やる夫が葉隠武士になるようです　　聞書１

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やる夫が葉隠武士になるようです　　聞書１ - パー速VIP 過去ログ倉庫

1 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/03/27(金) 22:27:31.90 ID:02LH6RAo

時は江戸時代。

徳川と豊臣が天下を競った争いも昔日となったころ。

武士の本業である戦もなくなり、誰もが新しい生き方を模索していた。

そんな中、佐賀藩にある若き武士がいた。

　　　　　＿＿＿_
　　　　／⌒　　⌒＼
　　　／（ ●）　（●）＼
　／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼　やる夫も今日から城勤めだおｗｗｗｗｗｗ
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　＼　　　 `ー'´ 　　／

1.5 ：荒巻＠管理人★(お知らせ) [Twitter]： ID:???

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「インド人を右に」で検索して＠ 2025/05/10(土) 03:17:34.16 ID:R8heoSlaO
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1746814654/

やる夫が正史を書くようです６３＠ 2025/05/09(金) 19:59:13.17 ID:HvfnzD2H0
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1746788351/

えーきゅーあわー＠ 2025/05/07(水) 20:46:33.40 ID:T4ZgqKvj0
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1746618391/

おてす＠ 2025/05/07(水) 00:45:01.41 ID:SRxRZFhu0
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1746546300/

銀時「ﾌｫｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵ!!!!!!!!!!」＠ 2025/05/07(水) 00:00:58.22 ID:7HtrqZjbO
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1746543658/

某有名少年漫画を読んでいたら書き込めるスレ＠ 2025/05/05(月) 20:49:09.44 ID:Ga8PIRJu0
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1746445748/

GWは旅にでんちう＠ 2025/05/02(金) 18:42:38.02 ID:qqpLnGrwO
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1746178958/

わちゅごなどぅー＠ 2025/05/02(金) 13:47:27.08 ID:vGk7P4Yx0
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1746161246/

2 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 22:29:02.45 ID:02LH6RAo

　　　　　＿＿＿_
　　　　／⌒　　⌒＼
　　　／（＞）　（＜）＼
　／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼　うちは名家だから役目も楽チンだったおｗｗｗｗｗｗ
　 |　　　　/| | | | |　　　　　　|　血筋うめぇｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
　＼　 (、`ー―'´,　　　／
　　　　　￣￣￣

　　　　　＿＿＿_
　　　　／⌒　　⌒＼ﾎｼﾞﾎｼﾞ
　　　／（ ●）　（●）＼　　　　＜キャンキャン
　／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼　お？何だ、喧嘩かお？
　 |　　　ｍj |ー'´　　　　　 |
　＼　〈＿_ﾉ　　　　　　／
　　　　ノ　　ﾉ

3 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 22:30:09.98 ID:02LH6RAo

　, -'"^^^^,-'~~~~ ~~~~~~'-,^^^^"'-
（,,,,, -'", '"'⌒ヽ　　'"⌒ヽ`､~"'- ,,,,,）　　キャンキャン
　　　　,’　　＞　　　＜　　　;, 　　
　　　　:　　　　　━　　　　　　:　　
　　　　．､　　　　　　　　　､, '"
　　　　　　~~~~~~~~~~~~~~

　　　　　　,,､,､､,,,';i;'i,}､,､
　　　　　　ヾ､'i,';||i !｝ 'i, ﾞ〃
　　　　　　　　ﾞ､';|i,!　　'i i"i,　　　　　　､__人_从_人__/し､_人＿入
　　　　　　　　 `､||i　|i　i　l|,　　　　　　､_）
　　　　　　　　　 ',||i　}i |　;,〃,,　　　　_）　この畜生がっ！！
　　　　　　　　　 .}.||||　| ! l-'~､ミ　　　　｀)
　　　　　　　　 ,＜.}||| il／,‐'liヾ;;ミ　　　'´⌒V＾'^Y⌒V^V⌒W^Y⌒
　　　　　　　　.{/ﾞ'､}|||/／　 .i| };;;ミ
　　　　　　　　Y,;-　　ｰ､　　.i|,];;彡
　　　　　　　　iil|||||liill||||||||li!=H;;;ﾐミ
　　　　　　　　{　く；ｧｿ　 '';;,;'' ﾞ};;彡ﾐ
　　　　　　　　ﾞi　[`'''~ヾ. ''~ ||^!,彡ミ　　＿,,＿＿
　　　　　　　　ﾞi　}~~　｝ ';;:;li,　ﾞiミミミ=三＝-;;;;;;;;;''
,,,,-‐‐''''''}￣~フハ,“二ﾞ´ ,;／;;'_,;,7''~~,-''::;;;;;;;;;;;;;'',,=''
　;;;;;;;;''''/_　 / | | `ー-‐'´_,,,-',,r'~`ヽ';;:;;;;;;;, '';;;-'''
'''''　　,r'~ `V　ヽニニニ二､-'{ 十　）＿＿;;;;/

4 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 22:31:34.97 ID:02LH6RAo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､_人_从_人__/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _）
　,..r;;:　　（　人)　 )　,;｀ｰ､　　　　　　　 |　ヽ丶　　　　　　　_）　消　　汚
　ヾゞ､　　ゞ'´　　　'｀´　　｀ヾ､　　　　─|─　　　　　　　　_）　毒　物
　　　　　　　　　　-‐':､ゞ'｀` 　,l　　　　/ |　ヽ　　　　　　 _）　だ　　は
ヾ､ゞ;;.　　,r-､　　　｀ヾ､　　　　ヽ､　　　　　　　　　　　　 _）　 l
, rヾ　　 ,r!/r'ヽ　　　　'｀　　　　　＼　　　　＿|＿　　　　　 _）　っ
　　　_,,,.,ﾉ､_ ヽ,　　　　　　　｀ゞ;;　　 ;:､　　　　／|　　　　　　｀)　！
,r‐'''"　,.r ,ｲ彡ミﾐヾ､　　　　　　｀`　 ´;;i　　　　　　　　　　　　　V^V⌒W^Y⌒
__,.;;,ｨ'´　,:;;;;彳彡ミ;j｀､　　　　　　　　`i;:､　　　　　　オ
;;　ヾ､彡;;;ﾉﾘ;jjjjj;;;jr'　i 　 .　ノ;;:''　｀ﾞ｀､　｀`ｰ､　　　　　　　　　　　　 ,ｨ
彡冫;;il;;;ミ;;;;;y;ﾚ　,t'´ 　　　　　　 ,.､ｰ､　　ゝ　　　ｫ　　　　　　 i|l;
;'ｲ;;;'ヾ｀`ヽ､ｨ;;i ,ri'´　　ヽヾノ　,ry' il'Yﾞr　　ヽ､　　　　　　　　　　　　,j|l;;
j'´ '´ '´／ゞ';;::`´ヽ　　｀`´ｰ　ﾞi　;;: ,r'　　　　　 )　　,r､　　　　　　,rヾlir'ﾐ,
　　/ ,;:' '´/　ｰ≡;i{､　　　　　／ヾr'´　　,.　　　'`;;:､　〉ゝ　 r-ｰ-､_ ,{i＝i= }i､
ｰr-､j　,!　,;',;'ｨ;;:ｲ''｀`ゞ､_,､-‐'´ヽ:;/　､　｀`ヽ　　;:､　｀' (´　｀ゞ､;;;;'',,fi､,≡:;ｲ＝=､
,,:'　｀`ゞ､,;;ゞ､ "´ｲ ,...　`'彡 ,／´　　｀ヾ､ヾ　　　'　　　ｰ､　ii;j ｀i;;!'´ﾆil';;;;ゞr､_,r'ミ
'　　　ｰ‐─　,rｰ'ﾞｰ─-､_j;:r'´　　　　ヾ,ゞ　　　　　　　　､ゞ,ﾐ;:l;;l　　,! 　,!,i;;'´¨/
;.　　　r-‐;;'"}　　　　　　　　　　　｀`ヾ､　ﾉ　　　　　　　,;;;:　(i,;)））､,,:;!､__,:};!_,.､l
....　　　_,,,ｨ､ i　　　　　　　　'ヾ人　　､}(　/　　　　ノ　　 ,r'i　 r'"ヾ-‐i‐-:;ｲ, / ヾ

5 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 22:32:35.12 ID:02LH6RAo

　　　　　　　　　　 t　　　　　　　〉从||||iiｰ''";;;;;;;;ｰ､ﾘﾘ）　　　　　　　　　　~'ｰ､
　　　　　　　　　　　了　　　　,r'~;;;;Lr'";;;;;､ '"ヽ ~' ､ii〈　　　　　　　　　　　　/
　　て　消　　　　　（　　　　　/ｿ､;;;;;;;;;;;／:::　　::ヽ:::ヽi|　　　土　わ　　　　（
　　え　毒　　　　　〉　　　　|/､,, 'ｰiii~''",,,､ヽ- ､,,t:::::j　　　下　は　　　　　〉
　　か　さ　　　　　（　　　　　y,,,,＝'';;'"´　;;;;;;､r'--ﾐ:ﾇ　　　座　は　　　　（
　　 ┃. れ　　　　　ヽ,　　　　 t'"　;;;r'⌒''yｰ'"　　　::t ）　　し　は　　　　 / ,,､-''"
　　 ┃　　　　　　　　ゝ　　　　i￣:::::ﾉ'ｰｲ;;;;,,,,_ｰ､彡|i |　　　ろ　　　　　　 /'",､-'"
　　 ┃　　　　　　　,r"　　　　　ヽ､　 'r=＝'"~,,)i'iii　ﾘ:j |　　　//　　　　　　〉:::::::::::::
　　 //　　　　　r-､|　　　　　　　　',　 i;;;;r'"~~ ﾘｿ::／/'''ｰ､・・　　　　　　_（::::::::::::::
　　・・　　　　　|　　　　　　　　　　　i　 tｰ'--,ノ　／ ,r';;;　:::L　　＿　　__ /::::::::::::／
,r､　,､-- ､, -'"　　　　　　　　　　　,iヽ,　二~-ｰ, ',､ ':::::::::／ﾉ／",, ﾚ''"､~　　,､ ':::;;､
　ﾚ"从　;:;: （　　　　　　　　　_,, r'''~|::::tｏ'''''"ｏ~j";;;､ -'":::"::|　,,,,」L,,,,　ヽ''",,､-'~::::
　从　　　　）,,,､-ｰ ''''"￣￣::/::::.　(､;;;;二＝ｰ'''":::::::::::::::,､-''i,　　|j" ,,,,,､- '":::::::::::::
　ﾞ〉　　, '''~　'''"::''＿__''''/::::::::| ::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;､-ｰ''"/从;;;;~'''''''i'i""| i|:／￣￣
　∫　（,,:::::''"　,r"ii　.ﾂY""::/:' ､;;;;;;;;;;､ -ｰ ''""　　　　　i i|||;;;;;;;;;;;;;;||;;;;;| i|:::／
｀}∫　 _ﾉ､,,,,,,,/ﾆ了￣/,,,,,i////::::::::::::::::::::tj:::::::::::::::::::::::::| }||;;;;;;;;;;;;;;;|i;;;;;;| |/
";:;:　;:i'＿＿_（二二i|/iiiiii////　　　　　:::::i :::　　　　　　i 〈t""○;;;;ti;;;;;;i /
'､t,,々ヽ＝=､､~'' ､ヽ| iＯj//ﾘ:::::,､ '""　 :::| :::　　　　　　 t | t､､　　 ti;;;;;;i
.,r／;:;~''tt;;;;;:ヽヽヽ'yi|ﾘ,//iｿ''~ 　　　　 ::::| :::　　　　　　　'､ヽ';;;;;;Ｏ;;;;ヽ;;i
.i.|;:;:;:;:;;ﾟ;;;;ｏ;:;;:;:;:i |"|::|Ｏ|ii||||　　　　　　 :: it :::::::　　　　　　 ' ､;'､;;;;;;;;;;;;ヽ|　､､
i ';:;:;:;:;;;;;;:;:;:;:;;:;:;ﾉﾉ:::i:ｿii|||i| ||　　　　　　　::;;ヽ ::::::::......................｀' ､;;;;;;;;;;;;;;;i :::"　　　,､
ｰ､' ､､;;;;;;;;;;;､ '"::::ノ人i从i ||　　　　　　::::::;;;j ~' ､,,::::::::::::::::::::::::::::::＼;;;;;;;;;;;t ::::::,､ '~ ,,
＿i､ヽ,,二＿,,､ '",,r"入从jﾉ:::::::::::::::::::::::::::;;/ （:､　 ~ '''''''''''''''''""""~ヽ;;;;;;;;;'､／:::／::
　 'ﾌヽ､iii二二;;;;､-'"ｰ-'､〉､､;;;;;;;;;;;;,､- ''~　 ;;;;};;;;:::::;;;;;;;;　,,,,,,,,,､　 ,､-ｰ''''､~ﾌ""/:::::::
　/､ '"~（~~~　 '''､"~　　ヽ,...,,'ｰ-､~'ｰ､::::'''"　ヽ::　　　　~ ､-ｰ''":::::::ヽ　 Y

6 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 22:33:35.23 ID:02LH6RAo

　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／　　　　　＼　
　　　　　／　　＼ ,　, ／＼　
　　　　／　　（●）　（●）＼　
　　　 |　　　　（__人__）　　　|　　　おい！そこの外道！
　　　＼　　　 ` ⌒ ´　　,／　　　動物の虐待はすぐにやめるお！
.　　　　 /⌒～"￣,￣￣〆⌒,ﾆつ
　　　　 |　　,＿_＿ﾞ＿__､rヾｲｿ⊃
　　　　　| 　　　　　　｀l￣
.　　　　 |　　　　　　　　　 |

　　　　　　,,､,､､,,,';i;'i,}､,､
　　　　　　ヾ､'i,';||i !｝ 'i, ﾞ〃
　　　　　　　　ﾞ､';|i,!　　'i i"i,　　　　　　､__人_从_人__/し､_人＿入
　　　　　　　　 `､||i　|i　i　l|,　　　　　　､_）
　　　　　　　　　 ',||i　}i |　;,〃,,　　　　_）　　なんだ、てめぇ！？
　　　　　　　　　 .}.||||　| ! l-'~､ミ　　　　｀)
　　　　　　　　 ,＜.}||| il／,‐'liヾ;;ミ　　　'´⌒V＾'^Y⌒V^V⌒W^Y⌒
　　　　　　　　.{/ﾞ'､}|||/／　 .i| };;;ミ
　　　　　　　　Y,;-　　ｰ､　　.i|,];;彡
　　　　　　　　iil|||||liill||||||||li!=H;;;ﾐミ
　　　　　　　　{　く；ｧｿ　 '';;,;'' ﾞ};;彡ﾐ
　　　　　　　　ﾞi　[`'''~ヾ. ''~ ||^!,彡ミ　　＿,,＿＿
　　　　　　　　ﾞi　}~~　｝ ';;:;li,　ﾞiミミミ=三＝-;;;;;;;;;''
,,,,-‐‐''''''}￣~フハ,“二ﾞ´ ,;／;;'_,;,7''~~,-''::;;;;;;;;;;;;;'',,=''
　;;;;;;;;''''/_　 / | | `ー-‐'´_,,,-',,r'~`ヽ';;:;;;;;;;, '';;;-'''
'''''　　,r'~ `V　ヽニニニ二､-'{ 十　）＿＿;;;;/

7 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 22:34:42.73 ID:02LH6RAo

8 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 22:35:22.68 ID:02LH6RAo

　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　／　　　　＼_
　　　　　　　　　　／　／　　＼（ ;:;:;）
　　　　　　　　　／（ ;:;:;:;:;ﾉ　（＝）　＼
　　　　　　　　（;:;:;:;;;:;　（__人__）　　 .:::::）　
　　　　　　　　／ || 　　　｀ ⌒|||　　　,／　痛タタタタ……
　　　　　　　/ / |＼／ /　 /ｌ　| 　　　　　飛び道具なんかとてもかなわないお……
　　　　　　 / /__|　＼/　/　|　|
　　　　　　ヽ、//////） /　 |　|
　　　　　　　 /　￣￣　/　　 |　|
　　　　 ____,/　　)--- ヽ　　　ヽつ
　　　 ⊂---― 'ｰ----'

　　　　　　＿─-､ -‐;ｚ.__
　　　　　　　　＞　`　"　ﾞ　　＜
　　　　　　　/　" " " "　ﾞ　ﾞﾞﾞ＼
　　　　　 l " " ", ,ｨハﾞ i ﾞ､ﾞ､ヾ
　　　　　 | " "ノlﾉメ、 |ﾉjﾑﾍ. N
　　　　　　 ! r,ｺ| ＝｡=　 ,｡==ﾊﾘ
　　　　　　 | |ﾋ.j|　￣ r_ ＼7
　　　　　　　j `ｧﾍ　 ──‐:7′　　下がってな……
.　　　　　_／∨　:::＼　￣人
　 -‐'''"´ |.　ヽ.　　::::`:.イ　 |`''‐- ､.._
　　　　 |　　　＼　　:::/　　|　　　 .ハ
.　　　　 |　　 ,ヘ〉　 |へ.　|　　　 l.　l
　　　　　ｌ_／　ﾟ〈ｰ‐'| 　ヽ!　　　│　|
　　　　　　　　　　　|::::::| 　｢￣￣|　| 　 |

9 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 22:36:52.56 ID:02LH6RAo

　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿__
　　　　　　　　　　.／　/　　#　　;,; 　ヽ
　　　　　　　：　／ノ　 ;;#　 ,;.;:: ＼　　：　　　　　
　　　　　　　　 /　 -==、　 '==-　　..:::::| 　
　　　　　　 | ::::::　（__人__）　　:::::.::::|　：　どなたか…知らんけど…
　　　　　　　： !　#;;:..　 l　　|　　　　.::::::/ 　　　　
　　　　　　　　ヽ.;;;//;;.;`ｰ‐'ｫ　　..;;#:::/ 　　　危ないですお…死んじゃうお……
　　　　　　　　　　＞;;;;::..　　　　..;,.;-＼　　　　　

　　　　　　,,､,､､,,,';i;'i,}､,､
　　　　　　ヾ､'i,';||i !｝ 'i, ﾞ〃
　　　　　　　　ﾞ､';|i,!　　'i i"i,　　　　　　､__人_从_人__/し､_人＿入_人__人_
　　　　　　　　 `､||i　|i　i　l|,　　　　　　､_）
　　　　　　　　　 ',||i　}i |　;,〃,,　　　　_）　　お前も消毒されてえのか？
　　　　　　　　　 .}.||||　| ! l-'~､ミ　　　　｀)
　　　　　　　　 ,＜.}||| il／,‐'liヾ;;ミ　　　'´⌒V＾'^Y⌒V^V⌒W^Y⌒^Y⌒V^
　　　　　　　　.{/ﾞ'､}|||/／　 .i| };;;ミ
　　　　　　　　Y,;-　　ｰ､　　.i|,];;彡
　　　　　　　　iil|||||liill||||||||li!=H;;;ﾐミ
　　　　　　　　{　く；ｧｿ　 '';;,;'' ﾞ};;彡ﾐ
　　　　　　　　ﾞi　[`'''~ヾ. ''~ ||^!,彡ミ　　＿,,＿＿
　　　　　　　　ﾞi　}~~　｝ ';;:;li,　ﾞiミミミ=三＝-;;;;;;;;;''
,,,,-‐‐''''''}￣~フハ,“二ﾞ´ ,;／;;'_,;,7''~~,-''::;;;;;;;;;;;;;'',,=''
　;;;;;;;;''''/_　 / | | `ー-‐'´_,,,-',,r'~`ヽ';;:;;;;;;;, '';;;-'''
'''''　　,r'~ `V　ヽニニニ二､-'{ 十　）＿＿;;;;/

10 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 22:39:10.88 ID:02LH6RAo

11 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 22:40:02.55 ID:02LH6RAo

　　　　　　　　　　　　　　 __,,..-‐≪´　　　　_,.z─　　　　　　　　＼　　';,　　　j|
　　　　　　　　　　　　　　￣~ _,＞-‐'"　　　　￣`'　　　　　　　　　　 ;,　 ./ |
　　　　　　　　　　　　 -='''"´_,...　　　_,..-‐　　　　　　　　　　　　　　　　 i ./　j
　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ、~`''　　￣~`　　　　　　　　　　　　　　　　l/　./
　　　　　　　　　　　　　　、弋ヾ　　　　_,.　　　　　　　　　　　　　　ヾ､i!|l !　/
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、-ｚ''"´＜,-─z,　　　　　　　　　　　 `'　 ,ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　へ─-＞''"´≪　　　,　　　 _,.-‐'"　　　　　　　　ﾐ,ﾍ
　　　　　　　　　　　　　 ,／ヽ、 7７"/ _>-‐''"_,.. -"´∠_,....　　　　　　　 i ﾍ ';
　　　　　　　　　　　　　/: : : : ヽi l!. ,'i､￣ヽ,.フ　　 _,,...--,-‐'´　,　　　　　 j∧ .l
　　　　　　　　　　 _,...ｲ: : : : : : :l .i　l　ヾ､∠.､''"´　　／　　,..;'7 /　　 /　ljヽ､l |
　　 ,r-v⌒''ー'''"´ 　 l: : : / : : 〉､i l　　ヽ・' ､';, 　／ _,-‐" /／/　 /　 / : : : 1、
　　f .i .i　 j-f　 i　 __,..l: : :i: :／: : ヾ　　　 `ﾞ''　 -‐ ''"∠二/_,../　／j! ./::|: : : : : :＼
　　l!_{_,{ﾆ<,ﾉ､/￣　　ヽ::／ : : : : : l i　　　　　　:::::/ `''- ’-'/／ノ ./: : i: : : : : : : :｀-..,_
　　　　　 "￣　　　　 .／: : : : : : : : i,ﾄ､　　　　　:::/　　　 ./,-'"´j／ :／'": : : : : : : : : : ｀ﾞ '
　　　　　　　　　／: :_,.-f-へ : : lﾍ';,+ ､,.._　 ::/　　　　／: : : : : : /.-''"´: : : : : : : :_,-: :─
　　　　　　　　　　/／´ .　 | : : ヽ : |:ﾍ`''ー--l_/--.-　／: : : : : : ／-: 、: : : : : : ,-"´: : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　 l! : : : :〉: l　ﾍ　r==-　　,.／: : : : : : : / : : : : : :｀ﾞ'', ' : : : : : : : : ::::::
　　　　　　　　　　　　　　　i| : : /: : ﾍ　ヽ　　 ,.ﾍ´: : : : : : : : :/: : : : : : : : ,;": : : : : : : : : : : :::
　　　　　　　　　　　　　　ﾞ, : :ヽ: : : ﾍ　ヽ"´1: ﾞ､: : : : : : : /: : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : :::::
　　　　　　　　　　　　　　　 '､: : :｀ヽ､ﾍ　　 ,.l: : '､: : : : : :/: : : : : : : : / : : : : : : : : : : : : : : :
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　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、: : : : ';,: : : : : : : /ヽ:/ : : : : : : : : l: : : : : : : : :: : : : : : : : ::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j!＼、: : /: : : : : : :i : : i{ : : : : : : : : :l: : : : : : : : : : : : : : : : :::
　　　　　　　　　　　　　　　　　／: :';,　ヽ/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :|: : : : : : : : : : : : : : : :::::

12 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 22:41:27.93 ID:02LH6RAo

　　　　　ゞ　　　　　　　　　ﾉ
　　　　ヾ　　　　.　　　.　　ﾉ
　　　　ゞ　ヾ　　　　　　　　.|
　　　ミ　　　　　ﾐ　　ヾ　,/
　　ミ　　　　ゞゝ　`ヽ,／´ヽ　　びゃぁあ！？
　　ミ　　_ゝ　　　　　　　　ヽ
　　ミ　　　　.ゝ ..ー-､　　, --､| 　　　　
　　ミ　　　_/　　　, --､　 , -､iノ￣￣｀ヽ、―ニ
　　彡　　ﾍ|　　　/／。|.　ｿ　/｀ヽ _　三,:三ー三,:
　　彡　| 〈|　　　　ーイ　（ .!ノヽ--/￣ ,　　　｀　　｀￣
　　彡　ゝ_.|　　　　　　）(　　}...　...|　 /!　　　　　ノ└
　　ノ　　　.ﾄ　　　　ーi《（__　}、ー‐し'ゝL _　　　　⌒
　　ﾉ　　　　ﾄ　　｀!ー―‐r 　jｒ--‐‐'´}　　　 ;ーー------
　　ﾉ　　　　　|＼　　　　　　ヾ---‐'ーｒ‐'"＝＝
　∠ー――／/_＼＿＿＿__!ー―― 、
／　　　／ /　|　　　　　　|　　＼　（　）＼
　　　　／　ﾐ|　○　　　　　○―　|　　　　　i
　　　　|　　ﾐ| 　|　○　　　○.／　＼　　　　!
　　　　|　　ﾐ|　:;|　　　○　／　　　｀ヽ＿／

13 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 22:42:50.13 ID:02LH6RAo

　　　　　　∫∬
　　　　　　　∬
　　　　　　　∫
　　　　 _ _　　
　　　 (´ 　｀巛
　　⊂,_と（　　　ﾐ）つ

　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿__
　　　　　　　　　　.／　/　　#　　;,; 　ヽ
　　　　　　　：　／ノ　 ;;#　 ,;.;:: ＼　　：　　　　　
　　　　　　　　 /　 ◎、　 '==-　　..:::::| 　っ！？
　　　　　　 | ::::::　（__人__）　　:::::.::::|　：　　
　　　　　　　： !　#;;:..　 l　　|　　　　.::::::/ 　　　　
　　　　　　　　ヽ.;;;//;;.;`ｰ‐'ｫ　　..;;#:::/ 　　　　　
　　　　　　　　　　＞;;;;::..　　　　..;,.;-＼　　　　　　

14 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 22:44:00.61 ID:02LH6RAo

　　　　　　　＿､‐-､, -‐ｚ._
　　　　　　＞　` " "　′.＜
　　　　　　／ " " " " ﾞﾞﾞﾞ＼
　　　　 7 " " ",.",ｨﾊﾞ ,ﾞﾞヾ　　　　　　 r‐ ' _ノ
　　　　　 ! " " /-Ｋl/　Vｌﾊﾞ.N　　　　　＿ ) (_
　　　　　 | "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ!　　　（⊂ﾆﾆ⊃)
　　　　　　|."しｌ|　￣　,._ ∨　　　　　　｀二⊃ﾉ　ククク…
　　　　　　| " ﾞハ　ー--7′　　　　（( ￣
　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼.　¨/　　　　　　 ;;　　　　暇つぶしにも
　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　　　　　 [l、　　　ならなかったな…
　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　　／,ｨつ
. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ　
　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ
. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　 /　）:::厂 ´
　　 |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l　/￣｀Y´
.　　 |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
　　　|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ﾞ/

15 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 22:45:42.39 ID:02LH6RAo

　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿__
　　　　　　　　　　：　.／　/　　#　　;,; 　ヽ
　　　　　　　　　　　／⌒　 ;;#　 ,;.;::⌒ :　::::＼　：
　　　　　　　　：　 / -==、　 '　　（ ●）　..:::::|　　行ってしまったお……
　　　　　　　 | ::::::⌒（__人__）⌒　　:::::.::::|　：　
　　　　　　　　：　 !　#;;:..　 l/ﾆﾆ|　　　　.::::::/ 　
　　　　　　　　　　ヽ.;;;//;;.;`ｰ‐'ｫ　　..;;#:::/
　　　　　　　　　　　　＞;;;;::..　　　　..;,.;-＼
　　　　　　　　　：　/　　　　　　　　　　　＼

16 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 22:48:21.14 ID:02LH6RAo

　＜翌日＞

　　　　　　　|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|
　　　　　　　|　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　|　　　　　　　　　　 |
　　　　　　 /　　　￣￣￣￣　　　　　/＿＿＿__
　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　/ヽ＿＿／/
　　　　　/　　　　解　　雇　　　　/　　/　　　/
　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　/　　/　　　/
　　　　/　　　＿＿＿＿　　　　　/　　/　　　/
　　／　　　　　　　　　　　　　／　　/　　　/
　／　　　　　　　　　　　　　／　　/　　　/
　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣/　　　/　　　/

　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／⌒　　⌒＼　　　　　━━┓┃┃
　　　　　／（￣）　（＿）＼　　　　　　　　 ┃　　　━━━━━━━━
　　　　／::::::⌒（__人__）⌒:::: ＼　　　　　┃　　　　　　　　　　　　　　　┃┃┃
　　　　|　　　ゝ'ﾟ　　　　　≦　三　ﾟ｡　ﾟ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┛
　　　　＼　｡≧　　　　　　　三　＝=-
　　　　　　　 -ｧ,　　　　　　　　≧=-　。
　　　　　　　ｲﾚ,､　　　　　　　＞三　　｡ﾟ　･　ﾟ
　　　　　　　 ≦｀Vヾ　　　　　　　ヾ　≧
　　　　　　　｡ﾟ　/｡･ｲﾊ､､　　　　｀ミ　｡ﾟ　｡

17 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 22:50:25.60 ID:02LH6RAo

　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　＼
　　　／　 _ノ　ヽ､_　＼
　／　oﾟ⌒　　　⌒ﾟo　＼　町中で白昼あばれたら、首になったお
　 |　　　　（__人__）　　　　|　　
　＼　　　｀ ⌒´ 　　／

　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　＼
　　　／　 _ノ　ヽ､_　＼
　／ oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo ＼　おまけに相手はおエライ方と繋がってたお
　 |　　　　（__人__）　　　　|
　＼　　　｀ ⌒´ 　　／

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／　　　u　＼
　　　　　／　　＼　　／＼
　　　　／　し（＞）　（＜）＼　あれやこれやと一族会議で絶縁されちゃったお
　　　　|　∪　　（__人__）　 J |
　　　＼　　u　　｀⌒´　　／

18 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 22:52:04.84 ID:02LH6RAo

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／_ノ　ヽ､_＼
　ﾐ　ﾐ　ﾐ　　oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo　　　　　　ﾐ　ﾐ　ﾐ
/⌒)⌒)⌒. ::::::⌒（__人__）⌒:::＼　　　/⌒)⌒)⌒)　　あひゃひゃひゃひゃ！！
|　/　/　/　　　　　|r┬-|　　　　|　(⌒)/　/ / /／　　もう、やる夫はひとりだお！
|　:::::::::::(⌒)　　　　|　|　 |　　／　ゝ　　:::::::::::/　　　世の中どうなってもいいお！
|　　　　　ノ　　　　|　|　 |　　＼　　/　　）　　/
ヽ　　　　/　　　　　`ー'´ 　　　ヽ /　　　　／
　|　　　　|　　 l||l　从人 l||l 　　　　 l||l 从人 l||l
　ヽ　　　 -一''''''"~~｀`'ー--､　　　-一'''''''ー-､
　　ヽ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　)　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))

19 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 22:53:24.53 ID:02LH6RAo

:::::::::::::::::::::;;::::::::::::...........,,,,,,......................,,,,,............　　,　　　...　　　,,ﾉ
;;;;;;;::::::::::::::::::;;;;;;;;;:::::;;;;;;:::;;:::::::::;;;;;;::::::::::::::::::;;;;;;::::::::::::::::::;;::::::;;;;Z"　　　――やる夫は山のふもとまでやってきた。
;;;;;;;从;;;V;;;;;;::;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::;;;;;;;;;;:::::::::;;;;;:::::::;;;::::::::::;;::::::::::;;;ノ
:V;;;;;;V;;;;;;::;;;;V::::;;;;;::从V::::::;;;V;;;::;;;;:::::;::::;;;:;;:::;;::;;::::;;:::Z"　　　_,,,...:-‐‐=-..,,,_
V从;;;V;;;;VV;;;;;V从;;;;;V从;;;VV;;;;V::::;;;:::;;;;:;;::::::::::/""　　 ,r'"::　::　　　　　::＼,,.....,
;;;;W;;;;;WW;;;;W;;;;;;;::::;;;;;;;W;;;;;W;;;;;;;;;;从;;;;;;;::::::::::ノ　　 ,,r'"::　::　:...　　　　　:::　. ::;　:::.`'::.､
/W从;;;;::;;;;WW::从W::;:::;;;;;::WW;;;;;;;::::;;;;;;::::::::V　　,:r':::　::　.:::　::　　　　　　::　　 :;　::: .:: `':.､
从W从;;;;/W从W;;;;;W;;;;;;;从W;;;;W;;;;;;;;:::::::／　,r'":::..　..::　..:::.　....　　　　　 :　 ::　　:;　:: ::.　::`'::､_,(（"
WIW从／W从W／W;;;;从W;;;;::::;;::::::Vﾉ""　,r'"::::　　...:::　:...:::　::　　　　　　:::　 .::　　 :;　::　_,,(（"::::; :;
|;;l:/;/::／／wwwv从;;;;;;;;//;;;;ﾉﾉ"""　　,r'"...::::..　......:::::　　　　　　　　　　　 ::.　　　　　_,,,(（　:;; .:;,i'::
ﾙ|l从WW;|//vw;W;;;;;wﾘﾘﾘﾉﾉ"　　　,r'":::,,,,,,　:::::......::::::　...　　　　　　　　　　　　　._,,,"( （（　::;;;　r;; ::
|l||W从W///W;;;;;wﾘﾘﾘﾉﾉ .('"")),r'"::....::(~::~~j;,　　.:.... 　::...... 　_,,,,　　　　._,,,-":((:　（:;;:; Z;;　;;　(:: ::;;:
I|l|llij;;;;:/:/'''//Wﾘﾘﾘﾉﾉ"ﾉ(;;;::;;;;;; ﾘ　　 f;;;:;;:::::::ﾘ　　.　　　　　 f;;::: :;''))　　（（ ..::从 ;;:f::;;: :(　::::;;;; f;.. ::;;;
l|ll||l|i;;|l;::::|//''''"";;;;;;;;::::::ﾘ !ﾐ|l lﾘﾉ　　 ((从wyﾙ　　　　　　　ﾑ;;::;;;::;;;::ﾘ　（（:;;;::(::: :::;(:::::;;; :f:::;　;;　(::::;::
||l||lji(_);l:l:|/　〈ﾐ从WW从ﾉ　jl |　　　ll　,'丁ﾄ　卅　ji从　个 YwWWﾘﾉ　v;;;:: ;((;;:::;;;（(:;;: :; ゞ::;;;.. ;;::: ;;
l|il|ll|l;;;;:ll::l|　　　'''''|lＹ彳"　^~''""'　ﾞﾞﾞ　　jl; j| ﾞﾞﾞﾞﾞﾞ . ﾞ~` ﾞ　"' ' |l; :|　 "　`ﾞ';ﾐwﾘﾉwv从w从wv从w从
|l|lil||i;;;;:ii::h.　　　　||;; :|　　　　　　　　　~^ﾞﾞ'"""　. 　　　　 ,,,j|l; |..　　　　 |l:: |ll;:: |ll;;: |ll ;;: ||ll;; i:: |
!l||l|ll|;l;;;i:;;ｲ　　,　 jll;; :j､　　　　''""ﾞ''　　　　　　　　　　　 `"'' ^' 　　　 .::jl:　jll;:: |ll;;: f:l i;: !:　,

　　　　　＿＿＿_
　　　　／⌒三 ⌒＼
　　　／（ ○）三（○）＼
　／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼　　あそこに丁度いい枝があったお……
　 |　　　　　|r┬-|　　　　　|
　＼　　　 `ー'´ 　　／

20 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 22:54:23.30 ID:02LH6RAo

　　　　（　嫌　生　自　こ
　　　　）だ　.き　分　れ
　　　　（　お　て　.を　以
　　　　）！　い　嫌　上
　　　　（　　　く　 .っ
　　　　）　　 .の　.て
　　　　（　　　.は
　　　　　～､_　　　　　　 _
　　　　　　　　｀,～～～´
　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　＼
　　　／　 _ノ　ヽ､_　＼
　／　oﾟ⌒　　　⌒ﾟo　＼
　 |　　　　（__人__）　　　　|
　＼　　　｀ ⌒´ 　　／

　　　　　　　　　　　　　　　　i三i
　　　　　　　　　　　　　　〃　　ヾ､
　　　　　　　　　　　　〃　　　　　ヾ､
　　　　　　　　　　　〃　　　　　　　　ヾ､
　　　　　　　　　　〃　　　＿＿＿_　　　ヾ､
　　　　　　　　　〃　　　／　　　　＼　　　ヾ､
　　　　　　　　　||　　／　 _ノ　ヽ､_　＼　　||　　
　　　　　　　　　||　／　oﾟ⌒　　　⌒ﾟo　＼ ||　　自[ﾋﾟｰｰｰ]るしかないお
　　　　　　　　　ヾ,|　　　　（__人__）　　　　|//　　
　　　　　　　　　　(⌒)､_ 　　｀ ⌒´ 　　 _,(⌒)　
　　　　　　　　　 /　i `ー＝＝===＝＝一'i　ヽ
　　　　　　　　　ｌ___ﾉ,、　　　　　　　　　　,､ヽ___i
　　　　　　　　　　　　ｌ　　　　　　　　　　ｌ

21 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 22:56:07.52 ID:02LH6RAo

　　　　　　　＿､‐-､, -‐ｚ._
　　　　　　＞　` " "　′.＜
　　　　　　／ " " " " ﾞﾞﾞﾞ＼
　　　　 7 " " ",.",ｨﾊﾞ ,ﾞﾞヾ　　　　　　 r‐ ' _ノ
　　　　　 ! " " /-Ｋl/　Vｌﾊﾞ.N　　　　　＿ ) (_
　　　　　 | "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ!　　　（⊂ﾆﾆ⊃)
　　　　　　|."しｌ|　￣　,._ ∨　　　　　　｀二⊃ﾉ　
　　　　　　| " ﾞハ　ー--7′　　　　（( ￣
　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼.　¨/　　　　　　 ;;　
　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　　　　　 [l、　
　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　　／,ｨつ
. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ　
　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ
. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　 /　）:::厂 ´
　　 |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l　/￣｀Y´
.　　 |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
　　　|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ﾞ/

22 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 22:57:31.52 ID:02LH6RAo

　　　　　　　　　　　　　　　　i三i
　　　　　　　　　　　　　　〃　　ヾ､
　　　　　　　　　　　　〃　　　　　ヾ､
　　　　　　　　　　　〃　　　　　　　　ヾ､
　　　　　　　　　　〃　　　＿＿＿_　　　ヾ､
　　　　　　　　　〃　　　／　　　　＼　　　ヾ､
　　　　　　　　　||　　／　 _ノ　　ヽ､_　＼　　||　　
　　　　　　　　　||　／　oﾟ⌒　　（●）)ﾟo＼ ||　　あの・・・なにか用かお？
　　　　　　　　　ヾ,|　　　　（__人__）　　　　|//　　
　　　　　　　　　　(⌒)､_ 　　｀ ⌒´ 　　 _,(⌒)　
　　　　　　　　　 /　i `ー＝＝===＝＝一'i　ヽ
　　　　　　　　　ｌ___ﾉ,、　　　　　　　　　　,､ヽ___i
　　　　　　　　　　　　ｌ　　　　　　　　　　ｌ

23 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 22:58:57.45 ID:02LH6RAo

　　　　　　　＿､‐-､, -‐ｚ._
　　　　　　＞　` " "　′.＜
　　　　　　／ " " " " ﾞﾞﾞﾞ＼
　　　　 7 " " ",.",ｨﾊﾞ ,ﾞﾞヾ　　　　　　 r‐ ' _ノ
　　　　　 ! " " /-Ｋl/　Vｌﾊﾞ.N　　　　　＿ ) (_
　　　　　 | "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ!　　　（⊂ﾆﾆ⊃)
　　　　　　|."しｌ|　￣　,._ ∨　　　　　　｀二⊃ﾉ　気にしなくていい…
　　　　　　| " ﾞハ　ー--7′　　　　（( ￣
　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼.　¨/　　　　　　 ;;　
　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　　　　　 [l、　　　興味深そうなことが
　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　　／,ｨつ　　　おこりそうなんで、な…
. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ　
　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ
. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　 /　）:::厂 ´
　　 |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l　/￣｀Y´
.　　 |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
　　　|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ﾞ/

24 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 23:00:47.25 ID:02LH6RAo

　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　＼
　　　／　 _ノ　ヽ､_　＼
　／ oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo ＼　あなたは、この前の……
　 |　　　　（__人__）'　　　　|
　＼　　　　｀⌒´ 　　／

　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　＼
　　　／　 _ノ　ヽ､_　＼
　／　（─）　（─) 　＼止めないで欲しいんだお
　 |　　　　（__人__）　　　　|　　
　＼　　　｀ ⌒´ 　　／

25 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 23:04:11.22 ID:02LH6RAo

　　　　　　　　　　　　　　　　i三i
　　　　　　　　　　　　　　〃　　ヾ､
　　　　　　　　　　　　〃　　　　　ヾ､
　　　　　　　　　　　〃　　　　　　　　ヾ､
　　　　　　　　　　〃　　　＿＿＿_　　　ヾ､
　　　　　　　　　〃　　　／　　　　＼　　　ヾ､
　　　　　　　　　||　　／　 _ノ　ヽ､_　＼　　 ||　　
　　　　　　　　　||　／　oﾟ⌒　　　⌒ﾟo　＼　|　……。
　　　　　　　　　ヾ,|　　　　（__人__）　　　　|//　　
　　　　　　　　　　(⌒)､_ 　　｀ ⌒´ 　　 _,(⌒)　
　　　　　　　　　 /　i `ー＝＝===＝＝一'i　ヽ
　　　　　　　　　ｌ___ﾉ,、　　　　　　　　　　,､ヽ___i
　　　　　　　　　　　　ｌ　　　　　　　　　　ｌ

　　゜;／￣￣;j＼
.　.／　:j :::::＼:::／＼;
／　u 　｡<一>:::::<ー>。　……だ、だめだお。
|:j　° .:::｡ﾟ~（__人__）　）~
＼、　　;゜.｀ ⌒´, ;／゜　　怖くてできないお……。
. ／ﾟ:j⌒ヽﾟ　'"'"´(;ﾟ　
/　,＿＼　＼／＼＼゜
と_＿＿）_ヽ＿つ_;_ヾ_つ.

26 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 23:06:08.78 ID:02LH6RAo

　　　　　　　＿､‐-､, -‐ｚ._
　　　　　　＞　` " "　′.＜
　　　　　　／ " " " " ﾞﾞﾞﾞ＼
　　　　 7 " " ",.",ｨﾊﾞ ,ﾞﾞヾ　　　　　　 r‐ ' _ノ
　　　　　 ! " " /-Ｋl/　Vｌﾊﾞ.N　　　　　＿ ) (_ 　ククク……
　　　　　 | "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ!　　　（⊂ﾆﾆ⊃)
　　　　　　|."しｌ|　￣　,._ ∨　　　　　　｀二⊃ﾉ　　死人（しびと）じゃないな…
　　　　　　| " ﾞハ　ー--7′　　　　（( ￣
　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼.　¨/　　　　　　 ;;　
　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　　　　　 [l、　
　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　　／,ｨつ
. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ　
　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ
. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　 /　）:::厂 ´
　　 |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l　/￣｀Y´
.　　 |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
　　　|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ﾞ/

　　゜;／￣￣;j＼
.　.／　:j :::::＼:::／＼;
／　u 　（ ●）:::::<ー>。　　なんですお？
|:j　° .:::｡ﾟ~（__人__）~）　　　その、死人って？
＼、　　;゜.｀ ⌒´, ;／゜　
. ／ﾟ:j⌒ヽﾟ　'"'"´(;ﾟ　
/　,＿＼　＼／＼＼゜
と_＿＿）_ヽ＿つ_;_ヾ_つ.

27 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 23:07:29.55 ID:02LH6RAo

　　　　＼　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　',
　　　　.　　　　|　　　　　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　|　　　　　,,,､ -‐ '''''"￣￣ }　　「死人」――
　　　　　　　　|＿_,,､ｒ''"　,,､ -‐''''´￣￣ヾ　　それは日常において
　　　　　　　　|＿,,,,､ィ'''"　　　　　　　　　',　　つねに死ぬ覚悟を宿しているもの。　
　　　　　　　 ,r,''ヽ;;;;i′　`'＝＝=ｭ､　 ,ｨ'"l´
　　　　　　　 l l　`';;;!　　　 '''‐ェ;;ｪ､　 r'ｴ〈　　戦場で働く武士にとって、
　　　　　　　ヽヽ.' ''　　　　　　　　　l、　!　　思いがけない場面で死ぬことに
　　　　.　　　　ヽ､_,　　　　　　　 (ﾆ､ .,､」 l　　直面して、周章狼狽しないように
　　　　　　　　 ,,|.　　　　　　　　,.ィ='__ュ､!　　心の軸をぶれさせないものをいう。
　　　　　　／l l　　　　　　　　'´‐''´　｀ /
　　　　--i´　ヽヽ　　　　　　　　　 ´ .ノ　　　高名ないくさ人は、みな死人だった。
　　　　　 l　　　ヽヽ　　｀''ｰ- ､､､ｒ‐<
　　　　　ヽ　　　ヽヽ　　　　　　/!　　`iｰ
　　　　.　　ヽ　　　ヽ＼　　　 //　　　|

28 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 23:08:59.78 ID:02LH6RAo

29 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]：2009/03/27(金) 23:11:18.93 ID:02LH6RAo

　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　＼
　　　／　 _ノ　ヽ､_　＼
　／ oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo ＼　……聞いてるだけで怖いお。
　 |　　　　（__人__）　　　　|
　＼　　　｀ ⌒´ 　　／

　　　　　　｀ヽミメ、　. -‐,=‐
　　　　 . . .-‐‐ミ i!　Y i! 厶イ_＿
　　　∠..., =‐-　i!　 i!　 i!　i!　＜´　　　　ｸｸｸ…
　　　 .ィ´ i! 　 i!　i!　i!　i! 　 i!　i! ヽ
.　　, ′i!　i!　i!　i!　i!　i!　 i!　 i!　i!.!　　　しかたない…
　 /イ i!　i!　i!ｨ i! i./::､ i! ﾄ､　i!　i!　!　　　　
　　/i!.／/i!./::iメi/:::::::,ﾒ､「ヽﾄ､ i! i!j　　　　俺は小さいころから
　 /イ i!/! /==｡=､:::::.=｡==＝:i!,...i! |　　　　こうなるように仕向けられてんだから…
　　　ｊ/ j/ i::｀:‐:/:::::::: ｰ一.:´:|ir, }.|
　　　　　　　i:::::/.::::::、　　 .::::::|Lﾝii|
　　　　　　 i: ｀‐――一'.;.::::ハ.i! ｊ;＼
　　　　　　､　ー　..:::::／;　ヽ:{;;;;;;;ﾄ､__
　　　　　 . -=''7ﾍ.....:.:::::／;;; '　　　ｊ;;;;;;;j;;;;;;;
　　 -‐'";;;;;;;;;;/;;;;;;ヽ .イ;;;;: ' 　　 /;;;;;;;;|;;;;;;;
　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|:.:;;:::'　　　　/;;;;;;;;;;;!;;;;;;

30 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 23:12:21.95 ID:oqBaMJco

メル欄にｓａｇａって入れるとと規制解除されるよ

31 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/03/27(金) 23:15:10.77 ID:02LH6RAo

　　　　　　　　　　　＿＿_
　　　　　　　　 ,ノ' ´　　　｀ ''ヾ、
　　　　　　　　/　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　}f^'＾^了t^'＾'`'ー1　　l
　　　　　　　　|L＿　!　＿＿_ ｛ ,..、|　　　　　　（聞書１１の１３４）
　　　　　　　　 }f'tr'i　 ''^'tォー` }j/i',|　　　　　『あらかじめ死んでおくことで、
　　　　　　　 l.| ´ |　　　￣　 vijソ.!　　　　　　一日を仕切りなおすことができる。
　　　　　　　　丶 └、　　　　 Fイ l′　　　　　弓、鉄砲、槍、太刀さきなどでズタズタにされ、
　　　　／　　　 ',　 ‐--‐　　,イ　ケ|　　　　　　大波にのみこまれ、火の中に飛び込み、
　　 , ,/.　　　　ヽ　`''"´.,／ ! 　＾|ー、　　　　稲妻に打たれ、地の底におとされ、
　 / /　　　　　＿,,」、'....ィ' 　　　　 '|. ＼、_　数千丈の崖から身を投げるなどを思い込む。
. /./　　,. ‐'''"´　　 ! /　　　,　　＿」＿_ヾ',　　
.,'.,'　 /´　　 └ 、_　ノi　　　ノ　（、_　　`｀ヾ!　　こうすることで病死や頓死などの死期の心を
,'/　/　　　　ヽ、｀ ''ー、ィ-─''　r`'＾　　　　`　思い描くことができる。、
l|　 ! 　　　　　　　　　　リ　　　 `ぅ　ー=、_　　　毎朝、ゆるみなく死んでおくことが大事である』
|　｜　　　　　　　　　　サ　　　　〉
　　ト　　　　　　　　 ′　　　 ./''ー- 、,..＿
　　|　　ヽl　　　　　　 (B 　 /　　　　ヽ、
　　| 　　 !,、　　　　　 !　　　 /　　　　　∠_
　 ,イ　　ヾ'　　　　ィ、　./　　　,,ィ'´
　　　　　　　ﾞ､　　　　　　:::/::::::|::::::

32 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]：2009/03/27(金) 23:16:36.48 ID:02LH6RAo

>>30
ご助言ありがとうございますｗ

33 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]：2009/03/27(金) 23:18:08.13 ID:02LH6RAo

　　　　　　　　　　　　_　　-───-　　 _
　　　　　　　 , 　'´　　　　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　/　__, ィ_,-ｧ__,,　,,､　　, ､,,__ -ｧ-=彡ﾍ　ヽ　　　　これは後年、山本常朝が語り、
　　　　　 '　「　　　　　　´　{ハi′　　　　　　 }　 l　　　　　田代陣基が筆記したという
　　　　　 |　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |　　　　　『葉隠』の中で述べられている
　　　　 |　 !　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |　　　　異様きわまる生きざまを
　　　　　 | │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　 !　　　　示すものである。
　　　　　 |　|/ノ二__‐──ｧ　　ヽﾆニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ
　　　　 /⌒!|　 =彳ｏ｡ﾄ￣ヽ　　　　　'´ !o_ｼ｀ヾ　| i/ ヽ !　　上記の行いは、葉隠武士独特の
　　　　 ! ハ!|　　ー─　'　　i　　!　　 `' 　 '' " 　 ||ヽ　l |　　心の鍛錬法だった。
　　　　| | /ヽ!　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　 |ヽ i　!
　　　　ヽ { 　|　　　　　　 !　　　　　　　　　　　|ﾉ　 /　　　彼らは朝、目が覚めると、
　　　　　ヽ　 |　　　　　　　 _ 　 ,､　　　　　　 !　, ′　　　まず布団の中で自分が死ぬことを
　　　　　　＼ !　　　　　 '-ﾞ　‐ ﾞ　　　　　　　　レ'　　　　　想像してから起きだした。
　　　　　　　｀!　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　ヽ　　　　　ﾞ　￣　￣｀　　　　 / |　　　　　　要するに、イメージトレーニングである。
　　　　　　 |＼　　　　ー ─‐ 　　　 , ′ !
　　　　　　　 |　＼　　　　　　　　　／　　 |
　　　　　　_ -‐┤ ﾞ､　＼　　　　　／　 ! l　 |`ｰr─-　 _
　_　-‐ '"　　 / |　ﾞ､　　ヽ　＿___　 '´　　 '│　 !　 |　　　　　ﾞ''‐-　､,_

34 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]：2009/03/27(金) 23:20:17.92 ID:02LH6RAo

　　　　　　　　＿_
　　　　　　　｀`''‐､｀`ヽ､.　　 ,.. -─;:-
　　　　　　　　　＿＼ ll　ヽ.r'　ll ／-─- ､.
.　　　　 ,. ‐''"´ll 　 lll｀`　lll ’ l　"　ll　 -=ﾆ.｀
.　　　 ∠ -‐ ; =-─　　 ll　　　 ll　　　 lll　＜`　　
　　　　 , ‐''´ lll　　 ll　　　 lll　　　 ll　　　 lll　ヽ
　　／ ll　_,.　　ll　　lll　　ll　　 ll　　　 lll　　 ll　i　　
　 , '.,. ‐',´'´ llｌ　　 ll　　ll　　,.ｲ　　 lll　　 ll　　 ll |　　　
　／　, ' ll ,ィ　. ll　,.ｲll.,.ｲll./::::ヽ.ll ﾄ､ ll 、　 lll 　 |　　　毎朝、自分がおっ死んでしまう
.　　 /ll.／!　,ｲ　./_:l /:::!./::::::::::ヽ. |_ヽ |ヽ llｌ　　ll |　　　姿を想像すると、
　　/., ' . !ll /ｌ ll/:::::l/ヽl/::::::::,.‐''::ヽ!:::ヽ!::ヽ　ll 　 |　　　こう、ありとあらゆることがどうでもいい
　／　 ! / .ｌ /.l＝==｡=､::::::;;;:==｡==＝＝! r‐:､lll|　　　と思っちまうんだ…
　　　　 l/　 |/　.l :`::ｰ-:/:::::::::::　ｰ-‐ '::´:::|l|r‐､!│
　　　　　　　 l :::::::/::::::::::::　　　　 :::::::::|.!ﾄ､ﾘ l|　　　ククク…
　　　　　　　ｌ:::/::::::::::__-，　　 .::::::::::|Lンlｌﾄ、　　死人に苦痛や恐怖なんてもんは　
.　　　　　　　　　 l`"----------一::::／ヽｌ!　 |;;;ヽ.　意味ないから……
　　　　　　　　　 ! 　＿＿_　..::::::::／; 　ヽ ll !;;;;;;;;ヽ.　　　　
　　　　　　　　　　　ヽ.　￣￣..:::::::／;;:　　　ヽ. |;;;;;;;;;;;;;l`;;ｰ-
　　　　　　 _,,. -‐''7ヽ......::::::::::／;;;:　　　　　ヽ!;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;　　
　　 _,,. -‐''";;;;;;;;;;;; /;;;;;ヽ:::::::／;;;::　　　　　 /;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;　　
　　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;`1;;;;::　　　　　　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;
　　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;| 　　　　　 , ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;

35 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]：2009/03/27(金) 23:22:48.52 ID:02LH6RAo

　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　＼
　　　／　 _ノ　ヽ､_　＼
　／ oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo ＼　……。
　 |　　　　（__人__）　　　　|
　＼　　　｀ ⌒´ 　　／

　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　＼
　　　／　 _ノ　ヽ､_　＼
　／　　（ー）　（ー）　＼　…死ぬの、やめるお。
　 |　　　　（__人__）　　　　|
　＼　　　｀ ⌒´ 　　／

　　　　　　＿＿＿_
　　　　／⌒　　⌒＼
　　　／　（―）（―）＼
　／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼　…なんだか聞いててどうでもよくなったお！
　 |　　　　　　　　　　　　　|　　
　＼　　　　　　　　／

36 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]：2009/03/27(金) 23:23:29.43 ID:02LH6RAo

　　　　　　　＿､‐-､, -‐ｚ._
　　　　　　＞　` " "　′.＜
　　　　　　／ " " " " ﾞﾞﾞﾞ＼
　　　　 7 " " ",.",ｨﾊﾞ ,ﾞﾞヾ　　　　　　 r‐ ' _ノ
　　　　　 ! " " /-Ｋl/　Vｌﾊﾞ.N　　　　　＿ ) (_
　　　　　 | "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ!　　　（⊂ﾆﾆ⊃)
　　　　　　|."しｌ|　￣　,._ ∨　　　　　　｀二⊃ﾉ　
　　　　　　| " ﾞハ　ー--7′　　　　（( ￣　　　ククク…
　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼.　¨/　　　　　　 ;;　
　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　　　　　 [l、　　　　そうかい…
　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　　／,ｨつ　　　俺はどちらでもいい…
. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ　
　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ
. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　 /　）:::厂 ´
　　 |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l　/￣｀Y´
.　　 |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
　　　|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ﾞ/

37 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]：2009/03/27(金) 23:24:16.68 ID:02LH6RAo

　　 , ‐'´　＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿`‐､
　∠ -‐'' ／　　　　　ｌ||　　　ｌ||　　　　 l|l　　　　||l　　　 `‐､￣
　　　　, '　　　ｌ||　　　　　　　　　　ｌ|ｌ　 ,　　 l|ｌ　　　　　　ヽ
.　　 /　　　　　　l||　　ｌ||　　　,ｨ　　/l/|　　　　　　 ||ｌ　　　、ヽ
　　 /　　ｌ||　　　　　 ,ｲ　./!　 / |　 /　　| lll ﾄ､　 ||l　　　 |l　 l＼!
.　 ,' ,.イ　　　　l|| 　 / l ll/ l |l/　| ll/　　　ｌ　 | l　　　 ||l 　　 |
　／　| lll　 /|　　　/　| /　| /　 | /　　　　ヽl !.ヽﾄ、　　　　　 || 　
.　　 |　　/ :l　lll　/─|/‐-l/、　l/　　 ,. -─ヽ!ｰ` ヽ　|ll　 |ll　|　　
　　　l ll /　 | r:､ / 　　　　 `　　 '´　　　　　ヽ　 ,r‐､　| 　俺はただ、
　　　! ./　　|/| |ll|.＝＝＝=｡==　　　　==｡=＝＝＝ |l|ｌ|'-､ l　!　人が首をくくると
　　　|/　　　　| | |　｀　ｰ--‐ '　| :　　　ｰ--‐ ' ´ 　 |　!｀ i | ||　どう死ぬかをみてみたかっただけだ。
　　　　　　 | | !　　　　　 ::| :　　　　　　　　　　| .|ヽｌ l　!
　　　　　　　／ｌ |l|　　　　　　　:::| :　　　　　　　　　　|ｌｌ!_ﾉ.,'　!＼　　　
　　　　　／　　`ｉ| 　　　　 r_::| :　_，　　　　　　 :| |_ノ　,'　　＼
　　　 _, ｲ　　　ヽ　、　　　ｰ'　　　　　　 ,　　　,|,!　ll ,'　　　　ト　
-‐' ´ 　.|　　　　　ヽ　￣￣￣￣￣￣￣￣　　／:|　　/ 　　　 !
　 -‐' ´|　　　　　 |;;ヽ　　　＿＿_　　　　　.／::　:| l /　　　　 :|　　
.　　　 |　　　　　　 |;;;;;;;＼　　￣￣　　　　／:::　　│/　　　　　　 |
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. 　　 |　　　　　　 l;:::::::::::::::::＼　　／:::::　　　　 |　　　　　　　 |
　　　 |　　　　　　　 :|:::::::::::::::::::::::`ｰ:'::::::　　　　　　　|　　　　　　 |
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　　 |　　　　　　　 |:::::::::::::　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　|
.　　 |　　　　 _,.. -‐'　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　|　｀` ‐- ､.　　　 |

38 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]：2009/03/27(金) 23:25:02.89 ID:02LH6RAo

　　　　　　　　　　　
　　　　　　　／￣￣￣＼
　　　　　　／　─　 u ─. ＼　　
　　　　／　 <○> 　<○>　＼.　（うわあああ…）　
　　　　|　；　 u（__人__）　　u 　|
　　　　＼　　　　｀ ⌒´u　　／

　　　　　　　＿､‐-､, -‐ｚ._
　　　　　　＞　` " "　′.＜
　　　　　　／ " " " " ﾞﾞﾞﾞ＼
　　　　 7 " " ",.",ｨﾊﾞ ,ﾞﾞヾ　　　　　　 r‐ ' _ノ
　　　　　 ! " " /-Ｋl/　Vｌﾊﾞ.N　　　　　＿ ) (_
　　　　　 | "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ!　　　（⊂ﾆﾆ⊃)
　　　　　　|."しｌ|　￣　,._ ∨　　　　　　｀二⊃ﾉ　
　　　　　　| " ﾞハ　ー--7′　　　　（( ￣　　もう用はない。
　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼.　¨/　　　　　　 ;;　
　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　　　　　 [l、　　　じゃあな……。
　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　　／,ｨつ
. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ　
　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ
. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　 /　）:::厂 ´
　　 |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l　/￣｀Y´
.　　 |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
　　　|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ﾞ/

39 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]：2009/03/27(金) 23:27:08.66 ID:02LH6RAo

　　゜;／￣￣;j;;＼
.　.／　:j :::::＼:::／＼
／　u 　｡<一>:::::<ー>。……考えてみれば、
|:j　° .:::｡ﾟ~（__人__）~　やる夫も今日死んだことになったんだお。
＼、　　;゜.｀ ⌒´, ;／゜　
. ／ﾟ:j⌒ヽﾟ　'"'"´(;ﾟ　
/　,＿＼　＼／＼＼゜
と_＿＿）_ヽ＿つ_;_ヾ_つ.

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼（ ;;;;(
　／　　＿ノ　ヽ__＼) ;;;;)
／　　（─）　（─ /;;／　ということは、
|　　　　（__人__） l;;,´）　今のやる夫は、半分死人も同じ…
/　　　　 ∩ ノ)━・'／　　この先の生き方なんて、どうでもいい気がするお。
(　＼　／＿ノ´.|　 |
.＼　 " 　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

40 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 23:29:39.37 ID:RN5VOwIo

隆慶一郎の小説で呼んだ位だが、しえん

41 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]：2009/03/27(金) 23:30:31.82 ID:02LH6RAo

　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　／ノ　　＼　　 u. ＼
　　　　／（●）　（●）　　　＼　それにしてもさっきの人は凄かったお……
　　　　|　　（__人__）　　　u. 　 |　
　　　＼　u.｀ ⌒´　　　　　／　　＜キャンキャン
　　　　ノ　　　　　　　　　　　＼
　／´　　　　　　　　　　　　　　ヽ

　　　　＿__
　　 r'´ 　 ,. ヽ　　
　　｀ｰ '´ ｀,) '_´.　　　　｀ﾞ ‐- ､
　　　,. '´/　　｀i　　　　　　　　｀ヽ　,. ‐ 、
　　　/　　　　　 l　　　　　 ,, -､ヽ‐-､＼
　　　!　　　・　　　　　　　　／　　 l 　 !　ヽ-'
　　　ヽ、　　　 r‐- ､__　　　　　　 '　　!
　　　　｀ヽ - ､_,.￣_｀´ ｰ'　　・　　　　/
　　　　　　　　 !｀ヽ-'ー､_　　 _ 　ノ
　　　　　　　　 /　　　　　　l｀´
　　　　　　　　 l ,　　　 l　　 ',　 ,. -､
　　　　　　　. ,'　|　 !　 |　 !　 ! ´ヽ、ヽ,
　　　　　 !　 !　|　 l　/　　|　　ﾉ　|

　　　　　＿＿＿_
　　　　／⌒　　⌒＼
　　　／（ ●）　（●）＼　　　あ、あの時のワンちゃんだお！
　／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼　なんだか、奇妙な偶然がおおいお！
　 |　　　　　|r┬-|　　　　　|
　＼　　　 `ー'　　　／

42 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]：2009/03/27(金) 23:32:49.85 ID:02LH6RAo

　　　　　＿＿＿_
　　　　／⌒　　⌒＼
　　　／（ ●）　（●）＼
　／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼　　あ、名前聞いとくの忘れたお！
　 |　　　　　|r┬-|　　　　　|
　＼　　　 `ー'´ 　　／

　　　　, -'""'- ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.．-'''"~""'''　‐
　　, -'"::.;;'' ;;:;: :::''"'- ､　　　　　　　　　　　　　_,..､-''"::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;
, -'"::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''"'- ､　　　　　　_,,.-‐''"::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::　　おーい！まってくれおー！
：、;:;":;";`;:;"：、;:;":;";`;:;"：、;:;":;";`;:;"：、：、;:;":;";`;:;"：、;:;":;";`;:;";`;
,.;；:｡;:；;:：､;,.;；:｡;:；;:：､;,.;；:｡;:；;:：､;,.;；:｡;:；;:：,.;；:｡;:；;:：､;,.;；:｡;:；;:：､;｡;:；;:：;　　やる夫に名前おしえておー！
,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;i；';.,,　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　', "ﾞ;　　　　　　　　　　　　　　　　　　キャンキャンキャン！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,.-‐''"_,,ﾞﾞ
　　　　　　　　　　　__,,.. ．-‐'''""~　,,.. '''"

43 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]：2009/03/27(金) 23:34:27.33 ID:02LH6RAo

ククク…

俺の名前か？

44 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]：2009/03/27(金) 23:35:17.66 ID:02LH6RAo

斎藤杢之助だ――

45 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]：2009/03/27(金) 23:35:58.00 ID:02LH6RAo

原作　隆　慶一郎　『死ぬことと見つけたり』

46 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]：2009/03/27(金) 23:37:16.08 ID:02LH6RAo

　　　　　　やる夫が葉隠武士になるようです

第１話　『死に起き』　　了

47 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]：2009/03/27(金) 23:37:50.69 ID:02LH6RAo

本日は以上になります。
ご支援ありがとうございます。

48 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 23:42:21.68 ID:oqBaMJco

乙乙～

次回は何時かしら

49 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 23:45:57.34 ID:JBhAtMIo

乙

50 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]：2009/03/27(金) 23:58:53.67 ID:02LH6RAo

第２話はできあがってますので、

次回は３月２８日（日）　１４：００ごろ

に行いたいと思います。

51 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 23:58:55.57 ID:GFAlzyso

乙

52 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 23:59:41.11 ID:GFAlzyso

ちなみに、全部で何話ぐらいを予定してるの？

53 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/27(金) 23:59:47.24 ID:iB0/ql2o

乙ですー

しかし何故上杉景勝が

54 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]：2009/03/28(土) 00:04:34.01 ID:IV.aJrQo

失礼、日にちまちがえましたｗｗ

次回は３月２９日（日）１４：００ごろ　　です。

55 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/28(土) 00:05:13.71 ID:nB2tdYgo

乙ですー

未完成部分まで

56 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/28(土) 00:08:47.07 ID:3kx1h/Yo

「死ぬこと見つけたり」は隆慶一郎の作品の中でも特に好きなんだけど、終盤はどうするんだろｗｗｗｗｗｗ

57 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/28(土) 00:10:25.05 ID:nB2tdYgo

失礼、原作の未完部分までやるのですか？

58 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]：2009/03/28(土) 00:13:05.87 ID:IV.aJrQo

>>52
ちょっと、今のところはどれくらいになるかは見当がつかないですね……
あんまり一つのお話を長々と書くのは疲れますし。

原作は未完なのですが、１５話で話が止まっております。
自分は、その後に残されたシナプスを膨らませて作品を完成させたいと思っています。

>>53
「いくさ人」ということでくせのある人物を探しました。
ＡＡさがしたら、これがいいとおもったので使いました。

59 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/28(土) 00:18:16.17 ID:3kx1h/Yo

>>58
原作にない場面まで長々と描写した「花の慶次」の路線を目指してくれｗｗ

60 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/28(土) 00:42:12.45 ID:iNqy0660

　乙です。
あのプロット部分まで語られるとなれば期待するしか。

61 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/28(土) 00:56:42.52 ID:GOQ4WI6o

原作ファンとして、これは期待してるぜ。

62 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/28(土) 04:11:51.05 ID:OhDBlpIo

原作をつい最近読了したばかりの俺にとっては非常にナイスタイミングだｗｗ
しかしｗｗｋｔｋしながら読み進めていってラスト見て引っくり返ったのは俺だけじゃないよなぁ…

63 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 12:28:02.21 ID:wSoEPEYo

みなさん、おはよう御座います。

今日も予定どうり第２話を１４時から行いたいとおもいます。

64 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 13:53:27.01 ID:wSoEPEYo

>>59-62
あたたかいご声援ありがとうございます。
自分も隆慶から葉隠に入ったものですので、最後まで完結するようがんばりたいとおもいます。

65 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:00:10.40 ID:wSoEPEYo

第２話

∠-'';::／　,∠/　.／::　　 ::＼.ヽ＼ヽ　ヽ　＼　ヽ.
::::r''∠- '´:∠ -ﾍ::....... ,...:‐''７,ゝl‐-ヽ} 　ﾄ､　lヽ.　!
:::l::::-==＝ﾓ＝= _::::／:::::::::/_　 ` ／ ,ﾍ.　| ヽ |. ヽ.!
: |::::　｀　ー‐=''"::´:::::::::::::/ﾆ´＞,'／　ヽ |　ヽ!　ﾞl 　斎藤杢之助。
::|:::::　　　　 ..::::::::::::::::::::::/　　　ﾊ　　ヽ!　　　　　　斎藤家は元々斎藤別当実盛の裔（すえ）である。
:|::::::　　 ...:::::::::::／::r:::::::i_:　　　,'l }　　　　　　　　　　　「平家物語」で白髪を黒く染めて戦いを挑み、
|l::::::　　　　　　｀＿＿:::　　　 /.|′　　　　　　　　　　首をとられてはじめて老人だとわかった
iﾍ::::.. 　　￣￣　　　　｀ヽ　./^'　　　　　　　　　　　　逸話をもつ武人である。
:|::ヽ:::..　　　　　　‐＝=;;　　　/
::l::::::ヽ::..　　　　 :::::::　　　/　　 ,.､
:::l::::::::::＼.　　　　　　　　　/　　／.:/:ヽ.
::::|::::　:::::::＼. 　　　　 ,ｲ　／....::/::::::::ヽ.

66 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:01:09.60 ID:wSoEPEYo

　　　　　　　ｌ＼|＼ト､,､　
.　　　　　ト､|　ｌｌl 　 |||　l＼　　　
.　　　　 l`ミ､､　!!!　 |||　||| ＼　　
　　　 |=_､　ﾞﾐｼべ⊥l｣｣_ッヽllヽ　　　父親は用之助。
　　　 l`　ヾミ/　　＝==＝　ヽli　　　鍋島直茂に仕え、元茂に率いられて
　　　　|＝==/ ──- ､　　, -─ﾞ|　　朝鮮の役に従軍。
.　　　 !=;r‐､ゝ＝==j= ,,,r ==j＝}
.　　　　l={ r=ﾄ|　｀二´　＼二´/　　水練が達者で、大河の激流を泳ぎ渡って、
　　　　 l=l Ｅ」|　　 , -‐ r__　＼/　　　敵船五艘をのっとり、味方の渡河を全うさせた
　　／:l=`ｰ/＼ /　ー──‐7′　　功を挙げた。
-‐''"| 　 !=:/　　＼　　＝　/
-‐''"!　　∨ 　　　＼.　　/＼　　　　また、鉄砲の腕も抜群だった。
　　│　　 |＼　　　　　 `r1　　|`ｰ-　
　　 |　　　|;:;:;:;＼　　 /;:;|　　 |`ｰ-　
　　 !　　　|;:;:;:;:;:;:;:;ゝ　k;:;:;|.　　 |　　　　　
.　　|.　　 l;:;:;:;:;／;:;|　l;:ヽ;!　　 |　　　

67 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:03:38.03 ID:wSoEPEYo

有名な逸話がある。

勝茂の時代、鉄砲の訓練が行われた。
全佐賀藩士が参加した、非常に盛大なものだったった。

　　　＿＿　
　　 /＿o_|__
　/_了ﾟД´⊆0＿＿＿,,
　　(つニ∩,---'￣￣
　　(__ノ"(__)

　　　　　　　∧＿∧　　　　　　ﾃﾞｭｰﾝ
　　　　　_○＿（::... (二(0＿＿＿.; "` ; .
　　,.,,..,.,(と;:..,,,.,:;つLl―っ''''''''''￣ヾ ' "
　　　　　''"'`''''`'`''"'''`''''"''"`''" '`　　'　''"
　　　 ∧∧　　　　　　　　　　　
　　　(,,*ﾟ -)⊇＿＿＿＿＿＿ ∫
　　ノ　､つヮっ―'￣￣￣￣´
　⊂＿)／　〉　:: :::＼
''''''''''''''/::　〈　　　　/

68 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:04:42.23 ID:wSoEPEYo

勝茂の前で標的射撃が行われ、用之助の番になった。

すると、用之助は無造作に鉄砲を構えると、
天に向かって引き鉄を引いた。

「玉なし」
標的係がいった。的に当たっていないという意味である。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／|　　　 .／|
　　　　　　　　　　　　　　／|　　.／　 |　　 .／　 |
　　　　　　　　　　　　／　.ｌ　／l　　 |　／/　　| 　／|
　　　　　　　　　　／.| 　 l／,ｌ l　　|／.//　　 | ／　 |
　　　　　　　　／| | |　　 ,ｌｌｌ　　　 ///　　 ,!' 　／|　／!　　「ククク……
　　　　　　　　　/　.| | |　　ｌｌｌ　　　.///　　　　.／／|／　 |　　　そんなところに玉があるわけがない
　　　　　　　 ./!　 | | | 　 ,ｌｌｌ　　　///　　　.／／／　　　.|／　
　　　　　 /|||　 | | |　 ,ｌｌｌ　　　/,.-‐､　／／／　　　　　 /　　　オレはこの齢に
　　　　　　 l ∥/`i、.|　ｌｌｌ　　,.‐'´　　::`i､"／　　　　　 ,. /_,.　　　なるまで、土に向かって
　　　　　　 l 　/　　`i、. ｌｌｌ,.‐'´　　　　　 :::i'、　　　 ,. ‐'´,. ´/,　　　撃ったことなどない……
　　　　　　lミ/ 　 _　　`-‐'´ _,,　　　　　　　::::i、,. ‐'´,. ‐'´,. ‐'/　
　　　　 .l /　　　｀`‐-‐'"´_,　　　　　　　　::::ｉ、‐'´,. ‐'´　 ./
　　　　 l/‐- ､　｀` ‐-‐'"´　_,. -‐'"´￣　:::::::::〉‐'´　　　 /　　　だが妙なもんで、
.　　　　 |　　　｀ヽ、　　　／　　　　　　　::::／　　,. -‐'"´/　　　　敵の胴は
　　　　　 |.＝＝===､　　__ =====＝＝＝::::|"'i⌒ヽ‐'二 /　　　　はずしたことはない……
.　　　　　 | ｀ ‐--‐ﾟ/,:::　'''' ` ‐---ﾟ‐ ' ´　 ::|ﾐ|⌒ｉ |´　 ./
　　　　　　| ､.＿_ /,::::::::　　　、　　　　 _ノ :::| |⌒l |　　/　　　　　　
.　　　　　　|　　::/,::::::::::::: 　　￣￣￣　　::::|,|６ﾉﾉニ'/　　　　　　それが証拠に
.　　　　　 |././,:::::::::::__:::)　　＼＿_　　 :::::::||､_ノ─/　　　　　　　飛騨殿（直茂）は生きているのさ……」
.　　　　　ｌ.(_::　　　　　　　　　　,　＼::::::::/l　　　./＼　　　
.　　　　　　 l.　￣￣￣￣￣￣￣　 :::ヽ／:: l、三l　　＼
　　　　　　 l、　　＿＿_　　　　 ::::::／：　　l、 l'　　　　l.‐-　　
.　　　　　 _,/l、　　￣￣　　　 :::::／:：　　　 .l l'　　　　 l、　　　　
　　　 _,. -' / 　 !.　　　　　　 ::::／::：　　　　　 l　　　　 l、
　　　　　　 /　　　ヽ、　　　 :::／:：：　　　　 .／|.　　　　 l、　
.　　　　　 /　　　　ヽ、　 ::／：：：　　　　 .／::::::|　　　　　　 l
　　　　　/　　　　　 ,l::ヽ／：：：　　　／::::::::::::|.　　　　　　 l　　
　　　 /　　　　　　 l::l:：：：：　　　　　／::::::::::::::::::|　　　　　　 l
.　　　 /　　　　　　 ,l:::::l.　　　　　　／::::::::::::::::::::::::|.　　　　　 l
　　　/　　　　　　　ｌ::::::::l.　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::|　　　　　　 l

69 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:05:44.02 ID:wSoEPEYo

　　
　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　 ,　　　 ',　　､　　　　＼
　　　　　　　　　　　/　　　　　 /　　 /　　　　　', 　 ',　ヽ　ヽ　ヽ
　　　　　　　　　 /　　/　　 i.l　　 /　 l　　 .| 　.l　　l　　',　 ',. 　',
　　　　　　　　　ノ　　/　/　 l.l　　 {　ｨ　　　|　　l 　 }　　 l　　l 　 ',
　　　　　　　　　-ｲ　/　/ 　 i ',　 .∧ l !　　　!　ﾊ　ハ　 ,'　　!　 l ヽ､_　　　殿様が生きているのは
　　　　　　　　　　　{　i　l l　　 l　ﾄ､ l　ｌ | ',　　ﾊ　/ .l /　l　/　　/ 　ｊ ,ゝ´　　自分の腕のおかげ……
　　　　　　　　　 l　l　ｌ l　　ﾊ | ヽ!　ヾ　ヽ./ |:/ 　|'　_j／l 　/　 /./
　　　　　　　　　　　 } .ﾊ ,l ヽ　|ﾍlニ;--,.._ '　｀､',.-;‐;二__ 　l /　 /./　　　　　この高言に勝茂は怒った。
　　　　　　　　　　　ﾉ'"　l.ﾍ. ﾄ､! '弋赱!~ ,　　　　' 'T心!_　ｲ　　 j l′　　　　すぐさま手打ちにしてくれよう
　　　　　　　　　　　 |rﾍ　lヽ　　　　´　　　　　｀　　　　 l　　/ ﾉ　　　　　とも思った。
　　　　　　　　　　　　　　ヽﾍ　l　　　　　　　 i 　　　　　 l　 /'´
　　　　　　　　　　　　　　　｀l | ',､j　　　　　　|　　　　　　j　/
　　　　　　　　　　　　　　　jﾊ. ﾍ　　　　　ヽ!　　　　　　 /! /　　　　　　　　すぐさま直茂の元へ向かい、
　　　　　　　　　　　　　　　　 !ﾍﾊ､　　　,＿＿,...､　　　／|/｀　　　　　　　　ことの次第を報告した。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!ﾍl＼　ゝ-‐ニ‐-' ,. イ从'
　　　　　　　　　　　　　　　　　, ィ' ヽ　＼　　　　／　ﾉヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　／ /　　｀ヽ　ヽ- '´　 r'　　　', ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／　 l　　　/iｰﾍ　　 rﾆ' ﾍ　　　l 　ﾞヽ
　　　　　　　　　　　　, -ｲ　　　l　　 /｀ヽOﾍ　 / /-''ﾍ.　　 l　　　ヽ‐､
　　　　　　　　 _.. - ´　/　　　 {　 ,.ヘ､＿＞'^''＜ _..－ﾍ. 　l　　　　', 　｀ ‐､

70 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/29(日) 14:06:38.53 ID:b4z81Cko

しえーん

71 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:08:02.94 ID:wSoEPEYo

　　　　　　　　／::::／／-――‐-..｀＼::: :ヽ
　　　　　　　 r'‐_=/:/´/|::::.:.:.:.:.:.:、.:.:.:｀:lヽｫ┴､
　　　　　　　/く_,ｲ:/:::/:ハ::::.:.＼::.ヽ::.:.l:.:l:.:l＼ｲ
　　　　　　〈//:::||:.ト/!::|、::ト､::.:.ヽ::.:ﾄ､:斗:.ﾄ._∧
　　　　　　ﾊ/:.:.j:|:.|:ハ_トヽ|　＼:.ﾄ∠}:ﾊﾊ:.ﾄ､〉ﾍ
　　　　　 i:::/::::小::ﾄKf.:心ﾄﾄ　､.イﾁ::.ﾄ〉|A:|:.:.:.:.:!
　　　　　 |::|:::::::l::ﾊﾄハぅ_ﾘ　 ,　　!ぅ_ﾘ　ﾚ |:|:.:.:.:.|　　　「あなたが腹を立てるのも、
　　　　 |::|:::::::l!::.|ハ. ￣ ,.-―- ､￣　ﾊ´|:|:.:.|:.:|　　　　もっともね。
　　　　 |::l!::|::|:l:.l:.:/:＼　{　　　　}　／::::|::|ﾊ:.:|:.:|
　　　　　 l:ﾊ::|::|::!:|:.|_:／{j ｀三 ´イト::＿j::.:ハ:|!/　　　
　　　　　 |　ｨﾍﾄ::l|:.|　　/__　　　　__|　　 |:/７7ヽ　　　　すぐ組頭に腹を切らせなさい！」
　　　　　　ハ　|:.ﾄﾄ:|　 |-‐ ｀二 ´‐-! 　ﾉl:.:! !　 l
　　　　　ハヽ !:!　　　|‐二　- ､｀７　　 !:l l /　!
　　　　 }　ヽ | l:.!　　｢　　　　｀7　　 // l/　｜
　　　　 |　　ヽヾ､　　 |　　　　 j　　 ///　　 j|
　　　　 !　　　_L､＞ -┴-く｀ヽ/　　//r‐ュ'　｜
　　　　 |　　/　{{//　　　　　｀ー-く∠´‐ﾁ′｜

72 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:08:59.21 ID:wSoEPEYo

　　　　　　　.．-"　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　V　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　 V　　　　　　　　　　　　　,,　　　,,　　 ,　. } }　　　　　V　　　
　　　ノ　　　　　　　　　　　　.／/　／/　 /|　　| }　　　ヽ　V
　　∠-１　　　　　　　　　　/　 { .／　|　 .ﾉ |　　1 |　　　　1　V　　「ぬわんですとぅ～！？」
　　　　.{　　　　　　　　 /| ./ー-|/、　 |　/　 |　./| .}　　　　 1　|
　　　　|　　　　　　　　% .|/　　 .'　ヽ、|/　　.|. / .}1　.}|　　　　.|
　　　　}　　　　　　　 .|　 '　 ,,,,,,,,,,,,,, ;,, ヽ､,　 }/　 ' | ./|　　} |､ .}　　　勝茂はあわてた。
　　　　.|.1　/^ヽ　　 .|　　　 (　心 Y"　　　 '　／"|/./　 /ﾍ|.}.{　　　どうやら父上は
　　　　 ' | .|　ﾍ.　 .ﾍ|　　　へ----"　　　 , .|""丶'./　 / .{　V　　　聞き間違いをしているらしい。
　　　　　k　|　| ﾍ　.} ヽ |　　　　　　　　　　|　-"././　 /| /　　
　　　　　ヽヽ、ヽ |　 |,,j　　　　　　　　　　{　　　 {1 /. |/
　　　　　　 k ,　ヽ」　　　　　　　　　　　　　/　　 .} |/　 '　　　　　　もう一度、用之助が
　　　　　　　v}　 |　}　　　　　　　　　　　　"　　　.{ .'　　　　　　　　悪いことを説明して、
　　　　　　　　.}.1|　\　　　　　／^'---．...,　　. /　　　　　　　　　処罰のことをたずねた。
　　　　　　　　 ! 1　ヽ　　　　/￣￣￣^"/　／　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　ヽ、　, |"'-----､,,,.{ .／
　　　　　　　　　　　　　　ヽ､’￣￣￣ー '／
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、　　￣／
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾーー・

73 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:10:08.25 ID:wSoEPEYo

　　　　　　　　 /　　／　／/　／　　　ヽ＼
.　　　　　　　 / 　　 //　// l／　　　　　　　ヽ丶
　　　　　　　 /　l /　r―/ ｌ　｜　ハ　l　ヽ　　　ﾄ､}
　　　　　　ｌ　 l' 　ﾚ７ｌ　l　　ﾊ　!_ ヽ.ﾄ、 |ﾊ、　l ﾉ　　　「それは違うわ」
　　　　　　ｌ　 l　 / ハl　l　　{ l/　｀ヽ! ヽf,r､l 　!　　　　直茂は厳しく云った。
　　　　　　 / 　ｌ / 〃,くl　! 　ﾚf示ｒ'　　 lﾘ/ !　|
.　　　　　 / //　∨lﾊ (_! l　ﾊﾄ辷ﾘ　　　､´l　　 l
　　　　　 / // l　　　l ＼l |ノ〃ﾉ r'フ　 _　ﾉ/　/　　　　「私は若侍たちに鉄砲の鍛錬をしろ、
　　　　 |/ l　 l　　　ヽ　l | |｜Y　〈＿_´／ ′/　　　　　　と命じたの。
.　　　　　| /{　ﾄ､　　　ヽヽヽ、　　　　｀ヽ,　ノ　　　　　　老人の用之助を若輩と同列に扱って
.　　　　 l/　',　ﾄ,l＼　　ﾄ.}⌒￣｀ヽ､＿, 　 r′　　　　　　　恥をかかせるとは
.　　　　 /　　ヽヽ.＼＼ﾉノ　　　　　＼　　 '、　　　　　　　不調法千万ね。
　　　　/　　　　｀＼　　　　　　　　　　l＼　ヽ　
.　　　/　　　｀,　　　　　　　　　　　ヽ＼　ヽ　　　　　用之助の言い分ももっとも。　　
　　 /　　　　　 l　　　　　　　　　　　　　　　 `,　丶　　　　たしかに私が生きているのも
.　 /　　　　　ヽ　ヽ　　　　　　　　　　 }　　',　　　　用之助のおかげよ」

74 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:11:00.81 ID:wSoEPEYo

　　　　　　　　　　　,-‐　7:::::ﾚ::::::::::::::::::::::::::ヽ、ヽ、＼:::::＼
　　　　　　　　　　l´,r‐'/::::::::::::::::::j|i:::::::::::::::＼＼ｊ:::::::::＼::::ヽ
　　　　　　　　　　ﾚ／/::::::::::::::::/ i|li::::ﾄ、:::::::::::ﾍ::::::::::::::::::K}､:ヽ
　　　　　　　　／,く　ｲ:::::::::::/ﾄ/　ｉ||ﾍ::::ｉ＼:::::::::::i::i:::::::::::::i ﾄ､ヽ::｝
　　　　　　　〈／j:::/V」:::::::/　ij＼ i|ハ:::::i　＼::斗ｌ:::::::::::::i　i i　>、
　　　　　　 /r'´　｀ヽ::::i　rｲミｯヾ　＼::i ／ヽ　iﾄ､::::::ｌ　 i_〉| |　　「わかったらさっさと
　　　　　　　 /:i　　　　ヽi　｛oじﾘ｀　　　ゝィｆ必ｧ､i::::::::l／::::::| |　　　腹を切らせなさい！」
　　　　　　 {:｛　　　　　 i　ゝ='　　　　　　ゞoじｿ) i:::::::i）!　|::::L!
　　　　　　　 i:i　　　　　　i　　　　___'__　　　｀='´　!:::::ｉ::::ｌ　l:::::::|
　　　　　　 ,---ﾍ　　　　　ﾄ､　　/｀￣´ ヽ　　　/ i:::::/:::└┘::::l
　　　　　 /:::::::::::::::ゝ　　　ﾉ　＼ヽ＿＿_ﾉ　／ ./:::/__::::::::::i|:::::!
　　　　,ノ:::::::::::::::＼､_.／ヽ　　｀丶　_　-‐'´　ｌ/／ |　|i::::::/i::::i
　　　f´:::::ヽ、::::::::::::＼／　ﾍ　　　　 ||　　　ノ| ｡| ｡l ｡|ヽ/　i::j
　　丿:::::｀ヽ,::::::::::::::::ヽ　　　＼　　 ||　　　　｀i´｀´｀´　ト､ﾘ
　 /::::ヽ:::::::::::i:::::::::::::::ﾍ　　　　　ゝ＿_||　　　　　i　 / ::　　.i:::｝
　 i:::::::::ヽ:::::::::ヽ::::　　　ｉ　　　　　　　￣￣￣） i　 i　::　.:｛::/ i
　　ヽ:::::::ヽ::::::: ＼　　　　｝　　＿＿＿___ ／　 i　 i::::::::::／(＾ l
　　　ゝ:::::::ゝ　　＼　ノ、__,ノ　　　 ||　　　　ﾍ　 i:: ／　　｀) i

75 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:11:59.09 ID:wSoEPEYo

　　　　　　　　　　 ,ｨｭ-‐-､＿
　　　　　　　　　／: : : : : : : : : :｀ヽ
　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　ｲ : : : : ,ｨ ./ﾘ| ﾄ､: : : : : ゝ　　　　　　勝茂は辟易した。
　　　　　　　 !: :/: :,ＡZ__　|/' >r.､: :N
　　　　　　　 !'ヽ: :! ―-　　ﾆ| .! .!ﾉ　　　　　　　父親がああも用之助をかばっている以上
　　　　　　　 _人_l､u. 　 i .(ヾ| .! iヽ　　　　　　　罰することはできない。
　　　　_,.．-'´/:::::|　ヽ　～ ,.ﾈ､　　ト､　　　
　　r'´:::::::::::::く:::::::|　ﾉ｀ =く. .|::ﾔ　 .|:::｀ﾞｰ､　　　といって組頭に腹を切らせるのは
　/:!::::::::::::::::::/::::::.ﾚ'＾YニY/ﾚ!:::ヽｚ='＝i::::::::ヽ　　過酷過ぎる。
/::::::!::::::::::::::::ヽ:::::::|　 .〉-〈　/::::::〈:::::::::::::|:::::::::::!

