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【響×P】自分は今、プロデューサーに「恋」をしている -
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1 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
[saga]:2014/01/15(水) 02:19:30.83 ID:pglpCzJg0
━━━━━━━━━━━━━━━
それって、「恋」なんじゃないかな?
雪歩はそう言った
自分の今のこの気持ちを
響ちゃんは、きっとプロデューサーさんに
「恋」してるんだよ。
━━━━━━━━━━━━━━━
SSどころか
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1389719970
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
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てすと @ 2025/04/21(月) 23:32:21.01 ID:4nStPEB5o
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30代VIPPER集まれ!! @ 2025/04/21(月) 21:21:39.74 ID:VFJ8X0m7o
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【クリスマス・年末・年始】連休暇ならアニソン聴こうぜ・・・【避難所】 @ 2025/04/21(月) 20:51:50.07 ID:bKz0z1hC0
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八幡「新はまち劇場」【俺ガイル】Part9 @ 2025/04/21(月) 05:10:50.99 ID:8KOXlMrgO
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阿笠「殺人事件になるとは思わなかったぞい」 @ 2025/04/21(月) 04:00:57.46 ID:8IQxzJsXO
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猫食う @ 2025/04/20(日) 21:40:38.83 ID:MzUM3UpGO
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冬馬「765プロに遊びに来たぜ」 @ 2025/04/19(土) 18:26:15.50 ID:J9+mQPsT0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1745054774/
(安価&コンマ)優しい兵士の・・・(機動戦士ガンダム) @ 2025/04/18(金) 01:16:30.83 ID:eReQ3Qmr0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1744906589/
2 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:21:18.64 ID:pglpCzJg0
ssどころかスレ立ても初めてですが
よろしくお願いします
3 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:22:14.42 ID:pglpCzJg0
━━━━━━━━━━━━━━━
それって、「恋」なんじゃないかな?
雪歩はそう言った
自分の今のこの気持ちを
響ちゃんは、きっとプロデューサーさんに
「恋」してるんだよ。
━━━━━━━━━━━━━━━
4 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:22:45.65 ID:pglpCzJg0
きっかけなんてものがあったかもわからない
気づいたら
プロデューサーの顔を
まともに見れなくなっていた
目が合うだけで
恥ずかしくなってしまう
顔が熱くなってしまう
赤くなっていないだろうか、気になって仕方ない
5 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:24:00.64 ID:pglpCzJg0
プロデューサーが、自分に話しかける
体がこわばる
うわずってしまい、言葉がうまく口から出てこない
声が裏がえりそうになるのを、
なんとか押さえて返答する
プロデューサーは返答を聞き、
手帳に予定を書き込むと
にこっと笑い、事務仕事に戻る
6 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:25:22.47 ID:pglpCzJg0
ほっとして気が抜ける
得体の知れないプレッシャーから、解放される
安堵感
それと同時に気づく
もうひとつの感覚
心の中に風が通るような感覚
胸のあたりがスカスカする
なんとなく
嫌だなと思った
7 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:26:53.08 ID:pglpCzJg0
━━━━━━━━━━━━━━━
自分は恋愛や恋物語なんてものとは全くの無縁
そう考えていた
だから
今のこの気持ちが「恋」だなんて
考えもしなかった
いや、本当は考えたくなかっただけ、なのかもしれない
自分のまわりでは、
恋だの愛だのは恥ずかしいものでしかなった
8 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:28:25.01 ID:pglpCzJg0
何人か、付き合って恋人同士となっている人達もいた
だけど、彼らは
からかいの、格好の的だった
~くんと~ちゃん、つき合ってるんだって
まるでつき合っていることか恥ずかしいことのように
好き同士でいることがいけないことのように
9 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:29:41.27 ID:pglpCzJg0
だから雪歩に
自分の感じているこの感覚は「恋」だ
そう指摘されたとき、すぐに否定していた
自分が「恋」をしているだなんて
考えただけで恥ずかしくなる
だって、自分はそんなものとは無縁なんだから
10 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:30:30.55 ID:pglpCzJg0
人は誰でも恋をするんだよ?
響ちゃんがプロデューサーさんに恋をしていても
なにもおかしいことは、ないんだよ?
雪歩は真剣な眼差しでそう言った
人は恋をする生き物だ
それは理解している
だから
人と人とがつき合って、結婚するんだ
11 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:31:45.65 ID:pglpCzJg0
でもそれは、大人になってからするもの
大人達がするものだと思っていた
自分にはまだ、関係ない
雪歩は微笑む
大人にならないと恋愛しちゃいけないなんて、
そんな決まりはないですよ
なにも言い返せなくなる
12 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:32:46.10 ID:pglpCzJg0
押し黙っていると
雪歩は少し考えてから
じゃあ、例えばだけど
プロデューサーさんが
春香ちゃんと手をつないで
2人で仲良く歩いているのを
想像、してみて?
