 空気を読め、と思った。
やるせなさ、気恥ずかしさ、リノがきっと怒ってるだろうなあわわわなどを主成分に、僕はこのことに憤っている。 ただ、誰に対してその文句をぶつければいいのかはわからない。
- 369 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:05:02.74 ID:zbRM7Gy5P
- 「むがー」
「ハルちゃん、魔法少女はそういう叫びをしないものだと思うねぇ」 上空、およそ三百メートル―― 「イベント進行中に横槍が入るとすっきりしないと思いません!?」 ――現在、落下中。
- 370 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:06:03.32 ID:D02FDODd0
- 雑談内容ぼしゅちゅ
支援
- 371 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:07:49.06 ID:zbRM7Gy5P
- 「確かにあれはいい雰囲気だったねぇ」
手をつないだ僕とリノが家路に着こうというそのときに、事件が起きたのだ。 「でも、ちょっとハルちゃん意外だったねぇ」 「何が?」
- 372 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:09:01.76 ID:zbRM7Gy5P
- >>370
巫女さんについて熱く語れ!
- 373 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:10:06.08 ID:D02FDODd0
- いや、俺はそこまで熱く語れない
友人が巫女と聞くと止まらなくなるが…
- 374 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 22:11:09.50 ID:VoUupUMxO
- メイド対巫女の世紀の一戦ワクテカ。
ってあれネコミミじゃなかったっけ?
- 375 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:12:12.44 ID:D02FDODd0
- I am a dreamer 潜むぱわー
- 376 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:12:39.54 ID:zbRM7Gy5P
- 「ミズキって、女っ気ないしなれてる感じでもないし、実際この間南熊ってひとが来たときもおろおろしてたよねぇ?」
醜態を掘り返すでない。 「だから、あっさりと魔王様をターゲットにしちゃったのには驚いたよ?」 「んー?」
- 377 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:13:51.62 ID:zbRM7Gy5P
- >>374
ねこみみこ……新たな地平が開けたな。 寝込んでる巫女さんじゃないぞ!
- 378 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:13:54.46 ID:XXDXpCXuO
- >>375
なんでいきなりプラチナ?
- 379 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:14:22.36 ID:zq7wC7fyO
- しえん
- 380 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:15:13.71 ID:zq7wC7fyO
- 支援
- 381 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:15:28.78 ID:D02FDODd0
- >>378
今流れてきたからつい…
- 382 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:16:46.11 ID:zbRM7Gy5P
- なんじゃそら?
「え、ミズキ、魔王様と手をつないでたよねぇ?」 「おうともさ!」 「そのときの気分は?」 「よきライバルとの決闘直後、分かり合えたと握手をする感じ」 「……なるほどねぇ」 なんですよ?
- 383 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:21:53.85 ID:D02FDODd0
- 支援!支援!
- 384 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:23:01.95 ID:zbRM7Gy5P
- 「なんでもかんでも行動を恋愛に結び付ける考え方が罪なのか、なんでもかんでも考え無しに行動を取るひとが罪なのか、と思い悩んだだけだねぇ」
なんのこっちゃい。 「それよりも、これが誤報の可能性は?」 「ないと思うよ」 ハルはあっさりと答えた。
- 385 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 22:23:26.84 ID:VoUupUMxO
- ねこみみこ!
語呂が煮込み料理っぽいね。
- 386 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:24:14.29 ID:zbRM7Gy5P
- 「本当に間違いない?」
「疑りぶかいなぁ、ミズキは」 頭を下に足を上に、目標地点へ向けてさらに加速。 「ハルちゃんは完全無欠じゃあないけれど、この身はこれでも『神代の魔術』のひとつ」 「――『神代の魔術』が完全無欠だという証拠は?」 横手にかなりの距離でホバリングしていた報道ヘリを一気に追い抜いた。
- 387 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:25:30.65 ID:zbRM7Gy5P
- >>385
煮込みねこみみこ…… ナベを持って、こちらへと向かってくるネコミミ巫女魔王様が脳裏を
- 388 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:26:17.04 ID:D02FDODd0
- 煮込み巫女…
ダメだ風呂入ってる巫女しかうかばねぇ
- 389 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:29:48.91 ID:zbRM7Gy5P
- これがいるから気にしているのだ。
朝にリノが大量の新聞を買い込んできたことからもわかるように、現在美浜区周辺は報道関係者だらけである。 その状況が、どれだけの誤報や愉快犯を呼び込んでいるかと思うと恐ろしくもなる。 「証拠はないねぇ。だけど、ハルちゃんという『莫迦げた妄想』も、『魔法』でも科学でも魔界でも機界でも実現できないねぇ」
- 390 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:31:02.97 ID:zbRM7Gy5P
- >>388
五右衛門風呂でくったりしてる魔王様がぁあああ
- 391 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:31:47.62 ID:0E35UdfB0
- (´д`)
- 392 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 22:32:00.33 ID:VoUupUMxO
- 煮込みねこみみこw
いったい何が何だか。 じゃあなぐまんはねこの尻尾付きメイドかい?