　　　　ド　ー　ン　！
　　　　, -‐―‐- 、　　　　　,. ‐-ｰ- 、
　　　 /r＃/ニニヽヽ.　　ノ　/　　　ヽ　　　　　彼らは命令に従ったまでだからだ。
　　　ﾊ芥.lﾉﾒ从从|ﾞt　　　ﾉﾊハハハﾊ !
　　 i l (| | ┃ ┃ i |　　　 !|┬　┬；iﾘ）!　　　　　攻守所を変えた感じで　　　　
　　　i从リ､'''～''ノﾘl　　　 ’ 、 -　,ノﾙ´　　　　　勝茂はひたすら詫びをいれ
　　　　 ⊂} |{Ｈ}l'ilつ.　　　 ⊂}ﾞ|†'|´{つ　　　　　ようやく組頭の命を救った。
.　　　　　く_/_i_l_ゝ.　　　　　 i´Ｔ `i
.　　　　　 (__八__).　　　　　〈_,八__〉ｼﾞﾘ…

76 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:14:05.43 ID:wSoEPEYo

　　　　　　　　　／／　　
　　　　　　　／／　　　　　
　　　　　　／／　　　　　　
　　　　／／　　　　　　　　　
　　　／／　　　　　　　　　　　　　　こんな男に平時の城勤めが
　／／　　　　　　　　　　　　　　　　できるわけがない。
／／　　　　　　　　　　／／　　　　
／　　　　　　　　　　／／　　　　　　
　　　　　　　　　　／／　　　　　　　斎藤家には御役が
　　　　　　　　　／／　　　　　　　　　なにも回ってこなかった。
　　　　　　　／／　　　　　　　　　　
　　　　　　／／　　　　　　　　　　
　　　　／／　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　／／　　　　　　　　　　　　　／／
　／／　　　　　　　　　　　　　　／／
／／　　　　　　　　　　　　　／／　
／　　　　　　　　　　　　　　／／　　　　　　　　｜|　 | ||::
　　　　　　　　　　　　　　／／,ﾊﾊﾊ　　　　　　｜|　 | ||::
　　　　　　　　　　　　／／　〈ｌ| || |l〉　　　　　　｜|　 | ||::
　　　　　　　　　　　／／　＿_)=='(＿　　　　　｜|　 | ||::
　　　　　　　　／／　/l´ 　　 l 　　｀ｌヽ　　　　｜|＿| ||::
二二二二二二二二二ﾊ|　　　｜　　　|,ハ二二二二二二
￣￣￣￣￣￣￣￣/´:￣￣￣￣￣￣￣:｀ヽ￣￣￣￣￣
￣￣￣￣￣￣￣ /|　´￣￣￣￣￣￣￣｀　ト､￣￣￣￣
　　　　　　　　　l　|＿＿＿＿＿＿＿＿___,|　|
.￣￣￣￣￣￣￣ヽ＿_＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ￣￣￣￣
￣￣￣￣￣￣￣　|　　　　　　　　　　　　　　 |￣￣￣￣
　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 `ｰ――――――――‐ '

77 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:14:54.03 ID:wSoEPEYo

　　　　　　　　　　　ヽ、　　　)）　,　丿
　　　　　　　　　　　_　ヽﾐ`､ヾ巛　((ノﾉ'
　　　　　　　　　　　ミ`　　　　　　　　ﾘﾉノ
　　　　　　　　　～彡　　／YVV＼　　　ノﾉ　　　　　　　　
　　　　　　　　 ⌒ミ　トヾ i| ||| |〃Yl　　彡　　　　　　
　　　　　　　～　 |ミﾐへ i|iへ彡Yl　　ミ～
　　　　／⌒ヽ　彳　l=／三ﾆ三-.Y=l　　彡⌒ 　　　　知行地からの収入も
　　／::::::::::::::::ヽ　 . {r| ＝=　 =＝ |､,}　　ミ～　　　　　　あるはずだが
　　<;:へ:::::::::::::::::::ヽ　lﾋ| `ﾟ‐'〈|!`ﾟ‐´.|ｼl　　　　　　　　算勘の暗いこの一家の
　　 l_/　l::_::::::::::::::::ヽ人ﾄ、/ー―ヽ,ｲヽ―――--､　　　　男たちには
　　ヽノ＼Y ‐'''¨´￣＼＼ `¨ ／ .|　ﾄ---- - -ハ　　　取立てすらできない。
　　　/u^~∠----――‐ゝ―――-､　 | 　　　 /　l 　　　
'¨ヽ￣￣　　　　　　　 r‐― ､　　　ヽ |　　　　/　ヽ　　
　　l　　　　　　　　　　　{ニニヽヽ　　　ヽ　　 /　　 }

78 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:16:50.44 ID:wSoEPEYo

こうなると、収入は無きに等しい。
当然、一家は飢えた。
　　　　　　　＿＿＿＿＿__
　　　　　　　||￣￣￣￣￣||
　　　　　　　|| []　　　　　 ||　　　　　＿＿＿＿__
　　　　　 ,､＿ ,､＿＿,,,,____||　　　　　 ||￣／／|§|
.　　　　　i 　　　ｌ￣~| | ￣||∠二ヽ　 ||／＿＿|lｌﾛ|
　　　　　ﾞ-─-´)).＿;| ||l　:||.|'' '''''''| ||￣￣￣￣￣ ||
　　　　　从ﾘ从ﾉ　.　:|.∧_∧ _ﾞ三三||□△＿∩■_||
　　　　　（　　｀っ __|i＿＿,l __＿ロ|| 　　0|0　　　||
　　　　　<,,,,,,,,,,ﾉﾆニ|.!､从从._＿＿|| 　　 .|.　　　 ||
　　　　　　 u u￣￣￣（___ _）　　　￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　し^Ｊ　ﾅｲﾈ…
　　　　ﾅﾆﾓﾅｲﾈ

ある年の暮れ。
正月を控えていたが、家には一粒の米もなかった。

79 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:19:52.66 ID:wSoEPEYo

　　　　　　　　　　　／|　／|　／|
　　　　　　　 , '|／　ﾚ' 　 |／　レ1
　　　　　　　　/　　　　　　　　　 |, 1
　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　 /,.. -‐'''"~ヽ.　　　　　　　 7
.　　　　　／ニニ　　　　ヽ　　　　　　 /
.　　　　< 　 ,. -──　　/　　　　　　　　7
　　　　　＼,, ===｡＝　 .|:r‐､　　　　 /
　　　　　／　ﾆ二´　　 |:|r ､i　　　　　/　　　／￣￣￣￣￣
.　　　／　_-，ｰ- ､ヽ.　 |:!ﾄ;ｼ　　　　　/　　 |　そろって腹でも
　　　｀　＜.＿＿_, ヽ　 ||ｰ'　　　　 /　　＜　　切るか……
　　　　　　 L.._　　　　／ヽ.　　　 / 　　　＼＿＿＿＿＿
　　　　　 /　　 .／;;　　ヽ ,,.. -─┐
　　　　　　 /　　∠''-‐ '''"~~ 　　　 |
　　　　　ヽ._∠.. --─────┬┴-
　　　-‐'''"~　　　　　　　　　　　　　|

この老人は本気だった。
みっともないことになるなら、腹を切った方がいい。

80 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:22:20.56 ID:wSoEPEYo

武士の家に居るものが
たかが米くらいで泣くとは何事だ
　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿　＿ノ
　　 _＿＿＿ノヾ､L!「、〃ﾊ　　|/
三ミ/:::::: .　　､＿　 _ ,ヽ/ ﾘ　
― 〈:::::::: .　　 ―-二-‐　ヾ.
三ﾆヽ::::::￣｀ﾞヽ、　　　,-―i
Y¨ヽ=|::::::＝=｡=-,,, 　 ‐=｡=|
.| .ヒE|::::::｀ー-‐ '''　〈‐-‐ '|
.| l__F|:::::::｀ー-‐　　:::::＼ー|
.ヽ._F|::::::: .　　　　 r::_:::::＼!
ヽ=,Ｙ::::::: . ／ ,――――､´
ヾ､/＼:::::/　　￣￣二￣ ,'
　/,'　:::＼:::::: .　　￣　,'
　 '　　　:::＼::::::: .　　　 /

　　　　 Nﾐ ||　|||　||| _,､彡　彡　 }
　　　　N､/ ＼|||,, - '"　ヽ ,彡彡ﾉ
　　　　|ﾐ/　　ｰ--‐　　　ヽ彡彡7　
　　　　|/‐- ､ｰ‐ , -ｰ‐　　〉彡ﾉ　
`ｰ､　　|-==｡=､　 _=｡==-　|r､彡7　　　　「米なんぞ世間にはいくらでもある」
-､ヽ　 |　`ﾆﾆ',|　~`ﾆﾆ　　||ﾖ＝ﾉ　　　　
　 'i　)　'i,.r‐' ,斗ャ､ `ｰ､　 i!ﾉ=/　
＿_'､'＿∧／_,x '`x'─'　'／| /ﾄ--
＿＿`寸・托7, ／ｲ　／　,|'　|─　　　　世間にはあろうが
　　　　〈　 /　/　/ |／　　/;|　 'i,　　　　　わが家にはないのである。
　　　 |　　　'　/ /　　　/;;;;|　　|
.　　　 |　　　　　/　　　/;;;;;;;|　　'i,　　　　これは叱る方が無理だった。
　　　 ∧　　　　/i　　 /;;;;;;;;;;;|　　 |
　　　∧;;`,- _ /;;;;|　 /;;;;;;;;;;;;;;|　　 'i,

81 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:23:59.58 ID:wSoEPEYo

　　　　　　＿─-､ -‐;ｚ.__
　　　　　　　　＞　`　"　ﾞ　　＜
　　　　　　　/　" " " "　ﾞ　ﾞﾞﾞ＼
　　　　　 l " " ", ,ｨハﾞ i ﾞ､ﾞ､ヾ　　　　杢之助は刀をつかむと
　　　　　 | " "ノlﾉメ、 |ﾉjﾑﾍ. N　　　　外へでかけた。
　　　　　　 ! r,ｺ| ＝｡=　 ,｡==ﾊﾘ
　　　　　　 | |ﾋ.j|　￣ r_ ＼7
　　　　　　　j `ｧﾍ　 ──‐:7′
.　　　　　_／∨　:::＼　￣人
　 -‐'''"´ |.　ヽ.　　::::`:.イ　 |`''‐- ､.._
　　　　 |　　　＼　　:::/　　|　　　 .ハ
.　　　　 |　　 ,ヘ〉　 |へ.　|　　　 l.　l
　　　　　ｌ_／　ﾟ〈ｰ‐'| 　ヽ!　　　│　|
　　　　　　　　　　　|::::::| 　｢￣￣|　| 　 |

82 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:25:14.93 ID:wSoEPEYo

これを用之助は察した。

一寸　待ってな！

オレが必ず
腹いっぱい食わせてやる……！
待てっ……！　　　　　　　　　　　　　　ノ
　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿　＿ノ
　　 _＿＿＿ノヾ､L!「、〃ﾊ　　|/
三ミ/:::::: .　　､＿　 _ ,ヽ/ ﾘ　
― 〈:::::::: .　　 ―-二-‐　ヾ.
三ﾆヽ::::::￣｀ﾞヽ、　　　,-―i
Y¨ヽ=|::::::＝=｡=-,,, 　 ‐=｡=|
.| .ヒE|::::::｀ー-‐ '''　〈‐-‐ '|
.| l__F|:::::::｀ー-‐　　:::::＼ー|
.ヽ._F|::::::: .　　　　 r::_:::::＼!
ヽ=,Ｙ::::::: . ／ ,――――､´
ヾ､/＼:::::/　　￣￣二￣ ,'
　/,'　:::＼:::::: .　　￣　,'
　 '　　　:::＼::::::: .　　　 /

83 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:27:16.15 ID:wSoEPEYo

用之助もせがれに追いつくと嬉々としてこういった。

　　　　　　　＿､‐-､, -‐ｚ._
　　　　　　＞　` " "　′.＜
　　　　　　／ " " " " ﾞﾞﾞﾞ＼
　　　　 7 " " ",.",ｨﾊﾞ ,ﾞﾞヾ　　　　　　 r‐ ' _ノ
　　　　　 ! " " /-Ｋl/　Vｌﾊﾞ.N　　　　　＿ ) (_
　　　　　 | "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ!　　　（⊂ﾆﾆ⊃)
　　　　　　|."しｌ|　￣　,._ ∨　　　　　　｀二⊃ﾉ　
　　　　　　| " ﾞハ　ー--7′　　　　（( ￣
　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼.　¨/　　　　　　 ;;　　
　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　　　　　 [l、　
　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　　／,ｨつ
. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ　　
　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ
. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　 /　）:::厂 ´
　　 |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l　/￣｀Y´
.　　 |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
　　　|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ﾞ/

　　　　　　　　　　　／|　／|　／|
　　　　　　　 , '|／　ﾚ' 　 |／　レ1
　　　　　　　　/　　　　　　　　　 |, 1
　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　 /,.. -‐'''"~ヽ.　　　　　　　 7　ククク……
.　　　　　／ニニ　　　　ヽ　　　　　　 /
.　　　　< 　 ,. -──　　/　　　　　　　　7
　　　　　＼,, ===｡＝　 .|:r‐､　　　　 /
　　　　　／　ﾆ二´　　 |:|r ､i　　　　　/　　　／￣￣￣￣￣
.　　　／　_-，ｰ- ､ヽ.　 |:!ﾄ;ｼ　　　　　/　　 |　悪事をするなら
　　　｀　＜.＿＿_, ヽ　 ||ｰ'　　　　 /　　＜　盛大にやろう
　　　　　　 L.._　　　　／ヽ.　　　 / 　　　＼＿＿＿＿＿
　　　　　 /　　 .／;;　　ヽ ,,.. -─┐
　　　　　　 /　　∠''-‐ '''"~~ 　　　 |
　　　　　ヽ._∠.. --─────┬┴-
　　　-‐'''"~　　　　　　　　　　　　　|

84 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:28:58.81 ID:wSoEPEYo

今の佐賀市外高尾にあたる橋のたもと。
二人はここで、年貢を運んでくる百姓たちを待っていた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,....;:''''"~￣~`''
　　　　　_,,....;:''''"~￣~`''-､_　　　　　　　　　　_,,....;:''''"~￣~`''-､__,,....;:''''"~
　_,,....;:''''"へ/二| へ＾i　　　￣~`''-､__,,....;:''''"~　　　　　　　　　　　　　`''-､
￣~`''ｰ-|Π|　　||Πi￣!　_,,....;:''''"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`''；';.,,;；`;
　　,.;;.;i；';.,,;；`;；i`、､_　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__.;；:｡;:；;:：､;；:`''-､__
_,._,._,.,;:;；`;；i`:;：i;,|i!''",.／|＼|／|＼|／|＼|／|＼|／|＼／|＼|＼|／|＼|／|＼:;；`;；i`:;：;,i
　　　　　_,,...--―.;.;.-'"~￣~`''-､_￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ ,r'''''lｲﾄｌi"~~`''-､__
--―''''"~_,,...i''''"~　　　　　　　　　 ~`''-､,''",''"ﾞヽ,_,._,._,._,.._,.,._,._,_,_,,,r''"ﾞヽ,.r'''
_,,...!''''"~　　　　　　　　　_,,....;:''''"~,''"ﾞヽ, '""~""~'　　　　　　　　,''"ﾞヽ　,''",''"ﾞヽ,,._,._,
　　　　　　　　_,,....;:''''"~　　　　　~"'"~　　　　　　　　　　　　　 ~"'"~　'""~""~　;:''''"~
　　　　　　　（　　　　　:.:.:.:.:.:.:　　　　　　　　:.:.:.:.:.:.:　　　　　　　　　　　　　;:''''"~
　　　　　　　　`''-､_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`''--､
　　　　　　　　　　　"''-､_　　　:.:.:.:.:.:.:　　　　　　　　:.:.:.:.:.:.:　　　　　　　　:.:.:.:.:.:.　`''--､
　　　　　　　　　　　　　　`''-､

85 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:30:23.57 ID:wSoEPEYo

　　　　　　　∧＿∧　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　（；´Д｀）＜　スンマセン、直ぐに納めます
　　-=≡ 　/　　　ヽ　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
.　　　　　 /|　|　　 |. |
　-=≡　/.　＼ヽ／＼＼_
　　　　/　　　ヽ⌒)==ヽ_）=　
-= 　 /　/⌒＼.＼　||　　|| 　　
　　／／　　　 >　） || 　 ||　　（米）（米）三）
　/　/ 　　　　/ ／＿||＿ ||　（米）（米）（米）三）
　し'　　　　　（＿つ￣(_））￣ (.)）￣ (_））￣(.)）

米俵を運んでいる百姓が何人も通り過ぎるが、
親子は目もくれない。

86 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:31:27.82 ID:wSoEPEYo

やがて十頭ほどの馬に百俵あまりの米を積んだ一団が通りかかった。

　　　　　　　　　　　　　．･｡ﾟ･．･｡ﾟ゜｡ﾟ･｡．
　　　　　　　　　　　　　　｡・ﾟ･ﾟ　　　　　　　　　　･ﾟ．
　　　　　　　　　　　　　｡･　　　　　　　　　　　　　｡･｡
　　　　　　　　　　　｡･　　　　　　　　　　　　　　　ﾟ･ﾟ
　　　　　　　　　　　｡･　　　　　　　　　　　　　　　｡･｡･ﾟ･
　　　　　　　　　　｡･　　　　　　　　　　　　　　　　｡･　｡･ﾟ･
　　　　　　　　　｡･　　　　　　　　　　　　　　　｡･ﾟ･　ﾟ･｡･ﾟ･
　　　　　　　　｡･　　　　　　　　　　　　｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･･ﾟ･｡･ﾟ･
　　　　　　　　　｡･　　　　　　　　｡･ﾟ･｡･ﾟ･　｡･ﾟ･｡･ﾟ･　｡･ﾟ｡･ﾟ･
　　　　　　　　｡･　　　｡･ﾟ･｡｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･ﾟ　･｡･ﾟ･｡･ﾟ｡
　　　　　　　　｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･　｡･ﾟ･｡･｡･
　　　　　　　　　　　　　　　　/ヾ∧
　　　　　　　　　　　　　　彡|　・　＼
　　　　　　　　　　　　　彡| 　丶.＿）つ
　　　　　　　　　　　　　　（つ　　 /
　　　　　　　⌒ヽ　　　　　/　　　⌒)　　　 Y⌒ヽ
　　　　　　　　　人　　　 /＿＿し　　ノ⌒ヽ　人　ｽﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ…
　　　　　　　Y⌒ヽ）⌒ヽし　　　Y⌒ヽ　　　Y　　）⌒ヽ

　　　　 Nﾐ ||　|||　||| _,､彡　彡　 }
　　　　N､/ ＼|||,, - '"　ヽ ,彡彡ﾉ
　　　　|ﾐ/　　ｰ--‐　　　ヽ彡彡7　
　　　　|/‐- ､ｰ‐ , -ｰ‐　　〉彡ﾉ　
`ｰ､　　|-==｡=､　 _=｡==-　|r､彡7　　　用之助が呼び止める。
-､ヽ　 |　`ﾆﾆ',|　~`ﾆﾆ　　||ﾖ＝ﾉ　　　「その米はどこに運ぶ？」
　 'i　)　'i,.r‐' ,斗ャ､ `ｰ､　 i!ﾉ=/　
＿_'､'＿∧／_,x '`x'─'　'／| /ﾄ--
＿＿`寸・托7, ／ｲ　／　,|'　|─　　
　　　　〈　 /　/　/ |／　　/;|　 'i,　
　　　 |　　　'　/ /　　　/;;;;|　　|
.　　　 |　　　　　/　　　/;;;;;;;|　　'i,
　　　 ∧　　　　/i　　 /;;;;;;;;;;;|　　 |
　　　∧;;`,- _ /;;;;|　 /;;;;;;;;;;;;;;|　　 'i,

87 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:34:36.10 ID:wSoEPEYo

|||||||l'　　　　　||||||,ﾍ|||||||||||||/＝|||||-＝ー‐_'´ ﾍ|ヽ‐--::::――┴―‐|/
||||||l　　　　　 |||||/　|||||||||||/-,,'´|||l''´' ´ ￣＿　 l|||0.|====＝＝ﾍ||||/
|||||l'　　　　　 |||l/　 |||||||||/r '´イ||l=＝r￣`ヽ￣T|||ｒ'　　　　　　　|||/
||||||l　　　　／|l/　　|||||||ハ|l.　　 ||'|　,'　,　○ヽ　ゝ||,　　　　　　　|/
|||||| l　　／,-|l/＝､ |||l／　l||l.　　 |ﾍ　l　ゝ､ﾉ　l /´||||　　　　　　　/　　　　　　「お城ですよ」
||||||　l／',´ 'l/,=ヽヽl／　,,-ゝ|l:　　　ヽヽ_,,,=＝ゝ-' |||'　　　　　　　　　 '´　　　集団の頭が
ヽ|||| ｒ r'´　r'ｔ￣0ヽ||l〆,,, --ゝ|l=､　　￣　____, -‐'´,'　　　　　　　　　 7､　　　馬鹿馬鹿しそうに答えた。
|||T|| ||l.l､　|| l l　ﾍヽ||l'￣　　　ヽ`ー--―',--―´￣／/　　　　　　 |
|||||.` ヾヾ- ヽゝ`'´ノl|l　　　　　　￣￣￣　　／　／　/　/　　　　　　 |
||||||.　　ヾハ　ヽゝ'´,// l　　　　　　　　　　　　／　 /　/　　　　　　 |
|||||||.　　/ヾﾍ_, -'´‐'´ /　　　　　　　　　　　　　　　/　/ |　　　　　 /
＼||||.　/　　T-‐' ´　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　 /　|　　　　　　'
　＼| l'　　　||||ゝ　　　　　　　　　　　_,,,､､
ヽ　　 |l　　　 l|||ハ　　　　　　　　ｔ＝-‐'´
　ヽ||||l　　　　||l　　ゝ
　　ヽ||　　　　 ||　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　／
　　　ヾ　　　　　　　　　　 `　-､　　　　　　　　　　　　　〆　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`　‐､　　　　　　,　‐'´　＼　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`　ー'´　　　　／　／

88 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:36:28.78 ID:wSoEPEYo

　　　　 Nﾐ ||　|||　||| _,､彡　彡　 }
　　　　N､/ ＼|||,, - '"　ヽ ,彡彡ﾉ
　　　　|ﾐ/　　ｰ--‐　　　ヽ彡彡7　
　　　　|/‐- ､ｰ‐ , -ｰ‐　　〉彡ﾉ　　　「そうか。フフフ……」
`ｰ､　　|-==｡=､　 _=｡==-　|r､彡7
-､ヽ　 |　`ﾆﾆ',|　~`ﾆﾆ　　||ﾖ＝ﾉ　
　 'i　)　'i,.r‐' ,斗ャ､ `ｰ､　 i!ﾉ=/　　　「では俺の家に運べ」
＿_'､'＿∧／_,x '`x'─'　'／| /ﾄ--
＿＿`寸・托7, ／ｲ　／　,|'　|─　　
　　　　〈　 /　/　/ |／　　/;|　 'i,　
　　　 |　　　'　/ /　　　/;;;;|　　|
.　　　 |　　　　　/　　　/;;;;;;;|　　'i,
　　　 ∧　　　　/i　　 /;;;;;;;;;;;|　　 |
　　　∧;;`,- _ /;;;;|　 /;;;;;;;;;;;;;;|　　 'i,

_人_人_人_人_人_,
_）ちょ！？　　（_　
_）はああ！？（_　　
⌒Ｙ⌒Y⌒Y⌒Y´　
::::　　 | 　　 | :.く　　　頭は耳を疑った。
::::　＿_l_　ィ' |　::.',　
=、:/＿l/_/ l/　 lﾙ'
ﾍ|/ .:::::::.､|_ |i/ﾚ' 　　　この侍は気がふれたのか
､〕　　し::: -､￣!　　　　と思った。
/ 　　　 /　　┘　
‐､　　Ｌ.,　。　　
、l　l/￣´　　　。
　＼＼　　　　　　
　　　　|

89 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:41:58.75 ID:wSoEPEYo

　ヽ、　　　)）　,　丿
　　　ヽﾐ`､ヾ巛　((ノﾉ'
　　ミ`　　　　　　　　ﾘﾉノ
～彡　　／YVV＼　　　ノﾉ　　　　　　　　

⌒ミ　トヾ i| ||| |〃Yl　　彡　　　　　　
　～　 |ミﾐへ i|iへ彡Yl　　ミ～
　彳　l=／三ﾆ三-.Y=l　　彡⌒ 　　　　
　　.. . {r| ＝=　 =＝ |､,}　　ミ～
　　　.lﾋ| `ﾟ‐'〈|!`ﾟ‐´.|ｼl　　　　　　　　
　　　人ﾄ、/ー―ヽ,ｲヽ―――--､
　　　　　＼ `¨ ／ .|　ﾄ---- - -ハ　　　

　　　　　「城へ入れば、いずれこちらにまわってくる。
　　　　　　その手間を省いてやろうというのさ」

　　　　　用之助はあくまで落ち着いている。
　　　　　当たり前のことだ、といいたげだった。

　　　　　だが、頭にとっては当たり前の事態ではない。
　　　　　どう考えても、強奪である。

　　　　　えらい災難にぶつかり、体がふるえてきた。

90 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:43:47.83 ID:wSoEPEYo

　　　　　　　＿､‐-､, -‐ｚ._
　　　　　　＞　` " "　′.＜
　　　　　　／ " " " " ﾞﾞﾞﾞ＼
　　　　 7 " " ",.",ｨﾊﾞ ,ﾞﾞヾ　　　　　　 r‐ ' _ノ
　　　　　 ! " " /-Ｋl/　Vｌﾊﾞ.N　　　　　＿ ) (_
　　　　　 | "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ!　　　（⊂ﾆﾆ⊃)
　　　　　　|."しｌ|　￣　,._ ∨　　　　　　｀二⊃ﾉ　　　ククク…
　　　　　　| " ﾞハ　ー--7′　　　　（( ￣
　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼.　¨/　　　　　　 ;;　　　　　　「お前が気に病むことはない…
　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　　　　　 [l、　　　　　
　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　　／,ｨつ
. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ　　　　手形を書いておいてやる…」
　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ
. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　 /　）:::厂 ´
　　 |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l　/￣｀Y´　　　　　　　そう言われても頭は躊躇っていた。
.　　 |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
　　　|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ﾞ/

91 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:44:57.48 ID:wSoEPEYo

二人はいきなり刀をすっぱ抜いた。

,Li､.,‐　 .,!,,-:,、　 ,、　._,,,-､、　　,,-　　　 .,、　　、　.,、 .i､
: |lﾞ.〃 ,,,rrヽ.,i´　.,ｉﾞ‐''"゛ ,,,/,,,,-‐'ﾌ′　 ,,-''|　 |　 .ﾞL,/.|、 .|
: |ﾞl .,/',i´,-､/　 ,i´ ｀'-,,"~ﾞ＾　.,／ _,,,／"　ﾞl　.|!　　|｀ .|│lﾞ
: | ﾞl" lﾞ.,i´ .lﾞ　,/ 'l-､_　`'-,、''ﾞ‐''"゛│　　.,､| ./lﾞ　 ,ト　| .ﾞllﾞ
｜　　|｛　 |　/｀　ﾞl、｀ﾞ''ｰ､,,`-,、　/｀　　,i´ |i,,,,i|　/.| ./　｀
｀|　　 l.|、 | /　　　ﾞ'=,、　.ﾞl,,,,!-ﾐ'､|'i､　.,lﾞ‐'ﾞ",/ |,/　ﾚ′
: |　　ヽヽ,'ilﾞ　　　　　ﾞヽ,_　._,,-｀'i､ﾞl .,|=二"
.,,|　　　｀''ﾘ｝　　　　　　　｀ﾞﾞ｀　　　ﾞ│|,ﾆ",|
"｀　　　.,ﾉﾞl　　　　　　　　　　　　　｀!ﾞl　./
　　　.,,‐｀　 |　　　　　　　　 ,,､i､　ﾞl.ﾞl/
　　 ,i´　　　ﾞl、　　　　　　　-‐l二"　ﾞl l
　　 .ヽ　　　ﾞl　　　　　　　　　　｀7ｯ,. ﾞl l
　　　 .ヽ　　 │　　　　　　 .'''''''-,,,,ﾞl ｀'-,,ﾞl

太刀を八双にかまえ、気合を発した。
さすが戦場往来のつわものである。
腹のそこに響く凄まじい気合だった。

92 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:46:57.25 ID:wSoEPEYo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _, -, =ｚ＞､　 _＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　/_,: zｿ／.ｿヽｲ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾏ:ｒ:／＼ヽ¨ｿ} / l |
　　　　　　　　　_ｒｿ⌒'ー-　　　　　　　　　　　　　,- ､ l/　　　 _´ヽ/=､! ､〉
　　　　　　　　 {__｣､＿__　／　_, =:ｚ'-､__」´ 　 }ー' １ Y　　／ﾌ　＼>! ヽ
　　　　　　　　　　　　〈／／.:V　/　/´ /i水 '　i　 /　ﾊ　ヽ／　　　／! トヽ
　　　　　　　　　　　 _.:'_／､　　＼ /　/};l 　 Y,／ {　 {,､＿　＿_, ィノﾚ'j/
　　　　　　_　- －, ' ／'　　l .:/　　/　/ｲ;/　 /´ r､＼ｉー-{二 ┐
　　　,.　'´　　／／　　 /.:::ｲ　 ,/　/!ｲ;_ ／　　 ´ 　 rー‐' , ┴i､l　　,　-－-
　／　　　／／ヽ＿.:.:.:.:::::l 　ｌ! /.:└i´　　　 l　　　　￣{└〈_,- 〉／／　　　　',
　ヽ､＿_ / ／_　 ,　／￣￣＼|l l＿ｒ┘／　　 l　　　 /入_＿／｢/　　　　　 |
_,　-'―_-'_.｣´.:.:.:.:.／　　　　ｉ　＼_ノ -―‐ 、　＼　　＼ヽ／　／　　　　　 {
Ｌ.ｚ＜‐､.:.:.　＿／　　　　　　　l: ./　＼ - ー.､＼　＼ _, - '´ ／., -- ､　　　　　 |
＿.二r…' ´　　　　　　　　　　〉: : : .　＼､＿_ ヽ - ／　　／. :/　　　〉: : : : .　 l
ー=ﾆ| . : : :, :-―-､: : : .　　　/: : : : : .　　　　　￣'´　　 /: : : /　　　￣ヽ:､: : : .|
く￣｣: ＞'― - ､: : ヽ: : . .　∧: : : : : : : .　　　　　　　　 . l : : : { ヽ _　　　　l: :ヽ: :｝
　ソ／　　　　　　＼: :i: : .　/　＼: : : : : : : .　.　.　.　 . : : : : : : /

これで百姓たちはへなへなと足に力が入らなくなってしまった。
鍋島武士の勇猛さは有名である。
相手をして無事にすむ筈はない。
とりあえず、言うとおりにしておけば、後でどうとでもなる。
手形をもらうと、持参した百俵の米を斎藤家へ運びはじめた。

93 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:48:25.41 ID:wSoEPEYo

　　　　　　　　　　／|　／|　／|
　　　　　　　 , '|／　ﾚ' 　 |／　レ1
　　　　　　　　/　　　　　　　　　 |, 1
　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　 /,.. -‐'''"~ヽ.　　　　　　　 7
.　　　　　／ニニ　　　　ヽ　　　　　　 /
.　　　　< 　 ,. -──　　/　　　　　　　　7
　　　　　＼,, ===｡＝　 .|:r‐､　　　　 /
　　　　　／　ﾆ二´　　 |:|r ､i　　　　　/　　　／￣￣￣￣￣
.　　　／　_-，ｰ- ､ヽ.　 |:!ﾄ;ｼ　　　　　/　　 |　　悪事とは
　　　｀　＜.＿＿_, ヽ　 ||ｰ'　　　　 /　　＜　　　面白いな
　　　　　　 L.._　　　　／ヽ.　　　 / 　　　＼＿＿＿＿＿
　　　　　 /　　 .／;;　　ヽ ,,.. -─┐
　　　　　　 /　　∠''-‐ '''"~~ 　　　 |
　　　　　ヽ._∠.. --─────┬┴-
　　　-‐'''"~　　　　　　　　　　　　　|

と、用之助は目を輝かせて云った。

94 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/29(日) 14:51:03.83 ID:nKi4Lioo

山賊だーッ？！

95 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:51:55.74 ID:wSoEPEYo

こんな無法が目付にきこえないわけがない。
たちまち奉行所から斎藤親子に呼び出しがかかった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (二二二ﾆ/二二ﾆ/二｜二二ヽ二ヽ二ニニ)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //＿/__//＿/__//＿/| |ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//＿/__//＿/__//＿/_| |__ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //＿/__//＿/__//＿/__| |＿ヽ＿ヽヽ＿_ヽヽ＿ヽヽ
　　　二二二ﾆ/二二ﾆ/二二二//＿/__//＿/__//＿/＿| |＿_ヽ＿ヽヽ＿_ヽヽ＿ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二
　　 //＿/__//＿/__//＿/__///＿/＿//＿/__//＿/＿ | |＿_＿ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　//＿/__//＿/__//＿/__//○====○====○======.○=====○===○===○===○ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　 //＿/__//＿/__//＿/__//＿|　　　|┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|＿＿|＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
○====○====○====○===.|　　　|││││││││││││││││||　　.||===○===○===○===○
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|││││││││││││││││|| 奉 ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴|| 行 ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|| 所..||
　　＿＿＿＿＿＿　＿＿＿＿|　　　|││││││││││││││││|| 　 .||＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　＼／＼／＼／＼／＼／＼|　　　|││││││││││││││││||　　.||＼／＼／＼／＼／＼／
　　／＼／＼／＼／＼／＼／|　　　|││││││││││││││││|￣￣|／＼／＼／＼／＼／＼
　　"""￣￣￣'''''''''''''''"""""￣"""￣￣''''''''''"""""""""""""""""""""""""""￣￣'''''''''""""￣￣￣￣"""""

96 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:54:16.92 ID:wSoEPEYo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／|　　　 .／|
　　　　　　　　　　　　　　／|　　.／　 |　　 .／　 |
　　　　　　　　　　　　／　.ｌ　／l　　 |　／/　　| 　／|
　　　　　　　　　　／.| 　 l／,ｌ l　　|／.//　　 | ／　 |
　　　　　　　　／| | |　　 ,ｌｌｌ　　　 ///　　 ,!' 　／|　／!
　　　　　　　　　/　.| | |　　ｌｌｌ　　　.///　　　　.／／|／　 |
　　　　　　　 ./!　 | | | 　 ,ｌｌｌ　　　///　　　.／／／　　　.|／
　　　　　 /|||　 | | |　 ,ｌｌｌ　　　/,.-‐､　／／／　　　　　 /　
　　　　　　 l ∥/`i、.|　ｌｌｌ　　,.‐'´　　::`i､"／　　　　　 ,. /_,.
　　　　　　 l 　/　　`i、. ｌｌｌ,.‐'´　　　　　 :::i'、　　　 ,. ‐'´,. ´/,
　　　　　　lミ/ 　 _　　`-‐'´ _,,　　　　　　　::::i、,. ‐'´,. ‐'´,. ‐'/
　　　　 .l /　　　｀`‐-‐'"´_,　　　　　　　　::::ｉ、‐'´,. ‐'´　 ./ 用之助らは平然と出かけてゆき、
　　　　 l/‐- ､　｀` ‐-‐'"´　_,. -‐'"´￣　:::::::::〉‐'´　　　 /　　吟味にはありのままに答えた。
.　　　　 |　　　｀ヽ、　　　／　　　　　　　::::／　　,. -‐'"´/　
　　　　　 |.＝＝===､　　__ =====＝＝＝::::|"'i⌒ヽ‐'二 /　
.　　　　　 | ｀ ‐--‐ﾟ/,:::　'''' ` ‐---ﾟ‐ ' ´　 ::|ﾐ|⌒ｉ |´　 ./　　　年貢強奪の罪は死罪である。
　　　　　　| ､.＿_ /,::::::::　　　、　　　　 _ノ :::| |⌒l |　　/　
.　　　　　　|　　::/,::::::::::::: 　　￣￣￣　　::::|,|６ﾉﾉニ'/　
.　　　　　 |././,:::::::::::__:::)　　＼＿_　　 :::::::||､_ノ─/　　　　　だが、奉行たちは先日の事件を
.　　　　　ｌ.(_::　　　　　　　　　　,　＼::::::::/l　　　./＼　　　　よく覚えている。
.　　　　　　 l.　￣￣￣￣￣￣￣　 :::ヽ／:: l、三l　　＼
　　　　　　 l、　　＿＿_　　　　 ::::::／：　　l、 l'　　　　l.‐-　　
.　　　　　 _,/l、　　￣￣　　　 :::::／:：　　　 .l l'　　　　 l、　　
　　　 _,. -' / 　 !.　　　　　　 ::::／::：　　　　　 l　　　　 l、
　　　　　　 /　　　ヽ、　　　 :::／:：：　　　　 .／|.　　　　 l、
.　　　　　 /　　　　ヽ、　 ::／：：：　　　　 .／::::::|　　　　　　 l
　　　　　/　　　　　 ,l::ヽ／：：：　　　／::::::::::::|.　　　　　　 l　　
　　　 /　　　　　　 l::l:：：：：　　　　　／::::::::::::::::::|　　　　　　 l
.　　　 /　　　　　　 ,l:::::l.　　　　　　／::::::::::::::::::::::::|.　　　　　 l
　　　/　　　　　　　ｌ::::::::l.　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::|　　　　　　 l

97 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:55:45.53 ID:wSoEPEYo

　　　　　　　　　　　＿_ __ _
.　　　　　　　 _ ,　'"´　 ,. _ ___｀丶、
　　　　　／　｀　/　 /´-‐ｧｰ-ヽ＼
.　　　　 / ／下7　../／／.:.::/ .:.:ﾄ､ヽ
　　　 / └ｲ_j/　.://;へ、／!.:.::/:.}ヽ　',　　　用之助に対する直茂公の
　　　 ,'　 ///!l　.::j.:lｲ仔くヽ/,.イ,.ム:.',　l　　　ひいきは只事ではない。
　　　 , 　 '〈/f`| l ::l｀' ゞゾ　'´　ｒャjﾉ::.ｌ:. |
　　　 |　 l:l :!:{､| l ::|　　　　　ﾏｿハ: |:: |　
　　　 |　 l:ｌ::i个| l ::l! 　　　＿　 ′} .:}:.ｌ:: l　　この一件を言上することにした。
　　　 |　 lﾊ:l::{::', ::::{､　　　　　　　 /.:/::.l:: l
　　　 l　!:|:::',::',::ヽ:::ヽ＼._　　／.:/::::/l::;!
. 　　 ',::{:{､:::ヽ＼:＼;ゝ｀「:ﾌ´!::::/;:::/ 〃
.　　　ヾﾊj＞''´ ヽﾄ､_..上くｲ::::{ {::{／
　　　　／⌒ヽ､＼　｀　＼-ｰ￣＼ヾ
　　　/ 　　ヽ＼＼　　＼´￣｀ヽ､
.　　ｌ　　　　　',　＼＼　　　＼　 __| ＼
.　　 |　　　　　 ',　　＼｀ヽ､　　∨ｎ|　} ﾄ､

98 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:56:48.54 ID:wSoEPEYo

　　　　　　　　＿ ._,
　　　　　　／:::／:::ヽ-､
　　　　　／:::::::::::::::::::::::::}￣`ｰ､.,_　　,,　　　　
.　　　　/::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::ﾍ,＼く　　　　　報告を聞くなり、直茂は
　　　 /:::/:::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::ﾄ､ i:::ヽ､　　　さめざめと泣き出した。
.　　　i:::/:::::::::::::::::;:::::/::::::::::::::::::::::i:::i .|:::ヽ:i
　　　|:::i:::::::::::::::::/:::::i:::::::::::::::::::::;;ｨ､:ﾚ:::::::::ii|
.　　　|::|:::::::::;::::/:::::i:|::::::::::::::::::<ｨif.i::|:::/::::} |　　そして奥方である陽泰院を
　　　 i:|i:::::::::i:/:::::/ﾘ:::::::::::::::::::/i.|Y::|:/::::/　　　泣きながらかきくどいたという。
　　　　i|ﾔﾄ::i::::::/:::::::::::::::､,ｨ<./.|_|::|'.i／
.　　　　　〉ﾄ}:}::::/'"'’`ｰ".,..,ィｰｧ,､::|
　　　　,.ｲ　ﾉﾊﾘ＼ .,ｨｰ/ .ソ / i ﾄ,i
　　／　　　,,.ｨ,.ﾆ=´ヽ, {＿,__.,.,.ィ´
.　 /　　　／／　　　　＼-ーｷ

99 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/29(日) 14:57:30.19 ID:jhNcGcYo

傑作の予感

100 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 14:58:42.40 ID:wSoEPEYo

　　　　　　　　　　　／: : :＿＿＿､: : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　／: /／　　　　　＼: : ヽｆニヽ: : ヽ
　　　　　　 , ': : :/´ ／￣￣￣￣｀ヽ: : ﾄ､＼＼:ﾊ
　　　　　　　　/: :/:/.／|: i: ､:＼: : : ＼: :l: : ﾊヽ__ソ: ﾊ　　　　　（聞書３の１６）
　　　　　　　 /: : i: l´: | l: :､: :＼:＼ : : ヽ:i : : ﾊ_ｊ､＼ : ﾊ　　　　『ねぇ、かかどの聞いて頂戴。
.　　　　　　 , :i : l: l: : | l､: :ヽ: :､｀ﾒ＼ : ﾄl: : : :lゝヽ.ヽ: :l　　　　用之助が殺されてしまうんだって。
.　　　　　　 | l|: :l: :、トl､＼| ヽｌ／,≠斗|: : : :K ﾊ∧_〉:|　　　　不憫千万とはこのことね。
.　　　　　　　l ｌl: :l､: ヽ　iｙさ　　　'戈こi l : : : |ﾉﾉ∨ :ｌ:l
　　　　　　　ﾍlゝ: ､ヽ: ヽ戈ﾂ　　　　￣　l : : : ﾚ': : : : : ｌ:ｌ　　　　この日ノ本と大唐をそえても
　　　　　　　　` ＼l　i: : ゝ　､　　　　　｜: : : l: : : : : : | l　　　　替えがたい命を、
　　　　　　　　　　｀`l: : :へ　　ｔ.‐　　　l: : : : l‐ 、: : : l ﾊ　　　血みどろになりながら肥前一国を
　　　　　　　　　　　　l: : : : : ＞　､　　ｲ: : : :ハ./＼: : i: ﾊ　　　まとめるために働いてくれてたのに。
　　　　　　　　　　　　|: : : : : : : : :/丁 /: : : :/／　　ﾊ: :､: ﾊ
　　　　　　　　　　 l: : : :ｌ : __／∠. /: : : :/'　　　.　ニﾆ＝ヽ　　　今や夫婦で殿と呼ばれて案穏と
　　　　　　　　 l: : : :l／　／二//: : :/　　／／. -―- ､ヽ　　暮らせるのは、
　　　　　　　　　　 |: : : / 　 /二、l/l: : /　／／／　　　　丶i　　あの用之助のおかげよ』
.　　　　　　　　　 /l: : : !　 /　　／l｜: l／／／　　　　　　　　|
　　　　　　　　　 / 'l:ﾄ､ l　/　　/　｜l: :l／／|　／　　　　　　ﾊ
　　　　　　　　 /　ﾊ! ﾍ!. |　. /　　ハ l／　_ﾚ　　　　　　　 l ﾊﾊ

101 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 15:00:31.03 ID:wSoEPEYo

　　　　　／: :.::.:: : .:/イ´: :／´.. -―￣｀:.＝ミ:_..
　　　　 /:.: .::.::.::..:／: :.: : /　ノ: : : : : : : : : ｀: .､‐ ｀ヽ、
　　　　 i: .::.::.::.::.:/ .: .::.: :/ .ｲ:: :. : : : : : : :＞.､　＼-‐ヘ.
　　　 |.::.::.::.::.:/:: :l.::.: : |/::.::.::..:..: : ヽ:イ＿ . :＼´: ヽ:.ヽ:ヽ　　　　『そんな人を米を持たないようにして
　　　 !::!::.!::.::ハ::.|::.|: :.|::.::|::.:斗-‐´: : ::.::.::.. : : :ヽ::斗: :.l: :!　　　　おいた私こそが大罪人なの。
　　　　j::.|::.}::.::|::.:斗v:: :.!::.イ::.::.ﾄ､::.:ﾄ､: :ヽ:_::.::.:..／ﾄ :l:: : ﾄ:|
　　　ノ‐ |:/::.:／イ｜:. |::.::ﾊ::.::.l　＼:､＼: ＼７'ァミl::.|:: :l }}　　　　用之助には咎めなんか少しもないのに
　　　　 l::l::.:ヽﾑ/　|::.::.::.::.::.ﾄ:斗---｀孑｀　ーｲｫ::小::./l/′　　　彼を殺してしまったら、
　　　　 |::{::.::.::V７7!::.::.::l:: ´l ｀,≧zzミ　　　　 |ｭﾘ }:./::.|　　　　　この先どう生きていけばいいのかしら？』
　　　　　 l:ハ:.}:.l/:.| |::.::.::.:ト､:.V/ﾄ-':...}　　　　　´　ｲ::.: :|
　　　　　 |　｀j小:.| ﾄ::.::.:..:ヽ-ﾐ｀ Vﾕﾂ　　　ヽ　　ﾊ::j:ﾘ　　　　　　
　　　　　　ヽ / |! ﾘ_ﾄﾍ:l::.:...:.ヽ｢ {　　　　　　 _, 　.ｲ::.ｲ/
　　　　　　　　 _ノ.. ..:..|:ト､::.::.:､＼｀ｰ-､　 ´ '／:.|:/ﾌ:>､　　　　　これには一同すっかり参ってしまった。
　　　　　 r‐＜::｀丶:..:ﾊﾄ､_＼::.:ヽ￣｀　 }┬‐.:: : :〃::/: : /､
　　　　 /´￣｀　ミヽ:＼ヽ:..:.｢＞:}-- ､ﾉ｜:... : : l:::./: :./　ヽ
　　　 !　　　　　＼＼:ヽ..:.Vーﾉ-- ､＼7:..: : : :|::/: :/ 　　 !
.　　　 |　　　　　ヽ:ヽ:〉ム二ﾆ､‐- ７|:..:. : :/::l: ://　　　 |
　　　　 V　　　　ー､　V　／　　｀ ‐{ﾉ:..:..:./::/ //　　　 |
　　　　 |　　　　　 --- {　　　　　　　　ヽ..:./::/ //／　　　 |

102 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 15:03:35.08 ID:wSoEPEYo

　　　　　　　　　　　/　　. __ 、／　丿　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　/ ,　／ .／　／　 _ ,_＿'　　　i　　i　　i　 i　　 'l
　　　　　　　　　 //. /　／　／_-''’　___,,ノ、　 7　　'　　　　　　　l
　　　　　　　　.　ﾚ.l/　 ./　　／　,,-'''''　　l l　　.l　　 ,　　　　　　　l
　　　　　　　　　　/　,/　　 ´　　, '_ !-‐'''''''''''') ./l　../l　　　　i　...l l
　　　　　　　　　r/　.l　　ﾞ　　　'''’　_,,,-‐/￣.l/ .l ./　l　　　　 i　 .l l
　　　　　　　　 .l.!　　　　　　　　　々'　Vヽー--l/'‐、l /l　　　i　 /ll　　　報告を受けた勝茂は、
　　　　　　　　 l　　　　　　　　　/'''' ヽ　　　'..,,,_＿_、ｌ/./　　ﾉ'l/ ｌ'
　　　　　　　　l　　　　　　　　 ./　　　!　　　　　　　''　/'/'　,/）ﾉ　　　　「親孝行のためだ。
　　　　　　　　l　　　　　　　　/　　　/　　　　　　　　　 /　,/／　　　　　斎藤一家は浪人させろ」
　　　　　　　 /　　　　　　　丿　　　亅　　　　　　　　 ./　/r'　　　　　　
　　　　　/￣￣￣''' ‐ ,_ ／丶　　____　　　　　　　　./　/　　　　　　　　と、苦々しく命じた。
　　　/￣￣￣￣''' ‐ ,_ ＼.　.l＼　”-ニ⊃　　　　／/r'＼
　　/　　　　　　　　　 '-,/　 .l　＼　 '￣　　　,／　/ │　''、、
　 ./　　　　　　　　　　　 /　　l　丶ゝ,,,,,,,-‐''　　／　 │　　'l "'-、
　/　　　　　　　　　　.∩/　　 .l　　/─、　,─／　　 │　　　'l　　"'-、
../　　　　　　　　　　∩/　　　 .l　/　Ｃl　l - l＼　　│　　　　'l　　　　"'-、
/　　　　　　　　　　　 /　　　　ﾚ' ヽ┌──┐ｿ＼ │　　　　　'l　　　　　　"'-、

直茂はすぐさま勝茂に礼を言った。
用之助には米十石を与えた。
詫びのしるしである。

103 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 15:07:37.38 ID:wSoEPEYo

以来、斎藤家はずっと浪人のままだ。

爻　　 _,,-‐ｔ‐''⌒ﾊ、　　　　　　　_,,,　-‐''三]
ｋ;;:､　(,,　ﾒ μ ,,´｀, -―一''''""~　_,, -‐／::::＼　　　　　　　／
､,＼;;:: 人人ｷ,,　 /　--一'''"~￣　　,／:::::['i']::::＼へ、　　／
ﾆヾ＼ⅲⅲ Y,／　　　　　　　　　／ii[]:::[_,!_]::[];､＼　Yy,,..
-‐''`　 `.、:,:／　　　　　　　　　／ii;[ i ]~~[_!_]~[l];:ヽ＼＿
＿,,､＿,,,,／　　　　　　　　　,／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　>￣ヽ
ﾊﾊ从／-―====r-===三''　､-―――――――‐＜　木ﾎYyy
(⌒)ｲﾄ爻------(　tｲ-‐'´::::::::,＼＿＿,,,....､_＿＿,,,_____`」￥　Y
　T,::爻Ooﾄ[iiii]<,,. ､ｷ[]　 i::::::::::::::::[]::::::::::::::[]=======|爻爻三三
ー-　　''ー＾　二,,　ー---┴, -‐へ-O-ー-～～-―へ`~~　　　　]、
　　　　　　　　　━
　〓　　　　　　　　　　　━〓　　　ー　----　､---―

104 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 15:10:18.87 ID:wSoEPEYo

元和四年（１６１８年）７月２４日
鍋島直茂が死んだ。享年８１才。

　::::::::::::::::::::::::::::::::::.:::::::::::::／　　　　/／　　／‐───- ､　　＼:::::::::::::::::::: ..::::: . ..::::::::::::
　:::::::::::::::::::::::::::::::::::.:::::::::/x-─‐ｧﾍf/　　 /-────-､　＼＼ヽ:::::::::::::::::::: ..::::: . ..::::::
　::::::::::::::::::::::。:::::::::::::.:゜/∧-―ﾝ´７　　 / 　/ /　　　　　ヽ､厶. ヽﾍ::::。:::::::::::::::::　゜.:::::
　:::゜::::::::::::::::::::::::::::::.:::::/　　＼/_,〃　　〃　,{　l　 |　、　　ﾍ　ﾍ Vハ:::::::::::::::::::: ..::::: . .
　:::::::::::::::::::::::::::::::゜.:::::/　　_//〉‐/. 　｀八､/ |　ｌ　 !　丶　　　 |　ｌ　ﾄ､ ',::::::::::::::::。::::::::::::
　::::::::。::::::::::::::::::::::::::,'　 f⌒∨ /　　 /ハ {＼!. |ｌ　{　　＼　 |　 |　トく l:::::::::::::::::...... ....::
　: :::::::::.....:☆彡:::::::　/ ﾊ.　　V　　　,ｨfテ女　ヽ八ヽ　　　ヽ_ !　ｌ　|／ |:::::::::::::::::::: ..::::: .
　::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ l 〈_∧ 　 {　　 lﾊ{_f::j:ﾘヾ　｀　ヽ{｀＞爪　ｌ　 !　|_　 |::::。:::::::::::::::::゜.::
　::::::::::::::::゜:::::::::::::::| l 　 _ﾑ　_ゝへ |　V;之_　　　　　_ ヽﾊ ,'　/　 | ＼|:::::::::::::::::...... ....::
　:::::::::。:::::::::::::::::::::| l 　＞ '´　　　ヽ　　　　　　ｨ=气　ﾙ /　　l＼/!::::::::::::::::::.:::::::::::
　::::::::::::::::::::::::::::::::::| l 　{　ー- ―― ﾍ　　 , ､　　ヽ　　　〃／i　　∧.　|:::::::::::::::::: ..::::: .:
　:::::::::::::::::::::::::::::::::j八　1　､　　＿＿}　　{　　¨ｱ　　 ,ムｲ　/　 ,ｲ_｣　|::::::::::::::::゜:::::..:::::
　:::::::::::::::::::::::::::::,r≦三ﾍ　　￣　　　　ト､　` ｰ　 ,. イ　　 lＶ　　/ |　l ﾘ:::::::::::::::::: ::::: . ..:
　::::::::::::::::::::::::::/　　/　　ﾊ　 _...　--‐〈.　＞‐r＜　 /　 |　j/,/' /　j!〃::: ..::::: . ..::::::::::::::::
　:::::::::::::::::::::::/／ /　　 | ﾊ　　　　　, ｲl　　 f　　ヽ　 ∧/〃 / ／':::::::::::::::::: ..::::: . ..:::::::
.　:::::::::::::::::::::〆　/　　　い＼　-＜　}}／￣￣｀ヽ＞‐メｲ､ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:.... .... ..:.... .... ..... .... ..　.:.... .... ..　..... .... ..　..... ............. ..　.　........　......
:.... . ∧∧　　∧∧　　∧∧　　∧∧　.... .... ..　.:.... .... ..... .... ..　.
... ..:（　　）ゝ（　　）ゝ（　　）ゝ（　　）ゝ.. .... ..　.:.... .... ..... .... ..　.
....　 i⌒　/ 　 i⌒　/ 　i⌒　/ 　 i⌒　/　..　..... ................... ..　.　...
.. 　三　 | 　三　 | 　三　 | 　三　|　　... ............. ...........　.　.....
...　 ∪ ∪ 　 ∪ ∪ 　 ∪ ∪ 　∪ ∪　............. ............. ..　........　...
　　三三　　三三　　三三　　　三三
　三三　　三三　　三三　　　三三

105 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 15:12:34.91 ID:wSoEPEYo

　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,ｨ'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀`丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ､
　　　　　　　　　　　　　 ,.イ´:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　 r'´.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.,ｲ:.,ｲ:../i:.:.l:.:.:ヽ:.:ヽ:.:.:.:.:.ヽ､
　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!/ !:./.|:./ |:./ !:.:..ﾊ:.:.,|:.:.:.:.ト-､ゝ
　　　　　　　　　　　 ,イ.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:/　!ナ-､_ﾚ'　 |ノ　ﾚ'ヽ:.ﾉ!:.!
　　　　　　　　　　　 !:.:.:r‐i:.:.il:.:.:..!　こヒｒ`i｀´　　_ｭ=-.,リ .ﾘ
　　　　　　　　　　　　|,ｲ !i^)ﾚ'l:.:.:./　　　　´　　　 l´ﾋr /:.:.ﾉ
　　　　　　　　　　　　!　!:ﾔヽ､.ヽ/　 u 　　　　　　ヽ　 l:.:./　　　　勝茂は用之助に声をかけて、
　　　　　　　　　　　　　 k.l,`-ｧi　　　　　　　　　 '´　 /∨　　　　自分に仕えなおすよう説得した。
　　　　　　　　　　　　　　　k_N.l　　　　　r'´￣｀ア　 /
　　　　　　　　　　　　　　_,イj　ヽ　　　ヽ-―┘.／　　　　　　
　　　　　　　　　　　　／´r'´＼　　＼. 　　｀´ ／
　　　　　　　　_,.ｨ=''7´;;;;;;;|　　＼　　｀ｰ-ｪ-‐'´
　　　　_,.ｨ='''´;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;!　　　　＼　　　ﾉ＼
-‐'''"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;:;:;:;:;:;:;:;:!　　　／トｭ　ﾔ　Zﾄ､
;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:く;:;:;:;:;:;:;:;:;:;!　　／＼ヽ!　ﾉ　_,,>!.ヾ.､
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:;:;:;:;:;:;:!;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:／;:;:;:;:;:;:;:;:!　　　　ヽ､_,__ﾉ |;:;:;:;く:;:;:;:;:;:＼
;:;:;:;:;:;:;:!;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:! 　　　 ! ' .!　|;:;:;:;:;:ヽ;:;:;:;:;:;:;:ヽ
:;:;:;:;:;:;:;:|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:＼;:;:;:;:;:;:;:;:!.　　　 | 　 |　|:;:;:;:;:;:;:〉:;:;:;:;:;:;:;:li
;:;:;:;:;:;:;:;:|:;:;:/i:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:＼:;:;:;:;:;:;!　　　|.　　|　|;:;:;:;:;:/:;:;:;:;:;:;:;:;:!.|

106 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 15:15:20.99 ID:wSoEPEYo

　　　　　　　　　　　　　　　 ∧
.　　　　　　　　　　　 /!　　/.!!!i,　　∧　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　/　|　/　!!! 'i　/　.i,　　　　　　　
　　　　　　　　　 /ﾚ!!!　|/!!　!!!　V!!　!!i,.∧　　　　　
　　　　　　　 /　 .!!!　 .!!! .!!!　.!!!　.!!! 　 i,　　　　　
　　　　　　　/ﾚヽ　 !!!　 !!! .!!!　!!!　.!!!　 //ﾍ　　　　
.　　　　　　 |､　.ヾヽ .!!!　.!!! .!!! .!!!　.!!!　/〃 .i,　　　　　
　　　　　　 | ﾐヽ .ヾ,へ!!　!!! .!!! .!!!　!! ﾍ〃ノﾉ|　　　　
.　　　　　　|　ゞﾐ /　　＼!!! .!!! .!!／　　'i彡"　|　　　　しかし、用之助はこれを突っぱねる。
.　　　　 |ヽ　 /　　　＼!!!／　　　　 ! 　ノ|　　　
　　　　　 | ゞミ/　　　　ニ ‐-‐ ニ　　　　'i彡'´|　　　　「フフフ……
　　　　　 !ｒ‐､〈　"""''''‐-､｀"´ ,､-''''"""　〉ｒ‐i　　　手前は斎藤用之助でありますので……」
　　　　　　| f"|ﾐ|　＝＝o=-　　 -=o＝＝　|ﾖﾆi.|　　　
　　　　　　|.に| .|.　 ' ‐--‐'　| |　'‐--‐ '　 .| |ノ !　　　
　　　　　　,ゝ__|ﾐ|.　　‐--‐　.| |　 ‐--‐　　.|ﾖ_ノ　　　　すぐに追腹を切って殉死を果たした。
　　　　　 / 　 |V､　　, -‐'´ | | `'‐- ,　　　ﾘ.|　ヽ,　　　
.　　　　 /　　 .|ミ|ヽ. /　_ . ヽ!_ﾚ　　_ ヽ　,ｲヨ　　 'i　　　
--‐‐'''"|　　　ヽ|.　ヽ　￣￣￣￣　／ .|/ 　　 |"'''‐‐--
-‐‐'''''"|.　　　 |ヽ　ヽ.　　 ≡　　／ .／|　　　 |"''''‐‐
　　　　|.　　　　 |;';';ヽ.　ヽ.　　　／ .／;';';'|　　　 |　　　　　
　　　 |.　　　　 |;';';';';'ヽ　＼_／ .／;';';';';';'|　　　 |　　　　　

107 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 15:16:59.50 ID:wSoEPEYo

　　　　　　＿─-､ -‐;ｚ.__
　　　　　　　　＞　`　"　ﾞ　　＜
　　　　　　　/　" " " "　ﾞ　ﾞﾞﾞ＼
　　　　　 l " " ", ,ｨハﾞ i ﾞ､ﾞ､ヾ　　　　　斎藤杢之助は、
　　　　　 | " "ノlﾉメ、 |ﾉjﾑﾍ. N　　　　　こういう父親に育てられてきたのである。
　　　　　　 ! r,ｺ| ＝｡=　 ,｡==ﾊﾘ　　　　　
　　　　　　 | |ﾋ.j|　￣ r_ ＼7
　　　　　　　j `ｧﾍ　 ──‐:7′
.　　　　　_／∨　:::＼　￣人
　 -‐'''"´ |.　ヽ.　　::::`:.イ　 |`''‐- ､.._
　　　　 |　　　＼　　:::/　　|　　　 .ハ
.　　　　 |　　 ,ヘ〉　 |へ.　|　　　 l.　l
　　　　　ｌ_／　ﾟ〈ｰ‐'| 　ヽ!　　　│　|
　　　　　　　　　　　|::::::| 　｢￣￣|　| 　 |

108 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 15:18:06.89 ID:wSoEPEYo

109 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 15:19:47.36 ID:wSoEPEYo

しかし、奇妙なことにこの杢之助の面倒をみるような男がいた。

　　　　　　　　　　　＞'´　／　　 ∧　　｜　　　　i|　ヽ.　　　＼
　　　　　　　　　　／　／　　 /::::ヽ　_,斗:.:.:.: : 　 |　　 !　　:...　　＼
　　　　　　　　　〉　丨　　　　::ー‐^´¨　|:.: : !:.:..　ﾄ､　 |　　 :.:.:...　: :..｀ー-､
　　　　　　　 |　　　| 　ｉｌ　　::|　　　　 ! ::∧:. :. 　,=‐ｉ　　　:.:.:.:.:...:.:.:..:.:.／
　　　　　　　 /　.:.:.:.:|　 i| 　 ::| 　　　　 | / ,ｨ|,.イ´__ ∧　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／
　　　　　　　　　/ :::／イl|　ｌ|　 ::|=､＞ｰ=､ｉ′|:rレ弍¨ヽﾄ :.:.:.:.:.:.:.:.:.／
　　　　　　　　./::／　 /　　　|　　|´戈¨Ｔ |ﾄ==､||　弋__ソ‐|/.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　ﾚ'゜　 /　／　 iヾヽ! 辷_ソ｣|　　ヽ=＝＝=='　ﾏヽ.:.:r-‐'´
　ｒr‐、　　　　　レ'　ﾚ'〉　! ヾﾆ==＝ ′〈　　　　　　　 'ノ::;;;>
　ﾄ'　| 　　　　　　　　￣ヾﾇ、　　　　　｀　　　　　　　,/‐'´
　| 　|　　　　　　　　　　　　　￣ヽ　　　　ー‐　　　　 /
..ﾉ　l'⌒!　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　 _, ィ´
´　ノ^ヽ '､　　　　　　　　　　　　　　｀¨ﾆt-　　-‐'　ﾄ-┐
　　／｀ヽ.ヽ、　　　　　　　　　　＿　　/´iイ　　　　　 |/　ヽ―-- ､__
　　 ‐'´｀ヽ. ｉ､　　　　　　　／i　ゞ7″ | ′　　　／　　 |　　　　｀ヽ、
＼　　イ-' 　ヽ　　　　　／　 i　　/　,ﾍ |＿___,_／ |―､　 |　　　　/　　ヽ.
　ヽ.　 ″　　ｌ　　　／-‐'´ | .//／　ヽﾄ-―/ニ,ﾉ　　＼| 　　 /　　＼'､
　　　＼　　　 l.　,.-‐' 　　 :　ﾚ' ′　　く !　 //　　　　　　　　 / 　　　ヾ、
　　　 |　　　　.ﾄ''　　　　　　! .|　r―┐　 | ,//　　　　　　:. ｌ　 /　　　　　　　｀ヽ、
　　　　 l　　　 l､__　　　　ﾚ' 　|　　|　　i/o’　　　　 :.:. !　|　　　　　　　　　ヽ、
　　　 |　　　　 |／＼　　　 |　　￣´　 / /　　　　　 :.:.:.ヽ⊥_　　　　　　　,.-＜}
　　　ﾉ　　　　｜　　ヽ.　　l　　　　　　{i∧　　　　　　:.:.:.:.:.:.:.|＼　　　／　　＼

例の強奪事件で被害のあった、頭である。名を耕作といった。

この男、どういうわけか杢之助に惚れこんでしまった。
一家が浪人となったときも、わがことの様に喜び、
内職の相談に乗ったり、うるさいほど世話を焼きはじめたのである。

110 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 15:22:19.28 ID:wSoEPEYo

　　　　　　　　　　　　┌　　　　　　　　丶┐
　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　／　ヽ─────　　ヽ
　　　　　　　　　　／　／　/ヘ/ﾍ／ヘ　　∥丶
　　　　　　　　　──／　　／　　　　/∥　∥|　　　　
　　　　　　　　　　　　　ヽ　＝＝＝　　ソ　∥　|　　もっとも、内職の方は
　　　　　　　　　　　　　　>　゜─　　　》⌒　　∥　　常に不首尾に終わった。
　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　ｱ∂）∥　|　　　　　
　　　　　　　　　　　　＜丶　　　　　　　　＼∥　　　この男は戦闘以外の
　　　　　　　　　　　　　ヽ--─　　　　／／　　　　　能力も興味もなかった。
　　　　　　　　　　　　　　└┐　　;;;／／　／　⌒　　
　　　⌒　　　　　　　　　　　│　;;／／　／
　　(《（　゜）　　　　　　　　　/　／　　／
　　　)ﾐﾐ;;∩　　　　　　　　ヽノ
　　(《《つ∪　　　　　　　　　　│
　　　ﾐﾐﾐソ⌒┌┬────│

111 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 15:23:33.11 ID:wSoEPEYo

.:.:.:.:.:.;i.:.:.:.:.:.::;:;:;:;:.:.:.:.:.:.:.::,:,:,.:.:.:.:.:.;:;:;.:.:.:.:;:;::.:.:;:;:;::.:.:.:.::､;:.ヽ
.:.:.:.:.:.;:;l:.:.:.:.:.:.:;:;:;:l:.:.:.:.:.:.:.:/!:.:.:.:.:.:;:;:;i;:;:.:.:.:;:;:;:.:.:|､;:;:;:.:.:.:i;:;.:.:i
.:.:.:.:;:;:;l:.:.:.:.:.:;:;:;:;:l;:;:;:.:.:.:./ |;:;:;:.:.:.:.;:/|;:;:.:.:.ﾄ;:,:,.:.l ヽ;:;:;.:.:.|;:;.:.l
:.:.:.:;:;:;l:.:.:.:.:.:;:;:;:;:|;:;:;:.:.:./　|,:,:,:.:.:.:;/ .l;:;:.:.:.l |;:;.:l／};:;:;:;:;.:.トr+-‐‐､
:.:.:;.;:;:|:.:.:.:.:.:;:;:;:;:|;:;:;:.:./＼l,:,:.:.:.／　 j;:;:.:./ l:::/　 .l;:;:;:;:;:.| i::|　　　}
:.:.:;:;:;:|:.:.:.:.:.:;:;:;:;:l;:;:.:./＿.|,:`:x' 　　 /;:;:./ //.／ﾞ {:;:;:;:;:;:| l::!　　　|
:.:.:;:;:;:l:.:.:.:.:.:;:;:;:;:;l;:.:;ｲ::;:::j/(つTヾ /;:.／ / 〃　 |i:;:;:;:;:;l//　　/ l
.:.:.;:;:;／｀>､:;:;:;:;:|;:/i l:::::illii;:::::ﾘ　/／　 ' 　"　　 l.|;:;:;:;:;!/f=‐'ﾞ　/
:.:.／／,/lヽ;:;:;:;ﾚﾄ{ ヽっ::ノ:::{　　　　　　ゝ　　ﾉ.|:;:;:;/　.|　　 /
:.;:.ヽ'. >　＞ヽ;:;:ヽ　ヽ;;;;=''"　　　　_,,ィ　／_=!:;:;/　 .l　　/
＼;:;:,＼へ!　　ヽ;:;.｀､､　　　　　　l￣ヽｊ ,ｲ.!='' /;/ヽ､ /　〈_/i
　ヽ;:;:;.,＼　　　ヽ;::;:ヽﾐ'''ｰ- ,,,.＿`ｰ_'',/.//　 /:' 　）＾''､　｀ヾｆﾞ〉
　　ヽ;:;:,<¨ヽ､　　ヽｰ-≧ﾆェｪ‐-=,,＿ // 　 ' 　／/ i　｀''､ｰ-'
　　　）:;:;:;.ヽ　＼　 Y＾ヽ　　　￣'''ー--'　　　イ　/　ﾉ　　ヽ

さすがに直茂はその辺を見抜いていた。
米十石の処置がなかったら、この一家は十中十まで
腹をかき切って死に絶えるしかなかった筈である。

112 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 15:25:48.43 ID:wSoEPEYo

耕作一家は、逆にこの無能力に徹した男をひどく気に入ってしまった。

　,lヽ/ヽヘ
　　　　＜　　　　　ﾌ
　　　　　 / ﾉlﾉ^^ﾉハ
　　　　ヾc □ヮ□ﾉ　　「さすがはお侍だ。
　　　　　 (|~~ V~^lつ　　本物のお侍はこうじゃなくちゃいけない」
　　　　　　|　[ 　] |
　　　　　　 `Ｊ　Ｊ´

何が流石なのかは明らかではないが、耕作の考えはあながちまちがってるとはいえない。

113 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 15:29:38.29 ID:wSoEPEYo

　　　　　　　｀`''‐､｀`ヽ､.　　 ,.. -─;:-
　　　　　　　　　＿＼ ll　ヽ.r'　ll ／-─- ､.
.　　　　 ,. ‐''"´ll 　 lll｀`　lll ’ l　"　ll　 -=ﾆ.｀
.　　　 ∠ -‐ ; =-─　　 ll　　　 ll　　　 lll　＜`　　
　　　　 , ‐''´ lll　　 ll　　　 lll　　　 ll　　　 lll　ヽ
　　／ ll　_,.　　ll　　lll　　ll　　 ll　　　 lll　　 ll　i　　
　 , '.,. ‐',´'´ llｌ　　 ll　　ll　　,.ｲ　　 lll　　 ll　　 ll |　　　
　／　, ' ll ,ィ　. ll　,.ｲll.,.ｲll./::::ヽ.ll ﾄ､ ll 、　 lll 　 |
.　　 /ll.／!　,ｲ　./_:l /:::!./::::::::::ヽ. |_ヽ |ヽ llｌ　　ll |　　
　　/., ' . !ll /ｌ ll/:::::l/ヽl/::::::::,.‐''::ヽ!:::ヽ!::ヽ　ll 　 |　　　
　／　 ! / .ｌ /.l＝==｡=､::::::;;;:==｡==＝＝! r‐:､lll|　　　　
　　　　 l/　 |/　.l :`::ｰ-:/:::::::::::　ｰ-‐ '::´:::|l|r‐､!│
　　　　　　　 l :::::::/::::::::::::　　　　 :::::::::|.!ﾄ､ﾘ l|　　　　
　　　　　　　ｌ:::/::::::::::__-，　　 .::::::::::|Lンlｌﾄ、　　　
.　　　　　　　　　 l`"----------一::::／ヽｌ!　 |;;;ヽ.
　　　　　　　　　 ! 　＿＿_　..::::::::／; 　ヽ ll !;;;;;;;;ヽ.　　　　
　　　　　　　　　　　ヽ.　￣￣..:::::::／;;:　　　ヽ. |;;;;;;;;;;;;;l`;;ｰ-
　　　　　　 _,,. -‐''7ヽ......::::::::::／;;;:　　　　　ヽ!;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;　　
　　 _,,. -‐''";;;;;;;;;;;; /;;;;;ヽ:::::::／;;;::　　　　　 /;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;　　
　　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;`1;;;;::　　　　　　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;
　　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;| 　　　　　 , ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;

彼らは死人（しびと）である。
すでに死んでいるのだからこそ、平静に死を見つめて迎えることができる。
そうでなければ、戦闘のプロとは呼べない。

間違っては困る。
彼らの仕事とは、戦うことである。戦って死ぬことである。
死人に他のことができる道理がなかった。

また、だからこそ、武士には扶持という必要経費が与えられるのだ。

114 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 15:32:25.15 ID:wSoEPEYo

　　　　　　-､ｰ- ､
　　　_.　-─-ゝ　　Ｙ ⌒,.Ｚ.._
　　　 ,.＞　　　　　　　　　＜｀
　 ∠.._　　　　　　 ,　　　　　ヽ　　　　
.　　／　　　 ,　,ｨ ,ハﾄ、　　　 l
　 /イ / 　 /l/‐K　ゝlへﾄi　　|　　　　しかし、杢之助の一日は
　　ﾚ'ﾚf Y|＝=;=　　=;=＝|f＾!l　　　　毎朝、自分が死ぬことを想像し終わると
.　　　　 !6|| ｀￣ "||` ￣´ ||6|!　　　　やることがなくなってしまう。
　　　　ﾞyl、　　､|レ　　　|y'
　　　　 _,,ﾊ.ト.｀￣￣￣´ ,ｲ/＼_　　　　鉄砲も撃ちたかったが、弾丸や煙硝代が
　　￣:::;':::::ﾞ! ＼. ￣　／ |'::::::::|:::￣　　馬鹿にならない。
　　:::::::::l:::::::::l　　＼／　 !::::::::::|:::::::::　
　　::::::::l:／ヽ:ヽ__　　 __/:／＼:|::::::::
　　:::::::‘:::::::::::o:ヽ`　 ´/::::::::┌──┐
　　:::::::::::::::::::::::::::ヽー/::::::::::: l:::::::::::::::l

115 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 15:35:22.88 ID:wSoEPEYo

　　　　　＿＿＿_
　　　　／⌒　　⌒＼
　　　／（ ●）　（●）＼　　　そんな時、やる夫と出会う。
　／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼　ただの気まぐれで喧嘩の助太刀をしただけだったが、
　 |　　　　　|r┬-|　　　　　| 　それからずっと、杢之助にべったりだった。
　＼　　　 `ー'´ 　　／

116 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 15:37:37.84 ID:wSoEPEYo

　　　　＿＿＿
　　　／　　　　＼
　　　／　　　　　　＼　　元々寂しがり屋で人懐っこい男である。
　／　　⌒　　　⌒　　＼　浪人となって時間を持て余すと
　 |　 /// （__人__） /// 　|　毎日杢之助のところに顔を出した。
　＼　　　　　　　　／

117 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 15:39:19.54 ID:wSoEPEYo

118 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 15:40:32.78 ID:wSoEPEYo

　　　　＿______、
　　／´ 　　　 .`ゝ、　 ,y-―'''''^''^^"'''''ｰ-..,,、　　,,..---- ､,,
　 .! ,,,,,,,.. ――ｰv-''ﾞ´　　　　　　　　　　　　｀''''{,,,,,,,,,,_　　 .｀ｉ,
　　　　　　　　 ,i'ﾞ,ｒ'"￣＼　　　　　　　　　/ ﾞﾞﾞﾞﾞ''i＼　｀''''''''''′
　　　　　　　 ,i" ゛　　　　`　　　　　　゛　　　　"ﾞ|
　　　　　　　 !　　　 ●　　　　　　　　　　　　● 　　.! 　　　家に来たのはやる夫だけではない。
　　　　　 |、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l 　　　あの時あった犬もやる夫と一緒だった。
　　　　　　　 .ﾞr、　　　　　　 ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,、　　　　　 ./
　　　　　　 `ｰ､,,....、　　ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ　　　　／
　　　　　　　　 / 　 .￣´ﾞ"'''''''''''''''"￣￣￣.ﾞ┐　　　　　どういうわけかあの一件以来、
　　　　　　　　　│　　　.｀ﾞ'i　　　　　 .i'"　　　　 ! 　　　　　やる夫になついてしまい、、
　　　　　　　　　｀'-......ｒ'"″　　　　　.`'''''┬―″ 　　　　　やる夫が行くうしろには常に
　　　　　　　　　　 !　　　　　　　　　　│ 　　　　　　　　この犬の姿があった。　
　　　　　　　　　　 !　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　,ﾉ　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　 ,!　　...-―￢'''t┬― ､　　 !
　　　　　　　　ヽ　/ 　.lﾞﾞﾞ'-..┘,!　　　ヽ..┘
　　　　　　　　　 ´゛　　ﾞ'-,,,,,,／

119 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 15:42:12.76 ID:wSoEPEYo

かくして、やる夫と杢之助と一匹は
仲間となった。

爻　　 _,,-‐ｔ‐''⌒ﾊ、　　　　　　　_,,,　-‐''三]
ｋ;;:､　(,,　ﾒ μ ,,´｀, -―一''''""~　_,, -‐／::::＼　　　　　　　／
､,＼;;:: 人人ｷ,,　 /　--一'''"~￣　　,／:::::['i']::::＼へ、　　／
ﾆヾ＼ⅲⅲ Y,／　　　　　　　　　／ii[]:::[_,!_]::[];､＼　Yy,,..
-‐''`　 `.、:,:／　　　　　　　　　／ii;[ i ]~~[_!_]~[l];:ヽ＼＿
＿,,､＿,,,,／　　　　　　　　　,／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　>￣ヽ
ﾊﾊ从／-―====r-===三''　､-―――――――‐＜　木ﾎYyy
(⌒)ｲﾄ爻------(　tｲ-‐'´::::::::,＼＿＿,,,....､_＿＿,,,_____`」￥　Y
　T,::爻Ooﾄ[iiii]<,,. ､ｷ[]　 i::::::::::::::::[]::::::::::::::[]=======|爻爻三三
ー-　　''ー＾　二,,　ー---┴, -‐へ-O-ー-～～-―へ`~~　　　　]、
　　　　　　　　　━
　〓　　　　　　　　　　　━〓　　　ー　----　､---―

第２話　『米強盗』　了

120 ：1 [saga]：2009/03/29(日) 15:43:00.05 ID:wSoEPEYo

本編は以上になります。

今日の夜にでも、おまけを投下したいとおもいます。

121 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/29(日) 15:43:06.54 ID:v2MEjtoo

乙！凄い武士達だｗｗ

122 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/29(日) 15:43:16.12 ID:sHO5UhMo

乙乙！

123 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/29(日) 15:44:22.00 ID:s1Nf/92o

勝茂キョンのキャスティングに大笑いした。
これからが楽しみだ。
そして直茂がハルヒというのもまた良し。

続きを楽しみにしてます。

124 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/29(日) 15:45:47.18 ID:b4z81Cko

んー面白かった。今後が楽しみお疲れ様！

125 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/29(日) 15:46:04.29 ID:WhYSUJwo

乙

まあ原作読めばわかるがこれでもまだ奴らの行動としては大人しいほうだｗｗ

126 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/29(日) 17:14:01.42 ID:mv4L5X.o