そう問いかけた
13 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:35:01.38 ID:pglpCzJg0
春香とプロデューサーが
手をつないで歩いている
自分はそれを、後ろから見ている
話が盛り上がって、楽しそうだ
胸のあたりがきゅっと冷える
あの感覚
自分はこの二人の会話に入りたいのだろうか
いや、ちがう
自分は、、
14 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:36:06.24 ID:pglpCzJg0
春香ちゃんと場所を変わりたいって、思った?
雪歩に心を読まれる
図星だった
自分は想像上の春香に
嫉妬していた
春香とプロデューサーが仲良くしていて
その間に入れない
その状況が
なんとも言えないくらい、嫌だった
15 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:37:15.28 ID:pglpCzJg0
黙っていることが肯定ととられたのか、
雪歩はこう続けた
恋愛感情っていうのはね
誰かを好きって気持ちだけじゃなくて
そこに独占欲とか嫉妬心とかもいりまじって
一言では言い表せないくらい
とっても複雑になったものなんだと思うの
雪歩は一言一言少し間を置きながら
慎重に、言葉を選ぶようにして話す
16 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:38:19.26 ID:pglpCzJg0
響ちゃんの言うその感覚も
独占欲の一部、なんじゃないかな?
あの感覚は、プロデューサーへの独占欲
すこし納得できた
けれど、
独占欲というと、なんだか悪いもののように思える
17 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:39:35.78 ID:pglpCzJg0
そう指摘すると、
雪歩は少しあわてて、あわあわと答える
欲って言うと、あまりよくないものに聞こえる、
かもしれないけど、
あなたを失いたくない、とか
そんな気持ちも独占欲のひとつなんですよ?
そう言って雪歩は、ニコリと微笑んだ
18 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:40:15.90 ID:pglpCzJg0
プロデューサーを失いたくない
プロデューサーと離れたくない
プロデューサーと一緒にいたい
確かに、そうなのかもしれない
自分は
プロデューサーが好きだ
その「好き」はただの「好き」じゃない
ただの「好き」なら
春香や雪歩のことだって好きだ
19 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:41:13.35 ID:pglpCzJg0
プロデューサーへのその「好き」は
きっと
雪歩の言う独占欲とかも入り混じった「好き」で、、
うがー!
頭を抱えた
お茶、入れてくるね
混乱してきた自分を落ち着かせるためか
雪歩が席を外す
20 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:42:57.49 ID:pglpCzJg0
頭の中をぐるぐると考えが巡る
自分は、プロデューサーと一緒にいたい
自分は、プロデューサーを
香とか
他の誰かのものにしたくない
自分は、、、
プロデューサーに、自分だけをみてほしい
自分だけを
自分は
プロデューサーに恋をしている
21 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:44:36.25 ID:pglpCzJg0
けたたましくヤカンの音が響く
はっと我に返る
顔が熱い
音が止まり、暫くすると
雪歩が湯飲みを2つ、お盆に乗せて持ってきた
雪歩に礼を言い、湯飲みを受け取る
照れ隠しにお茶を飲もうとする
が、熱すぎた
すぐに口から湯飲みをはなす
息を吹きかけながら、ちびりちびりとお茶を飲む
22 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:45:32.98 ID:pglpCzJg0
だ、大丈夫?熱すぎたかな?
わたわたと心配する雪歩に笑顔で返す
なんくるないさー
心配そうに雪歩がさらに返す
そう?でも、
顔が赤いから、お茶、熱かったかなって
23 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:46:50.58 ID:pglpCzJg0
ぎょっとして頬に手を当ててみる
信じられないくらい熱い
こんなに顔が熱くなっていたなんて
プロデューサーのことを考えて、こんなに、、
慌てる自分の目の前で
雪歩がくすくすと笑う
ごめんね響ちゃん、冗談だったの
顔、なんともないよ?
24 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:48:00.16 ID:pglpCzJg0
え?
頭の中が一瞬真っ白になった
その直後
顔が更に熱くなる感じがした
考えてみれば
湯飲みを持った手でそのまま頬に触れたのだ
熱くて当然だろう
雪歩は今度こそ本当に赤くなった自分を見て、
くすくすと笑う
25 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:50:05.02 ID:pglpCzJg0
こんな手に引っかかるなんて
というより、
雪歩がこんなイジワルをするなんて
それが一番の驚きだった
でも
その驚きで
一度頭をリセットできた
さっき考えていたことを整理して
雪歩に告げる
雪歩、自分は、
雪歩は真面目な顔をしていた
プロデューサーのことが
好きだ
26 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:51:49.28 ID:pglpCzJg0
━━━━━━━━━━━━━━━
心臓の音がうるさい
鼓膜に心臓がくっついているようだ
自分が呼び出したんだ
これ以上
プロデューサーを待たせてはいけない
━━━━━━━━━━━━━━━
27 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:53:17.01 ID:pglpCzJg0
あの後
自分の告白を聞いた雪歩は
ニコリと微笑んで
そっか
それだけ呟いた
それで、告白しないの?