- 393 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:34:23.53 ID:zbRM7Gy5P
- 「それ、ハルの信頼性を高めることにはつながってないよ」
すばやく体を逆転させ、足を地面へと向け――急制動。 「――っつ!」 「ミズキ!」 止まれ。止まれ止まれ止まれ。止まれ止まれ止まれ止まれ止まれぇえええええ! 「くは――っ!」 「と、到着だねぇ……」 路地裏に、すさまじい振動が轟音と共に伝わった。 全力でブレーキをかけたのだがやや目測を誤ったか、足裏に三センチほどコンクリートがめげている。 「な、なんだぁ、てめぇは!?」 その場にいた数人の中で、一番不健康そうな――明らかに薬物のお世話になっていると思しき痩身の男が、ナイフをちらつかせながら叫んだ。 「ニュースくらい見とけ」 足に力をこめる。 ハルが薄く光る。 かちりと鳴った。 コンクリートの地面を踏み抜かない程度に加減して、僕は突っ込んで行った。 知覚できないほどの速さではない。姿は目で捉えられただろう。 だが――それでも人間くらいは超越しているに違いない。 「ま、ゆっくり入院して、クスリも抜いてもらって来い」 ぱっこぉおおおおおん 男は路地裏のゴミ箱にホールインワンした。 「ミズキ、ナイスショット」 「どうも」
- 394 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:35:42.66 ID:zbRM7Gy5P
- >>392
メイドなぐまんに対抗しようとして巫女魔王になるも、これでは互角と踏んだ魔王様が追加装備『ネコミミ』で強化を図る―― までは幻視したw
- 395 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:37:30.80 ID:zbRM7Gy5P
- 手元がナイフな親分がやられると、髪色がカラフルな子分どもは散り散りに逃げた。
追うつもりはない。それをするのは警察の仕事だ。 当然、これの事後処理もしてもらうつもりだが―― 「ハル、毛布とか出せないか?」 「そういう『魔法』は使えないねぇ」 「やっぱりか……」 「そこまで限定的な事態は、『神代の魔術』といえども想定されてないみたい」 目の前には、服を切り裂かれ、半裸にされたまま気絶している女性がいた。 「うーん……かといって、あのナイフ男の服を被せるのもなんだか気が引けるなぁ……」 「困ったねぇ」 何があったかは一目でわかるだろう。集団による強姦だ。 まったく、昼間っから何をして……いや、夜ならいいという意味ではないが。 「あそっか、ミズキ。あったよ、布」 「お、どこどこ?」 「そこ」 棒に「そこ」と言われても……わかるけどさ。 「……僕?」 うん、とハルはうなづき……わかったんだよ! 「脱いで着せればいいと思うねぇ」 「……あの、ハルさん?」 「何、ミズキ?」 えっとね、 「僕ももういろいろとあきらめがついてきて、魔法少女でもまあいいかぁ的思考ができつつあったわけですがその――この服って、上から下まで合体してない?」 「ううん、コルセットで上下がつながっているだけだから、完全なワンピースタイプじゃあないねぇ」 おおっ。 「じゃあ、上着だけ脱いで着せればいいのか!」 「でも、ミズキ。脱げるの?」 ……。
- 396 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:41:03.85 ID:zbRM7Gy5P
- 「ど、どういう構造になってんの、これ!?」
「ハルちゃんは今、『言葉』の無力さを痛感しているよ」 「説明不能っ!?」 ど、どうすればいいんだ!? 「あと、よかれと思って……さっき、通報しちゃったねぇ」 えええええ、迅速対応っ!? えっとあっとこの腰リボンがこうやって巻かれててその下にコルセットのヒモがあってそれをはずすと上下の―― 「うっきゃあああああ」 「わ、ミズキが壊れた」 「ハル、僕は被害者の未来を大事にしたいと思っている」 「そうだねぇ」 「しかし、時と場合というものがあって、やむをえないこともある」 「そうだねぇ」 「というわけで、ゴミ箱ナイフ男から服を拝借――っ!?」 路地の表側に看板が見えた。 そこにはこう書かれていた。 ――究極中華料理☆弓弦 「服、どろどろだね」 あんとエビが複雑に絡み合い、そこにイワツバメの巣のスープが加えられ絶妙なる風味をかもし出しています。服なのに。
- 397 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:42:04.60 ID:0E35UdfB0
- (;´Д`)
- 398 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:42:31.32 ID:b4Lsw3JbO
- さるさん
- 399 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:42:39.37 ID:D02FDODd0
- |゚д゚ )
- 400 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 22:45:50.45 ID:VoUupUMxO
- そこに第三勢力としてピンクナース音子姉さんが参戦して第三次世界大戦がおこるって自称霊界の預言者の弟子の友達のお母さんの妹の旦那さんの上司が寝言で言ってるそうです!
- 401 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:49:57.68 ID:zq7wC7fyO
- しえん
- 402 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 22:53:27.17 ID:VoUupUMxO
- しえん
- 403 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:53:45.12 ID:D02FDODd0
- しぇーん
- 404 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:54:25.95 ID:0E35UdfB0
- ヌルポ
- 405 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 22:58:49.83 ID:D02FDODd0
- >>404
ガッ!!
- 406 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:01:38.09 ID:zbRM7Gy5P
- 「うあああああああああ」
「ここでハルちゃんから朗報です」 「おおっ!」 「すばやく服を脱ぐ方法はないけれど、すばやく服を切る『魔法』なら使えます」 「うあああああああああ」 高速での急上昇、急降下。 それらを人間が捉えることは非常に困難とされている。 人間の目と脳がそもそも上下運動を認識するのに適していないというのもあるが、それ以上に『そんな動きをするものはいない』という『常識』がこれを認識するのを阻害している。 現に、これまでこの方法での日中の移動を撮影されたことは一度もない。 「だから大丈夫だから大丈夫だから大丈夫……」 「半裸で上空三千メートルを飛ぶ魔法少女って新しいねぇ」 「言うなぁあああああ」 もう、泣きたかった……。 >>>
- 407 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:05:59.38 ID:D02FDODd0
- 眠くなってきたしえーん
- 408 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:09:59.50 ID:0E35UdfB0
- (゚д゚)
- 409 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 23:10:43.20 ID:VoUupUMxO
- しえん!