あと、読み返して思ったこと。

初出の人物のAAの下に役名とキャラ名をつけた方がわかりやすいと思う。

鍋島勝茂（キョン：涼宮ハルヒの憂鬱）みたいに。

127 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/30(月) 20:58:41.69 ID:5FiNLHs0

乙。もしかしてやる夫は牛島萬右衛門?
大抵の隆作品は主人公の行動が無茶苦茶だが、
「死ぬことと～」はその中でも最狂の部類だからな。
敵もロクデナシが多いけど、それでも敵が気の毒になってくるぞ。

128 ：1 [saga]：2009/03/30(月) 23:18:58.14 ID:uile8pIo

みなさんこんばんは。
読んでいただいてありがとうございます。

>>126
たしかにＡＡキャラだけだと、誰が誰だかわからなくなりますよねｗ
人気があって他のスレでも常連キャラですし。
登場人物のまとめも、次からまとめていきたいと思います。

さて、自分の作品に対するスタンスなのですが、やりたいのは『葉隠』の読み解きなんです。
が、しかし、『葉隠』という作品は、非常に勧めにくい。

原文はあります。岩波文庫から『葉隠』上、中、下巻が販売されています。

ところが、これが旧漢字で書いてますので、とても気楽に読みきれるもんじゃない。
他にも、三島由紀夫『葉隠入門』がありますが、作者のイメージのせいで引かれてしまいそう。
だからこそ、『死ぬことと見つけたり』は『葉隠』を読み始めるのに最適な本だとおもっています。

今は隆先生におんぶにだっこの状態がつづいてますが、作品の中で少しずつ自分色を出していけたらなぁ。

あと、原文を読んでみたい方にお勧めの『葉隠』を紹介しておきます。

原本現代訳　葉隠（上･中･下）全3巻　ニュートンプレス社

129 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/30(月) 23:28:08.79 ID:htChQnAo

入門書とかHowToもので葉隠のホントの面白さって伝わらないんだよねー

斎藤ファミリーの逸話とか

130 ：1 [saga]：2009/03/30(月) 23:34:18.69 ID:uile8pIo

　　　　＿＿＿
　　　／　　　　＼
　　　／　　　　　　＼
　／　　⌒　　　⌒　　＼
　 |　 /// （__人__） /// 　|　　ニコニコ
　＼　　　　　　　　／

それと自分は登場人物の解説、なぜこの人物にＡＡをあてはめた、とか、
元ネタになった作品などをかいてみたいと思います。

まず、主人公のやる夫です。
ご存知の方はおわかりですが、『死ぬことと見つけたり』は斎藤杢之助を中心に話をすすんでいきます。
たしかに杢之助は読んでいて面白い。
けれど、やる夫を杢之助にあてはまるか、といったら、自分ではできないという答えを出しました。

だからこその牛島萬右衛門です。
原作のおおらかで、明るく、能天気なところ。お調子者で怒りっぽいところなんてやる夫らしいです。
萬右衛門も杢之助と同じくらいのいくさ人ではあったのですが、自分の作品ではだんだんと成長していくいくさ人が欲しかった。

それと、原作にはのってない『葉隠』のエピソードも、やる夫にはやって欲しいです。

131 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/30(月) 23:36:00.83 ID:yRjnvrUo

葉隠がどんな本で近代に入ってからどう扱われたかも、説明しておくといいかもしれない。

132 ：1 [saga]：2009/03/30(月) 23:45:26.94 ID:uile8pIo

>>127
というわけで萬右衛門ですｗ
ですが、自分の場合は原作とまるっきり同じ人物とはならないでしょう。
だから、猿をつれていたのを犬に変えてみました。猿飼ったことありませんしｗｗ

>>129
「武士道とは死ぬことと見付けたり」
これがあまりにも有名なので、気になる方が多いと思います。
ちょっと読んでみたい、それで入門書を手に取るパターンが大体だと思います。

が、やっぱり葉隠の中で一番輝いているのは、鍋島武士の武勇伝とか地元の英雄・豪談じゃないでしょうかｗ
自分が言うべきことじゃないかもしれませんが、常朝先生が語る部分は、説教くさいんですよね。
この堅苦しい本を隆慶一郎は、よくもエンターテイメントに昇華させたなぁ、と。

133 ：1 [saga]：2009/03/30(月) 23:52:31.70 ID:uile8pIo

>>131
そうですね。そのあたりの『葉隠』の解説は、阿部さんにお任せしようと思います。

ですが、このスレのルールで、皆さんの中でも『葉隠』にかんすることがありましたら、どしどし書いていって欲しいです。
自分は専門知識のない、好きでやっている社会人ですので。
訳とか知識とかが自身がない場合があります。

134 ：1 [saga]：2009/03/30(月) 23:53:36.31 ID:uile8pIo

次回は、

４月３日（金）　２１：００　ごろを予定しております。

よろしくお願いします。

135 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/30(月) 23:56:25.55 ID:UzcwK4wo

>>134
乙！未完部分の>>1オリジナル展開を楽しみに待ってるぜ！

136 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/30(月) 23:56:54.87 ID:htChQnAo

乙です
了解しましたー

って新歓…ブッチできないだろなぁ…

137 ：1 [saga]：2009/03/30(月) 23:57:11.67 ID:uile8pIo

忘れてた。
文中でかき忘れがありましたので、この場で訂正します。

母親も弟も暗くなり、嘆いた。
それをみた用之助は叱った。

武士の家に居るものが
たかが米くらいで泣くとは何事だ
　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿　＿ノ
　　 _＿＿＿ノヾ､L!「、〃ﾊ　　|/
三ミ/:::::: .　　､＿　 _ ,ヽ/ ﾘ　
― 〈:::::::: .　　 ―-二-‐　ヾ.
三ﾆヽ::::::￣｀ﾞヽ、　　　,-―i
Y¨ヽ=|::::::＝=｡=-,,, 　 ‐=｡=|
.| .ヒE|::::::｀ー-‐ '''　〈‐-‐ '|
.| l__F|:::::::｀ー-‐　　:::::＼ー|
.ヽ._F|::::::: .　　　　 r::_:::::＼!
ヽ=,Ｙ::::::: . ／ ,――――､´
ヾ､/＼:::::/　　￣￣二￣ ,'
　/,'　:::＼:::::: .　　￣　,'
　 '　　　:::＼::::::: .　　　 /

138 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/31(火) 01:29:24.47 ID:q786r0so

まとめから着ました
葉隠は名前は知ってるけど中身知らないから楽しみにしてるよー

139 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/03/31(火) 04:55:34.17 ID:m4gwr8wo

地元住民なので地名入れてもらえると嬉しいかもしんないｗｗｗｗｗｗ

140 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/02(木) 23:30:46.51 ID:aTvXHsw0

楽しみなスレがまた一つ増えた

141 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 19:22:16.02 ID:pCMQTo2o

みなさんこんばんは。

予定どうり、第三回を２１時に投下します。
新観の人もお花見の人もよってって～。

142 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/03(金) 19:42:41.56 ID:BEkkcW6o

待機ｗｗ

143 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/03(金) 20:50:54.67 ID:7Sw4E/Yo

葉隠武士どころか黒田武士になって新歓を途中「で抜けて来亜t俺が着ましたよと

144 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/03(金) 20:54:00.08 ID:gQnpQlQo

>>143
とりあえず酔いを醒ますんだｗｗ

145 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:00:35.31 ID:pCMQTo2o

では、今晩もよろしくお願いします。

146 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:01:16.51 ID:pCMQTo2o

第３話

佐賀藩には中野家という名門があった。
その中の何人かは年寄衆、加判家老などを輩出している。
もちろん、一族の数も多いので、できの悪いものやうだつの上がらないものも多い。

　　　　　　　 |
　　　　　　 ll
　　　　　　 !l
　 _　,,..._　　ﾄ{　　　　　　　　　　　　　 .,,___　､..,__,,.
"´::ヾ::ﾞﾞ;｀>''´￣｀ゝ､__　　　　　　　　　　｀:;､;;｀::ゞ:;ﾞ
::´;;::=::;;::ヾ芥芥芥l壬{　　　　　　 ,;''´;'::;; =､::;;ﾞ　 _,,....._
''´;;ヽ:::;ﾞ=<ﾞ二二二＼_,｢「ﾞﾆﾆﾆﾆﾆﾆ7´::;''::ﾞ!::､:_'^:ヾ';"::ﾞ;;ヽ::
､ゞ;;::''ﾞ::;;､::｀ﾞ;芥芥lｱ''´j | 　　　　ﾞ:;｀ヾ;;｀ﾞ:=::丶::;''::,;''ﾞ:::;:ﾞ
::｀':;;::''´::｀ﾞ''=;,テテﾃﾆ´＿＿＿＿＿__ﾞゞ､::ゞ:;;_｀丶::ﾞ':;;::='::;'
_ﾞ´::i::｀;;'"::ﾞ:_::ﾞ;,┴┴弌竺竺竺竺竺竺竺;''::;::;;:::'':;;::ゞ:;;'ﾞ::_::'
::｀j':!::ﾞ;;._::::;;::"ﾞヾ‐;;.. -'┴┴┴┴┴┴┴ゞ;;::"!ﾞ!;;::ヾ､l !'´::ﾞ;
'';;:: i⌒;;::`ﾞi:;ｰ:''´ﾞ;;===ｎ==ｎ===ｒn===ｎ=ﾞ;;::ヾ!:l::`:=::'ﾞ:i::''´;;
ゞ;l;;'ﾞ::''ﾞ;;..:ﾞi::;;.:ﾞ::;;' i i ｉ l丁丁!￣丁l￣丁｢ i:´:;''ﾞ:iヾ::ヾj;ilﾞ;;::;'::
::';;!:..;''::ヾ;;''";;)'´｢｢入｢j_辷j_辷ヒ|_辷ゴ_辷ゞ;;ゞ,:========､
Tﾞj''i"i´´ |ｌ|´ﾆニl:l幵;;￣￣/ﾌ三三三「ｌ￣;ﾞj::ﾞ}＿＿＿＿__{
｀ﾞ::''"":⌒ﾞ''=::"ﾞﾞヾﾞ''"ｱ７"二二二二二二l:|i{:｢ﾞl`TTﾆﾆTT´
厂厂厂厂厂厂厂「ｌ/ ｒ―――――――|jｌ{jｰ{';;|_L二」_|::

147 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:01:59.89 ID:pCMQTo2o

中野やらない夫は、そのうだつの上がらない方の一人だった。

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ●）（●）
.　|　　　　（__人__）　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　
.　 |　　　　　　　 }
.　ヽ　　　　　　 }
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　＼
　　　/　　　く　　＼　　　　　　　＼
　　　|　　　　＼　＼　　　　　　　＼
　　 |　　　　|ヽ、二⌒)､　　　　　　　＼
　　【中野やらない夫】

148 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:03:05.16 ID:pCMQTo2o

加判家老の父親が諸人の前で勝茂を非難して不興を買い、
のちの些細なことで切腹を命じられて、家禄を没収されてしまった。

　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　／　　　　　　　　＼　　
　　　　　　　／　　＼　　　／　　＼　
　　　　　　| 　　（ー）　　（ー）　　|
　　　　　　　　＼　　　　　´　　　　／
　　　　　　　　／　　　　⌒　　　　　＼
　　　　　　　　【加判家老　中野将監】

中野将監の死は、完全に誣告によるものだった。
本人が公の席で思いもよらぬことを云ったと訴えられ、一言の言い訳もせずに腹を切った。

149 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:04:40.57 ID:pCMQTo2o

申し開きをしなかったのは理由がある。
誣告（ぶこく）をしたのが殿様だったからだ。
正確には勝茂だった。

　 /　　／　 ..::/.::/　.:::::: /.::::::/.:::::!::::::..!.. l　　::ヽ｀ヽ
　i　　/　　 .::::::!::/l ..:::／/.:::／!:::::/l::::::::l:::::l:::....l　 !
　! 　 ! l　.:::::::/l/__l／　/／　ｌ:::/.:::!::::/!:::::!:::::::!::!:l
　ｌ　/l/l .::::::/　＿_ ｀ヽ、　　ｌ/ .::::l::/.:l:::/l:::::::!::!::!
　 V くｌ .:::/ 　 ¨ 疋ﾀ` ヽ､ノ　.::::::_j/　-―ｌ:::/.∧l
　　∨ｰ!::/　　　　｀¨　　　　／fr芹､:::／l/.:/
　　j/iヽl/　　　　　　　　　　 /.:::::┴'..:::/./　j/
.　　　ｌ::∧　　　　　　　 { ::::::::::::::/.:/
.　 __/V ::ヽ　　　　　　　　／..::::::::::/.:/
／i/　 ! ::::::ヽ　　　 _　　　　.:::::／ j/
.三l　:: ｌ　:::::::ヽ、　　　__‐-..::::／
.三 !.:::::.ヽ、:::::::::ヽ、　....:::::／
三ﾆｌ:::::::::::::＼::::::::::::::ｰ匕＼
　　　　　　【佐賀藩主　鍋島勝茂】

150 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:05:22.65 ID:pCMQTo2o

将監は生涯、勝茂相手に苦いことばかり言い続けてきた。
勝茂をもちあげること、耳ごこちのよいことなどはいったことがない。
耳の痛いことばかり、それも徹底的に、執拗に云い続けてきたのである。

　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　／　　　　　　　　＼　　
　　　　　　　／　　＼　　　／　　＼　
　　　　　　| 　　（●）　　（●）　　|
　　　　　　　　＼　　　　　´　　　　／
　　　　　　　　／　　　　⌒　　　　　＼

151 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:05:43.12 ID:pCMQTo2o

将監は、自分が勝茂に憎まれていることを知っていた。

　::::::::::::::/ |::::::::::::::::∧:::::::::::::∧::::::::::::::::::::::!::::::::::::|::|
　',::::::::::;′|:ﾊ:::::::::/　 '.:::::::::/　Ｖ:::::::::::::::::::|:::::|::::::|::|
　 ∨::::ｌ.　 |! |::::::/　　 '.::::; ′　∨::::::::::::::::|:::::l::::::Ⅳ
.　　∨:|　　　|:::/　　　 }; '_.．-'´ ∨:::::::::::/:::l::|::::::|
　　　∨　　 |/　 _.．-'´　　　　　 ',:::::::::/:::::ﾊ|::::::|
　　　　　　　,.． '＿＿＿＿＿__ 　 ' ::::/::::/::::|::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　'´　　　　　∪　　｀'　|::/:::::/|::::l::::′: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　　　　ー‐---一'　　 |/::::/　}:∧:|
　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　　　,′:/　/ﾘ　｀
　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; 　　　　ﾊ　,:::::/　/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　 ∪/:::/　 ′::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.　　　|　　　　　　　　　　　　　　/V／
　　　l|　　　　　　　　　　　　厂7
.　　　!　　　　　　　　　　　　　/∧|
　　　　　　　　　　　　　　　／:/

152 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:06:36.85 ID:pCMQTo2o

しかし、どんなに主君から鋭い眼光をつけられてもどこ吹く風だった。

　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　／⌒　ー､＼　　　
　　　　　　　／（ ●）　（●）＼　　「殿に愛される家老など無用なものです」
　　　　　　／::::::　　__´　_　:::::::　＼.
　ｃー､　 |　　　　　￣　　　　|⌒,一っ
　,へ　λ　＼　　　　　　　　／　入　へ、
<<<／ヽ　　　　　　　　　　　　　　/＼>>>

それが持論であり、誇りとしているようだった。

153 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:07:06.87 ID:pCMQTo2o

まだ少年だったやらない夫は納得がいかない。

　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　|:::::: 　　　　　｜　　
　　　　　.　|:::::::::::　　　　　｜
　　　　　　 |::::::::::::::　　　　｜　　　　　　　　　　....,:::´,　.
　　　　　.　 |::::::::::::::　　　　} 　　　　　　　　　....:::,,　　..
　　　　　.　ヽ:::::::::::::: 　　 } 　　　　　　　,）:::::::ノ　.
　　　　　　　ヽ::::::::::　　ノ　　　　　　　　（:::::ソ:　.
　　　　　　　　/:::::::::::: く　　　　　　　　,ふ´..
-―――――|:::::::::::::::: ＼ -―,――ノ::ノ――
　　　　　　　 |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´

父はどうして云っていないことで罪に問われなければならないのか？
殿様は嘘を言って父をおとしめているのは明らかだった。
いや、そもそも、どうしてそこまで殿様に憎まれなければならなかったのか？

154 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:09:37.88 ID:pCMQTo2o

中野将監詰腹の日――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (二二二ﾆ/二二ﾆ/二｜二二ヽ二ヽ二ニニ)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //＿/__//＿/__//＿/| |ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//＿/__//＿/__//＿/_| |__ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //＿/__//＿/__//＿/__| |＿ヽ＿ヽヽ＿_ヽヽ＿ヽヽ
　　　二二二ﾆ/二二ﾆ/二二二//＿/__//＿/__//＿/＿| |＿_ヽ＿ヽヽ＿_ヽヽ＿ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二
　　 //＿/__//＿/__//＿/__///＿/＿//＿/__//＿/＿ | |＿_＿ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　//＿/__//＿/__//＿/__//○====○====○======.○=====○===○===○===○ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　 //＿/__//＿/__//＿/__//＿|　　　|┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|＿＿|＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　○====○====○====○===.|　　　|││││││││││││││││||　　.||===○===○===○===○
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|││││││││││││││││|| 奉 ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴|| 行 ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|| 所.||
　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|　　　|││││││││││││││││|| 　 .||＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　＼／＼／＼／＼／＼／＼|　　　|││││││││││││││││||　　.||＼／＼／＼／＼／＼／
　　／＼／＼／＼／＼／＼／|　　　|││││││││││││││││|￣￣|／＼／＼／＼／＼／＼
　　"""￣￣￣'''''''''''''''"""""￣"""￣￣''''''''''"""""""""""""""""""""""""""￣￣'''''''''""""￣￣￣￣"""""

155 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:10:32.42 ID:pCMQTo2o

切腹の判刻前に、最後に父と会った。
すでに白装束だった。

　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　／　　　　　　　　＼　　
　　　　　　　／　　⌒　　　⌒　　＼　
　　　　　　| 　　（ー）　　（ー）　　|
　　　　　　　　＼　　　　　´　　　　／
　　　　　＿＿＿＼　　　⌒　　　／＿＿＿＿
　　　　　＼　　　＼ヽ＿＿＿＿ノ　／　　　／
　　　　　　＼　　　.＼　　　　　　.／　　　／
　　　　　　　　＼　　　＼　　　／　　　／

　　　　　／￣￣＼
　　　　／　ノ　ヽ＼
　　　　|　（ ●）（●）|
　　　　|　　（__人__） |　　　おそらく少年の眼は、
　　　　| 　　｀ ⌒´　|　　　今回のことで怒りに燃え、
　　　　 |　　　　　　　|　　　　やるせなさに憤慨していたと思う。
　　　　　ヽ　　　　/
　　　　 _,,ゝ　　　 (,_　　　　
　　　/´　 `ー-一´｀ヽ
　　 /　　､　　　　　 ,　|
　　/ 　ﾉ　　　　 |　 l
　（　y'l　　　　　　 l_　|

156 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:11:32.02 ID:pCMQTo2o

　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　／　　　　　　　　＼　　
　　　　　　　／　　＼　　　／　　＼　「お前は間違っている。
　　　　　　| 　　（●）　　（●）　　|　　そんな眼をしてはいけない」
　　　　　　　　＼　　　　　´　　　　／
　　　　　＿＿＿＼　　　⌒　　　／＿＿＿＿
　　　　　＼　　　＼ヽ＿＿＿＿ノ　／　　　／
　　　　　　＼　　　.＼　　　　　　.／　　　／
　　　　　　　＼　　　　＼　　　／　　／

　　　　　／￣￣＼
　　　　／　　　 _ノ　＼
　　　　|　　　（ ●）（●）　　
　　　｜　　　　（__人__）　　
　　　 |　　　　　|r┬| .}　　　
　　　 | 　u　　　 |　| | }　　　　
　　 ,..-'ヽ　　　　｀ﾆﾆ }　　　「どうしてです？
　 ./::"::::`ヽ､.,＿＿ __ノﾞ　　　こんなの、納得がいきませんよ。常識的に考えて」
　/::i::::::::::::"'弋'!ｰ',イ>|'_ノ´｀ｰ -,,＿ _
　}:::ﾞ|::::::::::::::::::::~ﾞ:_戈;f"　、　　　ｲ/ `i
/:::::::!;:::::::::::::::::::/',r.ﾃ　　　＼xｰ.ｫ､__ノ
::::::::::::ヾ!:::::::::::::l .l r'　　 `　､_冫y"
:::::::::::::::::＼o:::::l .ﾄ、　ヽ,＿ﾉ"ｰ'
:::::::::::::::::{::::{＼代 l>ｰ､,_ノ

最後といわんばかりに、自分の中の憤懣を父にぶつけた。

157 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:12:14.01 ID:pCMQTo2o

父は残念そうに云った。
　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　／　　　　　　　　＼　　
　　　　　　　／　　＼　　　／　　＼　「お前は父が汚辱にまみれ、恥に包まれて、
　　　　　　| 　　（ー）　　（ー）　　|　　無念のうちに死んでいくと思っているのだろう？
　　　　　　　　＼　　　　　´　　　　／　　それがそもそも間違っている」
　　　　　＿＿＿＼　　　⌒　　　／＿＿＿
　　　　　＼　　　＼ヽ＿＿＿＿ノ／　　　／
　　　　　　　＼　　.＼　　　　　.／　　／
　　　　　　　　　＼　　＼　　／　　／

158 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:12:56.17 ID:pCMQTo2o

　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　／　　　　　　　　＼　　「父は誇らかに、栄光に包まれて、
　　　　　　　／　　＼　　　／　　＼　心楽しく腹を切るのだ」
　　　　　　| 　　（●）　　（●）　　|
　　　　　　　　＼　　　　　´　　　　／
　　　　　＿＿＿＼　　￣￣　　　／＿＿＿
　　　　　＼　　　＼ヽ＿＿＿＿ノ　／　　／
　　　　　　　＼　　.＼　　　　　　.／　／
　　　　　　　　　＼　　＼　　　／　／

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ○）（○）
.　|　　　　（__人__）
　 |　　　　　(　　　　　　
.　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　ヽ　　　　　　 }
　　ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　く　　　

159 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:13:47.04 ID:pCMQTo2o

　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　／　　　　　　　　＼　　
　　　　　　　／　　⌒　　　⌒　　＼　「誣告されるほど殿から憎まれるとは
　　　　　　| 　　（⌒）　（⌒）　　|　　正しく武士の本懐だ。私は運がいい。
　　　　　　　　＼　　　　__´___　　　／　　武士たることを全うして死ねるのだから」
　　　　　＿＿＿＼　　　`ー'´ 　／＿＿＿
　　　　　＼　　　＼ヽ＿＿＿＿ノ　／　　／
　　　　　　　＼　　.＼　　　　　　.／　　／
　　　　　　　　＼　　＼　　　／　　／

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ●）（●）
.　|　　　　（__人__）　　「そんなの、負け惜しみでしょう。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　なにが誇らかにだ。
.　 |　　　　　　　 } 　　　栄光に包まれた男が詰腹を切らされるなんて…」
.　ヽ　　　　　　 }
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　＼
　　　/　　　く　　＼　　　　　　　＼

160 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:14:38.43 ID:pCMQTo2o

やらない夫の言葉をさえぎるように父は云う。
　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　／　　　　　　　　＼　　　　　「お前は武士の本分は何だというのだ？」
　　　　　　　／　　＼　　　／　　＼　
　　　　　　| 　　（●）　　（●）　　|　　　　「は？戦って死ぬことだろ、常識（ｒｙ）」
　　　　　　　　＼　　　　　´　　　　／
　　　　　＿＿＿＼　　￣￣　　　／＿＿＿「それでは返事にならん。具体的にいえ」
　　　　　＼　　　＼ヽ＿＿＿＿ノ　／　　／
　　　　　　　＼　　.＼　　　　　　.／　／
　　　　　　　　　＼　　＼　　　／　／

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ●）（●）
.　|　　　　（__人__）
　 |　　　　　(　　　　　　「合戦で死ぬことです！」
.　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　ヽ　　　　　　 }
　　ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　く　　　

161 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:15:40.03 ID:pCMQTo2o

　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　／　　　　　　　　＼　　
　　　　　　　／　＼　　／　　　　　＼　「可哀そうに。お前は終生満足できないだろう。、
　　　　　　| （ー）　　（ー）　　　　　|　　何故なら、この先合戦なんぞ起りはしないからだ。
　　　　　　　　＼　　　´　　　　　　／　　合戦がなかったら、お前はどうするんだね？」
　　　　　＿＿＿＼　⌒　　　　　／＿＿＿
　　　　　＼　　　＼ヽ＿＿＿＿ノ／　　　／
　　　　　　　＼　　.＼　　　　　.／　　／
　　　　　　　　　＼　　＼　　／　　／

　　　／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　（ ●）（ー）　　
.　　|　　　　（__人__）　　　やらない夫は答えにつまり、父をにらんだ。
　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　.ｌ^l^lｎ　　　　　}　　　「いいか、武士の本分とは……」
.　　ヽ　 L　　　　}
　　　ゝ　ﾉ　　　ノ
　　／　/　　　＼
　／　 /　　　　　＼
/　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､
　ヽ＿＿ﾉ

162 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:17:49.52 ID:pCMQTo2o

父は奇妙にもどこか楽しそうだった。
　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　／　　　　　　　　＼　　
　　　　　　　／　　＼　　　／　　＼　「武士の本分とは、
　　　　　　| 　　（●）　　（●）　　|　　殿に意見を申し上げて死を賜ることだ」
　　　　　　　　＼　　　　　´　　　　／
　　　　　＿＿＿＼　　ー―　　／＿＿＿
　　　　　＼　　　＼ヽ＿＿＿＿ノ　／　／
　　　　　　＼　　　.＼　　　　　　.／　／
　　　　　　　＼　　　＼　　　／　／

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ○）（○）
.　|　　　　（__人__）
　 |　　　　　(　　　　　　「そんな馬鹿な……」
.　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　ヽ　　　　　　 }
　　ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　く　　　

163 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:18:59.01 ID:pCMQTo2o

＿＿＿＿＿＿
|　　　　　　　　.|　　　　　　　　　殿に意見を述べることができるのは
|　　殿　様　　.|　　　　　　　　　普通の武士にはできることではないからだ。
|＿＿＿＿＿＿|

　　　↑　直接意見
＿＿＿＿＿＿
|　　　　　　　　.|　　　　　　　　　意見するには意見のできる立場に居なければならない。
|　加判家老　　|
|＿＿＿＿＿＿|

　　　↑　意見・出世
＿＿＿＿＿＿
|　　　　　　　　.|　　　　　　　　　藩の中でもほんの一握りの武士にしか許された特権だった。
|　仕置家老　　|
|＿＿＿＿＿＿|

　　　↑　意見･出世
＿＿＿＿＿＿
|　　　　　　　　.|　
|　　年寄衆　　.|　　　　　　　　　そんなものが本分だとすると、
|＿＿＿＿＿＿|　　　　　　　　　大抵の武士は本分を果たしていないことになる。

　　　↑　意見･出世
＿＿＿＿＿＿
|　　　　　　　　.|
|　　近　　習　 .|
|＿＿＿＿＿＿|

164 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:20:04.48 ID:pCMQTo2o

　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　／　　　　　　　　＼　　　　　
　　　　　　　／　　＼　　　／　　＼　
　　　　　　| 　　（●）　　（●）　　|　　　「そのとおりだ。
　　　　　　　　＼　　　　　´　　　　／　　　　だからこそ武士はその地位に上がるために
　　　　　＿＿＿＼　　￣￣　　　／＿＿＿全力を尽くして励まなければならぬ」
　　　　　＼　　　＼ヽ＿＿＿＿ノ　／　　／
　　　　　　　＼　　.＼　　　　　　.／　／
　　　　　　　　　＼　　＼　　　／　／

　　　／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　（ー）（ー）　　
.　　|　　　　（__人__）　「そんな、出世のためだなんて。みっともない」
　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　.ｌ^l^lｎ　　　　　}
.　　ヽ　 L　　　　}
　　　ゝ　ﾉ　　　ノ
　　／　/　　　＼
　／　 /　　　　　＼
/　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､
　ヽ＿＿ﾉ

165 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:21:10.16 ID:pCMQTo2o

　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　／　　　　　　　　＼　　
　　　　　　　／　　＼　　　／　　＼　　　　「それは自分の欲のためなら、確かにそのとおりだ。
　　　　　　| 　　（ー）　　（ー）　　|　　　　　だが私の云うのは違う。
　　　　　　　　＼　　　　　´　　　　／　　　　　　
　　　　　＿＿＿＼　　　⌒　　　／＿＿＿
　　　　　＼　　　＼ヽ＿＿＿＿ノ／　　　／　　武士の本分のため、何事にも耐え、悪口さげすみを忍び
　　　　　　　＼　　.＼　　　　　.／　　／　　　　上役にとりいり、死にたくなるような恥辱に耐えねばならん。
　　　　　　　　　＼　　＼　　／　　／　　　　　　そして、その地位をつかめというのだ」

　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　／　　　　　　　　＼　　　　　「みっともない、なんて云ってる奴ほど、
　　　　　　　／　　＼　　　／　　＼　　　　私のために楽をしているではないか。
　　　　　　| 　　（●）　　（●）　　|　　　
　　　　　　　　＼　　　　　´　　　　／　　　　自分が苦労するのが嫌だから、
　　　　　＿＿＿＼　　　 ⌒　　　／＿＿＿　そんなことを云ってるだけだ」
　　　　　＼　　　＼ヽ＿＿＿＿ノ　／　　／
　　　　　　　＼　　.＼　　　　　　.／　／
　　　　　　　　　＼　　＼　　　／　／

166 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:22:08.54 ID:pCMQTo2o

　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　／　　　　　　　　＼　　
　　　　　　　／　　＼　　　／　　＼　　　「私は立身出世のことばかり考えてきた。
　　　　　　| 　　（●）　　（●）　　|　　　　気の遠くなるような、長い、つらい道のりだった。
　　　　　　　　＼　　　　　´　　　　／　　　　だが、見ろ。私は今日、自分の本望がかなう」
　　　　　＿＿＿＼　　ー―　　／＿＿＿
　　　　　＼　　　＼ヽ＿＿＿＿ノ　／　　／
　　　　　　　＼　　.＼　　　　　　.／　　／
　　　　　　　　　＼　　＼　　　／　／

　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　／　　　　　　　　＼　　　　　
　　　　　　　／　　⌒　　　⌒　　　＼　　　「私は天下のしあわせ者だよ！」
　　　　　　| 　　（●）　　（●）　　　|　　　
　　　　　　　　＼　（ﾄｪｪｪｪ´ｪｪｪｲ）　／　　　ｱﾊﾊ八八ﾉヽﾉヽﾉヽﾉ＼ / ＼/ ＼
　　　　　＿＿＿＼　＼ェｪｪｪェ／／＿＿＿
　　　　　＼　　　＼ヽ＿＿＿＿ノ　／　　／
　　　　　　　＼　　.＼　　　　　　.／　／
　　　　　　　　　＼　　＼　　　／　／

そうして父は、顔をあおのけて、大いに笑った。
しんからしあわせそうな笑いだった……。

167 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:23:14.73 ID:pCMQTo2o

　　　　　,,　- ―-　、
　　,. '" _,,. -…;　　　ヽ　　　　　　　　　（聞書１の１４）
　 (i'"（(´　 __ 〈　　　　} 　　　　　　　　　『人に意見をして欠点を直そうとするのは
　　|__　r=_ﾆﾆ`ヽｆﾊ　　}　　　　　　　　　　大事なことであり、慈悲の心でもある。
　　ヾ|! 　 ┴’　　}|ﾄi　 }　　　　　　　　　　奉公するには一番必要なものだ。
　　 |! ,,_　　　　　｛'　 }　　　　　　　　　
　　　「´ｒ__ｧ　　　./　彡ﾊ､　　　　　　　　だが、意見の仕方は色々と考えなければならない。
　　　ヽ　‐'　　／　　　"'ヽ　　　　　　　傍から見ていて、人の善悪をみつけることは容易だ。
　　　　ヽ__,.. ' ／　　　　　ヽ　　　　　　それを注意してやるのも簡単だ。
　　　　／⌒` ￣ `　　　　ヽ＼_ 　　　　
　　　 /　　　　　　　　　　　i ヽ　＼　　　大抵は人の嫌がることをあえて言ってやることが
　　　,'　　　　　　　　　　 }　 i　　ヽ　　親切だ、って思っている。
　　 {　　　　　　　　　　　ｊ　 l 　　 } 　　それで受け入れられないのは、
　　　i　　　ヽ　　　　ｊ　　ノ　　 | 　 } l 　　自分の言い方が悪かったんだってね』
　　　ﾄ､　　　 }　　　/　　/　　　l　　| .|
　　　!　ヽ　　　　　 |　ノ　　　 j　　'　|
　　　{　|　　　　　}　|　　　　　 l　　　 |
　　　ヽ |　　　　 i　 |　＼　　 l　　 /|
　　　　{ |　　　 l 　 |　　　　　|　　 / |
　　　　l　!　　　　 | 　　　 l　　/　|

168 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/03(金) 21:23:32.75 ID:gQnpQlQo

幸せそうと言うか怖いｗｗ

169 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:24:23.45 ID:pCMQTo2o

　　　　　　　　　,r'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::.:.:.:ヽ
　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀､　　　　『だが、それは間違いだ。
　　　　　　　 /::::,r'ﾞｧｰ-ー'ｱ"ﾘijk´￣｀`""´｀`i::::::::i　　　　　ただ人に恥をかかせて、悪口を言ったのと同じだ。
　　　　　　　,!::::::!　　　　　　 ,!ﾄゝ､　　　　　 l:::::::|　　　　自分の腹ン中をぶちまけて、
　　　　　　　|::::::!　　　　　　 ,!ヾ､,,_　　　　　　ﾞi:::::!　　　　スッキリしたのと一緒なんだぜ。
　　　　　　　|::,::l　,ィﾆﾆﾆ二r'´　　ゞ二ﾆﾆﾆゝ､ ,!:::j
　　　　　　 ,rゝ;l. ´ ,ｨ＝≡'´ﾚ　　 '｀ヾ＝=-､　 .! !^i　　　　そもそも意見とは、
　　　　　　.i r､i;i　　　　　 ' ´:;　　　｀ ` 　　　ﾘｲ^!　　　　相手が受け入れるか、受け入れないかを見極め、
　　　　　　 | ソii　　　　　　 j 　　　　　　　l!ヽ l　　　　相手と親しくなり信用されなければならない。
　　　　　　 i ,!( ,!　　　　　　｀ゝt''´ 　　　　　|　j!,!
　　　　　　｀､. `i 　　　　_,,＿ __　　　　　　,!ﾚ'/　　　　まず相手の好きな趣味とかで気を引いて、
　　　　　　　　＼! 　　　ィ-‐ーー-ゝ　　　　,!,ｲ　　　　　たとえば、自分の失敗談などから
　　　　　　　　　 i､　　　　　ー一　　　　/ i/　　　　　相手に思い当たることがあるように
　　　　　　　　　 |｀､　　　　　　　　　　/　 'i　　　　　気づいてもらうのがいい』
　　　　　　　　　 |　＼　　　　 ;　　　　,ｲ　　 |　　　　　　　　
　　　　　　　　　 |　　　＼＿__,＿＿, ィ´/　　　|
　　　　　　　　_,!　　　　　　　　　　 /　　　l､_
　　　 ,,､-‐ ''"´　i　　;　　　　　　　　　　　　　!　!　￣｀`''ｰ- ､

170 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:25:24.07 ID:pCMQTo2o

　　　　　　　　　　　　_　　-───-　　 _
　　　　　　　 , 　'´　　　　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　『あるいは、まずイイところを褒めてあげ、
　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　気分を害さないように気を配る。
　　　　　　/　__, ィ_,-ｧ__,,　,,､　　, ､,,__ -ｧ-=彡ﾍ　ヽ　　　　
　　　　　 '　「　　　　　　´　{ハi′　　　　　　 }　 l　　　　ちょうど喉が渇いたときに水が飲みたくなるように
　　　　　 |　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |　　　　気持ちを導いて、少しずつ直すのが意見だ。
　　　　 |　 !　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |　　　　
　　　　　 | │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　 !　　　　しかし、身にしみた悪癖はなかなか直らない。
　　　　　 |　|/ノ二__‐──ｧ　　ヽﾆニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ　　これはオレにも身に覚えがある。
　　　　 /⌒!|　 =彳ｏ｡ﾄ￣ヽ　　　　　'´ !o_ｼ｀ヾ　| i/ ヽ !　　
　　　　 ! ハ!|　　ー─　'　　i　　!　　 `' 　 '' " 　 ||ヽ　l |　　だからこそ、親しい間柄となり、
　　　　| | /ヽ!　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　 |ヽ i　! 　　お互いを注意し合えるようになってこそ、
　　　　ヽ { 　|　　　　　　 !　　　　　　　　　　　|ﾉ　 / 　　　本当の奉公の慈悲というものだ。
　　　　　ヽ　 |　　　　　　　 _ 　 ,､　　　　　　 !　, ′
　　　　　　＼ !　　　　　 '-ﾞ　‐ ﾞ　　　　　　　　レ' 　　　　　それをただ恥を与えては、
　　　　　　　｀!　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　　　　　　いったい何で相手は直そうとおもうか』
　　　　　　　　ヽ　　　　　ﾞ　￣　￣｀　　　　 / |
　　　　　　 |＼　　　　ー ─‐ 　　　 , ′ !
　　　　　　　 |　＼　　　　　　　　　／　　 |
　　　　　　_ -‐┤ ﾞ､　＼　　　　　／　 ! l　 |`ｰr─-　 _
　_　-‐ '"　　 / |　ﾞ､　　ヽ　＿___　 '´　　 '│　 !　 |　　　　　ﾞ''‐-　､,_

171 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:26:22.41 ID:pCMQTo2o

やらない夫の家が没落すると、今まで付き合いのあった人間は、
手のひらを返したように近づかなくなっていった。

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ●）（●）
.　|　　　　（__人__）　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　
.　 |　　　　　　　 }
.　ヽ　　　　　　 }
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　＼
　　　/　　　く　　＼　　　　　　　＼
　　　|　　　　＼　＼　　　　　　　＼
　　 |　　　　|ヽ、二⌒)､　　　　　　　＼

172 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:27:06.14 ID:pCMQTo2o

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ー）（ー）
.　|　　　　（__人__）　　「ま、そんなもんだろ。常識的に考えて」
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　
.　 |　　　　　　　 }
.　ヽ　　　　　　 }
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　＼
　　　/　　　く　　＼　　　　　　　＼
　　　|　　　　＼　＼　　　　　　　＼
　　 |　　　　|ヽ、二⌒)､　　　　　　　＼

しかし……

173 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:27:32.73 ID:pCMQTo2o

　　　　　　　　＿|￣|＿|￣|　 |￣|_|￣|＿_|￣|_|￣| 　 |￣|_|￣|＿|￣|
　　　　　　　　|＿　＿||　 |￣　　 |　 |　　　　 |　 |￣　　　|　 |　　　￣|
　　　　　　　　ｒ┘└へ|　 |二ｺ ┌'| 　|二ｺ ┌|　 |二ｺ ┌'|　 |二ｺ ┌┘
　　　　　　　〈〈]　ﾟ,、〈|　 |　o　ヽ|　｜ o　ヽ|　 |　o　ヽ|　 |　o　└「￣＼
　　　　　　　　ヽ-ﾍ_>ﾉ_ﾉ|＿|､＿ハ/|＿|､＿八ﾉ|＿|､＿ハ/|＿|､＿ハ/｀⊇.ノ

　　　　　　　　　　　　　／￣￣^ヽ　
　　　　　　　　　　　　l　　　　　　l　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　＿　 ,--､l　　　　　ﾉ .　　　　／_ノ　ヽ､_＼
　　 ,--､_ノ::　`ｰ'::　　､ﾐｰ---‐,,l 　　　　oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo　　　　ﾌﾟｷﾞｬｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ
　 ,/　　　:::　　　　　　 i￣￣　 |　.　／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼　　
/　　　　　　　　l::: 　　l:::　　　ll　　 |　　　　　|r┬-|　　　　　| 　　　(⌒)
l　　　l . 　 l　　　!::　　 |:::　　　l 　　|　　　　　|　|　 |　　　　　|　　　ﾉ ~.ﾚ-r┐､
|　　　l　　　l　　　 |::　　 l:　　　l .　 |　　　　　|　|　 |　　　　　|　　ノ__　 |　.|　|　|
|　　　l　. 　 }　　　l:::::,r-----　　ｌ.　＼　　　 `ー'´ 　　 .／〈￣　　｀-Lλ_ﾚﾚ
ヽ　　:l:::: 　ﾄ:;;;;;;;;;/-/＿_........... 　/ 　　　　　　　　　　　　　　　　　￣｀ー‐---‐‐´

174 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:28:14.54 ID:pCMQTo2o

　　／￣￣＼　　　　　　　　　　　＿＿＿
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　／⌒　　⌒＼
　|　　　（ ●）（●）　プニ　（● ）　（● ）＼　　やらない夫！
.　|　　　　（__人_(ニ~`ヽ、／:::⌒（__人__）⌒:::::　＼　　おまえもかお♪
　 |　　　　　｀ ⌒´(((_⊂>ヽ|　　　　 |r┬-|　　　　　|
.　 |　　　　　　　 }　　　＼＼　　　`ー'´ 　　　／
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　ゝ-|　　　　　　　　　　ヽ
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　＼　　　　　　　　ヽ　＼
　　　/　　　く　　＼　　　　　　　＼
　　　|　　　　＼　＼　　　　　　　＼
　　 |　　　　|ヽ、二⌒)､　　　　　　　＼

175 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:29:06.69 ID:pCMQTo2o

　　　　　／￣￣＼
　　　　／ﾉ(　_ノ　　＼
　　　　|　⌒(（ ●）（●）
　　　　.|　　　　（__人__）　/⌒l
　　　　|　　　　　｀ ⌒´ﾉ　|`'''|　
　　　　／ ⌒ヽ　　　　 }　 |　 |　　　　　　　　　　　　＿＿＿_　　　　ぐぇあ
　　／　へ　　＼　　 }__/　/　　　　　　　　　　　／─　　―＼　　
　／　／　|　　　　　ノ　ノ　　　　　　　　　　／●））　　（（●＼ . ’,　･
( _ ノ　　　 |　　　　　＼´　　　　　　＿　　／　　　（__人__）’,∴＼ ,　 ’　
　　　　　　|　　　　　　　＼＿,, -‐ ''"　￣￣ﾞ''―---└'´￣｀ヽ/　　>　て　
　　　　　　 .|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿ノ　／　（
　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　＿,, -‐ ''"￣ヽ､￣　`ー'´　／　ｒ'"￣
　　　　　　　　＼　　　　　　　, '´　　　　　　　　　 /　　　　　 .|　
　　　　　　　　　　＼　　　　　(　　　　　　　　　　 /　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　＼　　　　＼　　　　　　　　/　　　　　　　　|

この男は別だった。

176 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:29:45.64 ID:pCMQTo2o

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.へ
　　___ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾑ　　i
　「ﾋ_i〉　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ　〈
　ﾄ　ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iニ(()
　i 　{ 　　　　　　　　　　　＿＿＿_ 　　　　　　　　　| 　ヽ
　i　　i　　　　　　　　　　／__,　 , ‐-＼　　　　　　i 　　}
　|　　 i　　　　　　　　／（●) 　 ( ● )＼　　　　　　 {､　 λ
　ト－┤.　　　　　　／　　（__人__）　　　＼　　　 ,ノ　￣ ,!
　i　　　ゝ､_ 　　　　|　　　　　´￣` 　　　　　|　,. '´ﾊ　　　,!
.　ヽ、　　　｀`　､,__＼　　　　　　　　　／"　＼　ヽ／
　　　＼ノ　ﾉ　　　ﾊ￣r/:::r―--―/::７　　ﾉ　　　　／
　　　　ヽ.　　　　　　ヽ::〈； . '::. :' |::/　　 /　　　,. "
　　　　　　　 `ｰ､　　　　＼ヽ::. ;::：|/　　　　　ｒ'"
　　　　　／￣二二二二二二二二二二二二二二二二ヽ
　　　　　| 答 |　　　　　同　類　ゲ　ッ　ト　　　　　　　│|
　　　　　＼＿二二二二二二二二二二二二二二二二ノ

177 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:30:31.94 ID:pCMQTo2o

　　　／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　（ー）（ー）　　やらない夫としては、家が没落したのは不満があるし、
.　　|　　　　（__人__）　　状況もよくない。
　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　.ｌ^l^lｎ　　　　　}　　　とはいえ、なにもかも失っても、側にいてくれる人が居る。
.　　ヽ　 L　　　　}　　　このことがわかると、なんとも云いがたい気持ちになるのだった。
　　　ゝ　ﾉ　　　ノ
　　／　/　　　＼
　／　 /　　　　　＼
　/　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､
　ヽ＿＿ﾉ

178 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:31:28.54 ID:pCMQTo2o

　　＼　　／　　　　　　　　　　　　　　　＼　　／
　　　　Ｘ　　／￣￣￣＼　　　　　　　　　Ｘ
　　／ ∩ ／ _ノ　　ヽ､　＼　　　　　　／ ∩
／　（ ⊂) |　（ ●）（● ）　|　　　　　／　（ ⊂)　　　　＿＿＿_
　　　 |　|.｜　（__人__）　　|　　　　　　　　|　|.　　　／⌒　　⌒＼　　　　　「さ、今日はめでたい日だお」
　　　ﾄニｨ'|　　　｀⌒´　　　|　　　　　　　　ﾄニｨ' 　／( ●）　(● ）＼　　　　　
　　　 |　　 |　　　　　　　　} 　　　　　　　 |　　／ :::⌒（__人__）⌒::::: ＼　　　「オレには厄日だろ」
　　　＼　ヽ　　　　　　　} 　　　　　　　＼　| 　　　　|r┬-|　　　　　 |　　　　
　　　　　＼　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　＼＼＿　　`ー'´　　＿／　　　
　　　　　　　ン　ゝ　''''''/＞ー､_ 　　　　　　　　　ン　ゝ　''''''/＞ー､_
　　　　　　　/　イ（　／　　/　　＼　　　　　　　/　イ（　／　　/　　＼　　　　
　　　　　　 /　　| Ｙ　 |　　/　入　　＼　　　　　/　　| Ｙ　 |　　/　入　　＼　　　
　　　　　　（　　 | ：､　|　 /　/　ヽ、　l　　　　（　　 | ：､　|　 /　/　ヽ、　l　　　
　　　　　　　j　　| ：　 | /　ｨ　　　 |　 |　　　　　 j　　| ：　 | /　ｨ　　　 |　 |
　　　　　　くV　ヽﾍ_　ヽ　　＼　　仁」　　　　　くV　ヽﾍ_　ヽ　　＼　　仁」
　　　　　　　　ー　〕　　　＼　〉（⌒ノ　　　　　　　ー　〕　　　＼　〉（⌒ノ

やらない夫は、この男の終生の友となることを誓った。

179 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:32:33.47 ID:pCMQTo2o

　　　　　　　　　　　　|ｌ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|　|
　　　　　　　　　　 .／|::::::　|　　　　　／　　＼　　　　　　　|　|:二二二二:|
　　　　　　　　　.／／|::::::　|　　　　　|二二二 |　　　　　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　　　　 .／／.　.|::::::　|　　　　　|ｌ|　寂　|l|　　　　　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　　　.／／　　　|::::::　|　　　　　|ｌ|　滅　|l|　　　　　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　／|／　　　　 |::::::　|　　　　　|ｌ|　為　|l|　　　　　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　／／|　　　　　 |::::::　|　　　　　|ｌ|　楽　|l|　　　　　 |　|:::::::ll::|::ll:::::::|
　／／.　.|　　　　　 |::::::　|　　　　　|二二二 |　　　　　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
／／　　　|　　　　　 |::::::　|　　　　　0　　　　0　　　　　　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
／　　　　 |　　　　　 |::::::　|　　　　　　　　　　　　　　　　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　　 |　　　　　 |::::::　|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　　 |　　　艸 ::|::::::／　　　　　__）''（＿　　　　　　　 |　|:二二二二:|
　　　　　 | 0: :::: 艸 ::|／　　　　　／_（~~~）_／　　　　　　 :|　|　　。|。　　|
　　　　 :0 |::::艸::::　::: |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|　|　　　|　　　|
　　　　　 |　:::::　::::／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　 :: 艸 ::|::艸:: ／
:::::艸::::　　|　／　＜あのさ、最近変わった人に会ったんだお！
　 :: 艸 ::　|／
:艸:::　　／　＜ふ～ん、で、これから行くって？
　　　／
　／
／

第３話　『意見』　　了

180 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:34:42.55 ID:pCMQTo2o

次回・・・

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _..　-　.._
　　　　　　　　　　　　　 _.. - ,ﾆ-冖 ⌒ 冖-ﾆ - _
　　　　　　　　　　　　　／　ノ´,. .‐.: : :￣: :､:‐. ､｀ヽ＼
　　　　　　　　　　　　／　 /／: :.／: : : : : : :l: : : :.＼ヽ　＼
　　　　　　　　＜　　ヽ/: : : :/: : : : : : /: :.l: : :､: : :ヽ/ 　＞
　　　　　　　　　　丶､/: : : ::/: : : : ::::〃:/:.|:: : :.l: : : :.', ／
　　　　　　　　　　　　　ｌ:l: :-:､l.: ::::::::／/://:∧:::._;l:-!: l:.|!
　　　　　　　　　　　　　,ｌ:l: : : ::|＞＜__/ ' / '_,. へ:.|: l: :|::!l
　　　　　　　　　　　　 l:.|:|: : : ::lz＝ｭ　　 ′　z＝ｭ.リ:://: l
　　　　　　　　　　　　l: :Nヽ: : :ヽ　　　　 ' 　　　 /:://: : :.l
　　　　　　　　　　 l: : ／il ヽ､ヽヽ　 /二ヽ　／ '//￣｀ヽ!
　　　　　　　　　 l: / 　 il　　lｉ､｀`　 |　　　|　　／' li:.　　　ヽ
　　　　　　　 l:/　　 il 　 li　｀丶､ヽ-- ,' ィ .il　　li::.　　　ヽ
　　　　　　　 ,/　　　 il.※.li　　 ,.ィ｀不ヽ、　il.※.li::::::..　　　ヽ
.　　　　　　／/　　　 .:il　　li 　 //　//'{l:l　ヾ､il　　li＼::::::...　　 l､
　　　　　／ｌ/　　　 ..::::il　　li　ヽヽ//l>ｨlｌ:l__,ノｲ　 li:::::::丶､:::::::...l ＼
　　　　 |:　 l:::.　 ..:::::::::iｌ.※.li　　　｀ｲｌ:l.　{.ｌ:｢´　il.※.li:＼:::::::. ｀`　┘　＼
　　　　　 l::　 l::::::_:::-:':´il　　li　　　　{ｌ:l,><{ ｌ:l 　 il　　li＼_l＼::::.　　　　 .::/
　　　　／,l:::. ￣　　 ::::::iｌ　　li､,.､,､,､{.ｌ:ト､イ.ｌ:l､,､,il　　lｉ::::::::l:::::ヽ::.　　 .::::/｀丶､
　 ,.　'"´,.-l::::::::::::::::::::::/il.※.li､,､,､,､,､ｌ:l::::::::{_ｌ:l,､,､il.※.li､:::::::l:::::::..........:::::/ﾆ､ヽ､

ご期待ください。

181 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:35:27.74 ID:pCMQTo2o

本日分の本編は以上です。

この後、おまけを作成します。

182 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/03(金) 21:36:02.65 ID:gQnpQlQo

お疲れ様でした

(　ﾟ∀ﾟ)o彡゜おまけ！おまけ！！

183 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/03(金) 21:38:44.41 ID:tRJ7Ku2o

乙！

求馬がやらない夫か。
やる夫との友情もよかったし、できる夫最後の笑いは忘れられそうにないw
アレにあこがれるのはどうかと思うがね。

184 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/03(金) 21:42:06.42 ID:2/22s2wo

乙乙

185 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/03(金) 21:42:20.77 ID:7Sw4E/Yo

ひとまず乙にござる

黒いキョンとか珍しいな

186 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:47:05.41 ID:pCMQTo2o

　　　　　　　　　 , '´ ￣￣ ` ､
　　　　　　　　　　i　r-ｰ-┬-‐､i
　　　　　　　　　|　|,,＿　＿,{|
　　　　　　　　　　Ｎ| "ﾟ'`　{"ﾟ｀lﾘ　
　　　　　　　　ﾄ.i 　 ,__''_　 !
　　　　　　　　／i/ l＼ー .ｲ|､
　　　　,.､-　￣/ 　|　ｌ　￣ / |　|` ┬-､
　　 /　ヽ.　/ 　　ト-` ､ノ- |　 l　　l　ヽ.
　　/　　　 ∨ 　　　l 　　|!　 | 　｀>　|　　i
　 /　　　　 |｀二^>　ｌ.　　|　 |　＜＿_,|　　|
＿|　　　　 |.|-<　　　＼ i　/　,イ_＿__!／＼
　 .|　　　　　{.|　 ` - ､ ,.---ｧ^!　| 　　 |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣l
＿_{ 　　＿__|└―ｰ／　￣´ |ヽ |＿__ﾉ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|
　　｝／ -=　ヽ__ - 'ヽ　 -‐　,r'ﾞ　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
＿_fﾞ/／￣￣　　　　　＿　-'　　　　 |＿＿＿＿＿ ,. - ￣　＼＿＿__|
　　| |　　- ￣　　　／　　　| 　　 _　|￣￣￣￣／　　　　　　＼　￣|
＿__`＼＿＿　／　　　　＿l -￣　 l＿＿_　／　　　, /　　　　ヽi＿__.|
￣￣￣　　　 |　　　 _ 二 =〒￣　｝￣／　　　　　l |　　　　　　!￣￣|
＿＿＿＿＿__l　　　　　　 -ヾ￣　　l／　　　　　　l|　　　　　 |＿＿_|

登場人物紹介、第２回は阿部高和さんです。

自分は文章を読むときに、「声」を大事にしています。
この作品で一番読んでもらいたい部分は、「葉隠」のところであります。
しかし、最初に作品を書き始めたころ、当時は今の作風ではなかったのですが、やはり文章が硬くなってしまうんですよね。
「おまえは～～しなければならない」
「武士道とは～～」
これは自分の口からはとても伝えられない言葉です。

187 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 21:53:28.16 ID:pCMQTo2o

　　　　　　　　　　　＿＿_
　　　　　　　　 ,ノ' ´　　　｀ ''ヾ、
　　　　　　　　/　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　}f^'＾^了t^'＾'`'ー1　　l
　　　　　　　　|L＿　!　＿＿_ ｛ ,..、|
　　　　　　　　 }f'tr'i　 ''^'tォー` }j/i',|
　　　　　　　 l.| ´ |　　　￣　 vijソ.!
　　　　　　　　丶 └、　　　　 Fイ l′
　　　　／　　　 ',　 ‐--‐　　,イ　ケ|
　　 , ,/.　　　　ヽ　`''"´,／ ! 　＾|ー、
　 / /　　　　　＿,,」、'....ィ' 　　　　 '|. ＼、_
. /./　　,. ‐'''"´　　 ! /　　　,　　＿」＿_ヾ',
.,'.,'　 /´　　 └ 、_　ノi　　　ノ　（、_　　`｀ヾ!
,'/　/　　　　ヽ、｀ ''ー、ィ-─''　r`'＾　　　　`
l|　 ! 　　　　　　　　　　リ　　　 `ぅ　ー=、_
|　｜　　　　　　　　　　サ　　　　〉
　　ト　　　　　　　　 ′　　　 ./''ー- 、,..＿
　　|　　ヽl　　　　　　 (B 　　 /　　　　ヽ、
　　| 　　 !,、　　　　　 !　　　 /　　　　　∠_
　 ,イ　　ヾ'　　　　ィ、　 . /　　　,,ィ'´
　　　　　　　ﾞ､　　　　　　:::/::::::|::::::

だからこそ、自分の代わりで『葉隠』を朗読してもらう人を求めていた。
イイ男だったらイけるんじゃないか・・・。
こういうやる夫スレは初めてなのですが、ＡＡを当てはめていくのはプロデューサー感覚に近いですね。

あ、阿部さんからは「やるからには真面目にやる」っていわれています。
「武士道とは、死ぬこととみつけたアッーーり」
とかはやらない、っていってましたｗ

188 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/03(金) 22:05:29.31 ID:2/22s2wo

なるほどなーｗｗｗｗ

189 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 22:11:58.42 ID:pCMQTo2o

登場人物一覧

やる夫　　　　　元佐賀藩士で浪人　
中野やらない夫　　佐賀藩下級武士　　　
斎藤杢之助　　浪人。いくさ人で死人　（赤木しげる「アカギ」）

斎藤用之助　　故人。杢之助の父でいくさ人　（平井銀次「金と銀」）
耕作　　　　　　杢之助を世話している馬方頭　（桜田ジュン「ローゼンメイデン」）
中野将監　　　故人。やらない夫の父。　　　　（できる夫）
やる夫の犬　　やる夫に付き添う　　　　　　　　（シロ「クレヨンしんちゃん」

鍋島勝茂　　　初代佐賀藩主　（キョン「涼宮ハルヒの憂鬱」）
鍋島直茂　　　故人。勝茂の父で名君　（涼宮ハルヒ「涼宮ハルヒの憂鬱」）

阿部高和　　　『葉隠』の解説役　（「くそみそテクニック」）

190 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/03(金) 22:18:25.33 ID:BEkkcW6o

いい話でした、考えさせられるな～
乙です！

191 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/03(金) 22:19:24.50 ID:gQnpQlQo

お疲れ様でしたw

192 ：1 [saga]：2009/04/03(金) 22:20:39.80 ID:pCMQTo2o

>>143
＞黒田武士
だれうまｗｗｗ

>>140
ありがとうございます。期待に沿えるように頑張ります。

>>139
おおｗ地元のお方ですか！？
地名とか言葉遣いですとか、誤表記がありましたら遠慮なく云ってくださいませ。

>>138
ありがとうございます。まとめは自動まとめからでしょうか。

こう、自分のスレを読んでもらって、カキコがくるって、単純にうれしいですね。いろいろと励みになります。

193 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/03(金) 22:26:41.40 ID:SGtn8FQo

萬右衛門と大猿の代わりにやる夫と犬になるのかね。
翠の子が出てくるということは次は猪の話か。

194 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/03(金) 22:35:11.44 ID:7Sw4E/Yo

>>187
でも葉隠れってウホッの心得とかな話もあるよねｗｗ

195 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/03(金) 23:52:27.53 ID:YhQ3Al.o

>>192
多分、俺速からだろう
あそこでまとめられてたし

阿部さんの文章はわかりやすいようでちょっとわからない俺はへたれ
できる夫の生き様が批判されてるのかそれともなのかがわからなかったわorz

196 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/04(土) 00:40:20.50 ID:6doxUoco

つか隆慶作品にも友矩と家光のラブラブっぷりを書いてたのが短編であったろｗｗ

197 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/06(月) 18:30:26.98 ID:5Aa.ddk0

こんにちは、今度から歴史系でやる夫を作ろうと思っているので歴史系スレ作者の方にお尋ねしているのですが

■スレを作られた目的・理由はなんでしょうか？
■特に気をつけていることはありますか？
■やっていてよかったことはありますか？
■今ある他に取り上げて欲しいまとめサイトはありますか？

もしよろしければ参考にお答えが頂ければ嬉しいのですが・・・よろしくお願いします

198 ：1 [saga]：2009/04/07(火) 23:13:01.29 ID:5Ie8uuIo

この前はねオチしてしまいました……

次回、第４回の投下は、

４月１２日（日）　夜８；００より　おねがいします。

199 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/07(火) 23:14:53.76 ID:Nt5c.Qwo

りょーかーい

200 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/12(日) 14:38:52.30 ID:HvVTJ7A0

面白いのを発見。次回は生で読みたいものだ。

201 ：1 [saga]：2009/04/12(日) 16:26:42.70 ID:WQ9g2Poo

みなさんこんにちは。

やる夫が葉隠武士になるようです　第４話　　予定通り、

本日の２０：００にこちらで行いたいと思います。

よろしくお願いします。

202 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/12(日) 16:27:41.56 ID:kRKy40wo

お待ちしてま～す

203 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/12(日) 16:38:31.28 ID:4ezyHQYo

おっけまってるぜ

204 ：1 [saga]：2009/04/12(日) 19:57:51.63 ID:WQ9g2Poo

>>195
確認してまいりました。葉隠武士は俺速さんにまとめていただいております。

俺速でやる夫を纏めるブログ
ttp://crescentmoon.gozaru.jp/yaruo.html

せっかくなので、こちらにある作品の中でお勧めをあげていきましょう。

やる夫が正史を書くようです
ttp://crescentmoon.gozaru.jp/yaruo.html

中国の三国志をあつかっておりますが、やる夫は正史『三国志』を著した陳寿という設定。
五丈原以降で晋の時代はなかなか珍しいのでお勧めです。

205 ：1 [saga]：2009/04/12(日) 20:00:03.84 ID:WQ9g2Poo

それでは今晩もよろしくおねがいします。

206 ：1 [saga]：2009/04/12(日) 20:00:40.54 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　　　　 , '´ ￣￣ ` ､
　　　　　　　　　　i　r-ｰ-┬-‐､i 　　　　　　　やぁ、イイ男の阿部さんだ。
　　　　　　　　　|　|,,＿　＿,{|
　　　　　　　　　　Ｎ| "ﾟ'`　{"ﾟ｀lﾘ　　　　　　　『葉隠』は全１１巻。　　　　　
　　　　　　　　ﾄ.i 　 ,__''_　 ! 　　　　　　　　その構成は以下のとおりになっている。
　　　　　　　　／i/ l＼ー .ｲ|､
　　　　,.､-　￣/ 　|　ｌ　￣ / |　|` ┬-､
　　 /　ヽ.　/ 　　ト-` ､ノ- |　 l　　l　ヽ.
　　/　　　 ∨ 　　　l 　　|!　 | 　｀>　|　　i
　 /　　　　 |｀二^>　ｌ.　　|　 |　＜＿_,|　　|
＿|　　　　 |.|-<　　　＼ i　/　,イ_＿__!／＼
　 .|　　　　　{.|　 ` - ､ ,.---ｧ^!　| 　　 |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣l
＿_{ 　　＿__|└―ｰ／　￣´ |ヽ |＿__ﾉ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|
　　｝／ -=　ヽ__ - 'ヽ　 -‐　,r'ﾞ　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
＿_fﾞ/／￣￣　　　　　＿　-'　　　　 |＿＿＿＿＿ ,. - ￣　＼＿＿__|

１・２巻　　　山本常朝の口伝を田代陳基が筆記したもの
３巻　　　　　直茂公御噺。鍋島直茂の業績と発言をあつめたもの
４巻　　　　　勝茂公御噺。鍋島勝茂の業績と発言をあつめたもの
５巻　　　　　光茂・綱茂・三支藩のおエライ方や姫君の本
６巻　　　　　佐賀藩士の言行と史蹟をあつめたもの
７巻～９巻　佐賀の歴史や地元の人々のエピソードをあつめたもの
１０巻　　　　他藩の人々のエピソード集
１１巻　　　　その他色々、１巻の追記など

207 ：1 [saga]：2009/04/12(日) 20:01:39.46 ID:WQ9g2Poo

　　　　　,,　- ―-　、
　　,. '" _,,. -…;　　　ヽ　　　　　それと、次の例だな。　　
　 (i'"（(´　 __ 〈　　　　} 　　　　　　
　　|__　r=_ﾆﾆ`ヽｆﾊ　　}　　　　　　　例　（聞書１の２）
　　ヾ|! 　 ┴’　　}|ﾄi　 }　　　　　　
　　 |! ,,_　　　　　｛'　 }　　　　　　この括弧の中の数字は、収録されている巻の何番目の項目かを　　　
　　　「´ｒ__ｧ　　　./　彡ﾊ､　　　　　あらわしている。
　　　ヽ　‐'　　／　　　"'ヽ　　　　つまり、この例だと、１巻の２番目に収録されていることになるな。
　　　　ヽ__,.. ' ／　　　　　ヽ　　　
　　　　／⌒` ￣ `　　　　ヽ＼_ 　ちなみに、上記のは、あの「武士道とは死ぬことと見付けたり」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　が載っているところなんだぜ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

208 ：1 [saga]：2009/04/12(日) 20:02:51.07 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　＿__ ＿
　　　　　　　　 -‐''"´￣　｀　｀''ヽ=､
　　　　 ,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　r（:::::::::::::::::,、_ｨ::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　堅っ苦しい話はここまでにしておこう。
　　　ゞ, ｒｒ～ヅ　　ﾐ:::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　ﾌﾊ　　　　　　ﾐ:::::::::::::::::::::::::::::　　　『葉隠』の入門書に載るような内容は、たいていが
.　　　　l　__,,.　-─￢,〈::::::::::::::::::::::::::::::　　　１、２巻からの引用によるものが多い。
　　　　〉ﾞﾞ`'''Tjフ￣　ヽ::::::,ｨ ,､ヽ:::::::　　　そりゃあ、役に立つ言葉が多いからな。
.　　　 / 　　,.‐'"　　　 }:::/ /ヽﾊ:::::::　　　　
　　 /.. 　　　　　　　"´　２ﾉ/ l:::::　　　しかし、『葉隠』をエンターテイメントとしてみるなら、
.　　ヽ.ﾆ,｀　　　　　　　　　 __／　:l::::　　　断じて６巻から１０巻をホイホイ読むことをお勧めする。
.　　　　 'ｰr_‐;ｧ　　　　　　ｨ　　　　l:::
　　　　　〈..　　　　　　　 /:{　　　ヽ　　　それは、エピソード集にある人々が生き生きと
　　　　　｀}　　　　　／::　!　i　　　　　　　書かれているからなんだ。
　　　　　　丶、,､. イ::::::　　　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　たとえば、こんな話がある。

209 ：1 [saga]：2009/04/12(日) 20:04:05.81 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　（^^^）　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　|＝|　　　　　　　　　　　　　　（聞書９の２）
　　　　　＼／￣￣￣＼　　　　　　　　
　　　　　 /　　　　　　　　|　　　　　　　鍋島生三が上方の土産をさし上げたこと。
　　　　　|　　　　（・）（・）　|　　　　　　
　　　◇ ､|　　　　　●　　 |　／ヽ　　　生三が伊勢神宮に参拝して、直茂公夫妻に、土産を渡した。
　　　 >／|　　＿＿＿___, /　ゝ_ノ
　　　　 `^ヽヽ_＼＿__ノ／／／　　　　父君である剛意（清房）さまと母君の花渓さまの位牌だった。
　（⌒）二二)）￣￣￣　)）／
　　　　【佐賀藩士　鍋島生三】

210 ：1 [saga]：2009/04/12(日) 20:06:16.53 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　　　　　 / ￣￣ '´￣￣ヽ､
　　　　　　　ノ/. /二二二ヽヽ　　＼
　　　　　　　　<V/, '/　人　|　ヽﾊ夊､ |　　　「まぁ！よく気がついたわね。やるじゃない！
　　　　　　　　〃 {_{｀ヽ　Ｖヽノﾘ| ｌ >" i|
　　　　　　　　ハ小ｌ●　　　 ● レ|、 | |　　　内心、今の位牌はショボいと思ってたのよね」
　　　　　　　　|│ l⊃　rー-　⊂⊃|ﾉ |│
　　　　 /⌒ヽ.| .ﾍ　　ヽノ　　jﾚ/⌒i !
　　　　　　＼ /:::レ l＞,､ __,　イァ/ 　 /ﾉ
.　　　　　　 /:::::/　/　ﾍ:::|三/::{ﾍ､__∧
　　　　　　　｀ヽ< 　　　ヾ:∨:::/ヾ:::彡
　　　　　　　【佐賀藩　藩祖　鍋島直茂】

211 ：1 [saga]：2009/04/12(日) 20:07:09.37 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　　 l!|i|!j
　　　 , 'i"｀` ､ﾉ=j 　　　「よろこんでもらえてよかったナリ。
　　O､o'　　 .`ｲ　　　
　　 j__,,ノ　　　ﾉ　　　　　こっちも渡しておくナリよ」
　　　＼＿__,／　　　

　　　　＿_
　　, ´,r== ､ヽ　　　＜ゴトッ
　　!くｌ人ﾉ从)ﾄ､
　　Wﾘﾟヮﾟﾉiﾉ　　「あら、それは？」
　　　( つ旦O
　　　と＿)_)

　　　　（^^^）
　　　　　|＝|
　　　　　＼／￣￣￣＼
　　　　　/　　　　　　　ヽ、
　　　　　|　＼　　　　／ |
　　　◇ ､|　　●　　　 ● |　／ヽ　「殿の分の位牌ももらってきたナリ。
　　　 >／|⊂⊃ ､_,､_,⊂ /　ゝ_ノ　
　　　　 `^ヽヽ_　（_.ノ　／／／　　我輩、コロッケを我慢して殿のために奮発したナリよ」
　（⌒）二二)）￣￣￣　)）／
　　￣　　　|　　　Ｏ　Ｏ |
　　　　　　 |＿＿＿＿__,|＼
　　　　　　/　　　 Y　　＼◇
　　　　　 └----‐'ー---┘

212 ：1 [saga]：2009/04/12(日) 20:08:39.91 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　　　 _,r'´::::::::::::::::::::::::::｀'､.　　
　　　　　　　　{::::::::rr-‐-‐'^i::::::::::::::i.　　　　　…とまぁ、こんな具合じゃないの。
　　　　　　　　ﾞl'´ﾞ《　　 __,,,ゝ:::r､:::::l　　　
　　　　　　　　　ﾄ=r;､ﾞ"rｨｧ‐ﾘﾒ　}:::::}　　　　自分の位牌を渡された時の、直茂公の渋くなった面が
　　　　　　　　　ﾞi`"l　　￣　　ｿ::::ヽ　　　思い浮かぶようだぜ。
　　　　　　　　　　ﾞi. ゝ^ 　 ,　　/ヾヾヾ､　　
　　　　　　　　　　ヽ　ﾞこ´　 /　　　　ヽ､　　　　葉隠武士は、なにも死狂っているやつらばかりじゃない。
　　　　　　　　　　　ヽ､　／__,∠､　　　　｀'-､　こんな愚直だけども、見ていて吹き出してしまう
　　　　　　　　　　　　　｀ﾞｸ'ﾞ´　　　｀　　　ﾞ'､　ヽ　おちゃらけた輩も多いってことだ。
　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　〉ヽヽ

213 ：1 [saga]：2009/04/12(日) 20:09:56.44 ID:WQ9g2Poo

　　　　　 ,.　-‐-─--　、
.　　　／　　　　　　 `ｰ､
　　　〃　　　　　　　　　 i,　　　　 ,.　-‐ 　　これからは原作「死ぬことと見つけたり」には
　　　r' 　ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈　　　　／　　　　　載らなかった葉隠エピソードを、
　　 !　　:l　　　　　　,ﾘ|}　　　 |. }　　　/　　 .や　　なるべく紹介していくぜ。
.　　 {. 　 |　　　　　 ′　　 | }　　 l
　　ﾚ-､{∠ﾆ'＝=ｧ　､=＝ﾆゞ<　　 |　　　ら　　では、今日も第４話……やらないか
　　 !∩|.}. '"旬ﾞ`　　 ./''旬 ` f＾|　　 |
　　　ｌ（( ﾞ′｀￣'"　　 f::`￣　 |l.|　　　| 　　な
.　　ヽ.ヽ　　　　　　 {:.　　　ｌﾘ　　 |
.　　　 }.iｰi　　　　 ^ r'　　　 ,'　　　ノ　　　い
　　　 !|　ヽ.　　ｰ=＝=- 　 /　　 ⌒ヽ
.　　／}　　＼　　ｰ‐ 　 ,ｲ　　　　　 l　　か
　__/　∥　 .　　ヽ､＿!__／:::|＼　　　ヽ
　/i 　 |!　　i　　　　　 :;::;:::::::ﾄ､ヽｰ-　　　 ` ー--
　│　.|　 i　l　　　　ノ ,'　　 :ｉ　 i
　ﾉ　 |- ⊥.｣__　　　 /_,.　-‐ |　 |

214 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/12(日) 20:10:39.27 ID:3Yv3UD6o

その前フリはどうなんだｗｗ

215 ：1 [saga]：2009/04/12(日) 20:13:34.76 ID:WQ9g2Poo

第４話

直茂が亡くなった後、杢之助は耕作の家に居候していた。

爻　　 _,,-‐ｔ‐''⌒ﾊ、　　　　　　　_,,,　-‐''三]
ｋ;;:､　(,,　ﾒ μ ,,´｀, -―一''''""~　_,, -‐／::::＼　　　　　　　／
､,＼;;:: 人人ｷ,,　 /　--一'''"~￣　　,／:::::['i']::::＼へ、　　／
ﾆヾ＼ⅲⅲ Y,／　　　　　　　　　／ii[]:::[_,!_]::[];､＼　Yy,,..
-‐''`　 `.、:,:／　　　　　　　　　／ii;[ i ]~~[_!_]~[l];:ヽ＼＿
＿,,､＿,,,,／　　　　　　　　　,／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　>￣ヽ
ﾊﾊ从／-―====r-===三''　､-―――――――‐＜　木ﾎYyy
(⌒)ｲﾄ爻------(　tｲ-‐'´::::::::,＼＿＿,,,....､_＿＿,,,_____`」￥　Y
　T,::爻Ooﾄ[iiii]<,,. ､ｷ[]　 i::::::::::::::::[]::::::::::::::[]=======|爻爻三三
ー-　　''ー＾　二,,　ー---┴, -‐へ-O-ー-～～-―へ`~~　　　　]、
　　　　　　　　　━
　〓　　　　　　　　　　　━〓　　　ー　----　､---―

216 ：1 [saga]：2009/04/12(日) 20:14:48.56 ID:WQ9g2Poo

杢之助には弟がいた。
名前を権右衛門。勝茂に手明槍として召抱えられていた。
大男で体つきも頑丈な男だった。

　　　　　./　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::/
　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:/
　　　　/　　　　　　　　　　　　　 _, へ、　　　　　　　　　　 /　／
　　|＼|　　　,ﾍ.　　　　　　 __,-‐' 　 ::::＼　　　　　　　　　 /／:/
.　｜　　　　./'　ヽ　　　 __,-'　　　　　　:::::＼　　　　　　　　　 /
　　|. 　　　/　　＼_, ‐'　　　　 |　　　　 ::::＼　　　　　　　　 / ／
. l＼　ヾ`ヽ､　　　　　　　　　∥__,-‐' 〃::::::>　　　　　　　／:/
　| 　　./＼::＼　　　　　　 __,-‐'　__,-''"::::／　　　　　　　:/
. ｜....　ｌ.　　＼: ＼　　　_,-‐'　 _,ｌｌ‐'　　::::／　　　　　　　　:/
　｜　　| ＿＿_＼:||　 |||::＿二＿＿＿_ ::| 　/⌒.i　　　　　／
　｜　　| ￣￣o ﾗ　 ≡￣￣￣￣o￣　::|:　|l⌒l:|　　　　　/
　　 |　　| ｀ ‐-‐'/,:::::　　｀ ‐---‐ '´ 　 ::|　||⌒|:|　　　　 :/
　　｜....｜　-‐/＝==--　　　　∥　　　::|: |l⌒l:|　　　　/
　　　｜...｜　:/,:::::::::::::　　　　　　|　　　 :::|::||ノ丿　　　:/
.　　　 l. 　| /,::::::::::::＿::)　　　　　　　　 ::::::|:|-‐'　　　　:/
　　　　 l.　(.:: '　　　　　　　　　　 ,　＼::::::/|＼　　　　:/＼
　　　　　ヽ |　￣￣￣￣￣￣￣　 :＼/：　'＼　　 l　　:＼__
. 　　　　 /ヽ|　 /　　＿＿　　　　　 :::::/：:　　　＼　 l　ヽ.　ヽ ─
.　　　＿/　　|〃　　::::::::　　　　　::::/：：　　　　＼l ヾ　ヾ　 :l＿
　 ─　/　/　　|　　　　　　　　　　＼/：：:　　　　　／/　|　::| 　 |
.　＿/　/:　/:　|　　　　　　　　　 ::/：：：　　　　／ll/|　:|　 :|　　|
　　 /　/::　/: 　 l＿＿＿＿＿＿/：：：:　　　　／lll/　|　::|　 :|　　|
　　/　/::　/::　　/|lll＼：：：：：：：：：：：:　　　／llll/　　|　 :|　:::|　　|
　　　　　　　　　　【手明槍　斎藤権右衛門】

手明槍とは、直茂死後に創設された階級である。扶持米は十五石。
平時は無役、戦時には槍一本、具足一両で出陣することを定められたものである。
土佐藩の一領具足に似ている。
後年、手明槍も平時の役目をするようになるので、平侍と徒士（かち）の中間の身分となった。

217 ：1 [saga]：2009/04/12(日) 20:15:48.98 ID:WQ9g2Poo

勝茂には大兵ぶりを買われて、駕籠侍に抜擢された。
駕籠の周りを四天王。さらにそのまわりを十人衆と呼ばせていた。
殿様の周りを、筋骨粒々なものに囲まれて守られるのは壮観である。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ｊｊｊｊ　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　／　タ　　　　　 {!!! _ ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　,/　　ﾉ　　　　　　　 ~ `､　＼　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　`､　`ヽ.　　∧＿∧　, ‐'` 　ﾉ　　　　　／　　`j
　　　　 ∧＿∧＿　　　　　　＼　　`ヽ（ ´∀｀）"　.ノ／　　　　／　 /`ｰ'
　　　　（　´∀｀）　￣"⌒ヽ　　｀､ヽ.　　｀`Y"　　r '　　　　　〈　 `ヽ
　　　／）ヽ'　／　　　　､ `､　　　ｉ. ､　　￥　　ﾉ　　　　　　　`､　　ヽ∧＿∧
　 γ　 --‐　'　　　　　　λ.　;　　 `､.` -‐´;｀ーｲ　　　　　　　　　〉　　　　´∀）　　　 ,-､、
　ｆ　　､　　ヾ　　　／　　　）　　　ｉ彡　ｉ　ミ/　　　　　　　　　/ ノ　　￣⌒ヽ　　「　　〉
　　!　　ﾉヽ､._,　'｀"／　 _,.　'"　　　　｝　　　　｛　　　　　　　　　ﾉ　　' L　　　　 `ヽ.／　 /
　　|　￣`ｰ-`ヽ〈　 < _　ヽ.　　　／　　　　　`＼　　　　　　／　, '　　　ノ＼　　´　　/
　　 !､＿＿,,,　　ｌ　,＼_,ソ　ﾉ　　 /　　　／ヽ、　　ヽ.　　　　（　　　　 ∠_　　　ヽ､＿, '
　　　　　　　〈'_,/ /　　　／　　 /　　ノ　　　ヽ.　　）　　　　　ｉ　､　　　　　ヽ
　　　　　　 |　|　　イ-､__　　＼　 `ヽ　　　 {　　ｆ　　＿,,　┘　「`ー-ｧ　　ｊ
　　　　　　　　l.__|　　｝_　　ｌ　　　＼　＼　　 |　　i　ｆ"　　　　　ﾉ　　　｛　　/
　　　　　　　　＿.|　 .〔　ｌ　ｌ　　　　ノ　　_>　ｊ　　ｷ　|　　i⌒"￣　　　 /　 /_
　　　　　　　〔＿＿＿! '--' 　　 <.,,_／~　　〈　　 `、ヾ,,_」　　　　　　　i＿__,,｣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ー-‐'

禁裏の駕與丁（かよちょう）をつとめる八瀬童子にも、身の丈五尺七寸（約１メートル７０センチ）以上
という規定があったそうである。

218 ：1 [saga]：2009/04/12(日) 20:17:34.45 ID:WQ9g2Poo

杢之助はというと、あいかわらず浪人のままである。
権右衛門は、斎藤家の総領が居候だなんて、と再三文句を云うが、杢之助は歯牙にもかけない。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨ　 ,.イ　 ,.イ　 _,,
,.イ‐'''Ｚ.＿　　　　　　　　　　 .、　/　| /　| ／　.レ'' / ,.ィ
　　　　 ∠_　　　　　　　　、　| ヽ! 　 ′　´　　 ′　'"　ﾚ!
　　　　　　_＞　　　　　　 | ヽ|　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　 _＞　　　　　 lヽ|　　　　　　　　　　　　　　　レ1
　　　　　 _＞　　　　　　 |　　　　　 ./´＼__,／＼　　　　　./_,　
　　　　　,ゝ.　　　　　　 |＼　　　 ./_　　　　ｉ　_,ゝ　　　 '"/
　　　 .ｎ.} !　　　　　　 .|　　　 /`'-ﾆ_┐ r,キ‐''´!　　　∠ィ
　　　　| || |　　　　　　 .|ヽ　 r=!| ＝tr=ﾞ　 =tｆ＝ :|r=､　　ノ　
　　　 | || |　　　　　　　　ト　 {h||　`ー　l.ｉ　Ｔ´ u.||hﾘ　‐'ﾌ　
　　　　Uj│　　　　　　　　ヽ　ヾl|　/'　､廾,､　＼ |!ノ .∠
　　　　/　|　　　　　　　ゝ､,._Ｖ' ヾﾆﾆニつ　 /i`''＜´　
　 ,ィ,イ//l　　　　　　　　 _／ ;;''　|:ヽ　　 --　ヽ/ ;|　　ヽ＿
＜　 |　!.l　　　 , -‐_''.二/　 ;　　 |::::ヽ.　　　　./　.;|　　　 l＿￣
LLヽ⊥_/　　 ,ｲ￣　　 /　　'　　 |:::::::`ー─ '　　 |　　　　|　￣
/:::/　 /:::/￣/:::7''ｰ- ､'　　　,. -‐､|、::::::::　　　　 ,ﾚ-‐-､　 |
:::::'ｰ:‐':::::'--:':::∠._/:::/ ＼''´ 　　 |{ ` ｰ----‐ ' }|　　　＼j

219 ：1 [saga]：2009/04/12(日) 20:18:51.55 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　　　　　 _,,.. - 、,. ''" ﾆ=-
　　　　　　　　　 _,. -ﾞ'　　ﾞ　 "￣~ﾞ'' - .,,
　　　　　　　　　７i　　　　　　　　ヾ　ーﾞヽ　　　杢之助に言わせれば、耕作も殿様のおかげで
　　　　　　　　　 /　 ii　　　　　　　　 i; 、ヽ　　　　生きているのである。
　　　　　　　　 _ i i! 　　　　　　　　　　　i.　ﾞ ,　　　その耕作に養われてなにが悪い。
　　　　　　　／ﾞ'' -'^ヽv ｖﾍ、ヽヾヾ　i i i＼i
　　　　　/""　　　,　,,_ Ｙ!/　ヾ__!_Aﾘ|ﾉ!'!'!　　　　耕作は殿様の代理人である。
　　　,.- "　〈　　 i　　 i=ゝ、 ,,∠=-ｧYﾍﾚ
　　ﾉ　 ! 　 | "~' |、 - !ﾟ-."!|くﾟ-　 !!ﾒ/　　　　　だから養われて恥とおもわなければ、
　　(　　 ! ,,... ! ,,..　! ￣i,　　!|::.　　/.ノ　　　　　　恩義も感じない。
.　　|ヾ　'!. 　/　　 |"ﾞ　〉ー !|;― /"iヽ~ﾞﾞ^''' -
　 /ヽi - ! _/ﾞー i'!　 i,/ 、　―　/i　 |,,__
　ノ">ヾ_!〈=＝-!|_ノi ヽ＼　／　!　 |　￣ﾞﾞﾞ^'''
　／　　 ''ﾞ.---┘　 | 　＼ッ"　/　　|