背筋が凍った
28 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:54:13.25 ID:pglpCzJg0
雪歩がそのセリフを言ったからではない
むしろ言わなかったから
明らかに雪歩の声ではない声で
そのセリフが聞こえたからだった
目の前の雪歩も同様に凍りついている
自分と雪歩
2人だけだと思っていた空間に
もう一人いた
29 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:55:09.52 ID:pglpCzJg0
椅子の陰に
あふぅ
美希がいた
美希は欠伸を一つ
そしてもう一度、口を開く
より、はっきりと、意味を添えて
響は、ハニーに、告白しないの?
30 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 02:56:45.70 ID:pglpCzJg0
━━━━━━━━━━━━━━━
目の前には、プロデューサー
もう冬になるというのにひたいが汗ばむ
瞳が潤む
頭の中で同じ言葉がぐるぐる回る
あとは口に出すだけ
でも、その「だけ」ができない
言え、さらっと一言
言ったらそれで終わりだ、さぁ言え
そう奮い立たせても
あと一歩が踏み出せない
━━━━━━━━━━━━━━━
31 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 03:08:51.82 ID:pglpCzJg0
何で美希が?ここに?なんで?
いつから?どこから聞いていた?
というか今なんて?なんて言った?
告白しないの?ということは全部聞かれてた?でも美希は、、
頭の中が疑問詞で埋め尽くされる
み、美希ちゃん、いつからそこに?
雪歩がやっとのことで言葉を絞り出す
32 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 03:10:42.43 ID:pglpCzJg0
ミキは、最初からこのソファで寝てたの
二人が入ってくる音で目が覚めたんだけど、、
美希が少し俯く
ほんのり頬が赤い
こっそり話を聞いてたら
出るに出れなくなっちゃったの
最初から、この部屋に
陰になっていたとはいえ、全く気づかなかった
それほどまでに気持ちが高まっていたのだろうか
33 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 03:12:33.59 ID:pglpCzJg0
ごめんなさいなの、そう言って美希は、少ししょんぼりする
意図的ではなかったが
話を盗み聞いてしまったという後ろめたさがあるのだろう
こちらとしてもそう美希にしょんぼりとされては
大丈夫、気にしてないと、そう言うしかない
美希は顔をあげ、ほっと笑顔になる
しかし、それより気になるのは、
34 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 03:14:02.13 ID:pglpCzJg0
ふと、美希が自分を見据える
それで
響はハニーに告白、しないの?
やはり聞き違いではなかった
美希は首を傾げる
本当に、ただただ疑問、といった様子だ
また顔が熱くなる
好きになった人には告白をする
なにも不思議なことではない、でも
でも、美希ちゃん
この言葉を美希が言った、ということになると、違ってくる
35 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 03:15:24.26 ID:pglpCzJg0
美希ちゃんは、
雪歩が自分の考えを代弁する
プロデューサーさんのこと、好きなんじゃないの?
美希はきょとんとしている
それから、ふにゃり
うん!ミキ、ハニーのこと、大好きだよ!
美希は、今日一番の笑顔を見せた
36 :
◆b2/ys3/tgw
[saga sage]:2014/01/15(水) 03:18:05.70 ID:pglpCzJg0
見てる人いるのかな…?
とりあえず今日はこれくらいにしときます
明日また夜か昼にでも投下していきたいと思います
37 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
[sage]:2014/01/15(水) 06:01:11.79 ID:MTgzFjufo
見てるぞ
38 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
[sage]:2014/01/15(水) 06:48:09.75 ID:vos6sMCv0
見てるよー
39 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
[sage]:2014/01/15(水) 11:53:35.18 ID:4DvmdlmFo
その時間帯はリアルタイムで見てる人は少ないと思うぞ
40 :
◆b2/ys3/tgw
[saga sage]:2014/01/15(水) 20:27:41.62 ID:pglpCzJgo
見てくださってる方々ありがとうございます
またちまちま投下していきたいと思います
41 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 20:57:33.51 ID:pglpCzJgo
━━━━━━━━━━━━━━━
沈黙が続く
自分たち以外誰もいない事務所
プロデューサーは何も言わず待ってくれている
今プロデューサーはどんな顔をしているのだろうか
呼び出したくせに黙ったままの自分に怒っているだろうか
それとも呆れているだろうか
そっと顔を上げる
真剣な眼差しのプロデューサーと目が合った
━━━━━━━━━━━━━━━
42 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 20:58:41.17 ID:pglpCzJgo
じゃあ、なんで
言葉に詰まる
美希も、プロデューサーが好き
きっと
美希の言う「好き」も
今自分がたどり着いた答えと同じ
「好き」なんだろう
普段の美希の行動
プロデューサーへの過剰なスキンシップを見れば
誰の目から見ても一目瞭然だ
43 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 20:59:24.29 ID:pglpCzJgo
だから、自分も察していた
美希の気持ちを
だからこそ、美希には相談できなかった
だからこそ、
今の美希の言葉に戸惑っている
でも、美希ちゃん
美希ちゃんもプロデューサーさんのことが好きなら、
響ちゃんがプロデューサーさんに告白しても、いいの?