- 410 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:12:29.19 ID:zbRM7Gy5P
- 「ああもう、記者が多くて邪魔くさい!」
と、自らも記者のひとりである佐奈はひとごみの中を走っていた。 いつものように、駅付近で情報が入るのを待っていたのは失敗だった、と佐奈は思った。 たとえ駅の真正面であってもそれほど乗り降りの激しくないここが、今日に限ってはすさまじい数のひとであふれていた。 原因はわかりやすい、大々的に魔法少女の存在が知られたことで、野次馬から報道関係者、便乗商売人に物乞いまで一気に押し寄せたことだ。
- 411 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:12:42.10 ID:0E35UdfB0
- ④
- 412 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:13:58.51 ID:D02FDODd0
- しーえーんー
- 413 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 23:14:04.38 ID:VoUupUMxO
- しえんどす。
- 414 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:19:57.76 ID:zbRM7Gy5P
- 特に、報道関係者。
佐奈の商売敵が、大小あわせて数十。中には海外の雑誌社まであった。 彼らの動きは同じ記者である佐奈と似通っており、『いつもどおり』をしようとした佐奈は圧倒的な数によって行動を制限されてしまった、というのがここまでの出来事。 そのわんさといる記者とは逆の方向へ、佐奈は全力で駆けていた。
- 415 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:22:01.41 ID:zq7wC7fyO
- しえんですよー
- 416 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 23:22:16.56 ID:VoUupUMxO
- 支援
- 417 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:23:22.73 ID:zbRM7Gy5P
- 「ええい、うっとうしい! どいて!」
その突撃で記者七名、野次馬五名、カーネルさん一名がなぎ倒されたが、佐奈は止まらない。 他の誰も気が付かなかったが、佐奈はひとり見つけていた。 「早くしないとアイツが逃げちゃうじゃない!」
- 418 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:26:27.37 ID:D02FDODd0
- しぇ!
- 419 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:26:40.00 ID:zbRM7Gy5P
- 瑞希は、自分を見つけにくくする方法として高高度での移動と高速での離着陸を用いているが、これは『人間の目と脳がその動きを認識するのに適していない』というトリックを用いているに過ぎない。
逆にいうと、『適してはいないが、かといって認識できないわけではない』。 魔法少女が『そういう動きをするもの』とわかって、空へと目を向けていたならば見つけることは可能なのだ。
- 420 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:28:42.72 ID:D02FDODd0
- 半裸が見られているわけですね
- 421 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 23:30:52.54 ID:VoUupUMxO
- しえーん
- 422 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:34:32.96 ID:zbRM7Gy5P
- これが、唯一佐奈だけが魔法少女と接触を繰り返せていることのタネ。
とはいえ、必ず接触できているわけではない。 瑞希は事件だけを解決すると、あとは行政機関に任せて立ち去ってしまう。 早ければ五分以内。これでは佐奈の足がいくら速くとも早々は捕まえられない。
- 423 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:38:32.28 ID:0E35UdfB0
- ④
- 424 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:38:34.57 ID:0E35UdfB0
- ④
- 425 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:38:37.15 ID:0E35UdfB0
- ④
- 426 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:38:40.81 ID:0E35UdfB0
- ④
- 427 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:38:43.62 ID:0E35UdfB0
- ④
- 428 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:39:28.98 ID:D02FDODd0
- しぇー
- 429 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 23:39:48.86 ID:VoUupUMxO
- しえん
- 430 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:40:25.55 ID:0E35UdfB0
- ④
- 431 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:41:54.01 ID:zbRM7Gy5P
- したがって、佐奈がかろうじて瑞希と接触できる可能性があるのは、佐奈自身のいるところからごく近い場所が事件現場となった場合のみなのである。
「あああああ、待ちなさいよ! 待ちなさいよ、莫迦! 阿呆、早い早い早過ぎるっての!」 数百メートルまで近寄ることはできたが、瑞希は佐奈が現れる前に飛んでいってしまった。 「ん?」 なんだか肌色が多いような、と佐奈は首をひねった。
- 432 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:44:42.64 ID:0E35UdfB0
- ④
- 433 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:44:48.04 ID:0E35UdfB0
- ④
- 434 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:44:49.82 ID:0E35UdfB0
- ④
- 435 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 23:46:55.09 ID:VoUupUMxO
- 支援
- 436 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:47:08.91 ID:0E35UdfB0
- ④
- 437 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:47:14.17 ID:0E35UdfB0
- ④
- 438 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:47:26.47 ID:zbRM7Gy5P
- だが、すでに雲の上に隠れてしまった瑞希を視認することはできない。
きっと見間違えだろう、と佐奈は結論付けた。 「はあ……しかたない、現場だけでも見ておくか」 この辺だろうか、とアタリをつけた路地裏には、女性がひとり壁にもたれかかって気を失っていた。
- 439 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 23:49:38.39 ID:VoUupUMxO
- シエンタ
- 440 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:52:53.51 ID:0E35UdfB0
- ④
- 441 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:56:39.19 ID:zbRM7Gy5P
- ついでに、ゴミ箱から足が生えていた。