　　　　　-､ｰ- ､
　　　_.　-─-ゝ　　Ｙ ⌒,.Ｚ.._
　　　 ,.＞　　　　　　　　　＜｀　　　　　
　 ∠.._　　　　　　 ,　　　　　ヽ　　　　
.　　／　　　 ,　,ｨ ,ハﾄ、　　　 l　　　　とはいえ、泰平の世である。
　 /イ / 　 /l/‐K　ゝlへﾄi　　|　　　　
　　ﾚ'ﾚf Y|＝=;=　　=;=＝|f＾!l　　　　おおごとは起こりそうになかった。
.　　　　 !6|| ｀￣ "||` ￣´ ||6|!　　　　　
　　　　ﾞyl、　　､|レ　　　|y'　　　　　暇を持て余していたので、その時は、山に獣を撃ちに行くか、
　　　　 _,,ﾊ.ト.｀￣￣￣´ ,ｲ/＼_　　　　釣りにでかけていた。
　　￣:::;':::::ﾞ! ＼. ￣　／ |'::::::::|:::￣
　　:::::::::l:::::::::l　　＼／　 !::::::::::|:::::::::　　
　　::::::::l:／ヽ:ヽ__　　 __/:／＼:|::::::::
　　:::::::‘:::::::::::o:ヽ`　 ´/::::::::┌──┐
　　:::::::::::::::::::::::::::ヽー/::::::::::: l:::::::::::::::l

220 ：1 [saga]：2009/04/12(日) 20:19:57.29 ID:WQ9g2Poo

とくに釣りの方は毎日でかけた。
こちらは金がかからなかったからだ。
雨が降ろうが、雪が降ろうが出かけていく。
耕作一家は、ながいこと杢之助を釣り気違いだと信じていた。

　　　　　　　　　　　　　｝　　　　　　⊂ﾆ⊃
　_　　　　　　　　　　　〈　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⊂⊃
　イ　　　　　　　　　ノ　　　　　　　　　　　／⌒ヽ
　 └ _.-‐　　　　　厂　　　　　　　／⌒ヽ／　　　　＼　　　＿　　　／⌒ヽ
　　ｒ'　　　　　　,-'　　　　　　　／　　　／　　　　　　　＼／　　＼／
　　|　 ,､＿ノ￣　　　　　　_,,-'　　　　　　　　　　　　　　　 `ヽ
　　|￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .. .　　　　　　. . ................
　　|　　　　　　　　　　　　　　/ ⌒ヽ
　　| 　　　　　　　　　　　 /　　　`～＾ヽ
　　|　　。　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　}
　　| -_) ﾟ　　　　　　　　　 /　　　　　　　ノ
　　＼.ヽｎ　' '　　　　　/　　　　　' '　（　　　　　　　　　　, ,
'￣ " '' '　　　　　　( ´Дﾝﾉ　　　, ,　　　　’　　　' '　　　　　　　　, ,
　　　, ,　　　　' '　　　（　へ⌒　　　　　　　＿　　　　　 , ,　　　　　　　　' '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／､ｨ._ ヽ
ヽヽヽぃヽヽヽヽぃヽぃヽヽヽヽヽぃヽ　 {ﾟ／　）ﾉ　ヽヽヽぃヽヽヽヽヽぃヽヽヽヽ
-～ー…‥―～―---―----～―-一―　ソ　-------―ー‥…～‐--―--
　　　～　　～　　　～～　　　　～～　　～　　　～　　　　～～　～　　　　～～
～　　　　～～　～　　　　～　　～　　～　　～～　　　　～　　　　　～～　　～

221 ：1 [saga]：2009/04/12(日) 20:21:29.72 ID:WQ9g2Poo

耕作には年頃の娘にお勇がいた。

　　　　/ノ´: /: : : : : : : : : : : : : :ｉ: : : ::ｉ: ::ヽ: : : : : :＼　　　＼
　　　/": : :/: : : : : : : : : : : : : : ::|: : :|: |: : : ヽ: : : : : : :ヽ　／
　　/: : : ::/: : : : : : : : : : : : :／:/}: : ｉ: :|: : : : :ヽ: : : : : : :Ｖ
　 /: : : : :|: : : : : : : ／: ::／:: / /: :/: / ヽ: : : : }: : : : : : :ｌ
｀.{: : : : : :|: : : : : : : : ::／./／ /:／/:/-―--:､; |: : : : : : :|
　|: : : :{: : |: : : :,斗ｧ''フ"　／"　 //　　　　＼ヽ|: : ｉ : : ::|　　　「あれはそんなんじゃねーですぅ。
　|:ｉ: : :ｉ: : :ｌｒ彡"´　　　　"　　　/　　　　　　　　}: :ﾉ : : ::|
　ｌ: ｉ: : { : : ｌ |　　　　 __,..　　　 /　　''ェ;_＿_,ｪ; /: : : : /∧　　　ただ寝にいってるだけですよ」
.　 ',ヽ: : : : ヽｌ ,ｒ＝=＝"　　　　　　　　￣￣ ./: : : :ノ/　ｌ
　　＼＼: : : ＼　　　　　　　　!　　　　　　 /, ｒ '´　}: : :ヽｌ
　　 |: : : {　`ー　＞　　　　　　　　　　　　　　/{ ＊ }: :　ヽｌ
　　 |:/: : {　__ ｉ/ ヽ　　　　　　　　　　　　.／: {　　 }:_:: : : : ｌ
.　 //: : : :{　 "ｉヽ { :ヽ､　　　　⌒　　　／:__ : {　／　ﾉ: : : : :.'.,
　ｌ/: : : : : :}　ｒ－┘､: ::ｒ`ｖｒ‐　-　 ´|: : : | _｣_{./　 ./: : : : : : : '.,
　/: : : : : : : {　｀ヽ、　ヽ.Ｌ._ヽ.　　　　レ'Ｖ＿＿ヽ/: : : : : : : : : :'.,
/: : : : : : : : ｒト＊|ヽ／ノヽ.'､　／　{ （＿__　　〕ｒ､＿: : : : : : : '.,
: : : : : : : : :∧.ｌ.｝　 }〔　´　／ヽG＝ニ:|（　　　　./ｒ'/ｒく: : : : : : : : :',
: : : : : : : ::/　)|.ﾄ}　 }ヽ　　　へ）|ノ＼.{ |/ｰｉ　　/`./ (　ヽ: : : : : : : : ',
: : : : : : : /　 .)|.｢.） .} ∧　　　　）７ .ヽ |　　　 { フ　 |　ヽ: : : : : : : : ',
　　　　　　　　　　【耕作の娘　お勇】

222 ：1 ：2009/04/12(日) 20:27:32.61 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　　＿,,r―:;;;;;;;:::====- ､...__
　　　　 _,r'''"; ; ; ,r''" ／　　　　　　　ﾞ｀`ヽ., - ―‐- ､
.　　 ,;;'´: : : : : :.:/　／　　　 .／　　　ヽ.　　ﾞヽ　　　　ヽ
. ,／ /: ; ; : : : ;;| ../ /　　／　　　　　i ﾄヽ　ヽ　　　　|
.く; ;;/; ; : ; ; ; : ;:|/ ./　/./　,:　／　 ./,| ji | ﾞ､　l.!　　　ｌ
　ヽ/; ; ; ; ; ; : : :| .;'　/ /　/ /　　 ,/ //:| |　ﾞiﾞi　|　　　/
　/,!'; ; ; |; ; ; ; : :| .;' ./ /　;' /______,, !_| |　| |　||　|／　　　お勇も耕作と気持ちは同じである。
/　 ;!; ; ; |; ; ; ;; :||i.| / .;'　l .;'／...::/､.ﾞ｀/ ,r‐''!| || '　　　　せちがらい世の中で、近頃はコセコセしている侍も多い。
　/|; ; ; ; |; ; ; ; ;;||./|　| ;' / r''´i|!^ii-/　 ,;ﾆ.,!/ i|
/ | ; ; ; |; ; ; ;;; ;;||　 | ;!.//　ヽ.ゝﾉ　　　 iij.| ;' .|　　　　　町人のように商売をしているものもあった。　
　 |;; ; ; ;|; ; ; ;;; ;;|| ﾞi|//｀　　ﾞﾞﾞﾞ　　　　　ﾞi | |　:|
　　|;; ; ; |: : : : : :|＼＼_　　　　　　　　　´.| |　 |　　　　藩はこのあり方を、奨励こそしてないが認めてはいる。
　　.|; ; ; ;|; ; ; ; : ::||ヽ￣　　　　　ー‐.　ﾊ　 ||　　　　藩の財政もかなり苦しくなっていたのだ。
　/|;; ;; ; |; ; ; ; ; ; ;|.| ﾞ､　　　　　　／i_l｣:ﾞV,!
/　|; ; ; |; ; ;; ; ; ;|ノ　　ﾞiヽ､._　　　　／　i |iヽi::ﾞ､
　　| ;; ; ;|; ; ; ;; ; ;|＼　 .ﾞi;;;;;;;;;;|｀ー', , {{〈､ｒ┘::::::::＼､
　/| ; ; ;;|; ; ;; ; ;; ;{ 　＼　ﾞ;;;;;;|ヽ/　//　 }}/､ﾌ:::::::::ヽﾞ､
/ /| ; ; ;;|; ; ; ; ; ;!ﾌ　　＼､ノ;;ﾞ､/,nヽ､　　　 !V|∧:::ヽﾞ､
.､| ; ; ;;|: ; ;; ; ; ;;|ﾄ　/＼ヽ ,.ィ｀不ヽ、ﾉﾉﾉ　{{/_l｣:::::::::::ヽ.ヽ

　　　　　　　 ,　　　_..　-‐…‐- 　＿
.　　　　　　（　,　'´ ,　-―　　　　　、｀ヽ、
　　　　　　 ×　_∠ﾆ　-―‐　　、　＼　＼
　　　　　く／. : : : : :; : : : ; : : : :＼　ヽ、＼　　　
　　　　　／: : : :／／ : : :;ｲ: : : : : : :丶　　＼　＼　　　
.　　　　 ,: : /: ::, '::;ｲ /: ／ /:::/ﾊ : : : : : ヽ　　{　　＼　　　そういう商売上手な侍を、お勇は認めていない。
　　　　/: :/: ::/／／／　 /: /　 !|: : : : : : :.　　ヽ　　　＼
　　　 {: /: : ,'´／／　／ , ′　!| i: : : : : :}　┼ }　ｊ　_,ノ　　家に平然と居候して、寝ているばかりの
　　　ｊ/{: : :ｌ:/／￣　／　ヽ､|ｌﾄ､ : : : ハ　 |　厂　　杢之助の方がはるかに侍らしかった。
　　　八: : {/　ｘ‐‐ ､　　　　　｣≧ｰｉ: ::,′{　　レ{　　　
　　　　〉. :ヽ/｛:::::ﾘ　　　´{::::::ｊヽｊ::/:}　｛十｛ : !　　　
　　　　　ハヽ: {xx~´ 　 .　　　ー' ノｲ:/（　｝　 } : ｌ　　　　
. 　　　　从八　　　　　　 Xx //: : ）{Ⅹﾉl : ｌ　　　
　　　　 / /{ヽ＼　　っ　　　　／/: : /ｆ′ ｊｌ :∥
. 　　　 / /ハＸヽ＞　.. __ 　イ: メ､: ｛{ ｊ×ﾉ l : l !
　　　　 / // ハ／　 ,ｨ个ｘ､　　　　＼｝ｊ　｛: l : l :!
.　　　 / //ノ／　　〃 ∧　＼　　　　　ヽ＋} ｌ : l :ｌ

223 ：1 ：2009/04/12(日) 20:28:00.55 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　　 ,. -‐' 二二二二ﾆ､‐- ､
　　　　　　　　／ _r‐┘　 ※　　※　｀^ヽ＼
　　　　　　／r‐'´ ※ _r-:‐ﾍf^^￢‐-､※＼｀ヽ、
　　　　　 /　/※ _r‐┘::.::.::.:lﾄ､::.::.､::.::.::￣ヽ}　/
.　　　　 / ｌ｢ _r┘::/::.::.::l::|::.||l:ﾄ､::.::＼::.::.::.::.:V|
　　　　/　 ∨::.::.::.::l::.::|;ノ:/::.l:|T 弋ー:ﾍ::.::.::.::|:|　　　「今日なんて、本日の収穫を確認しようとおもったら、
.　　く　　 |::.::.::.::.｣::イ://l::/// _　｀ｰ┤::.::.::ハ　　　樹によりかかって眠ってやがったですぅ。
　　　　｀ﾞ┬|::.::.::.´:|::// ‐　/ '　､二ﾆ　}::.::.:/::.::l
　　　　　 |::.ヽ.::.::.::.V -‐'′　,　　〃__/:::／l::.::.:|　　　額に『肉』って描いてやっても、
.　　　　 l::.::.::.｢ヽ､_::＼"　r-―‐1　｀ーｲ※|::.::.::l　　　あのとんがりアゴは、目を覚まさねぇですぅ。
　　　　ﾄ､＼::} ､ﾚﾍ￣　 !　　　|　　,.ｨ′ /::.::.::.|
　　　　 |_込_＼小　|＞､ヽ､_ノ ,.イ::.{ 　 }::.::.::.::.l　　　とんでもねぇなまけものですよ」
　　　 /´ ー--ミ､　 |::.:/l::｀ﾌ ‐'´L_|::（､ﾚ|::.::.::.::.:|
. 　　 | 　二ﾆ､∧ヽﾚ‐'´ rミニへ｀７小Lｎ::.::.: |
　　rｰl　　 ,.:‐ｧ'′|＼＼／ ,.ｲ^ヽ　＼! 　 | | ﾄ､ ::.:|
　　ﾄ厶　　}::/:.:.:.:.:li　＼ヽ//| }{ ﾄ､　 }､ﾚ | |｛:.:ｌ ::.:|
　rへ、｀ｰグ:.:.:.:.:.:|i､ﾚ i}／/:/l }{ |::|ヽ{ 小 | | ）:ﾄ､ :|

　　　　　　　　　　　　__ イ　＿＿＿＿＿ ,. イ
　　　　　　　　l　　/´::::::/／::::::::::::::::::::::::_:_:_:ノ
　　　　　　　ﾉ|　 |:::::::::/::::::::::}`::::ー-::､:::::::::::::＼
　　　　　　　{:::|　/::::::::/:＼:::::|ハ:::::::::::::ヽ::::::::::::::＼
　　　　　　__ヽ::V::::::／:::::::{ヽ::|::::|::::::::::::::::|:::::::::::::::::::ヽ,
　　　　／::::::::_:::／::::::::::::::|::::l|::/|::::l:::::::::::|:::::::::::::::::::::::::i
　　　´￣／::::::::::|:::::::::::l::::::|_:_ｊ/: :|::::ｌ::::::::::|ヽ:::::::::::|::::::::::ヽ　　
　　　　/::::::::::::::::::l:::::::::::ヽ::ヽ　　 |::::ﾄ::::::::|､::ヽ´i:::!::::::::::ヽi　
　　　 /::/::::::::::::::::ヽ:::::::::::ﾄ､ヽ　　|::l　ｌ:::::| ,,ｚ=',,ﾚ::::::|＼ﾉ
　　　/:/:::::::::::::::::::::::＼:::::::|　｀ヽ　ｊ/_,. ｊ:丿　rz_=、i:::i
　　〃|::::::::::::l::::::/:::::::::＼::l　 ,.ィ=''~-_=､　_」{ﾋzｊ {|~　　「でも、雨や雪の日はどうするんだい？
　　/　 !::::::::::l::::::l::::::::::::/　ヽ/r''´,.ィ云`|f ⌒辷. イ
　　　 |::::::::l:::::::|::::::::::::|＿__/{ /ﾍ::tz:ﾘ !}　　`　　}　　　嵐の時だってでかけていくよ。
　　　　 |:::::::|:::::::|::::/´ﾍヽ　　＼__´ -　´　　ｨ　 /　　　あんな中じゃ眠れないんじゃないかなぁ」
　　　　ｊ:／|:::::∧/＼ヽ(_　　　　　　　　 ´ｰ'　/
　　　　　　ヽ/　｀　 `ー个､_　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　|: . 　　　 ┬‐一'´
　　　　　　　　　　　　　　|: . 　　　 |＿　　＿__
　　　　　　　　　　　　＿ﾉ-､: . 　　ソﾉ｀´:
　　　　　　　　　　　　　【馬方頭　耕作】

224 ：1 ：2009/04/12(日) 20:28:48.22 ID:WQ9g2Poo

２２２と２２３は順番が入れ替わっています。補完お願いします。

えーい、重たいｗｗｗｗ

225 ：1 ：2009/04/12(日) 20:29:52.53 ID:WQ9g2Poo

　　　　　 _,,.､､､､､.,,_　　　　
　　　　／.:::::::::::::::::::..｀ヽ､　　　　
　　　/ .:::::::::::::::::::::::::::::::.　'､　　　
　　　| :::::::::::::::::::::::::::::::::,ﾍ{ﾂ　　　（聞書１の１１２）
　　 | ::::::::::::::::::::::::,ｨｩﾉ　j　　　
　　　|::::::::::::::::::::::（ |.!　　;{　　　　『損得で考えたり、計算で判断するもの（＝勘定者）は
　　　.|::::::::::::::::::rﾘ`l,〉　 j}ﾞ　　　すくたるるもの（卑怯者）である。
　　　 }:::::::::::::::ﾉﾞ　　l　　/　　　　
　　　,xｧ''ｰ'ﾞ'`　　　 '､ /　　　　　勘定とは己の利で考えるものであるから、
　　/ ｰ｀¨`''''ー-- ､｣ﾞ'′＿　　　いつも頭の中は損得のことでいっぱいになる。
　''^ｰｧ､＿＿＿＿_　￣／　　
　 `>'､,　　　　　'''"´￣￣_二ヽ､　死は損、生は得になるので、死ぬことを好まなくなる。
　 /　　　　　　　　　　／　　　ヽ　
　,'　　　　　　　　, 　 /　　　　　　ﾞ､だから卑怯者である』
　　　　　　　　　 l　/　　__　　　　 !　
　　　　　　　　　 l, l　　く,_　　､　　 |　　　　＿
　''''ー--_　　､､,,,_ﾘ　　　　｀ヽ､ヽ, ,!　　　　／　￣｀''ｰ'､
　　　　　￣｀¨`'''|!　　　 _,,..､二,,_,〉'_ー_／　　　　, ,､　　　`ヽ,
　　　　　　　　　　|!　　　'ｰ''"´　　'!　／　　　　　/ニ''''ー ---'-

226 ：1 ：2009/04/12(日) 20:31:04.27 ID:WQ9g2Poo

.　　　　　 |.　/,:::::::::::__:::)　　　　　　　 :::::||､_ノ　|::::::＼　　
.　　　　　ｌ.(_::　　　　　　　　　　　　　:::::::/l　　 ll|::::::::::::|　　
.　　　　　　 l. 　￣￣￣￣￣￣　　 :::::::／　| lll　|::::::::::::::|　　　
　　　　　　 l、　　＿＿_　　　　 ::::::／：　 |　ll|::::::::::::::::|　　顔つきからして違っていた。
　　　　　 _, -/l、　　￣￣　　　 :::::／:：　　　 |　|:::::::::::::::::|
　　　 _, -':::::::/::::::!.　　　　　　 ::::／::：　　　　　|.|:::::::::::::::::::|　　杢之助は決して鋭い顔をしていない。
　　 ::::::::::::::/::::::::::ヽ、　　　 :::／:：：　　　　　　 |:::::::::::::::::::::|　　むしろ亡羊として、つかまえどころのない顔である。
　　　:::::::::::/::::::::::::::l::ヽ、　 ::／：：：　　　　　　　/l:::::::::::::::::::::|
　　　::::::::/::::::::::::::::l:::::::lヽ／：：：　　　　　　　 /::|::::::::::::::::::::::|
　　　:::::/::::::::::::::::::|:::::::::|：：：：　　　　　　　　 /::::|::::::::::::::::::::::::|
　　　::/:::::::::::::::::;:へ::::::::|　　　　　　　　　 /:::;:へ::::::::::::::::::::::|
　　　/:::::::::::::／:::::::::＼::|- ､　　　　　 , -‐/／:::::::::＼::::::::::::::::|
　　　::::::::::／::::::::::::::::::０:|　ヽ　　　／　 /:::::::::::::::::::::::＼:::::::::::|

227 ：1 ：2009/04/12(日) 20:31:58.88 ID:WQ9g2Poo

　 ,,‐´　＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ
∠-‐´,, -‐' ´　　　ll　　　　 ll　　　ll　　　　ll　　　ll　ヾ
　　／　ll　　　lll　　　　ll　　　　ll　　　lll　　　ll　　　ll ヽ
／　,, ‐; ‐' ~　　　ll　　　　ll　　　　lll　　　lll　　　ll　　 |　　　
,-‐', '´　ll　　　lll　　　lll　　/|　ll　　 ll　　　 ll　　　ll　 |　　　
.／l , -‐'´　ll　　　lll　／ll/.　|　.iﾍ　　　lll　　　ll　　　ll |　　　
.ll／／　　l　 /ll.／　l/　　 |ll|　| llヽ、　lll　　　ll 　 |　　　
　　/ ll.／ ll.∠/／　肉　　　 , |.|-‐|.|￣ヽ、　ll. 　　lll |
　./l／/l ／　/ `ヽ、　　　／　|　　|　　::＼　　ll　　ll|　　　むやみに武勇を誇るわけではないが、　　
..／　/／.|.＝＝===､　　__ =====＝＝＝::::| .l⌒ヽ　.|　　　どこか烈しいものを感じさせる。
　　.／　　| ｀ ‐--ﾟ‐/,:::　'''' ` ‐-ﾟ--‐ ' ´　 ::|ll|⌒ｌ |　|
　　　　　　| 　　:::/,::::::::　　　　　　　　　 :::| |⌒l |llｌ|　　　　うっかりして触れたら、到底ただではすまない。
　　　　　　|　　::/,:::::::::::::　　　　　　　　　　:::|l|６ﾉﾉ .|＼　　　なんとなくこわいのである。
.　　　　　 |.　/,:::::::::::__:::)　　　　　　　 :::::||､_ノ　|::::::＼　　
.　　　　　ｌ.(_::　　　　　　　　　　　　　:::::::/l　　 ll|::::::::::::|　　厳しい顔つきをするでも、ことさら笑顔をつくる
.　　　　　　 l. 　￣￣￣￣￣￣　　 :::::::／　| lll　|::::::::::::::|　　わけでもない。
　　　　　　 l、　　＿＿_　　　　 ::::::／：　 |　ll|::::::::::::::::|　　つねにぼうっとしているだけだった。
　　　　　 _, -/l、　　￣￣　　　 :::::／:：　　　 |　|:::::::::::::::::|
　　　 _, -':::::::/::::::!.　　　　　　 ::::／::：　　　　　|.|:::::::::::::::::::|
　　 ::::::::::::::/::::::::::ヽ、　　　 :::／:：：　　　　　　 |:::::::::::::::::::::|
　　　:::::::::::/::::::::::::::l::ヽ、　 ::／：：：　　　　　　　/l:::::::::::::::::::::|
　　　::::::::/::::::::::::::::l:::::::lヽ／：：：　　　　　　　 /::|::::::::::::::::::::::|
　　　:::::/::::::::::::::::::|:::::::::|：：：：　　　　　　　　 /::::|::::::::::::::::::::::::|

228 ：1 ：2009/04/12(日) 20:33:08.51 ID:WQ9g2Poo

--- ──ｧ- ､
　　　／:.:.／::＞､　　　　別段、杢之助を嫌っているわけではない。
　　　/:.:.:.:/::／_ノヾ　　　　だが、耕作には、自分の観察の証明を
, 　 /:.:.:.:/''´　　0′',　　　つきつめてやらないと気がすまなかった。
:＼{|:.:.:.:.ｉ}　　　　　　ﾚ＾)　　
::l:::{|:.:.:.:.|}　　　　　〔　　　　これもなかなかの強情者だった。
::l:::{|:.:.:.:.|}　　　　　人_）　＼ -､
::l:::{|:.:.:.:八　　　／　　　　（__丿

229 ：1 ：2009/04/12(日) 20:34:11.23 ID:WQ9g2Poo

　＼　　丶丶ヾ丶　＼ヾ丶　丶　丶　丶＼　丶　丶＼丶丶＼丶ヽ
＼ｖヽ丶　＼　丶　＼ヽ　　ヽ　丶＼　ヽ　丶　＼ヾ　丶ヽゝヾ　、丶　、
ヽ　丶　ヽ　ヾ丶ヽ　ヾヽ、丶＼、　丶、　＼.、ヾ　ヽﾟ　ゞ　ヽ＼　＼　ヽ
　＿/__/＿ //　　ヽ＼、ヽ丶ヾ＼　ヽ　ゝ　丶丶　ヽ　ヾゝ　ゞヾ　ヽ丶
　　/　/　　　　　ーーーーーーーーーーーーーー　　＼、ヽ丶ヾ＼　ヽ
　　　/　　　　　　　　　　ヽ＼、ヽ丶ヾ＼　ヽ　ゝ　丶丶　ヽ　ヾゝ　ゞヾ　＼
＼　丶　ヾ　丶ｖ＼　ヽ　＼丶丶、　丶＼　ヾ　丶丶＼、ヽ　＼　＼.　丶
ヾ丶＼　、＼ヽ　、丶＼　＼　＼　ヾ丶　ヽ丶　丶　＼ヾ　ヽ丶丶　＼、＼
　ヽ　、ヾ　、ゞ　ヾ丶ゝ丶＼　＼　丶　＼　丶　ヾ丶＼　＼ヽ　ゝヽ丶＼丶
　ヽ＼　丶＼丶ヽ＼　丶　ヾ丶　丶丶　＼丶　ヽ　＼　＼丶　ヽヾ　ゞ　丶
＼丶丶＼＼.ヽ，丶＼丶ヽ＼＼丶ヽヾ＼丶ヽヾ＼　＼丶＼　＼ヾ　　ゝ
＼ヽ　_,,..-:':':"~^~^~^":':':-:,,._ 　ヾ　丶丶＼　、丶　＼　　＼　ヾ　丶　ｖ＼
　　　~~ ~ ~ ~ ~ |~ ~ ~ ~ ~ ~~~　ヽ　ヽ、＼　、丶、ｖ　ヾ、　ゝ　ヽ、　ｖ丶ヾ　丶、
　＼. 　　　　 |　　 ∧_∧.........丶＼　、＼ヽ　、丶＼　＼　＼　ヾ丶　ヽ丶　＼
＼.　＼　 (-＿-)|<<~(*ﾟーﾟ)/)　》ヽ丶＼　、＼ヽ　、丶＼　＼　＼　ヾ丶　ヽ　＼
ヽ　ヽヾ　 (∩∩)ｊ巛~~~~~~~へ"ヽノ丶＼　、＼ヽ　、丶＼　＼　＼　ヾ丶　ヽ　丶　＼
　＼　＼ヾ丶　　巛:::しぃ;;;;::::: ゞ　　　＼　＼　丶　丶　＼　　丶丶ヾ丶　＼ヾ丶　丶
　　　　　　　　　　 ~~~~~~~~~~~~ 　　　　ｖ

230 ：1 ：2009/04/12(日) 20:35:16.57 ID:WQ9g2Poo

＼　丶　ヾ　丶ｖ＼　ヽ　＼丶丶、　丶＼　ヾ　丶丶＼、ヽ　＼　＼.　丶
ヾ丶＼　、＼ヽ　、丶＼　＼ヽ丶丶　＼　＼　＼　ヾ丶　ヽ丶　丶　＼ヾ
　ヽ　、ヾ　、ゞ　ヾ丶ゝ丶＼ヽ　ゝヽ丶丶＼　＼　丶　＼　丶　ヾ丶＼　＼
　ヽ＼　丶＼丶ヽ＼　丶　丶　ヽヾ　ゞ　丶　丶丶　＼丶　ヽ　＼　＼丶＼
＼　丶　ヾ　丶ｖ＼　ヽ　＼＼　＼.　丶　丶丶　＼丶　ヽ　＼　＼丶. .、ヽ
ヾ丶＼　、＼ヽ　、丶＼　＼丶丶　丶丶　＼丶　ヽ　＼　＼丶／,,;;;;／　,,,...
　ヽ　、ヾ　、ゞ　ヾ丶ゝ丶＼　ゝヽ丶ヽ　ゝヽ　、ゞ　ヾ丶ゝ／,,,;;;／　册册
　ヽ＼　丶＼丶ヽ＼　丶　　ヽヾ　ゞ＼ヽ　ゝヽ丶丶　、／___／　 _,.　册册
＼　丶　＼　ヾ　丶丶＼、丶丶ヽ＼　＼丶　ヽ　＼／／| _,.-r'| |　册册
ヾ丶＼　丶　ヽ丶　丶　＼ヾ　＼ヽ＼　　＼丶　ヽ／／　,..| | | | | |　册册
　ヽ　、ヾ　＼　丶　ヾ丶＼　＼　＼ヽ＼＼丶ヽ/'~T.,.／|川 j_l,.r-'¨ 卅卅i_,.
　ヽ＼　　＼丶　ヽ　＼　＼ヾ丶　丶丶丶　　 /,.T¨il i l l l川__,,... -‐ ￢¨
＼　丶　＼　ヾ　丶丶＼、ヽ　＼　＼.　　　　,l:lj|川_'¨三.ノ____,,,,,.....................
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ＼　ｌ j|:il|‐/jlllllllllll/|＼　＼　ヾ　＼
__,,.. ．-‐　'''""~" ．;",:;".;．.;．,:;"．;．"．;"=='-i,jl| jj| ﾛｺ　 | ﾛｺﾖ ∠二∠ 」
．;．;"．;．;";"．;．;"．．;．;";．;．,:　;．;"．　三三 ' -f, 　.i田l|　　　　 |目田|
．;．;"．;．;"．;．;"．;． ,:. ;;: ;．;"．;．;"．;．;"．二二二' -|.,_.j|　　　　 |l.l.l l.l.|
"．; ;"．;．;" "．;．．; ．;"．;．．;"．;．;"．　-------------' - .,_ 　j! ﾆ二|
．;．;"．;．;";"．;．;",:．;．;"．;．　　;．;"．;．-------------------'' - .,_j|
"．; ;"．;．;"．;．;"．;．．;"．;．;"．; ;"．;．;　_______________________________________￢

その年の嵐は凄まじかった。
雨は叩きつけられ、大風で屋根を持っていかれそうになる騒ぎである。

231 ：1 ：2009/04/12(日) 20:36:08.44 ID:WQ9g2Poo

232 ：1 ：2009/04/12(日) 20:37:12.79 ID:WQ9g2Poo

　　　＿＿
|二. .-.―.-. . ._｀ｰ　、
|: : : :,. -:_: :二: : ｀丶､｀ヽ、
|: ／: イ: : : : : : : : : :l: ＼＼
|ヽ: :＿|_: : : : : ＿: ノ: : : }ヽ. ヽ　　　
|｀〉、_j＿￣: : : : : :ノ : :ハ: ヽヽ　　お勇は見ていて腹が立ってきた。
|　{j人Tー- ｧ―: ´: :／┘L : ヽヽ　
|　　　ヽｰjニ‐_ ﾆﾍ: _lユ┌}: : :',　i　「どうせ知人の家に行って、そこで寝るにきまってるですぅ」
|｀ー '´ ￣〉＝ニ二ヽ|、: :ﾘ: : : :!　l　
|　　　　　 {　　 {jﾉ　￣ヽ/: : : : l　 l　鉄砲は照れかくしと受け取った。
|｀ｰ､＿　ヽ　　　　　ノ/:/: : : :ﾘ′|
|／/ ヽﾒ }　｀＝= 彡／: : : :/　　|
|　　　　V　　　､＿,.　': : : :, イ-― '

　　　／　Ｖ´　＊_ｒー' ￣￣ｉ :Ｔヽ、＊ヽ　＼
　／　　::/　ノ: ￣／: : : : : : :ｉ: : :ｉ : : :ヽ、 .}　　＼
く　　　:::レ': : : :/ : : : : : : : ::/: : ::ｉ: : ヽ: ::＼}.　　　＼
　＼　::/: : : : /: : : : : : :/: /: : /: ｉ: : : :.ｉ: : : ヽ　　／
　　　Ｙ: : : : :`:く;; : : : :/://: //:/＾レ:'":|: : : : :レ'´
　　　|: : : : : :|＿_＞ｧ'-./／ /_ｪ‐ﾆＬ;_: |: : : :ｉ:|
　　　|: : : : ｉレｲつ＾ﾄｖ"　／　イﾌﾞい/ﾞ| : : :ｉ:ｉ　　　今日こそはと勇んで、横殴りの雨の中、杢之助を追いかけた。
　　 .∧: : : い　ﾋﾆソ　／　　　ﾋ二ｿ ./: : :./:|　　　もはや意地になっていた。
　　 ,': :(Ｖ＼:＼　　　　　､　　　　　／: :／}: :|
　　,': : :}　ヽ. `ｒー　　　-ー-ｧ　　 "フ´　ﾉ__::|
　 ,': : : :{ ＊　.}: ｀ｉ　､　　`''　　_. .イｉ＊ /:::　　ヽ.
　,': : : : :{.　　 |: : ｉ: :ｉ _|　ー‐ .｢: ｉ:ｒ┴┐|:::::...　　|
.,': : : : :.ｒ┤　レー ' ヽ.　　　.ﾉ｀＞く⌒ ﾏ:::ｲ__ク
: : : :.ｒ'´.ハ{　 .|　　　ｪ=＞くｪ.く＼　ヽ　Ｖ｢ヽ|
: : :/　/: （ﾊﾌ|=＝"ﾞ　/＾Ｔヽ|　ヽ `　　　ﾉ |　　|ｉ
: :/　/　ﾉ |ﾊ　|　　　 / |（／＼.　　　　/　|　　ｌ:|

233 ：1 ：2009/04/12(日) 20:38:19.29 ID:WQ9g2Poo

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/,:　'　/　'　/　/　,:'/,　　:'/　　/'　　(ノ＾ヽ)　/　/　,:'/,　　:'/ (//'　ヽ)/　/　,:'/　,:　'
''"""'''''"""''""'"""'''''""　,:'/,　　:'/　　"''""''"""'''''"""''""''''""''"''''""　,:'/,　　:'/　　"''"""'''''"""''"''"""'
:::....::::::........　　,:'/,　　:'/　　::::::从 MwM 从 MwMmw M从 MwM 从 MwMmw MwM''"""'''''"""''""''''""'
从 MwM 从 MwMmwMwM　从WＹWﾉM　MWＹMWﾉWＹWﾉMﾉMＹWWＹWﾉM　MWＹMWﾉWＹWﾉMﾉMＹW

一町も歩かないうちに自分の推測がはずれたことを知る。
杢之助は嘉瀬川ぞいに北にまっすぐ向かっていったのである。
すでに城下の外れまで来ている。

234 ：1 ：2009/04/12(日) 20:39:05.71 ID:WQ9g2Poo

　　ゝ＿{　　《　ー/: : : : : : /／: : : : : : : : : : : : : : : :l: : : : : :',
　　　　' ∧　《　　/: : : : : : /': : : : ／: : : : : :／: :/: : |: : : : : : ',
　　　/ /: :ゝ《　 ,: : : : : : /: : : :／: : : : : ／: /: /: : /: :ｌ: : : : : ',
　　 / /: : : : 《　 l: : : : : : l: : ／: : : : : ／: ／:／: : /: : l|: : : : : :l
　　l: /: : : : : :》ｰ:!: : : :-‐1:´: :_; :-‐≠: ／／/: : :∧: : l|: : : :l : |
　　l/: : : : : : :《 ∧: : : : : |三ー-／､／´ 　〃::／　ﾊ: :l|: : : :l : |
　 /: r ⌒)＼: 《　ﾊ.: : : : :!ﾍﾔﾃ云圷ﾐー／ｲ示ﾃｲ: :∨: : :/: :/
　'r=',イ｛　　ﾍ《　　＼: : |＼とう斗′　　　辷ぅｲ:l: :/: :／l/:/
/ｆ´/　l　レ⌒ﾇ《　ｰi＼＼丶　　　　 ,!　　 /､l:/:/／》 /'´
: }/　 l　　　 r' ﾍ》　　　｜トヽ　　c- ｧ　　ィ》 /イー《
: :| 　 |　　　 { 　《　　 |　＞､＿,.　＜´j_ 《　　　　》
: :| 　 |　　　　ﾚ⌒l《　　　|＼　/　　　　（ /　》　　　　《

お勇はせめてその時点で戻るべきだった。
だが、ここまできて、と意地にもなっていたし、それになにより、
一人になることがこわかったのである。

235 ：1 ：2009/04/12(日) 20:40:04.69 ID:WQ9g2Poo

/'　/　/　,:'/,:　'　/　'　/　/　　　　　,:'/,　　:'/　　/'　/　　　　/ 　,:'/,:　　'　/　'　/　/　,:'/,
　:'/　　/'　/　/　,:'/　　　　/,:　'　/　'　/　/　,:'/,　　:'/　　/'　/　/　,:'/,:　'　/
_,,.--ｰ''''''"ﾞﾞ￣~ﾞ"'ｰ-､/'　/　/　,:'/,:　'　/　'　/　/　,:'/,　　:'/　　/'　/　/　,:'/,:,
..'"ﾞ~ﾞ'ｰ､、 : : : : 　: 　｀'~ﾞ"'ｰ-､/'　/　/　,:'/,:　'　/　'　/　/　,:'/,　　:'/　　/'　/
　　: : .: ｀ﾞヽ.,_、: 　　 : : : : 　　　￣ﾞﾞ"'''''―-､　:'/　　/'　/　/　,:'//,:　'　/　'　/　/　,:'
: : : : : : : : : : ｀'i､　,/　　/'　/　/　,:'/,:　'/ : : ｀､,、　　　　,.ｨ''''"'"~''ﾞ''ｰ-　:'/　　/'　/
: : : : : : : : : : : ｀ヽ: 　　　　/　/　,:''　/　'　/　/: : ｀ﾞ''‐'"゛: : : : : : : :　　　 :~ﾞ"'ｰ-'i,　　:
: .｀"　: : : : : : : : ﾞ､:ﾞlヽ、、: : : .: : : : : : : : 　　　｀''''',,,,,、　,:'/,　　:'/　　/ : :,,,,-‐'゛｀ﾞ''ｰ-
　　　.｀｀'ヽ‐.i､　_､,,.:｀ﾞ""￣ﾞ'--､..ー―---､､,__: : ｀ﾞ''､　　 : : : : : ､、､,、::;.:".:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,
　.,Ｙ、: へ,､'｀｀"　:": : 、,`'｀: : : : : : ｀ﾞ＾'--､､---"'ﾞ‐'"　　　: : : : 丶　　　　　`': :~ﾞ"'ｰ
､.ｰ'"′｀｀ﾞﾝ　、丶､.,,;　,:'/,:　'　/　'　/　/　,:'/,　　:'/　　/'　".:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.
"、　: 、｀.､'､｀`" ﾞ:: : 、｀'':,､､:,,,ｖ,、: : ::.`-ｰ'''--,,、: : : : : : : 　　 : : : :
.‐｀｀'',;'',;'',;'',;'',;'',;'',;'',　　　　｀　｀｀｀　　''　,:'/,:　'　/　'　/　/　,:'/,　　:'/　　/'- ｀: :｀ﾞ＾'--
　　''"""''''"　　　　'''"" 　　"""/;;;;;;;ヽ'"""''　　　"'''''""　　　''''""''"''''"　　　""'''''"""''""
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　/　/　,:'/,:　'　/　'　/　/　,:''　〈y;;;;;;ヽ/　,:'/,　　:'/　　/'　/　/　,:'/　/　/　,:'/,:　'　/　'　/　/　,:'
　　　　:::....::::::........　.　.::::::... .... ..:ん;;;;;;;;;〉..::::::........　.　.::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........　.　.::::::... ....:::::::::
　　　　　''"""　　""''""' 　　''"'　しヽ）,ﾟ""'''　　　''""''"""'''''"""'　　　'""''"''''"""''　　''''"""''"
　　　　　　　;;;;;;;;;;;;;　　;;;;;;;;;;　゜　　　;;;;;;;;;　　　　;;;;;;;;;　　;;;;;　　;;;;;;;;;;　　　　　;;;　;;;;;;;;;;
　　:::　　;;;;;:　　　　　　　　　;;;　　;;;;;　　　　:::;;　;;;;;;:　　　　　　　　;;;;;;;　;;;;;　　　　　　;;;;;;
杢之助はというと、歩みはまったく止まらない。
力強い足取りで、山道へと入るところだった。
「山に行く気ですぅ」
とてもじゃないが、女の足で嵐の山に入ることは不可能だった。

236 ：1 ：2009/04/12(日) 20:41:23.02 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　　　,‐､
　　　　　 .rヽ, i　i /´i
　　　　　 .ヽ　'ﾞ　'ﾞ ./　　　　とうとう悲鳴をあげた。
　　　 , -―ヽ.＿　/　　　　　たまらず石を拾って、杢之助めがけて投げた。
､-‐ '　　　　ヽ::} _｀ヽ
　　　　　　　　j:ﾚ' ｀¨
／　　　　　　　.ﾘ
　　　　　_ ..　- '
-―　 ´

　　　　　　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　　　
　　　　⌒＼　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　
.　　　　　　＞ : : : : : : : : / : : : ヽ＼　　
　　　　　ο　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　
　　　　　. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　
　　　トン　　 |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l　
　　　　　.　　 |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l
　　　　　　　　|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |:

何度か投げた中のひとつが背中に当たって、杢之助は気づいた。
さすがに驚いて引き返してきた。

「なにをしている？」
「きまってるじゃないっ。心配したんじゃない、嵐だから」
杢之助は要領のえない顔をした。当然である。
「帰った方がいい」

237 ：1 ：2009/04/12(日) 20:42:39.85 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _..　-　.._
　　　　　　　　　　　　　 _.. - ,ﾆ-冖 ⌒ 冖-ﾆ - _
　　　　　　　　　　　　　／　ノ´,. .‐.: : :￣: :､:‐. ､｀ヽ＼
　　　　　　　　　　　　／　 /／: :.／: : : : : : :l: : : :.＼ヽ　＼
　　　　　　　　＜　　ヽ/: : : :/: : : : : : /: :.l: : :､: : :ヽ/ 　＞
　　　　　　　　　　丶､/: : : ::/: : : : ::::〃:/:.|:: : :.l: : : :.', ／
　　　　　　　　　　　　　ｌ:l: :-:､l.: ::::::::／/://:∧:::._;l:-!: l:.|!
　　　　　　　　　　　　　,ｌ:l: : : ::|＞＜__/ ' / '_,. へ:.|: l: :|::!l
　　　　　　　　　　　　 l:.|:|: : : ::lz＝ｭ　　 ′　z＝ｭ.リ:://: l　
　　　　　　　　　　　　l: :Nヽ: : :ヽ　　　　 ' 　　　 /:://: : :.l
　　　　　　　　　　 l: : ／il ヽ､ヽヽ　 /二ヽ　／ '//￣｀ヽ!
　　　　　　　　　 l: / 　 il　　lｉ､｀`　 |　　　|　　／' li:.　　　ヽ
　　　　　　　 l:/　　 il 　 li　｀丶､ヽ-- ,' ィ .il　　li::.　　　ヽ
　　　　　　　 ,/　　　 il.※.li　　 ,.ィ｀不ヽ、　il.※.li::::::..　　　ヽ
.　　　　　　／/　　　 .:il　　li 　 //　//'{l:l　ヾ､il　　li＼::::::...　　 l､
　　　　　／ｌ/　　　 ..::::il　　li　ヽヽ//l>ｨlｌ:l__,ノｲ　 li:::::::丶､:::::::...l ＼
　　　　 |:　 l:::.　 ..:::::::::iｌ.※.li　　　｀ｲｌ:l.　{.ｌ:｢´　il.※.li:＼:::::::. ｀`　┘　＼
　　　　　 l::　 l::::::_:::-:':´il　　li　　　　{ｌ:l,><{ ｌ:l 　 il　　li＼_l＼::::.　　　　 .::/
　　　　／,l:::. ￣　　 ::::::iｌ　　li､,.､,､,､{.ｌ:ト､イ.ｌ:l､,､,il　　lｉ::::::::l:::::ヽ::.　　 .::::/｀丶､
　 ,.　'"´,.-l::::::::::::::::::::::/il.※.li､,､,､,､,､ｌ:l::::::::{_ｌ:l,､,､il.※.li､:::::::l:::::::..........:::::/ﾆ､ヽ､

　　　　　　　　　　　「ひとりじゃ帰れないよぉ！こわいよぉ！」

238 ：1 ：2009/04/12(日) 20:43:47.05 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　＿─-､ -‐;ｚ.__
　　　　　　　　＞　`　"　ﾞ　　＜
　　　　　　　/　" " " "　ﾞ　ﾞﾞﾞ＼
　　　　　 l " " ", ,ｨハﾞ i ﾞ､ﾞ､ヾ
　　　　　 | " "ノlﾉメ、 |ﾉjﾑﾍ. N　　　
　　　　　　 ! r,ｺ| ＝｡=　 ,｡==ﾊﾘ　　　　お勇の発言と行動の不一致を考えると、首をかしげたくなるが
　　　　　　 | |ﾋ.j|　￣ r_ ＼7　　　　　今はそうもいっていられそうにない。
　　　　　　　j `ｧﾍ　 ──‐:7′
.　　　　　_／∨　:::＼　￣人　　　　　　「この先に丁度いい洞穴があるんだ」
　 -‐'''"´ |.　ヽ.　　::::`:.イ　 |`''‐- ､.._
　　　　 |　　　＼　　:::/　　|　　　 .ハ
.　　　　 |　　 ,ヘ〉　 |へ.　|　　　 l.　l
　　　　　ｌ_／　ﾟ〈ｰ‐'| 　ヽ!　　　│　|
　　　　　　　　　　　|::::::| 　｢￣￣|　| 　 |

239 ：1 ：2009/04/12(日) 20:44:36.29 ID:WQ9g2Poo

　|　　　!l |! !　　| !　　　　 |　!　l　　　|　　!　l　 |!　|　　　!ll　 |!　l 　|!|　　 !l 　|　　　!　　!　|
　!l |! !　　| !　!ll　 |!　l　!|　 l 　　!ll　 |!　l 　!|　　　　 |　!　l　　　　 !　　　　l| 　l 　|!|　　 !l 　|
　 !l 　|　　　!　　!　| !　　!ll　 |!　l　l 　|　　　!ll　 |!　l 　　　　　　　|　!|　　 !l 　|
　!　l　 |!　|　　　!ll　 |!　l 　|!　　 !l 　|　　　!　　!　| !　|　　　!l |! !　　| !　　　　 |　!　l　　　|
!　|　　　!l |! !　　| !　　　　 |　!　l　　　|　　!　l　 |!　|　　　!ll　 |!　l 　|!|　　 !l 　|　　　!　　!　|
　!l |! !　　| !　!ll　 |!　l　!|　 l 　　!ll　 |!　l 　!|　　　　 |　!　l　　　　 !　　　　l| 　l 　|!|　　 !l 　|
　 !l 　|　　　!　　!　| !　　!ll　 |!　l　l 　|　　　!ll　 |!　l 　　　　　　　|　!|　　 !l 　| |! !　　| !
|　　　!ll　 |!　l 　!|　　 !l|　　　| 　　| !　　　　 |　　　l　　　| !　|　　　!l |! !　　l　　! !　　 |!
　　!l |! !　　| !　　i　　 |　!　　|　!　l　　　　!　l |! !　　| !　　　l　　! !　　 |!　l　l 　|　!　l 　|!|
!　　| !　　　　 |　!　l　　　!　|　ｌｌl 　|　　!|　 ! 　　　　l　　! !　　　　 |　! 　　　l| 　l !|　 l　　!ll
　　i　l　　　　　　l　　　　i　|　ｉ　!|　　　　　　!l 　|　　　! !|　 l　　!ll　　l 　|!|　　 !l 　|
l　　　　　i　　　il　l 　|　　　illｉ ..|! !　　| !　　　!　l　　　| 　　　ill　i　| !　|　　!ll　　l 　|!|

　　　　　　　　　　　　　　　　ボ
　　　　　　　　　　　　　　,'　　　　オ
　　　　　　　　　　　　　 (:'　　　　ォ
　　　　　　　　　 ',　　)）　　ォ
　　　　　　　　　　 }　 /(　　　　ォ
　　　　　　　　 ,'　ﾉし': :ヽ　　　ｫ
　　　　　　　　（(,ｲ: :　　:: :V）　　　ｫ
　　　　　　　　､ゝ: :　　　: :(ﾉ}　　　ｫ
　　　　　　　　　ヽ: :: :　 : :: :/　　　ｫ
　　　　　　　　　ゝ;:; :;从;ノ

240 ：1 ：2009/04/12(日) 20:45:29.32 ID:WQ9g2Poo

　　　　／　／,ｨ‐ "`Ｔ ⌒`ヽ- ､_:::::::::::　　　＼
　　／　 .／／: : : :￣ｒ " : : : : : : : ヽ､::::::　　　　＼
　　＼　/　ト: : : :＿ ,,=-ｪ､ : : : : : : : ｨヽ:::　　､　　　＼
　　　〉　＾", ‐⌒￣　　　｀Ｔ" ヽ､_　ｿ - ヽ　　ヽ::::::..　 >
　　　{{　／　 /　　　　　ｉｉ |　＼　 "ヽ: : : ヽ.　　ｉ:::::／　　　杢之助に連れられてきた洞穴は、
.　　ﾚ'´　　/　　　　　,ｲ .ｌｌ　　ヽ　　ヽ: : :ヽ　　ﾚ´　　　　意外と奥に広がりがあった。
　　/　　　/　　　　　/ |　ｌｉ　　　 }　　　ヽ　 }レ∧　　　　
　 /　.ｉ　ｉ　　　　／　/ ｉハ_　　　ｉ　　　　',　ｿｲ　ｌ　　　　そこで慣れた手つきで火を焚いてもらうと
　 | 　ｉ.　ｉ　_＿/_　 /　/＿＿ヽ__ ｉ.　　　　ト-|　　ｌ　　　　お勇はようやく生きた心地をとりもどした。
　 | 　ｉ　　ｉ" ／､_／　/　　__　　＼ヽ　　　　ｉ　}.　　ｌ
　ヽ　ｉ　　ＫＴ7ﾊヽ　　　　　Ｔ７ﾊ;フト　　 /　:}.　　ｌ
　　　＼.､い. ﾋ;ゾ　　　　　　ﾋﾆｿ./.ｉ　　ｲ　 .:}　　　ｌ
　　　　|ヽ＼ヽ .::::.　 ;　　　　 .:::::./ノｲ／ .} L .}　　　ｌ
　　　　ｌｉ　　｀ｉ＼　　　ｰ‐'　　　　／イｉ　.} ｢ .{　　　　ｌ
　　　 ∧ｉﾚ_ |　ｉ. `:　.､ _ _,　　'´ ﾄ､. ｉｉ　{ｉ　 } ｉ.　　　ｌ
　　　/ .{ｉｖ` {　ｉ　ｉ__/　}　　.／　　＼ {ｉ　　}　ｉ.　　　ｌ
.　　/　 {　　　レ '´　, - ､.ｖ"ｒ‐- ､　　 .{{　　Ｌ　ｉ.　　　ｌ
　 /　　}ｉ　　　}　ｒ '´　　　>く　　　｀ヽ.{　　ｲ⊥.ｉ　　　ｌ
. /　　 }ｉ　　　.}　|　　 , イＬ|| ＼　　　.{トじｖＫ　ヽ　　　ｌ
/　　　}ｉ　ｉ _　|.　レ'´ .>|（ .|| ）　｀ ‐ｖ'}　 " }ｒ'::::::　ｉ.　　　ｌ
.　　　 }トﾍ`　.|　　　〈 | |>|Ｋ　　　 .}ｉ　　　}ﾊ::::::::　ｉ　　　　ｌ

241 ：1 ：2009/04/12(日) 20:46:12.62 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　　　　　 r ―――――-- ､
　　　　　　　　,ィ／￣￣￣￣￣￣￣`ヽヽ､
　　　　　／／__, ィ―――､――､　　　＼ヽ､
　　　 ∠_／´7 : : : : ィ´ : : : : : : :ﾊ`ヽ､　　＼＼　　　　　今の自分は濡れた服を乾かすために、
　　　　　/ : : / : : ／ : : ／/ : : /: :! :ヽ :＼　ヽ　＼　　　　最低限しか身に着けていない。
　　　 /: : //: : / : : ／: :/: : : ﾉ: : |: : !ヽ: : ヽヽ　ヽ　　　　
　　　 /: : : /: : /: :／: : ／: : ／: :i ∧: : :|: :ヽ!　 } /＼ヽ　　　そしてとなりで杢之助は、持ってきた鉄砲を
　　　 ! i : : !: :/: :/: : ／: : ／ィ: : /: : ヽ: :!: : : !　Y_　　ヽヽ　　とりだして、弾ごめに精を出している。
　　 .!: :| : : !/､_/_／ _ィ／/: : /∧: : : : !: : : : }　|　｀ヽ､ヽ!
　　　 ! ﾊ: : |.／＞￣／　ノ :入〈　 !: : : : !: : : :! /!　　　 `ヽ!
　　　 |〉､ヽ ! ﾞﾐﾐ三､　／／　　`〈__! : : /: : : :ｲ: :!　　　　　　（ふふっ、照れちゃってやがるですぅ）
　　　 | 「ヽ!`ゝ::: 　　　　　ﾐ､､＿　〉へ : : :ノ :|: :|
　　　 | | ヽヽ　::::　 l　　　 ::: `ﾞﾞ=ﾐ/: :／:／ /: ! : !　　　　自分でも、どこかでこうなることを
　　　 | | ヽ　＼　　 !ｰｧ　　 :::　／:／／　 /: : |: :|　　　　望んでいたのかもしれない。
　　　 ! .＼　　　＼　`´　　　 ,イ⌒ア^〉　/| : : !: :!　　　　
　　 /|　　 }-､,-､__}＞r-ァ´￣　／　/　 /: :! : : |: :!　　　　そう考えると、不思議なことにこわいとは思わなかった。
　／: !　　>-､＿ 7―､`/　　　　　ノ　 /: : :! : : ヽ:|
/ : : /　 /＼　　/==Y〈`-"⌒ヽ＜　　/ : : : |: : : : :ヽ

242 ：1 ：2009/04/12(日) 20:47:33.76 ID:WQ9g2Poo

┃　┃┃　　┏━━┓　　　　　　　　　　　　┃　　┃┃　　　　┏━━┓　　　　　　　　　　
┃　　　　　 ┃　　　┃　　━━　　　┃　　　┃　　　　　　　　 ┃　　　┃　　　━━　　　┃
┣━━　　┃　　　┃　　　　　　　　┃　　　 ┣━━　　　　　┃　　　┃　　　　　　　　　┃
┃　　　　　　　　　┃　　　　　　　　┃　　　 .┃　　　　　　　　　　　　┃　　　　　　　　　.┃　　
┃　　　　　　　　 ┃　　　　━━━┛　　　 ..┃　　　　　　　　　　　 ┃　　　　　━━━┛

胸の高鳴りが早鐘のようになっている。

杢之助には緊張してきているのが気づかれないだろうか。

243 ：1 ：2009/04/12(日) 20:48:45.00 ID:WQ9g2Poo

／　" ,,　"　 "　　ﾞ　ﾞ　 /
,イ "　"　　"　八ﾞ　ｉﾞ　| 　・　お
/　,ｨ´ "/' ｲ　/::: ヽ　ﾄ、ﾞ|　・　勇
／/ ｨ' /| /| /:::　, -ヾ､ヽ,|　・　さ
　l　 l /-ﾚ､ﾚ'　 ´_,　a=＝|　　　ん
　! /l,ﾊ＝a=､　ヾ`ー　 ´|　
　'"　　',`ー/ :::　　　　　　|　
　　　　 ',　/ ;:::: ､　　　　　ヽ＿　　＿__
　　　　 ∨_,　- '　　_,　　::::/;;;;::ﾉノヾ
　　　　　丶ｰ '' "´　　 .:::/;;;;;::´　　 `
　　ｒ―､,／丶　 =＝　 .:::/;;;;;::::::
`<´ヽ r‐ヾ-､＼　　:::／;;;;::::::　　　　/
.(´ヽ　ゝー)ｒ┤/＼:／::;;;;::::::　　　　/

244 ：1 ：2009/04/12(日) 20:49:18.46 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　　　　　　　　　　　　,　．-=＝＝= - ､
　　　　　　　　　　　　　 ∠　　　`^`^~^`ヽ､　＼
　　　　　　　　　　　　　 ,∠ -‐……‐- ､　　　＼　＼
　　　　　　　　クルッ／ .::.::.::.::.:..;.:.:.:..:.:..`ﾄ､　　　＼　＼
　　　　　　　　　　 / . .::/.:/::.::.:/.::.::.:://.:l.:|:ヽ　　　 i　　＼　　　ドクン！
　　　　　　　 / . ::./::/:.:::.:/.::.:::,.ｲ/.:::l.:|.::..ヽ　　 i　　　＼　　
　　　　　　　　　i.:i.:.:l.l.::l「.｀メ.:.:／//∠ l.:|.::i.::.ヽ　　i　　 , ィ´　　（きた――）
　　　　　　　　　|::|.::|:l:::lﾚく:／　// /⌒i.:ﾄ､l.::.:::.〉　i　／ /
　　　　　　　　　|::|.::|:l:::l1 ﾄﾐ　　　,ｨr＝=ﾄ､l:.::.:/　ﾚ'´ .:/
　　　　　　　　　　lﾊ:::ﾄ､::l」_リ　　　 i l.:.:.:. ﾘ l/:/　,f.: .: .:.:i
　　　　　　　　 l/　ヽ' ' ' ' 　　 ┴ー'／/　 ,f: : : : :.:|
　　　　　　　　　　rｿ　ﾊ､　「｀7　 ' '∠ ｲ　 ,f: : : : : : :|
　　　　　　　　　rｿ　　ﾉ.:i:.:.＞ ‐一 ´_⊥:｛　｛.: : : : : : .:|
　　　　　　　 rｿ　　ﾉr'77´ 二`ﾆ´　￣｀｛　｛ : : : : : : |
　　　　　　　　rｿ　ﾉr'77 /^ﾌ介ﾄ､　　　｛　｛ : : : : :

245 ：1 ：2009/04/12(日) 20:50:05.50 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　　　　　 _,,.. - 、,. ''" ﾆ=-
　　　　　　　　　 _,. -ﾞ'　　ﾞ　 "￣~ﾞ'' - .,,
　　　　　　　　　７i　　　　　　　　ヾ　ーﾞヽ　　　
　　　　　　　　　 /　 ii　　　　　　　　 i; 、ヽ
　　　　　　　　 _ i i! 　　　　　　　　　　　i.　ﾞ ,　　　
　　　　　　　／ﾞ'' -'^ヽv ｖﾍ、ヽヾヾ　i i i＼i
　　　　　/""　　　,　,,_ Ｙ!/　ヾ__!_Aﾘ|ﾉ!'!'!　　　　「すまんが、こっちに座ってくれないかな」
　　　,.- "　〈　　 i　　 i=ゝ、 ,,∠=-ｧYﾍﾚ
　　ﾉ　 ! 　 | "~' |、 - !ﾟ-."!|くﾟ-　 !!ﾒ/　　　　　　杢之助が指す方向は、壁のそばである。
　　(　　 ! ,,... ! ,,..　! ￣i,　　!|::.　　/.ノ　　　　　　
.　　|ヾ　'!. 　/　　 |"ﾞ　〉ー !|;― /"iヽ~ﾞﾞ^''' -　　とても二人で横になる幅はなさそうだった。
　 /ヽi - ! _/ﾞー i'!　 i,/ 、　―　/i　 |,,__　　　　　　
　ノ">ヾ_!〈=＝-!|_ノi ヽ＼　／　!　 |　￣ﾞﾞﾞ^'''
　／　　 ''ﾞ.---┘　 | 　＼ッ"　/　　|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　 ,　 -‐―‐ ､　　　　
　　　　　　　　　　　　／,　　-―‐-､＼　
　　　　　　　　　／／ ,. 　-――‐＼＼　　
.　　　　　　　　　／／／::::::::::::::}､ヽ :::: ヽ._> 　
　　　　　　　　　　／ _」　/:::::::::::＿:/　ヽ}＿__｣＿,　
.　　　　　　 ∠＿_｀ﾄ辻:::::::'´_／　　ﾉ◯' ！　　　云ってる意味がわからなかった。
　　　　　　　　　　 / ::| |l{￣￣‐◯　　　　　　}i　　　
　　　　　　　 / ::: | |lﾄ､　　　　　￣Z　/l|　　　
　　　　　　　　　 /:::::::::| |l|__ヽ、　　　 ´ ／| ｌ|　　
　　　　　　 / :::::::::,ｉ |l|　<ｌ｀ー―一 '＾!､| ｌ|　　
　　　　　　　　/ ::::::／ ! ll|　<| 　|￣ >ロ<_}|>| ｌ|　
　　　　　 / :::／　 | |l|　<|　　￣ ,ｲﾄ､　|>| ｌ|＼

246 ：1 ：2009/04/12(日) 20:51:12.25 ID:WQ9g2Poo

........::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::::::
......::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::　　　　:::::ι
.....:::::::::::::／:::::::::::::::::　　::::Ｕ:　　　　　:::::
............／:::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　:::::::::
......／:::::::::::＿::::)
....( :::'''　　　γ　　　　　　　　　　　　　
................... ／　　　　　　　　　　　　　　　　「やつだ……」
....................... ----=====ﾆﾆﾆ⊃
..........................ヽ-. 　　　　　　　 ..:::::::::::::ι
................ニィ....../::::::::::.....　　　..::::::Ｕ::::　　　
.........................../:::::::::..　　　　 ...::::::::　　　　　　
......................../::::::::::..

247 ：1 ：2009/04/12(日) 20:52:01.70 ID:WQ9g2Poo

―――――――――――――――――――――――――
　　　　　　彡彡彡ノゞ　──　　　　　　ノ　　入　　　　　
　　　　　　　冫ノ　ノ∠─　》　　　　　⊿　　　　ミ彡ミミ
　　　　　／´´｀　ノ　　　　ミ　　　　　彡　＼　　　ミミ
　　　　ﾉ　　　／彡　　　ﾐ　　　　　　　　　　》＼　ﾐ　　　　　　　　
　　　ﾉ　　　ノ　　巛〆ヘミ　　　　　　　　　》　＼ミ
　　（　　　　弋─ノ　　　　）　　　　　　（⌒　∬　　》
　　（　　　　　　　　　　　）　　　　　　（　　　∫　　　）　
　　　（　　　　　　　　　ノ│　　　　　∥＼　　　　　　）
　　　　ﾞﾞﾞゞ＿＿＿＿／iii儿　　　　ﾉ　ﾐﾐ＼　　　〆
　　　　　　　　丿　　ﾉ　iiiiiiﾞﾞ■■ノミミiiiiiiiii￣￣┃　
――――――――――――――――――――――――――

248 ：1 ：2009/04/12(日) 20:52:57.92 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　从
　　　　　　　　　　　　　　　　　　《　ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　巛　　＼《
　　　　　　　　　　　　　　　　八　　　　ｿ《　∧
　　　　　　　　　　　　　　＼巛　　　　ヽソ丿 /
　　　　　　　　　　　　　彳∨　　　　　　　　く　　　　　　　　お勇は云われて入口から気配を察した。
　　　　　　　　　　　　√　　　　　　　　　　　＼　　　　　
　　　　　　彡彡彡ノゞ　──　　　　　　ノ　　入　　　　　
　　　　　　　冫ノ　ノ∠─　》　　　　　⊿　　　　ミ彡ミミ　　とてつもなく巨大な猪だった。
　　　　　／´´｀　ノ　　　　ミ　　　　　彡　＼　　　ミミ　　　
　　　　ﾉ　　　／彡　　　ﾐ　　　　　　　　　　》＼　ﾐ　　　　
　　　ﾉ　　　ノ　　巛〆ヘミ　　　　　　　　　》　＼ミ　　　　「ヒ……」
　　（　　　　弋─ノ　　　　）　　　　　　（⌒　∬　　》　　　　
　　（　　　　　　　　　　　）　　　　　　（　　　∫　　　）　
　　　（　　　　　　　　　ノ│　　　　　∥＼　　　　　　）　　悲鳴が声にならず、尻をついたまま
　　　　ﾞﾞﾞゞ＿＿＿＿／iii儿　　　　ﾉ　ﾐﾐ＼　　　〆　　　指示された方へと後ずさりする。
　　　　　　　　丿　　ﾉ　iiiiiiﾞﾞ■■ノミミiiiiiiiii￣￣┃　
　　　　　　　 │　 └　iiiiiiﾞﾞ　　　　　 iiiiiiiiiiﾟﾟ┃　┃　　　猛烈な獣臭さが鼻をツンとさせる。
　　　　　　　丿　　│　;:;;;　　　　　　　ii:iiii　ﾉ　　＼
　　　　　　　巛巛巛　iiiiiii　　　　　　　iiiii 　巛巛巛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＂∴∵

249 ：1 ：2009/04/12(日) 20:53:29.65 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　　__ .,-u--、. 　　　
　　　　　　 / |｀ー／ヽゝ　　　
　　　　　／ _¨｀ヽヾ／ヽ、　　
　　　　　! .´　ヾll | | |　　ｌ
　　　　 |.ゝ　ノ /|/ .L／|｀ヽ_
　　　　　ヽー ´/ ｆ　l ゞfi-, = ､　　　　杢之助は火縄に点火をする。
　　　　＿|　　|　! |」__　/　　ﾄ　　　　
　　　/　 .ゝ___ﾉ_ﾉ/__　| ゝ___ ,ｨ　　　　銃はまだ構えない。
　　 ./　 /　　|　　||､ｌ_｜　!ﾞ¨~/
　　/　 /ヽ.　 ! 　 |!　ヽ! 　|ゝ〉
　｜　l　　＼|　　|!__ノ, - 、 /
　｜　/}ヽ..　 L＿|_／　　ﾉ'
　/　/ ｛　＼　　　　　／ i.
　|　ヽ |　　　ヽ-ー￣　ﾉ　　

250 ：1 ：2009/04/12(日) 20:54:09.54 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　　　　　　　　　　　_,, ─＝ﾆ二￣　"'- ､
　　　　　　　　　　　 _,.．-'''"＿＿　※ 　｀"'- ､　　＼
　　　　　　　　　　 /＞ﾞ⌒ヽ￣￣￣"'- ､　※　＼. 　＼　　　ここにきてお勇はようやく杢之助の行動を理解した。
　　　　　　　　　／ ./　　　: :＼　: :＼ : : ＼　　　 ∨　　＼　　　
.　　　　　　　 /　 /　　　　　: :ﾊ　　: :＼ : : ﾍ　※ ∨　＿〆)　杢之助はこの獣を撃ちに山へやってきたのだ。
　　　　　　　 /　: :i　　　　: i:　: :ﾄ､　 : : ﾍ　: :ﾍ.　　| イ__／
　　　　　 /　 : :i 　 : : /,ｲｲ: :ﾄ､＼__,: :∧ : : :| ※ﾞ|.八　　　　　
　　　　　　ｌｌ : : :ｌ＿／/ ﾙﾞi: :ﾉｨr‐─＜　〉: :.,'　　.ｌ: :　＼　　　
　　　　　　ｌｌ.　: :tノ.厶イ　ﾙﾞ　(て刀ア.,': :./ ※ .ｌ: :　　＼　　
　　　　　　 |∧　: :∨ (てｶ｀　　　ゞ―ﾞ /: :/　　　.ﾄ､ : : 　　＼　
.　　　　　　ゝ : : ＼.ゞ┘　,　　　////,.イ　※　ｌ:　＼ : : 　　＼　
.　　　　　　　｀(＞┬-ゝ//　 r ､　　　个　　　∧.: :　＼ : : 　　 '.,　（あたしを抱きたいわけじゃなかったんだ）
.　　　　　　　　）人.Xﾞ＼　｀‐' 　／　.|　※ /.: :',: :　　＼: :　　　ｌ　
　　　　　　 /./ : : ）ﾞ※/ﾞﾃ=r‐ｬ<.__＿人.　 /: : 　',: :　　　＼: : 　ｌ　
　　　　　　　　/./　: :/　/ﾞf .〉〉刀, 〉〕　　｀X乃ﾐY)∧: :　　　＼/
　　　　　 /./　: :/.／_「|　Y|　　 /＼　　∧ ﾍ＼￣ﾊ.: :　　　　＼　　
　　　　　　 /./　: : ,ｲ　辷竺ﾐY 　 .∧　》 ∧ﾉ　〉　＼.　ｌ.: :　　　　ﾍ
.　　　　 /./., -'"/ﾉ　廴＿辷竺ﾐ乃ゝノ∧ﾉ　 / ※ / 　|.: : : :　　　　 ',

251 ：1 ：2009/04/12(日) 20:54:48.92 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　＿__　　
　　　く/',二二ヽ>　　勝手についてきたのは自分である。
　　　　 |l |ノﾉｲﾊ)）　
　　　 |l |ﾘ≧0≦|　　ひとりで帰れないと駄々をこねたのも自分である。
　　　ﾉl_|○_介｣○
　　　 ≦ノ｀ヽﾉﾍ≧　　自分の行動が杢之助の迷惑になっていたことは重々承知である。
.　　　ミく二二二〉ﾐ

　　　　　　　　　　　　　　／＼　　　_,.．-'ヽ、
　　　　　　　　　　　　／, -‐''_＞ｭ＜__,,.. ．-+‐ー‐ー---┐
　　　　　　　　　　　／, ' '""~__　　　　　｀`丶､　　　　　,ｲ
　　　　　　　　　 ∠イ'´""￣: : ￣""'''‐-..,,_　　ヽ　　　　/ |
　　　　　　　　／: :/: :i : : i: : : : : :i: : : : : : : :`'ｰ､ `i　　 ./; ; 〉
　　　　　　　./: : /: : ,' : : !: : : : : :!: :i|: : : : : : : : :i　|　／; ; /
　　　　　　　l : : !: : .,' : : : : : : , : : ./i: : : : : : : : : :l |／ ; ; ,ｲ
　　　　　　.l: : : : : :i : : : : : : ,ｨ: : /　.l ﾄ、 : : : : : : l; ; ; ; ;/:.l
　　　　　　 l: : : : : :l: : : : : : / l: :/　 _,l」ﾆ+-: : / : : |; ; ./: : |
　　　　　　.|: : : : : :l|　__,」ノ　 | /　'´　ヾ_,,ヾ．、_,': :l; ;/: : : :|
　　　　　　 |: : : : :‐|'´__ｭ/　　.l/　　　r'´i´;;;;;l　〉: : /イ: : : : .l　　　（それにしても……）
　　　　　　 .i : : i: :./~rl;;;;i`　 /　　　 .'　.ﾔﾆｿ ': :／※i: : : : : l
　　　　　　　ヾlヽ: :ヽ .!.kri　　　　　　　　｀´/ .イ　　 i: : : : : ::l
　　　　　　　　ﾄ: :ヽ: : `ｰ′　　　　　　""　/イ　!　※.i: : : : : : l
　　　　　　　　|::ヾ、ヽﾄゝ　　　`　　　　　／　ィ'i　　　i: : : : : : .ｌ
　　　　　　　　!: :i　　ヽ、　　　＿　　　 , -'"トi※ 　i: : : : : : : l
　　　　　　　 .l: : i　※ .i: :｀:ｰ-　,,`_´,, - '　／　i　　 i、: : : : : : l
　　　　　　　 l: : .i　　　i r‐- ．..,r'´ /　　／　.／i　.※i〉7´￣`､_

252 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/12(日) 20:56:05.77 ID:RzoWEygo

いまさらながら赤木の額の「肉」にワロタｗｗ

253 ：1 ：2009/04/12(日) 20:56:17.55 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　　　　　 |　　　　／　　_,. -ｰ '　´￣｀　ｰ､　＼　　　　/
　　　　　　　　　　ヽ　　　l　／　／　　　　　　　　　＼　ヽ　　 /
　　　　　　　　　　　 ',　　 {/　　 /　　／　　 :ｌ　　　　　｀､ !　 /　　こんな時でも文句を云ってやりたかった。
　　　　　　　　　　　　ヽ　〉.:.:　/　　/　　　.:/.:　ｌ.:.　ヽ　ｌ|／ｌ
　　　　　　　　　　　　　 Y .:.:. /.:　 /　　.:.／,ｲ　ハ.:. ...:| 　 :|:.:.:|　　　人をあれだけその気にさせやがって、
　　　　　　　　　　　　　 | |.:.:. ｌ.:.:. // , イ.:.//:.:/　＼.:.:|　...:|:.:.:|　　　どうしてくれるんだ、朴念仁。
　　　　　　　　　　　　　 | |.:.:. |｀'lメ∠_/／/／__, -ｰ'ヾ:|: 　:|:.:.:ｌ
　　　　　　　　　　　　　 |､ヽ.:.:ヽィ仡圷ﾐ　　　　ィ仡圷ヾ.:.:.:|::.::l　　　
　　　　　　　　　　　　　 | ｌヽ＼| 弋r:シ　　　　弋r:シ |.:.:.:ﾉ:.:.:.',　　　と、口ばしる刹那……
　　　　　　　　　　　　　/.:|　＼ヽ;:::::::: 　　 ,　　::::::::::::ノ_／ |.:.:.:.:':、
　　　　　　　　　　　 /.:.:.ｌ　　 | 弋　　　　,. _　　　　フl　　/.:.:.:.:.:.:ヽ
.　　　　　　　　　　 /.:.:.:.:ヽ　ヽ __ ＞､___ 　｀_,.ｨ＜　/　 /.:.:＿.:.:.:.:',
　　　　　　　　　　 /:.／:｀∧　　| |｀￣＼ヾ／ﾉ￣ ∨ 　{'´: : : : :＼.:.＼
　　　　　　　　　　/.:/: 、 : : ',　　| | 　__,r＜_< ヽ,._＿|　　|.: : : : : : : :ｌ.:.:. ヽ
.　　　　　　　　　/.:/: : : ＼: : }　 |. ￣／　＼ヾ)　＼ |　　L、 : : : : : :}.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　 / .:.{ :＼: : :.}: : !　ト､/　　ヽ }〈//　　ヾ一'|/:-ｰ' : : :/.:.:.:.:.:.::. ヽ
　　　　　　 / .:.:.:.ヽ: :ヽ,: : :r十</ゝ　,.メノv ヽ入　　<＼＿ : : : :/.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ',
　　　　　 / .:.:.:f＼_〉.: : : :/　ヽ/￣Zｿ　|人| （　>_「´ヽﾉ　 } : :〈,.ﾍ.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|
　　　　　 / .:.:.:.:.:} |＞二ﾆ/　　　ゝｰ厶　|∨|　〉　＼一'　　　Y二､￣〉.:.:.:.:.:.: |

254 ：1 ：2009/04/12(日) 20:57:27.41 ID:WQ9g2Poo

　　　　,ﾞ　／ )　
　　　 |／_／　　　　　
　　　 /／二二二7　　　杢之助は手を挙げた。
　　　/'´r　-―一ｧ"　　　口をきくな、ということらしい。
　　 / // 　广¨´ 　
　　ﾉ ' /　ノ　　
_／｀丶　/　

255 ：1 ：2009/04/12(日) 20:58:32.04 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　从
　　　　　　　　　　　　　　　　　　《　ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　巛　　＼《
　　　　　　　　　　　　　　　　八　　　　ｿ《　∧
　　　　　　　　　　　　　　＼巛　　　　ヽソ丿 /
　　　　　　　　　　　　　彳∨　　　　　　　　く
　　　　　　　　　　　　√　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　彡彡彡ノゞ　──　　　　　　ノ　　入　　　　　
　　　　　　　冫ノ　ノ∠─　》　　　　　⊿　　　　ミ彡ミミ　　　　　　大猪が跳んだ。
　　　　　／´´｀　ノ　　　　ミ　　　　　彡　＼　　　ミミ
　　　　ﾉ　　　／彡　　　ﾐ　　　　　　　　　　》＼　ﾐ
　　　ﾉ　　　ノ　　巛〆ヘミ　　　　　　　　　》　＼ミ　　　　　　　　すさまじい直線運動で、
　　（　　　　弋─ノ　　　　）　　　　　　（⌒　∬　　》　　　　　　　　こちらめがけて突進してきた。
　　（　　　　　　　　　　　）　　　　　　（　　　∫　　　）　
　　　（　　　　　　　　　ノ│　　　　　∥＼　　　　　　）
　　　　ﾞﾞﾞゞ＿＿＿＿／iii儿　　　　ﾉ　ﾐﾐ＼　　　〆
　　　　　　　　丿　　ﾉ　iiiiiiﾞﾞ■■ノミミiiiiiiiii￣￣┃　
　　　　　　　 │　 └　iiiiiiﾞﾞ　　　　　 iiiiiiiiiiﾟﾟ┃　┃
　　　　　　　丿　　　│;:;;;　　　　　　　ii:iiii　ﾉ　　＼
　　　　　　　巛巛巛　iiiiiii　　　　　　iiiii　　巛巛巛│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＂∴∵
　　　　　　＿,　　＿, 　　＿　　＿　　＿　　＿,　　＿　　＿
　　　　　　 |_|_|　　 |_|_| 　　 |_|_|　　 |_|_| 　　 |_|_|　　 |_|_|　　 |_|_|　　 |_|_|
　　　　|￣|＿　|￣|＿　|￣|＿　|￣|＿　|￣|＿　|￣|＿　|￣|＿　|￣|＿
　　　　|　＿|　|　＿|　|　＿|　|　＿|　|　＿|　|　＿|　|　＿|　|　＿|
　　　　|＿|　　 |＿|　　 |＿|　　 |＿|　　 |＿|　　 |＿|　　 |＿|　　 |＿|

256 ：1 ：2009/04/12(日) 20:59:24.32 ID:WQ9g2Poo

　　　／　　　　　 |　　 |　　　　　　　　　　　　＼　　　　＼　　＼　／
　　/　　　　　　　　　|　　|　　 i　　　　　　＼　　＼　　　＼＼　／
＼/ 　　　 /　　　ハ. 　 l＼　ゝ、　　　　　　＼　ヽ　　 ',　ﾞく
. / 　　　 /　　　 / ∧　　!　＼＼＼　　　　　　ヽ　 ', 　　 l 　 ',
/ 　　　｜　　　/ /　＼. ＼　＼ゝ､＼　　　　　 .ヽノ|　　　 |　　|
i　　　　 l＼　 /／　　＞<＼　＼ゝ-＼-－─一'|　|　　　 |　　|
l 　　　　 |　_＞=ニニ＜´ 　＼＼　　 ,ｨチ示-ミ气>　|　　　 |　　|
|　|　　　|　lく r'"/´￣｀ヽ＼　　　＼ヽ　〃f｡ f　ｉ　.} jﾉ|　|　　　/　　|
|　|　　　|　i.ヽ!　{ ﾟ（）　}　　　　＼　　ゝ　ｰ' ノ　 | /　　 /　　 .l
ゝヽ　　ヽヽ　　ゝ＿ノ　　　　　　　　　　ー--‐'　ﾉ/　 .／　/ /
　lヽ＼　　＼＼__ー--‐ '　　　　　 }　　　　　ヾヾヾ　/　／/　／./
　|　＼l＼　ヽ－'〃〃〃　, -- ､＿__ノヽ　　　 ∠／　/／　/
　'､　　| |　ゝｰ＼　　　　／　　　　　　｀ヽl　　　　　 /　〃　/／
　　＼ | |　 | |　ヽ、　　 {　　　　　　　　 }　　　／──‐く⌒｝
　　　｢⌒ >--､--<＼　ヽ　　　　　　　　/ 　／　 ┌‐ノ⌒ヽ｣＼
　　r｢⌒/ 　l／｀ヾ－､ー-丶､＿＿＿／-‐'　　　 r‐'、＼　＼ヽ
　/　〉　|　 /　／　/ ｀ヽ　　￣ヽ､ーイ __　　　　／､　ヽ　　　　',　',
/　　ゝ. l　　　　　　 |　　／ニ｢｝二､＼　〈 i　ヽ　　　　　 }　ゝ

257 ：1 ：2009/04/12(日) 21:00:01.23 ID:WQ9g2Poo

　　　　|: : : : : : : : : : : : : 彡: ／: :／/／::::::::::::l:　l／ｊ/ヽﾉ
　　　　|: : ｿ: : : : : : : : ;. ''´::￣ ~" メ､::::::::::::　ﾚｲ　f
　　　　|: : : : 彡_:_: i:!:|:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::..,,ﾑ 'ﾌ/
　　　　:l: : : : / r‐|: : :| "､´￣(ｯ￣~"ﾌｼ　く'ﾞ′ /
　　　　 l: : : :.|　i: :lN: |:::: ::::::::::::￣::::　 .::::::::::', .　/

258 ：1 ：2009/04/12(日) 21:00:40.54 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　　　　　　　　|　　//　＿/＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（））,,￣),,　　　　　　 |＼　　　　/　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣ヾヽ　　,　　　　|　　　　 /　 /　　ツ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヾ､　;

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ、ヾ、　ー - ...　ヾヽ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ、｀　lllllll｀ー -＝=':::::::::>｀ー - .. ､ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ｀｀　｀ー - .. ､ _　｀ー'　｀ー - .. ､ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＾ヾ｀>ー -　､　　　｀ー - .. ､ _
／/＾￣二三//⊂⊃､ヽ三ミヾゝ､　　　　　＿＿＿,,〃　　｀ ''''':::::;;;;; _ ｀ー - ..､ _　　〃￣　｀
　/:::::::イLl‐,.///:::８:::::ヾヽ＼,..-一'´￣￣フ／::::::::::〃　　　　　　　　　｀ー - ､　_ニﾆﾌ￣ > ｰ
/::;イLl／／´⌒´￣＾￣｀ヽy'::::::::::::::::::::::::/./:::::::::::::/　i　　　　　=　　､＿_　　!　＿＿[｀ﾉ　,ｒ'ー‐'
;ｲLl-/／:::::::::;:::::::::::／⌒７´:::::::::::::::::::::::/./:::::::::::::::i　　!　　　　　、　、　￣!￣ﾉ￣｀ー‐'
ｲLl/::/::::::::∠::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/./:::::::::::::::::i　　ヽ　　　　　　　｀ー―‐〈

259 ：1 ：2009/04/12(日) 21:01:32.84 ID:WQ9g2Poo

鉄砲から火が吹く音と、角で貫かれたように見えたことで目を閉じてしまった。

　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　|　|　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　| 　　　 |　|　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 |　|　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 |　|　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　| ,　　　 |　|　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　 |ﾉ　　､|　 .|　　　､|
　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ_＿＿__,ゝ　ｿ_＿＿ゝ
　　　　　　　　　　　　　　 _ノﾞ￣⌒＾⌒}　 .{ ⌒＾⌒}
　　　　　　　　　　　　　　'ﾆ＝==⊂⊃=｝　{=⊂⊃=｝