44 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:00:17.54 ID:pglpCzJgo
雪歩の言うとおりだ
そうなると、
自分と美希はライバルということになる
美希は、敵に塩を送っているようなものだ
美希は首を少し傾げる
んー、美希のハニーを響にとられちゃうのは、イヤだよ?
でも、
45 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:01:25.76 ID:pglpCzJgo
それは響がハニーに、気持ちを伝えちゃいけないって
理由には、ならないと思うな
それに、
美希の綺麗な髪が揺れる
響がハニーのこと好きなの、バレバレなの
にししといたずらっぽく笑う
46 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:02:41.82 ID:pglpCzJgo
不意をつかれる
そんなに、分かりやすいだろうか
雪歩に聞く
答えは苦笑いで返ってきた
ちょっとね
また、顔が熱くなっていくのを感じる
ということは、みんなにも
もしかしたら、プロデューサーにも、、
47 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:10:44.43 ID:pglpCzJgo
あ、でも、ハニーは気づいてないと思うな
心を見透かされたようだ
少し、ほっとする
だいたいハニーは鈍感すぎるの
今度はぷんぷんと怒り出す
美希は表情がころころと変わる
照れて、しょぼくれて、笑って、
今は怒っている
48 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:11:35.66 ID:pglpCzJgo
これが美希の魅力だと
自分はそう思う
プロデューサーへの愚痴を並べ立てる美希を横目に
すこし、考える
好きな人に告白する
自分の気持ちと向き合うことに精一杯で
その後のことを考える余裕なんて全くなかった
プロデューサーへの気持ちははっきりした
じゃあ次は、
49 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:12:23.00 ID:pglpCzJgo
雪歩が心配そうにこちらを伺う
そんなに焦らなくても
無理しなくてもいいんだよ?
そう言っているのが聞こえるようだ
響、逃げちゃ、駄目だよ
美希は、いつの間にか真剣な顔に戻っていた
50 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:12:52.58 ID:pglpCzJgo
ミキは、ハニーが大好きなの
だからハニーには
ミキの、好きだよって気持ち
いつも全力でぶつけてるの
怒っていたと思えば急に真面目な顔になる
美希の百面相ぶりには本当に惑わされる
51 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:13:38.66 ID:pglpCzJgo
だから、響も逃げちゃだめ
ちゃんと気持ちを伝えなきゃ、駄目なの
完全に美希独自の理論
だけど
妙に納得させられる
そんな力が、美希にはある
、、わかった
52 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:14:09.22 ID:pglpCzJgo
強い意志を持って、返答する
自分はもう、逃げない
自分の気持ちから、目を背けない
プロデューサーが好きだって気持ちは、
美希にも負けないぞ
53 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:14:46.60 ID:pglpCzJgo
美希の魅力には、適わないかもしれない
でも、
伝えたい
たとえ届かなくても、
プロデューサーに、この気持ち
伝えたい
54 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:15:43.09 ID:pglpCzJgo
涙が出そうだ
手が温かい
雪歩が手を握っていた
泣きそうな顔をしている
自分もこんな顔をしているのだろうか
55 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:16:24.78 ID:pglpCzJgo
わかったの
ひとり冷静に美希は言う
今少し、
美希が笑った気がしたのは気のせいだろうか
美希は
携帯電話を取り出した
もしもしハニー?ミキなの
気のせいでは、なかったようだ
56 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:20:10.99 ID:pglpCzJgo
あのね、30分後に事務所にきてほしいの
ぜったいだよ?
来なかったらミキ、ハニーのこと
嫌いになっちゃうからね?
じゃあね、そう言って通話終了ボタンを押すと
つかつかと雪歩に近づく
57 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:21:43.39 ID:pglpCzJgo
いこ?
雪歩に
手を差し伸べる
え、でも、みきちゃ、
半ば強引に雪歩を引っ張り、事務所を出て行く
最後に、美希が笑顔で振り返り、
がんばってね、響
応援してるの
ガチャン
58 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:22:17.69 ID:pglpCzJgo
その音を境に静寂が広がる
事務所には響ひとり
30分後にはプロデューサーがくる
そうすれば、二人きり
本当、美希には適わないな
心の底からそう思った
59 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:22:59.52 ID:pglpCzJgo
━━━━━━━━━━━━━━━
こんな時間に、急に呼び出したのに
時計を見る
既に日付が変わっている
それなのに
自分と、真剣に向き合ってくれている
響が言えるその時まで、俺はいつまでも待つよ
プロデューサーの声が、聞こえた気がした
━━━━━━━━━━━━━━━
60 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:24:19.61 ID:pglpCzJgo
でも美希ちゃん、本当によかったの?
少し後ろを、俯きぎみに歩く雪歩が聞く
もしかしたら、響ちゃんとプロデューサーさん
本当に付き合っちゃうかもしれないんだよ?