「要するに、このゴミ箱頭が女性を襲ったってわけね」 正解であるが、そのゴミ箱頭はホールインワンさせられた後に引っこ抜かれ、味付けがなされていたのでもう一回差し込まれたという歴史までは佐奈も思い至らない。 「ということは、この服は……『彼女』のもの?」 女性の体には、見覚えのある黒の衣装がかけられていた。
- 442 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:56:49.85 ID:GBocGxWNO
- 久々に保守以外で>>500越えそうだね
- 443 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/05(火) 23:56:55.63 ID:VoUupUMxO
- 支援する。
- 444 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/05(火) 23:59:34.54 ID:0E35UdfB0
- 「\
丶 ) /~) / / ( / / / || ( \ || \ \ / | \ 丶/ / _| /__  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 445 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 00:01:58.99 ID:XR1YLkyhP
- >>444
ゴミ箱があれば完璧だw
- 446 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 00:06:37.98 ID:XR1YLkyhP
- 切り損じで生まれたと思われる下着――ありていにいえば、ブラジャー――まで転がっていたが、なぜ『彼女』がそんなことをしたのかはさっぱりわからなかった。
「むぐっ……!」 それは手に取ると、佐奈の想像以上に深さがあった。 「……」 ちら、と自分の胸を見下ろす佐奈。 貧しくはない。いや、むしろ平均よりは若干豊かであると――ほんの数センチの差ではあるが――さえ思っていた胸がそこにある。 だが、その大きさは、推定される『彼女』の胸と比べると明らかに頼りなく、母性も感じられない貧弱なものであった。
- 447 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 00:09:21.11 ID:XR1YLkyhP
- ☆
|゚д゚ )ショウキュウシ
- 448 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 00:09:25.63 ID:yp+qhfW4O
- ふむ、DからEくらいはありそうですな。
- 449 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 00:19:01.91 ID:I7EoZYtoO
- 支援
- 450 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 00:20:36.35 ID:yp+qhfW4O
- 猫耳巫女魔王降臨祈祷支援。
- 451 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 00:30:23.23 ID:yp+qhfW4O
- シエンタ
- 452 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 00:30:44.66 ID:XR1YLkyhP
- 45分に復活ー
- 453 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 00:43:03.76 ID:yp+qhfW4O
- しえんだぜ
- 454 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 00:46:04.46 ID:XR1YLkyhP
- 復活ー
- 455 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 00:49:56.80 ID:XR1YLkyhP
- 「……」
佐奈は腕を胸の下に回して、持ち上げてみた。 ――足りない。 「……」 両腕を体につけて、寄せて絞り出してみた。 ――やっぱり負けてる。 なんだか無性に悔しくなった佐奈は何の罪もないブラジャーにあたった。
- 456 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 00:52:44.18 ID:yp+qhfW4O
- しえん
- 457 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 00:56:14.92 ID:XR1YLkyhP
- びよーんとひっぱったり、七回転半ひねりをさせたりした。
「警察だ! 動くな!」 と、そこ警官が現れた。 「お、お疲れ様です」 ハルの通報でやってきたのであって、別にブラジャー暴行の現行犯を捕まえに来たわけではないのだが、後ろめたさか佐奈は反射的にブラジャーを隠してしまった。
- 458 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 01:00:33.57 ID:yp+qhfW4O
- しえんだぜ
- 459 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 01:04:43.14 ID:XR1YLkyhP
- 佐奈は自分の身分を証明した上で、警官の任意同行を断ってそそくさと路地を出た。
被害者も加害者もすぐに意識を取り戻し、佐奈が無関係であるといったこともあって、佐奈の経験の中でもかなり早く解放された。 しかし、 「……持って来ちゃったわね」 とっさに隠したブラジャーもそのままだった。
- 460 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 01:05:18.38 ID:1HEASTLuO
- 僕って言ってる魔法少女を想像したら萌えた
- 461 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 01:10:25.27 ID:XR1YLkyhP
- 「失敗したわ……」
佐奈は警官から見えないところまでくると、頭を抱えた。 捜査に悪影響を与えるのではないか、と危惧したわけではない。 「おい、おま――」 「どうせなら服の方を持ってくるべきじゃないの!」 がごん、とガードレールにヤクザキックが加えられた。 可愛そうなガードレールは、びぃいいん、と小刻みに震え続けた。 「お、おい、おめぇ……」 「何よ!」
- 462 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 01:11:19.73 ID:yp+qhfW4O
- そのブラ二万で買おう!
- 463 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 01:11:38.56 ID:XR1YLkyhP
- >>460
good(`・ω・´)b
- 464 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 01:16:48.21 ID:XR1YLkyhP
- 脅すように話しかけた男たちが逆にひるんでいた。
男たちは目で会話をすると、 「さっき、姐さん、あの路地から出てきたみたいっすけど」 ヒエラルキーを正しく把握していた。 「それがどうかしたわけ?」 「あのふりふりな女と、もしかして知り合いっすか?」 ふりふりな女とは、魔法少女な瑞希のことだ。 「知り合い……というよりも、宿敵よ!」 がごぉん、とガードレールはさらに痛めつけられた。
- 465 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 01:23:05.85 ID:XR1YLkyhP
- 「ちょ、ちょっとお話を聞かせてはいただけやせんっすか?」
なお、彼らは敬語だと思っているが、語尾に『っす』を付けたものは敬語ではない。 きっと、『ですにょ』『だワン』などと同じ萌え語尾の一種であろう。 「あたしに利のある話でしょうね?」 「もちろんっすよ!」 萌えキャラたちは、カラフルな髪色をしていた。 >>>
- 466 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 01:27:24.01 ID:yp+qhfW4O
- 新ジャンル「萌レイパー」www
- 467 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 01:38:45.09 ID:XR1YLkyhP
- ☆
むぅ
- 468 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 01:41:41.22 ID:yp+qhfW4O
- マウントレーニアうまー!
ミミさんどうかしたの?