再び目を開けると、先ほどまで自分が座っていた場所で、猪は死んでいた。
凶暴な目は開いたままで、耳から血を流していた。

260 ：1 ：2009/04/12(日) 21:02:17.33 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　｀ヽミメ、　. -‐,=‐
　　　　 . . .-‐‐ミ i!　Y i! 厶イ_＿
　　　∠..., =‐-　i!　 i!　 i!　i!　＜´　　　　　
　　　 .ィ´ i! 　 i!　i!　i!　i! 　 i!　i! ヽ
.　　, ′i!　i!　i!　i!　i!　i!　 i!　 i!　i!.!　　　　
　 /イ i!　i!　i!ｨ i! i./::､ i! ﾄ､　i!　i!　!　　　　「済んだよ」
　　/i!.／/i!./::iメi/:::::::,ﾒ､「ヽﾄ､ i! i!j
　 /イ i!/! /==｡=､:::::.=｡==＝:i!,...i! |　　　　杢之助は知っていたのである。
　　　ｊ/ j/ i::｀:‐:/:::::::: ｰ一.:´:|ir, }.|　　　　この洞穴にこもる獣臭と毛の量から、
　　　　　　　i:::::/.::::::、　　 .::::::|Lﾝii|　　　　ここが大猪の住処であることを。
　　　　　　 i: ｀‐――一'.;.::::ハ.i! ｊ;＼
　　　　　　､　ー　..:::::／;　ヽ:{;;;;;;;ﾄ､__　　そして何日も前から、ここで狩ってみようと
　　　　　 . -=''7ﾍ.....:.:::::／;;; '　　　ｊ;;;;;;;j;;;;;;;　　考えていたのだった。
　　 -‐'";;;;;;;;;;/;;;;;;ヽ .イ;;;;: ' 　　 /;;;;;;;;|;;;;;;;
　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|:.:;;:::'　　　　/;;;;;;;;;;;!;;;;;;

261 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/12(日) 21:03:03.66 ID:2Ve9yH6o

うおお！　まさかと思ったら隆慶一郎作品晩期の未完の傑作『死ぬこととみつけたり！』
これは常駐するスレが増えた！　（あと柳生スレと剣豪スレも見てる）

262 ：1 ：2009/04/12(日) 21:03:19.61 ID:WQ9g2Poo

:/: : : :/-―＿´ 　＼/／　　 / /|: : :/　＿!＿! : : : : :　　　
ﾊ: : : :! 〃´￣__ ｀ヽ／ヽノ　 // /ヽ/／| | ヽ: :l : : : : :　　
! ヽ: : ! l|　/｀ _つヽ　　| !| ／　/: :/-┴__- ､ヽ!: : : : :　　　
ヽ　＼! 　 K´{Ξj　!　　　　　 /／ /´＞　ヽ ∨ ヽ: : /　　自分がずっとそこにいたら、
: :ヽ　| | |┴┬　‐く　　...::::::..／　　K´{Ξj　 ! !ト /! /:　　杢之助を突き破って、こちらに殺到してたはず。
: : : :＼| |　|l !　...:::::::::::::::::::::::::::::...　∨ ￣　/〃 / ｌ/: :　　
ヽ＿: :＼　　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::.「「 ` く　／:／: : :　にじり、にじり。
　　ﾉ　￣　　　　　　　　　　　 | |　＜´＿＿　／　　お勇は死骸から遠ざかるように、
　 {　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　少しずつ、少しずつ壁際から離れていった。
　 j ＼　　　　　　　　＿＿　　　　　／|　　　　　　　
　{: : : :|＼　　　　 /´　＿　｀ヽ　　／l　 !　　　　　　ふいに体が覆いかぶさってきた。
　!: : : :!　　　　、　￣　　￣　　＜ : : l　l　　　
　 } : : |　　　　　　ー‐┬-　＜´: : : : ヽ: :! ｌ　

263 ：1 ：2009/04/12(日) 21:04:27.11 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　　　　　　　　　　　　 , - ､　__,- 、
　　　　　　　　　　　　　　, ｰ､ /、　丁　 ,.ノ_
　　　　　　　　　　　 , ｰ､f　　｀l l　　|_,ｨ'´　ﾉ
　　　　　　　　　　　|ヽ　｀〈l　　ﾄﾞ､　l　　_／_　　　　湯文字をはがされ、押し倒された。
　　　　　　 , -、　／｀、ゝ　 !　｀´rｩ- '´　j
　　　　 __/ ｀ｭ >_/　　　 1_,/｀‐'　 ''" 　 _...／　　　　そしてあっという間に貫かれてしまった。
　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　r' ´
　　　　　　　 l　　　　　　＿, -‐ '´厶_
　　　　　　　　ト-‐ｩ-‐' ＼　　　ィ´　｀t┼
　　　　　　　　｀ゝ_| !　　　」　　　ヽ　　 / １
　　　　　　　　　__＿」　　 |∧　　　　／　勺
　　　　　　　　"　　　　　　!ヽﾍ　 _／　ﾞ;`

264 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/12(日) 21:05:16.34 ID:3Yv3UD6o

アカギいろんな意味で漢すぐる

265 ：1 ：2009/04/12(日) 21:05:51.53 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　　ﾊﾟﾁ
　　　　　　　　　　　　　　,　　ヾ､　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　（ヽ、　,ﾉ）´(　､ゝ､
　　　　　　　　　　　　　　)　Y　人　ヽ)ゝ'丿,　　　　　　　「こンの、すくたれえ！すくたれえ！」　　
　　　　　ﾊﾟﾁ　　　　　!）ﾉ'　ﾉ ,（　 `　　 ´（
　　　　　　　　　　　/ (（　 ´!.　､　　 t　ヽ､　｀t　 ,　　ﾊﾟﾁ､　
　　　　　　　　　　 ,′,　ヽ　　 tゝ､丿）ﾉ i　　 Y(
　　　　　　　　　　i　/f　　゛　　　）　Y´　l'′　　　）　　　　　

※すくたれ　　佐賀地方の方言で、ずるい、小細工を弄する、といった意味。

第４話　『すくたれもの』　了

266 ：1 ：2009/04/12(日) 21:07:51.20 ID:WQ9g2Poo

第４話　登場人物

斎藤杢之助　　　佐賀の浪人　　　　　　赤木しげる（アカギ）

耕作　　　　　　　杢之助の居候先　　　　桜田ジュン（ローゼンメイデン）
お勇　　　　　　　耕作の娘　　　　　　　　翠星石（ローゼンメイデン）
斎藤権右衛門　杢之助の弟　　　　　　　天貴志（天～天和通りの快男児）
　
鍋島生三　　　　佐賀藩士　　　　　　　　コロ助（キテレツ大百科）
鍋島直茂　　　　佐賀鍋島藩の藩祖　　涼宮ハルヒ（涼宮ハルヒの憂鬱）

阿部さん　　　　『葉隠』の解説　　　　　　阿部高和（くそみそテクニック）

原作　山本常朝『葉隠』
　　　　隆慶一郎『死ぬことと見つけたり』

267 ：1 ：2009/04/12(日) 21:10:44.59 ID:WQ9g2Poo

次回……

　　　　　　　　　　　　　　　＼::::::::::::ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　＼:::::::::ヽ　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::／　　　　　　　　　　　,
　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:::::::::ヽ　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::／　　　　　　　,　,....イ´::::〉
　＼＼､　　　　　　　　　　　　　　ヽ::::::::ヽ　　　　　　　　　　　 /::::::::::::／　　　　,...ィイ´ll､_::::＜´
　　　＼::｀lへ,,‐-,､_　　　　　　ヾ::::::::l　　　　　　　　,､　　　 /::::::::::／　 , -‐´´　 ll　| /l　｀＞'
　　　／ノll　ll　ll　　｀`‐-､　　　　　　ヾ::::::l　,､　　,へ　　ll＼　 /::::::::／, -´　　　 , -┴ ┴'
　　　`´　└┴┴､＿　　　｀`‐-､　　　ヾ:::V::ll ／´T｀＼ll:::::::〉/:::::／´´　_, -‐ ´
　　　　　　　　　　　　￣｀`‐-､_ ｀`‐-､ヾ::::::::ゝ＼ l　 //::::／::::／ _, -‐´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`‐､　ヾ::::::､:ヾ⊂ノノ:／:::／´‐´　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀` ＼::＼::........:::::::イ ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l｀｀┐ィ ´´ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　lll　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 lll　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　 lll　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　lll　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　川　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ノﾍヽ　へ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ // ヽヽ |　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ -┤//　ヽl l　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　,　-‐　´　　　 |l l　∩　ll |　　　　　　ヽ､
　　　　　　　　　　　,　-　´　　　　　　 l ll　 l.|　ll |　　　　　　　　　ヽ､
　　　　　　_　-‐ ´　　　　　　　　　　 l ll　 l|　ll |　　　　　　　　　　　　ヽ､
,　　-‐　´　　　　　　　　　　　　　　 l ll　 |　ll |　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l ll　l　ll |　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､

ご期待ください。

268 ：1 ：2009/04/12(日) 21:11:33.20 ID:WQ9g2Poo

本日の本編は以上になります。
ご読了ありがとうございました。

269 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/12(日) 21:12:31.79 ID:3Yv3UD6o

乙でした！
すくたれ呼ばわりってことはヤッちゃうのもアカギの計画のうちだったってことか？
そして次回なんだｗｗ

270 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/12(日) 21:13:44.09 ID:RzoWEygo

乙、アカギさん青姦とかパネェっす！

271 ：1 [saga]：2009/04/12(日) 21:21:00.19 ID:WQ9g2Poo

　　　　＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　 _,．---- ．__
　　　/´: : : : :_ヽ｀ヽ、　　　　　　　,．ィ´￣＿＿＿__　　｀ヽ、
　　 | :,.､ zｭ`‐' ヽ.　i　　　　／　 ,.ィｽ゛＿＿米｀¨''ｪ,-､＼
　　　| :｀゛: : : : : : :| ｜　　　　 / ,　/´__r‐'´/.:.:.:.:.｀¨¨''ー-ﾆ､ヽヽ
　　　ヽ: : : : : : :___j_ノ　　　 / / /, //.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:,ﾉ.:./.:.:.:.:.:.:ヾヽ ',
　　　　ヽ.__,．'¨ヽ._}、_　　　 /.ｲｲk//.:.:.:/.:.:.:.:.:.／/.:/:/.:..:.:.:.:.|:ヽ| ヽ
　　　　　　　　 ,ゝr{, ヽ、　´ ﾊ'´ '.:i:-‐/‐‐;:＜.;.ｲ.:/.;ハ;＿_.:.|.:.:i! /
　　　　　　　　（　｀¨ヽ､ヽ　,'.:.jｨ,|.:.|__/_,∠__／ﾉｲ,ｲ二ヽ___｀!!:.:|ﾉ
　　　　　　　　　{｀ー---'V､ |,ｲﾎ !.:.!｀Yひバヽ　／/ ｨアﾊY´||.:.:||
.　　　　　　　　 ∧｀¨'''ー'ﾊj j.:{　 |.:.:!| ﾞ又_ツ　　　,　又ツ゛｀ﾘ/.:!!
.　　　　　　　　ヽ,{_¨''‐,zｸ'N.:.:j_L|.:.:.:ヽ///　　　＿　 /// //.:./|
　　　　　　　　　r'-〈￣人ﾉ Vヾﾄ{:.:.:ヽ＼　　 /￣｀|　､__／´.ィi.:.|
　　　　　　　　　｀Yﾞ｀'‐'　ﾉ| 　）ﾍ、ヽ.:__＼.ﾐ、ヽ.　ノ　｀ｱ,イ　 |.:.!　　　　　　　　　 _
.　　　　　　　　　　＼　　ヽ　 j:ヽ::＼＼￣｀ヾヽ___,．＜ﾉ'､__! 　|.:.|　　　　　　　　　　　ハ
　　　　　　　　　　　 ,ゝ、　　,'::.::ﾄ､::.:}　ヽ.　　￣｀V´　｀ヾ-{米 !.:|　　　　　　　　　｜｜
　　　　　　　　　　／::.::.ヽ__/:.::.::!.::i.::ヽ米l　　／ﾊ＼　　Y　　|;ﾉ　　　　　　　　　｜｜
　　　　　　　　／ .::.::.::.::.::/.::.::.::|.::.ヽ::|　　l　　〈_/|{}iヽ_〉　 | 　 {:|　　　　　　　　　　｜｜
　　　　　　　　ヽ.::.::.::.::.::.:〈::.::.::.::.!.::.::.:ヾ　　!　　　 !{}|　　　 !米 |:!　　　　　　　　　　 !　|
.　　　　　　　　　ヽ ::.::.::.::.:i::.::.::./､＿,ノ| 米!　　　 !{}|　　　 ! 　ﾄヽ、　　　　　　　　　 !=ﾉ
　　　　　　　　／|.::.::.::.::.::ヽ ::/ /ヽ:::::::! 　 ',　　　 |{}|　　　 | 米|::.｀7　　　 ___　　,.､__,｣__|
　　　　　　　／.:.:.:＼__.::.::.::.:V.:/.:.:.:.＼:|　　i 　　 |{}|　　　 ',　 {::.:/|-‐‐''¨　-｀Y_,ｲ　 __,ゝ
　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ー'´.:/.:.:.:.:.::く｀} 米 |ﾆ}=}ｿ乂＼ｽﾇｲ　 |ノ,ｲ＼ヽ　　　 ||￣{ ,仁ﾉ

人物紹介　第３回　お勇（翠星石）

お勇はとにかく文句の多い女です。
隆慶作品では、女と子供の扱いがわりとひどいのですが、これは先生自身の身に受けた体験と
戦争を経験したことからくる甘えへの唾棄からくるのでしょうか？
原作の今回のシーンを読んだときは、笑いながら読んだことをよく覚えています。
それくらい、お勇の性格はつきぬけていたｗ

272 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/12(日) 21:24:36.47 ID:2Ve9yH6o

隆慶一郎はホモの魂を持つ人だから。（ちなみに荒山徹は腐女子の魂を持つ）

273 ：1 [saga]：2009/04/12(日) 21:26:18.79 ID:WQ9g2Poo

　　　　　　　　　　　　　　　 __,. -――- ､、_
　　　　　　　　　　　　　　　,ｨ'-'"´⌒^^⌒`丶丶、　　　やる夫スレのツンデレキャラは、ルイズ、柊かがみ、
　　　　　　　　　　　　　　〃_r冖'⌒^^⌒'ー､_｀ヾ'､　　　などがおりますが、お勇には口汚くののしる
　　　　　　　　　　　　／{ノ　　　　　　　　）ヽ、ぃ　　　『罵声』スキルがあります。
　　　　　　　　　　　ノ　///　/ /　／　 /}　　i`､} ､
　　　　　　　　　　　＼{ l i　i,l+‐-／,ｨ/‐ﾘ-､ l |　|l　>　　翠の子にやってもらうことにしました。
　　　　　　　　　　　　　| l |__l ィ=ミ´ノｨ＝ﾐﾉ/ , l ｲ　　　おかげで、翠の子はこの先、アカギに
　　　　　　　　　　　　　从トﾄi､::::　 ,　　:::: ﾒ/ノ,ｲ lﾄ、　　色々とかわいがられることになりますｗｗ
　　　　　　　　　　　　 /　ｸ､下ゝ､ｰ一　彳彡ｲl l lﾄﾐ、
　　　　　　　　　　　 / ノ/〈｀ヽ｀`ﾆ=y=＜ノ｀l　'､ l l l ＼ヽ、
　　　　　　　　　 __／ノ / ,八､ ,'´　 /　　ヽ　入ヽヽ､l l　＼＼
　　　　　　　,　'´イン /r'´､,:'^"'-､_ {、　　_l,.,.,._　｀ﾄ､ヽ、　＼＼
　　　　　／／ノ／ゝ､ /^'t､,_　｀'}ー'"　　　}　 } ヽ　'ｰ､　＼＼
　　　,イ　／ノイ/　 l　У　　　｀'ｰ人-‐ ''"~´'､_ノi、丶、｀ヽ、.ヽヽ

274 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/12(日) 21:28:13.75 ID:kRKy40wo

「いい女だねぇ～」「いい男だねぇ～」がﾊﾞﾗﾝｽよくあるから、心地よいよな～＞隆慶作品

275 ：1 [saga]：2009/04/12(日) 21:36:38.41 ID:WQ9g2Poo

>>197
まだはじめたばかりなので、これは明らかにしておいたほうがいいですね。

■スレを作られた目的・理由はなんでしょうか？

やる夫スレをやるなら歴史物を、と考えておりました。
はじめは日本史、中国史、ローマ史のどれか、と思っていまして。
自分が作り始めたころは、ローマと中国がたくさんあったから、では日本史にしよう、と。

で、数あるやる夫スレの中で、隆慶作品が見当たらなかったんです。
どうせなら、自分の大好きな『死ぬことと見つけたり』をやってみよう、と。
あと、座右の書でもある『葉隠』の解説もいれて、学ぶ系にでもしてみたい。

ただ単に葉隠の紹介と解説だけをやっていると、文章が硬すぎておもしろみが少ないことがわかりました。
これでは、せっかくかいても読んでもらえないかもしれない。
だからこそ、『死ぬことと見つけたり』の死人（しびと）たちの活躍とともに葉隠を紹介することで、より葉隠の内容の特異さが引きだつんではないか、なぁ。

276 ：1 [saga]：2009/04/12(日) 21:44:01.49 ID:WQ9g2Poo

>>195
＞阿部さんの文章はわかりやすいようでちょっとわからない

あー、これは自分の書き方が悪かったかな。
自分が『葉隠』と『死ぬことと見つけたり』をリンクさせるときは、別にそこまで深く考えているわけじゃなく。
ただ読んでいて、ここはためになって面白そうだなぁ、ぐらいにしか考えてなかったんですよ。
だから、この場合も、中野将監が意見を言ったことで問題があるのではなく、
『葉隠』のうまい注意の仕方を紹介したかったんですよ。

>>194 >>196
……フフフ、その話に触れやがりますかｗｗ
あるんですよ。この先にやばくて濃厚な奴が。
なんせ、葉隠自体が、
「ガチホモでなにがわるい」
といってるんですからねぇｗｗｗ

277 ：1 [saga]：2009/04/12(日) 21:50:49.21 ID:WQ9g2Poo

>>269
まぁ、お勇も自分の希望通りになってしまった、ということですよｗ

>>272
男の魂と読んでください。

>>274
隆慶作品のテーマは、「馬鹿な男とイイ女」ですよね。

278 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/13(月) 01:16:27.32 ID:a2awtw.0

　乙でアリマス。
しかしまあ、アカギと杢之助の相性の良さは異常で砂。
というか次回の男がアレなのは、柳生蹂躙フラグですか喃。

　当方も今日は荒山やる夫スレが書けたので、
これで隆慶・山風(妖説太閤記準拠のスレがあり)・荒山は出た感じで砂。
誰か五味先生をやってくんないかしらん。

279 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/13(月) 10:32:34.23 ID:70Itecgo

俺も「こンの、すくたれえ！すくたれえ！」となじられながらエッチしたい。
方言の萌え力はすごい（ひどいこといってるなあ）

280 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/13(月) 12:25:36.59 ID:fSAZKwgo

すくたれはばーちゃんが使ってたきがするわｗｗ
おつっした、翠の子の理不尽さに笑うｗｗ

281 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/14(火) 01:05:49.74 ID:Lw8QP.co

乙です
杢之助がアカギにビジュアル化されてより味わい深い！

282 ：1 [saga]：2009/04/15(水) 23:58:06.76 ID:ZZqWlyYo

　　　　　∧,,,∧
　　　　（・ω・｀）　　ＧＷには九州へ行ってみたい。
　　　　　/　y/　ヽ　　みなさんこんばんは。＞１です。
　━(m)二フ⊂[_ノ
　　　（ノノノ l l l ）
　￣￣￣￣￣￣￣￣￣
>>281
ありがとうございます。今後も杢之助の朴訥の中に優しさが漂うような雰囲気をこころがけます。

>>280
お、佐賀の方ですね。次回は地図を多めに使用する予定ですので、要チェケラおねがいします。

>>279
貴方は何も間違っていない。なぜなら、自分も熊本弁の彼女を作って、方言でなじなれながらエッチしたいと思ってるからですｗｗｗ
マサルさんのモエモエとかいいねｗｗｗ

>>278
おお、柳生さんありがとうございます。自分に余裕があれば山風の短編もやってみたいんですけどねぇ。

やる夫で学ぶ柳生一族
http://yaruokansatu.blog44.fc2.com/blog-entry-371.html

こちらは自分もおせわになっている柳生新陰流と江戸時代の剣豪をテーマにした作品。
ネタも多めで、かつ、非常に内容の濃い歴史系やる夫スレです。

さて、次回の投下なのですが、次の日曜日が都合悪いです。
よって、ちと間をおいて、

４月２６日（日）　夜８：００ごろ

を予定しております。どうぞご容赦くださいませ。

283 ：1 [saga]：2009/04/26(日) 01:56:56.05 ID:xYcX6FQo

１です。
日曜日も仕事が入りました。２週間休みなしって、どういうことなの……。

４月２９日（水）　２０：００　に変更させてください。
ご了承ください。

284 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/26(日) 11:10:53.02 ID:2LzoPRAo

ああ、延期か
まあ仕方ないな、水曜を楽しみにしてる
仕事頑張って

285 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/26(日) 18:10:45.72 ID:x8R4pZko

・・・辞世の句はあるかね？

　　　　　　　　　　　　　/|
　　　　　　　　　　　　 | |
　　　　　　　　　　　　_|_|_
　　　　　　　　　　　　　(ﾐﾞ∧,,∧
　　　　　　∧,,∧　　(＾(ω・# )
　　　　　　 (-ω-´)　　`[＿ノ）
　　　　━0ﾆフx と) 　　　ﾉﾉ l､ヽ、
　　　　　　 (ﾉﾉﾊ_l_l)　　〈_ﾉﾉヽヽ>

・・・とは言えぬｗｗ　体壊さないようにね！

286 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/04/29(水) 18:30:47.06 ID:lYBq1wo0

投下今日かｗｗｗｗよぉーしパパ今から全裸で待機しちゃうぞ～

287 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:01:14.87 ID:lfOPhPko

お待たせしてすいません。
はじめます。

288 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:02:30.61 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　 , '´ ￣￣ ` ､
　　　　　　　　　　i　r-ｰ-┬-‐､i 　　　　　やぁ！イイ男です。
　　　　　　　　　|　|,,＿　＿,{|
　　　　　　　　　　Ｎ| "ﾟ'`　{"ﾟ｀lﾘ　　　　　このスレは、隆慶一郎『死ぬことと見つけたり』をテキストに、　　　　　
　　　　　　　　ﾄ.i 　 ,__''_　 ! 　　　　　『葉隠』を読み解いていくやる夫スレだと思ってくれ。
　　　　　　　　／i/ l＼ー .ｲ|､
　　　　,.､-　￣/ 　|　ｌ　￣ / |　|` ┬-､　原作リスペクトですすめて行くが、内容や解釈が異なる場合もある。
　　 /　ヽ.　/ 　　ト-` ､ノ- |　 l　　l　ヽ. そこは穏便になって了承してもらいたい。
　　/　　　 ∨ 　　　l 　　|!　 | 　｀>　|　　i
　 /　　　　 |｀二^>　ｌ.　　|　 |　＜＿_,|　　|　では、いいかな？
＿|　　　　 |.|-<　　　＼ i　/　,イ_＿__!／＼
　 .|　　　　　{.|　 ` - ､ ,.---ｧ^!　| 　　 |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣l
＿_{ 　　＿__|└―ｰ／　￣´ |ヽ |＿__ﾉ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|
　　｝／ -=　ヽ__ - 'ヽ　 -‐　,r'ﾞ　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
＿_fﾞ/／￣￣　　　　　＿　-'　　　　 |＿＿＿＿＿ ,. - ￣　＼＿＿__|
　　| |　　- ￣　　　／　　　| 　　 _　|￣￣￣￣／　　　　　　＼　￣|
＿__`＼＿＿　／　　　　＿l -￣　 l＿＿_　／　　　, /　　　　ヽi＿__.|
￣￣￣　　　 |　　　 _ 二 =〒￣　｝￣／　　　　　l |　　　　　　!￣￣|
＿＿＿＿＿__l　　　　　　 -ヾ￣　　l／　　　　　　l|　　　　　 |＿＿_|

289 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:03:21.05 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　_　　-───-　　 _
　　　　　　　 , 　'´　　　　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　『葉隠』の口伝者である山本常朝は、
　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　
　　　　　　/　__, ィ_,-ｧ__,,　,,､　　, ､,,__ -ｧ-=彡ﾍ　ヽ　　　佐賀藩２代藩主、鍋島光茂に仕えた実在する人物だ。
　　　　　 '　「　　　　　　´　{ハi′　　　　　　 }　 l　　　　
　　　　　 |　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |　　　その光茂亡き後、仏門に入り、のちに『葉隠』を
　　　　 |　 !　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |　　　　
　　　　　 | │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　 !　　　作成している。
　　　　　 |　|/ノ二__‐──ｧ　　ヽﾆニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ　　
　　　　 /⌒!|　 =彳ｏ｡ﾄ￣ヽ　　　　　'´ !o_ｼ｀ヾ　| i/ ヽ !　　
　　　　 ! ハ!|　　ー─　'　　i　　!　　 `' 　 '' " 　 ||ヽ　l |　　
　　　　| | /ヽ!　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　 |ヽ i　! 　　今回注目したいのは、その構成の妙さ。
　　　　ヽ { 　|　　　　　　 !　　　　　　　　　　　|ﾉ　 /
　　　　　ヽ　 |　　　　　　　 _ 　 ,､　　　　　　 !　, ′
　　　　　　＼ !　　　　　 '-ﾞ　‐ ﾞ　　　　　　　　レ'
　　　　　　　｀!　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　ヽ　　　　　ﾞ　￣　￣｀　　　　 / |
　　　　　　 |＼　　　　ー ─‐ 　　　 , ′ !
　　　　　　　 |　＼　　　　　　　　　／　　 |
　　　　　　_ -‐┤ ﾞ､　＼　　　　　／　 ! l　 |`ｰr─-　 _
　_　-‐ '"　　 / |　ﾞ､　　ヽ　＿___　 '´　　 '│　 !　 |　　　　　ﾞ''‐-　､,_

290 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:04:23.71 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　　 ,.-''";;;;;;;;;;｀`'ヽ､
　　　　　　　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、　　　　　よく市販されている現代語訳版の『葉隠』を読むと、
　　　　　　/;;;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､　
　　　　　 ,!;;;!ﾞ`''～^～ｧrr-'ﾞ`'´''ﾗﾍ;;;!　　　　武士の忠節や酒席での振る舞い方などのＨＯＷ　ｔｏごとに
　　　　　 |;;;|　　　　　ﾉﾘ　　　　　ﾐ;;;|
　　　　　_ゞ;! r─-- ､　　,rｪ--- ､ﾐ;ﾘ　　　　分けられて、再編されて書かれている。
　　　　 !ﾍl;|. ぐ世!ﾞ｀｀　,ｨ '"世ﾝ　｢ヽ
　　　　　!(,ﾍ! 　￣'"　　|:::.` ￣　 ,ﾄﾞﾘ　　　　これはちょっともったいないことだと思う。
　　　　　ヽﾞ､!　　　　　　!;　　　　 ,ﾚｿ
　　　　　　 `| 　　　 ^'='^ 　　　ﾑ'′　　　　というのも、完訳本を読むと、小難しい話の間に、
　　　　　　 ,rﾄ､　　ー- ─-:　　/|
　　　　_..／ i| ＼　　 ===　　 ,ｲ.:ﾄ､　　　　　　ものすごくくだらない話もはさんでいるんだ。
　　　／　　i|　ﾞ､＼　　; 　／ﾘ.:;!:::＼､＿
　　　　　　　ﾞ!　ﾞ､　`ｰ─''ﾞ:::;:'::::|::::::::::＼　　　例えば、次のやつなんかくだらなくて好きだな。
　　　　　　　ﾞ､　　　　　　:::/::::::|::::::
　　　　`ヽ、　ﾞ､　　　　　./　　.|　 ,-､、

291 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:05:09.88 ID:lfOPhPko

（聞書１１の１５９）

あるところへ客に行った時、麹を浮かべた酒を所望したので、小姓がつるべをもってきた。

　 ∧＿∧　
　（　・∀・）　＜へい！おまち！
⊂　⊂　）　
　<　<　<　　
　（＿（＿）　

すると、「尻を振れ」

といわれた。小姓は訳がわからない。しきりに催促されるので、しかたなく、

　　 ∧＿∧　　
　　∩ 　　　）　
　　ヽ　　　丿つ　　　
（(　（　（　ﾉ　)）　
　　　し'し'　　　　

小姓は後ろを向いて自分の尻を振ったという。

その酒は、座敷へ瓶に入れたまま出し、酌をするときに底を振って注ぐものである。これは小姓の役割である。

292 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/04/29(水) 20:05:11.93 ID:lYBq1wo0

ｗｗｋｔｋ

293 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:06:07.53 ID:lfOPhPko

　　　　　,,　- ―-　、
　　,. '" _,,. -…;　　　ヽ
　 (i'"（(´　 __ 〈　　　　} 　　　読んだとき、おもわず「かわいい！」ってうなっちゃったよ。
　　|__　r=_ﾆﾆ`ヽｆﾊ　　}　　　　　　　　
　　ヾ|! 　 ┴’　　}|ﾄi　 }　　　　こういう馬鹿話がたまにあるから、『葉隠』は本当にあなどれない。
　　 |! ,,_　　　　　｛'　 }　　　　　　　　　
　　　「´ｒ__ｧ　　　./　彡ﾊ､　　　寺の住職は、法会があるとき、信者に説法を聞かせるために色々と工夫している
　　　ヽ　‐'　　／　　　"'ヽ
　　　　ヽ__,.. ' ／　　　　　ヽ　　　って聞いているけど、たしかに難しい話ばかりじゃ誰も最後まで聞かないよな。
　　　　／⌒` ￣ `　　　　ヽ＼_
　　　 /　　　　　　　　　　　i ヽ　＼　　　山本常朝と田代陣基は文才がある、ってことは頭に入れておいて欲しい。
　　　,'　　　　　　　　　　 }　 i　　ヽ
　　 {　　　　　　　　　　　ｊ　 l 　　 }
　　　i　　　ヽ　　　　ｊ　　ノ　　 | 　 } l
　　　ﾄ､　　　 }　　　/　　/　　　l　　| .|
　　　!　ヽ　　　　　 |　ノ　　　 j　　'　| 　　それじゃぁ、今日も……
　　　{　|　　　　　}　|　　　　　 l　　　 |
　　　ヽ |　　　　 i　 |　＼　　 l　　 /|
　　　　{ |　　　 l 　 |　　　　　|　　 / |
　　　　l　!　　　　 | 　　　 l　　/　|

　　　　　 ,.　-‐-─--　、
.　　　／　　　　　　 `ｰ､
　　　〃　　　　　　　　　 i,　　　　 ,.　-‐ 　　　　
　　　r' 　ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈　　　　／
　　 !　　:l　　　　　　,ﾘ|}　　　 |. }　　　/　　 .や
.　　 {. 　 |　　　　　 ′　　 | }　　 l
　　ﾚ-､{∠ﾆ'＝=ｧ　､=＝ﾆゞ<　　 |　　　ら
　　 !∩|.}. '"旬ﾞ`　　 ./''旬 ` f＾|　　 |
　　　ｌ（( ﾞ′｀￣'"　　 f::`￣　 |l.|　　　| 　　な
.　　ヽ.ヽ　　　　　　 {:.　　　ｌﾘ　　 |
.　　　 }.iｰi　　　　 ^ r'　　　 ,'　　　ノ　　　い
　　　 !|　ヽ.　　ｰ=＝=- 　 /　　 ⌒ヽ
.　　／}　　＼　　ｰ‐ 　 ,ｲ　　　　　 l　　か
　__/　∥　 .　　ヽ､＿!__／:::|＼　　　ヽ
　/i 　 |!　　i　　　　　 :;::;:::::::ﾄ､ヽｰ-　　　 ` ー--
　│　.|　 i　l　　　　ノ ,'　　 :ｉ　 i
　ﾉ　 |- ⊥.｣__　　　 /_,.　-‐ |　 |

294 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/04/29(水) 20:07:11.17 ID:lYBq1wo0

阿部さんに尻の話題は…ｗｗｗｗ

295 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:07:19.66 ID:lfOPhPko

第５話

　　　　　　　　　　　　　　　＼il i !l ll i ll l i ll l il i !l ll ! ll l ! l! l il il i !!l l／
　　　　　　　　　　　　　　　三　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三
　　　　　　　　　　　　　　　三　　　　　　　やる夫…　　　　　　 .三
　　　　　　　　　　　　　　　三　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三
　　　　　　　　　　　　　　　／il i !l ll i ll l i ll l il i !l ll ! ll l ! ll l il il i ! l l＼

　　　　　　　　　　　　　　　＼il i !l ll i ll l i ll l il i !l ll ! ll l ! l! l il il i !!l l／
　　　　　　　　　　　　　　　三　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三
　　　　　　　　　　　　　　　三　　　　　　　やる夫は……　　　　 .三
　　　　　　　　　　　　　　　三　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三
　　　　　　　　　　　　　　　／il i !l ll i ll l i ll l il i !l ll ! ll l ! ll l il il i ! l l＼

　　　　　　　　　／￣＼
　　　　　　　　 |　　　　|
　　　　　　　　　＼＿／
　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　／￣￣￣＼　　　　　　＼il i !l ll i ll l i ll l il i !l ll ! ll l ! l! l il il i !!l l／
　　　　　／　　 ::＼:::／::::＼　　　　　三　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三
　　　　／　　 <⌒>　　<⌒> ＼　　　三　　　　やる夫は勇ましいなぁ…　　 .三
　　　　|　　　　　（__人__）　　　|　　　三　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三
　　　　＼　　　　｀ ⌒´　　　／　　　／il i !l ll i ll l i ll l il i !l ll ! ll l ! ll l il il i ! l l＼
　　　　　￣（⌒`::::　　⌒ヽ
　　　　　　　ヽ:::: ~~⌒γ⌒）
　　　　　　　　ヽー―'^ー-'
　　　　　　　　　〉　　　│

296 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/29(水) 20:07:33.90 ID:ezgK0OYo

こうして阿部さんに弱い僕は、言われるがまま、ホイホイと葉隠れの世界へと誘われるのであった。

297 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:08:10.78 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ."⌒ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ､;´　　　　　ﾌｺﾞｺﾞ……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _（_｀Y´ ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　|r┬｀| ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　`ー'´ 　＼　　､´｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　ヽ　⊂´rｨ_;ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　| 　､＿＿/;;: 　｀　　　｀⌒￣￣｀　　>
　　　　「｀ｨ､-　-‐ｬ,--─´⌒　　　　　￣｀,.￣　　　,ｲ　 , -─ ´
　　　､'ゝ_ /,_＿＿_｀＿　　　　　ゝ､　　　　　　　　　ヽ´
　　　 X／　　　　　　　　￣｀ヽ　　　　　　　　　　　　ヽ　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|,´　　｀　　　　　　´　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　.,＿──‐-､　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 ′ 　　　／　　　　　　　　､　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 , ′ 　　ヽ'　　　　　　　　　　　ヽ,´　　　ヽ　　　 ,-､
　　　　　　　　　　　　　,ｲ　　／　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　ゝ- ´｀'"ゝ
　　　　　　　　　l､｀￣　　　,'　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　　　　　｀j ﾗ
　　　　　　　　　ヽ　　　　　　ｉ　　　　　　　　　　　　　　　　　｀､_　　,＿　　_.,~ﾉ
　　　　　　　　　　ゝ- ‐　^─´　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀￣

298 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:08:58.00 ID:lfOPhPko

　　　　／￣￣￣＼
　　／　─　　 ─ ＼　ムクリ
　／　（●）　（●）　＼
　|　　　　（__人__）　　　　|
　＼　　　｀ ⌒´　　　／　　　「今日は廓言葉の猫耳娘に、頭から丸かじりされたお」
　／　　　　　　　　　　|
（＿ )　　・　　　・　　|｜
　　ｌ⌒ヽ　　　　＿ﾉ |　　
　　|　 r　` (;;;U;;)　　）__）
　（＿ノ　￣　／　／
　　　　　　　　（＿）

杢之助と出会ってから、やる夫も死人（しびと）になるべく、『死に起き』をはじめた。
人から強制されたわけではなかったが、杢之助の隣にいるためには、
同じ死人でいなければならない気がしたからだ。

299 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:10:10.30 ID:lfOPhPko

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼（ ;;;;(
　／　　＿ノ　ヽ__＼) ;;;;)
／　　（─）　（─ /;;／
|　　　　（__人__） l;;,´
./　　　　 ∩ ノ)━・'／
(　＼　／＿ノ´.|　 |
.＼　 " 　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

朝起きてからやる夫がやることは二つしかない。
杢之助の家に行くか、やらない夫の家に行くことだった。

　　　　　|┃
　ｶﾞﾗｯ.　|┃
　　　　　|┃　ﾉ//　　　.／￣￣￣＼
　　　　　|┃三　　　　／　＼　　／　＼　　　　　家の戸を踏み越えると、
　　　　　|┃ 　　　／　　（●）　（●）　＼
　　　　　|┃　　　 |　　　　（__人__）　　　　|
　　　　　|┃三　　＼　　　｀ ⌒´　　　　／
　　　　　|┃三　　／￣￣￣￣￣￣￣＼

300 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:10:37.06 ID:lfOPhPko

　　　　＿__
　　 r'´ 　 ,. ヽ　　
　　｀ｰ '´ ｀,) '_´.　　　　｀ﾞ ‐- ､
　　　,. '´/　　｀i　　　　　　　　｀ヽ　,. ‐ 、
　　　/　　　　　 l　　　　　 ,, -､ヽ‐-､＼
　　　!　　　・　　　　　　　　／　　 l 　 !　ヽ-'
　　　ヽ、　　　 r‐- ､__　　　　　　 '　　!
　　　　｀ヽ - ､_,.￣_｀´ ｰ'　　・　　　　/　　　　やる夫の犬も背中を追いかけていった。
　　　　　　　　 !｀ヽ-'ー､_　　 _ 　ノ
　　　　　　　　 /　　　　　　l｀´
　　　　　　　　 l ,　　　 l　　 ',　 ,. -､
　　　　　　　. ,'　|　 !　 |　 !　 ! ´ヽ、ヽ,
　　　　　　 !　 !　|　 l　/　　|　　ﾉ　|

301 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:13:11.85 ID:lfOPhPko

爻　　 _,,-‐ｔ‐''⌒ﾊ、　　　　　　　_,,,　-‐''三]
ｋ;;:､　(,,　ﾒ μ ,,´｀, -―一''''""~　_,, -‐／::::＼　　　　　　　／　杢之助の家（正確には耕作の家に居候している）
､,＼;;:: 人人ｷ,,　 /　--一'''"~￣　　,／:::::['i']::::＼へ、　　／
ﾆヾ＼ⅲⅲ Y,／　　　　　　　　　／ii[]:::[_,!_]::[];､＼　Yy,,..　　　　　にたどり着くと、
-‐''`　 `.、:,:／　　　　　　　　　／ii;[ i ]~~[_!_]~[l];:ヽ＼＿
＿,,､＿,,,,／　　　　　　　　　,／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　>￣ヽ　　　　　　今日も耕作のカン高い声が外まで聞こえる。
ﾊﾊ从／-―====r-===三''　､-―――――――‐＜　木ﾎYyy
(⌒)ｲﾄ爻------(　tｲ-‐'´::::::::,＼＿＿,,,....､_＿＿,,,_____`」￥　Y
　T,::爻Ooﾄ[iiii]<,,. ､ｷ[]　 i::::::::::::::::[]::::::::::::::[]=======|爻爻三三
ー-　　''ー＾　二,,　ー---┴, -‐へ-O-ー-～～-―へ`~~　　　　]、
　　　　　　　　　━
　〓　　　　　　　　　　　━〓　　　ー　----　､---―

302 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:13:50.47 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　__ イ　＿＿＿＿＿ ,. イ
　　　　　　　　l　　/´::::::/／::::::::::::::::::::::::_:_:_:ノ
　　　　　　　ﾉ|　 |:::::::::/::::::::::}`::::ー-::､:::::::::::::＼
　　　　　　　{:::|　/::::::::/:＼:::::|ハ:::::::::::::ヽ::::::::::::::＼
　　　　　　__ヽ::V::::::／:::::::{ヽ::|::::|::::::::::::::::|:::::::::::::::::::ヽ,
　　　　／::::::::_:::／::::::::::::::|::::l|::/|::::l:::::::::::|:::::::::::::::::::::::::i
　　　´￣／::::::::::|:::::::::::l::::::|_:_ｊ/: :|::::ｌ::::::::::|ヽ:::::::::::|::::::::::ヽ　　
　　　　/::::::::::::::::::l:::::::::::ヽ::ヽ　　 |::::ﾄ::::::::|､::ヽ´i:::!::::::::::ヽi　
　　　 /::/::::::::::::::::ヽ:::::::::::ﾄ､ヽ　　|::l　ｌ:::::| ,,ｚ=',,ﾚ::::::|＼ﾉ
　　　/:/:::::::::::::::::::::::＼:::::::|　｀ヽ　ｊ/_,. ｊ:丿　rz_=、i:::i
　　〃|::::::::::::l::::::/:::::::::＼::l　 ,.ィ=''~-_=､　_」{ﾋzｊ {|~　　　　「うん、うん、もちろん！異存なんかないよ。ボクはうれしいなぁ」
　　/　 !::::::::::l::::::l::::::::::::/　ヽ/r''´,.ィ云`|f ⌒辷. イ
　　　 |::::::::l:::::::|::::::::::::|＿__/{ /ﾍ::tz:ﾘ !}　　`　　}
　　　　 |:::::::|:::::::|::::/´ﾍヽ　　＼__´ -　´　　ｨ　 /
　　　　ｊ:／|:::::∧/＼ヽ(_　　　　　　　　 ´ｰ'　/
　　　　　　ヽ/　｀　 `ー个､_　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　|: . 　　　 ┬‐一'´
　　　　　　　　　　　　　　|: . 　　　 |＿　　＿__
　　　　　　　　　　　　＿ﾉ-､: . 　　ソﾉ｀´:
　　　　　　　　　　　　　【馬方頭　耕作】

　　　　／||ミ
　　／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 || ｶﾞﾁｬ
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||￣￣＼　||
　|:::::::::::::::|| ノ　ヽ_＼
　|:::::::::::::::||●)　(●) ＼
　|:::::::::::::::|| (_人_)　　　 |　　　「どうしたお？」
　|:::::::::::::::||_＿＿　　／
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　＼ ::::||
　　　　＼||

303 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:17:18.16 ID:lfOPhPko

　　　　　　,lヽ/ヽヘ
　　　　＜　　　　　ﾌ
　　　　　 / ﾉlﾉ^^ﾉハ
　　　　ヾc □ヮ□ﾉ　　「おお！やる夫さん！聞いてください。実は……」
　　　　　 (|~~ V~^lつ
　　　　　　|　[ 　] |
　　　　　　 `Ｊ　Ｊ´

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿ ......... __
　　　　　　　　　　　　　　 ,.ィ"／,. ィ'":.:.:.:＼:.:｀丶､　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. -‐,=-
　　　　　　　　　　　　　／／ ,:":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.＼　　　　　　　　　　,.=ﾆ￣｀Ｙ...　 '⌒￣｀ﾆ=､
　　　　　　　　　　　／　./　/:.:./:.:.:.:.:.:.:.|:.:ﾄ;.:.:l:.:.:.:.:.ヽヽ　　　　　　　　　,.=,'´ 　　ヽ:: 　　＂＼　
　　　　　　　　　　／　　/　/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:/:.:| ',:.:ト､:.:.!:.:.ｌ:.',　　　　　　　　 /　〝　　　　　　＂＂ヽ.　
　　　　　　　　　く　　　,'　 l:.:.:.:l:.:.:./:.:.://_/ .l:/ー-ヽ:.:| ',|　　　　　　 |〝　〝　　　　　　＂＂くヽ!　
　　　　　　　　　　ヽ､.」　ｌ:.:.:.:.ｌ:.:.l_:／ﾌ '　/'　､,,,,,.ﾉ:./　′　　　　　　 |〝〝,〝,　〟､＂＂　､ヽ　
　　　　　　　　　 /:.:.{　　!:.:.:.:.Vr　　 ,,ｨ ′　 ///ｲ}　　　　　　　　　　 |,〝　/／! ∧　ﾄ､＂＂ﾄ､|　
　　　　　　　　 /:.:.:.:{　　ﾍ:.:.:.:＼=''"//　　　　　ﾊ!　　　　　　　　　｣ _r'7ヘ_ｊ/ 　 >､!‐ヽ＂! .|　!
　　　　　　　 /:.:.:.:.:.{　　 ,ｲ_ヽT rr‐',　　＿ノ　 , '　}　　　　　　　　　 |｢f.ｋ━zxヽ /xz━ｧ冫､! |
　　　　　　 /:.:.:.:.:.:..{ r-,.‐-.､＞､ヽヽヽ　..＿_／　 }　　　　　　　　　 ||ゞ| ｀￣ '"|.|ヽ￣´/ｊ〃ヽ! 　
　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:{ </: : : : :ヽ} ヽ、　 ,ヽ,‐;.:.::{　　 }　　　　　　　　　　ﾞ=ﾍ　　　､|｣,　　 /=″　　　　
　　　　 /:.:.:.:.:.:.::.:.{　{l: : : : : :.:.!{,〃ﾞYﾆ - _ュく{.　　 }　　　　　　　　 /| ∧ ﾞ￣￣￣ /　
.　　　 , ':.:.:.:／:.:.:.:{ /:|:.: : : : : :ヾ,ヽ='ｨ､ﾆ. r.ｲYヽ　　 }　　　　　　　 / .l/　ヽ　<7　/ヽ.　　　　　
　　　 , ':.:.:.／:.:.:.:.,ｲ/:.:.|:.:.',: : /: : : ＼/ !　　/　/{:ﾊ.　　}.　　　　　　　_/ 　＼　ヽ.＇/|　　＼　　　　
.　　, ':.:.:／:.:.:.:.:./ /:.:.:.:!:.:.:.∨: :_:_: : /　l 　 '　.,'ｲ: : :!　　}.　　　　　／ |　　/] |　　ヽ'　!　　 ∧
　, ':.:.／:.:.:.:.:.:./ ./:.:.:.:.:.!:.:.:/: :/r =７　　　　　,'.ﾌ: :ヽl　　 }　　_,.-‐'´　　|　/ о| 　　　　|ヽ　 /　|`ｰ- ､

　　　　　　　　　　　　「私の娘と杢之助さんが祝言を挙げることになったんです」
　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／⌒　　⌒＼　　　　　━━┓┃┃
　　　　　／（￣）　（＿）＼　　　　　　　　 ┃　　　━━━━━━━━
　　　　／::::::⌒（__人__）⌒:::: ＼　　　　　┃　　　　　　　　　　　　　　　┃┃┃
　　　　|　　　ゝ'ﾟ　　　　　≦　三　ﾟ｡　ﾟ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┛
　　　　＼　｡≧　　　　　　　三　＝=-
　　　　　　　 -ｧ,　　　　　　　　≧=-　。
　　　　　　　ｲﾚ,､　　　　　　　＞三　　｡ﾟ　･　ﾟ
　　　　　　　 ≦｀Vヾ　　　　　　　ヾ　≧
　　　　　　　｡ﾟ　/｡･ｲﾊ､､　　　　｀ミ　｡ﾟ　｡

304 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:17:56.44 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／　.u　　　＼
　　　　　　　 (（○）) (（○）)
/⌒)⌒)⌒. ::::　（__人__）　l_j :::＼　　　 /⌒)⌒)⌒)　　「な、な、ななな……」
|　/　/　/　　　　 |r┬-|　　　　　|　(⌒)/　/ / /／
|　:::::::::::(⌒)　U　.|　|　 |　　　／　ゝ　　:::::::::::/
|　　　　　ノ　　　|　|　 |　　　＼　　/　　）　　/
ヽ　　　　/　　　 └ー.┘　　　　ヽ /　　　　／

　　　　　　＿─-､ -‐;ｚ.__
　　　　　　　　＞　`　"　ﾞ　　＜
　　　　　　　/　" " " "　ﾞ　ﾞﾞﾞ＼
　　　　　 l " " ", ,ｨハﾞ i ﾞ､ﾞ､ヾ
　　　　　 | " "ノlﾉメ、 |ﾉjﾑﾍ. N
　　　　　　 ! r,ｺ| ＝｡=　 ,｡==ﾊﾘ　　　　　杢之助の方はあい変らず、亡羊とした顔つきですましていた。
　　　　　　 | |ﾋ.j|　￣ r_ ＼7
　　　　　　　j `ｧﾍ　 ──‐:7′
.　　　　　_／∨　:::＼　￣人
　 -‐'''"´ |.　ヽ.　　::::`:.イ　 |`''‐- ､.._
　　　　 |　　　＼　　:::/　　|　　　 .ハ
.　　　　 |　　 ,ヘ〉　 |へ.　|　　　 l.　l
　　　　　ｌ_／　ﾟ〈ｰ‐'| 　ヽ!　　　│　|
　　　　　　　　　　　|::::::| 　｢￣￣|　| 　 |
　　　　　　【浪人　斎藤杢之助】

　　　　　　　　 ',　,. イ.::;　.:.:.,　　　　　.:.:.::::::::::.`ゝ､
　　　　　　　　　 V／.::/.:.:／　　　　　　.:.:l:! .:.:::::::::.`ヽ　_」 _
　　　　　　　　　／. .,.ｨ.:.::/　　　 .:.:::::::.:.　 .l:! ､ .:.:.:::::::::.`､下　.!
　　　　　　 /.:/ .::l:!.:./　　　.:.:.:.:::::::〃.:/::!::::.:.､ .:.:.:::::::.`､　/
　　　　　　./.:/ .::::l:|.:.:.　　.:.:.:.:::::::::〃.:/.:::ﾄ､::::.:.ヽ .:.:.::::::::Vヽ
　　　　　　 /.:/ .:.:::::l:|.:.:.　.:.:.:::::::::／/.:/.::::ハﾄ､.:.:::::', .:.:.:::::::!.::.',
　　　　　 ./.:/ .:.:.::::::i:|.:.:'"´￣`>'　/.:/.:::/´￣`ヽ .:.:l　.:.:.:::::!::::::',
　　　　　　 l:::ﾊ .:.:.:::::::ﾘ.:.:.:.:::::／　ノ.::/.:::/´ ¨`　　 V:l　.:.::::::j:::::::::
　　　　　　 |::|　',.:.:.:::::.ヽ｀ `Y⌒㍉　/:／ ,. ｨ'⌒Y77 ﾘ .:.:.:::/l.:::::::::しかし、その隣で顔を真っ赤にしてうつむいているお勇は、
　　　　　　 |::|　ﾄ､.:.:::::::.ヽ_ 辷_ｿ　　　　　辷_ｿノ ./ .:.:::/ ﾘ::::::::::明らかにいつもと態度が違う。
　　　　　　ヽ!　{i　＼.:.::::V/////　i　　　 ///// /.:.::／　ﾘ:::::::::::
　　　　　　　　{i _」 _ハｰ-- 　　　｀　　　　　　/;:イ　　ﾘ.::::::::::::
　　　　　　　　　{i 下 j} 1.:::ﾄ､　　　　　　　　　　ﾉﾉ_」 _　ﾘ.:::::::::i::::
　　　　　　　　　{i　　 j}. ＼.:.:::＞.､　￣￣　　ノﾉ　下　,.ｲ|::::::::::|::::
　　　　　　　　　{i　　 j}　 ,．'´　　｀`ﾆﾆﾆ"´ﾉノ　　　,.ｲ:::i:l::::::::::|::::
　　　　　　　 {i　　jレ' -米‐ 「:に>介フノ_」_ 　,..ｲ.:.:l::::l:l::::::::::|::::
　　　　　　　　　＼〈　　　　ノﾉl::,.ｨｲ.:／　　下イ　.i.::::|::::l:l::::::::::|::::
　　　　　　　　　　　　｀`~~´ ｀`フ.:::／　,．'"´　　　 .i.::::|::::l:l::::::::::|::::
　　　　　　　　　　　　　　　　/::／ ,．'´　,r‐‐y‐─ ｭ､::!::::l:l::::::::::!::::
　　　　　　　　　　　　　／ﾌ ^Y´　,.r'".:.:.:.:::::::.:.:.`ヽ＼:::l:l::::::::::!::::
　　　　　　　　　　　　　　//ｼ'　 j!　,〃.:.:.:::::::::::::::::::::::.:.＼＼!:::::::::!::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　【耕作の娘　お勇】

305 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/29(水) 20:18:08.52 ID:ezgK0OYo

まさか結婚？

306 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:18:33.89 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　 ,　二¨-―-- ､｀丶、
　　　　　　　　　　　／＿ ..-――-.. ､十ヽ＼
　　　　　　　　　　　　/／::.::,:.:.:./::/::.::.l::.::｀ヽ、＼ヽ
　　　　　　　　〃::/:::/:.:.:/::/::.:/::|::.:､:.::.::ヽﾊ｀、　　　普段なら、こちらの顔を見かけるなり、
　　　　　　　　　　　l::.:::l:: ,':l:::/::/::.:/::;小:::ｌ::ﾄ､::.:Ｖｌ　ヽ
　　　　　　　　　　 {::.:::|:::ｌ::|::l::/::.:/::/:/:_j⊥ｌ::ヽ:！}　　＼　「白饅頭」
.　　　　　　　　　　ﾊ::.::l:::|┼く:／::/ /'´ﾉヽ:∨::.:l |　　／　「デブ人間」
　　　　　　　　　〈　l::.:|:::l::|∠、ノ　　 , =≡V::.::/｜／　　　「こっちみんな」
　　　　　　　　　　ヽﾍ::ヽ::Ｖ⌒ﾞ　 ,　　　"ﾞ / :::,'　 l〔
　　　　　　　　　　　/rヘ::＼゛゛　rーﾍ　彡: /　 /:::Y⌒i　　などと口汚くののしるのだ。
　　　　　　　　　　 l冫/ }｀ヽﾐヽ、ヽ､ノ, イ:｀7十/::.::.:l　｜
　　　　　　　　　　 /／ /:::_rﾍ_｀二√ ＿_〉/　　ﾚヘ::}　 |　　　それがどうだろう……
　　　　　　　 //　 ,'／夕r=＝､∨---/､/　f==ﾐﾌ　厂ト､
.　　　　　　　　／/　〃r７,ｲ|　　 >ﾄﾏ￣〉 7ヽ厶ィ {ヽ｣__/ / 〉
　　　　 ,　-‐'7／　／:.rｸ/ {ﾆ=彳/ ﾊ ∨,　　/￣:{八_‐-┴勹
　　　／　　 /　　/: :/７/　／,ｲ/ /　/､/_　/: : : :|:厶｀＾´ 人
　　ヽ冫< /　　 {: : :Y〈__ /／〃 ,'　/ 7ヽ ,仆､: : :|| : :｀¨¨´: :冫、
　　　　＼/　　　rヘ :｀ヾ//__/> /／V／ /｣ハ: : l|: :丶: : : ,': ヽヽ

307 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:19:11.04 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　＿＿,．--_-_- ．__
　　　　　　　　　　_∠/ _v__｀¨´ _vv_ヽ.__ ¨' -．_
　　　　　　　　 ,ｨ´r_　　ｲﾊ｀_,､__ ﾊﾊ　　 _｀ヽ.　　¨ ‐--ｫ
　　　　　　 ,ィ´ ´ﾊ ,ﾉ￣￣´　　￣￣ヽ､ﾌﾍ' ヽ.__　　　 |
.　　　　　 /ﾍア´￣|.:.:.:.:.:.!.:.:.|.:.:.:.:.＼.:.:.:.:.｀ー､　_､＼　　|
　　　　ノi,ｨ´:/.:.:.:.:.| .:.:/!:|ヽ.:',.:.:＼.:.:ヽ..:.:.:.:.:.: ヽ.ﾊ¨ ｀ー'‐- ､　＿__
.　　　　|_/:!.:.:!.:.:.:.:.:ﾊ.:/ﾉ.:| .:',∧:ヽ.:ヽ.:.:ヽ.:.:.:.:.:ヽ:｀¨Tヽ._=Y= _二_Yｨ　ﾝ
.　　　 / !:!|.:.:|.:.:.:.:.:|::|'/.:.;ﾊ.:.:ﾊ:|＼:＼:＿:.ヽ.:.:.:. i.:.',:.:',.:.:＼￣¨ ‐．_￣
　　　ｲV|:|:!',.:l.:.:.|.:.:|::,'.:./　!.:.l |:!-‐＜_｀ヽ｀.:',.:.:. |.: |､.:i､＿.:ヽ、.:.:.:.:.:￣¨　　髪の毛にうるおいがついて艶になり、
.　　|'ﾍ |:|:!:ヽ',.:.|ヽ|ﾉ-,''¨｜ﾉ l:!　＿　ヽ|､.:.|.:.:/.:.:|::',:|、.:.:￣￣.:.:.:.:.:.:.:.:　　男勝りな態度もしおらしい。
.　　/　 ,!:l:ヽ.:.ヽ.i／:|/　 _」'　ﾘ　＿, -z'　Y.:∧.:.:!ヽ!| ＼_.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
.　 ,'v_ 代:',､:ヽ.:.ヽ.:.:i!　 _,ﾉ　　　　￣´ 　 ,':,ｲ/ﾊ.:|:::::i|＼.:.:.¨ヽ.＿＿　　　　そう、今日のお勇は
　 {,ﾎ　|　',ﾍヽ＼:ヽト=''´　　　　　　zxx /'´,'ノ:::|/￣¨ ‐-．＿_.:.:.:.ヽ.￣
　ヽ　ﾉ　ヽ', {＼｀ヽ＼_zxx　　`__ ,．　　人＼__::::::::::::::::::::::::::::￣￣￣　　やけに女らしいのだ。
　　ﾄvヽ　　＼ヽ.＼:｀ヾ.￣　　　　　　／| :::＼＿｀¨:::::‐-．＿＿＿＿_
　　ヾ｀ |　　　　　｀ｭ､`.:､｀マ'ェｧ､‐-‐''´　 jヽ＿＿_｀＞､‐-．＿＿＿＿_
　　　｀¨!｀ー- ､／.::.::`ーY｀ｧ-}｀'‐‐x― '´　ﾄ、,、,、:::::::::＼＿
　　　　ヽ、＿__ヽ-=､_,､f'/_ﾌｧ＝ァｿﾄ＝,ゝ､__} /ｲー--､:::::::::::｀¨ ‐-．__

308 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:20:06.04 ID:lfOPhPko

　　　　　／　" ,,　"　 "　　ﾞ　ﾞ　 /
　　　　　,イ "　"　　"　八ﾞ　ｉﾞ　|　　で　祝
　　　　　/　,ｨ´ "/' ｲ　/::: ヽ　ﾄ、ﾞ|　　て　言
　　　　　／/ ｨ' /| /| /:::　, -ヾ､ヽ,|　　く　　：
　　　　　　l　 l /-ﾚ､ﾚ'　 ´_,　a=＝|　　れ　：
　　　　　　! /l,ﾊ＝a=､　ヾ`ー　 ´|　　る　：
　　　　　　'"　　',`ー/ :::　　　　　　|　　か　　
　　　　　　　　　 ',　/ ;:::: ､　　　　　ヽ＿　　＿__
　　　　　　　　　 ∨_,　- '　　_,　　::::/;;;;::ﾉノヾ
　　　　　　　　　　丶ｰ '' "´　　 .:::/;;;;;::´　　 `
　　　　　　　ｒ―､,／丶　 =＝　 .:::/;;;;;::::::
　　　　　`<´ヽ r‐ヾ-､＼　　:::／;;;;::::::　　　　/
　　　　　(´ヽ　ゝー)ｒ┤/＼:／::;;;;::::::　　　　/

　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／ ⌒　　⌒＼
　　　　　／　（⌒）　（⌒）＼
　　　　／　 ///（__人__）///＼
　　　 |　　 u. 　 `Y⌒y'´　　　 |「もちろんだお！こんなにめでたいことなんてないお！」
　　　＼　　　ﾞー ′　　,／
　　　　 /⌒ヽ　　ー‐ 　　ｨヽ
　　　 / rｰ'ゝ　　　　　　　〆ヽ
　　　　/,ﾉヾ　,>　　　　　　ヾ_ノ,|
　　　　|　ヽ〆　　　　　　　　|´　|

309 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/04/29(水) 20:20:15.92 ID:lYBq1wo0

前回青姦だったしな
やる夫スレはアカギが出てることも多いけど結婚してて嫁がはっきり出てるのは珍しいかも

310 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:21:17.10 ID:lfOPhPko

　　　　　＿＿＿_
　　　　／_ノ　ヽ_＼
　　　／（●　）（●　）＼
　／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼「それにしても、相手がよりにもよってお勇さんだなんて、斎藤さんも物好きだお…」
　 |　　　　　）　　）　　　　 |
　＼　　　　 `ー'　　　／

　　　　　　　　_＿_
　　　　　 _, -' ´_＿＿＼
　　　　,　 '´ _,-'´, -――- ゝ、
　　／　 .／／　　　　　ｌﾄ、＼
　　　＼__/　/l　/　／　 , /l'|　ﾄ､l ',
　　　　l |　/ ｌ/|７ニイ´/〃| -Ｌ.l　!
　　　　l |　l　|　┬::cr / /　┬c｣　|　　「……うるせぇですぅ。白饅頭のくせに」
　　　ｌ |　l　!　 l:::::::j　 '　　l::::j.! /
　　　ｌ |　l　l⊂⊃‐ 　　　 ‐⊂/
　　　 ! |　|ヽ|　　　　　 -　　ﾘ
　　　 ! |　lゝ、　　　　　／|
　　　 ! |　|::::::::::ｰ┐ r‐:::イ:l.　|
　　　/｜ l::::::::::;ｨ´ {Ｘ}ik'::::::l.　!

311 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:22:33.51 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／⌒　　⌒＼
　　　 (ヽ　／（ ●）　（●）＼　 /)
　　　(((i ):::::: ⌒（__人__）⌒::::＼ ( i)))　　　「あ～ん？なんだかお勇さんもいつもと調子がちがうお」
　　／∠ |　　　　|r┬-|　　　　 |＿ゝ＼
　 (＿＿＿　　　 `ー'´ 　＿＿＿＿　）
　　　　　　　|　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「き、今日はたまたま体調がわるいだけですぅ！」

　
　　/ ／.:/.: 　 i.:.:.:l.:.:.:l.:.:.:/ l.:.:.:.:.:.:｀`´.:.:.:.:.:.: |.:.:.､.:.:.:.＼
　　 l.:.:./ .:.:　.|.:.:.:l..:/l.:.:/　|.:/l.:.:.l.:l.:.ﾄ､.:.:.:.:. |.:.:.:.＼￣
　　./.:./ :. :.: :|.:.:.:l/ .l.:/　 |/　l.:.:N.::.|__＼.:.::|.:.:.:.:.:.:l 　
　 /.:./ .: .:.:.: :|.:.:.:仁l/二ﾆ　　l.:仁l:/=== ヽ:!.:.:.|＼|　　　　　　　
　 l:/.l.:.:.:.:.:.:. .ﾄ､.:.l ﾃ示ﾐヽ1 Ll/ l 「戍ﾃﾐ　lﾄV　　　　耕作にすれば、こんなうれしいことは二つとないことだった。
　　　l.:.:/l .:　ﾊ:lN{　辷ｿﾉ ! 「￣l |弋辷ｿ　l1 l　　　　　　　　　
　　　l:/　l.:/　　 lL_ ＿＿ノ　 ,　　ヽ _二ノ.:.:.　　　　杢之助は死人（しびと）である。そういう風にしか生きられない。
　　　　 l/　､__',　　　　　　　　　　　 /　.:.:.　　　　　　　　　
　　　　　　　　ヽ　　　　　ー―　　　/.　　　　　　　しかし、これで家族を持ってくれればどうだろう。
　　　　　　　　入　　　　　　　 ,..ｲ.:.　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　.　'´　i.:.＼＞ -- ＜/

312 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:23:33.98 ID:lfOPhPko

　　　　 _　-‐lﾆ＝ー...､
　　､ '´　／ノ（: : ::.:::ノ:l::｀ヽ
　　＼ l'/::.⌒_ヽ／- 'ヽ::l:::ﾄ､
　　 /冫￣!　{　o＼:, ::_::メ､レ′　　　　　＿＿＿＿__
_　　/: :l　　l　　ー ': :ヽﾟ_ノ|!　　　　　　　／　ー　　　─＼　　杢之助の心の中にお勇が入り込んでくれれば、
┴v: : l　　ﾊ　　／ヽ、:.:::/|　　　　　＼＼（ ○）　（ ○）|　あの危なっかしい生き方を改めてもらえるかもしれない。
__/: : l　　l, ‐ヽ､/　 : : l} ,,,..-‐'''"⌒ゝ-r''⌒`i;, （__人__）,’,i|
://: :l　　|　　　{　　: :/´:.:::::::::::::::::::::::::::ゝ､__,ﾉﾉ）┬-）･：／　　なにも侍でいることに、死人である必要はないはずだった。
/' : : l　　|　　　　￣/::::::;;::-''"｀`'"'／／ヽ　ー `'　　 <
_: : :!　　|-j-.......＿/::Y、:　　　　／／＼　￣＿＿　　）　　世の中はすでに泰平を謳歌（おうか）していた。
／:::l　　 |ｲ::::::::::::::::::::::|　´　　　　 (　　＼　￣　　　　/
〉:::::＞､| l:::::::::::::::::::::::|　　　　　　　＼＿）　　　　　/　　　これからはお勇と二人で家庭を作っていって欲しい。
￣　　　 j-ー-　_:::::::l　　　　　　 /′　　　　　　　 /

313 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:24:13.39 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　＿,. -‐―‐-､)ヽ
　　　　　　　　　'´,＞〃　　　ノ　｀⌒ｰz
　)）　　　　　　／〃　　　　　　　　　　ゝ　　　それにしても、
（(　　　　　　〃,／, 〃　　　　　　__,ノしﾍ
　)）　　　　　 |〃/ ,〃〃 ,､,､､　,ゝ　　ヾ'|　　　あの嵐の中、
（(　　　　　　　/ /,〃 ,.ヘヽ_,ゝﾍ{ ヾ　ヾ　|
　)）　　　　　l/ / ,.く　 /＞‐｡ｧヽ'ト､ヾ' !　　　よりにもよってイノシシの死骸を枕に契（ちぎ）るとは。
（( 　　　　　　 |/　　>ヾ￣´　　 |'ト||ヾ |
　<ﾞ､_/ﾞヽ　　　　　　／　　　　　 |l〃ヾ|　　　杢之助のけた外れの生き様に、
　ﾉヽし'（ﾞ＼　　　∠-‐フ　　＿,　/ ヽ.ヾ'｣
（ヽ.ﾉヽ>ﾉ　.|　　　　｀￣匚, 　 /　　　>'＾ヽ._　耕作は年甲斐もなく胸を躍らせた。
〈ヽ.ﾉ　 / 　 .|　　　　　　　　/　 /　　／　　　|
　Y´　（　　ｲ　　　　　 '―ﾍ　／　　　　人
　＼　i　　　|　　　　　　　　／冫′　　　／ミﾐ＼
　　 L_＿_ _｣　　　　　　　/|　|＼　　　.／ミミミミ
　　　 |　　　 |　　　　　／|,ヽﾉ! 　＼／

314 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:25:01.95 ID:lfOPhPko

　　/ ／.:/.: 　 i.:.:.:l.:.:.:l.:.:.:/ l.:.:.:.:.:.:｀`´.:.:.:.:.:.: |.:.:.､.:.:.:.＼
　　 l.:.:./ .:.:　.|.:.:.:l..:/l.:.:/　|.:/l.:.:.l.:l.:.ﾄ､.:.:.:.:. |.:.:.:.＼￣
　　./.:./ :. :.: :|.:.:.:l/ .l.:/　 |/　l.:.:N.::.|__＼.:.::|.:.:.:.:.:.:l 　
　 /.:./ .: .:.:.: :|.:.:.:仁l/二ﾆ　　l.:仁l:/=== ヽ:!.:.:.|＼|　　　　　　　
　 l:/.l.:.:.:.:.:.:. .ﾄ､.:.l ﾃ示ﾐヽ1 Ll/ l 「戍ﾃﾐ　lﾄV　　　「杢之助さん、やらない夫さんはいかがしますか？」
　　　l.:.:/l .:　ﾊ:lN{　辷ｿﾉ ! 「￣l |弋辷ｿ　l1 l　　　　　　　　　
　　　l:/　l.:/　　 lL_ ＿＿ノ　 ,　　ヽ _二ノ.:.:.　　　　　　　　　
　　　　 l/　､__',　　　　　　　　　　　 /　.:.:.　　　　　　　　　
　　　　　　　　ヽ　　　　　´ｰ'　　　　/.　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　入　　　　　　　 ,..ｲ.:.　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　.　'´　i.:.＼＞ -- ＜/

　　　､､-v z_
　　　 ,ゝ　　ヽ
.　　　Ｚ._ィ,∠ﾄ､.}　　　「ああ……やらない夫にもでてもらいたいな」
. 　　　　幺__,´ﾚﾘ
　　　　　ヽ /V､_　　　　
.　　　 ,.-‐／〉ﾉ ! ＞‐ ､　
　　　/ゝ.∧l' ,へl 　　／ﾄ、

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　─　　 ─＼
／　　（●）　（●）＼
|　　　　（__人__）　　 |　　「あれ？今日はやらない夫に会ってないのかお？」
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　＼　／＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

315 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:26:20.44 ID:lfOPhPko

∠-'';::／　,∠/　.／::　　 ::＼.ヽ＼ヽ　ヽ　＼　ヽ. ＼
::::r''∠- '´:∠ -ﾍ::....... ,...:‐''７,ゝl‐-ヽ} 　ﾄ､　lヽ.　!
:::l::::-==＝ﾓ＝= _::::／:::::::::/_　 ` ／ ,ﾍ.　| ヽ |. ヽ.!
: |::::　｀　ー‐=''"::´:::::::::::::/ﾆ´＞,'／　ヽ |　ヽ!　ﾞl
::|:::::　　　　 ..::::::::::::::::::::::/　　　ﾊ　　ヽ!　　　もちろん、杢之助は
:|::::::　　 ...:::::::::::／::r:::::::i_:　　　,'l }　　　　　　　　やらない夫にも祝言に出てもらおうと思っていた。
|l::::::　　　　　　｀＿＿:::　　　 /.|′
iﾍ::::.. 　　￣￣　　　　｀ヽ　./^'
:|::ヽ:::..　　　　　　‐＝=;;　　　/
::l::::::ヽ::..　　　　 :::::::　　　/　　 ,.､
:::l::::::::::＼.　　　　　　　　　/　　／.:/:ヽ.
::::|::::　:::::::＼. 　　　　 ,ｲ　／....::/::::::::ヽ.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｆ'厂_/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｆ'厂_/　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｆ'厂_/ ｌ　}
_==_==_==_==_==_=='｢i,　　　　　　　　　　　　　ｆ'厂_/.　!　!
ﾆ7ﾆ7ﾆ7ﾆ7ﾆ7ﾆ7ﾆ7,ﾀ{,　　　　　　　　　　　　ｆ'厂_/￤ｉ　ｌ
_7ﾆ7ﾆ7 ,,､,. 7ﾆ7ﾆ7,ﾀ.[{,　　　　　　　　　　　　 ´￣ |　ｌ　{　ｌ
7ﾆ7 , ,､ゞﾞｿ, ﾆ7ﾆ7,ﾀ＿{_　　　　　　　　　　　 |　I　ｌ　i　　しかし、城下にある屋敷に向かうことをためらっていた。
.ﾆ7 ､ゞゞ八ｿ'ィ,. 7,ﾀﾆ7ﾆi＼　　　　　　　　　　　　　　|　ｌ　ｌ　}
ゞゞヾﾞゞヾﾉソゞr, ニｲﾆ∧ﾆゝ　_､,､ヾｨッr, ,　　　　　 |　ｉ　ｌ　l 　　それは金輪際、
､tゞゞヾﾍﾘソﾞﾉﾂｲ, _l_ｌ_ｌ |冖||rﾞ､ゞｨｿノゞ〃ゞ, 　　　 |　}　ｌ　ｌ
‐ー,┬-- ┬ｰ - ┬-　⊥_ || ゞ"ゞ'ﾉ､ゞ乂ゞｿ　　　　 |　ｉ　ｌ　i 　　人には話すことができない理由だった。
‐-　二.__ ￣⊥二 ;ﾆ￢‐-__｀ﾆｰ,ゞ爻ゞ_t､;､ゞ;;､;;､;.、 |　ｌ　ｌ　{
_}＿　i　 | ‐ r‐　- {┴'┬ ｭ_ j'ｰ_ｔ´ﾆ´´_￣|､, ─-ﾆ､''|　ｌ　{　ｌ
＿j＿￣｣, 二亡　ｉ二,-t￢'_.. -'_‐r_ﾆ　='|k;'　　 ,.,､;;ト {.._ｌ　I
,｣＿ _}＿ | ‐'‐ ┬ '｝ -' T´ ,!ィ´i ',．‐' ´￣　　　 ;ゞ;";l` ト l `ト
　　I＿ _j_,!　丁二.} ィ　ｨ´ ,k' ／　　　　　　　　ﾞt;';_ｌ　{　l `ト
￣　　_j_　.}　一ー｛イ　,! 'ﾚ ´　　　　　　　 yk{´ _>､　!　!
'Ｔ´￣i 　 _」　T　⊥j, ｲ／　　　　　　　　　　　从〔｀fヽ jヽ　{
_j - 'Ｔ´{　 j ￢－　i／　　　　　　　　　　爻｛_ｽ＾rく´_>､
　　L ィ ´　| ￣￣´　　　　　　　　　　　　 'ゞ〈ゝハ人トy
イ´　 ,ｌィ´ }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ〔ﾉヽ´i、_T´
│.イ　 i／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｖ´ゝ‐ﾍ,_｀
'´　,レ ´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`r'＾i __厂,
_／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀〈　ヽｨ^

316 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:27:14.56 ID:lfOPhPko

　　　､､-v z_
　　　 ,ゝ　　ヽ
.　　　Ｚ._ィ,∠ﾄ､.}　　　「……アイツも忙しいんだろ」
. 　　　　幺__,´ﾚﾘ
　　　　　ヽ /V､_　　　　
.　　　 ,.-‐／〉ﾉ ! ＞‐ ､　
　　　/ゝ.∧l' ,へl 　　／ﾄ、

317 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:27:52.63 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　 .. .:.:.:..: .:.:.:.. ....:.:...　　　　　　　　　　　　 | |_ , -‐ ､|
　　　　 .. .:.:.:..: .:.:.:.. ....:.:....　　　　　　　　　　　　　　　　ノ⌒ヾ | ノ ,:::;;:::::ヽ
三ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　;,;;;;; )::（　;,;;;;; ),. ::;;）
　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ ;;;;;;ノ| |ヾ ;;;;　;;ノ
,. |､､,.､､,,||―ii―ii―ii―ii―ii―ii―ii―ii―ii―ii―ii―||,,.､､,,､,.,,,､,.|il|,,､,|,,,￣"|il;|,.,,,､,.
,:;.:;.:,;.:.::;.　;::ﾞ;;￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ ,,;".;:..:;,.,:;.:,;.:.::;.:.;.;.;..;..;:"", .;.:,;.:.:..
,:;.:.::;.:.;.;.;..;　..;:.,.ﾞ;､／⌒ヽ ,ｒ'⌒ヽ ,ｒ'⌒ヽ ,ｒ'⌒＼　 ;",:;.:.::;.:.;.;.;..;　..;:.,.,:;.　:,;.:.::;.:. ;,:.;.;;.;
:.,.,:;.;　　...;..;:.:.;.:,;.:ﾞ､'';; ;; | | ::: ::: | | :: ::: :| |:: ;;'',, ,,; ":.,.,:;.;　　 .;..;:.:.;.:,;.:.::..:;.,;;.;.;..;..;: .,.,:;.
;..;:.:;.:.;.,:;.:,;;..;:.:;.:.;.,:,,;'　ヽヾ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;　　: 　'''- :;,,,:;.:;.:,;.:.::;.　　:.;.;.;..;..;:..:;.,;:.;.:,;.;..;
:;.:,;.:.::;. 　 :.;.;.;..;,,;''　　i　　ﾞﾞ;; :: :::: : :　::: ::;;ﾞヾ;;　　ヽ　　ﾞﾞ'''ｰ ..,,,,.;.;.;..;..;:.,.,:;.;.;..;..;:.,.:.　.
.;..;:..:;.,;;.;.;..;.,,;;''　　/　　:　ヽ" ;; :: ::::: :: ::: :::: ::;;;ﾞヾ;;　'　,　　‐-　ﾞ'''ｰ ..,,,,:,;.:.::.;.;.;.　　 .
.:;.,;;.;.;..;.;;;ﾞ"　　　　　　　　　　'' ;; :: :::: : ::: ::: :　:: ::;;ﾞヾ;;､,..　　　　　　　ﾞ' ﾞ"ﾞ'''ｰ ..,.,:;.;
" "ﾞ ;;;''　　　　,'　　　l　　　　ヽ　"';; :::: :: ::: ::: ::: :: ::: :: :::;^ヽ;　　　　￣　＿　 _　　ﾞ'''
ﾞ::;;''ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ';; :::: :: :: : :: : ::: ::　::: ::　 "-;;､,,　　　　　　　─‐
""　／　　　　/　　　　l　　　　　　""ヽ;; ::　:　 ::　::　 ::　 :　::　:::　::;ﾞヾ;;､,,
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　" ､;; ::::　::　::　:　::　:　:::　::　:::　::　:;^"ゞ､;;_"
　　／　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　" ;;;　::　::: 　::　::　　:　　:::　　 :::　:::　:::::;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　 " i ;; :::　 ::　　:　　 ::　　::　　::　　 :　::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　" l;;;　　::　　::: 　　::　　::　　　:　　:::
　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i;;;; 　::: 　 ::　　:::　　 ::　　　::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ''i;;;;;　　:::　　::　　　:::::　　::　　　::

耕作の家を出たやる夫は、いつもやらない夫がいそうな場所にむかった。

318 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:30:30.34 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　（ー）（ー）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　　　　（__人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　案の定、城の堀のところで、釣り糸をたらしていた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　ヽ　⊂二二￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　＼　 ⊂、'　　ヽ　　当の本人は父親の処罰の影響で、
　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　＼＿, ｀7　　/　　わずかな扶持米をもらいながら
　　　　　　　　　　　　　/　　　　へ　　　　＼　!/　　/　　　無役な日々をすごしていた。
　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　＼　　　　Υ　　/
　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　＼　　　　　/＼
　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　/ ＼＿_／.,,_r ヽ、
　　　　　　　　　　　　 /　　　　 _,,＿_|'"´　　　　　ﾚi　 }
　　　　　　　　　　　　|　　　｀'"´　　　｀¨ー､　　　　/ﾉﾉ
　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　}ィ　　´/
　　　　　　　　　　／＼＿＿＿,,.._7 　　　/::/　　 , '
　　　　　　　　　 /::::::::::::::/::::::::::::::::{ 　　　/::/　　/:
　　　　　　　　　 |:::::::::::::::|::::::::::::::::::!　　/:::/　　f::::::
　　　　　　　　　 |:::::::::::::::|::::::::::::::::/ 　 /:::（　　　ヽ、
　　　　　　　　　 |:::::::::::::/::::::::::::::/　　 {,_:::::::｀ヽ、＿_,,ゝ
　　　　　　　　　/:::::::::::::|:::::::::::::（＿　　｀¨つ:::::::::::::::
　　　　　　　　　|::::::::::::::::＼:::::::::::::::::｀¨ー-'"::::::::
　　　　　　　　　　　　　::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　【佐賀藩下級藩士　中野やらない夫】

319 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:31:53.63 ID:lfOPhPko

　　　　　　＿＿＿__
　　_ _(_) ／ ⌒　　⌒ ＼
　l_j_j_j^⊃（●）　（●）ヽ
　　ヽ / ::⌒（__人__）⌒::: | (_) _
　　 | |　　　 |rt- ｊ　　⊂_　l_j_j_j　　「お～、やっぱりいたいた。今日も暇そうだお」
　　 | ヽ　　　 `ｰ ' 　　／__　ノ￣
　　/　　`ー――― '　ﾉ
　　|　　　　　　　　/ｰ'
　　ヽ　　　　　　/
　　/ _＼＼＿ノ
　　Ｕ (⌒ _ノ

　　　　／￣￣＼
　　　／　　　　 _ノ＼
　　　|　　　　　　（●）
.　　　|　　　　　　（___ﾉ）　　「……お互い様だろ」
　　　 |　　　　　　　 ´ﾉ
.　　　 |　　　　　　　 }
.　　　ヽ　　　　　　 }
　　　　ヽ　　　　　ノ

320 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:32:25.16 ID:lfOPhPko

　　　　　／￣￣￣＼
　　　　／　─　　 ─ ＼
　　／　（●）　（●）　＼　　　　やる夫は違和感を覚えた。
　　 |　　　　（__人__）　　　　|　　　　やらない夫の口調にいつもの軽快さが見当たらない。
　　＼　　　｀ ⌒´.　　　／
　　／　　　　　　　　＼

　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／―　―　＼
　　　　　　／（●）　（●）＼
　　　　／　　（__人__）　　＼
　　　 |　　　　｀ ⌒´　　　　　|
　　　　＼　　　　　　　　　／
　　　　／　　　　　　　　　＼
　　　　 |　　　・　　　　・　　）　　　　, -'"^^^^,-'~~~~ ~~~~~~'-,^^^^"'-
.　　　　　|　　|　　　　　 /　 /　　　　（,,,,, -'", '"'⌒ヽ　　'"⌒ヽ`､~"'- ,,,,,）
　　　　 | 　 |　　　　　 /　 / |　　　　　　　,’　　・　　　　　・　　　;, 　　
　　　　 |　　|　　　　 /　 / 　|　　　　　　　:　　　　　━　　　　　　:　　
　　　 (YYYヾ　　Y　(YYYヽ　|　　　　　　　．､　　　　　　　　　､, '"
　　　　（_＿＿ノ-'-（'＿＿_）_ﾉ　　　　　　　　　~~~~~~~~~~~~~~

隣に腰を下ろして、犬の毛づくろいをはじめる。
本当なら杢之助の祝言の話をしたかったのだが、なにやらやらない夫の方から重要な話をされそうなので、
向こうから口火を切るまで待つことにした。

321 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:33:30.69 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　　　「　い　く　さ　が　始　ま　る　」

　　　　　　　　　／　　　　　ヽ|　　lヽ　　　　/ ｌ　　　　ヽ＼.　　|　|| 　　　　　　ヽ＼
　　　　　　　　/　　　　　　　　ヽ　ヾヽ,.ﾐ-､/ 丿　　,..　　＼ヽ.　|　|| 　　　　　,..＼ヽ.
　　　,.. 　　./　　　　　　　　　ノl￣ヽミ　　||　　／　＼　　ヽ＼|　|| 　　　　.／　＼ヽ＼
　／　＼／'''‐-,,,,,__＿＿,,-‐' /ヽ_ﾉミ　　　||　／　　　＼.　　＼|　||　　　／　　　＼ヽ＼
／　　　/"'''‐-,,,,,＿＿＿,,-‐'　/ ヽ彡　　　|| `'''ｰ---,-､く　　　|　||ヽ　　`'''ｰ---ｰ'''く　ヽ＼
`'''ｰ---/"'''‐-,,,,,＿＿＿＿,,-‐'' ,/彡　　　||ノ_,,`ｰ／　.＼ヽ.　　|　||ヽ＼ノ_,,`ｰ'`,⌒`ｌヽ、.　　;"
/ ノ`ｰ' "'''‐-,,,,,__＿＿＿＿,,-‐''　彡　　　 ||ﾉ /／_,,,......,,,_＼. 　 |　||　ヽ＼､,,-‐''ヽ　,/`l ヽ　 /_
/ ヽｙ,;--ｰ‐""'''‐-,,,,,_ヽ　　ノヽ、彡　　　　　|| | `'ゝﾉ、,_､ ,ヽく　　|　||　　ヽソ-ー''''''`ヽ' 　|　/
　／　　　 // 　　　　~""','､,,ノ`y彡　　　　 |'　／丿//ｙ//,⌒`、 |　||_　　　ヽ＼ヽ、.　　ノヽ、/
／,,-‐'''""~""'''‐-,,,,,_　　/ヽ　　/l 　　　　　　|　く,ーく| `'''' Lヽヾゝ,|　||ヽ　　　　＼ /ー'''　彡ヽ|
''"　　　//　　　　　　`ｙヽノ`ー'　|.　　　　　/|ｰ-ヽ、ヽ　　 ./　/（レ'ノヽ　　　　　/ ≡ /ヽ___／
,,,-‐'''""~""'''‐-,,,,_　／丿ヽ　　　|　　　　, //|'''' ‐-ヾ)う"''' ‐- ,,,l'　`'゛/　|　　　　　ー';'''　　/ ヽ、
　　 //　　　　　　`ｙ':/‐'　　　　　|　　　 .//　|　　　/　"く`"''' ‐/　　/　 /.　　　　　　（　　くヽ､ノ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　／￣￣＼
　　　／ ._ノ　　ヽ､＼
　　　|　（●）（●）　|
　　　|　　（__人__）　 |　　　
　　　|　　｀ ⌒´　　}
　　　 | 　　　　　　 }　　　　日常では聞きなれない言葉だった。
　　　ヽ　　　　　　/
　　　 __ヽ　　　　ノ__　　　　「島原で一揆が起こっている。しかも切支丹一揆だ」
　　/　　　　　　　　　.ヽ
　　|｜　　　　　　　　|｜