事務所から駅までの道のり
冷たい向かい風が
ミキ達の体を、芯まで冷やす
61 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:26:16.45 ID:pglpCzJgo
もしかしたら、じゃないよ雪歩
ミキの考えが正しければ、きっと
間違いなく、だよ
雪歩が久しぶりに顔を見せる
驚いた顔
アハッ、ミキも、おんなじ気持ちだよ
じゃあ、どうして、、?
62 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:26:51.28 ID:pglpCzJgo
どうしてあんな事をしたのか
自分でもわからない
でも
響といるときのハニーが
一番キラキラしてるの
響だけに見せる笑顔
それは、
嬉しそうで、幸せそうで
なにより、輝いていた
63 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:27:31.28 ID:pglpCzJgo
その笑顔を
ミキはまだ、ハニーから引き出せたことがない
太陽には、勝てないよ
え?
雪歩が聞き返す
白い息が揺れる
64 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:28:23.54 ID:pglpCzJgo
ミキがキラキラのお星様なら、
響は、サンサンのお日様なの
夜空に輝く無数の星は、見る者全ての心を癒すだろう
だけど
元気を与えるのは、太陽の仕事なの
太陽にしか、、
響にしか、できないことなの
昼に燦然と燃える太陽は、地上のもの全てに力を与える
いくら星がキラキラしても、だめなの
太陽の輝きには、勝てないの
65 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:29:15.73 ID:pglpCzJgo
雪歩は黙ったまま、ミキの話を聞く
ふと、空を見上げる
綺麗な星空
笑みがこぼれる
不思議と、悲しくはない
悔しくもない
ただ、あるのは一つ
本当、響には適わないの!
その気持ちだけだった
66 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:30:00.96 ID:pglpCzJgo
ハニー、響の気持ち、ちゃんと聞いてあげてね
断るなんてミキ、許さないんだから
頬を何か伝う感触がする
あれ?なんだろう
目の前が濁る
あ、そっか、ミキ
失恋、したんだ
67 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:32:04.62 ID:pglpCzJgo
ふいに、視界が暗くなる
美希ちゃん、
雪歩がミキの頭を抱く
美希ちゃん、、
雪歩も何と言えばいいのかわからないのだろう
ただ、ミキの名前を呼んで、頭を撫でる
68 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:32:44.59 ID:pglpCzJgo
涙声なのがわかる
雪歩は、優しいな
響の時もそうだった
人の為に泣くことができる
前に、真くんが言ってた
それが、雪歩の良いところだって
69 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:33:34.91 ID:pglpCzJgo
今くらいは、
この優しさに甘えても、いいよね?
雪歩の胸を借り、気持ちを吐き出す
誰もいない真夜中の道路に
二人分の泣き声が
響くことなく吸い込まれる
70 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:34:20.35 ID:pglpCzJgo
ハニー、あのね
ミキ、ハニーのこと
大、大、大好きだよ
71 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:44:42.77 ID:pglpCzJgo
━━━━━━━━━━━━━━━
ああ、だからか
この人が、こんなにも優しいから
どんな事にも真剣に向き合ってくれるから
だから
自分は、
この人が好きなんだ
━━━━━━━━━━━━━━━
72 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:45:48.76 ID:pglpCzJgo
きっかけなんてものがあったかもわからない
気づいたら
顔を直視出来なくなっていた
側にいるだけで
にやけてしまいそうになる
必死に耐えて、顔を背けても
訝しげに顔をのぞき込んでくる
勘弁してほしい
こんな情けない顔、見せる訳にはいかない
73 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:46:24.42 ID:pglpCzJgo
目の前で
ふわりとポニーテールが揺れる
シャンプーの匂いだろうか
甘い香りが鼻孔をくすぐる
どうして女の子は
こんなにいい匂いがするのだろう
74 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:47:21.56 ID:pglpCzJgo
ふと、髪の毛につく糸くずに気づく
取ってやると
こちらに満面の笑みを向ける
にふぇーでーびる!プロデューサー!
かわいい
身長差で手の乗せやすい頭を、
くしくしと撫でてやる
少し顔が赤くなって、えへへと笑う
いつまでもこうしていたい
でも、それじゃだめなんだ
75 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:47:51.15 ID:pglpCzJgo
分かってる
俺は、プロデューサーなんだ
担当するアイドルに対して
こんな感情は、抱いてはいけない
だが、
抑えようとしても、
抑えられるものではなかった
76 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:48:22.99 ID:pglpCzJgo
日が経つごとに
どんどん、惹かれていく
振り払おうとすればするほど
その思いは強くなる
彼女の頭を撫でてやりながら
心の中で呟く
77 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:48:57.22 ID:pglpCzJgo
すまない、響
俺はプロデューサーとして、
最低だ
俺は
担当アイドルに、
響に、恋心を、抱いている
78 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:49:41.86 ID:pglpCzJgo
━━━━━━━━━━━━━━━
不思議と、心が落ち着く
最後の一歩を
プロデューサーが背中を押してくれた
そんな気がした
━━━━━━━━━━━━━━━
79 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:50:29.34 ID:pglpCzJgo
彼女のこんな姿は、見たことがなかった
美希からの電話を受け、
事務所へ向かう
また美希にアイドルをやめる
なんて言われたら、たまらない
暗い街中で、とあるビルの二階だけ
いまだに光り続けている
80 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:51:05.80 ID:pglpCzJgo
こんな時間まで事務所に居座るなんて
まずはそれについて叱らないと
でも、美希のことだ
とりあえず話を聞いてやらないとかな
そうしないと、拗ねるに決まってる
きっとそうだ
そんなことを考えながら
事務所のドアを開ける
81 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:51:51.76 ID:pglpCzJgo
一見した様子では、
事務所に美希の姿はない
人を呼び出しておいて
また、ソファで寝ているのだろうか
応接室を覗く
そこに美希の姿はない
しかし、代わりに
自分が焦がれる人
響がソファにちょこんと腰掛けていた
82 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:52:49.08 ID:pglpCzJgo
自分の、担当アイドル
一番近いはずなのに
一番、遠くにいる人
ソファに座る彼女は
視線を床に向け、考え事をしている様だった
少し気分が、高まる
しかし
どうして、響がここに、、?