- 469 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 01:43:33.68 ID:XR1YLkyhP
- ☆
いや、なんていうか…… 佐奈にまつわるイベントって必要性そんなにあるかなぁ、とふと思ったんだw もしかして、この先にあるものって蛇足じゃね? と、思ったら構成に悩んできた
- 470 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 01:50:44.36 ID:XR1YLkyhP
- ☆
んー まあいいや、予定通りに行こう。 登場した意味はきっちり果たしてもらうべw
- 471 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 01:52:20.78 ID:yp+qhfW4O
- 男は度胸何でもやってみるもんさ!
せっかくだしそのまま書いて頂けるとありがたい。
- 472 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 01:54:59.07 ID:XR1YLkyhP
- 少しだけ優しい女の子がいた。
情操教育の一環という名目で、掬い上げたはいいが捨てるわけにもいかずかといって世話をするのも面倒がられた数匹が教室にはいた。掬ったのは担任だ。ろくでもない。 ともかく水槽が後ろに置かれている。 世話は日直の持ち回りということであったけれど、実際はそうでもない。 エサやりはまだしも、水槽の掃除や水の交換などはしたがらないひとが多かった。 いつの間にか、彼女が日直の手伝いを始め。 いつの間にか、彼女がエサやり以外の金魚当番となっていた。 今日も、昼休みに掃除をしそこなったから、と放課後にタワシを握る。 「まったく、ひとがいいというかなんというか……」 「何が?」 わしわし、と水槽の内壁をこすりながら彼女が訊ねた。 「これだよ、これ」 僕は水槽を指差した。 「よくまあ、押し付けられた掃除をがんばるもんだね、と」 「忙しいって言っていたから……」 「言ってはいたな」 都合よくクラスの九割が連続で忙しくなるものかは知らないけど。 「放っておかれたら、金魚もかわいそうだもの」 金魚が憐憫の情を解するかものかはわからないけど。 「いずれにしても、君だけが便利使いされているのはどうにも気にくわない」 「……」 わしわし、と彼女は洗い続ける。
- 473 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 01:58:50.61 ID:XR1YLkyhP
- 「探偵よろしく張り付いて、時間があるという証拠でも握りたくなるよ」
「……」 わしわしごしごし わしわしごしごし 「まったく、ほんっとにひとがいいよね」 「そう言いながらわたしを手伝ってる君も、十分ひとがいいんじゃないかな?」 彼女はイタズラっぽく微笑んだ。 「……それを言うな」 ごしごし、と。 たったそれだけの、とても楽しい時間を共有した。 そんな、少しだけ優しい女の子。 僕はひとつだけ神様に祈った 5.九月二十七日、日曜日 ――と、そのような優しい歴史を振り返った。
- 474 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 02:00:13.99 ID:GxG5pfUW0
- しえん
- 475 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 02:00:16.71 ID:XR1YLkyhP
- ☆
時報UZEEEE
- 476 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 02:01:01.03 ID:yp+qhfW4O
- シエンタ
- 477 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 02:03:37.09 ID:yp+qhfW4O
- 時報といえばスジャータ!
- 478 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 02:04:35.94 ID:XR1YLkyhP
- ☆
Q.速度がころころ変わりますね A.前に書いたのを手直ししてコピペしてる部分が結構あります。ちなみに、佐奈さんの見せ場が終わるとまたコピペ乱舞ができるはず。
- 479 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 02:05:49.84 ID:XR1YLkyhP
- >>477
J・O・Q・R!
- 480 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 02:10:49.96 ID:XR1YLkyhP
- 「あまり思い出さないようにしていたつもりだったんだけどな……」
戦いを前にして、心が高ぶって――といった感じではない。 どちらかといえば、穏やかな部分のはずだ。
- 481 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 02:12:19.75 ID:yp+qhfW4O
- しえん
- 482 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 02:16:16.80 ID:XR1YLkyhP
- 「不思議だね、っと!」
ここのところ、夢にあの女の子がよく現れる。 最初に夢に見たときに、意識付けられてしまったのかもしれない。 まあ、これから行うことには、関係ない。 ごこん、と重い音を響かせて、廃工場の扉が開いた。
- 483 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 02:22:59.23 ID:XR1YLkyhP
- 運転をやめて長いのだろう、外壁どころか内部まであちこちに落書きが施され、窓のほとんどは無残にも割られ、月明かりを差し込んでいた。
「……ハル、今何時?」 「午前零時を回ったことをお知らせするねぇ」
- 484 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 02:27:06.17 ID:yp+qhfW4O
- パン棒娘時間までわかるとは神代の力恐るべし。
- 485 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 02:28:28.83 ID:XR1YLkyhP
- ……帰ったらリノに何を言われるのやら。
窓から注がれる風情ある細い明かりなんて何のことか、とばかりにライトが照らされている一角。 そこに集うのは、お約束どおりな不良軍団と―― 「ちょっと、離しなさいよ! あたしはジャーナリストだっていってるじゃないのよ!」 「なんでいるのかなぁ……母里さん」 「運命だと思うねぇ」 よせやい。 「あ、兄貴! きやがった、コスプレ女がきやがりましたぜ、兄貴!」 コスプレってゆーなー!