322 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:39:16.73 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　小倉
　　　　　　　　　　　博多 , ｰ'"´│￣・ﾞゝ
　　　　　　　　　　　　　／・　　│豊前l
　　　　　　　　 ..／゛　筑前　 │　　ｌ　　　　　　＿
　　　　　　／￣i　.ゝ　　　　　　　　＼　　＼＿＿／＼￣ﾞ'-、
　　　＿、ﾞ''､　｀゛｀^'ｰ- -､＿＿　　　ヽ＿＿＿＿／´　　 /
　　　|　　｀'"　　　佐賀 / 　　　＼ /　　　　　　　＿＿／
　　　.＼　　肥前　・　./ 　筑後　　 | 　　豊後　〈､
　　　.＿ﾞ'､　　　　.ｒ'"^.ｌ.　　.,,,､＿＿!　 ., ､、　　　　 .￣￣/
　　　.!　｀'ｯヽ　　　,,ゝ　 l-'"゛　　　　｀''"　｀ｉ　　　　　ゝ-､
　　　＼　ゝゞ　　 l＿、 .ｌ、　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　 /
　　長崎ﾞ'､・　 _,..､　　 |　.ヽ,　　　　　　　　 ,／'-､,,、　　.,.　 _ゝ
　　　　　 !._..-'´　/ 　・/　／肥後　　　　,./ 　　　　.｀^^゛ ./
　　　　　　　　　ﾞ'ィ"島原､　　　　　　 / 　　　　　　　 . /
　　　　　　　　　　　　 / 　　　　　　!　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　天草諸島　　　　　　 .!　　日向　　/
　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　 !　　　　　 ./
　　　　　　　　　　　　ノ---- ,,_.＿____/ 　　　　　 │
　　　　　　　 lﾞﾞ'"　　　　　 .|　　　　　　　　　,ﾉ
　　　　　　　 !　　　　　　 .└┬ヽ　　　　　 |
　　　　　　　 |　　薩摩　　／　　＼　　　　　./
　　　　　　　ヽ　　　　 ._/.　　　　 |　　　　　.!
　　　　　　　　 |　　　 ./　`'i　　　｀-、　　,ﾉ
　　　　　　　　 /　　　/ ﾞ'i'"゛大隈　　|　　/
　　　　　　　　/'''"　　　..ｌ　 . !　　＿＿/　　/
　　　　　　　　＼___,　　 .＼ .!　　　＼　 `‐′
　　　　　　　　　 `-.... '".,ﾉ　　 .,／　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　ｨ′.. ／　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　｀´　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　神代　　　　
諫早　　　　＿＿＿＿＿＿＿　　　　　
　・丶　　／　　　　　　　・　　＼　　　　　　　　　　
　　　＼／　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　有
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　
　＿ゞ´´ヘ　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　
　　　　　　丿　　　　　　　　　　　　・│島原　　　　
　　　　　　＼　　　　　▲　　　　　　│　　　　　　明
　　　　　　　ゝﾍ　　普賢岳　　　　　│　　　　
　　　　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　│　　　　
　　　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　丿　　　　　
　　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　海
　　　　　│　　　　　　　　　・＿ｿ⌒　　　　　　　
　　　　　│　　　　　　┌─┘　日野江　　　　　
　　　　　└ヽ＿＿＿丿　　　　　　　　　　　　　　

島原地方は元々、有馬晴信が治めていた。
晴信自身は熱烈なキリスト教徒として有名だった。
岡本大八事件によって改易されると、松倉氏が日之江に入った。

323 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:40:31.71 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　/ ノＹヽ
　　　　　(ヽ　　/（ﾟ )( ﾟ）ヽ　　　/)
　　　　 (((i ) ／::::⌒｀´⌒::::＼　( i)))　　　今は勝家の時代になっていた。
　　　　／∠_|　,-）　　　　（-，|＿ゝ＼
　　　 ( ＿＿　 l　ヽ＿＿ノ　　 ,＿＿）　　ここで勝家は他藩にまで聞こえるような
　　　　　　　＼　 |r┬-|　／´
　　　　　　　　　|　 |　|　 |　 |　　　　　　　　苛斂誅求（かれんちゅうきゅう）を民に強いた。
　　　　　　　　　|　 |　|　 |　 |
　　　　　　　　　　　`ー'´
　　　　　　【島原藩主　松倉勝家】

324 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/04/29(水) 20:41:19.42 ID:lYBq1wo0

うざいのキターｗｗｗｗ

325 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:41:34.31 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　 /　ﾆＹﾆヽ　　　　　　　　　　　　
　　　　/　（　ﾟ)(　ﾟ）l　　　　　　　　　　　　　　　　 |　;;;;;;;;;;;;; ;;;; 　 }
　　／　::::⌒｀´⌒:::＼　　ﾍﾟﾛｰﾝ　　　　　　　　.　＼;;;;;;;;;;;;;;;;; 　 }
　　|　　,-）＿＿＿（- | 　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ;;;;;;;;;;;　ノ
　　| 　l　　 |================================三三三三
　　＼　　 `ー'´　／　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　く

切支丹禁制を敷くために、ありとあらゆる拷問を行い、恐怖と暴力を持って改宗をせまった。
島原に居城を築くため、むりやり農村から人を徴収した。

326 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:42:44.79 ID:lfOPhPko

. 　　　　　　　　　　　　　/ﾆＹﾆヽ
　　　　　　　　　　　　　/（。)(. ﾟ）ヽ
　　　　　　　　　　　／::::⌒｀´⌒::::＼
.　　　　　　　　　　　|　,-）ﾄｪｪｪｪｲ（-、|　　でってでってでってでっていうｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
　　　　　　　　　| l　　.|-┬-|　　l |
　　　　　　　　　　＼　`ー-'´υ／　　　　　　　　　　　　　┏━┳━
　　　　　　　　　 ⊂ 　　　丿　　i|!　　　　　　　　　　　　┃　 ┃
　　　　　　　　　　ノ　　　γi|!　　　|　1up!　　　　　　　 ┣━┻━
　　　　　　　　　　　　(__丿＼　__ノ　　　　　　　　　　　　　　　 .┃
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､ノし,／　ヽ、从,／━━┳━┻━┳━
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾉγ⌒二_二⌒ヾて ;’.ﾋﾞﾀｰﾝ　　　 ┃
　　　　　　　　　　　　　　 `:・, `　 r'.ﾞ!'ｔ､....ｨ'!ﾞヽ. ／ﾋﾞﾀｰﾝ　　.┳━┻━
　　　　　>>島原の民→　 ∵ :'（___',='.＝.'=,'___,）.┃そ　ﾋﾞﾀｰﾝ
　　　　　　　　　　　　￣─┏━━━┳┻　　 .ﾋﾞﾀｰﾝ ━┳━
　　　　　　　　　　　　　　 ┃　　　 ┃ . 　　　ﾋﾞﾀｰﾝ　┃
　　　　　　　　　　　　　　 ┣━┳━┻━┳━┻━┳━┻━
　　　　　　　　　　　　　　 ┃　 ┃　　　 ┃　　　 ┃
━━┳━━━┳━━━┳━━━╋━┻━┳━┻━┳━┻━┳━
　　 ┃　　　 ┃　　　 ┃　　　 ┃　　　 ┃　　　 ┃　　　 ┃

また、ここ３年ほど、島原地方は飢饉（ききん）に見舞われていた。
年貢を払えきれない領民に対して、これまた残虐さにうったえた。
妊娠中の女房を引っ立てて、水牢にいれ、腹の子供と一緒に殺害する。
なおかつ、見せしめとして、亭主や村人に死骸をさらす。
そんなことを聞いただけで胸糞悪くなるような振る舞いだった。
まさに狂人の発想である。

327 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:43:18.52 ID:lfOPhPko

　　　　 )､.＿人＿人__,.イ.､.＿人＿人＿人
　　　＜´ 一揆を起こすのじゃぁ～～！　＞
　　　　⌒ v'⌒ヽr -､＿　 ,r v'⌒ヽr ' ⌒
// // //／::　<　　＿,ノ｀' 、ヽ､＿　ノ　;;;ヽ　 //
///// /::::　　　（y○'）｀ヽ) ( ´（y○'）　　　;;|　　/
// //,|:::　　　　　（ (　/　　　　ヽ) ）+　　　　;| /　　　　　　　　　　　　　/ノＹヽヽ
/ // |:::　　　　+　 ) ）|~￣￣~.|（ (　　　　 ;;;|// ////　　　　　　　　 /（0)(0）:::ヽ
/// :|::　　　　　　（ (||||! i: |||! !| |) ）　　　 ;;;|// ///　　　　　　　　.／ ⌒｀´⌒　::＼
////|::::　　　　+　　 U | |||| !! !!||| :U　　　;;; ;;;|　///　　　　　　　　　| )ノ(、_, )ヽ,　（::::|
////|:::::　　　　　　　| |!!||l ll|| !! !!| | 　　　;;;;;;|　////　　　　　　　　　|.l　,;‐＝‐ヽ　l :::|
// / ヽ:::::　　　　　| !　|| |　||!!|　　　　;;;;;;/// //　　　　　　　　　　　＼｀ニニ´　::::／
// // ゝ::::::::　:　　　| ｀ー----－'　|＿_／///　　　　　　　　　　　　　／｀ー---―´＼

　　　　　　　　　　 ...............
　　　　　　　　　...: 　　　　 :.ゝ
　　　　　　　　..:::::　　　　　.::::‘＝ﾐ
　　　　　　　"::::::: 　　　　　..::::)　　ﾐミ　　　　　　　..─ヽ
　　　　　　(二二（三○三）二二）　　　　　　　　／／:::::ゝ
　　　　　　б　　　＼　　／　　　つ　　　　　　　//::::::::::/
　　　　　　　|　　θ　　　θ　　　.ソ　　　　　.　／.し:::／
　　　　　　　.|　　..⊂⊃...　　/　　　　　　／　..／
　　　　　　　　∴∴r⌒ヽ∴∴　　　　　／し／　　　.／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　∵∵∵∵∵∵　　　.／...／　　　　.│
　　　　　....──゛∵∵∵〃─┬／.／　　　　　　<　　おらさ、もうおこっただ～～
　　　　│　＼　ヽヽ　　〃　./t┘L．　　　　　　　　│
　　　　/　　ィ　　　ヽｿ/　..イ　　　7　　　　　　　　　＼
　　　/　　　∥　　　//　イ＼　　　＼　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

328 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:43:54.83 ID:lfOPhPko

寛永１４年（１９３７年）１０月２６日、一揆勢は数千の軍勢となって、島原城を攻撃した。

　　　ﾜｰﾜｰ　　　　　　　　　　　＿,,,,＿,,､＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　　島原城　　（
　　　　　（　　　　）　　　　　　|''''￣￣`'￣￣￣
　　　　　（　　;;;）~　　　　　 ∧
　　　　　　 )　;;;;）　　　　　 :;⌒> 　　　　　　　　　　ﾜｰﾜｰ
　　　　　　（ ;;;）　　　　　　／⌒＼
　　　　　＿ｿ＿_　＿＿＿_］#;;皿［-∧-/l､　　　　　
　　　　／三.//三三川三∧_／＼..,,|,,|「|,,,|「|ﾐ^!､ｼﾞｬｰﾝｼﾞｬｰﾝ
　　＿_|￣田￣田 /;;;;;~;;;;Π ~∩., ,,,|'|「|'''| ,|||:ll;|　
　/＿_,|=#／＼＝ﾊ,￣￣|「|￣l/￣＼_, |「|￣￣|
　从ヾ;. '',人ヾ,´.　　　　　|「|　田田#　|「|［［. *|
､ヽ;,:.;）:.从;.,.ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ,#, , |「| #　 ;;;;:;;;; 　|「|ﾐﾐ#ﾐﾐ

329 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:44:48.87 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　/ ヽ＿＿__／/
　　　　　　　　/　　　/　　　/
　　　　　　　　/　　　/　　　/
　　　　　　　 /　　　/　　　/ 　　翌朝、佐賀藩家老、多久美作守に蜂起の知らせが届く。
　　　　　　　/　　　/　　　/
　　　　　　 /　　　/　　　/ 　　　しかし、江戸にいる勝茂への連絡が遅れてしまう。
　　　　　　/　　　/　　　/
　　　　　　￣￣￣￣￣

　　　　　　　|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|
　　　　　　　|　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　|　　　　　　　　　　 |
　　　　　　 /　　　￣￣￣￣　　　　　/＿＿＿__
　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　/ヽ＿＿／/ 　先に幕府に注進した熊本藩より３日も遅れるという体たらくだった。
　　　　　/　　　島原やばい　　/　　/　　　/
　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　/　　/　　　/ 　おかげで勝茂は大いに面目を失うことになり、
　　　　/　　　＿＿＿＿　　　　　/　　/　　　/
　　／　　　　　　　　　　　　　／　　/　　　/ 　　これが勝茂をあせらせる原因の一つとなる。
　／　　　　　　　　　　　　　／　　/　　　/
　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣/　　　/　　　/

330 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:45:29.50 ID:lfOPhPko

　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　／　　　　　＼　　　　「すでに島原の城下は火の海らしい」
　　　　　　|:::::: 　　　　　｜
　　　　　.　|:::::::::::　　　　　｜
　　　　　　 |::::::::::::::　　　　｜　　　　　　　　　　....,:::´,　.
　　　　　.　 |::::::::::::::　　　　} 　　　　　　　　　....:::,,　　..
　　　　　.　ヽ:::::::::::::: 　　 } 　　　　　　　,）:::::::ノ　.
　　　　　　　ヽ::::::::::　　ノ　　　　　　　　（:::::ソ:　.
　　　　　　　　/:::::::::::: く　　　　　　　　,ふ´..
-―――――|:::::::::::::::: ＼ -―,――ノ::ノ――
　　　　　　　 |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼（ ;;;;(
　／　　＿ノ　ヽ__＼) ;;;;)
／　　（─）　（─ /;;／
|　　　　（__人__） l;;,´　　「ふ～ん」
./　　　　 ∩ ノ)━・'／
(　＼　／＿ノ´.|　 |
.＼　 " 　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

331 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/29(水) 20:45:53.72 ID:JWDYk1go

おーしきたきたきた！　待ってました！

332 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:46:09.11 ID:lfOPhPko

　　　／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　（ー）（ー）　　　「武家諸法度の影響で、
.　　|　　　　（__人__）　　　国境を越えて手を出すことができない。
　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　.ｌ^l^lｎ　　　　　}　　　　せめて
.　　ヽ　 L　　　　}　　　　一揆勢の中心人物さえわかればなぁ」
　　　ゝ　ﾉ　　　ノ
　　／　/　　　＼
　／　 /　　　　　＼
. /　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､
　ヽ＿＿ﾉ

　　　＿＿＿＿
　　 / ⌒　　⌒　＼
　　./( ―）（　●）　＼
　 /::⌒（_人＿）⌒::::: 　|　チラッ
　 |　　　ー　　　　　　.|
　＼　　　　　　　　／

333 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:47:07.46 ID:lfOPhPko

　　　　／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　（ー）（ー
　　　|　　　　（__人__）　　「千載一遇の
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　武功をあげる機会だというのに、
　　　 |　　　 ∩ ノ ⊃　　　もどかしいだろ」
　　／　　 .／　＿ノ
　 (.　＼／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　＼／＿＿＿ /

　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　　＼
　　　／　⌒　　　⌒　＼
　／　-=・=-　　-=・=-　＼
　 | 　　　（__人__）　　　 |　　やる夫はかるく挨拶すると、すぐ家に戻った。
　＼　　　|++++|」_ｷﾗｯ／
　　　　　　　`ー''´ l

334 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:47:56.30 ID:lfOPhPko

杢之助がやらない夫とであったのは、やる夫の家の近くだった。

やらない夫は血相を失っていた。

　　　　　　＿─-､ -‐;ｚ.__
　　　　　　　　＞　`　"　ﾞ　　＜　　　　「たいへんだ、　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　/　" " " "　ﾞ　ﾞﾞﾞ＼　　　斎藤さん……　　　　.　　／ノ　　＼　＼
　　　　　 l " " ", ,ｨハﾞ i ﾞ､ﾞ､ヾ　　　やる夫が……」　　.　　|（○）（○）　　│
　　　　　 | " "ノlﾉメ、 |ﾉjﾑﾍ. N　　　　　　　　　　　　　　　　.　|（__人__）U　　│　
　　　　　　 ! r,ｺ| ＝｡=　 ,｡==ﾊﾘ　　　　　　　　　　　　　　　　　. |　r┬-|　　U │
　　　　　　 | |ﾋ.j|　￣ r_ ＼7　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 |　`ー'´　　　│　　　
　　　　　　　j `ｧﾍ　⊂ﾆﾆァ7′　　　　　　　　　　　　　　　　　.　ヽ　　　　　u 　}
.　　　　　_／∨　:::＼　＝ ∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　ノ
　 -‐'''"´ |.　ヽ. 　 ::::＼,.ｲ　|`'''‐- ､.._
　　　　 |　　　＼　 :::::/　│　　　ハ　　　「なにがあった？」
.　　　　 |　　 ,ヘ〉　 |へ、|　　　　l.　l
　　　　　ｌ_／　ﾟ〈`ー'| 　ヽ!　　　│　|
　　　　　　　　　　　|:::::::|　　｢￣￣| │　 |

335 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:48:43.12 ID:lfOPhPko

　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　／　＼　　＼
　　　　.（●）（● ）　u.　|　　「やる夫が見当たらないんだ。
　　　　（__人__）　u　　|　　　
　　　　.(｀⌒ ´　　　　　|　　　もしかしたら、島原にむかってるのかも」
　　　　　{ 　　　　　　　|
　　　　　 { 　　　　u.　/　　　やらない夫はこれまでのいきさつを話した。
　　　　　　＼　　　　 /
　　　　　　ノ　　　　　＼
　　　／´　　　　　　　　ヽ

336 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:49:23.86 ID:lfOPhPko

　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　／　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　「俺がうっかり、一揆の中心人物を
　　　　　　|:::::: 　　　　　｜　　
　　　　　.　|:::::::::::　　　　　｜　　　　　　　　　　　　　　　　知りたいっていっちまったばっかりに。
　　　　　　 |::::::::::::::　　　　｜　　　　　　　　　　....,:::´,　.
　　　　　.　 |::::::::::::::　　　　} 　　　　　　　　　....:::,,　　..　　　　アイツ、抜け駆けしやがっただろ……」
　　　　　.　ヽ:::::::::::::: 　　 } 　　　　　　　,）:::::::ノ　.
　　　　　　　ヽ::::::::::　　ノ　　　　　　　　（:::::ソ:　.
　　　　　　　　/:::::::::::: く　　　　　　　　,ふ´..
-―――――|:::::::::::::::: ＼ -―,――ノ::ノ――
　　　　　　　 |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´

337 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:49:50.29 ID:lfOPhPko

　　　　　　＿─-､ -‐;ｚ.__
　　　　　　　　＞　`　"　ﾞ　　＜
　　　　　　　/　" " " "　ﾞ　ﾞﾞﾞ＼
　　　　　 l " " ", ,ｨハﾞ i ﾞ､ﾞ､ヾ
　　　　　 | " "ノlﾉメ、 |ﾉjﾑﾍ. N　　　　
　　　　　　 ! r,ｺ| ＝｡=　 ,｡==ﾊﾘ
　　　　　　 | |ﾋ.j|　￣ r_ ＼7　　　　　　
　　　　　　　j `ｧﾍ　⊂ﾆﾆァ7′　　　　　「わかった。俺が追いかける」
.　　　　　_／∨　:::＼　＝ ∧
　 -‐'''"´ |.　ヽ. 　 ::::＼,.ｲ　|`'''‐- ､.._
　　　　 |　　　＼　 :::::/　│　　　ハ
.　　　　 |　　 ,ヘ〉　 |へ、|　　　　l.　l
　　　　　ｌ_／　ﾟ〈`ー'| 　ヽ!　　　│　|
　　　　　　　　　　　|:::::::|　　｢￣￣| │　 |

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ○）（○）
.　|　　U　（__人__）
　 |　　　　　|r┬-|　　　「なに！？斎藤さんまで」
.　 |　ι　　`ー'´}
.　ヽ　　　　　u 　}
　　ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　く　　＼
　　　|　　　　＼　＼
　　 |　　　　|ヽ、二⌒)､

338 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:50:52.71 ID:lfOPhPko

　　　　　-､ｰ- ､
　　　_.　-─-ゝ　　Ｙ ⌒,.Ｚ.._
　　　 ,.＞　　　　　　　　　＜｀
　 ∠.._　　　　　　 ,　　　　　ヽ　　　　
.　　／　　　 ,　,ｨ ,ハﾄ、　　　 l　　　「俺たちは浪人だ。
　 /イ / 　 /l/‐K　ゝlへﾄi　　|　　　　
　　ﾚ'ﾚf Y|＝=;=　　=;=＝|f＾!l　　　　法度もくそも関係ない。
.　　　　 !6|| ｀￣ "||` ￣´ ||6|!　　　　　
　　　　ﾞyl、　　､|レ　　　|y'　　　　　やる夫も見つけたらすぐにもどさせるさ」
　　　　 _,,ﾊ.ト.｀￣￣￣´ ,ｲ/＼_　　　　
　　￣:::;':::::ﾞ! ＼. ￣　／ |'::::::::|:::￣
　　:::::::::l:::::::::l　　＼／　 !::::::::::|:::::::::　　
　　::::::::l:／ヽ:ヽ__　　 __/:／＼:|::::::::
　　:::::::‘:::::::::::o:ヽ`　 ´/::::::::┌──┐
　　:::::::::::::::::::::::::::ヽー/::::::::::: l:::::::::::::::l

杢之助の行動は『いくさ人』らしく、俊敏迅速なものだった。
父親譲りの鉄砲の点検が終わると、鎧櫃（よろいびつ）にありったけの弾丸と煙硝を詰め込み、槍を手にした。

339 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:51:52.10 ID:lfOPhPko

爻　　 _,,-‐ｔ‐''⌒ﾊ、　　　　　　　_,,,　-‐''三]
ｋ;;:､　(,,　ﾒ μ ,,´｀, -―一''''""~　_,, -‐／::::＼　　　　　　　／
､,＼;;:: 人人ｷ,,　 /　--一'''"~￣　　,／:::::['i']::::＼へ、　　／
ﾆヾ＼ⅲⅲ Y,／　　　　　　　　　／ii[]:::[_,!_]::[];､＼　Yy,,..
-‐''`　 `.、:,:／　　　　　　　　　／ii;[ i ]~~[_!_]~[l];:ヽ＼＿
＿,,､＿,,,,／　　　　　　　　　,／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　>￣ヽ
ﾊﾊ从／-―====r-===三''　､-―――――――‐＜　木ﾎYyy
(⌒)ｲﾄ爻------(　tｲ-‐'´::::::::,＼＿＿,,,....､_＿＿,,,_____`」￥　Y
　T,::爻Ooﾄ[iiii]<,,. ､ｷ[]　 i::::::::::::::::[]::::::::::::::[]=======|爻爻三三
ー-　　''ー＾　二,,　ー---┴, -‐へ-O-ー-～～-―へ`~~　　　　]、
　　　　　　　　　━
　〓　　　　　　　　　　　━〓　　　ー　----　､---―

　　　　／ .,※,...-―:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::ｰ-.､　＼
　　　／　 /,.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:＼※ヽ
　　　＼／:.:.:.::/:.:.:.::.:.:.:.:.:.:!:.!:.:.:.:.:.＼::.:.:.:..:ヽ　',
　　　　 /:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:../.;ｲ.:ﾄ､.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:ヽ
　　　　,':.:.:.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.:.,:ｲ:/ ;:/　ヽ.:..:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.'※.
　　　　!:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:／.// //　　＼:.:.:.:.|:.:.:.:..:.:i
　　　 |:.!:.:.:.:.:.|;∠..－'" 〃゛` ―--＼:.!:.:..:.:.::,' }
　　　　!ﾊ:.:.:.:.:.!　　 _,,　 /　　､_　　　 /:.:.:./:/∧　　お勇は実家の居間で、
　　　　i! ＼:.:.:＼`＝''"　　　`ー＝''ｲ/:.ｨ／/:.:.
　　　　　　}ヾ､_＼　　　'　　　　　／／´　/:.:.:.　　耕作たちとお茶を飲んでいたところだった。
　　　　　　ﾄ､※,.＞-―…―--＜7´※　/:.:.:.:.
　　　　　　 !:.r(´.._'' ¨´￣￣｀¨r-┴ ､　 /ユｭ_:.:.
　　　　　 /:.{ 〉ーｭ__...::::::::::.r―_`ヽ〈　/／　{ｊ:.:.
.　　　　　/:.:/{Y´,.-<:::::::::::::::`ー､`　ﾉｭ!_ｊ⌒ｰﾘ:.:.
　　　　 /:.:.:!　>｀ー'､..＿＿＞-､_.ﾉｽ　 ,'　　|:.:.
　　　 /:.:.:.|　{~`＾ｰｾ┘!｝{} !㍉x-イ　} ,'　　｜:.
.　　　/:.:.::.,'　 !　　 !　 | ｝{} !　i!　　　ﾄ、　　｜:.
.　　/:.:..:./　　!　　　　,' ｝{} ！ |　　　| ヽ　　 !:.:.

340 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:52:58.65 ID:lfOPhPko

そこへ、ものものしいいでだちの杢之助が扉を開けた。

　　　　　|┃　　　　　　　　　 l " " ", ,ｨハﾞ i ﾞ､ﾞ､ヾ
　ｶﾞﾗｯ.　|┃　　　　　　　　　 | " "ノlﾉメ、 |ﾉjﾑﾍ. N　　　
　　　　　|┃　ﾉ// 　　　　　　 ! r,ｺ| ＝｡=　 ,｡==ﾊﾘ
　　　　　|┃三　　　　　　　　 | |ﾋ.j|　￣ r_ ＼7　　　　　「すまない、いくさだ」
　　　　　|┃ 　　　　　　　　　　j `ｧﾍ　 ──‐:7′
　　　　　|┃　　　 .　　　　　_／∨　:::＼　￣人
　　　　　|┃三　　　 -‐'''"´ |.　ヽ.　　::::`:.イ　 |`''‐- ､.._
　　　　　|┃三　　　　　　 |　　　＼　　:::/　　|　　　 .ハ

　　　　　　　　　　　　　　　　　,　 --=ﾆﾆ､ヽ､
.　　　　　　　　　　　　　　　∠ -―‐--- ､＼＼
　　　　　　　　　　　　　／　/ ／　 ,　　　｀ヽヽ＼
　　　　　　　　　　　　　// , / /　／/ /,ｲ　　 Vﾊ　ヽ
　　　　　　　　　　　　 // // / //　/ //｜｜l　ｌ！　＼
　　　　　　　　　　　　{ﾉl ｌ| ｢Ｚﾒ/l// /ム⊥｜|　| |　　／　　　「そ、そんな……」
　　　　　　　　　　　　　l l |l 〈f沁 {/ / ｨ汽く l| j ,ﾘ } rく
　　　　　　　　　　　　Ｎ八〉｀ﾞ′,　　｛ﾞりﾉ//〃/ｲ　 |
　　　　　　　　　　　　　　 jﾍ、　 _　　　" 彡'／/　|l　 |　　　　　一同があっけにとられる中、それしか云えなかった。
　　　　　　　　　　　　　　 / / 丶、｀　　, ィ7´ rク　l 　 |
　　　　　　　　　　　　　厶ｲ __｣二兀／/-|-/厂ヽ、　｜

341 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:53:27.75 ID:lfOPhPko

杢之助は外へ飛び出していった。

　　＼　　　　　　　　//　　∨: : : : : : : : : : ／:／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : : : :＼
　　　＼＿＿_ 　　{ { ＝=/ : : : : : : : : : /:／.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :｜ : : : : : : : : ヽ
　　　　　| : : : :｜　 { { ／/ : : : : : : /: : //: : : : : : : : : : : : : : : : ／: : : |: : :| : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　|: : : :/:＼//　　/: : : : : : :/: : // : : : : : : : : ／: : : : ／ : : : : / : : |: :ヽ !: : : : : : : :｜
　　　　　|: : :/: : : { {　　 |: : : : : : /: : //: : : : : : : :／: : : : ／: : :／: :/ : : :/.: : :|:l: : : : : : : : :|
　　　　　|: :/: : : : { {　　 |:|: : : : : |: : :| : : : : : : ／: : : : :／: : :／: :／ : : :/: : : : !:!: : : : : : : :｜
　　　　　|:/.: : : : :.//　ヽ|:|: : : : : |: : :|: :＿_:／: : :＿／: : :／: :／/: : : /| : : : : |:l: : : : : : : : :|
　　　　 /: : : : : : { {　＝|:|: : : :∠二二: -― ' ￣／: : ／/: ／ / : : ／ | : : : : |:| : : : : : | |: |
　　　 / : : : : : : : ﾊ V ∧: : : : : :| :l: |――‐-≦_'"￣／／ , / : ／　ヽ : : : ﾚ |: : : : :.| |: |
　　　/: :／⌒ヽ、: :{ { 　　ヽ: : : : : :l: l 气=ｚｚｚ≧三≧ｰ＝'"/ ／≧ﾆｰ-v＼: :| / : : :ﾉ|:| |: |
　　/ : （　　＿ﾉ＼ﾊ∨　　ヽ.: : : :ﾄ､＼ ` 〃r:::yﾆバ`　　￣〃示ﾃﾃ′: : V/ : ／ /// /
　/:r=ｰ' ／ニ|　‐-ﾐﾊ∨ 　　　＼ : ヽ＼＼どニつ′　　　　ごつ', ' | | : : /: ／　ﾚ'　ﾚ′
/ :｜／/二=＼r‐-､ﾊ∨ 　＼｜＼: ＼￣　　　　　　　　　　　　　/　 |/ : /／ }}
: : :.|/ﾆ/二二二二=ﾊ ∨、 ―‐　―＼: ＼　　　　　　　　,〉　　／!|　/: :/／　 }}　　　
: : : |二|二二二ﾆﾆr‐' -ヽ　／｜＼　ﾄ､￣　　　⊂ｰ_ｧ　´　, イ⌒「　レ′＝　 }}　　　　「うぐぅ」
: : : |二|二二二ﾆﾆ|　　 __ﾍヽ　　　　 |　＞ .　　　'　,.　 ≦　　|Ｙﾆ{{ ／ || ＼　 }}
: : : |二|二二二ﾆﾆ｀ｰく＿入＼　　　ﾄ､　　｀ｰ '"　　　　/￣/_={{　　　　　　'/
: : : |二|二二二二二二二|　爪　　　|　＼ /　　　　　　　ﾄ／ニﾆ{{　　　　　　}}

|||||||l'　　　　　||||||,ﾍ|||||||||||||/＝|||||-＝ー‐_'´ ﾍ|ヽ‐--::::――┴―‐|/
||||||l　　　　　 |||||/　|||||||||||/-,,'´|||l''´' ´ ￣＿　 l|||0.|====＝＝ﾍ||||/
|||||l'　　　　　 |||l/　 |||||||||/r '´イ||l=＝r￣`ヽ￣T|||ｒ'　　　　　　　|||/
||||||l　　　　／|l/　　|||||||ハ|l.　　 ||'|　,'　,　○ヽ　ゝ||,　　　　　　　|/
|||||| l　　／,-|l/＝､ |||l／　l||l.　　 |ﾍ　l　ゝ､ﾉ　l /´||||　　　　　　　/　　　　　　　　　　「泣くな！」
||||||　l／',´ 'l/,=ヽヽl／　,,-ゝ|l:　　　ヽヽ_,,,=＝ゝ-' |||'　　　　　　　　　 '´
ヽ|||| ｒ r'´　r'ｔ￣0ヽ||l〆,,, --ゝ|l=､　　￣　____, -‐'´,'　　　　　　　　　 7､
|||T|| ||l.l､　|| l l　ﾍヽ||l'￣　　　ヽ`ー--―',--―´￣／/　　　　　　 |
|||||.` ヾヾ- ヽゝ`'´ノl|l　　　　　　￣￣￣　　／　／　/　/　　　　　　 |
||||||.　　ヾハ　ヽゝ'´,// l　　　　　　　　　　　　／　 /　/　　　　　　 |
|||||||.　　/ヾﾍ_, -'´‐'´ /　　　　　　　　　　　　　　　/　/ |　　　　　 /
＼||||.　/　　T-‐' ´　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　 /　|　　　　　　'
　＼| l'　　　||||ゝ　　　　　　　　　　　_,,,､､
ヽ　　 |l　　　 l|||ハ　　　　　　　　ｔ＝-‐'´
　ヽ||||l　　　　||l　　ゝ
　　ヽ||　　　　 ||　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　／
　　　ヾ　　　　　　　　　　 `　-､　　　　　　　　　　　　　〆　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`　‐､　　　　　　,　‐'´　＼　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`　ー'´　　　　／　／

342 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:54:25.46 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜:.:.:.:.:.:　＼
　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿　＼:.:.:.:.:. : ＼
　　　　　　　　　 ∠_:.:.:.:.:.:.:　　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ,}:.:. 　 :. .　＼
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　　　　　　　　　　 _. - ￣　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : }
　　　　　　_. - ￣.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: :/／＼
　　　　　∠　..:.:.:.:.:._ .-‐ 　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._ .-‐ ":.:.:, へ. : ._.-‐.:.:.:.:.:.:. ..　＼
　　　　　　　＞　.:.:.:.:.:.:.:.:.／:　..:._ .-‐ "::.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.／ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. . .:　＼
　　　　　,／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／_ .-‐ " ／:.::.:.:.:.:.:.／.:.:.:.:.:./　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ゞ:.:.: :＞
　　　／　.:.:.:.:.:.:.:.:.:／...:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:.:.:.:.:.:.:.:.:., ﾍ;:.:.:.:..:.:　ﾍ￣
　 ,／　.:.:.:.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:./:.:.:.:i.:.:.:.:.:.:.;イ:i:i:i:ii.:.:.:.:.:i.:.:.i.:ﾍ　　　　耕作は娘を叱った。
∠ - ' ￣フ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i.:.:.:.:i!!~ヽi:i:i:i:.:.:.:.:i:.:..i:.:.ﾍ
　　　　／:.:.:.,／i:i/;.;.;.;:.:.:.:.:.:.:_, .-‐'_,,.-ｲ.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.i:..:.:.l　　 li:i:i:ii.:.:.:.:i:.:.:i＼:.:＼
　　　 ./:.:.:.,ｨi:i:i:i:i/.:.:._, -,ｨi:i:i:i:i:i:i:i:i:並羽:.:.∧:.:.:.:.:.:.:.∧:.::|　　 li:i:i:ii:.:.:.:.|i:i:.ﾍ　￣
　　　/;.／　ｲi:i:/‐'i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/<凡 |:./ﾐ|:.:.:.:.:.:.:..l 入+===.}i:i:i:ii.:.:.. |i:i:i:.:ﾍ　　　「泣くんじゃないよ。あれが本物のお侍ってもんだ！」
　　／　　　|i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:‐i:i:i:i:i{ ﾄ､_,ｨﾚ彡!:.:.:.:.:.:.:.|_,,,,送二_}i:i:i:ii:i:.:.: |＼i.::.:ﾍ
　　　　　　 /i:i:i:i:i／i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ヽヾ;;（　　 |:.ﾄ.:.:.:.:.:|`ｃ.|i!}Ｙ {}y'^ヽi::.:/ 　　ヽ､ゝ
　　　　 /／∠ --- ､i:i:i:i:／　 : :＼__.　　 V ヽ.:.:.:|::::ﾞヾ'l　人　　レ'
　　　　／　　　　　/〃〃　　　 : : : :',　　　　＼:!.　　し'　 ,>　　　　　そう云いながら耕作も目頭に粒をためていた。
　　　　　　　　　　　r┴┴ ､　　　　　: ::',　　　　　　　　　/￣
　　　　　　　　　　/　　　　＼_ 　　　: : :ヽ　　　　ｰ‐ｧ'　　　　　　やはり杢之助から
　　　　　　　　 /...　　　　　　ヽ､　　: : ,: ＼　　　r'　　　　　　　　死人であることをやめさせるのは、
　　　　　　　＿_/　　　　　　　　　｀＼_:./｀ﾞｰゝ､__,ノ　　　　　　　　　無理そうだった。
　　　　　　　)_ つ､　　　　　　　　　　　　＼＿
　　　　　　　Ｖ～く_＞ｧ､__ 　　　　　　　　　　i|ﾄ､
　　　　　　／i;i;i;i;i;i;i;i;i;｀ｰkrﾐヽ､　　　　　　 iｌ|__）_
　　　　　/i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;iヾミ入　　　　　　ｉｌ|__{;l､)
　　　　 {i;i;i;i;／￣￣￣ヽ￣＼i;i;ヾ＼　　　　 iｌ|__〉l､)

343 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:55:21.61 ID:lfOPhPko

＜島原＞

ざわ……
　　　　　　　　　　　　　　　ざわ……　　　　　　　　　　　　ざわ……
　　　　　　 ∧,,∧　 ∧,,∧　　　　　　　　 ∧,,∧ 　∧,,∧
　　　　∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧　　∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧
　　　(　´・ω)　Ｕ) ( つとﾉ(ω・｀ )(　´・ω)　Ｕ) ( つとﾉ(ω・｀ )　　　ざわ……
　　　｜　Ｕ (　　´・) (・｀　　)　とﾉ｜　Ｕ (　　´・) (・｀　　)　とﾉ
　　　　ｕ-ｕ（l 　　　∧,,∧ 　∧,,∧　ｕ-ｕ（l 　　 ) (∧,,∧ 　∧,,∧
　　　　　　　 `ｕ-∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧`ｕ-∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧
　　　　　　　　　(　´・ω)　Ｕ) ( つとﾉ(ω・｀ )(　´・ω)　Ｕ) ( つとﾉ(ω・｀ )
　　　　　　　　　｜　Ｕ (　　´・) (・｀　　)　とﾉ｜　Ｕ (　　´・) (・｀　　)　とﾉ
　　　　　　　　　　ｕ-ｕ（l 　　 ) (　　　ﾉu-ｕ　　ｕ-ｕ（l 　　 ) (　　　ﾉu-ｕ
　　　　　　　　　　　　　 `ｕ-ｕ'.　`ｕ-u'　　　　　　　　　`ｕ-ｕ'.　`ｕ-u'

344 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:56:47.15 ID:lfOPhPko

ざわ……

ざわ･･･　ざわ・・・
　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　／ノ　　＼　　 u. ＼　！？
　　　　／（●）　（●）　　　＼
　　　 |　　（__人__）　　　u. 　 |　
　　　＼　u.｀ ⌒´ 　　　　　／
　　　　ノ　　　　　　　　　　　＼
　／´　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　.／　　　　＼！？？
　　　　　／　　u　　ノ　　＼
　　　　／　　　　 u （●）　　＼ざわ…ざわ…
　　　　|　　　　　　　　（__人__）|
　　　＼　　　　u　　　.｀ ⌒／
　　　　ノ　　　　　　　　　　　＼
　／´　　　　　　　　　　　　　　ヽ

やる夫が一揆勢に合流したときには、１万をはるかに超えていた。
みてくれはさび槍を担ぎ、すりへらした胴丸を着けた、どうみても浪人といった装いである。
そこら中にやる夫と同じいくさをしたいがために参加した連中と変わりなかった。
犬を一匹連れているからといって、いまさら怪しまれるようなことは無かった。

345 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:57:29.75 ID:lfOPhPko

　　　　＿＿＿_　　　
　　　／　　　　＼　
　／　　＼　　 ,＿＼.
／　　（●）゛（●）＼
|　 ∪　　（__人__）　　 |　　（この中にやらない夫のいっていた頭領がいるはずだお）
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　＼　／＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

しかし、それを探すのは困難を極めた。
島原城を攻撃しているのは、各村の長がそれぞれの村を率いて個々に戦っていたにすぎない。
一揆の中でもばらばらに戦うのではなく、指揮系統を一つにまとめる必要がでてきた。

もと肥後藩主だった小西行長の家臣で、当時まだ天草にいた益田甚兵衛に一子がいた。

346 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 20:58:43.96 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿, -.─.-- ､ __
　　　　　　　　　　　　　　　　 .f:., -ｧ'.:, -‐＝≡二￣
　　　　　　 i´!　　　　　　　 ., -!:l‐.:! /:.:.ｰ-.... _　　｀
　　　　　　 ! .!　　　　　 ,.:.:´:.:.:ヽ:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ､
　　　　　　 ! .l　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　, /` ｰﾉ　!　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:ヽ
　 /〈〈｀ _　 /,r‐ ｧl:.:..:.:.:.:.:.:..:./!:.:.:.:.:i:.:.:..:.:.:.:.ヽ:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:ヽ
　ヽjゝ' /　 " .／ .i:.:.:.:./:/:.:./ l:.:.l:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.i
　　 !　 ! 　_,／　　.!ｲ:.:ﾙ'l:.l:.l l :l:.:ﾄ:.:.:.l:.:.:.:.:..:.:.:.:.:ヽ:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:i
　　ヽ　 .´l.　　　　ヽ! - ､l:.!　.ヽ:!ヽ:.:l　:.:.:ヽ:.:.:.:.:.i:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.i　　歳、１６。
　　　.!　　 l　　　　　 ! __. `　　 "￣ヽ!｀ヽ:.:ヽ:.:.:.:.ﾄ:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:!　　
　　　.!　　 .!　　　　　 l.´｀ヾ　　　 "てﾊミ､. ヽ:.ヽ:.:.lヽ:.:.:.:ヽ:.:.:.!　　益田四郎時貞。
　　　.!　　 .l　　　　 !　　　.:　　 .ヾ =" '　ﾉハ:.:l:.:.ヽ:.:.:.:.l､:.l　　
　　　.!　　　i　　　　　ヽ　 iｰ-　_　　　　　　　.-'　>l:.:.:lヽ､:.ヽ`
　　 .!　　　 .!　　　　　　ヽ. ､　 .ﾉ　　　　　 .i ｰイ:.:ﾊ:.:.!ヾ! `ヾ　　天草四郎の名で広く知られる少年は、
　　　.!　　　　i　　　　　　　ヽ､´_ ,　-‐ ´ 　 ∨ヽl:/　i/
　　　 i　　　 _.L _,r‐‐ ｧ-‐‐ "￣ハ　　_ ..-‐:"::ヽ　　　　　　　　　すでにこのころから旧小西家の者たちによって
　　　 ! 　 '´　 ./: : :/　　　　 ./　/!.／:, -‐- ､::::ヽ
　　　　l　　　　 l: : : l　　　　 .i　/>":／　　　　ヽ:ヽ　　　　　　　意図的に名前を宣伝していた。
　　　　 ` ｰ- -.ヽ: : :!　　　　.,l.〃／!　　　　　　ヽﾄ:ヽ
　　　　　　　　　ヽ､_ヽ＿ ./:j／:/ i　　　　　　　ヽ:ll 　　　　　　　数々の奇跡を演出することによって、
　　　　　　　　　　　　　　 ,K:::_;ノ　 l 、　　　　　＿ヽj
　　　　　　　　　　　　　 ,〈_ノ　　　　　＼　　／: : : : :＼　　　　　　人々は彼を”神の子"と呼ぶようになる。
　　　　　　　　　　　　／:/　　　　　　　 .ヽ/: : : : : :,　- ゝ
　　　　　　　　　　　/::::〃　　　　　　　 .i. ヽ: : : ／　　　ヽ
　　　　　　　　　　/:::://　　　　　　　　 !　ヽ／ヽ、　　　ヽ
　　　　　　　　　./／!:ﾊ　　　　　　　　 !　　　￣l´ヽ、　　 .ヽ
　　　　　　　　 /:::!　ﾘ! ! 　　　　　ﾉ　　　 /　　 >､.　　　ヽ
　　　　　　　　/::/　ヾヽ　　　　　　/　　　　/　／　　　　　ノ
　　　　　　　〃　　/　　　　　　　　i　　　　/　／　　　　　／
　　　　　　　　　　/　　　　　　　　 i　　　 ./／　　　　　／
　　　　　　　　　　【神の子　天草四郎時貞】

347 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:00:14.68 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, -‐‐ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __ ___　　　　　　　 /　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨi´/ ／__ヽ.　　　　」　　 { ﾆ、‐i　　　　　　　　　　　　　　　 _ ＿,_,___,_
　　　　 ,､, -,_　　　　　　　　　　　 |r ､ノ'´ i }- i　　　　 {'ゞ､　｀ﾌ_j｀!　　　　　　　　　　　　 __/'´´.:.:.:.:.:.:.:.:'ｨ
　　　r/:/.://｀>i　　,　--　、　　　　 i!L_ , ‐_ヽVﾊ　　　｀ri ｀i　, --v'　___／',ﾆ､-‐ｧ　　　 /.:.:.:.:.:.::ｬ‐-､ｲ/
　　　|､:{.:.i/, く.:_}ｨ/.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ　　　 {r_ｬ｀'-' 　j'ﾉ　　　　 |ヽ、　￣ﾘ　/´.:.:.:.::｀l ヽゝ　　　 'ｲ.:._.:.:.／ __-,ｲ
　　　|:{｀ー'　 L_:jl:ｨ´ ー '´ヽ! 　　／|、L_,>　 |jゝ‐‐- ､_, ィ､ヽ｀ー_ｧﾍ､'ｧ'.:.:.|.:ﾄ 'ﾍ　｀Yヽ, ヘ　l:〈ﾑ.:|、´=｀ {!
.　　　｀L_,ﾊ∠　i!ﾊ{_　 - ‐jｨi|、　ｲ'　/ﾍ｀二´/.:,ｨ,_,.:.:.:.:.:.｀¨く::｀::￣::::::::ﾉ|.:.l:|/}ﾉ　 _ゝ _|_/::::::::::｀ヽ'=!:!ヽノｧｲ
　　　　ヽ´}_｀　ﾉ|j＾i!｀ﾆｵゝi |j　　 !ｨ |〉:ヾーi´!.:/'/'ﾚ/ﾊヾ｀.:ヽL、￣´::::/.:.{`!'¨ｼ! ﾔ |!＼ヽ､___:::::::::::::｀ヽ'.く,ﾍi!
　　　　　ゝ‐-､ﾚ'::!ヽ、　'‐ '　| _, ィ::¨´:::/:::ﾄ-!::Y//:/ｲ:,'ﾊ.:ﾘ:jﾊ!|､ヽ::::::::::/,.:.｀}､　_z'_ ﾊ_｢-‐_ｪｪ_7ヽ:::::::::::|｀ｿ'!´＼
　　　　,ｨト_､｀ヽ､|:::;{ゝ､´-｀/ﾊ:::::::::_,ｨ´::::::|イ:::i!ｲﾚァﾚ´弌/|:::::!::',::',::::::::7/ノ|ヽ、_r=='‐'´, -‐‐-､｀¨＞_//!:::ﾚ'´｀
.　　　´:〈､ ´|　レ‐ﾍヽ::::￣:ｲ:::|‐::¨::::| ::::::::Vｨ:::::A、　_'_イ.:人::|::/:::_>‐‐i´:::::|ヽ,ｲ_,ゝ、　,'　　　 ',　 ´ｲﾉ:|'´!::::::::
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天草四郎と小西家の浪人たちは、１１月４日天草から海を渡り、南有馬の大江村を経て島原に到着した。

348 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:00:59.49 ID:lfOPhPko

そこでは四郎を盛大なおらしょ（賛美歌）と共に出迎えた。

　　　　 ┏┓　　　　　　　　 ┏┓　　　　　　　　　巛ヽ. 　　　　　　　　　　　　 ┏┓　　　 ┏┳┓
┏━━━┛┃┏┓　　　　 ┏━┛┗━┓　 ┏┓ ＋〒ｰ| 　　┏┓　　 ┏┓┏━━┛┗┓┏┓┃┃┃
┗━┓┏━╋┛┗━┳┳┳╋━┓┏━╋━┛┗┳━|　 |┳━┛┗┳━┛┗╋━┓　 ┏┻┛┗┫┃┃
　　 ┃┃　 ┗┓┏┓┃┃┃┣┓┃┃┏╋┓　＋┻ +/　/┻┓　 ┏┻┓　 ┏┛　 ┃┃┃┏━┓┃┃┃
　　 ┃┃　　 ┃┃┗╋┻┛┃┃┃┃┃┣┛ ∧＿∧/　/ .┏┛┃┃┏┛┃┃┏━┛┃┣╋━┛┣╋┫
　　 ┗/´》〉　 ┗┛　 ┗━━┻┛┗┛┗┻━（´∀｀_/　/　 ┗━┻┛┗━┻┛┗━━┻┛┗巛ヽ┻┻┛
　　＊ |　〒　／⌒ヽ |　〒　　|||　,.へ´＿|_ヽ　 ,-ｒ､,r/」　ｆ　　|||　 ∧ ∧,.へ,　　　〒　!　／⌒ヽ　〒　!
　　　|　 |　（　´∀｀）　 |　　　人l　ｧ'｀･ω･)〉/_ｭﾍ〈|7　　| ＊　　(ﾟ∀ﾟ　`ｧノ　+ 　 | 　| （　个　）　|　 |
　＋　|　 {　　|　　　.| 　 {　　.（＿_）､　　　○〈＿｝ﾉ：　　|　　+　 O 　　／:-一;:､　/　/.　|　　　 | ./　/＊
　　　　ヽ　ヽ　|　　　.|.ヽ　ヽ（＿＿_）　､　〈　　く/ ヽ＿_,」 +　　　）　　　ﾐ;;★:;:;:;ﾐ/　/ 　 |　　　 |/　/
　　　　　ヽ　ヽ,, ´∀｀）ヽ　ヽ ´∀｀）__ﾉヽ__）　/　　,ﾍ　 |　__,, '´￣｀ヽ__ (･ω･´/　/　　（・∀・ /　/
　,.へ ■ヽヽ　　　　ｰ､　ヽ　　　　ｰ､　　　　　/　　/　|.　 | ★(（ﾊヾヽ,.べ, ミ三彡　ｆ　　,-　　　　　ｆ＋
　l　ｧ'＾▽＾) i　　　　 ,rｭ ',　i　　　　 rｭ ',　|||　（　〈　 .|　 .|　ﾊ^ω^*`ｧノｭﾍ　　　　|　 / ｭﾍ　　　　|
　ヽ　　　 ○.|　　　　/{＿〉,.へ∧ ∧{＿〉　　<< ＼　ヽ .|　 .| 　Ｏ☆ﾞ _ノ＿,｝）　　　|　〈＿｝）　　　|
　　|　､　〈　|　　　〈　　　l　ｧ'；・∀・)　　　　　　＼ノ |＿,,|　　ノ´￣ゞ⌒'ｰｧ　　　　! |||　 /　　　　! |||
|||　l__ﾉヽ__）| 　 ,ﾍ.　ヽ　　ヽ　　　 ○ヽ　　＋　　　 |__ﾉ|　　）　　`7ﾞ(´〈｀ー''´　　　　 |　　 /　　,ﾍ　 |　　　ｶﾞﾀﾀﾀﾝ!!!!

たちまち天草四郎は、一揆の頭領になった。

349 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:02:25.97 ID:lfOPhPko

この様子を杢之助は一揆の中で、冷静に観察していた。
場合によっては、四郎を狙撃する腹積もりだったが……

　　　　　　　　､‐- 、 ,. --　_
　　　　　　 ,ゝ￣ `　　′ﾞ,∠.._　　　　　
　　　　　　　／´ " "　" ﾞ　ﾞ　ﾞ .＜｀　　　　（ちがう・・・！
　　　　　　 7 "　"　" " , ﾞ　ﾞ　ﾞ　､＼
.　　　　　　ｉ " " " ﾞ,.ｨ / ＼ﾞ　`　ﾞ＼　　　これは傀儡（かいらい）・・・
.　　　　 | " " ,ｨ/‐ｌ/、　 ,ゞﾄ、ﾞ､ﾞヽl　　
　　　　　 | r=､ l.＝｡==._　,｡==ゞﾞ N　　　　とてもいくさ人と呼べるものじゃない。
.　　　　　 | {にl l　｀￣　 _ ＼´ハＮ　　　　
　　　　 ,l ヾ=lﾉ　　__　‘ ‐　ゝ　　　　　　　断じて、否・・・。
　　　_.／:l "./ ヽ.　∟..二ﾆ7/　　　　　　
‐''"´:/::::::| /　　＼　一 /、　　　　　　　腹もすわってない、
::::::::: !::::::::l′　　　　＼　,ｲ:::::＼　　　　　　鋭いまなざしもない。
::::::::::l::::::::::l 　　　　 /:｀:::ｌ::::::::::::＼　　　
::::::::::|:::::::::::＼　　　 /:::::::::::l::::::::::::::::::＼　　　　もっと他に、軍を動かす輩が
::::::::::|::::::／＼ヽ　　 l::ヘ::::::::l:::::::::::::::::::::ﾊ
::::::::::l／:::::::::::o:ト　.｣::-:::::＼::!::::::::::::::::/::::l　　　四郎の後ろに、いる・・・！
:::::::::::::::::::::::::::::: l`ｰ'l:::::::::::::::::`:::::::::::::/::::::::l　　　それを叩かなければ・・・！）

350 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:03:53.49 ID:lfOPhPko

四郎の後ろに控える面々を観てみる。

　　　　　|.:.:.|.:.:.:.:.|.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:/.:.,|.:.:.|.:.:.:.:.:.:.::.:.:.|.:.:.|､.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.ヽ.:.:.|.:...:.:.:.:.:|
　　　　　|.:.:.|.:.:.:.:.|.:.:.:.:|.:.:.:.:.:/.:./ !.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.| ＼.:.:.:.:|.:.:.:|.:.:.:|.:.:|.:.:.::.:.:.:.i
.　　　　　!.:.:|.:.:.:.:.|.:.:.:.:!,:.:.:.:/|.:.! 　!.:.:.!.:.:.:.:.:.:.:|.:|!.:.:|　_,ゝ‐┼:::.|.:.:.:|.:.|:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　ヽ.:.|;.:.:.:.:|.:.:.:.:.!,:.;,;L|,;|_　＼:＼.:.:.:.:.:|/｀､:ﾋ∠__ヽ:|ヽ:.|.:.:.:|.:|:.:.:.:.:.:.:.|
.　　　　　　i.:|ヽ.:.:.!.:.:.|.:.:!,.:.|';|:iﾗ≧ｭ､'､.:.|ヽ.:.:.|／ｨﾗｲﾗ5'i"ﾐﾂ!'|;.:.:.|/.:.:.:.:.:.:./
.　　　　　　ｿ　',.:.:ヽ.:|.:.:|ヽ|;:ﾗ"{ﾗ5ﾇﾐ｀､|　＼|　 "　!;;~;ﾉノ　i.:!.:.:./.:.:.:.:..:.:/
　　　　　　　　　＼.:ヽ!.:.:!ヽ ~ヽ`､~;ﾉ｀　:::.　　　　　｀￣´　　i∧/.:.:.:.:.:.:.〈
　　　　　　　　　　〉.:.:＼!.:',　　｀￣　　 ::|　　　　　　　 i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i
　　　　　　　　　　i.:.:.:.:.:.:.i:.:.l　　　　　　 ::::|　　　　　　　　　|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　|.:.:.:.:.:.:.:!.:.ヽ　　　　::ヽ.　　　　　　　　i|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　　　　　　　　　i.:.:.:.:.:.:..＼:.i､　　　　　　,._,...　　　　　 /|::|.:.:|.:.:.:.:.:.:|.:.|
　　　　　　　　　　|.:.:.:|.:.:.:.:.:｀'|:＼　　　-‐‐ -‐‐- 　　　 /::|::|.:.:|.:.:.:.:.:.:|.:.|
.　　　　　　　　　　 |.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ､　　｀￣´ 　　 ,／:::::|:i|.:.|:.:.:.:.:.:.:!.:.!
　　　　　　　　　　　!.:.:.|.:.:.:.:.:.|.:.:.|.:.:.:!::＼　　　　　 ,／:::::　 :ﾘ|:.|.:.:.:.:.:.:.:!.:i＼
　　　　　　　　_　　∧ .:|.:.:.:.:.:.|.:.:|:.／|:::::::ヽ､ __ ,／::::::: 　　::::|:i|.:.:.:.:.:./|:.i::::::ヽ＿
　　　 r_ｭ-7´/｀7´:::::＼|､.:.:.:.:.|.:.|´:::::|::::::::::::::::::::::::　　　　　::::|!|.:.:.:.:./::|:.!:::::::::::＼
. ,. -'´ .／／／::::::::::::::::::i.:.:.:.:.∨:::／|::::::::::::::　　　　　　　 :::::::|.:.:.::/::::|:!:::::::::::::

351 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:04:36.06 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　ﾞヾ::::;;;f´ , '　　　　　　　　　 ;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　 {, '　,　　　　　　　　　,;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　 { , '　 _, - ､　　　　　ｲ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　 f　,　'　　　　　　　　 """"'''':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　レ,　'´　　　　　　　　　　　　｀ﾞﾞ`:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r ''' '' ､::
　　　　　　　　　　　　　　　 f"　　 ,;;;;;;;;;;　　　　　　　　　　　　ﾞ::::::::::::::::::::::::::::::::, '´ r::::..　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 f"　 ,,;;;;''"　: . ::..　　　　　　　　　　　ﾞ::::::::::::::::::::::::::f　, '"''''';::...
　　　　　　　　　　　　　　 {　,,;;:'"　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::　i:::..
　　　　　　　　　　　　　　　ヽｪ　{､ ''i!!｀ﾞ;;:　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::::::::::::: i..:::::::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝｬ ,,'ﾞ‐‐'　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::: ゝ:::..... ::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　, '　　　ﾞ､　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::: 　〉::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::::::::::::: , ':::::::::'
　　　　　　　　　　　　　 i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::　..:::::'
　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: . ::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,;;;'': . : . : ::::::::::::::::::::::::ﾞｰ-‐'
　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　､　　　　　　　　　;;;:....:::::;':: . : . : . ::::::::::::::::::::::::ヽ: . : . :
　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　ヽ　　　　　　　　　: : : :;; : . : . : . ::::::::::::::::::::::::::::ヽ: . : :
　　　　　　　　　　　　ゝ　 ..::::,,;-'~::"´ヽ:::..　　　　　　　. : ;;: : . : . : .:::::::::::::::::::::::::::::ヾ. : . :
　　　　　　　　　　　　　　｀￣~;:::::::::::::::.....ゝ:.　　　　　　　. ;;: . : . : . .::::::::::::::::::::::::::::::ヾ . : . :

352 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:04:57.39 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.　,--,- ,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ィ´l / ／／ _＞､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ､l、ヽ l /／　-―＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |]　 _ `丶┴ ' ´ヽﾆｰ､l
　　　　　　　　　　　　　　　　　 l,l ‐ ､ヽ-‐￢__　 j=- ､|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l〉ｧ､_,} f￣　_　トｧ-ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　ｰｸl　ｲて.)`　`lｲY
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ､　 r′　、`　　 ;_ソﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,l !　 `ｰ～ヽ　ィｌ |ミ＼
　　　　　　　　　　　＿r┬―彳:l:.|::ヽ　_ニ _‐､ ,l /　! |:://:.|
　　　　　　　　　,　- ::::::::::|:.:|:.:.:.:.:.ｌ:.:ぃ::,ハ　　　ｰ　,.ィ／//:／二ト､
.　　　　　　　／::::::::::::::::::::|:.:|:.:.:.:__l:.:.:ヽヽヽ`=―=≦三zィ:/:./:.:.:.:.:.:.:.:＞‐ｭ..__
　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::l:.:l￣:.:.:.l:.:.:.:.:ｌ:|:.:l:.:.:.:.:l:/:.:.:.:.:.:.:/.:/:.:.:.:.:.:.／／:::::::::::::｀丶、
　　　　　ヽ- ､_:::::::::::::::::::::::い-_‐ﾆﾆ/￣:.￢‐-:.l」_:.:.:.:.:./::/｀丶､/:./::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　ヽ:.:.:.＼:::::::::::::::::::Ｙ:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ_/:./､:.:.:.:/.:/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
.　　　　　 /‐-＼:.:.＼__:::::::::ﾉ:.:.:.:.:.:.:L:.__:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.｀丶丶':./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　/:::::::::::/＼:.:.:.:ヽ::/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:￣:.:￢:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:.:l::::::::::::::::::::::／￣￣:.:.:.T′

どれも渋顔で白髪を生やしていたが、目の輝いた男たちばかりだった。
誰もが父親の用之助に似ていた。

353 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:05:51.00 ID:lfOPhPko

　　 , ‐'´　＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿`‐､
　∠ -‐'' ／　　　　　ｌ||　　　ｌ||　　　　 l|l　　　　||l　　　 `‐､￣
　　　　, '　　　ｌ||　　　　　　　　　　ｌ|ｌ　 ,　　 l|ｌ　　　　　　ヽ
.　　 /　　　　　　l||　　ｌ||　　　,ｨ　　/l/|　　　　　　 ||ｌ　　　、ヽ
　　 /　　ｌ||　　　　　 ,ｲ　./!　 / |　 /　　| lll ﾄ､　 ||l　　　 |l　 l＼!
.　 ,' ,.イ　　　　l|| 　 / l ll/ l |l/　| ll/　　　ｌ　 | l　　　 ||l 　　 |
　／　| lll　 /|　　　/　| /　| /　 | /　　　　ヽl !.ヽﾄ、　　　　　 || 　
.　　 |　　/ :l　lll　/─|/‐-l/、　l/　　 ,. -─ヽ!ｰ` ヽ　|ll　 |ll　|　　
　　　l ll /　 | r:､ / 　　　　 `　　 '´　　　　　ヽ　 ,r‐､　| 　（みんなひとかどのいくさ人だ）
　　　! ./　　|/| |ll|.＝＝＝=｡==　　　　==｡=＝＝＝ |l|ｌ|'-､ l　!
　　　|/　　　　| | |　｀　ｰ--‐ '　| :　　　ｰ--‐ ' ´ 　 |　!｀ i | ||　　　なんだかうれしくなってきた。
　　　　　　 | | !　　　　　 ::| :　　　　　　　　　　| .|ヽｌ l　!
　　　　　　　／ｌ |l|　　　　　　　:::| :　　　　　　　　　　|ｌｌ!_ﾉ.,'　!＼　　これでやっと本物のいくさができる。　
　　　　　／　　`ｉ| 　　　　 r_::| :　_，　　　　　　 :| |_ノ　,'　　＼
　　　 _, ｲ　　　ヽ　、　　　ｰ'　　　　　　 ,　　　,|,!　ll ,'　　　　ト　
-‐' ´ 　.|　　　　　ヽ　￣￣￣￣￣￣￣￣　　／:|　　/ 　　　 !
　 -‐' ´|　　　　　 |;;ヽ　　　＿＿_　　　　　.／::　:| l /　　　　 :|　　
.　　　 |　　　　　　 |;;;;;;;＼　　￣￣　　　　／:::　　│/　　　　　　 |
　　　 |　　　　　　　 !;;::::::::::＼　　　　　 .／::::　　　 |/　　　　　 :|
. 　　 |　　　　　　 l;:::::::::::::::::＼　　／:::::　　　　 |　　　　　　　 |
　　　 |　　　　　　　 :|:::::::::::::::::::::::`ｰ:'::::::　　　　　　　|　　　　　　 |
.　　 |　　　　　　 |::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　　 |　　　　　　 !
　　 |　　　　　　　 |:::::::::::::　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　|
.　　 |　　　　 _,.. -‐'　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　|　｀` ‐- ､.　　　 |

354 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/29(水) 21:06:09.00 ID:ctNh6b6o

どいつもこいつもいくさ人すぎるｗｗｗｗｗｗ

355 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:07:51.41 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　神代　　　　
諫早　　　　＿＿＿＿＿＿＿　　　　　
　・丶　　／　　　　　　　・　　＼　　　　　　　　　　
　　　＼／　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　有
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　
　＿ゞ´´ヘ　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　
　　　　　　丿　　　　　　　　　　　　・│島原　　　　
　　　　　　＼　　　　　▲　　　　　　│　　　　　　明
　　　　　　　ゝﾍ　　普賢岳　　　　　│　　　　
　　　　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　│　　　　
　　　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　丿　　　　　
　　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　海
　　　　　│　　　　　　　　　・＿ｿ⌒　　　　　　　
　　　　　│　　　　　　┌─┘　日野江　　　　　
　　　　　└ヽ＿＿＿丿　　　　　　　　　　　　　　

佐賀藩では島原領に接する神代に5,600の兵を派遣する。

　　　＼∧＿ﾍ　　　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　,,､,､,,,　/ ＼〇ノゝ∩ ＜　切支丹との合戦、いくぞｺﾞﾙｧ！！　　　　　　　,,､,､,,,
　　　　/三√ ﾟДﾟ)　/　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　,,､,､,,,
　　　　/三/| ﾟＵﾟ|＼　　　　　　,,､,､,,,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,､,､,,,
　,,､,､,,,　Ｕ（:::::::::::）　　,,､,､,,,　　　　　　　　　＼オーーーーーーーッ！！／
　　　　//三/|三|＼　　　　　∧＿∧∧＿∧ ∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧
　　　　　　∪　 ∪　　　　　　（　　　　）　　　（　　　　）　　　（　　　　）　　　）
　,,､,､,,,　　　　　　　,,､,､,,,　　∧＿∧∧＿∧∧＿∧ ∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧
　　　　　　,,､,､,,,　　　　　　（　　　　）　　　（　　　　）　　　（　　　　）　　　（　　　　）

356 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:08:53.67 ID:lfOPhPko

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ●）（●）
.　|　　　　（__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　「やる夫のやつ、まだ生きているよな」
.　 |　　　　　　　 }
.　ヽ　　　　　　 }
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　＼
　　　/　　　く　　＼　　　　　　　＼
　　　|　　　　＼　＼　　　　　　　＼
　　 |　　　　|ヽ、二⌒)､　　　　　　　＼

中野やらない夫は、半ば強引にこの中に紛れ込んでいた。

この軍勢にいれば、島原へ出陣命令があると、すぐに攻め入ることができた。

357 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:09:51.62 ID:lfOPhPko

そこへ突然、奇妙な命令が飛び込んできた。

　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　ノし. u:_ノ｀ ,,＼.　　　　　　　『即刻、諫早まで撤退すべし』
　　　　　　　　/⌒`　（ ◯）（Ｏ):
　　　　　　　　.:| 　　j（　　（__人__）
　　　　　　　　　:|　　＾　　､｀ ⌒´ﾉ:
　　　　　　　　　　|　　u; 　　　ﾞ⌒}:　　　　　「な、なんだと……！？」
　　　　　　　　　　ヽ　　　ﾟ　　" }:
　　　　　　　　　　ヽ　:j　　　ノ:　ｉ |ｉ　|
　　　　　　　　　／⌒　　　ヽ　 | ||　|　　|
　　　　　:: ／￣￣ヽ :: 　　　＼　|| 　　 |i
　　　　:: （｢　　　｀rﾉ ::　　　　　　＼　　　||i　　＼
　　　　　:: ヽ　　　ノ ::　　　　　　　＼　　　　　＼
ガタッ！　　|　　 | r 　　　　｢＼　　＼　　　　　＼
　　　　　　　|　　 | | 　　　　　ﾉ　　＼　　＼＿＿　　　＼
　　　　　ヽ＿ノ　　　　 /||| l　　＼_, 　　　｀ヽ　　＼
　　　　 || ｉ　　/　　　　　　 | ||| |　　　　(＿つ￣と_ノ)　　　＼
　　　　 || ||　 |　　　　　　　 | ||| |　　　　　　　　　　　　　　

すでに一揆勢は島原だけでなく、天草、有馬と戦火を広げているのである。
すぐにでも加勢が必要な状況なのに、軍を後退させるとは。

358 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:11:17.62 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　＿＿ヽｰ-､
　　　　ﾄ､__ー― : : : ￣ : : : : : : : : : : .｀　､ﾄ､
　　ﾄ､| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .＼}
　　 |::ｌ| : /!: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .∨
　　 |:::.∨.:|: : : :ﾄ､ : : .ヽ＼: : : : : : : :∧: : : : : :|
　　　ﾄ::::::::::|: : : :{　＼: : :l　＼: : : : /　ｌ : : ｲ:｜
　　　ヽ :::::| : : : 〉　＼:|　　ヽ : /　　| : :ハ: |
　　　 |::::::| : : /　　　　　　｀′　　'´　　|:j　　この不可解な指令は、
　　　 |::::::| : /ﾄ､}、　　　　 {　　　　,　　　, ｲ }′
　　　！::_|: {　弌≧ｘ..,,_ 　ヽ　　 / 　∠イ /　　　一揆鎮圧の総指揮をとる板倉重昌からでていた。
　　　　 ∨ﾍV　　弋ｔｯﾃ≧ﾒﾐヽV/ﾑィ㌻彡/
　　　　　ヽく＼　　　´￣⌒ ｀＾/'"￣　　 ;′
　　　　　＼_| ヽ　　　　　　　 |　　　　,′
　　　　　　-‐| ｌ　l 　　　　　 |　　　 ´
　　　　　ﾄくヽヽ、　　　　　　　′　　/ﾆ、､
　　　　　| ＼＼　＼　　 ,　ー-‐､　/.::::::::) ）
　　　　　|:::::::| ﾄ＼､＼　　￣　 /|::::／ｲ
　　　　　|:::::::| |　＼ヽｰ.ヽ　　　　 / :|::ｆ l　|
　　　　　|:::::::| |　　 | |::::::..＼_____/.::::|::| |　|
.　　　ﾉ.::::::| |　　 | |::::::::::::::|::::::::::::::ト| |　|
　　-‐':::::::::::::| |　　 | |::::::::::::::|:::::::::::::::: | |　|＼
'´::::::::::::::::::::::ﾉﾉ　　 | |:::::::::::::::::::::::::::::::::| |　|:.:.:.＼
　　　　　　　【幕府上使　板倉重昌】

359 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:13:27.59 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　＿＿＿＿_
　　　　 r'ff77"/////〃〃∠=:､　　　　　ﾌｱﾂｸ
.　　　　ﾚ'''‐-!!!-‐::''":::ﾞ::ヾ:三三l　　　　 lニ　　 l
.　　　　l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:三三!　　　!　ＵＣＫ
　　　　|;:､:ﾆﾆﾆﾆﾆ:::::_;;::､:::::::l三三l　　　　　　　　　ﾕｰ
.　　　 l´＼ﾞll::!:::lLﾆ-‐''￣::::::|三三ﾄ､　　　　　　ヽ／
　　　　}==｡ｧ ::,, ==｡=＝　::::::r;=､ミ|. ＼　　　　　　l　ＯＵ
.　　　　l.`ﾆ! :::::　`ﾆ二´　 :::::rﾆ||:ミ!　　ヽ､._
　_,... -‐1　! :::::_┐ヽ._　　 ::::::-ﾘミ|　　　l
　　　　　l/ﾞ= ---─っヽ　 ::::下ﾐ:ﾐﾐ|　　　|　ぶち殺すぞ………
　　　　　 l　｀￣￣´　　|　.::::::|:: ヾ:ﾐ|　　　|
　　　　　ﾄ､　ﾞﾞﾞﾞ　........_;;:::-‐'::: 　 >|　　　|　　ゴミめら……！
　　 , --､ |　｀ Tヾ￣::::::::　　　／　|.　　 |
　　l;';';';';';}|.　　 |　＼　　　 .／　　 | 　　 |
.　　〉-y'´|　　　_|　　＼／　　　　|_　　 :|
　 /7./　.＞'' ´　|　　　/ ＼　　　 |　`''‐＜
　　　【佐賀藩家老　多久美作守（みまさかのかみ）】

佐賀藩留守役家老の多久美作守は、おもわず本音をつぶやいてしまった。
とはいえ、あくまでも上意である。
美作守としては、命令の出所をはっきりとさせておきたかった。
鍋島家としては、こんな命令を出した時点で切腹ものである。

360 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/29(水) 21:13:32.62 ID:ezgK0OYo

>>355
一瞬1000取り合戦かとオモタｗｗｗｗｗｗ

361 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:15:40.07 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　 _,　-‐--....､
　　　　　　　　　　　／..:::::::::::::::::::::::::::.ヽ
　　　　　　　 / .:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ　　　　　　　　　　　　　　「なんじゃこりゃあ！？」
　　　　　　　　　/..:.:.:.:.::::/:::;i:::::,|:::::l:::::;::::::.ヽ　　　　　　　
　　　　　　　　　 l::::::l::::::/l::/ |::/{::/|::;/l::}:;::;::i
　　　　　　　　　 l/i::l:::N`|ﾒ､_|ﾑ|/.,j／ﾚ|::|::ト!　　　　　　　　事実、佐賀からの知らせをうけとった勝茂は激怒した。
　　　　　　　　　　f＾i:::ｌ　''ZＴｰ　ｨ'Zト.|::|::ﾚ'＾ヽ､
　　　　　,...-',,⌒ゞﾐ､l::|.　　　　　ｌ　　　l::!Y::::::::::::::.ヽ､　　　　　　そして胸中おだやかでない中、　　　　
　　　　/::／..::::::::::::..ヽl_　　　　　〉　 /ｖ':::::::::::ﾉ::_;;:::::j,ト､
　　　/:::::::::::::::::::..`ｰ-､:l､　f＝==r 　,ﾍ:::::;::::::/￣　ﾞ''ﾍｭ_ﾉ　　　　　老中相手に憤懣（ふんまん）を爆発させたのである。
　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::;;_ヾ;:､L＿,,ﾘ／:>:l/:::／
　 ./:::i|:::::::::::::::::::::::::::::::..｀''ヾ､ｰ_-イ, 〉<.|／　_ノ⌒ ｰ - ,,,＿＿　　＿　　これが引き金になって、
　 }:::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ﾞヾ!､!;::|:|,r‐'ﾞ　　　　　　　　　／/ 　ヽ
　「::::ヾ|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ヽf　　　　ヽ　　　　　 l /　　　 l　板倉の運命は決まってしまった。
../::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,-''',ﾆ,-'"　　　　　　＼___　　　　　　　/
/:::::::::::..ヽ;::i:::::::::::::::::::::::::::::::::/ .／　l　　　　　　　　　＼X=-､,,＿_／　　板倉が小倉に上陸したのが１１月２６日。
:::::::::::::::::..ヽl;:::::::::::::::::::::::::::::::|　|　　ﾉ　　　　 ` ､　　　　ヽ ,ﾍ./
:::::::::::::::::::::..ヽ､:::::::::::::::::::::::::::|　l　i´　　　　　　　` ､　　　ﾉヾ|
:::::::::::::::::::::::::::..｀ヽ;::::::::::::::::::::|　|　|　　　　､　　　　　`'rイ　 ,ノ　　　　　この時点では、まだ現地の様子も見ていないのである。
::::::::::::::::::::::::::::::::.::..＼∩:::::::::|　l＼　　　　 `=､.._＿,ノ　￣
:::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::i＼∩:/　 |　ヽ､＿　　　　ﾉ
::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::|　＼:!`ｰ､　,,=''::::｀､'‐-'ﾞ
:::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::l　ｌ　ヽ_;;ｧ'~ヽ;::::::::::.ヽ
　　　　　　　【佐賀藩主　鍋島勝茂】

362 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:16:18.81 ID:lfOPhPko

　　　＼∧＿ﾍ　　　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　,,､,､,,,　/ ＼〇ノゝ∩ ＜　　諫早まで退くぞ　ゴルァ　　　　　　　　　　　　,,､,､,,,
　　　　/三√ ﾟДﾟ)　/　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　,,､,､,,,
　　　　/三/| ﾟＵﾟ|＼　　　　　　,,､,､,,,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,､,､,,,
　,,､,､,,,　Ｕ（:::::::::::）　　,,､,､,,,　　　　　　　　　＼えーーーーーーーッ／
　　　　//三/|三|＼　　　　　∧＿∧∧＿∧ ∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧
　　　　　　∪　 ∪　　　　　　（　　　　）　　　（　　　　）　　　（　　　　）　　　）
　,,､,､,,,　　　　　　　,,､,､,,,　　∧＿∧∧＿∧∧＿∧ ∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧
　　　　　　,,､,､,,,　　　　　　（　　　　）　　　（　　　　）　　　（　　　　）　　　（　　　　）

なにせ久方ぶりの合戦である。
関が原の戦いから３７年、大坂夏の陣から２５年も経っている。
ほとんどの者が初陣で、いくさというものを経験したことがない。
いざという時に遭遇してしまい、準備も対応もちぐはぐなうちに始まってしまったという印象がぬぐえない。

363 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/29(水) 21:16:41.59 ID:JWDYk1go

このタグ美作は原作準拠で実に悪そうでいいなあ。

364 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:17:04.76 ID:lfOPhPko

勝茂からの訴えをうけた老中たちは、将軍家光に報告する。
そして……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ,. ＿＿　　 /　_,. -ｰ　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 .／／　 ,　　　｀`　／-'´￣｀　､　　､丶
　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　　 λ＝- ､_　　　,,. -=ﾆ::ｰｲ　　 l,　 l,
　　　　　　　　　　　　　　　 / .i'　　/:::::::::::::::::::ヽ､,イ:::;-=::､_:::::| 　　|　 l,
　　　　　　　　　　　　　　　/　l　　 |彡 ' ￣｀｀｀`゛´´　　　　゛ﾌ　　　|　　l
　　　　　　　　　　　　　　　|　:|　　 {　　　　　　　　　　　　　 / /　　.|　　{
　　　　　　　　　　　　　　 /／l　i　 'l　　　　　　　　　　　　　ハ　　　|　　＼
　　　　　　　　　　　　　.／　　　l　　ﾊ, - '￣　　　　　￣゛`'7　{,　　ﾋ､　　　＼
　　　　　　　　　　　／　　　　/　　　|　_,. -、　　　　 ,--　､＼ l,　ヽ ` ＼
　　　　　　　　　　　_l　　　　／　　ノ ´　　　　　　　　　＿　人　 | ﾉ　　l　　　　　「ここはひとつ、
　　　　　　　　　／ゝ、 .::/　　　 .ｲ　,,=＝ニ　　　　 'ﾆ＝= 、 | |　ν　 ./　　　　　　あの者の”知恵”を
　　　　　　　　／　　r-‐‐う__,∠´lﾑ_´ 　　　　　;　　　　　　　ｿﾉイ　..／　　　　　　　　かりる必要がありそうですね」
　　　　　　／　　　 |　T／　l　 | | ｛:`i 　　　　　'　　　　　ゝ､ｲ::::;::／l
　　　　　　l　　　　　l　 | _ｲ　l,　|/　l;:人　　　　 ‐_ｰ　　　　／|::://´ /　　　|
　　　　　　|　　..::::::/　´ヽ:::ヽ_ゝﾄ-　|､＼ヽ. _　　　　　 ,. イ|::|::`f_'__, |:.　　　|
　　　　　　ヽ ::::::::::ﾍ　　ヽ､　 `´::　ﾄ-ﾉ:ﾊ:::::::|＞､ r '´ |:::::|::ヽ::::.　　|::　　　|:..
　　　　　　　＞ ‐ ´ﾊ　　　｀i　　　/`ヽ､＿:ノ　　　　|_::::l::::::＼:..　ヽ..:|　　l:::
　　　　,.-‐ ´　　　　 l:　　　　l　　/　　　＼　　　　　　　　`ー‐, ､_ヽ;.　ヽ|　　＼
　　／　　　,　　＿λ:...　　　　人　　　　 `､‐-- ､　　　 ,,...../　　`‐i:: :　＼
　　l　　 ...:／　/´　（(ｿ:::::.　　 /　＼　　　　＼　｀　　´　／　　　ﾉ:::::　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　【徳川幕府３代将軍　徳川家光】

365 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/29(水) 21:17:26.32 ID:WMWuEqwo

やる夫と赤木は一緒に偵察してる、ということ？

366 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:18:19.58 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　/´〉,､　　　　　|￣|rﾍ
　　l､￣￣了〈_ノ<_/（＾ｰヵ　L__」L/　　 ∧　　　　　 /~7 ／）
　　　二ｺ ,|　　　　　r三'_」　　　 r--､　（/ 　 /二~|/_/∠／
　　/＿＿」　　　　　　　　　　　_,,,ﾆｺ〈　〈〉　/￣」　　　　／^ヽ､　／〉
　　'´　　　　　　　　　　　　　（__,,,-ｰ''　　　　~~￣　　ャｰ-､フ /´く／／>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰ-､__,| 　　　''

　　　　　　　　　　 ,′: : }: : : '､
　　　　　　　　　ノ_: : : /: : : : :ヽ
　　　　　　　厂.:..::::::｀７ー＝ミ、}　ザッ！
　　　　　　　 ∟;;;;;;;;／. :.:.:::::::::::｀|
　　　　　　　　　　 {: ..:.:::::::::::::::::ノ
　　　　　　　　　　｀¨¨¨¨¨¨´