83 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:53:17.77 ID:pglpCzJgo
疑問が浮かぶ
考えるより先に
響がこちらに気付く
あ、プロデューサー
本当に来てくれたのか
顔を上げ、ぱっと笑顔になる
84 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:54:27.08 ID:pglpCzJgo
"来てくれたのか"?
ということは、
事務所で待っていたのは美希ではなく、響?
美希が勝手に電話しちゃうから、焦ったぞ
でも、じゃあ、美希はどこに?
頭の中の疑問に答えるように、
響は続ける
電話をかけた本人は
話し終わったらすぐに
自分だけ残して帰っちゃうしさ
85 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:55:03.44 ID:pglpCzJgo
なるほど
美希らしいことだ
頭の中の疑問が解けていく
つまり響は、美希に振り回されたってことか
響は苦笑いで肯定の意を示した
頭の混乱も解け、少しずつ落ち着いてきた
が、
落ち着いたことで
また一つ、疑問が浮かぶ
なぜ美希はそんなことを?
86 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:55:46.67 ID:pglpCzJgo
呼び出しておきながら
響を残して帰るなんて
まるで最初から
俺を響に会わせることが目的だったような、、
でも、来てほしかったのは、本当なんだ
87 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:56:42.25 ID:pglpCzJgo
響が、目の前に立つ
自分、さ、
プロデューサーに、
伝えたいことが、あるんだ
耳まで真っ赤に染まっている
震えているようにも見える
沈黙が、耳に響く
目の前の響はいつもより
一回りも二回りも
小さく、弱い存在に思えた
そして、
88 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:58:40.17 ID:pglpCzJgo
━━━━━━━━━━━━━━━
雪歩、美希、
そして、プロデューサー
みんながこの状況を作ってくれた
みんなの気持ちに、答えないと
ここまで来て
逃げるのは、無しだ
89 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:59:06.56 ID:pglpCzJgo
思いを、伝える
かなさんどー、、プロデューサー、
90 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 21:59:36.50 ID:pglpCzJgo
━━━━━━━━━━━━━━━
その声は
普段の響からは想像もつかないほど
小さく、か細い声だった
━━━━━━━━━━━━━━━
91 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:18:44.85 ID:pglpCzJgo
どうしよう
言った
言ってしまった
どうしよう、どうしよう
プロデューサーの顔が見れない
顔が熱い、熱い
心臓がうるさい
体全体が、心臓になったようだ
泣きたい、何も聞かずに、逃げ出したい
92 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:19:13.26 ID:pglpCzJgo
プロデューサーは今、何を思っているんだろう
返事を考えてくれているのだろうか
横目で、机の上の時計を見る
まだ30秒も経っていない
沈黙に、押しつぶされそうだ
響、、
プロデューサーの声が、無音の事務所に響く
なんだか、生きている気がしない
93 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:19:53.89 ID:pglpCzJgo
自分はさっき何を言ったんだっけ
プロデューサーはこれから何を言うんだっけ
プロデューサーが何て言うことを
自分は期待してるんだっけ
自分は、、
告白したんだ
プロデューサーに
自分の、気持ちを
94 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:20:26.87 ID:pglpCzJgo
つまり
これからプロデューサーが言うのは
その告白への、返答
プロデューサーが、口を開く
、、、すまない
心臓が、凍った
95 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:21:08.49 ID:pglpCzJgo
━━━━━━━━━━━━━━━
プロデューサーとしての血が
理性に打ち勝ったのだろうか
響から思いを告げられた俺は
真っ白になり回らなくなった頭を必死に動かし
その言葉を告げていた
96 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:21:44.05 ID:pglpCzJgo
プロデューサーとアイドルとの交際なんて
認められない
もしも、そのことがマスコミに知られたら?