- 486 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 02:29:59.48 ID:XR1YLkyhP
- >>484
警察無線を傍受できることはなんとなくわかってると思うけど、 ラジオも受信できたりするw ハ「ぶんかほーそー、ぶんかほーそー、JOQR~♪」
- 487 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 02:31:41.96 ID:XR1YLkyhP
- 「やっときたか、ねえちゃんよ」
と、いかつい大男が現れる。 「だがな、おめえさんもうちょっと遅れて出てこいや。ちいとこっちの女と遊ばせてほしかったんでな」 げひゃひゃ、と何がおかしいのか大笑い。 周囲も一緒に大笑い。 「まあ、どうせならふたり一片に食っちまった方がうめえよな!」 はあ……莫迦過ぎる。 「ま、正義の味方を気取って手品を使うのはいいが、少しばかりおめえさんはやり過ぎた。殺しゃしねえが、俺らの稼ぎを邪魔できなくなるくらいまでは痛めつけてやるよ!」 「……できるものなら、どうぞ」 「おい、聞いたなおめえら! やっちまえ!」 号令を受けて、ためらいながらも周囲十数人が飛び掛ってきた。
- 488 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 02:32:56.00 ID:XR1YLkyhP
- しかし、
「あ、当たらねぇ!?」 「背後からの攻撃を避けただと!?」 そんなへなちょこな攻撃など当たるわけがない。 強化されているのは筋力だけではない。 動体視力や反射も上がり、そもそもの思考速度だって大きく加速されている。 そう、『単なる人間の攻撃』なんて、避けるのはたやすいことなのだ。
- 489 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 02:37:13.19 ID:hMfYs57BO
- さるさん食らったが……こんな時間か。
切りが悪いけどしかたないかな。
- 490 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 02:39:25.28 ID:yp+qhfW4O
- じゃあハルちゃんはみんなの毒電波も受信可能だね。
それにしてもよく猿食らうね。
- 491 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 02:43:51.16 ID:hMfYs57BO
- レス占有しちゃうと食らうらしい。
文字数占有率も関係あるのかな?
- 492 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 02:47:10.09 ID:yp+qhfW4O
- 文字数までは聞いたことないよ。
今で進行具合はどれくらいかな。
- 493 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 02:50:07.77 ID:hMfYs57BO
- んー
まだ序盤戦。 「魔法少女無敵だなぁ」イベントだし。
- 494 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 02:57:27.78 ID:hMfYs57BO
- ちなみに、分量的には文庫本百五十ページ強
ラノベなんかだと大体百七十ページ目くらいかな
- 495 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 02:57:51.27 ID:yp+qhfW4O
- まだ序盤か。
読み応えが合ってうれしいけど大作すぎじゃない?
- 496 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 03:03:40.42 ID:XR1YLkyhP
- >>495
というか、 前はなんとかラノベ規格な240ページくらいに収めるつもりでやってたんだけど ぶっちゃけ、無理だと悟って、今は大幅に超過する計算で書いてるw
- 497 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 03:05:14.77 ID:XR1YLkyhP
- 「こ、のっ!」
ひゅ、とそれまでの攻撃よりも鋭いものが混ざった。 避けてそちらを見ると、小ぶりなナイフがそこにはあった。 「……銃刀法違反じゃないかな?」 「俺らがそんなもの気にするわけねーだろ!」 さいですか。 「じゃあ――」 どごぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん 「こっちも、棒の一本くらい使ってもいいよね?」 振るった。
- 498 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 03:06:37.58 ID:yp+qhfW4O
- そうか。
そろそろミミ節が恋しいのぅ。
- 499 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 03:10:04.46 ID:XR1YLkyhP
- 大幅に強化された腕力を、さらに『魔法』的に加速させて――空へと。
だが、その一振りはやすやすと音速を貫いて周囲に猛烈な衝撃波を生み出す。 誰にも中ることはなく、ただ薄い天井に穴を開け、大きくきしませた。 「なっ、ななな、なんだそりゃあ!?」 「『魔法』です」 他の何者でもございません。
- 500 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 03:14:49.10 ID:XR1YLkyhP
- 「く、くそっ! 銃撃隊、かかれっ!」
呼応して、物陰から十人程度が顔を出す。 手にしているのは、ボウガンやエアガン。 びゅん、と顔の横をすり抜けていった音からして、よっぽど改造しているのだろう。これなら、普通の人間が中れば大ケガだ。 ――普通の人間なら。
- 501 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 03:19:34.47 ID:XR1YLkyhP
- 「んなぁっ!?」
飛んでくる矢も球も、等しく『魔法』の壁で防がれる。 正面のみならず、四方八方どの角度の攻撃もあっさりと弾き飛ばされた。 「なんだそりゃああああ!?」 「『魔法』です」 他の何者でもございません。
- 502 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 03:22:02.97 ID:yp+qhfW4O
- 前のやつを見ていたら遅くなってしまった。
しえん。
- 503 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 03:23:24.72 ID:XR1YLkyhP
- 「ちなみに、火炎瓶や毒ガスなんかも無駄ですよ」
そのくらいむちゃくちゃなものなのだ、『コレ』は。 「へ、へへっ……やるじゃねえか」 大男は引きつった笑みを見せる。 「だが、コイツがいれば手は出せねぇだろが!」
- 504 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 03:24:31.40 ID:yp+qhfW4O
- 支援
- 505 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 03:29:02.21 ID:XR1YLkyhP
- 「だが、コイツがいれば手は出せねぇだろが!」
「痛っ!」 ぐい、と手を引かれる母里さん。 「一歩でも近付いてみやがれ、コイツの顔にでけぇアザができるだろうな!」 大男は勝利を確信したのか、くっくっく、と頭の悪い笑いをもらした。 「動けねぇか! そうだろうな! そうだろうよ! 『正義の味方』様はそうでなくっちゃな!」 「あのさ」 僕はひとつだけ教えてやることにした。 「――僕が正義の味方だなんて、いついったの?」
- 506 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 03:31:05.37 ID:yp+qhfW4O
- しえん。
- 507 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 03:32:25.91 ID:XR1YLkyhP