367 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:19:03.90 ID:lfOPhPko

　＿＿＿_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　｀丶、　｀　　､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　＼　　　｀丶、　　　　　　　　　　／　　
　　　　　　＼___　＼ﾍ　　　　　　　／　
　　　　　　　/　　ト､　＼}､　　　　　 /{　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　 l　　　}　＼/ ∧ 　　　 /./　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　､　く　 /　　 ' 、　　　|:.{　　　　　　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　ﾄ､＼　｀Y　　　 ∧　　 l |　　　　　　 7 ノ{:::／| r==- ､　　 _ ＞::::::::' .　f≧x ､'　､
　　　 -　、＼}7　､＼　　 ∧　　 l ﾄ､　　　　 /´ﾉ乂,ノl　￣｀　　　 ⌒ ー≦う1 !: : : : : : : :ヾ､
　　　　　ゝﾄ、＼　丶,＼　　 ' ､　 | l: :＼　　 /　　{／:::::|　　　　　　　　／７´:::! l: : : : : : : :: : : :7
　　　　　　 T ＼＼　＼､　　　＼ﾍ'.: : : ｀　　､　＿７´ノ､ ──‐一 ´　／::::::::|｜: : : : : : : : : /
　　　　　 !　　｀丶、ー､ヾ、　　ヽﾍ: : : : : : : : : : -= ≠／＞､ '´__￣{{,.イ:::::::|｜ : : : : : : : :/
　　　　　　､　　　　＼＿＞ゝ､　　　＞ -　､: : : : : : : : / : /､／}/::/rf─ /::::/::! |: : : : : : : :./
　　　　　　　 _＼　　､＿＿　　　｀ー─ --　二二二二ニ/:/1_,/:://::lr-/lⅥ{i/./: : : : : : : /
　　　　　_　/::l　｀ー＜￣￣ }} ───-　　＿＿＿＿__ /:/:)_,/:://::/「l __ノ /./: : : : : : : 「　　ドン！
　　　　ﾉ::f´::ノ　　　　　｀ー - y　　「￣　　　､＿＿＿＿〈:〈:/ /:://::/'ﾉ !　／, ´: : : ＿_ ＜
　　／::「:::/＿　　　「＼　　　 ( 　　 }　　　　　　＿__,. ィ´ 1:l:!/:://::://:::'／ ´ : :, ´ : ￣￣｀丶
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368 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:20:01.86 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　＼::::::::::::ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　＼:::::::::ヽ　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::／　　　　　　　　　　　,
　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:::::::::ヽ　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::／　　　　　　　,　,....イ´::::〉
　＼＼､　　　　　　　　　　　　　　ヽ::::::::ヽ　　　　　　　　　　　 /::::::::::::／　　　　,...ィイ´ll､_::::＜´
　　　＼::｀lへ,,‐-,､_　　　　　　ヾ::::::::l　　　　　　　　,､　　　 /::::::::::／　 , -‐´´　 ll　| /l　｀＞'
　　　／ノll　ll　ll　　｀`‐-､　　　　　　ヾ::::::l　,､　　,へ　　ll＼　 /::::::::／, -´　　　 , -┴ ┴'
　　　`´　└┴┴､＿　　　｀`‐-､　　　ヾ:::V::ll ／´T｀＼ll:::::::〉/:::::／´´　_, -‐ ´
　　　　　　　　　　　　￣｀`‐-､_ ｀`‐-､ヾ::::::::ゝ＼ l　 //::::／::::／ _, -‐´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`‐､　ヾ::::::､:ヾ⊂ノノ:／:::／´‐´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀` ＼::＼::........:::::::イ ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l｀｀┐ィ ´´ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　lll　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 lll　　 l　　　　「わが名は松平伊豆守！！」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　 lll　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　lll　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　川　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ノﾍヽ　へ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ // ヽヽ |　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ -┤//　ヽl l　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　,　-‐　´　　　 |l l　∩　ll |　　　　　　ヽ､
　　　　　　　　　　　,　-　´　　　　　　 l ll　 l.|　ll |　　　　　　　　　ヽ､
　　　　　　_　-‐ ´　　　　　　　　　　 l ll　 l|　ll |　　　　　　　　　　　　ヽ､
,　　-‐　´　　　　　　　　　　　　　　 l ll　 |　ll |　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l ll　l　ll |　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､

369 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:21:43.23 ID:lfOPhPko

　／／: : : :/　/　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`､.　　　　　| ＼
　|' : : : : : /　/　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.／:.／ :.:.:.:／:./:i:.:.:l:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:.:.ヽ　　　　|　r､＼
　|: : : : : /　/ 　　　/:/:.:.:.:.:.:./:.:.:./:.: / :.:.:.／:.:／ :.:l:.:.:!:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:l:.:.:.:',　　　　l　|: :ヽ
　|: : : : : |　l　　　　.':./:.:.:.:.:.:./:.:.:./:.: / :.:／:.:／: .:.:.:.:l:.:.ﾊ:.{ :.:.:.:l:.:.:.:l:.:.:.:.'.　　　 .}　!: : :
　|: : : : : l　l　　　 l:.:l:.:.l:.:.:.:.:l :.:./:. :/ .:.//:.:/:.: .:.:.:.:./:/　|:| :.:.:.:.l:.:.:.|:l:.:.:.:!　　　 |　|: : :
　l: : : : : l　l　　　　|:.:l:.:.l:.:.:.:.:| :/: .:/7:.//:./:.　:.:.:.:.:/:/　_.l:l:. .:.:.:.}:.:.:l.l:.:ﾄ.:|　　　|　|: : :　　「すべてを破壊し、
　|: : : : : |　l　　　　|:.|.l:.l:.:.:.:.:l:/:.:∠/://:./:.　:.:.:.:.:/:/／_=l:lヽ :/:.:./:.l:.| l:l　　　│ |: : :
　',: : : : : |　l　　　　},|:|:.|:.:rl:.:|:.:仆z､/_7/: .:.:.:.:.／ｲ彡'ｩ=弋７,':.:./:.:.:l:.| }!　＿_ |　|: : :　　すべてをつくりあげるものなり！」
　 '、: : : :.l　l￣￣ノ｀l:l:.ﾄ,:l l:.:l:.ﾄ戈沙ﾄｫ: .:.:.:／／/ノ､::::::ノ_ｲ:.:./}:.:.,'}ﾉﾘ‐´　　l　l: : :
　　∨: : : l　l 　　　　|!':l ヽヽ:l:l｀¨/￣i| }:.／ ', 　/　￣￣ /:.:.//:.// 　　　　　}　}: : :
　　 ∨: : : l　!　　　　　ヽ　ヽ:ﾄヽ､　　ノ´　　l　　　　　　 /:.:/-':ノ　　　　 / /: : :
　　　∨: : :ヽヽ　　　　　　　}:.:.lヽ　　　　　　i}　　　　　 /／:.i:.:'　　　　　 / /: : : :/
　　　　ヽ: : : :ヽヽ　　　　ﾉｲﾊ:.:.＼丶＿＿＿_,ノ／イ:./ﾘ:{　　　　　 / /: : : :/　　　　”知恵伊豆”と尊ばれた
　　　　　ヽ: : : : ヽヽ　　　　　/　|:ﾄ,:.:l｀､｀ﾆニﾆ '　／|:.:|/ 　｀　　　　 / /: : : :./　　　　　松平伊豆守が指揮をとることになった。
　　　　　　ヽ: : : : ヽヽ　　　　　仆（｀‐､_＞､　　, イ-‐´}¨〕_　　　　／／: : : :/
　　　　　＼: : : :＼＼＿/｀‐lヽ　＼_r-､‐｀´二-､／　 / >-､＿／／: : : :／
　／￣｀ー─-､＞: : : :＼＼l　　{　＼／　/｀￢　　ヽ.／ /　ﾊ／／ : : : ∠＿＿＿
/: : : : : : : : : : : : : :｀丶、: ＼＼　ヽ /　　/　　　 l　l 　 ',　/ ./／／ : : : ／: : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.､: :＼＼./　　 l　　　 !　| 　 ∨ -´イ: : : : ／: : : : : : : : : :
: : : : : : :|＼: : : : : : : : : : : : ＼: :＼＼　　!　　　　　 |　　／／: : : : ／: : : : : : : : : : : :
: : : : : : :| ﾄ､｀ー──- ､＿＿.＞: :＼＼　（__）　 , -‐´イ: : : : :イ: : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【老中　松平信綱】

370 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:22:36.92 ID:lfOPhPko

　─┐∥─┐∥─┐∥─┐∥─┐∥　─┐∥─┐∥─┐∥─┐∥─┐∥
　─┘　 ─┘　 ─┘　 ─┘　 ─┘　　 ─┘　 ─┘　 ─┘　 ─┘　 ─┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　) ､　　　 )ヽ　　　　　　（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ) （　（　　）ヽ　；　・　）　;　'
　　　　　　　　　　(　　　　　　 )　` 　（ (　）　）（（　　　）ヽ ( ､　　）ヽ　　；
　　　;　:　,　)　　　)　　)ヽ（ ( :（　　）　　　ヽ､）　）　（　（　））; （　（　（､　:
　　；　・　）ヽ　 (丶　　)ヽ　（　（）　　（　;;　　;､:　　;　;）__）　）　（____）　）　））　；
　　)`､　（　（　 .）　）ノ　 |　:　)　＿,,,-､__　　;;　.､　　　　　（／（＿）ヽ　）ヽ ;;
　 (　（__ノ　　`-'　　　　　 `-'　:~～--～~--、_;; ::　　､.､.　） (　（　　）ヽ
ヽ_,)　　　　　＿,,;::- ‐' ～~ ~ 　__,_　　　　　　　　`‐-､__　　（_（_）　）（　（
　　　;; ; ;,／~　　　　　 _,,...-　　　　　　　　　　　　　　　 ~～、_　; ;　ヽ_）　）

一方の一揆勢である。
島原城を多数で囲み、さらに天草諸島の富岡城もせめはじめ、各地の代官所をおそう。
一揆勢が集めた兵糧は、米５,000石。火縄銃500挺。銃弾７箱。火薬２５箱。
しかし、勢いに任せてすすめていたいくさが停滞してしまう。

371 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:25:00.42 ID:lfOPhPko

まず島原城が１ヶ月も囲んでいるのに落とせない。
場内には1,200ほどの兵しかいないが、よく戦っていた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　"'''‐- ,.　　　　　　　　　＼
　　　　　''''''--　,,,,,,___　　　　　　　　　,.-､,.r‐､'''‐- ,.　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　''''''--　,,,,,,___ i　　r‐-､!　　　"'''‐- ,.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |'~ｐ|､０| ヽ___　　　　　"'''
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.r"⌒　　　　 ~ヽ　''''''--
　＿＿＿＿＿＿＿_＿＿＿＿　|　　　　　|-‐'"￣i!　　　　　ででででっていう！
　　　　　　　　　　　　　　　　　(~`ヽ､＿＿(~`ヽ､ノ￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　,-┴-.､＼　＼　　　 ___,,,,,, ―
　　　　　　　　　　　　　　　　　　r^-､r^-､ :i,,ィ`ヽ　`l､　　　　　,,,..,／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　　!　　|! ,ﾉヽ　　　 ||:`ー'/'"_,./
　　　　　　　　　　　　　　,,, ―　`ヾ, `ヾ, |!　l-^ヽ､,,,＿,,ヾ､ノ‐'" ﾉ
　　　　　　　___,,,,,, ― '''　　　　　　Ｌ_,.Ｌ_,.ノ　　　　　　　　／
　　,,,,, ―'''' 　　　　　　　　　　　　　　　`ー-､...＿＿,,,..-‐'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, - '"　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　 , - '"　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　, - '"　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　, - '"　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　, - '"　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　.ﾉし~|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 <　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　_（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_/　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ._　　　._／　　　.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . <（_ ‐~　　　　　.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿___　　.／　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　＿.-‐"~　　　"ー´　　　　　･江戸 |
　　　　　　　　　　　_ /___　,,__....._,...,_　　._　　　　　(~）.／
　　　　　　　　 <" ~ し、_.ノヽ- ＼ ]　（｀‐‐-´~U⌒.|,/
　　　　　　島原ヽ・　　く ~|._.-‐.ｖ´|　／
　　　　　　　　　 / 　　/　　　　　　 ~
　　　　　　　　　ヽ∩/~
　　　　　　　　　　　´
さらに、一揆の知らせを江戸で聞いた城主松倉が、江戸から島原まで３３０里（１５００ｋｍ）を
１５日間という驚異的な速さで島原城へともどる。
これにより、場内の士気も高まってしまった。

372 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:26:13.40 ID:lfOPhPko

　 iﾐ三!　 -ヽ、　　　 /　|hヽ　 !ヽ |　　 /ﾑ<´￣＞- ､　　　lハi|　 .　ト、　　　／　､
　i´ヾ !　 ._＿ `-;--r;:='､.　lｲ　i　ヽ i !　／　　｀ヾ'´　　　＼　　ヾi、 !　l バ┬t-イ､ﾄ､､　ﾞ､　　 /
　l /)ﾞi　　 i´　)　!　 i!､.ノ　 i|　 l.　 | ,j/　　　　　　　　　｀ヽ.＿ヾ､ﾞ:､N,ﾞﾖi_ﾄ､i､ | >i;:ﾆﾐ､ﾄ.　/
　ヾ:（ l　　｀ﾞ´　:i　 |l　　　ﾘ　l |　 /　　　　 /、∧　　　　　ヾ''''７ﾞYN ヾ-'`　ﾞl　''ﾞ(._)ﾞヽ!l /
　 iヽ､ヽ　　　ｒ_:_.. ;.)　　 /　 | |. / 　　　　トv'-‐i　l　､　　　 l　ﾚ' 　 l.　　 /　　　　　　//　　 /　　　「幕府の上使が九州の小倉に着いたそうです」
＼ヽﾞ､　!　　　　　　　　 |　 /l /　　　　　l　 | 　　 |　|　ﾞ､　　 |､l　　ﾞ:、　 _ _　　　　 ,ｲ!/ 　 /r
　ヾ＼　　　 -─一'　　ﾉ /　H1　　 l　/∧. |　　　 | ∧r､!､ i　ﾘ《　//／＼　ﾞ三ｰ　　 ,ｲ/ 　 //_i..　「作戦を変更せねばなるまい」
、　　｀ヽ＼　　 ‐''''"''　;'//　// l、 |　l /i:!-ヾi､　　 ,.l/‐ﾍ.l!ヽ.l l/　Ｖ/ﾉ=　　ﾞi:､　　／/　　/'／
;＼　　 | i　丶､..　--‐'　V..ノ'　　ﾍ､i ﾊ!,ｒ'7'ヾﾞ　　　 "'７ヾヽ iﾚi'|　　＼　　　） `''' ´ //　/''Y
　　｀丶-''ー──　 ''"´ノ'"　／　　iヾ| 　ゝ '　　　　ﾞｰ' 　 ! i |　　＼＼　 ii ｀ヽ　 !　,べ'7　　＿
　　　　 i｀ー──　'"／ _／　　　　ﾞ､!i　　　　　 i　　　　　　,リi/　　　ヽ　V　　　 l /　　 !　／
　　　　ヽ、＿＿__,..-i 　 | 　　　　 | i、　　　　　　　　　　/ fﾘ　　　　　|　 .|　　　　i!　　　＼j´
　　　　　　　　　　　　l　　l.　　　　 |　!:､　　 rー-,　　 _/f/1　　　　 | 　 !　　　　l!　　　　 l
　　　　　　　　　　　 l 　 l　　　　 ,.-|　H !r､　 `三=＝ﾗ!"´| ト､.　　　 l 　 l　　 ,.　､!　　　　ヽ
　　　　　　　　 ‐-､!　＼　　 i:　 |　|y''|　＼　　／ l＼.| |　||　　ノ　 /｀Tヽ　ヾ、　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　〉　　　 |:　 l. ﾚ　l　　　￣　　　|　 ! l､_ﾘ　　　 ,. ｒ'i>l　　　　　｀ ─‐ '"

373 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:27:29.06 ID:lfOPhPko

すぐに軍議をひらき、今後の展望をきめる。

　　　　　　　　　　　　　ヽー'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_,. -─￢宀¨¨¨￢‐-- L
　　　　　　　　　　ト-'::::::::::::::::::::::::::::::::::,. -- ､,.-ｰ¨　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　＿フ:::::::::::::::::::::::::::::／　　＿_,. -― ¨¨￣￣ |　　　 ({　　　　　i　　　　　　　「島原、富岡がおとせず、
fr-... ＿　　　　ト､:::::::::::::::::_,. -― レ'´￣　　　　　　　　　　 ! 　　　　　　 |
||:::「:r-〒＝==-､≧__,.-‐' _＿　　 K　　　　　　,. ----､　　　 '.　　　　　　　　 ├ ､　　　　　　幕府も顔を出してきたとなると、
ｊ=┴i!:::::|:::i|::::::::::::i!::::::「７´　　ヽ　＼＼＿＿／￣￣＼＼　　　＼　　　　({　 /-'├､＿
二ﾆ'ニ/ﾆ/====┴=:j　 !　　　 '.　　＼＜＞‐=_托_ｪk､＼ヽ、　　ヽ＿＿_ /ーイ　ヽ　ヽ--､　　隣接する各藩から
　　｀|「 |「￣￣二T≦ニ←.､　　 '.　　　ヽヽ --‐￣　　_ノ　ヽﾆ_ ､＿＿,. ｲ　　∧　　 | 　 i 　 i
　　 ||　i|　　｀＞:::::::::::::::::::::::i　　ヽ　　　|　i　　　　　　　　　　「「「￣￣ヽ￣^　!こ｀/_　/　 /　　援軍が馳せ参ずることは
　　 ||　||　　彳::::::::::::::::::::::::::::i　　　　＼_」　ト、　　　＿,ｲ_,.-､　 _ｿ |ト､　　＼￣`ーﾍ_ /_ﾌ/ｲ
　　　||. || 　彡ﾍ::::::::::::::::::::::::::::ﾄ､　　　／,ｲ　 ! _／::::::::::::::￣￣〈　/ﾊ i}　　　｀ヽ　　／￣　 |　　まちがいない」
　　　|| ||　　　／ﾍ:::::::::::::::::::::::::| ⅥTー＜_ﾘ　 /:::::::::::_,._=ﾆ斥ヾ::ﾍﾚ1|!〈　　　　　　i　|　　　　 |
　　　|| ||　　（（＿_＞＜７ハ∧!　V/::::::::::::`ー'::::::::ｨ'´ ,.二二ﾆﾘ::ﾄ- '|| ||i　　　　　　| | 　　　 |
　　　i| ||　　　≧≦￣７　　　　| 　ﾄﾍ:::::::::::::::::::::::::::`ヾﾄﾍ'`^'`´:::〈　 || ||ﾄ、　　　　 !|　　　　　!
　　　|! i|　　/:.:.:.:ヽ`‐-　_　　　 !　 | ｀^ヽﾄ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ　 || ||　＼　　　ノヽ　　 /、
　　　 |!||　/:.:.:.:.:.:.:.:.:`:.:....､￣　‐- __!　　　　｀^ヽﾊ_:::::::::::::::::::::::ノﾚ'　.|| ||　　〃ヽ　　ヽ. !　　 _j::::｀ヽ
　　　 iⅣ´￣ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:.....､　￣` ､　　　　　７'`ｰ＜'´　　　 || ||　　 |::::::`ー--‐'´￣::::::::::::::|
　　／__ｊ`ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ、　￣￣/ヽ/　　　/|　　　 ||　||　　 |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|

　　　＿＿
　　/　))))))）
..∥ﾐﾉ　0U0　　　
　ﾘﾞヾ i ーil　　　　「守りの堅い要衝を拠点に、”ぜうす”の子らを一つにまとめて篭城しよう」
　/　|ヽ-| |-|）
　しﾉ＿_| .|__|ｊ
　　 |＿_|＿|
　　（＿_）＿）

374 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:28:19.15 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　　j　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　ﾊ
、　　　　　　ー―--　　　`ヽヽ　　　　　　　　　　　　　　　,.　 !　/　　 /
. Yー､　　　　　＿二ニ-､　　　＼　　　　　　　　_　　｀￣　　 V /　 /
'´ ヽ　￣￣￣｀ヽ　　　　ヽ　　　ヾ　　 }　　　　　￣`ー―'´　 V／,ｲ
＼　　`ー-――　￣＞‐､＿　 ┌'　　/　　　￣￣｀　､　／　！ /
　 >一'´￣`ー､-　 /⌒ヽ＼ニノ　　　　 _　　　　　　　|　 i _,. -ﾉノ
　ヽ＿＿＿_　　＼〈　 /´ヽ !-f　　　　　　｀テ=ニニヽﾘ　ﾉ≦V/
　　　　　ヽ＿＿　　ヽヽ　く　ミ!　　ー＝-`ーこf少〉ヽ⌒ゞｨ久′　　　「候補は？」
　　　　　　＞―`ー‐不｀こ´ヾ i　　　二ﾆ-へ _¨´ /　　　 !`　！
　　　　　/:::::::::::::::／:::::| ヽ-１　＼　　　 '　　　　 ,　　　ヽ　/
　　＿_/::::::::::::::::|:::::::::::|　　 |　　　ト､　　　　　　入_rっ _,.イ /
￣:::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::i!　　!　　　 |　　　　　／　　　　　　 Vヽ.＿＿＿
:::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::i! 　＼　！　　 /　＿＿＿,. -‐r':::::::::::::::::::::::￣｀ヽヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::ﾄ､! 　 `ヽ　 !　〈 -'´　　,. -― ,.ｲ::::|:::::::::::::::::::::,. -､:|:::::＼
:::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::|　ヽ　ヽ. ＼`　ヽ　､_ 〃´- ､ﾊ::::::!::::::/^ｰ＜　 ,. へ::::::::＼
:::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::| 　｀ヽ丶　｀ｰ､,. -‐　' 小ヽ Y:V::!:::/　　 ,.-∠＿__ ＼:::::::ヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::|　　　＼　　 ! ノﾉ　,　　jﾉｿ:::V／、　 /　　＿／⌒ヽ>:::::|
:::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::|　　　　　＼　冫＜＿,イ´::::／ヽノ_／'　／/⌒ヽ. _　`ヽ::|
:::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::|　　　　 /⌒⌒ヽ　　 |:／　／／> ／／　＿,. -―=く::!
:::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::|　　　　|: : : : : : :|　／　　／　 `ー' ｀j　　／　　　　　ヽ＼

375 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:29:07.82 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ゝ´ く.:.:.:.:.＼::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::｀ヽ
　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〃ヾー､ ~.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ、::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:ヽ、
　　　　　　 /.:.:.,.,､.:.:.,､|｀´'　|ヽヽ,゛.:.:.:.:.:.｀ヽ､::.::.::.i::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.i
　　　　 /:/／ヽ〃､| ,.､i^´.:.:.､.:.:.＼::.::.::.::.::ヽ::.::i::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.!
　　　　　/:/:i　　　 i!' |´.:.:.:.:.:＼.:＼.:.:.＼::.::.::.::.ヽ::|::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.ﾉ
　　　　 |:.i|.:|´|ﾊ/~.:.|:.!:.:.:ヽ、.:.!＼.:.＞く｀ヽ、::.::.｀|::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:ヽ、　　「もう済んでるわ」
　　　　 i:i |.:.:.:.:.:.:.:.:.::!:.!:.!.:.:.:＼ヽ／ｲｨﾏ了" ＼::.:|.:.:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::`､
　　　　　ヽ i.:.:.:|.:.:.:.::.ヽヽ＼.:.ヽ`､く/代ジ゛　 /:ヽ|.:.:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.i､:i
　　　　　　ヽ.:.:i.:.ヽ:＼＼ヽ＼.:＼　゛　　　 i.:./.:.:.:.::.:.:.::.::.::.::.::.::.::.::.::i､:i ）
　　　　　　ヽ.ヽ.:.:＼:ヽ:.ヽ:Vﾊ｀＼　　　|://i〃:::.::.::.::.::.::.::.i::.:/:jﾉ ´
　　　　　　　　ヽ/ヽ.:| ＼ヽ.:.:jソ:::: 　　　　|i::ヽ/.:.:.:.::.::.::.::.::.:/::/|´ ＿＿_
　　　　　　　　ﾉ　＼　ヽ}ヽ、　　　　　　 /.:.:.:.:.:.:.:.::.::.::.::.::./|:/　'´:::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　! ,ノ",,,.ｧ-　 i.:.:/.:.:.:.:.::.:.::.:./:/:'´::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ｀r'´,ノﾌ　 |.:.i|.:.:.:.:::.:.::.:/:/:::::::::::::::::::::::::::::!
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　【旧小西家武将　森宗意軒】

376 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:30:39.65 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　神代　　　　
諫早　　　　＿＿＿＿＿＿＿　　　　　
・丶　　　／　　　　　　　・　　＼　　　　
　　　＼／　　　　　　　　　　　　　＼　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　
　＿ゞ´´ヘ　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　
　　　　　　丿　　　　　　　　　　　　　・│島原　　　　
　　　　　　＼　　　　　▲　　　　　　　│　　　　
　　　　　　　ゝﾍ　　普賢岳　　　　　　│　　　　
　　　　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　│　　　　
　　　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　丿　　　　　
　　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　
　　　　　│　　　　　　　　　・＿ｿ⌒　　　　　　　
　　　　　│　　　　　　┌─┘　日野江　　　　　
　　　　　└ヽ＿＿＿丿　　　　　

「島原半島の南端に、昔、日野江城と呼んでいた廃城がある」
「北は雲仙普賢岳、東と南は海に囲まれ、城にいたるには北東と南西からしか入れないという要害だ」

377 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/29(水) 21:31:13.31 ID:JWDYk1go

ああ、この人が指をちぎって魔界転生をするのか。

378 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:31:14.47 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､Х＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/.:::.:.::〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉へ::.:/ﾇ/〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /'个ｙ´￣Lﾑ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.'.;|　[]　. :::.ヒ!
　　　　　　　　　　　　　　　　__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |;'.:.|　. : : : :ﾛ.::|
　　　　　　　　　　　　 /:/＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.:::;|.: :.: :.:.::.:.::.:|
　　　　　　　　 ┌个┐| |　.:_|＿＿＿.　　　　　　 /⌒)　　　　　 |_.' |.::.:..:.[]::.:.::.:|
　　　　　　　　　 | .:|...:|/:/...:.:|..: : : : : :.:｀L..r─┬i　　 | T/⌒)　　　　 .//| |.: :.: :.:.:.:.:..::|
＼　　　　　　　 | └┴┬i::::|==========|: : ://__.　|`７'..:/´　　 rr┴' | |.:.::.[]:.:: : : :|
:::...>、　　　　　 |[]..::[]. 〈〈::::|::::::[]::::.:.:[]..r､]: :.[_[;;::::.. |/...::::)::７　─]:]:.: : | | :.:: ::..::.::.:::.|. ┌::､　　 /〉
‐く.:〈　　　　　,、　 |. : : : :.: :＼:|:::::::::::::::::::::/. : : : : :〉〉:: /＾7＜:〈　.:::::// : : :| | : :.::.::.:::..::.:|-┘:::L、r‐//┐　,、
.: ::L└i 　 _　.||＿　| : : : : : :、〉〉/〉::::::;;:::〈 : : : : : ｀｀／...::|::::|/|＼ ..::｀刀.:.::|_|ﾄ､:.;:..::..::.::_|:::/Tl::::;二/ﾑ、|　 ||　＿r─
::.: :└i:|　//＼| ::::ﾄ､＿_ : : :||＿'//､п∥::.:l| : : : : ／／ト､У〕:|:....;＞.|::|..::./rへ/ﾚYL;/:>┘/ﾄ┘.//::::.｀L「|-┘/:::ﾄyｨ
工エ::「 /〈. ::〈|-､_/::::::..＼r':.|.::[,/T>.:/ﾛ〃乢.: :／／.:::::;＞|::::l/ﾍ｢　 └─匚|＿_| :| |:L:冂_| :|┐ .::::::ｉr==| |.:::.｢.:[]:}iｌ|{´
: :∠7ﾍlｺ:::|:.:..|-i_::_r√ソ＼>へ:| :|:ln| :]:|:П叮￣＼∧l＼|工]　　　　　　　　　｡ｌ;_|_|ー|＿＿!｣====ｌ|＿<>‐┴─|i|l|
: :|ｪ| .:::::|:.:.|:::..|::::.|＼.::::》: :::L;:.::r| .L/∟ﾛ⊥!┘　　[ニニニ|ﾆ]　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾙﾍ:
: :|ｪl:∩ ﾄi:.|::::.l＼|_;;||;;:|L:<)┴‐'''"~　　　　　　　　 | . : :.:.:.|　　　.
: :|ｪ|_|::|/＜＞｡　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　.: : .:.|　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　　.
: :ﾚ|[:::《　　　'　　　　　、　　　　　　　　　　　　　 | . : :.:.:.|　　　　　　　'　　　　　　　　　　　　　　　.
_〈l〈V＼|コ　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,‐|　.: : .:.| 7!＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　、
:ﾄ|ｪ|:|;;ﾚ'　rｭ　　　　　　´　　　　　 '　　　　 /　/　ﾞ'ｰ-‐''´//　 /|　　　　　　　　　　、
: :|ｪﾚ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　lニﾆﾆﾆﾆﾆl/　 //
／　　　　　　　'　　、　　　　　 `　　　　　 lニニニニニﾆﾆﾆﾆl/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`　　　　

「一国一城令で城郭は破却されたが、石垣はまだつかえる」

「ここに天守閣、二の丸、三の丸を築き、埋め立てた堀をほり返して公儀を迎え撃つ！」

かくして、一揆勢は全軍、原城と呼ばれることになる城跡に集結することになった。

379 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:33:11.23 ID:lfOPhPko

そのころ、杢之助はある催しを見物していた。
三会村の金作という猟師が、自分の鉄砲技量を披露するとのこと。

　:::｀ヽ、 i:::;/::/::/::.::.::.::.::.｀i、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:＼
　:::::::....｀ヾ、く／::.::.::.::.::.::.::j::vﾍヽ,　　　　　　　　　　　　　　　　　 i,､.:.:.:.:.:.:.,. - ､.:.:.:.:.i::::ヽ
　:::::::::::::::......｀ヽヽ、::.::.::.:／::ﾉ:::i:j::i　　　　　　　　　　　　　　　 / ｀￣￣　　　｀'i.:.:j::::::::i
　::::::::::::::::::::::::::....｀ヾー --ｨ､::ノ::/::`i 、　　　　　　　　　　　　　 j 、　　　　__　/ j.:/:::::::::|
　:::::::::::::::::::::::::::::::::::.....＼/:/::/:,へ:ノ::.:ji:<´i:i　　　　　　　　　 {‐､｀i 　, -'´,　∨.:':::__::::::!　　「ここから一町先に、木綿針をつるしておいた。
　::::::::::::,...、:::::::::::::::::::::::/::::}/:/:O::.:｀' <::ﾉ:ﾉﾉｬ‐､　　　　　　 jf1`{ k ,. -'==´j｀､:/<i:::/　　　今から撃ち落すから見ておけ」
　:::::::::::'､-'｀ー、:::::::/:::::::ヽ'＾ヽ､::.::.::::/yくノ::.:ﾉi　　　　　　　　 i ｀~j　'「!:::::::::ﾉ´　|jj＾j:/
　､:::::::: _｀_ー、" ｀ヽ、:::::::::::::::::::::::｀'::/:/__ ヽ- ´ 　　　　　　 i,　i　 '!、｀'´　　/ ﾉノ'- ､
　｀￣´　　　｀　　　ヽ、:::::::::::::::::::::::｀'::::::::｀i ､　　　　　　　　| ._｀ '´｀　　,ノ　|__j,. '´i
　ヾ -､ヾ＿　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ｀ヽ、　　　　　　,ｨヽ｀二''‐ 　 '　,. '´ 　　__jヽ、
　　ヾ -=＿｀　　　　　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ｀ヽ、　,....r'7　 !、　｀　_,／´　　 ,.ィ´　　 i
　　　｀ー､_￣　　　　　　　＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ｀Y:::r'/　__j ｀iT７´　　　,.ｨ'´　{　＿　＼
　　　　　　　｀ー-ｬ‐　　　　｀ヽ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｿ|　|i　 /_|_|´｀i　 /,.-‐'´￣
　　　　　　　　　　（＼　　　　　｀ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::/:/. |　ヽ /::::| - |.ヽ/´
　　　　　　　　　　（￣＼　　　　　　　＼＿::::::::::::::::/:/ヽ　　//::::::i＿ } / 　　　＿__
　　　　　　　　　（￣「ヽ、　　　ヽ、　　｀ヽ `､::::::::/:ﾉ´　ヽ　/:::／　　￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　｀j￣´ヽヽ　　　ヽヽ　　　｀〈,‐ ､／゛｀'<´ ￣_｀ヽ､＿
　　　　　　　　　　　｀ー‐'´ヽヽ　　　＼　　　　ヽ, ＼ヽ　ヽ　ヽ＼　　￣｀ー‐‐

380 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:33:41.49 ID:lfOPhPko

　 |:: :|: .::| .:|:. l:|　　　　　　　　　　　│
　 |::.,: :r.:| ::|:. l:|　　　　　　　　　　　│
　 |: |:: |::..　::. j:|　　　　　　　　　　　│
　 |: |::.　::| .:|: ::|　　　　　　　　　　　│　　　
　 |: |::.　::ｌ .:|: ::|　　　　　　　　　　　○　　　
　 |:ｉ ::|　::　:| ｌ |　　　　　　　　　　　↓
　 |:|: :|　::| :: ;| |
　 |:|: :|　::| :: :| |
　 |:|: :|　::| :: :{ |
　 |;} 　 : :| :| :: |
　 |: .:|　;n ::| :: |
, . |: ::| ::{ﾘ ::! :!:|　,,..,　.,..
; , | .::| ::r : :| :i | .:;;::;;;. ,;:.　,.
;; /.::/ :::|i :.:| :l;ﾊ.＿,,. ,,::;;.:.　　　 ,;:.,,. ..　　　　 ,.,,.
ノ,;ノ : ::八 :ゝ::ヽ＼＿,,.,. :,　　　　　　　　　　　　　 ,.vVw,
;:´.:: :／.::::ヾ::＼::＼::ｰ､ ,;;::..　　　　 ,,:;;;.. .,::　　　　　　　　　　　　　,;..,,..　

381 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:34:47.67 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　 / /　　,..rァァ==ﾆ=‐ ､
　　　　　　　　　　　　/ 　//;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ,　＼＼
　　　　　　　　　　　　　ﾞ､_ｒi/,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　＼
　　　　　　　　　　　　　　　|_,`ゝ｀ilミ　;;;;;;;;;;; ﾘ.|
=============＝＝＝＝|'（:::::）ﾞu' ::｀iﾘ､ﾉ､从⊥､
. (｀ァ‐--､.|三|_|ﾆﾆﾆ|‐|　,.└i,ィ　;;　:'／´:.:.:.:.:.:.:.. !
‐ｔ＝ヽ' ,,..._Y‐-､ tt=t-t,ｲ,ﾉﾞヾi;;;..ｨ''´￣￣￣￣￣｀､＼＼
.　｀`ヽ､:.　ヽ、//｀‐(i,ﾆつィ＜´:.:.:.:.:.:.:.:.:.;;;;;;;;;:::..i:.:.:.:.ヽ.　＼
　＼　　ヽ;::. 　ﾞ〈　　ゝ／.:.:.:.:.:.＼;;;:.:.:.:.:::::::.:.::::.:.:|::::.:.:. ｀､
　＼＼　..ヽ:::.　｀ヽ.,/'´:.:.:.:.:... ;;;:.ヽ;;/,;:::::: .::::::::.:.|:::::.:.:.:. |
　　　　　　ヽ::.r‐''フ/ ;:.:.;.:.;;. ;;:.;;;;;;;ヽ:::::: .:::　....:.:.|:::::..i:.:. i　 |
　　　　　　!/ '´/:.:./:;;:;;;;:.:.;;. ;; ;;;; /:::::.:. .:./.:.:|:.:|:::::::.|:.:.ﾘ　|
　　　　　　ﾞi .:.;;|;;;;;; ,;;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::／.:.:/:::.!::::::. |:./　 | |
　　　　　　　ヽ;;;;,い;;; ;,,,,;;; ／;;;;;;;:::::::::::/.:.:.:/.:.:./:::::::. |ﾉ　 | |
　　　　　　　　＼,＞‐‐‐ｆ'´ヽ-'´;;;;;;;;;;;:.:.:.:/::::::::::::::::::.ヾ　　　|
　　　　　　　　　　　　　 i ;;::;;;; ;;, ;;;;;;;::::::::/::::::::::::::::::::. /　　　|
　　　　　　　　　　　　　ﾘ.:.:.;; ; ;;;; ;;;;;;::::::::::::::::::::::::::. /
　　　　　　　　　　/　　 /.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;:.:.::::::::::::::::::::: /|
　　　　　　　　/ / 　／.:.:.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::/: ! 　 |
　　　　　　　 /　　　.| .:.:.:.:.:.:.:;;;;;;;;;;;／::::::::::::::::::::::::: ｝　| |
　　　　　　　　　　　＼ .:.:.:.:;;;;; ／::::::::::::::;;: -‐‐‐'´_)　| |

金作の銃撃の構えに思わずうなった。
まるで銃と体が一つになったようであり、筒先が微動だにしない。理想的な構えだった。
そして、りきみもなく、静かに引き金をひく。

382 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:35:34.13 ID:lfOPhPko

　 |:: :|: .::| .:|:. l:|　　　　　　　　　　　│
　 |::.,: :r.:| ::|:. l:|　　　　　　　　　　　│
　 |: |:: |::..　::. j:|　　　　　　　　　　　│
　 |: |::.　::| .:|: ::|　　　　　　　　　　　│　　　♂
　 |: |::.　::ｌ .:|: ::|　　　　　　　　　　　　　　
　 |:ｉ ::|　::　:| ｌ |　　　　　　　　　　　ﾁｭﾝ
　 |:|: :|　::| :: ;| |
　 |:|: :|　::| :: :| |
　 |:|: :|　::| :: :{ |
　 |;} 　 : :| :| :: |
　 |: .:|　;n ::| :: |
, . |: ::| ::{ﾘ ::! :!:|　,,..,　.,..
; , | .::| ::r : :| :i | .:;;::;;;. ,;:.　,.
;; /.::/ :::|i :.:| :l;ﾊ.＿,,. ,,::;;.:.　　　 ,;:.,,. ..　　　　 ,.,,.
ノ,;ノ : ::八 :ゝ::ヽ＼＿,,.,. :,　　　　　　　　　　　　　 ,.vVw,
;:´.:: :／.::::ヾ::＼::＼::ｰ､ ,;;::..　　　　 ,,:;;;.. .,::　　　　　　　　　　　　　,;..,,..　
金作の言うとおり、みごと針は打ち砕かれた。これにより、『下げ針金作』の名前は大いに高まった。

383 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:36:15.00 ID:lfOPhPko

　　　　　　　＿､‐-､, -‐ｚ._
　　　　　　＞　` " "　′.＜
　　　　　　／ " " " " ﾞﾞﾞﾞ＼
　　　　 7 " " ",.",ｨﾊﾞ ,ﾞﾞヾ　　　　　　 r‐ ' _ノ
　　　　　 ! " " /-Ｋl/　Vｌﾊﾞ.N　　　　　＿ ) (_
　　　　　 | "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ!　　　（⊂ﾆﾆ⊃)
　　　　　　|."しｌ|　￣　,._ ∨　　　　　　｀二⊃ﾉ　「ふーん、動かないものを撃つのは得意そうだな」
　　　　　　| " ﾞハ　ー--7′　　　　（( ￣
　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼.　¨/　　　　　　 ;;　
　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　　　　　 [l、　
　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　　／,ｨつ
. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ　
　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ
. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　 /　）:::厂 ´
　　 |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l　/￣｀Y´
.　　 |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
　　　|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ﾞ/

384 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:37:11.40 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｒ'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ!lllllii,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞllllllllllii,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;lllllllllllllli
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 lﾞ;;;;.／ﾞ'-,,.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｒ'"illli､llli､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l;;;;/　　　｀'''ｰ-..-‐ ''"゛::;;;;;ｌllll|llllli
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |;;;lﾞ　　　　　　　　　　　 : :;;;;;;llllilllli
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l;;.!　　　　　　　　　　　 : :;;;;;;;;!llllll′
　　　　　　　　　　　　　　　　　 lﾞ;/　　 'ﾞ''ｰ､..　　 .._,,,.. --;;;;;;;;;illllll
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |;;" ..,,,..､,,　　',　'"　　..,､il;;;_;:;;;illl!ll､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |;:　.ﾞ'､'tｪjﾞﾐ,ヽ''　､,,;;;;iiiillllllliﾞ;;;;;;i!;;ll|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,|!　　　´ "´;;'　　.;;lllllllllllllllll!;;;;;;;;',;il　　　「なんだと？」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／;;.ｌ、　　　　　　 ::;;;;;ﾞﾞﾞ!!!l!!!ﾞﾞ;;;;;;;,i〃
　　　　　　　　　　　　　　　　　/.;;;;;;;;;;l.ｌ,　　　 ,;　　 ::;;､;;,　,.":;;;;;;,/|ﾞ;;il,
　　　　　　　　　　　　　　　　　!',;;;;;;;;;;.! ',　　　ﾞヽ､_,,'.;;.":;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ/;;;;;;;;ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　| .ｌ.;;;;;;;;|､　　　,,,,,,__.;;;;;;;;;;;;;;;;;;,i';./;;;;;;;;;;;;;.l;l
　　　　　　　　　　　　　　　 .._,/　ヽ,iﾉヽヽ, 　　ﾞ'l::!''''´:::;;;;;;;;;;;/ﾞ!;;;;;;;;;;;;;;;;.l;l
　　　　　　　　　 ,,, -'''ﾞ゛ ./ 　 : ﾞ'l.;;;;;ﾞ''ﾊ､　 |.|￣:::;;;;;;;,ii'ﾞ.;/;.ｌ.;;;;;;;;;;;;//
　　　　 _,,..　-ｰ''''"゛　　　　│　　　!;;;;;;...;;..;｀''ｌ.l――''";;;;;;;;;;;;;;;.!;;;;;;;,/;;ﾞ''-..、
　　 ,,／´　　　　　　　　　　　',　　　　!　　 ;;; ;;|,i!:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!;;;,i"|;;;;;;;;;;;;;;｀''―- ....,,
　'"　　　　　　　　　　　　　　 "　　　".............""" 　　　　　　ﾞ‐'....!;;;;;;;;;;;;;;;,,,,....
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【猟師　下げ針金作】

385 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:37:46.38 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　＿_
　　　　　　　｀`''‐､｀`ヽ､.　　 ,.. -─;:-
　　　　　　　　　＿＼ ll　ヽ.r'　ll ／-─- ､.
.　　　　 ,. ‐''"´ll 　 lll｀`　lll ’ l　"　ll　 -=ﾆ.｀
.　　　 ∠ -‐ ; =-─　　 ll　　　 ll　　　 lll　＜`　　
　　　　 , ‐''´ lll　　 ll　　　 lll　　　 ll　　　 lll　ヽ
　　／ ll　_,.　　ll　　lll　　ll　　 ll　　　 lll　　 ll　i　　
　 , '.,. ‐',´'´ llｌ　　 ll　　ll　　,.ｲ　　 lll　　 ll　　 ll |　　　「ククク……
　／　, ' ll ,ィ　. ll　,.ｲll.,.ｲll./::::ヽ.ll ﾄ､ ll 、　 lll 　 |
.　　 /ll.／!　,ｲ　./_:l /:::!./::::::::::ヽ. |_ヽ |ヽ llｌ　　ll |　　　遠いものを当てるのが好きなんだろう。
　　/., ' . !ll /ｌ ll/:::::l/ヽl/::::::::,.‐''::ヽ!:::ヽ!::ヽ　ll 　 |　　　
　／　 ! / .ｌ /.l＝==｡=､::::::;;;:==｡==＝＝! r‐:､lll|　　　　打ち返さん相手ばかり狙ってるな」
　　　　 l/　 |/　.l :`::ｰ-:/:::::::::::　ｰ-‐ '::´:::|l|r‐､!│
　　　　　　　 l :::::::/::::::::::::　　　　 :::::::::|.!ﾄ､ﾘ l|　　　　杢之助の鉄砲は真剣勝負のための鉄砲である。
　　　　　　　ｌ:::/::::::::::__-，　　 .::::::::::|Lンlｌﾄ、　　　
.　　　　　　　　　 l`"----------一::::／ヽｌ!　 |;;;ヽ　　　.だから金作を前にしても、批判をずけりと云った。
　　　　　　　　　 ! 　＿＿_　..::::::::／; 　ヽ ll !;;;;;;;;ヽ.　　　　
　　　　　　　　　　　ヽ.　￣￣..:::::::／;;:　　　ヽ. |;;;;;;;;;;;;;l`;;ｰ-
　　　　　　 _,,. -‐''7ヽ......::::::::::／;;;:　　　　　ヽ!;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;　　
　　 _,,. -‐''";;;;;;;;;;;; /;;;;;ヽ:::::::／;;;::　　　　　 /;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;　　
　　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;`1;;;;::　　　　　　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;
　　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;| 　　　　　 , ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;

386 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:38:21.37 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　ｆ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ:::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　 |　　　　､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　 }　　　　　 `　､　　　　　　　 ,　- ‐　´　　　　　　　　　/:::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　｀､　　 ,　　´　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　 i_　　　　　　　　　;　 ;　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　 {　｀ﾞヾ;;,､　　　　　,' 　 ;　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　ﾍ　　　ヾ;;;,､　　 ,'　　;　　　　　　　 ┃　　　　 ,　　　　　ヽ::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　〉｀'"i!i!;;;:ｰ､ヾ　/　　 '､　　　_,,,,,,,,....;;┃;,,,,,,;;;;;:'"　　　　　〕:::::::::::::,-
　　　　　　　　　　　　 / ､ゝミ彡　_ゝ.:.〉　　 ..:::〉,;;::'''",,;;;i!i!i!i!.:.:.:.:.:.:i!i!i!;;,､　　　　　 |:::::::, '",'　　　「……いずれ、決着をつけんといかんな」
　　　　　　　　　　　　　i　　ヽ￣ ~　:.:／　　　 ':.:.:〈:.:.:.:{;;;;i!i!i!i!.:.:.:.:.:.:.:.i!i!i!;;;}　　　　　|::::, ' , ':.:
　　　　　　　　　　　 i　　　　　　シ　　　　 |　:.:.:.ヽ.:.ゞ;;;i!i!i!i!i!;;;;;;;;;;i!i!i!;;'　　　　　 |::,' , ':.:.
　　　　　　　　　　　　 {　　　　　　　　　　　 |　　 '' '';,　`::ヾi!i!i!i!i!i!i!i!i!;ｼ　　　　　レ./.:.:.:.
　　　　　　　　　　 i　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　ﾞﾞﾞ''┃'''''""　　　　　　 .:.:.:.:.:.〉.:.:.:;
　　　　　　　　　　　　　i!　　　　　 .:　　　　 !　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .:.:.:.:.:／､.:;.:.:
　　　　　　　　　　　 i!:.　　　.:.:./　　　　　　　､　　　　　　　　　　　　　　　 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
　　　　　　　　　　　　　 i.!:.:.:.:.:.:.:.〈_,､　　　　　　　〉　　　　　　　　　　　　　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
　　　　　　　　　　　　　 i.i.:.:.:.:.:.:.　.:.:.`､____,,r‐--‐'　　　　　　　　　:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.;.:.:､__, '
　　　　　　　　　　　　　 i.:i.:.:.:.:.　 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　　　　　　:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.::.:..:/.:./
　　　　　　　　　　　　　 i.:i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:　　　　　　　　　　　:.:..:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:i.:.:.i

387 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:39:12.41 ID:lfOPhPko

∠-'';::／　,∠/　.／::　　 ::＼.ヽ＼ヽ　ヽ　＼　ヽ. ＼
::::r''∠- '´:∠ -ﾍ::....... ,...:‐''７,ゝl‐-ヽ} 　ﾄ､　lヽ.　!　　　杢之助にはそこまでするつもりはなかった。
:::l::::-==＝ﾓ＝= _::::／:::::::::/_　 ` ／ ,ﾍ.　| ヽ |. ヽ.!　　　だが……
: |::::　｀　ー‐=''"::´:::::::::::::/ﾆ´＞,'／　ヽ |　ヽ!　ﾞl
::|:::::　　　　 ..::::::::::::::::::::::/　　　ﾊ　　ヽ!
:|::::::　　 ...:::::::::::／::r:::::::i_:　　　,'l }　　　　　　　（まぁ、いずれそうなるだろうな）
|l::::::　　　　　　｀＿＿:::　　　 /.|′
iﾍ::::.. 　　￣￣　　　　｀ヽ　./^'　　　　　　　　という予感がした。
:|::ヽ:::..　　　　　　‐＝=;;　　　/
::l::::::ヽ::..　　　　 :::::::　　　/　　 ,.､
:::l::::::::::＼.　　　　　　　　　/　　／.:/:ヽ.
::::|::::　:::::::＼. 　　　　 ,ｲ　／....::/::::::::ヽ.

388 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:39:45.02 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　 ,. -.､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-.､
　　　　／':':':':':`.､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／':':':':':ヽ
　　　　_ノ':':':':':':':':':':': ｰ､　　　　　　　　　　　　 _　　　　_,...-‐':':':':':':':':':':':':':':':':':、‐-.､
　　..:'´':':':':':':':':':':':':'_,. -‐:.'´`ヽ　　　_　　　　':':':ヽー:.'':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':
-‐'':':':':':':':':':':':':':':':´':':':':':':':':':':':ﾞﾞー':':':.｀　　｀
　　　...　　.:.　　　　..:::　　　　　　
　　　::　　　　..:　　　..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾁｭｲｰﾝ
　　　　　　　　　..:　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　　　................
　　　　　　　　　　　　　　　　▲＿　　　　　　　　　　　　　　　　　-､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　／l　　 l＼＿ll二 '''ー| 「ﾆﾆﾆﾆﾆﾆl^l-' i　　　　　　..:.
　　　 .:::::::..........　　　　 ▲ｌﾍﾆヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼▲_
　　　　　　　　　　　　　/ll＼ー'　ﾍﾆヽﾍﾆヽ　ﾍﾆヽﾍﾆヽ'　ﾍﾆヽﾍﾆヽ /i _　ヽ
　　　　　　　　　　/ /||　＼▲ー'　ー'　 ▲‐'　ー' 　 ▲ ＿_ ▲' /　　ヽ　＼　　　　　..:
　　ﾄﾞｰﾝﾄﾞｰﾝ　　　／／:.:.＼　 i　ｌ￣￣￣￣l　ｌ￣￣￣￣l　ｌ　　.l　i/　　　//　/ｌ､　::.
　　　　　　　　 ,<　〈:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｿ/ヽ二ヽ――ｌ__!――――ｌ__!―‐ ｌ__! /二/ヽ.／/::::ヽ
　　　　　　　　　ｒ〉＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ |__|＿::l＿＿＿＿_く二二ゝ＿＿＿＿_|￣O|　／::::::::::: ｰ- ､
　　　　　 ,.　-‐':::::＼二二二二二|　　:|:l二二二二二|　 :|:l二二二二二iー‐i::::::::ヽ:::::::::::::
_,.　-‐'' ~::::::::::_,.-‐'::::::::/:::::::::::::::/::|　　:|ﾉ::::::ﾉ::::::::::::: : |　 :|ｿ::::::::i::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::ｰ-､:::::
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:::::_,.-‐':::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::ﾉ::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉::::::::::::::::::::､::::::::::::::::::::::::::

原城に移って３日――
日に日に一揆勢は集まりだし、ここには老若男女37,000人の切支丹が立てこもることになる。

389 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:40:26.17 ID:lfOPhPko

　　　　　　 ,=＝（◎）=、｀＼､、
　　　　 ∠_＿＿_＿__＼　＼ヽ＼
　　　／　"＼,　､／ﾞ＼　　＼＼＼
　　　／　　（ ●）　（●）＼　　　＼＼(@)
　　 |　　 :::⌒（__人__）⌒::: l　　／＼＼＼　　　やる夫は土運びをしながら、一揆の首領を探していた。
　　　＼、　　　` ー ´ 　／　／／´　＼＼＼
　　　（⌒ヽ、　ー‐ 　ィヽ.　／／　　　　＼＼ヽ
　　　l ＼　　＼　　　　 i ／／　　　　　＼ヾ、
　　　 |　　＼　　＼　　／, ｲ　　　　　　　　ヽ !
　　　|　　　＼ , '⌒く／　/ 　　　　　　　　ﾞ!
　　　 l　　　　　ゝ、ﾆ≠ソ
　　　 |　　　　　｀´ ￣　|
　　　　 |　　　　,ｨ'　　　 |
　　　　 |　　　| ヽ　　 ,l
　　　　　| 　　 ,|ノ　／

390 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:41:08.96 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　|　|　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　|　|　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　| 　　　 |　|　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 |　|　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 |　|　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　| ,　　　 |　|　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　 |ﾉ　　､|　 .|　　　､|
　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ_＿＿__,ゝ　ｿ_＿＿ゝ
　　　　　　　　　　　　　　 _ノﾞ￣⌒＾⌒}　 .{ ⌒＾⌒}
　　　　　　　　　　　　　　'ﾆ＝==⊂⊃=｝　{=⊂⊃=｝　ジャラッ･･･

391 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:41:35.13 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　 ,. -‐,=-
　　　　　　　　,.=ﾆ￣｀Ｙ...　 '⌒￣｀ﾆ=､
　　　　　　　,.=,'´ 　　ヽ:: 　　＂＼　
　　　　　　　 /　〝　　　　　　＂＂ヽ.　
　　　　　 |〝　〝　　　　　　＂＂くヽ!　
　　　　　　 |〝〝,〝,　〟､＂＂　､ヽ　
　　　　　　　 |,〝　/／! ∧　ﾄ､＂＂ﾄ､|　
　　　　　　　｣ _r'7ヘ_ｊ/ 　 >､!‐ヽ＂! .|　!
　　　　　　　 |｢f.ｋ━zxヽ /xz━ｧ冫､! |
　　　　　　　 ||ゞ| ｀￣ '"|.|ヽ￣´/ｊ〃ヽ! 　
　　　　　　　　ﾞ=ﾍ　　　､|｣,　　 /=″　　　　
　　　　　　　 /| ∧ ﾞ￣￣￣ /　　　　　　
　　　　　 / .l/　ヽ　<7　/ヽ.　　　　　
　　　　　　_/ 　＼　ヽ.＇/|　　＼　　　　
　　　　／ |　　/] |　　ヽ'　!　　 ∧
　_,.-‐'´　　|　/ о| 　　　　|ヽ　 /　|`ｰ- ､
　　　　　　 |/ 　　|＼　　　 / Y ＼｣　　＼

..　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　―　　-＼
.　　.　／　（○）　（○）
　　／　　　　（__人__）　＼　　「斎藤さん……」
　　|　　　　　　｀ ⌒´　　　|
.　　＼　　　　　　　　　／
.　　　ノ　　　　　　　　　＼
　／´　　　　　　　　　　　ヽ

　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　　　　＼
　　　　／　 _ノ　ヽ､_　＼
　　／　 /⌒)　　　⌒ﾟo　＼　「会いたかったお」
　　 |　　/　/（__人__）　　　 |
　　＼/　/ 　｀ ⌒´ 　　／

392 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:42:16.34 ID:lfOPhPko

　 ,,‐´　＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ
∠-‐´,, -‐' ´　　　ll　　　　 ll　　　ll　　　　ll　　　ll　ヾ
　　／　ll　　　lll　　　　ll　　　　ll　　　lll　　　ll　　　ll ヽ
／　,, ‐; ‐' ~　　　ll　　　　ll　　　　lll　　　lll　　　ll　　 |　　　
,-‐', '´　ll　　　lll　　　lll　　/|　ll　　 ll　　　 ll　　　ll　 |　　　
.／l , -‐'´　ll　　　lll　／ll/.　|　.iﾍ　　　lll　　　ll　　　ll |　　　「潮時だ」
.ll／／　　l　 /ll.／/l/　　 |ll|　| llヽ、　lll　　　ll 　　|
　　/ ll.／ ll.∠/／　.l/　　　 , |.|-‐|.|￣ヽ、　ll. 　　lll |　　　杢之助にはもうここには用がなかった。
　./l／/l ／　/ `ヽ、|　　／　　|　　|　　::＼　　ll　　ll|　　　
..／　/／.|.＝＝===､　　__ =====＝＝＝::::| .l⌒ヽ　.|　　　とうとう一揆の首魁を見つけ出し、
　　.／　　| ｀ ‐--ﾟ‐/,:::　'''' ` ‐-ﾟ--‐ ' ´　 ::|ll|⌒ｌ |　|
　　　　　　| 　　:::/,::::::::　　　　　　　　　 :::| |⌒l |llｌ|　　　　狙撃する機会を得られなかったことが悔いが残った。
.　　　　　　|　　::/,:::::::::::::　　　　　　　　　　:::|l|６ﾉﾉ .|＼
.　　　　　 |.　/,:::::::::::__:::)　　　　　　　 :::::||､_ノ　|::::::＼　　しかし、これ以上ここにいると包囲され、
.　　　　　ｌ.(_::　　　　　　　　　　　　　:::::::/l　　 ll|::::::::::::|　　
.　　　　　　 l. 　￣￣￣￣￣￣　　 :::::::／　| lll　|::::::::::::::|　　鍋島の兵たちと戦わなければならなくなる。
　　　　　　 l、　　＿＿_　　　　 ::::::／：　 |　ll|::::::::::::::::|
　　　　　 _, -/l、　　￣￣　　　 :::::／:：　　　 |　|:::::::::::::::::|
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393 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/04/29(水) 21:43:22.52 ID:qBFvblwo

>>359
あれ？このころ正式な美作守って、水野勝俊公では？

394 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:43:36.85 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　／）／ノ '　ヽ､＼
　　　／ .ｲ '（●）　.（●）＼
　 . 　/,'才.ﾐ).　（__人__）　　　＼　「斎藤さん、一揆のエライ人なんだけれど、やる夫は四郎じゃないと思ってるお」
　 . 　|　≧ｼ'　　 ´ ⌒｀　　　　　|
　　.　＼　ヽ　　　　　　　　　／

　　　　　　　＿､‐-､, -‐ｚ._
　　　　　　＞　` " "　′.＜
　　　　　　／ " " " " ﾞﾞﾞﾞ＼
　　　　 7 " " ",.",ｨﾊﾞ ,ﾞﾞヾ　　　　　　 r‐ ' _ノ
　　　　　 ! " " /-Ｋl/　Vｌﾊﾞ.N　　　　　＿ ) (_
　　　　　 | "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ!　　　（⊂ﾆﾆ⊃)
　　　　　　|."しｌ|　￣　,._ ∨　　　　　　｀二⊃ﾉ　　　「へぇ……」
　　　　　　| " ﾞハ　ー--7′　　　　（( ￣
　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼.　¨/　　　　　　 ;;　　　　　　やる夫が自分と同じ考えだったことに驚いた。
　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　　　　　 [l、　
　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　　／,ｨつ
. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ　
　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ
. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　 /　）:::厂 ´
　　 |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l　/￣｀Y´
.　　 |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
　　　|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ﾞ/

395 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:44:29.87 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　／　　＼ ,　, ／＼
　　　　　／　　（●）　（●）＼
　　　　 |　　　　（__人__）　　　|　　「だからもう少し、もう少しだけ探らせて欲しいお」
　　　　　＼　　　 ` ⌒ ´　　,／
　　　　　　ノ　　　　　　　　　　＼
　　　／´　　　　 _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
　　　 |　　　　ｌ　（ l　/　/　/　l
　　　 l　　　　l 　ヽ　　　　　 /

　　　　　　＿─-､ -‐;ｚ.__
　　　　　　　　＞　`　"　ﾞ　　＜
　　　　　　　/　" " " "　ﾞ　ﾞﾞﾞ＼
　　　　　 l " " ", ,ｨハﾞ i ﾞ､ﾞ､ヾ
　　　　　 | " "ノlﾉメ、 |ﾉjﾑﾍ. N　　　　
　　　　　　 ! r,ｺ| ＝｡=　 ,｡==ﾊﾘ
　　　　　　 | |ﾋ.j|　￣ r_ ＼7　　　　　　「なに云ってやがる。ここから先はどれだけ危ないか」
　　　　　　　j `ｧﾍ　⊂ﾆﾆァ7′　　　　
.　　　　　_／∨　:::＼　＝ ∧
　 -‐'''"´ |.　ヽ. 　 ::::＼,.ｲ　|`'''‐- ､.._
　　　　 |　　　＼　 :::::/　│　　　ハ
.　　　　 |　　 ,ヘ〉　 |へ、|　　　　l.　l
　　　　　ｌ_／　ﾟ〈`ー'| 　ヽ!　　　│　|
　　　　　　　　　　　|:::::::|　　｢￣￣| │　 |

396 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:45:01.44 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／―　―　＼
　　　　　　／（●）　（●）＼
　　　　／　　（__人__）　　＼
　　　 |　　　　｀ ⌒´　　　　　|　　　「だからお願いがあるお。コイツを一緒に連れて行って欲しいお」
　　　　＼　　　　　　　　　／
　　　　／　　　　　　　　　＼
　　　　 |　　　・　　　　・　　）　　　　, -'"^^^^,-'~~~~ ~~~~~~'-,^^^^"'-
.　　　　　|　　|　　　　　 /　 /　　　　（,,,,, -'", '"'⌒ヽ　　'"⌒ヽ`､~"'- ,,,,,）
　　　　 | 　 |　　　　　 /　 / |　　　　　　　,’　　・　　　　　・　　　;, 　　
　　　　 |　　|　　　　 /　 / 　|　　　　　　　:　　　　　━　　　　　　:　　
　　　 (YYYヾ　　Y　(YYYヽ　|　　　　　　　．､　　　　　　　　　､, '"
　　　　（_＿＿ノ-'-（'＿＿_）_ﾉ　　　　　　　　　~~~~~~~~~~~~~~

　　　　　　＿─-､ -‐;ｚ.__
　　　　　　　　＞　`　"　ﾞ　　＜
　　　　　　　/　" " " "　ﾞ　ﾞﾞﾞ＼
　　　　　 l " " ", ,ｨハﾞ i ﾞ､ﾞ､ヾ
　　　　　 | " "ノlﾉメ、 |ﾉjﾑﾍ. N　　　　
　　　　　　 ! r,ｺ| ＝｡=　 ,｡==ﾊﾘ
　　　　　　 | |ﾋ.j|　￣ r_ ＼7　　　　　　「ダメだ。おまえも一緒に戻れ」
　　　　　　　j `ｧﾍ　⊂ﾆﾆァ7′　　　　
.　　　　　_／∨　:::＼　＝ ∧
　 -‐'''"´ |.　ヽ. 　 ::::＼,.ｲ　|`'''‐- ､.._
　　　　 |　　　＼　 :::::/　│　　　ハ
.　　　　 |　　 ,ヘ〉　 |へ、|　　　　l.　l
　　　　　ｌ_／　ﾟ〈`ー'| 　ヽ!　　　│　|
　　　　　　　　　　　|:::::::|　　｢￣￣| │　 |

397 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:45:29.01 ID:lfOPhPko

　　　　　＿＿＿_
　　　　／_ノ　ヽ_＼
　　／（ ●）　（ ●）＼　　　「今日、場内に入れる機会があるんだお！
　／ ::::::⌒（__人__）⌒::::＼　　やる夫はそこで場内を隅々まで調べるんだお」
　|　　　　　　￣　　　　　 |
　＼　　　　　　　　／

　　　　　　　＿､‐-､, -‐ｚ._
　　　　　　＞　` " "　′.＜
　　　　　　／ " " " " ﾞﾞﾞﾞ＼
　　　　 7 " " ",.",ｨﾊﾞ ,ﾞﾞヾ　　　
　　　　　 ! " " /-Ｋl/　Vｌﾊﾞ.N　　
　　　　　 | "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ!　　
　　　　　　|."しｌ|　￣　,._ ∨　
　　　　　　| " ﾞハ　ー--7′　　　「ならば俺も行く」
　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼.　¨/　　　　　　
　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　　　　　　
　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　　
. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　

398 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:46:14.80 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　／　─　　 ─　＼
　　　　　　　／　（●）　（●）　＼
　　　　　　　 |　　　（__人__）　　　 |　　「いーや、だめだお。許可はやる夫しかもらってないお」
　　　　　　　＼　　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　r､　　　　r､／　　　　　　　　　　ヘ
　ヽヾ　三　|:l1　　　　　　　　　　　　ヽ
　　＼>ヽ/ |｀｝　　　　　　　　　　　|　|
　　　ﾍ　lノ `'ｿ　　　　　　　　　　　|　|
　　　　/´　 /　　　　　　　　　　　　 |.　|
　　　　＼. ｨ　　　　　　　　　　　|　 |
　　　　　 |　　　　　　　　　　　 | 　|

　　　　　　｀ヽミメ、　. -‐,=‐
　　　　 . . .-‐‐ミ i!　Y i! 厶イ_＿
　　　∠..., =‐-　i!　 i!　 i!　i!　＜´　　　　
　　　 .ィ´ i! 　 i!　i!　i!　i! 　 i!　i! ヽ
.　　, ′i!　i!　i!　i!　i!　i!　 i!　 i!　i!.!　　　
　 /イ i!　i!　i!ｨ i! i./::､ i! ﾄ､　i!　i!　!　　「おまえに何かあるとやらない夫に文句を云われる」
　　/i!.／/i!./::iメi/:::::::,ﾒ､「ヽﾄ､ i! i!j
　 /イ i!/! /==｡=､:::::.=｡==＝:i!,...i! |
　　　ｊ/ j/ i::｀:‐:/:::::::: ｰ一.:´:|ir, }.|
　　　　　　　i:::::/.::::::、　　 .::::::|Lﾝii|
　　　　　　 i: ｀‐――一'.;.::::ハ.i! ｊ;＼
　　　　　　､　ー　..:::::／;　ヽ:{;;;;;;;ﾄ､__
　　　　　 . -=''7ﾍ.....:.:::::／;;; '　　　ｊ;;;;;;;j;;;;;;;
　　 -‐'";;;;;;;;;;/;;;;;;ヽ .イ;;;;: ' 　　 /;;;;;;;;|;;;;;;;
　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|:.:;;:::'　　　　/;;;;;;;;;;;!;;;;;;

399 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:46:48.89 ID:lfOPhPko

　　　　　＿＿＿_
　　　　／⌒　　⌒＼
　　　／（＞）　（＜）＼
　／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼「大丈夫だお！やる夫の演技力でとぼけたふりして逃げるお！
　 |　　　　/| | | | |　　　　　|
　＼　 (、`ー―'´,　　　／
　　　　　￣￣￣

　　　　　　　＿＿＿
　　　　　／　　ヽ､_ ＼
　　　／（● ）（● ）　＼
　　／:::⌒（__人__）⌒:::::　＼それに、斎藤さんならコイツと一緒に逃げることができるお
　　| 　ｌ^l^lｎー'´　　　　　　 |
　　＼ヽ　 L　　　　　　　／
　　　　ゝ　ﾉ
　　　／　 /

　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　＼
　　　／　 _ノ　ヽ､_　＼
　／ oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo ＼　　お願いだお！コイツと一緒に行ってくれお！」
　 |　　　　（__人__）'　　　　|
　＼　　　　｀⌒´ 　　／

400 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:47:33.37 ID:lfOPhPko

　　　　　-､ｰ- ､
　　　_.　-─-ゝ　　Ｙ ⌒,.Ｚ.._
　　　 ,.＞　　　　　　　　　＜｀
　 ∠.._　　　　　　 ,　　　　　ヽ　　　　
.　　／　　　 ,　,ｨ ,ハﾄ、　　　 l
　 /イ / 　 /l/‐K　ゝlへﾄi　　|　　　　
　　ﾚ'ﾚf Y|＝=;=　　=;=＝|f＾!l
.　　　　 !6|| ｀￣ "||` ￣´ ||6|!　　　　　「……わかった。くれぐれも無茶はするな」
　　　　ﾞyl、　　､|レ　　　|y'
　　　　 _,,ﾊ.ト.｀￣￣￣´ ,ｲ/＼_　　　　
　　￣:::;':::::ﾞ! ＼. ￣　／ |'::::::::|:::￣
　　:::::::::l:::::::::l　　＼／　 !::::::::::|:::::::::　　
　　::::::::l:／ヽ:ヽ__　　 __/:／＼:|::::::::
　　:::::::‘:::::::::::o:ヽ`　 ´/::::::::┌──┐
　　:::::::::::::::::::::::::::ヽー/::::::::::: l:::::::::::::::l

その夜、杢之助は犬を抱えて城を抜けた。
まるで、自分の家からつりに出かけるような、気軽な足取りでの脱出だった。

401 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:48:34.89 ID:lfOPhPko

　　　　　　　＼＿＿＿＿＿_／ ..::::::::;;;;;;;;;;
　　　　　　 .　|.　..,,-〒.-､ _.|...:::::::::;;;;;;;;;;
　　　 .　　　　|.　｢:ﾛ::|::ﾛ::|::::|.:::::::::;;;;;;;;;;
　　　 . 　　　　|.　|:::::::|:::::::|::::|:::::::::::;;;;;;;;;;;;,,,,,
. 　　　　　　　|.　|::ﾛ::|::ﾛ::|::::|:::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,
　　 .　　　　　|.　|:::::::|:::::::|::::|::::::::::::::::;;;;;;;;;;
　　　　　　 .　|.　|::ﾛ::|::ﾛ::|::::|:::::::::::::::;;;;;;;;;
　　　　　 .　＿l___|_.:::ﾞ|:::::::|:::｣:::::::::::;;;;;;;;
　　　　　　　/=======:::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;,,,
　.　　　　　/f────‐:::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,
　　 .　　 /ﾄ─────‐:::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;
　　　　　/. | 　:　: : : :.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;
　.　　　/[￣￣￣￣￣￣￣:::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;,,,
. 　　 /　|　.　.　:　:　: : : :.:.:.:.:.:::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,
　　　/|￣￣￣￣￣￣￣￣￣:::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,
　　./　　.　.　...　..::　::: ::: ::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,

402 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:49:00.56 ID:lfOPhPko

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　.キッ！　　／　＼　　／＼　　怪しい予感！
＿＿＿∧,､／　（●）　（●）　＼＿＿＿＿
￣￣￣`'`　|　　　　（__人__）　　　　|￣￣￣￣
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

403 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:49:44.80 ID:lfOPhPko

　　　　|┃三　ガラッ
　　　　|┃　＿＿＿_
　　　　|┃／⌒　　⌒＼
　　　　|┃（●）　（●）＼
――‐.|┃:⌒（__人__）⌒:::::＼
　　　　|┃　　|r┬-|　　　　　|⌒)　　　「えへへ、厠はここかお？」
　　　　|┃　　`ー'ｫ　　　／/
　　　　（⌒ヽ・　　　　・￣／
　　　　|┃ノ　　　　　　　/
　　　　|┃　　　つ　　　<
　　　　|┃　　(::)(::)　　　ヽ
　　　　|┃／　　　　>　　）
　　　　|┃　　　　　(＿＿)

　　　　|┃
　　　　|┃　＿＿＿_
　　　　|┃／⌒　　⌒＼
　　　　|┃ （―）　（―）＼
――‐.|┃:⌒（__人__）⌒:::::＼
　　　　|┃　　　　　　　　　　 |
　　　　|┃　　　　　　　　／
　　　　|┃ヽ・　　　　・￣／
　　　　|┃　＼　　　　,.:∴~・:,゜・~・:,゜・　,
　　　　|┃ヽ＿）つ‘∴・゜゜・・∴~・:,゜・・∴
　　　　|┃　　(::)(::)　　ヽ　　　　・゜゜・∴~゜
　　　　|┃／　　　　>　　）　　　　゜゜・∴:,゜・~
　　　　|┃　　　　　(＿＿)　　　　:,゜・~:,゜・゜゜・~

404 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:50:14.42 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　　 ─-　、｀＼
　　　　　　　　　　　 -‐ _二ﾆ ‐＼　ヽ　　　　　　＿
　　　　　　　　　 ´　　 ´　　　　｀　ﾍ｀ヽj!　　　　「|　'⌒)）
　　　　　　／　　 ´　　　　　　　　 ! .ノ＼　　　　|」　｛{´
　　　　　　　　　／　　　　　　　ﾉ,　　　　ヽ　　 o 　 o
　　　　　　 /　　　　　　／　　／ //ハ　ヽ
　　　　 /　/,　　_　／　＞‐-､／/ / ﾊ　　 '. 　 !
　　　　　 ' jノ/　/／/ ,／∠_／ノ/ / /,ﾑ-､　i
　　　　／イ　ｲ　 /イ　（いﾘヽ／ / _ ,ﾊ　ﾊ　,
.　　　　　ﾉｲ八 _＿′,,.,　 ´　　　 ,ｲﾘｿﾉｲﾘ/ 　　　「だれ！？」
　　　　　　 ∠　ノイノﾄ､　　　　　, 　｀,,./／ﾉノ
　　　　　　　　　_,. ＜＼丶　ｒ-っ　　ノ
　　　　　　　／／ _　＞'⌒_ー'ﾌァ≦ﾆ=-─‐-=‐-､
　　　　　　　　/ 　／　 ´　イ /　　　　　　　　　 !
　　　　　 { i{/　' , -‐ｧﾍ　ﾉ/＿＿__　 _,..　-‐､ノ
　　　　　　 ∨ ,　/ //{ ,_ ＼ノﾉ_,二 -‐ ￣　　　 }
　　　　　　 V. へﾍゝゝく　￣　　　　　　　　_,／
　　　　　　　 v､　_｀二ﾆ=‐-─---　--‐　 ´ ﾉ
　　　　　　　　 {! i＼　 .._ { ＿ _　　-‐　／／
　　　　　　　＼　　　.._ {　　　 _,.　 ´ ィｲ
　　　　　　　　　　ヽ　　＞ -‐..:.::.:.:.￣:.:!ﾉ
　　　　　　　　ゝ／　: .:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　 }.　　 :..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l
　　　　　　　　　　 /.　　　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!
　　　　　　　　　　 ,.ｲ.　　　　 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::!
　　　　　　　　／.　　　　　　　:.:.:.:.:.:.:.:.;
　　　　　　　　,.:　　　　　　　　　:.:.:.:.:.:.;
　　　　　　 /,　　　　　　　　;.　:.:.:.:.:.:.:/
　　　　　　　;　　　　　　　　　　　　.:.:;ｲ
　　　　　 ′　　　　　　　　　　　 {
　　　　　 i 　　　　　〈　.:.:.:　　　 ',
　　　　　 |　　　　　　　ヽ／
　　　　　　 !　　　　　　　　　 '.　　　　　'
　　　　　　　'　　　　　　　　　　　　　　　 i
　　　　　 '　　　　　　　　　　ｉ　　　　　!
　　　　　　　　　　　　　　　 ! 　　　 |
　　　　　　丶　　　　　　　　|　　　　 !