響は今、順調に人気を伸ばしている
もしかしたら来年、いや今年中にでも
アイドル界の頂点に立てるかもしれない
97 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:22:29.27 ID:pglpCzJgo
目の前に見えている、トップアイドルへの道筋
それを俺が、潰すことになる
そんなこと
できるはずがない
だから、
これで、、いいんだ
自分を納得させる
こうしないと、いけないんだ
98 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:23:00.74 ID:pglpCzJgo
そっかぁ、、だめかぁ、、
響の方を見る
悲しみを堪えて
必死に笑顔を取り繕おうとしているのが
目に見てわかる
口が震えて、目が潤んでいる
違う
99 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:23:55.71 ID:pglpCzJgo
俺が見たい響は
こんなくしゃくしゃな笑顔の響じゃない
でも、よかったさ!
プロデューサーに気持ち、伝えられて
違う
俺は響に、こんな笑い方をさせたかったのか
違う
100 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:25:01.69 ID:pglpCzJgo
響はいつも太陽のように笑う
その暖かい笑顔に
俺は
こんな時間に、ごめんね、プロデューサー
来てくれて、話、聞いてくれて
う、嬉しかった、ぞ、、
響の目から
収まりきらなくなった涙が、溢れる
101 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:25:40.22 ID:pglpCzJgo
違う
俺は響にこんな顔をさせたいんじゃない
俺は、、
響、、!
抱き寄せた響の身体は
思っていた以上に
小さかった
102 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:26:12.56 ID:pglpCzJgo
響、すまない
俺は、プロデューサー失格だ
俺は、
響のことが、好きだ
103 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:26:39.96 ID:pglpCzJgo
小さな身体をぎゅっと、抱きしめる
緊張の糸が切れたのか
響の目からとめどなく
涙があふれ出す
響の泣き声だけが、事務所に響き渡る
104 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:27:56.61 ID:pglpCzJgo
俺の胸に頭を押し付け泣く響に
何度も思いを告げる
好きだ響、お前のことが、大好きだ
何度も頷き、涙声で響も返す
自分も!大好きさぁ!ブロ゛デューサーぁ!
何度も、何度も、
繰り返し気持ちを確かめ合う
お互いにため込んだ相手への気持ちを
全て、吐き出すように
105 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:28:39.99 ID:pglpCzJgo
━━━━━━━━━━━━━━━
響が泣き止む頃には
既に空が白みがかっていた
落ち着いてきた響に
入れたばかりのお茶を渡し、
さっき考えていたことを話す
106 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:29:06.18 ID:pglpCzJgo
アイドルに恋愛はNGであること
そして
そのことをマスコミに知られれば
トップアイドルへの道が閉ざされてしまうこと
107 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:29:54.09 ID:pglpCzJgo
一通り話し、お茶を啜る
響も、両手で湯呑を持ち
ちびりちびりと飲む
一晩中泣いていたからか
目や鼻が赤く、火照っているように見える
108 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:30:43.22 ID:pglpCzJgo
両思いとなった今
そんな彼女をより一層愛しく感じる
熱いお茶に悪戦苦闘しているのをいいことに
じっと彼女のことを見つめる
不意に、目が合う
見られていることに気付くと
ぷいと視線をそらし、身体ごと横を向く
顔が真っ赤になっているのが、耳を見てわかる
何なんだろうこの愛らしい生き物は
109 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:33:04.09 ID:pglpCzJgo
見られて恥ずかしがる響を再び愛でていると
あ!
響が、何かを思いついたような声を上げる
プロデューサー、恋愛してたら、
トップアイドルにはなれない、んだよね?
確かに
さっきの話をかいつまんで話せば
そういうことになる
じゃあさ、、
トップアイドルになってからっていうのは、、?
110 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:33:43.66 ID:pglpCzJgo
響が満面の笑みをこちらに向ける
どうやら、会心の思い付きのようだ
思わず吹き出してしまう
な、何で笑うのさー!もう!
響には悪いと思いながらも、笑いが止まらない
だって
これこそが
俺の見たかった、響の笑顔だったから
111 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:36:10.24 ID:pglpCzJgo
俺にいつも元気を、笑顔をくれる
太陽のように暖かく、明るい響の笑顔
わかった、じゃあ約束しよう
響がトップアイドルとして
この業界を響の笑顔で染め上げことができたら
響がトップアイドルになった時
俺だけじゃなく、他の人にとっても
響が元気を与える存在になって、
アイドル業界での"太陽"になることが出来たら
その時また、お互いに思いを伝え合おう
それまでは、アイドルとプロデューサーのままで、
112 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:37:04.96 ID:pglpCzJgo
わかったさ!
自分、完璧だからトップアイドルになんてすぐだぞ!
待っててね!プロデューサー!
いつも通りの響だ、安心した
俺も、もう二度と響にあんな顔はさせない
プロデューサーとして、響には全力でぶつかる
もう、逃げない
113 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:37:59.82 ID:pglpCzJgo
朝日がまぶしくなってきた
もう、そんな時間か
時計を見ると、とっくに朝になっていた
太陽の光が響が明るく照らす
それじゃあ、プロデューサー
これからも、自分のプロデュース、よろしくたのむぞ!