- 「……は?」
大男はあんぐりと口を開けた。 「何か勘違いしてるみたいだけど、僕は『正義の味方』じゃないよ」 「え、なっ、お、おまっ!?」 言葉を理解できなかったらしい大男も、僕が一歩前に踏み出せばその意味を理解したようだった。
- 508 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 03:35:30.26 ID:yp+qhfW4O
- しえーん
- 509 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 03:37:00.12 ID:KZaN/py80
- あげ
- 510 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 03:37:22.56 ID:XR1YLkyhP
- 「確かに、僕は法律で取り締まれる、取り締まれないにかかわらず、何人もの『悪人』らしきひとを叩きのめしてきたよ」
でも、 「別に、『正義のために悪人を滅する』つもりなんてなかったのさ」 「こっ、コイツがどうなってもいいのか!?」 母里さんが盾のように突き出される。
- 511 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 03:40:32.36 ID:XR1YLkyhP
- 僕はあざけり笑った。
「――いまさら、ひとりふたり見捨てることに罪悪感なんて覚えないね」 「ふっ、ふざ、ふざけんなぁああああ!」 大男の得物は金属バットだった。
- 512 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 03:40:42.06 ID:yp+qhfW4O
- シエンタ
- 513 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 03:41:23.71 ID:KZaN/py80
- あげ
- 514 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 03:44:09.29 ID:hMfYs57BO
- さるさんきしゃー
- 515 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 03:45:11.18 ID:KZaN/py80
- あげ
- 516 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 03:46:50.20 ID:yp+qhfW4O
- 人少ないからしゃーないね。
- 517 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 03:49:15.46 ID:hMfYs57BO
- 二回も食らうと次が早いんで、たぶん書ききれないでまた食らうだろうから
きりは悪いけど続きは昼に
- 518 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 03:50:34.53 ID:yp+qhfW4O
- ミミさん乙ー
- 519 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 03:52:45.26 ID:hMfYs57BO
- まあ、一応序盤戦の山場、問題定義その一です
瑞希がなぜ魔法少女でありつづけるか お暇があったら考えてみてください
- 520 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 03:54:33.38 ID:hMfYs57BO
- ほいでは恒例、ダメ出しその他、いつでもお待ちしておりますよ、と
- 521 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 03:57:00.06 ID:KZaN/py80
- >>520
ヌルポ
- 522 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 04:01:01.24 ID:XR1YLkyhP
- >>521
ガッ
- 523 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 04:01:16.90 ID:yp+qhfW4O
- 逆に言うと瑞樹は魔法少女になりたいわけではないのに魔法少女になる理由ですな。
今までのところで答えは出てますか?
- 524 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 04:04:25.43 ID:XR1YLkyhP
- >>523
類推しようにも、これはかなり無理くさいな……せめて、この章が終わるくらいならなぁw 仮説に仮説を重ねないと答えが出そうにない
- 525 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 04:06:10.17 ID:XR1YLkyhP
- きん、と短く一音。
金属バットは中に空洞をのぞかせた。 「ベッドとオリで、じっくりと――反省して来いやぁああああ!」 かこぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん ボウガン部隊を巻き込んで、大男は完全に沈黙した
- 526 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 04:07:36.99 ID:XR1YLkyhP
- ☆
眠気が限界に来たので、書き込もうとした最後のレス分までで終了しときます ではでは キャラやお話についての感想なんかもらえると喜びますですー
- 527 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 04:10:10.25 ID:yp+qhfW4O
- じゃあ単純にキーワードでよろしいかな。
- 528 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 04:12:21.74 ID:XR1YLkyhP
- もひとつ重要な発言が直後に出てくるんだけど、今はちょっと書く気力が足りぬーw
- 529 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 04:18:34.62 ID:yp+qhfW4O
- お疲れさま。
ゆっくり休んで明日も頑張って下さい。
- 530 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 04:20:14.07 ID:XR1YLkyhP
- へい
適度に燃料が補充されることを期待する
- 531 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 04:23:23.10 ID:dRZuH5tVO
- みみたん乙
なぐまん空気化したね
- 532 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 04:25:07.74 ID:XR1YLkyhP
- >>531
それは…… あれぇ!? ま、まあ、次の章からなぐまんの章だし、大丈夫……だと思うよ?
- 533 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 04:32:05.46 ID:yp+qhfW4O
- よる遅くまでみなさんご苦労さま。
差し入れおいていきますね。 つ空気魔王の毒ガス缶
- 534 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 04:33:28.48 ID:dRZuH5tVO
- むちむち先生もキャラ設定のわりに出番が…
- 535 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 04:38:56.57 ID:hMfYs57BO
- 先生はおまけキャラだからなぁ
- 536 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 04:43:27.48 ID:dRZuH5tVO
- >>535
続き楽しみにしてるぜ 次は何時ごろ再開予定?
- 537 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 04:46:29.18 ID:hMfYs57BO
- 起きる時間でかわりかねないが、一応14時くらい
- 538 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 05:36:20.36 ID:KZaN/py80
- 【ゆっくりしていってね!!】
∧,,∧ ∧,,∧ ∧,,∧ ∧,,∧(´・ω・`)(´・ω・`)∧,,_∧・ω・` ) ( ´・ω・`)(つ⌒と つ⌒と)´・ω・`) ∧,,∧ (つ∧( ´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・` ∧,,∧・ω・` ) ∧,,( ´・ω(_.__つと_(_.__つと_) ∧,,∧ ∧,,∧ (´・( つ ∧,,∧ __ _(´・ω・` )・ω・` ) ( ∧,,∧・ω・`)_____|i\__\ と )∧,,∧と) ( ´・ω・`)と_※ ※ |i i|.====B|ヽノ(・ω・` ) (つとノ`--∧,,∧|\\|_____◎_|_i∧,,∧ ∧,,∧  ̄( ´・ω・| | ̄ ̄ ̄ ̄ |(・ω・` )(・ω・` ) (つとノ.\|_____|(つとノ (つとノ
- 539 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 06:08:14.85 ID:KZaN/py80
- あげ
- 540 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 06:47:44.82 ID:KZaN/py80
- | ホス|
| ̄ ̄ ̄ /⌒ヽ (^ω^ ) _( ⊂ i . └ ー-J テクテク
- 541 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 07:40:00.27 ID:KZaN/py80
- ∧_∧
( ´・ω・) ふぅ。 /っ日o-_。_-.、 (´ c(_ア ) [i=======i]
- 542 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 07:44:40.23 ID:2mdmLZQv0
- おはよう干す
- 543 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 08:00:42.79 ID:PQGjLOUFO
- 1400再開って…
1430でスレ落ちるぞ
- 544 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 08:24:47.34 ID:KZaN/py80
- ho
- 545 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 08:50:15.11 ID:n2c22FckO
- ただでさえ遅筆なんだからパー速かブログでやればいいのに
- 546 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 09:01:50.09 ID:2mdmLZQv0
- 9:00保守
- 547 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 09:29:36.92 ID:2mdmLZQv0
- 9:30保守
- 548 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 09:31:40.08 ID:e6VO7qewO
-
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1241415089/http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1241415089/http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1241415089/http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1241415089/
- 549 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 09:56:10.89 ID:ddgGAmI2O
- 保守
- 550 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 10:05:56.17 ID:2mdmLZQv0
- 10:00ホッシュ
- 551 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 10:20:10.61 ID:1HEASTLuO
- 保守ニダ
- 552 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 10:48:45.07 ID:KZaN/py80
- あげ
- 553 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 11:12:03.70 ID:2mdmLZQv0
- ほっし
- 554 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 11:31:34.36 ID:OAxAPCaP0
- 【神奈川】午後の紅茶を午前に飲んだ男性(25)逮捕 「喉渇いたから」
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/news7/1239345702/
- 555 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 11:32:18.95 ID:XR1YLkyhP
- なぜ捕まえたしw
- 556 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 11:33:13.63 ID:KZaN/py80
- なぜぬるぽったし
- 557 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 11:34:31.08 ID:XR1YLkyhP
- わーん見事に釣られたー
- 558 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 11:35:50.07 ID:KZaN/py80
- プギャーしてやんよ
∧_∧ 板名で気づけwww ( ^Д^)=9m≡9m (m9 ≡m9=m9 / ) プギャプギャプギャプギャー ( / ̄∪
- 559 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 11:42:33.45 ID:2mdmLZQv0
- 保守ー
- 560 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 12:20:52.61 ID:IkY9AaB+0
- ほ
- 561 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 12:45:13.78 ID:KZaN/py80
- ho
- 562 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 12:57:39.23 ID:2mdmLZQv0
- 13:00干す
- 563 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 13:14:57.30 ID:GxG5pfUW0
- あれ?スレって2日でおちるんだっけ?
前は3日だったきがしたけどもかわったのか
- 564 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 13:33:48.15 ID:xXf4jkzCO
- age
- 565 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 13:45:53.89 ID:XR1YLkyhP
- あー
そっか、2時半に落ちるのか じゃ、2時に次スレ建てて、そっちで続きを書いた方がいいのかな?
- 566 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 13:47:32.55 ID:2mdmLZQv0
- そのほうがいいかもね
- 567 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 13:48:22.56 ID:XR1YLkyhP
- 了解です
- 568 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 14:07:27.52 ID:PQGjLOUFO
- って訳で二時か
- 569 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 14:10:10.26 ID:XR1YLkyhP
- ERROR!
ERROR:新このホストでは、しばらくスレッドが立てられません。 またの機会にどうぞ。。。 スレ立て規制回避 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします (1) のろわれてるとしかw
- 570 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 14:11:37.45 ID:2mdmLZQv0
- かわりに立てよか?
- 571 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 14:12:36.46 ID:XR1YLkyhP
- ERROR!
ERROR:新このホストでは、しばらくスレッドが立てられません。 またの機会にどうぞ。。。 スレ立て規制回避 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします (1) ホスト 魔王な使い魔と魔法少女の学校風景 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします E-mail: 内容: らしい だれかてけすた
- 572 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 14:17:15.74 ID:XR1YLkyhP
- 私は自力で次スレを建てるのをあきらめたぞJOJOー
- 573 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 14:23:10.51 ID:2mdmLZQv0
- ちょっと立ててくる
- 574 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 14:24:17.47 ID:XR1YLkyhP
- http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1241587385/
あきらめきれなかっただなんていわないんだからねっ///
- 575 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 14:25:02.54 ID:2mdmLZQv0
- あ、ごめかぶっちゃった
- 576 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 14:25:54.99 ID:XR1YLkyhP
- >>575
こっちこそごめん 言った以上、任せておけばよかったよねorz
- 577 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 14:30:13.02 ID:2mdmLZQv0
- ここで用事なんて…
俺の代わりはいくらでもいるよな?
- 578 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/05/06(水) 14:31:00.47 ID:XR1YLkyhP
- そいつはどうかな……ククク……
- 579 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/06(水) 14:35:29.19 ID:XR1YLkyhP
- ……あれ? 落ちてなくね?
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