小鳥さんに見つかって怒られるのは
この数分後のことだった
114 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:39:25.29 ID:pglpCzJgo
━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━
プロデューサー、まだかな、、?
事務所の応接室で一人、響はプロデューサーを待つ
これ、結構重いんだけどな
響の手にはIA大賞のトロフィー
全く、女の子を待たせるなんて、
とんだダメプロデューサーだぞ
115 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:40:42.03 ID:pglpCzJgo
IA大賞の発表の後、プロデューサーはこの場所だけ指定して
何処かへ行ってしまった
すぐに行くって言ってたけど、、もう一時間だぞ
あの約束のちょうど一年後、響はIA大賞をとり、
トップアイドルとして名を刻んだ
この後みんなでパーティーもあるのになー
それでも、待つ
信じているから、というか約束したから
116 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:42:18.85 ID:pglpCzJgo
うん、やっぱりあの時と同じで、、
ガチャリ
事務所の扉を開ける音がする
お、やっと来たか
ふぅ、とため息をつく
それと同時に、心臓の高鳴りに気づく
なんか、緊張してきたぞ、、
どんどん心拍数が上がる
117 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:42:52.96 ID:pglpCzJgo
応接室のドアノブがカチャリと回り、
ドキドキが最高潮になる
ぎぃぃ
ドアが開き、プロデューサーの姿が現れる
、、かと思われたが
遅いぞ!プロデュー、、あれ?
現れたのは
118 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:43:29.80 ID:pglpCzJgo
、、、花?
そこには、大きな花束があった
しかし、当たり前だが花が勝手に動くはずもなく、
遅れて、すまなかった
花束の陰からプロデューサーが顔を出す
プロデューサー!どうしたんだこの花束!
驚きでドキドキはどこかに飛んで行ってしまった
いやぁ、知り合いの花屋に頼んでおいたんだ
119 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:44:34.24 ID:pglpCzJgo
その花束は、中心にヒマワリを配置し
その周りにはユリやキンモクセイ、サクラなど
色とりどりの花が並ぶ
これって、もしかして、自分たちか?
ああ、765プロをイメージして作ってもらったんだ
中心のヒマワリを指さして聞く
ひょっとして、これが自分か?
ああ、やっぱり響と言ったらヒマワリかなって思ってさ
何で自分が、ヒマワリなんだ?
響は太陽だからな、太陽と言ったらヒマワリ、な?
そう言って響に花束を渡す
120 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:45:14.20 ID:pglpCzJgo
遅くなってすまなかったな
IA大賞、おめでとう、響
響も素直に受け取る
にふぇーでーびる、プロデューサー
にへらと照れた笑顔を見せる
そして、沈黙
121 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:46:03.11 ID:pglpCzJgo
響の鼓動が、また高鳴ってくる
あの、プロデュー
待った!
響の言葉を、プロデューサーが遮る
今度は、俺から言わせてくれ
響は黙ったまま、頷く
122 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:47:15.92 ID:pglpCzJgo
プロデューサーは深呼吸をして
口を、開く
響、この一年間俺は
ひと時もこの約束を忘れたことは無かった
知っていた、自分も、そうだったから
そして、このときをずっと待っていた
自分も、そうだ
響、
好きだ、響、愛している
自分も、、そうだ、
響の目からは、涙が溢れる
123 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:48:22.18 ID:pglpCzJgo
そっか、、
じゃあ、
今度は、自分の番さー、
涙声になってしまっても、いい
プロデューサー、
それでも笑顔で、
もう迷うことは無い
124 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:49:24.46 ID:pglpCzJgo
雪歩に相談していた時とは、違う
もう自分の気持ちに、嘘はつかない
自分の心の声を、そのまま、伝える
かなさんどー、、
自分は、
かなさんどー!プロデューサー!
自分は今、プロデューサーに「恋」をしている
125 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:50:18.71 ID:pglpCzJgo
「自分は今、プロデューサーに「恋」をしている」
おわり
126 :
◆b2/ys3/tgw
[saga]:2014/01/15(水) 22:56:28.40 ID:pglpCzJgo
完結です!
見てくださった方がいましたらありがとうございました!
127 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
[sage]:2014/01/15(水) 23:08:06.22 ID:DI08SxODO
乙
イイハナシダナー
128 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
[sage]:2014/01/15(水) 23:42:37.60 ID:MTgzFjufo
おつおつ
ひびかわ
129 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
[sage]:2014/01/16(木) 00:38:32.71 ID:IL1aAr/wo
おつ!
いい感じ
またなんか書いとくれ!
130 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
[sage]:2014/01/16(木) 07:29:39.71 ID:htEpwAMeo
乙
131 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
:2014/01/16(木) 08:32:34.66 ID:OjeczIis0
やはり響は完璧だな
132 :
◆b2/ys3/tgw
:2014/01/17(金) 13:07:58.82 ID:pt52vKDW0
ちょっと改行変えて、まとめてみました
よろしければ
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3303355
44.55 KB
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