405 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:51:04.89 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　／　─　　 ─　＼
　　　　／　（○）　（○）　＼　（あれ？あるはずのモノがなくて、ないはずのモノがある。どーいうこと？）
　　　　|　　　　（__人__）　　　.|
　　　 .＼　　　｀ ⌒　　　,／

.　　　　　／￣￣￣＼　　　　　　　　 ┃|
　　　／;　　　 . . : : : :＼　　　　　　　┃|
　　／　∪　　 . . : : : : : :＼　　　　 ┃|
.　　 |　　　　　 . : : : : : : : :| . 　　　 ┃|　「……失礼しました」
　　＼_　　　 . : :〃: : : :,／　　　　 ┃|
　　　 /⌒`　. . : : : : : : :｀ヽ.　　　　　　┃|
　　　 /　. . . . : : : :..: : : : : ,: :＼　　 ,rっ┃|
.　　 / . : :/｀: : : :..::: ::..: : : :i＼: ::`≠⌒⊇ |

406 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/04/29(水) 21:51:16.43 ID:lYBq1wo0

なぜ脱いで…孔明の罠か！？

407 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:52:12.19 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　 /::::::;、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　 i:::<Y/｢|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　　 |:::lﾄ!N |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　 |:::|!|,ﾄ,｣::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＿::＿:::::::::::::::::|
　　　　　　　　_}__;;;:: --一 '' ´￣￣￣イ;;;;;;;;;;;;;;;;￣;;;;;￣ヽ
　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::_;;､:-＜ __;;;;;;;;;;;;;;;r',ﾆヽ:;;;;;;;;;;{
　　　　／::::::::::::::::＿＿__;:､イ'"￣　　　 {;;;;;;;;;f /　 ,} }:;;;;;;;;;ヽ
　　／-‐,ニﾆ;:｢==､ヽゞ,ｨｨーiｩ-=,＿　 i;;;;;;;;;| >‐､ﾉﾉ:;;;;;;;;;;;;i　　「見たな？」
　　｀￣　　　ヾ<_}!　　ヾヽ￣　ヽ　　　};;;;;;;;| }_ノ:/:;;;;;;;;;;;;;/
　　　　　　　　　　|　|　 '　　　　　　 ,　i;;;;;;;;;!　ﾉ!;;;;;;;;;;;;;｣
　　　　　　　　｜｜　　-､　　　　 r '´　 i;;;;;;;;;i^´　i;;;;;;;;;;/
　　　　　　　　　　ヽ.{_　_,r;='＿_　　 |　　 /;;;;;;;;;;;i　　ヾ=ｲ
　　　　　　　　　 f´;;;;;､;;;;;;;;;;;;;;;ヽ- ､,_ ﾉ;;;;;;;;;;;;;;;〉　　　　ヽ
　　　　　　　　　　ヽ;r'_￣¨` ヽ､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/___,. --‐‐_,ユ、
　　　　　　　　　　　　/;;;;;￣ヾ;､ｲ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/-一 '´￣　　　＼
　　　　　　　　　〈;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､- '"　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　 i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､- '"　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＼
　　　　　　　　　　　　ヽ:;;;;;;;;_;;､- '´　＿＿＿,. ＜￣＿＿　　　＿＿ヽ
　　　　　　　　　　　　　／　　　／　　　　　　､＿ _ _　　￣｀ｰ-　　　＼

408 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:52:50.19 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　＿..､
　　　　　　　_,.....-‐:.':.:´:.:＼:.:`:.:､ヽ..、、
　　　　　　-=ﾆ二:.:`ｰ..､:.:.:.:.:.!:.:.:.:＼:.:.ヽ:､
　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:.-:.､:.:`:.-.:､:.:.:.:.:!ヽ:.!:!.、
　　　ｰ---:.:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.ヽ:ヽ!:.:!
　　　／:.:.:.:.:.:.;.:._｀`:.:.ｰ-:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.ヽ:.:.i:.::!:.:.i
　　＜-‐:::'::´:.:.:.:.｀.:＞-- ､:.ヽ:.＼:.:.:!:/:/ヽ:.i
　　 /:::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:/　　　　｀ `ｰ､:::: '´　 !::!
　　〉-‐::::‐::::'::.´:/ 　　　　　　　　　　　 !:!
　　　〉::::::::::::::::::.:.:/　　　　　、　　　 ,　.!!,.....--....､
　　＞:::::i´､ヽ:::｢　　､__　　＼　　　/ , ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　／　!:::::i　,'i ヽ! 　　　｀`ヽ.__　ヽ　 !='-.!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:　　　「どうする？殺すか」
'´　 i´!:／､､i 　　　　ｰ---＝>ｰ'　〈` 　 ! ､:::::::::::::::
　　 !'.　　ヽ _.　、　　　　 '´　　`　',　 / 　＼::::::::
　　 ! 　　　　　i 　ヽ　　　　,ﾍ　　〉/　　　　＼::
　　 !　　　 !　　!　　ヽ　　　　＿`_ｰ ' /　　＿＿＿_
　　.!　　　 i　　ヽ、　　　　／:.:.￣:/ / 　 /:::::::::::::::::::
　　ヽ　　　i 　　　｀ヽ、　ゝ、＿,.ﾉ ,'　 ./::::::::::::::::::::::
　　　',　　　!　　　　　｀ヽ　　 --　'/　/::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:::
　　　 ',　　　!　　　　　 /´`ｰ―‐ '′ ＼:::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
へ、　',　　　　　　　　　_.| 　　　　＼:::::::::::::::::::

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　／　　u　　ノ　　＼
　　　　／　　　　 u （●）　　＼　　「あの…、や、やる夫は、場内警備のもので……」
　　　　|　　　　　　　　（__人__）|
　　　＼　　　　u　　　.｀ ⌒／
　　　　ノ　　　　　　　　　　　＼

409 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:53:39.91 ID:lfOPhPko

　　　 /:::　i　..::　i:　　 i　ﾄヽ: :ヽ: :i: : i
　　　 i/::::::!:.:::::!::ﾊヽ.. .ﾄ i＼k＼i..: :i : :i
　　　 N::i:::!;::!:/i:!__ﾘ＼::i"彳ﾂハ::/　 :i
　　　　ヽ|、iヾﾄ弋ラ.　＼￣　/ﾞ": : : i　　　　　　 ,,,,-、
　　　　　　ヽ〉::ヽ　　　|　　　ﾚ: : : : :i　　　　　 /ﾞ:(..)::i
　　　　　　 /::　ﾍ　　　｀＿,,　 //: : : !!:i　　　　　ﾄ;:::::::;ｲ「死骸を隠す時間が惜しい。今は地下牢に閉じ込めておけ」
　　　　　　 i:: : : :::ヽ　ﾞ＝"　／: : : ::i::i:!　　　　ﾊ:(::)/i　　
　　　　　　i::: : : ::::::/ヽ、　　_,i::i: : .://　　　　　i:〉ﾞ';;"ｲ
　　　　　ﾉﾊ: : ::::/／.i ﾞ　'"　i:!: ..::i/　　　　　　i::,-、:/
　　　　　"　i: ://. 　　|　　　　i:.::::/　＼　　　 /i-!::::i--、
￣￣￣|￣ i::/i! 　／i　　　　i:／iヽ　ヽr''"ｆﾄゝi:::::i　　＼

　　　　　//ノ￣￣｀ヽ、// // ////
　　　　　／　´｀ヽ _　 // // //
　　　　 (--/￣ ,　　　｀￣￣￣///
　　　　　(　　...|　 /!
　　　　 (｀ー‐し'ゝL _
　　　　(--‐‐'´}　　　 ;ー------
　　　　　｀ヾ:::-‐'ーｒ‐'"＿
　　　＿／⌒　　⌒＼＿
　／:●））（__人__）（（● ＼　　へぶしっ！！
　 |　　　　　|r┬-|　　　　　|
　＼　　　 `ー'┃ 　　／

410 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:54:18.76 ID:lfOPhPko

. 　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　 /::::/:::::::::::::::/::::ｌ::::ｌ::::l::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　 .'::/:':::::::::::::::/::::::l :::ｌ::::l::::::::::l:::::l::::::::l:::::::::::::::::::::＼::::::__＞
　　ﾚｲl::::l:::::::l:::l::::::∧:::l::::l::::::::::l:::::l::＼:l:::＼::::::::::::::::::::::ﾄ＼
　　 l:::::l::::l:::::::ｌ:::.'::::l‐┼ﾄ,::l::::::::::l:::::l＼::＼:::::＼::::＼:::＼＼
　　 l:::::l::::l:::::::l＼ﾄ::l＿v ヽｌヽ:::::l＼l __＼ﾄ＼:::::＼::::＼::::ト-
　　ヽＮ:::l:::___',　/込)::::}　＼＼|　仆ｲ::::}ヽ.〉:__:::＼ﾄ､V
　　　＼::|.rﾍ＼弋::zv　　　　　弋::zv　//　 }:;へ|
　　　 ∠人　ﾍ　｀ ¨ ´　　 , 　　｀ ¨ ´ ./' ／::l
　　　　　　 '┬ﾍ. 　　　　_　　　　　　, 'イV＼!　　　「……」
　　　　　　　　从::｀ : 、　　`’ 　　 . イ::乂
　　　　　　　,　＜´: :＞　. __ .　＜ : ｀＞､
　　　　　 ,. <　　 : : : : :| 　　　　.| : : : 　　｀>､
　　　　　 /＼＼　　: : : l__　　　 __l: : : 　　／.ｲヽ
　　　　　l　　l.＼＼.　　∧_＿＿_∧　　／／ l　　l
　　　　 rl　　l: l　＼ >く.　 ',.　　 /　 >< ／ .| /　　|
　　　　ﾄ.　　ヽl　　　`‐-ﾆﾆ＼／ﾆﾆ-‐' 　 .ﾚ　 /,ｲ
　　　　 |.ヽヽ : |　　　　　＼>'='<／ ,.===､　l　 // l
　　　　l　　　 l　　　　　 /.:.o.:./＼{{　<　}} ｌ〃　l
　　　 ,.ｲ　　　　ｌ.　　　〈.:.:.:.:./.:.:.:.:.>==='　l/　　 .ﾄ、

411 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:55:00.25 ID:lfOPhPko

／ || || || ,／ .|| |;　:　"　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　;　 : 　 ;:ﾞ:　;";ﾞ|; ; :: 　: :;:　;": :"#
| |l || ||,／|| || || |; ::ﾞ .:;　 : 　 ;:ﾞ: :; ; ;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　ﾞ;　 |:　: 　;; |＼　::　ﾞ::
| |l ||,／|| || || || |　;　 : 　 ;:ﾞ:#　;": :; 　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　 |　::　　 | ||.＼ ; ;"
| |l／.|| || || || || |;　:　"　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　;　 : 　 ;:ﾞ:　;"ﾞ;|　;; "　.| || || ＼ ;
／..|| || || || || || |　;;:　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; ﾞ|;; ;　ﾞ　＼ || || |
| || || || || || || || |; ::ﾞ .:;　 : 　 ;:ﾞ: :; ; ;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　ﾞ;　 |: :　; ; ":　＼.|| |;
| || || || || || || || |;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :;:　;": :; 　;　;:: .: 　"　;; ﾞ:::|　::　;　::;　.; ﾞ＼! :
| || || || |ﾚ|| || || |　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　# |;;";;ﾞ　;;　"　::　;　::
| || || |ﾚ|ﾚ|| || || |　;;:　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; ﾞ|　::　;: :;:　;": :;　; ;
| || |ﾚ|ﾚ||_|| || || |;;　:　 " ;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　;　 : ": :; 　ﾞ;　|:: :;:　　::　;
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ﾚ||_|| || || || ||　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :;:　;　;; ":
|_|| || || || ||　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :;:: :; 　;

412 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:55:21.82 ID:lfOPhPko

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__./
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..::..:|
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:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　　　　＼: . :::|
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ノ　　ヽ､_　　　.ヽ.:: |　「何もできないうちに捕まっちゃったお……
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;oﾟ（●）) (（ ●）)ﾟo　..ヽ|　　助けも求められないし、最悪だお……」
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| （__人__）'　　　　　　i:|
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼_｀⌒´　　　 .⌒ゞ'´|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::~'/⌒/⌒/　/　|::::|
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::（つ/＿/　/＼.|::::|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::（＿＿＿_/　　.ヽ::|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;/　/　＼　 ._丿|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::(_＿(_＿_）::￣: :: .:|
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413 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/29(水) 21:55:28.50 ID:JWDYk1go

おっ、何か独自路線になってきたな。気になるワクワク。

414 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:56:09.83 ID:lfOPhPko

:.: ...: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.: ...: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:.: ...: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.: ...: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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::::::::.....: .. : ,r'´.　　　｀ヽ: .. ......:..:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::.:: .: ..: :'　..:.　　　　　ﾞ; :... ...:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::.: ..: :.　::..　　　　　　 .: :. .:.::......:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::.......: ..: :ヽ　::::...　.....　,.': :.. :. :............::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::.::::. ::.. :..:. :` ｰ- ‐ ''"... ... ..: :..:.::::.::::::.:::::.::::::.:::::::.::::::.:::::.::::::.:::::::.::::::.:::::.
:::::: :::::: :::::: :::::: ... ... .... :::::: :::::: :::::: :::::: :::::: :::::: :::::: :::::: :::::: :::::: ::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

　　コックリ　＿＿＿
　　　　　　／　　　＼　コックリ
　　　　　／　　─　　 ─　ｚｚｚ
　　　／　　（ー）　（ー）＼
　　　 |　　　　　（__人__）　 |　　　深夜、やる夫が壁に寄りかかって寝ていると、
　　　＼. ＿　　　｀ ⌒´　／　　　階段のほうから足音が聞こえた。
　　　　／　＼　　　　　＼
　　　 |　　　　＼, -‐- 、-‐- 、
　　　 |＼　　　　＼.　　（"￣ .入
　　　　|　　＼　　　　" ￣￣￣　　）
　　　　|　　／＼,,＿＿＿＿＿__人
　　　 |　　　　　　／＼　　　＼　＼
　　　　ヽ,_＿＿_／;__＿＼　　　＼,,_ ＼,,__
　　　　　　　　　　　　　　（＿＿＿＿__）＿__）

415 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:56:42.84 ID:lfOPhPko

　　　　｀ﾉ　}｀¨´､　　　　　　／　ヽ}⌒ヽ: : ﾊV 　　.「ねぇ、キミ、おきてる？」
　　　　　｀　．　 ‐-　　／　　 i: : : : : :ﾊV '´　
　　　　　　　＞‐-‐''´ |ヽ､　　 l: : : : :.ﾊV

　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　／　　─　　 ─＼
　　　　　　　／　　（●）　（ー）＼　「……ん？」
　　　　　　　|　　　　（__人__）　　 |
　　　　　　　＼　　　｀ ⌒´ 　 ,／

416 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:57:33.58 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　＿
　　　　　／,r'⌒
.　　　　／: / ／/⌒
　　　　 {.:.:./ /: /　,r======ｘ
.　　　＼ヽ{:./／: : : : : : : : : : ｀　．
　　　　／｀┘´: : : : : : : : : : : : : : : : ＼
.　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .',
　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
.　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : : : : :＼
　　i: : : : : : :/: i:.:.|: ヽ: : : : :. :.i: : ､: :＼: : : ﾄ､;≧=‐
　 /,: :/: :/:/: /|: :ﾄ､: :.＼:.:. :.:.|: ＼＼ヽ}:.:.:.＼　　　「さっきはごめん……びっくりしちゃって……つい……」
. /ｲ /: : :V＼{ |: :l　＼: :{＼.斗､: : ヽﾄ､}: : :＼＼
/' .|:{: : : /=ミｘ､ヽ{　　ﾍ孑==ｷz.＼:.', 〉}:.:.:.lヽ}⌒ヽ
　从: : :ﾊ了ｈx､　＼　f千示了　 }ﾍ} /{＼|　　
　　　＼{ }∧',寸}　　　ヽ込ﾋｿ　,ﾊ''´＼ﾄ-==＝
　　　　｀ﾉ　}｀¨´､　　　　　　／　ヽ}⌒ヽ: : ﾊV .
　　　　　｀　．　 ‐-　　／　　 i: : : : : :ﾊV '´　
　　　　　　　＞‐-‐''´ |ヽ､　　 l: : : : :.ﾊV

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼（ ;;;;(
　／　　＿ノ　ヽ__＼) ;;;;)
／　　（─）　（─ /;;／
|　　　　（__人__） l;;,´　　　「もういいお、やる夫は怒ってないお」
./　　　　 ∩ ノ)━・'／
(　＼　／＿ノ´.|　 |
.＼　 " 　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

417 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:58:13.92 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ｲ　 ,..-,. =-
　　　　　　　　　　　　　　　（:.:i　/:／＿
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:V:/ ´:.:.:.:.:｀`ヽ､
　　　　　　　　　　　　　 ,..:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..ヽ
　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　 ./:.:;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､:.ヽ:.:.:.::.:.:.:.ヽ.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　 !:.:.i:.:.:.l:.:.:.:i:.l:.:.ﾄ:.:ヽ:.:ヽ:.:.ヽ:.:.:.ヽ:.:.:!
　　　　　　　　　　　l:.:.:.!:.:.:.l:.:.:.ﾊ:!､:i ヽヽ >-‐-:ヽ:.:.:ヽ:.:!
　　　　　　　　　　　.!:.:.l:.:.:.:ﾄ:.:.レ-　　　　 ,.r=ﾐ､ヽ:.:.:.ﾄl
　　　　　　　　　　　､:.:l:.:.:.:lX:.l,r.=ﾐ.　　　'.!:::::::!.' l 〉::.:!　　「ありがとう。食事は夜に持ってくるからね」
　　　　　　　　　　　ヾﾄ:.:.:.:l､ !（::::::j.　　　 ` ."　i':.lﾚ'
　　　　　　　　　　　　　　ヽ:.:lヽ. ` ´　._,｀-r　　ｲﾙ
　　　　　　　　　　　　　　　　二ゝ､ _　 `-'　／
　　　　　　　　　　　　　r' ´　　　.＼　￣ lj　）`ヽ､
　　　　　　　　　　　　 .l　ヽ、, -‐' ´ ヽ､》_,　<　　　.｀ヽ
　　　　　　　　　　　　 i　　 `f: : : : : : :〃: : : :.＼　／　!
　　　　　　　　　　　　 !　　　! : : : : : 〃: : : : : : /´　　/
　　　　　　　　　　　　!　　　.!: : : : : :〃 : : : : : /　　 ./
　　　　　　　　　　　 .i　　　 !: : : : : 〃 : : : : : /　　 /

418 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 21:58:47.90 ID:lfOPhPko

　　　　　＿＿＿_
　　　　／⌒　　⌒＼
　　　／（＞）　（＜）＼
　／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼　　「シッシッシ。ありがてぇお！
　 |　　　　/| | | | |　　　　　|
　＼　 (、`ー―'´,　　　／
　　　　　￣￣￣
　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼
／　　（●）　（●）＼
|　　　　（__人__）　　 |　　……四郎は女の子だったんだお」
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　＼　／＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

419 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 22:00:43.97 ID:lfOPhPko

　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:／:.;ｨ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　 /　,.ｨ:.:.,r‐y:.:.:.:.:.:フ ‐- ､/:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ　「うん、そう……。
　　　 ./／./:.:.:! /:.／r‐,-,..､　 /:..:.〃:/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l
　　　　　 !:.;ｲ:! lイ　 /ｰ':::::〉/／ /ｲ　lヽ/!:.:.:.:l:.:.:l 　　ボクは生まれたときからずっと、
　　　　　 l:./ !:.`ｰ､　　ヽ､:ノ　　　　, = ﾚ_ ヽ:.:.:.i:.:.i
　　　　　　　 !:.:ﾊ:.ﾊ　　　　　　　 /-':/ .//:.:.:/:./ 　　　救世主になるように育てられてきたんだ。
　　　　　　　 ∨r- ﾉヽ　　　　　'　`ｰ' ,/ｲ:.:.,.ｲ:/　　　 _
　　,r'"´￣＼ /r､｀ヾヽ、` - 　　_.ノ /／〃　　　 //
　./: : : :r'"￣　＼ `!　　 lヽ‐=、´　　　　　　　　　く`'　Z
. /: : : : :!　､　　ヽ　　 l「　 .l_／:｀ヽ、　　　　 r//／´｀ヽ　　いずれくる蜂起の時まで潜伏して、
. !: : : : : l　､ヽ　　　　＼.ヾ!　 > '"´ ヽ:ヽ　　　　 i//　 _, -.､L 　　　　　　・・・・
　!: : : : : :! 　ヾ, -──-｀.lﾋ´_　　 ./　ヽ:ヽ　　〉'"　　　　　〉　みなをぱらいそ（楽園）に
　ヽ : : : : l　　〈　　　＿＿ヾ　｀ヽ､l´　 .l: : !　　r'/l`ｰf´￣　 .l
　ヽ: : : : :l　　 ! "´　　　　.ヾ-─-ヽ　ヽ: :i　　｀ .l､　〉─　.r' 　　導く役割を担う」
　　ヽ: : : : ヽ　　l_ -‐'" .` ｰ‐l !-- ､_ !　 .ヽ:ヽ　 _,ｲヽ `ｰ- /!
　　 !: : : : : !　　i＿,　-‐-- ､l !＿　　.i　　ヽ:ヽ .l　!　`ｰ-‐' ﾉ
　　　i: : : : : l　　 i　　　　　　 l !　　｀` !　　ヽ: :y'　ヽ＿ノ〉
　　　ヽ: : : : :l　　l￣￣￣￣ l !￣｀ /　　 ∨　　　　　　./
　　　　l: : : : : !　　ヽ　　　　　 !l　　　i　　　ノ　　　　　　 !
　　　　l: : : : : :i　　 !　　　　　l !　　 i　　.f　　　　　　　 !
　　　 !: : : : : :i　　 .!　　　　　!l　　　ヽ　　　　　　　　ﾉ

　　　　　　　　　　＿＿＿　　　━┓
　　　　　　　　　／　―　　＼　 ┏┛
　　　　　　　／　　(●)　＼ヽ・
　　　　　　/　　（⌒　　(●) /
　　　　　 /　　　￣ヽ__）／　「ぱらいそ？」
.　　　　／´　　　　　_＿_／
　　　　|　　　　　　＼
　　　　|　　　　　　　　|

420 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/04/29(水) 22:02:49.94 ID:Lbgijp.0

葉隠うどん知ってるかい？

一応、葉隠れの子孫にあたるんだけど、、

421 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 22:02:50.34 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ　／ｿ.ノ
　　　　　　　　　　　　 ,　'::::::::::::::::::{　 {/ ／　　　｀　､
　　　　　　　　　　∠'´::::::::::_::,::─-ヽ.v /..- _..........　　＼
.　　　　　　　　 , '／:::::::／::::／:,:: :::...　　　､　` ､　　....　 ',
　　　　　　　　//:::::::／: ::／:::/.:::::.....　　.　＼　＼　　... ﾍ
　　　　　　　 //::／:　 .:/::::::/:::::::......　　....　　 `､　ヽ　　.....',
.　　　　　　 //::/:::　 .::/:::::/:::::::: !.....　{　.....　　....!...　 `､　　..',
　　　　　　//:::,'::::　.::/:::::/,'::::::::::i.......　!　......　　..|.... .　 ',　　...i
　　　　　 ,' }..::}:::::　::,':::::/ ﾘ::::::/ |,.....　{､`,......　　i....... ..　',　　',.', 　　「まりあ様の教えでね、
　　　　　 | i..::!::::　:::}:::::,'/ }::::∧ |ﾍ....　!ﾍ!'､...　　!........ ..　i　　i...!
　　　　　 | |..,',:::!..::::|:::::ト-|::::廴',i ',ヽ.. |　 __ﾄ､込､ .... ..　i 　 {!.| 　　ぜうす様のために戦った戦士は、
　　　　　 | |.:|ﾄ::|..::::!::::汀弐仆ﾐ､! ', ヾ{　´≠,=心､}...... ..　|　ﾊ.!
　　　　　 ',ﾍi|:､:i.::::ｨ:_!{ kぇｨV　　　　　　仟,壬:} l〉!.... .　ﾊ　,}/　　すべからく
　　　　　　　|{:!',|::::､!}`rゝ- ´　　　　　　　弋__ﾂ.　/ !.... / }/,'´
　　　　　／...',..',::::{:|}　! ',ﾟ:::: 　　　,　　　　::::。:::::/_,y... ,' ﾉ　　　　　ぱらいそにたどり着けるんだって。
.　　　／ .............,ヾ!} i　!　t.　　　　　　　　　　　/´|::i.../´ ＼
　　／.......＼／　 /| '　}　ゝ､,　　-　　　　 ,./ |/|/|,'－､_　＼　　　キミは神様を信じないの？」
　/ .............／＼／', ､丶ヽ　　　＼　　　　,イ:/　 i　i. `　､　＼　＼
. {｀` ､-／　／` ......＼　　　　　　　ャ'..:´..／　　//　　　　＼,　ﾍ　`､
　!. .（　＼ﾄ´...........､　 /＼__　　　　　}斗´　　　/ﾄ､　　　　　　ﾍ　',　 }
　',... . ヽ(　＼...........',/::::::r-}二二_　,'　　　　／/　＼　　　　　　',　',/
　〉... . |　｀!､＼',. /: : :::}　　　　　`t､_,≠´::,'´　: : : ヽ　　/　　 }-/
. /,. . 　}　　}　`､`､{: : ry,＿　　　　　/:: : :/　. : : 　 .　',　/_z-ﾒ,}/
　ヽ＼ i　　i...........`t_..//￣,-､`ｰ-_≠:: : / . : : 　 . : , 斗-´/´/ ||
　　!　`!､.　i ... ..........!'/　 /　　`　　ヽ-. ,': : :　　 : : /ｰ'／´　/　||
　　',-ﾒ､.`ト､ ..........//　 /　　　　　 {: :/: : : : : : :　/　　　　 /.　,

422 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/29(水) 22:03:10.37 ID:ezgK0OYo

なんか某少女マンガみたいだな。

423 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 22:03:52.12 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　／　─　　 ─　＼
　　　　／　（●）　（●）　＼
　　　　|　　　（__人__）　　　 |　　「やる夫はあんまり。じーちゃんが云ってたお……」
　　　　＼　　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　　　 /⌒ヽ　　ー‐ 　　ｨヽ
　　　/ 　　　　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　　/　　／　r─--⊃、　|
　　　|　ヽ,.ｲ　　｀二ﾆﾆうヽ.　|

424 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 22:04:32.49 ID:lfOPhPko

425 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 22:05:31.77 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿__
　　　　　　　　　　　　　 /| ／::〃￣￣
　　　　　　　　　　　 /::|/:::::/ ＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　ヽ:ヾ::/￣:::::::::::::::::::::::::::｀丶､
　　　　　　　　　　　　／￣｀ ´:::::::::::::::::::::::::::::::::､:::::::::＼
　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶､::＼:::::::＼
　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::＼__｀丶､:＼
　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::＼::＼::::::::::::＼￣￣__＼
　　　　　　　　　 |::::::::::::|::::|::::l:::|:::::|＼:::::::::＼::＼::::::::ヽ＼:::＼￣
　　　　　　　　　 |::l:::::::::|::::|::::|､ヽ:::|　 ,＞─‐＼‐､ヽ__|＼|ヽ￣
　　　　　　　　　 |::l:::::::::|::::|ヽ| _､ヽ|／　＼,.ｚ==､＼{_r'ヽ::::＼＼
　　　　　　　　　 |ハ:::::::ﾚ'l|￣　｀ヾゝ　　≠う:::ﾘ|ゝl| 〉）/:￣ヽ￣
　　　　　　　　　　　ヾ:::|ヽｲラ沁　　　　ヽ三=' 　 r'／ヽ￣￣　　　「そう……」
　　　　　　　　　ヽﾄ､ヽヽV::ﾉ　　　　　　　　　〈::::|￣
　　　　　　　　　　　　　｀ヽ　　　 '　　　　　　/ |V ＿＿
　　　　　　　　　　　　　｀､　　　　 c　　／／￣: : : :/
　　　　　　　　　　　　　　｀＞‐--- ＜／__,＜￣￣＼

..　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　―　　-＼
.　　.　／　（ー）　（ー）
　　／　　　　（__人__）　＼　　「やる夫はじーちゃんにいろんなことを教えてもらったお。
　　|　　　　　　｀ ⌒´　　　|　　だから、じーちゃんの言うことは、やる夫のすべてだお」
.　　＼　　　　　　　　　／
.　　　ノ　　　　　　　　　＼
　／´　　　　　　　　　　　ヽ

426 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 22:06:19.02 ID:lfOPhPko

　　　　　　 / ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : ゝ
.　　　　　 / :::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::ｲ::::i::::::::::::::::::::::::. .'
　　　　　　/:/:::::::::::::::::::::::::::::/∠ /__/:::/:::::::ｌ::::l:::::::::::::. '
　　　　　ノ:/:::::::/ ::::::::::∠イム∠_ /／::／/l::/|:l:::::::::::. l
　　　＜:／ ::::::/::::::::::::::l　 /.ん:::ﾊ Y ／　　.l/ ﾅl::::::: . /
　　　 -―z:::::/::::::::∧:::l 　弋c:ソ　　　　　ｨ:うY ７::: /　　　　「ボクと同じだね。
　　　　　 ∠/:::::::∧ }ヽl　 xxx　　　　　　,　ヒﾉ '/::Ⅳ
　　　　 ∠ﾍ:::::::＼　)　　　　　┌―‐-　ｘｘ｀ ,∨　　　　　　……今日はありがとう。
　　　　　　　/:/:::::::::`ーﾍ　　　　ｌ.　　∨　　ﾉ
　　　　　　　　从v:::::::| ＼　　　ヽ　／　. イ　　　　　　　　　また、話をしに来てもいいかな？」
　　　　　　　　　　　　ﾚj　　＞　..__. 　 '´
.　　　　　　　 __／ `く　　　　 |V
　　　　　r―t＜　　　＼　　ﾄ､＼
　　　／￣＼: :＼: : : : : : : ＼-､　　>､｀　､
.　　 /　　　　 l＼ :＼: : : : : : : ＼＿＿.〉: : : ＞､

　　　　　　　　　　　　／）
　　　　　　　　　　　／／／）
　　　　　　　　　／,.=ﾞ''"／　　　　　　　　　　　　　　人人人人人人人人人人人人
　　　／　　　　 i f　,.r='"-‐'つ＿＿＿_　　　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　/　　　　　 /　　　_,.-‐'~／⌒　　⌒＼　　　　＜　　　　どうぞどうぞ、だお　　　＞
　　　　／　　,i　　　,二ﾆ⊃（ ●）.　（●）＼　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　/　　　ﾉ　　　 ilﾞフ::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼　　YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
　　　　　　,ｲ｢ﾄ､　　,!,!|　　　　　|r┬-|　　　　　|
　　　　　/　iﾄヾヽ_/ｨ"＼　　　 `ー'´ 　　／

427 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 22:07:34.14 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|＞　　　
　　　　　　　 ,. -.､　　　　　　　　　　　　　　　 γヽ　 l>　　　　　　　　　　　　　-.､
　　　　／':':':':':`.､　　　　　　　　　　　　にiｺ,､∧　　　　　　　　　　　／':':':':':ヽ、‐-.､
　　　　_ノ':':':':':':':':':':': ｰ､　　　　　　　　　　　　A ｌ/ヽrﾍ!lll＿　 _　　　　_,...-‐':':':':':':':':':':':':':':':':':
　　..:'´':':':':':':':':':':':':'_,. -‐:.'´`ヽ　　　_　　　 ...､iＹ´｀ﾆｌllヽ^i Yl　':':':ヽー:.'':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':
-‐'':':':':':':':':':':':':':':':´':':':':':':':':':':':ﾞﾞー':':':.｀　　|:!:::､＼}ｌ:Π::ｰ'ｒ-ﾍ,､　　｀
　　　...　　.:.　　　　..:::　　　　　　　　 i:::/:::::､:::::ヽ::::::::::lﾆl=|　　　　::　　　　..:　　　..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈二〈ﾆﾆﾆl」ー-'ﾆﾆﾆﾆｌ
　　　　..:..　　　　　　　　　　　　　　　 i:::::/:::::::::iｌ::::::￣:::i!:::i:::ｌ:::|　　　　
　　　　　　　　　..:　　　　　　　　　 /:::/::ｨ::::::i::::::::::::::::::l:::::､::i::|_　　
　　　　　　　　　　　　　　　　▲＿_ ∧==〈〈;;ｌ:::/:::γヽ::(;;''):::〈::|-､
　　　　　　　　　　　　　　　　／l　　 l＼＿ll二 '''ー| 「ﾆﾆﾆﾆﾆﾆl^l-' i　　　　　　..:.
　　　 .:::::::..........　　　　 ▲ｌﾍﾆヽ　 :＼ll ﾍﾆヽ||＿.| ﾍﾆヽ,-､,-､l :l　 l＼▲_
　　　　　　　　　　　　　/ll＼ー'　ﾍﾆヽﾍﾆヽ　ﾍﾆヽﾍﾆヽ'　ﾍﾆヽﾍﾆヽ /i _　ヽ
　　　　　　　　　　/ /||　＼▲ー'　ー'　 ▲‐'　ー' 　 ▲ ＿_ ▲' /　　ヽ　＼　　　　　..:
　　　　　　　　　　　／／:.:.＼　 i　ｌ￣￣￣￣l　ｌ￣￣￣￣l　ｌ　　.l　i/　　　//　/ｌ､　::.
　　　　　　　　 ,<　〈:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｿ/ヽ二ヽ――ｌ__!――――ｌ__!―‐ ｌ__! /二/ヽ.／/::::ヽ
　　　　　　　　　ｒ〉＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ |__|＿::l＿＿＿＿_く二二ゝ＿＿＿＿_|￣O|　／::::::::::: ｰ- ､
　　　　　 ,.　-‐':::::＼二二二二二|　　:|:l二二二二二|　 :|:l二二二二二iー‐i::::::::ヽ:::::::::::::
_,.　-‐'' ~::::::::::_,.-‐'::::::::/:::::::::::::::/::|　　:|ﾉ::::::ﾉ::::::::::::: : |　 :|ｿ::::::::i::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::ｰ-､:::::
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時は１２月９日、鍋島の軍勢は有馬村に到着している。
翌日には、総かがり（総攻撃）の下知がくることになるはずである。

やる夫が葉隠武士になるようです　　第５話　『武士と信仰』　了

428 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 22:09:16.73 ID:lfOPhPko

やる夫　　　　　　　佐賀の浪人。　　　（パー速でやる夫）
中野やらない夫　　没落した下級武士　　（パー速でやらない夫）
斎藤杢之助　　　　常に死人たらんとする浪人　（赤木しげる『アカギ』）
お勇　　　　　　　　耕作の娘。杢之助に惚れる　　（翠星石『ローゼンメイデン』）
耕作　　　　　　　　杢之助の支援者　　（桜田ジュン『ローゼンメイデン』）
やる夫の犬　　　　やる夫につきそう　　（シロ『クレヨン信ちゃん』）
鍋島勝茂　　　　　初代佐賀藩主　　（キョン『涼宮ハルヒの憂鬱』）
多久美作守　　　　佐賀藩家老　　（利根川『賭博黙示録カイジ』）

徳川家光　　　　　３代将軍　　（ナナリー『コードギアス―反逆のルルーシュ―』）
松平信綱　　　　　知恵伊豆の異名を持つ老中　　（ルルーシュ『コードギアス―反逆のルルーシュ―』）
板倉重昌　　　　　幕府軍の上使　　　（藤堂鏡志郎『コードギアス―反逆のルルーシュ―』）
松倉勝家　　　　　島原藩主　　（でっていう『ヨッシー』）

天草四郎　　　　　一揆の頭領　　（菊地真『ＴＨＥ　ＩＤＯＬＭ＠ＳＴＥＲ』）
森宗意軒　　　　　旧小西家の武将　　（草薙素子『攻殻機動隊Ｓ．Ａ．Ｃ．』）
下げ針金作　　　　鉄砲の名手　　（サイトー『攻殻機動隊Ｓ．Ａ．Ｃ．』）

やる夫の祖父　　？？？？　　（オプーナ）

阿部さん　　　　　　葉隠の解説　　　（阿部高和『くそみそテクニック』）

原作　
『葉隠』　山本常朝・田代陣基
『死ぬことと見つけたり』　隆慶一郎

429 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/29(水) 22:11:20.19 ID:JWDYk1go

お疲れ様です。
そうか、決戦は次回に持ち越しか。期待してます。
今回は決戦前夜といった感じでこれはこれでよかったですね。

430 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/29(水) 22:17:01.95 ID:qBFvblwo

乙ですた。

431 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/29(水) 22:21:08.38 ID:ezgK0OYo

乙でした

432 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 22:21:43.64 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　,r/
　　　　　　　　　　.//　　＿＿　　　　_
　　　　,r'"二`ヽ､ l/‐'"´:.:.:.:.:.:.:｀`ァ ´r｀i
　　　　　　 ,..-::`ヽ!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..｀`く　 /　 l 　　　　人物紹介　　第４回　天草四郎時貞（菊地真)
　　　　　 ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ、 !ヽ
　 r=二￣｀/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V:.:.:i 　　　歴史上の人物が男性だったのが実は女性だった、という説は
　ヽ、　｀V:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.!:.:.:.! 　　
　　　ヽ､.ﾉ:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.ﾄ:.:,:.ｨ:‐=:.:.:.:.:.:l:.:.:.:! 　　意外とゴロゴロしておりまして。
　　　　 l:.:.:.:.:.:.:i:.:lヽ＿:.:.:.:.:i´ヾlｫ=-i､:.:,r-､:.:!
　　　　 !:.:.:.:.:.:.:.ｲ´_ヾ_:ヾ､:.ヽ. ｲ:::::ﾟ:l V　} l/-┐ 　上杉謙信とか、安徳天皇とか。
　　　　 lﾊ:ヽ:.:.:.:.ﾄ.f !:::ﾟヾ　｀`　.ゞ‐''　 rソ. . . .!__
　　　　　ヽ:.ヽ:.:.:ヽゞ-''　　!　　""" ,ｲ ,.-‐ r' ,rヽ__ 　いずれも与太話を超えるものではありますが、
　　　　　　ヾ!` ｰヽ"""　.r_‐_つ　./: :!: . . l^Y f´.,-ヽ、
　　　　　　　!´　　 : .`ｰ-　.＿__ .イ : : l: : . .ヽ`ﾍ_ﾊ_r　! 　歴史の面白い部分でもあります。
　　　　　　　ヽ　　 -─: .l: : : :＼/-‐〈: : : 　.f:ヽ、 / .ﾉ
　　　　　　　　 !　　　: . ´ ヽイ´::::::::::_:」.: :!,r:':::__/　　.! 　で、資料をよんでいますと、本当に都合のいいときに
　　　　　　　　 ` t-､　. :ヽ: :└‐: '"´: : : : ゞr'"/　　 !
　　　　　　　　　 .l:::ヽ､_　ヽ、: : : : : : : : : : 」´!　　　/ 　　美少年が現れて、一揆の首領となっちゃうんですよね。
　　　　　　　　　　!:::::::::::｀ｰ‐‐ヽ＿__,: :-‐'": !　　　./｀` ｰ-､
　　　　　　　　　　 `ｰ- ､＿;:-''"ヽ: : : : : :_,: :!＿_ノ｀ヽ::::::::::::｀ヽ、　だから、ちょっと脚色してみようかな、と。
　　　　　　　　　　　 ,.::´,r !＿,. イ: : -‐'": :　:　:　:　: └､:-:､:::::::::l
　　　　　　　　　　／::::〈　/ .!　　ヽ: : : :　:　:　:　:　:　.　ﾉ::::::::｀ヽ､l 　四郎って、偶像でしかないです。
　　　　　　　　 /::::::::r‐' i : : !　　ヽ:　:　:　:　:　:　:　.　｀l::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　/:::::::::く: : :l : : ヽ　　ヽ:　:　:　:　:　:　.　._ノ::::::::::::::::::::l 　でも、島原の切支丹にとっては、
　　　　　　　 !:::::::::::f　: :l : : : :ヽ　ヽ:　:　:　:　:　.　　）ヽ::::::::::::::::::::!
　　　　　　　　!:::::::::::ゝｧヽ　: : :.ヽ　ヽ:　:　:　.　　　〈:::::::＼::::::::::::/ 　自分の頭上にあがめたてまつる存在を欲したわけです。
　　　　　　　　l:::::::/´:（　　　　　 :ヽ　ヽ　　　　　　　）::::::::::ヽ::::ノ
　　　　　　　　ヽ:/::::::::::ヽ､_　　　 /　　ヽ　　　　_fｰ'"::::::::::::::::::く　　この戦いはそういう意味では書きやすいシナリオでした。
　　　　　　　　 ./::::::::::::::::::::::〉　 f !.// ./.l　　 _r':::::::::::::::::::::::::::::::::〉
　　　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::i`ｰ-`|〈.ヽﾉ‐^ｰ'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ
　　　　　　　　　　＼:::::::::::::i::::::::::::｀｀´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　　`ヽ､_:i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　 .l ヽ､::::::::::::::::::::::::::::::::::_::;::- r''"
　　　　　　　　　　　　　　 .!　　｀7 ｰ--─''"´ .l　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　 l　　　!　　　　　　　 l　　　 !
　　　　　　　　　　　　　　 l　　 .!　　　　　　　 l　　　l
　　　　　　　　　　　　　　 l　　 i　　　　　　　　 !　　 i

433 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 22:29:05.16 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　 /:l　,..-.‐-､
　　　　　　　　　　　　〈:.:l/:／￣｀`
　　　　　　　　　　　　　_ヽl/-:.─:.-...､_
　　　　　　　　　　,..:'"´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ、
　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ヽ:.:.:ヽ　　ゲームとしての『ＴＨＥ　ＩＤＯＬＭ＠ＳＴＥＲ』も＞１は大好きです。
　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.ヽ:.:.:.ヽ
　　　　　　 ./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.iv､:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.ヽ:.:.:.ヽ　このゲームの面白いところは、自分の嫁がいるじゃないですか。
　　　　　　 !:.:.:.:.!:.:.:/:.;ｲ:.i:.:.:l´ヽ:.:.ヽ:.:.,,r彡:.:.:i:.:..:.:.i
　　　　　　l:.:.:.:.:l:.:.:.!:.:i !:ハ:.:!　　☆彡'":.:!:.:.:.:l:.:.:.:.:i　　ところが、遊んでいくに従って、
　　　　　　l:.:.:.:.:.!:.:.l:.:.! !l__ヽ:!　　　,ゞ--:.､i:.:..:l:.:.:.:.:.:!
　　　　　　 !:.:.:.:.:!:.:!:.:'" ＿ `　　　　＿ヽ､!:.:.!:.:.:.:ﾙ　　萌が萌でなくなってくる。
　　　　　 !:.､...:ヽ! /´!ｲ::l`　　　〃￣ヾﾙ'l:.:.:/
　　　　　ヾ!ヽ:..ﾊ`　ゞ‐'　　 ,　　 """　l..イｿ　, -、　　だんだんと娘の成長を見て喜ぶ、いわば親心みたいなのが
　　　　　　r‐ r-､:`ｰヽ""" 　　　　　 /:./ /`/　/
　　　　　　＼＼＼ﾊlヽ、　 ` ｰ　´　, ｲ:ﾙ' / /　/ 　　自分の中に生まれてくるんですお。
　　　　　　　＼＼＼ﾙ:.r‐､.　＿ .イヽﾘ　/ /　/
　　　　　　　　　＼ヽ,r‐､l　 lｰ-､_,- !　.ﾄ‐'‐'‐､/ 　　　　四郎役では男装した女性が必要ですので、
　　　　　　　　　　_/´ヽ、!ヽ l 　 ∪　!　l. l´￣｀lｰ-.-.､
　　　　　　　 ,r.:'"〈 .ゝ､_ﾘ　　! 　 ll 　|　ヽ_Y´ ./　／ :ヽ　アイマスの少年少女と呼ばれたまこりんで決まりです。
　　　　　 /:ヽ　∧　｀ヽ. /`: ｰll‐'"ヽ　/　　ﾄ,､/ 　 : :l
　　　　　　〈: :　ヽ.lヾl_　　_lﾘ: : : ll: : : f`!　 _／: l、　　: :l 　それと、もうひとつだけ……
　　　　　　/:　　 /l､: : ￣ : j、: : ll: : : : 〉￣: : : :ノ`!　　: :l
　　　　　　l: :　　l　 `ｰ-‐'"丿_:_:ll_:_:_:_:!`ｰ--'" 　ヽ　: :/
　　　　　〈: :　 ,ｲ.　　　　/j______ll______｀!､　　　　 ! ヽ/
　　　　　　!:　 / i. 　　 /ｲ______.ll________ヽ、　　　　ﾊ　:.!
　　　　 !:　/　 !　　　'　l_______ll__________!ヽ　　　　 iヾ:ヽ
　　　　　/: ﾊ　　　　　　,ｲ: : : : :ll : : : : : : i　　　　　　ヽ:.!
　　　　 ∨　!　　　　 / l : : : : ll: : : : : : : `!、　　　　　 i:.l
　　　　　 l:　　　　　　 / : : : : ll: : : : : : : : :l｀　　　　　ヽ!

434 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 22:30:31.59 ID:lfOPhPko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r:.,=-　,..-─-_.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:/　／:.／￣　＿　　＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r-..､ _　l:.:.l　/:.:/ ,..-‐':´: : :l‐'´:.:.:.:.:._｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : : : : :`:＼ヽ!/／ : : : : : : : l:.／￣彡:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　,..-‐:':l : : : : : : : f :l: f: : : : : : : : : : :l ヽ、 .ミ:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　〈:.:.ミ´ l: : : : : : : : >-,ｰヽ: : : : : : : : /､:.:.:` ﾐ:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　＼:.ﾐ L:＿: : :／　/:.:.__:.ヽ､:＿_:_:/:.:..＼:.:.:.ヽ:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼r‐,､_ ／　／／　ﾉ : : : : : : ＼:.:.:.:ヽ:.:.:.l:.:.:!
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./ / ／ ).ィ／　／:.ヽ: : _ -‐￣、:ヽ:ヽ:.:.lヽ:l
　　　　　　　　　　　　　　　　__/　`'ゝイ｀ヽ´ ／__ヽ:.:.:!`´　　,, =､ヽ:.:.:!.ヽ:l
　　　　　　　　　　　　　　／　｀ヽ､　　ヽ ,r'´!´　　ヽ:.l　　ｲﾋ:::l l ＼:.l:.:.l:l
　　　　　　　　　　　　／　　　　 ,r‐＜:_:ヾ　,,r=＝　　,　　ｰ‐''　.ﾚヽ!:/ﾘ
　　　　　　　　　　　　 >ヽ、　　　 /-､　　　`ヽ、　　 ,.　-─┐　　ハ､／｀ヽ
　　　　　　　　　　　／: : : :ヽ､ .／: : └-.､_　　ヽ　ヽ、　丿 .／　　　　　 l
　　　　　　　　　／: : : : : ／`´: : : : : : : : : :）　　ヽ、　＿_ イ　　　　　　　/` ｰ-､
　　　　　　　　　!: : : : : ／￣｀: : : : : : : : : :f　　　　　!‐--ゝ,. -‐- ､　　　 /: : : : : : l
　　　　　　　　　ヽ_: : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ､＿　　ヽ　/　,. -‐- ヽ　　＼: : : : : :l
　　　　　　　　　　　￣｀`　ｰi: : : : : : : : : : : : : : : :）　　ﾉ: l /　　(⌒) l　　　　ヽ: : : : l
　　　　　　　　　　　　　　ヽ: : : : : : : : : : : : （　　　　l: :l　　　! l ﾉ　　　　/: : : : l
　　 , .-─-. ､　　　　　　　　__ ＼: : : : : : : :_; :-'＼　　　l: : `.ｰ--'"! l　　／: : : : ;〈
　／: : : : : : : :｀ヽ、　　　　/　￣｀` ｰ-＜´!. : . : .　　　 ´￣　`´￣ /　　j: : : : : : : ヽ
（: : : ,. -‐-､: : : : :ヽ　　　/　　　　　　　　　`ヽ. : .　　　　　　 ○　 /　 <r- イ: : : : : ヽ
　｀ ´　　　ヽ: : : :ヽ　　!　　　　　　　　　　ﾉ: .　　　　　　　　　　/　 __ l ／: : : : : : ﾉ
　　　　　　　　ヽ: : : :ヽ　l　　　　　　　　　／: . 　　　　　　　　　　/／　｀ヽ、: : : ／
　　　　　　　　ヽ: : : :ヽl　　 _ -‐ '"´￣　ヽ　　　　　　　　 ○ /-､　　　ヽ／
　　　　　　　　　　＼: _,.-‐ ´　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　 /　　｀ヽ､　　）
　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、､　　　　　ｿ＿＿　　ヽ、
　　　　　　　　,. .'"｀`.ｰ.─.-.-. . .､　＿_　　　　　　　｀ｰ-‐　　　ヽ: : :￣:｀`: ヽ、
　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : /　　　　　　　　　　　　　ヽ: : : : : : : : : ヽ、
　　　　.／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/　　　　　　　　　　　　　　ヽ : : : : : : : : : : ＼
　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :!　　　　　　　　　　　　　　 i: : : : : : : : : : : : :＼
　　￣/＿ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : !　　　　　　　　　　　　　　　 l: : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :!　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l: : : : : : : : : : : : : : : : :ゝ
　　　　 '─‐┐: : : : : : : : : : : : : : : : !　　　　　　　　　　　　　　　　 l: : : : : : : : : : : : : : :r┘
　　　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　 !: : : : : : : : : : : : : : ヽ、
　　　　　　 '─-,: : : : : : : : : : : : : : : : :＼　　　　　　　　　　　　　　　　/: : : : : : : : : : : : : :l￣｀
　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : r‐ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　真　は　か　わ　い　い　な　ぁ

435 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 22:34:49.21 ID:lfOPhPko

本日の投下は以上です。遅くなりまして申し訳ありませんでした。

実は、今回もギリギリで、完成が１０分前……

>>429
決着は次回で決まります。今回はずいぶん伏線を入れちまったなぁ。

>>422
まりみてですか？わかりません。

>>420
葉隠うどん？不勉強ながらわかりません。なんでしょう？

436 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/29(水) 22:38:35.89 ID:ahE/Gdso

乙でした

ほほう伏線とな・・・次回を楽しみにしてますｗｗ

437 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 22:42:13.66 ID:lfOPhPko

>>413
島原の乱は、原作ではあっさりと終わっちゃうところだったので、自分色をだせると思いました。いかがでしょうか。

>>406
あわてるな。

>>393
＞美作守
多久美作の場合は、正式な官位かどうかはあやしく、もしかしたら先祖がもらっていたものを本人の呼び名として使われていることも考えられます。
高坂弾正とか、馬場美濃とかと同じですね。
あと、原作でもいみ名を使われなかったので、多久美作守でいきます。
松平伊豆守もセットで覚えてね！

>>377
こらこらｗｗ紀州を魔界にするつもりですかｗ

438 ：1 [saga]：2009/04/29(水) 22:50:04.51 ID:lfOPhPko

>>365
やる夫も赤木も別行動です。何千と人が集まってますから、なかなか会えません。

>>363
多久と利根川は政治家向きですよね。他のキャラも濃くて強いからうまくキャラ立ちさせないと。

>>354
攻殻好きなので。顔のしわとかたまらん！

439 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/29(水) 22:50:43.24 ID:ezgK0OYo

>>1さんへ
赤石路代のAMAKUSA1637です。
一応もろに天草四郎ネタです。

440 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/29(水) 22:51:47.68 ID:D90TeHco

乙でしたー
南條範夫氏の短編で
男色家に迫られてたりしたな天草四郎

441 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/29(水) 23:04:56.35 ID:qBFvblwo

乙でした。

442 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/29(水) 23:17:05.98 ID:ZkzKWGYo

乙です。攻殻とはまた渋いチョイスでｗｗ

>>440
あれは気持ち悪くてトラウマになった

443 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/29(水) 23:30:57.10 ID:5CiHBl6o

乙でございました。

独自路線といいますか、『葉隠』を自分で読み込んで、１殿なりの脚色や解釈を
加えているところがGJです。

単に原作をコピペしてやる夫にしゃべらせるだけでは面白くも何ともないと、
個人的に思っていますので。

次回も楽しみです。特に切支丹たちの×××の場面が。

444 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/29(水) 23:34:24.61 ID:6UnnQ5I0

　乙でアリマス。
原作を知ってるだけに独自部分がどうなるか楽しみー。

445 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/30(木) 01:32:19.07 ID:FcijDDEo

キュピピピピーン
真ちゃんなりよー、かよｗｗｗｗｗｗ
乙、いいねえ、お話が出てきて読みやすくなってきた

446 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/30(木) 01:42:29.49 ID:Jio1rlYo

乙おもしろかったです。

真かわいいよね。見た目もキャラも・・・
これで声がうちのかーちゃんとそっくりじゃなきゃなぁ・・・

447 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/30(木) 02:07:03.93 ID:3s4EtBoo

乙でした

天草四郎か･･･サラン、サラン･･･神聖ハポン騎士団･･･

448 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/04/30(木) 18:23:52.36 ID:d8xumZQo

>>362
幕府サイドで一番戦慣れしてるろくでなしは、オヨビがかかるまで
のんきに土地と女を耕してたしなあ。

449 ：1 [saga]：2009/05/01(金) 00:45:31.39 ID:iZInpM2o

>>285
　　　　　　　　　　　　　/|
　　　　　　　　　　　　 | |
　　　　　　　　　　　　_|_|_
　　　　　　　　　　　　　(ﾐﾞ∧,,∧　　　　できました！辞世の句。
　　　　　　∧,,∧　　(＾(ω・# )
　　　　　　 (　´・ω)　　`[＿ノ）　　　『腰抜けと　　　いうた上司め　　　くそくらへ
　　　　━0ﾆフx と) 　　　ﾉﾉ l､ヽ、　　　　　人のせいする　　すくたれものめ』
　　　　　　 (ﾉﾉﾊ_l_l)　　〈_ﾉﾉヽヽ>

450 ：1 [saga]：2009/05/01(金) 01:17:16.69 ID:iZInpM2o

>>439
ご情報ありがとうございます。すごそうな内容の漫画ですな。俺だったら主人公に柳生新影流を使わせるんだけどな。

>>440
南條先生は本当に手ごころを加えない方でございます。

>>442
なかなか見ませんね。ＡＡもすごく良くできているのに。
自分の記憶では、『やる夫は地球最後の男のようです』で少佐が出てきたくらいでしょうか。

>>443
ありがとうございます。作品の構成とかはかなり気を使っています。
読みやすく、覚えやすく、楽しんでもらえ……たらいいなぁ。

>>444
やるからには自分色を出してみたいです。

>>445
うれしいですね。キュピピピピーン。ありがとうございます。

>>446
あら…すてきなお母様をおもちでｗｗ

>>447
魔界に生まれて転び候～。

>>448
そういった話は山田風太郎の短編『彦左衛門忍法盥』が秀逸です。

451 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/01(金) 17:55:21.96 ID:Ush3xdso

452 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/03(日) 20:10:53.35 ID:wqaNZy60

「死ぬことと見つけたり」買っちゃったよ。
ネタバレが嫌だから、このスレが完結したら読むことにした。
作者さん、応援してるゼ。ぜひ、上・下巻全部やる勢いでひとつ

453 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/03(日) 20:17:51.87 ID:SSaVo4Mo

あ、未完だから、あとがきで公開されているプロットを元に>>1さんが新しく作るのもいいかも。

454 ：1 [saga]：2009/05/04(月) 03:37:59.56 ID:aVckFt6o

>>451
サー、イエッサー！

>>452 >>453
ありがとうございます。
このやる夫スレをやろうと思いましたのは、「死ぬことと見つけたり」を完成させたい、と思ったからです。
すでにどういう結末になるかは、イメージはできています。
ですが、まだまだ話は序盤、気長にお付き合いくださいませ。

さて、次回の投下ですが、それがし、ＧＷも仕事が入っております。
なんとか５月６日（水）に投下したいと思っておりますが、まだ原稿が完成しておらず微妙。
２０：００に開始する予定ですが、もし間にあわなんだら７日に変更する旨をここにてお知らせします。

455 ：1 [saga]：2009/05/04(月) 03:47:13.81 ID:aVckFt6o

次回予告

　　　　　　　　　 i| 　　　|i　　　 ___＿＿
　　　　　　 i|　　　　　|i 　　／　　　　＼
　　　　　　 i|　　　　　 |i　　／＼､　,／゛　ﾉし
　　　　　　i| 　　　　 ,|i　 /,（〇）ヾ'（◯ ）) ⌒ ＼
　　　　　　i|　　　　　　,|i　 lﾞ⌒（__人__）⌒゛　　　|
.　　　　 i| 　　　　　|i. 　＼　｀ヾ/ 　　　　／
　　　　i|　　　　　　　　|i 　／⌒　　　　　　　　￣＼
　　　 i|　　　　　　　 |i　|　　　　　　　　 ,、　ヽ
　　　 i|　　　　　　　　　　|i ＼　＼　　　　　　　 || 　 │
　　　 i|　　　　　　　　　i|i ＼　＼　　　／　　／
. 　　 i| 　　　　　　　　　　i||,＼　＼　 i′ 　く　ヽ
　　　　i|i　　　　　　　　　　　／　　i|i＼　／]　　／　　|
　　　　 i|i.　　　　　　　/　　　／ i|(ノ／))￣ヽ　　＼
　　　　　 i|i　　　　　　　__|　.　　 | ／　,ゝ￣　　　ﾍ　　　 )
　　　　　 i|i.　　　　（＿＿＼＼　／　　　　　　 `ー‐'′
　　　　　　　i|i　　　　　　　　／　／
　　　　　　　　　i|i 　　＼＼　／
　　　　　　　　　　 i|i, 　／　／
　　　　　　　　　 i|i__／

ご期待ください。

456 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 17:11:46.88 ID:bT/Zabko

みなさんこんにちは。ＧＷはいかがだったでしょうか。

本日、２０：００に、予定通りこちらで投下します。

個人的には、宇喜田さんのところと時間がかぶってしまって、リアルタイムで見れそうにないのが残念ですがｗｗ

よろしくおねがいします。

457 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 19:10:56.08 ID:gmJezEE0

イヤッホオォオウ!!!!
待ってました

458 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 19:14:45.36 ID:ZtGqvHIo

おｋ、楽しみにしてる

459 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/05/06(水) 19:17:09.89 ID:CjzwzKY0

おー楽しみだwktkして待ってる

460 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 19:46:09.54 ID:bT/Zabko

俺速でやる夫を纏めるブログ
http://orehaya.blog73.fc2.com/

拙作は俺速さんでまとめていただいております。
その中で、今日のお勧めはこちら。

やる夫がゴリアテの若き英雄になるようです
http://orehaya.blog73.fc2.com/blog-category-10.html

ＳＦＣの最高傑作のひとつ、「タクティクスオウガ」をモチーフにしたやる夫スレ。
ヴァレリア島という、中世欧州をモチーフにした歴史ロマンのゲームです。
主人公が選択を選ぶことで、物語の分岐が発生し、ルートごとに登場人物の描かれ方が違うのが印象でした。

このやる夫スレの作者の方は、とにかく心理描写、愛憎や権力抗争の書き方が抜群にうまくて毎回楽しみにしています。

それと、歴史系やる夫スレでもうひとつ

やる夫が「奸悪無限の武将」宇喜多直家に仕えるようです
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1241183834/

先ほどは名前間違えてしまってすいません。
戦国時代の中国地方の大名、宇喜多直家を中心に追いかけていく物語。
やる夫は、直家の弟である忠家であり、補佐役として兄を支えていきます。
直家という武将は、「戦国三悪人」とも呼ばれるほど、陰謀だらけの人生をおくるわけですが。
もう作品の書き方が猟奇、心臓に悪い方は推奨しない、けど続きが気になるやる夫スレです。

461 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:01:12.92 ID:bT/Zabko

ではおねがいします。

462 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:01:36.88 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　 , '´ ￣￣ ` ､
　　　　　　　　　　i　r-ｰ-┬-‐､i 　　　　　どうも、イイ男です。
　　　　　　　　　|　|,,＿　＿,{|
　　　　　　　　　　Ｎ| "ﾟ'`　{"ﾟ｀lﾘ　　　　　　このスレは、隆慶一郎『死ぬことと見つけたり』をテキストに、　　　　　
　　　　　　　　ﾄ.i 　 ,__''_　 ! 　　　　　　『葉隠』を読み解いていくやる夫スレなんだぜ。
　　　　　　　　／i/ l＼ー .ｲ|､
　　　　,.､-　￣/ 　|　ｌ　￣ / |　|` ┬-､　　原作リスペクトですすめて行くが、内容や解釈が異なる場合もある。
　　 /　ヽ.　/ 　　ト-` ､ノ- |　 l　　l　ヽ. 　作品の投下中は反応できないが、ツッコミは色々と大歓迎だ。
　　/　　　 ∨ 　　　l 　　|!　 | 　｀>　|　　i
　 /　　　　 |｀二^>　ｌ.　　|　 |　＜＿_,|　　|　　では、いいかな？
＿|　　　　 |.|-<　　　＼ i　/　,イ_＿__!／＼
　 .|　　　　　{.|　 ` - ､ ,.---ｧ^!　| 　　 |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣l
＿_{ 　　＿__|└―ｰ／　￣´ |ヽ |＿__ﾉ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|
　　｝／ -=　ヽ__ - 'ヽ　 -‐　,r'ﾞ　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
＿_fﾞ/／￣￣　　　　　＿　-'　　　　 |＿＿＿＿＿ ,. - ￣　＼＿＿__|
　　| |　　- ￣　　　／　　　| 　　 _　|￣￣￣￣／　　　　　　＼　￣|
＿__`＼＿＿　／　　　　＿l -￣　 l＿＿_　／　　　, /　　　　ヽi＿__.|
￣￣￣　　　 |　　　 _ 二 =〒￣　｝￣／　　　　　l |　　　　　　!￣￣|
＿＿＿＿＿__l　　　　　　 -ヾ￣　　l／　　　　　　l|　　　　　 |＿＿_|

463 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:02:23.92 ID:bT/Zabko

　　　　　,,　- ―-　、
　　,. '" _,,. -…;　　　ヽ
　 (i'"（(´　 __ 〈　　　　}
　　|__　r=_ﾆﾆ`ヽｆﾊ　　}　　今回の話は『介錯』と銘打ってみた。　　　　　　
　　ヾ|! 　 ┴’　　}|ﾄi　 }　
　　 |! ,,_　　　　　｛'　 }　　　なぜそうなったかは本編を見てもらうとして、　　　　　　
　　　「´ｒ__ｧ　　　./　彡ﾊ､　ここでは『葉隠』のエピソードを紹介しようか。　
　　　ヽ　‐'　　／　　　"'ヽ
　　　　ヽ__,.. ' ／　　　　　ヽ
　　　　／⌒` ￣ `　　　　ヽ＼_

　　　　　 _,,.､､､､､.,,_　　　
　　　　／.:::::::::::::::::::..｀ヽ､　
　　　/ .:::::::::::::::::::::::::::::::.　'､　
　　　| :::::::::::::::::::::::::::::::::,ﾍ{ﾂ　
　　 | ::::::::::::::::::::::::,ｨｩﾉ　j　　
　　　|::::::::::::::::::::::（ |.!　　;{　　　山本常朝は生涯にわたって、何度か介錯人を務めている。
　　　.|::::::::::::::::::rﾘ`l,〉　 j}ﾞ　
　　　 }:::::::::::::::ﾉﾞ　　l　　/　　　次のエピソードは常朝が２４歳のころ。
　　　,xｧ''ｰ'ﾞ'`　　　 '､ /　　　　従兄弟の沢辺平左衛門が切腹することになり、
　　/ ｰ｀¨`''''ー-- ､｣ﾞ'′＿　　その介錯を常朝にお願いしたものさ。
　''^ｰｧ､＿＿＿＿_　￣／　　
　 `>'､,　　　　　'''"´￣￣_二ヽ､　その返事の手紙がある。
　 /　　　　　　　　　　／　　　ヽ　　
　,'　　　　　　　　, 　 /　　　　　　ﾞ､　当時の武士たちが、介錯をどう思っていたかを
　　　　　　　　　 l　/　　__　　　　 !　知るいい資料だと思う。　　　
　　　　　　　　　 l, l　　く,_　　､　　 |　　
　''''ー--_　　､､,,,_ﾘ　　　　｀ヽ､ヽ, ,!　　　　／￣￣｀''ｰ'､
　　　　　￣｀¨`'''|!　　　 _,,..､二,,_,〉'_ー_／　　　　, ,､　　　`ヽ,
　　　　　　　　　　|!　　　'ｰ''"´　　'!　／　　　　　/ニ''''ー ---'-

464 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:03:48.19 ID:bT/Zabko

　　　　　　　|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣| 　　　　　　　（聞書７の２４）
　　　　　　　|　　　　　　　　　　 | 　　　　　　　『自裁の御覚悟、かねて尊敬いたしていたとおりでございます。
　　　　　　　|　　　　　　　　　　 |
　　　　　　 /　　　￣￣￣￣　　　　　/＿＿＿__ 　　介錯の依頼、承知いたしました。
　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　/ヽ＿＿／/ 　
　　　　　/　　　　　　　　　　　　./　　/　　　/ 　　一旦は、お断りをしたいと思いましたが、明日のことでもあり、
　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　/　　/　　　/ 　　、緊急の事態ゆえ、ただちにお受けいたします。
　　　　/　　　＿＿＿＿　　　　　/　　/　　　/
　　／　　　　　　　　　　　　　／　　/　　　/ 　　　　人も多い中で、私を指名していただけたこと、身にあまる光栄です。
　／　　　　　　　　　　　　　／　　/　　　/
　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣/　　　/　　　/ 　　　　　この上は、万端、お心をやすんじくださいますよう。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以上
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　天和二年（１６８２年）　１１月１０日　　　権之丞』

465 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:05:13.82 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　＿＿_
　　　　　　　　 ,ノ' ´　　　｀ ''ヾ、
　　　　　　　　/　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　}f^'＾^了t^'＾'`'ー1　　l　　昔から、侍が頼まれてありがたくないことは、介錯ということになっている。
　　　　　　　　|L＿　!　＿＿_ ｛ ,..、|　
　　　　　　　　 }f'tr'i　 ''^'tォー` }j/i',|　　見事にやっても手柄にならない。仕損じたら、一代の不覚。
　　　　　　　 l.| ´ |　　　￣　 vijソ.!
　　　　　　　　丶 └、　　　　 Fイ l′　　　この介錯を無事にやりきると、
　　　　／　　　 ',　 ‐--‐　　,イ　ケ|　　　　一族の中野数馬や中野将監らから「よくやった」と褒められ、
　　 , ,/.　　　　ヽ　`''"´,／ ! 　＾|ー、　　　甥の山本五郎左衛門からは、あぶみと鞍まで贈られている。
　 / /　　　　　＿,,」、'....ィ' 　　　　 '|. ＼、
. /./　　,. ‐'''"´　　 ! /　　　,　　＿」＿_ヾ',　　　一肌脱いだごほうび、ってところかね。
.,'.,'　 /´　　 └ 、_　ノi　　　ノ　（、_　　`｀ヾ!
,'/　/　　　　ヽ、｀ ''ー、ィ-─''　r`'＾　　　　`　　ちなみに、五郎左衛門の方が常朝より２０歳以上も
l|　 ! 　　　　　　　　　　リ　　　 `ぅ　ー=、_　　　　年上の人物だ。
|　｜　　　　　　　　　　サ　　　　〉
　　ト　　　　　　　　 ′　　　 ./''ー- 、,..＿　　　常朝は幼いころから、この甥の色々なことに影響されて育っている。
　　|　　ヽl　　　　　　 (B 　 /　　　　ヽ、
　　| 　　 !,、　　　　　 !　　　 /　　　　　∠_
　 ,イ　　ヾ'　　　　ィ、　 ./　　　,,ィ'´

466 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:05:56.65 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　 _,r'´::::::::::::::::::::::::::｀'､.　　
　　　　　　　　{::::::::rr-‐-‐'^i::::::::::::::i.　　
　　　　　　　　ﾞl'´ﾞ《　　 __,,,ゝ:::r､:::::l　　　　　　　　別のエピソードだと、
　　　　　　　　　ﾄ=r;､ﾞ"rｨｧ‐ﾘﾒ　}:::::}　　　
　　　　　　　　　ﾞi`"l　　￣　　ｿ::::ヽ　　　　　　　内田吉右衛門の切腹のとき、組の中で介錯人を決める際に、
　　　　　　　　　　ﾞi. ゝ^ 　 ,　　/ヾヾヾ､　　
　　　　　　　　　　ヽ　ﾞこ´　 /　　　　ヽ､　　　　　誰も名乗りを上げなかったというのもある。
　　　　　　　　　　　ヽ､　／__,∠､　　　　｀'-､　
　　　　　　　　　　　　　｀ﾞｸ'ﾞ´　　　｀　　　ﾞ'､　ヽ　　　俺も江戸時代の武士になっていたら、
　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　〉ヽヽ　　どうしていただろうね。
　　　　　　　　　　　　ｨ　　　　　　　　　　　　　　ヽヽ
　　　　　　　　　_,,-'´:::　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞi
　　　　　　　／　　　｀　　　　　　　　　　　　　　　 } 　　それでは、本日も……
　　　　　／　　　　　　　　　,-ｨ‐r'´´　　　　　 /　　　l
　　　__r'〈　　　　　,ノ　　／ ``｀l 　　　　　　/　　　 l

　　　　　 ,.　-‐-─--　、
.　　　／　　　　　　 `ｰ､
　　　〃　　　　　　　　　 i,　　　　 ,.　-‐
　　　r' 　ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈　　　　／
　　 !　　:l　　　　　　,ﾘ|}　　　 |. }　　　/　　 .や
.　　 {. 　 |　　　　　 ′　　 | }　　 l
　　ﾚ-､{∠ﾆ'＝=ｧ　､=＝ﾆゞ<　　 |　　　ら
　　 !∩|.}. '"旬ﾞ`　　 ./''旬 ` f＾|　　 |
　　　ｌ（( ﾞ′｀￣'"　　 f::`￣　 |l.|　　　| 　　な
.　　ヽ.ヽ　　　　　　 {:.　　　ｌﾘ　　 |
.　　　 }.iｰi　　　　 ^ r'　　　 ,'　　　ノ　　　い
　　　 !|　ヽ.　　ｰ=＝=- 　 /　　 ⌒ヽ
.　　／}　　＼　　ｰ‐ 　 ,ｲ　　　　　 l　　か
　__/　∥　 .　　ヽ､＿!__／:::|＼　　　ヽ
　/i 　 |!　　i　　　　　 :;::;:::::::ﾄ､ヽｰ-　　　 ` ー--
　│　.|　 i　l　　　　ノ ,'　　 :ｉ　 i
　ﾉ　 |- ⊥.｣__　　　 /_,.　-‐ |　 |

467 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:06:57.20 ID:bT/Zabko

第６話

＜島原・原城＞
寛永１４年(１６３７年）１２月１０日。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|＞　
　　　　　　　 ,. -.､　　　　　　　　　　　　　　　 γヽ　 l>　　　　　　　　　　　　　-.､
　　　　／':':':':':`.､　　　　　　　　　　　　にiｺ,､∧　　　　　　　　　　　／':':':':':ヽ、‐-.､
　　　　_ノ':':':':':':':':':':': ｰ､　　　　　　　　　　　　A ｌ/ヽrﾍ!lll＿　 _　　　　_,...-‐':':':':':':':':':':':':':':':':':
　　..:'´':':':':':':':':':':':':'_,. -‐:.'´`ヽ　　　_　　　 ...､iＹ´｀ﾆｌllヽ^i Yl　':':':ヽー:.'':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':
-‐'':':':':':':':':':':':':':':':´':':':':':':':':':':':ﾞﾞー':':':.｀　　|:!:::､＼}ｌ:Π::ｰ'ｒ-ﾍ,､　　｀
　　　...　　.:.　　　　..:::　　　　　　　　 i:::/:::::､:::::ヽ::::::::::lﾆl=|　　　　::　　　　..:　　　..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈二〈ﾆﾆﾆl」ー-'ﾆﾆﾆﾆｌ
　　　　..:..　　　　　　　　　　　　　　　 i:::::/:::::::::iｌ::::::￣:::i!:::i:::ｌ:::|　　　　
　　　　　　　　　..:　　　　　　　　　 /:::/::ｨ::::::i::::::::::::::::::l:::::､::i::|_　　　..........
　　　　　　　　　　　　　　　　▲＿_ ∧==〈〈;;ｌ:::/:::γヽ::(;;''):::〈::|-､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　／l　　 l＼＿ll二 '''ー| 「ﾆﾆﾆﾆﾆﾆl^l-' i　　　　　　..:.
　　　 .:::::::..........　　　　 ▲ｌﾍﾆヽ　 :＼ll ﾍﾆヽ||＿.| ﾍﾆヽ,-､,-､l :l　 l＼▲_
　　　　　　　　　　　　　/ll＼ー'　ﾍﾆヽﾍﾆヽ　ﾍﾆヽﾍﾆヽ'　ﾍﾆヽﾍﾆヽ /i _　ヽ
　　　　　　　　　　/ /||　＼▲ー'　ー'　 ▲‐'　ー' 　 ▲ ＿_ ▲' /　　ヽ　＼　　　　　..:
　　　　　　　　　　　／／:.:.＼　 i　ｌ￣￣￣￣l　ｌ￣￣￣￣l　ｌ　　.l　i/　　　//　/ｌ､　::.
　　　　　　　　 ,<　〈:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｿ/ヽ二ヽ――ｌ__!――――ｌ__!―‐ ｌ__! /二/ヽ.／/::::ヽ
　　　　　　　　　ｒ〉＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ |__|＿::l＿＿＿＿_く二二ゝ＿＿＿＿_|￣O|　／::::::::::: ｰ- ､
　　　　　 ,.　-‐':::::＼二二二二二|　　:|:l二二二二二|　 :|:l二二二二二iー‐i::::::::ヽ:::::::::::::
_,.　-‐'' ~::::::::::_,.-‐'::::::::/:::::::::::::::/::|　　:|ﾉ::::::ﾉ::::::::::::: : |　 :|ｿ::::::::i::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::ｰ-､:::::
:::::::::::::::::_,.-‐'::::::::::::::／:::::::::::::::::l:::: ー‐':::::::::i::::::::::::::::::::ー‐':::::::::::::ｌ::::::::::::::::::::::〉::::::::::::::::::::＼
:::::_,.-‐':::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::ﾉ::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉::::::::::::::::::::､::::::::::::::::::::::::::

468 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:07:24.90 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;;　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|＼　　　　　　　　　　　　　　;;,. 　　　　|　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　）　　　　　　　　　　　　,／　　　　|　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　（　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,;;　　　　　|ヽﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ,　　　　|　（　　　　　　/彡.　　　　　　　　　　|二|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ヽﾉ　　　　､-〈巛. 　　　　　　　　　　|二|
　　　　　　　　　　　　　　　　　,rt､　　　　 ,-‐､　　　　　　　　　　　　　| ,rt､　　　　　ヾミ　　　　　　　　　　　|二|
　　　　　　　　　　　ハハ彡　/ト'ヾヽ　　　l=j, (,、　　　　　　　　i`i`彡0ｆト'ヾヽ　　　　　ヽﾐ彡/ 　　　　　|二|
　ゞゝ──ゝ　　／､ゝX 　彡ゝoノ　ハハ/ソ/⌒ゝ　　　　　　/　ゝ彡ゝoノ　　　　　　　/|　　iヽ　　　　 |二|
　　　　　　　　(　'　Y''''ノ＼　彡　／､ゝx彡ヾ > ）､__ノ彡ﾐ=　| 、ノ　彡くﾐヽノﾐ= 　　　 o,| 　 ||ol.　　　　 |二|
　　　　　　　　　`‐'￣＼　ヽノ　(　'　Y''ノ彡く/彡'　　＼　　　`‐' ヽ____/ゞ | ヽ　　へ　 /〈|`‐'　|〉　　　　　 |二|
''''''''"""""￣￣￣　　　〉____,／ | `‐'ヽ　ヽノ |/／　|　　　|　　　　　|川ﾘｰ'　　|　　,;' ) / c|､____, |っ　へ　　 |二|
""""￣￣　　　　／＼|ﾘjilji 　丶ゝヽ〉____,／ゝヽｰ'　　 /　　　　　|　y　ノヽ　|　/ (ヽ　　| 川ﾘl |　 ,;' ).　　|二|
-‐　_,,.　．-‐　　　ヽｿゝゝ　　　　　`''' 川ﾘ|　　`'''　,'ヽ　丿　　／＼// //　　ヾ|　　　　　　ヽ |ｰ| /　/ (ヽ／ |二|
　-‐ _,,.　．-‐　　,-‐'''"　ゝ　　ノ-ー'7ゝ　ゝ　　ゝ'　ヽ　ヽ　　ヽｿゝ/ //　　　/ゝ　　　　　ﾉゝﾉゞ　　／ヾ,　ヽ'
　_,,. 　　 -=━━|　-ー　/　彡　　／　　/　／　.　..　ヽ〉　　ノｿヽ/ゝ　　　　　.　　.　　　/ゝ　/ゝ　 /⌒､ヾ
　　　　-‐'''""-‐'''ヽヽヽ/ ／ .:-‐' /　／/ ／　　　.　　//　／ゝ /ゝ　　　／／　　　　　　　　　　　　||()|（＼ヾ
　　　　,,,-‐'''""　　_,..:-/／,..:-‐'"/／　/／_,..:'_,..:'　　/ゝ／　 < <　　　　　　　／　　　　　　/　　　　||　|（丶|
-‐'''"",,,,,　　　　　　　/ゝ　　　　/ゝ　 /／　_,..:'　　／　　　　　ゝ`　　　　／　　　　　　/　　　　　/　||()|（丶|
-‐'''""_,..:-‐'"_,..:-‐'" 　　　　　　　　 /ゝ　　　　　　／　　　　　　　／　／　／　　　//　/　//　/　　＼|（丶|
_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:''　　　_,..:'　　／　　　／　　／／　　／　／　　　　/　　/　　/　/　　　＼＼|
　　　　_,..:-‐'"　　　　　　_,..:''　　　_,..:'　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　/　　　　　＼

難攻の要塞と化した原城へ、一揆鎮圧のため攻撃を開始した。

469 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:08:25.07 ID:bT/Zabko

╋━━━━━━━┯
┃　　　 ,、　 ,、.　　 │
┃　 , γ ,　 ,γヽ.　│
┃ ./;;γ;;(　 )_ソ;ヽ │ ╋━━━━━┯　
┃（ヾﾉ;;）　ゝ;;γ;;;ゝ│ ┃.　　　　　　　│　.╋━━━━━━┯━
┃　ヽヽ（　　）/ 丿 │ ┃　　　○.　　 │　┃　　○　　ﾉ）　　│　
┃　　ヽ`ゝr'｀／　　│ ┃　○, - ､○. │　┃　　　天　　　　│
┃　　　￣　￣　　／│ ┃○ （　　） ○│　┃　春照八　　 │
┃　　　　　　　／　.│ ┃　○ﾞ.ｰ ' ○ .│　┃　日大幡　　 │
┃　　　　　　／　　 .│ ┃　　　○ 　　　|　..┃　大皇大　　 │
┃　　　　／　　　　.│ ┃　　　　　　　　|　 ┃ 明神菩　　│
┃　　　／　　　　　 .│ ┃　　　　　　　　|　.┃　神宮薩　　.│
┃　／　　　　　　　.│ ┃　　　　　　　　|　.┃　　　　　　　　　│
┃／　　　　　　　　 .│ ┃　　　　　　　　|.　┃　.\\　　<⌒> 　│
┠───────┘ ┠─────┘. .┃　(W)　　 ><.　　│
┃ 　　　　　　　　　　　 ┃　　　　　　　　　　┃　　　　.　　　　 .│　
┃ 鍋島家　　　　　　 .┃　細川家　　　　. ┃　〒〒　〒〒　│
　　　　　　　　　　　　　.┃　　　　　　　　　.　┃　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┠──────┘　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃　立花家　　

先手を受け持つのは、鍋島・細川・立花などの西国の雄藩である。

470 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:09:02.03 ID:bT/Zabko

しかし――

　　　　　　　　　　　　　　　　||　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　ﾐ彡彡彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　||　　　　　ｷﾞﾘﾘ・・　　　　|）／￣＼　ヽﾉﾉﾉﾉﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　||　　　　　　　　　　　　　ノ　　__　　|　ｿｿｿｿ
　　　　　　　　　　　　-=≡=====||────---------（`ー-､っ）≡ヽ |||||||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｃー''ヽ　_,,,,,,,,,,,,,,,,,, 　　　　ヽ<゛゛ヽ／ヽ..|￣￣|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|0三||に=======ヽ"'''ーー'"゛`／ヽ　ヽ≡≡|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー-ー　ー--,,_＿(=)=======／ヽ　ヽ　ヽ　|ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||　　　　　　　　"~"ー--,／ヽ　ヽ　ヽ／○〈丿
　　　　　　　　　　　　　　　　　||　　　　　　　　　　　　　|ヽ　ヽ　ヽ／ |===|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||　　　　　　　　　　　　　| ヽ　ヽ／二|・・・ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||　　　　　　　　　(＼　, |二ヽ／二二|￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||　　　　　　　　　ヾヽ､|二二二二|,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||　　　　　　　　にllヾ//､二二二｝三)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||　　　　　　／　　'/＼＼i､i､i､i､i､i､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||　　　　／　　　　/二＼＼二二ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||　　／　　　　　/二二　＼＼二二ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　u／　　　　　　/::::::::::::::/ヾ＼＼::::::::ヽ

　　　　　　、　　、"　　　　　　　　　 i､ .l　　　　　　、　 .，　　　、
　　　　　　｀、　 ´　,,/｀　　　　　　　 ,lﾞ .lﾞ　.、　　　　ﾞl、　ﾞl　　　.ヽ　　ヒュン
　　　　　　 '′　 ,／　　,/　　　,、　 .lﾞ　|　 |　ヽ .:i､　.ﾞl,　ﾞl、　　　ヽ、
　　　　　　　 .､／　　.／ ,,、　,/　　　　‘　 |　　ﾞl、｀'-, ﾞl　 "　　i､　＼
　　　　　　　 .“　， .'ﾞ'ソ′ 丿　　　　　　 .|　　ヽ　｀'丶　　　　ヽ　 .＼　　ヒュン
　　　　　　　　　丿　　　.i､.ｌ,lﾞ　.|　　　　　 │　　 ‘　　　、　　　　＼　　　　　　　ヒュン
　　　ﾋｭﾝ　,/　 ./　　　 │ ´　 .|　　　　　　"　　　　　　＼　　　　　.ﾞヽ
　　　　　 ″　/｀　　　 .lﾞ　　　 .|　　　　　 .i､　　ヽ、　　　＼　　　　　＼
　　　　　　　丿　　　　.lﾞ　　　 ''″　　　　　ヽ　　　`ヽ　　　 ‘i､
　　　　　　 ,,lﾞ．　　　 .lﾞ　　 ,．　．　、　　　ﾞl,　　　 ‘ヽ　　　 `、
　　　　　　｀　　　　 │　　 |　　lﾞ　　｛　　　　ヽ　　　　"　　　　　　ヒュン　　　ヒュン
　　　　　　　　　 ,/　 l　　　."　 lﾞ　　 .|
　　　　　　　　 ,/｀　.lﾞ　　　　　 |　　　"
　　　　　　　／　　."　　　　　 |
　　　　　　 .,,i´　　　　　　　　 │　　　　　　　　　、　　　　　　ヽ　　　　　　　　ビュン
　　　　　　 ″　　　　　　　,ｒ　,lﾞ　　　　　　　　　　 `'､、　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 ,lﾞ　 "　　　　　　　　　　　　`'､、　　　　 .ヽ
　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　ヒュン　　　　　　　＼、　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼、　　　.ﾞi､

この寄せ手への攻撃は、惨憺（さんたん）たる敗北に終わった。
死者１００人。負傷者数百人。
切支丹側は一人も死傷者を出さなかったという。

471 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:10:45.69 ID:bT/Zabko

　　　　　　　／￣￣￣＼　　　
　　　　　／　　─　　 ─＼　　　「お、はじまったお」
　　　　／　　（●）　（ー）＼
　　　　|　　　　（__人__）　　　|　　捕まったやる夫は、地下牢に幽閉されていた。
　　　　＼　　　　｀ ⌒´　　／
　　　　　　／　ヽノ　　⌒＼＿_　　　
　　　　　/　|　　　　　　＼_＿＿）⌒＼
　　　　　｀￣＼　＼　　　　 -''' ⌒(＿__)
＠＠　＠　　　　＼　　　　　　　／＼　＼__
　　＠　　　　　　　` ―─―─´　　　ヽ＿__）
　　　　　　　＿＿＿
　　　　　／　　ヽ､_ ＼
　　　／（● ）（● ）　＼
　　／:::⌒（__人__）⌒:::::　＼　　　「斎藤さん、やらない夫、無事だといいお……」
　　| 　ｌ^l^lｎー'´　　　　　　 |
　　＼ヽ　 L　　　　　　　／
　　　　ゝ　ﾉ
　　　／　 /

472 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:13:00.40 ID:bT/Zabko

二人とも無事だった。
杢之助がやらない夫を誘って、この日の攻撃に参加させなかったからだった。
前日のことである。
　　　　　　＿─-､ -‐;ｚ.__
　　　　　　　　＞　`　"　ﾞ　　＜
　　　　　　　/　" " " "　ﾞ　ﾞﾞﾞ＼
　　　　　 l " " ", ,ｨハﾞ i ﾞ､ﾞ､ヾ
　　　　　 | " "ノlﾉメ、 |ﾉjﾑﾍ. N
　　　　　　 ! r,ｺ| ＝｡=　 ,｡==ﾊﾘ
　　　　　　 | |ﾋ.j|　￣ r_ ＼7
　　　　　　　j `ｧﾍ　 ──‐:7′　　　　「俺たちは寝てすごそう」
.　　　　　_／∨　:::＼　￣人
　 -‐'''"´ |.　ヽ.　　::::`:.イ　 |`''‐- ､.._
　　　　 |　　　＼　　:::/　　|　　　 .ハ
.　　　　 |　　 ,ヘ〉　 |へ.　|　　　 l.　l
　　　　　ｌ_／　ﾟ〈ｰ‐'| 　ヽ!　　　│　|
　　　　　　　　　　　|::::::| 　｢￣￣|　| 　 |
　　　　　【浪人　斎藤杢之助】
　　　 ._ _ _
　　 (ヽl_l_ll_l,l
　　　ヽ　　ｒ
　　　　│　|
　　　　 |／￣￣＼　　　　　　　「な！？なにいってるんです。
　　　／　　　　＼　ノ
　　　|　　　（ ●）（●）　　　　　俺はこのいくさで
.　　　|　ノ（　　（__人__）　　　　　ぜひとも一番乗りを獲りたいんだ」
　　　 |　⌒　　｀ ⌒´ﾉ
.　　　 |　　　　　　　 }
.　　　ヽ　　　　　　 }
　　　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　＼
　　　　　l/　　　く　＼　　　　　　＼
　　　　　|　　　　＼　　＼　　　　　　　＼
　　　　 |　　　　|ヽ、二⌒).､　　　　　　＼
　【佐賀藩士　中野やらない夫】

473 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:13:34.42 ID:bT/Zabko

　　　　　　　＿､‐-､, -‐ｚ._
　　　　　　＞　` " "　′.＜
　　　　　　／ " " " " ﾞﾞﾞﾞ＼
　　　　 7 " " ",.",ｨﾊﾞ ,ﾞﾞヾ　　　　　　 r‐ ' _ノ
　　　　　 ! " " /-Ｋl/　Vｌﾊﾞ.N　　　　　＿ ) (_
　　　　　 | "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ!　　　（⊂ﾆﾆ⊃)
　　　　　　|."しｌ|　￣　,._ ∨　　　　　　｀二⊃ﾉ　
　　　　　　| " ﾞハ　ー--7′　　　　（( ￣
　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼.　¨/　　　　　　 ;;　　　　「久しぶりに釣りに行くのもいいな｣
　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　　　　　 [l、　
　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　　／,ｨつ　　　まるで取りつく暇もない。
. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ　　杢之助は本気で云っているようだった。
　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ
. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　 /　）:::厂 ´

474 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:14:47.30 ID:bT/Zabko

　　　　　　＿─-､ -‐;ｚ.__
　　　　　　　　＞　`　"　ﾞ　　＜　　　　「一番乗りはよせ。　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　/　" " " "　ﾞ　ﾞﾞﾞ＼　　　少なくとも　　　.　　　　　　　／ノ　　＼　＼
　　　　　 l " " ", ,ｨハﾞ i ﾞ､ﾞ､ヾ　　　明日は止めるんだ」　　.　|（ー）（ー）　　│
　　　　　 | " "ノlﾉメ、 |ﾉjﾑﾍ. N　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　|（__人__）　　　│　
　　　　　　 ! r,ｺ| ＝｡=　 ,｡==ﾊﾘ　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 |　r┬-|　　　 │
　　　　　　 | |ﾋ.j|　￣ r_ ＼7　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 |　`ー'´　　　│　　　
　　　　　　　j `ｧﾍ　⊂ﾆﾆァ7′　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　ヽ　　　　　　　}
.　　　　　_／∨　:::＼　＝ ∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　ノ
　 -‐'''"´ |.　ヽ. 　 ::::＼,.ｲ　|`'''‐- ､.._　　　「フッ、相手はたかが百姓どもじゃないか。
　　　　 |　　　＼　 :::::/　│　　　ハ　　あんな小城にたてこもったって、
.　　　　 |　　 ,ヘ〉　 |へ、|　　　　l.　l　　そんなに時間がかかるわけが」
　　　　　ｌ_／　ﾟ〈`ー'| 　ヽ!　　　│　|
　　　　　　　　　　　|:::::::|　　｢￣￣| │　 |

　　　　　　　　　　 /　 ii　　　　　　　　 i; 、ヽ
　　　　　　　　 _ i i! 　　　　　　　　　　　i.　ﾞ ,　　
　　　　　　　／ﾞ'' -'^ヽv ｖﾍ、ヽヾヾ　i i i＼i
　　　　　/""　　　,　,,_ Ｙ!/　ヾ__!_Aﾘ|ﾉ!'!'!
　　　,.- "　〈　　 i　　 i=ゝ、 ,,∠=-ｧYﾍﾚ　　　　　　（たかが百姓ねぇ。
　　ﾉ　 ! 　 | "~' |、 - !ﾟ-."!|くﾟ-　 !!ﾒ/
　　(　　 ! ,,... ! ,,..　! ￣i,　　!|::.　　/.ノ　　　　　　　　ククク……、
.　　|ヾ　'!. 　/　　 |"ﾞ　〉ー !|;― /"iヽ~ﾞﾞ^''' -
　 /ヽi - ! _/ﾞー i'!　 i,/ 、　―　/i　 |,,__　　　　　　　その百姓どもがお前の度肝を抜かせてくれるよ)
　ノ">ヾ_!〈=＝-!|_ノi ヽ＼　／　!　 |　￣ﾞﾞﾞ^'''
　／　　 ''ﾞ.---┘　 | 　＼ッ"　/　　|

475 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/05/06(水) 20:14:56.77 ID:CjzwzKY0

アカギﾊﾟﾈｪｗｗｗｗ

476 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:15:21.34 ID:bT/Zabko

／　" ,,　"　 "　　ﾞ　ﾞ　
,イ "　"　　"　八ﾞ　ｉﾞ　
/　,ｨ´ "/' ｲ　/::: ヽ　ﾄ、ﾞ
／/ ｨ' /| /| /:::　, -ヾ､ヽ,
　l　 l /-ﾚ､ﾚ'　 ´_,　a=＝
　! /l,ﾊ＝a=､　ヾ`ー　 ´　　　「お前を縛りつけてでも行かせないよ……」
　'"　　',`ー/ :::　　　　　
　　　　 ',　/ ;:::: ､　　　　　
　　　　 ∨_,　- '　　_,　　::::/;;;;::
　　　　　丶ｰ '' "´　　 .:::/;;;;;::´　　
　　ｒ―､,／丶　 =＝　 .:::/;;;;;:::::
`<´ヽ r‐ヾ-､＼　　:::／;;;;::::::　　　　
.(´ヽ　ゝー)ｒ┤/＼:／::;;;;::::::　　

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ○）（○）
.　|　　U　（__人__）
　 |　　　　　|r┬-|　　　　　　　　「……」
.　 |　ι　　`ー'´}
.　ヽ　　　　　u 　}
　　ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　く　　＼
　　　|　　　　＼　＼
　　 |　　　　|ヽ、二⌒)､

477 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 20:16:04.12 ID:ZtGqvHIo

介錯に対する考え方は新鮮でいいな
今日も楽しみにしてるぜ

478 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:16:23.01 ID:bT/Zabko

攻撃側は石垣に張り付くこともできなかった。
『島原征記』によると、
原城は本丸、二の丸、三の丸、出丸、天草丸で構成されており、石垣の上には塀（へい）で囲んでいた。
内側には壕（ほり）までつくって、女子供をそこに隠していた。
　　　　　　＿　　　＿　　　＿＿　　　＿__　　　　＿＿　　＿＿　　　＿＿
　　　　　|＼　＼┴―┼‐┼―┼―┼∧┼―'┴―┼‐'┼―┼―'┼―┼―
　　　　　|＼|￣~|＿l__,」＿」＿_」_ ＿__.|__| ＿」_＿l__ 」＿」＿_」＿」_」＿」＿」_
　　　　　l＼{＼ |＼　＼￣￣￣　/十ﾍ'||￣￣￣￣　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　{＼}＼|{'＼|￣~|　　　　(ﾟДﾟ　)||
　　　　　|＼＼|＼|＼”＞―、　 {XXX'○　　　　　　　’　　　　　　　　_
　　　　　|＼|＼|＼＼|＼l＼　＼ |VVV|,||
　　　　　|＼＼＼|＼|＼＼|'￣~|r'⌒J　　　　　　　　　　　　 .　　　　’
　　　　　|＼|＼|＼＼ヽ|＼＼￣＼　　　　　　 ∧
”~'ー w'!|＼|＼＼＼|＼|＼|＼|＼￣＼　　　＿. |__|
　　　　　|＼＼|＼|＼|＼|＼|ヽト＼＼＿＼　/十ﾍ ||　　　　　　　　　　”
　　,　,wi.|＼|＼|＼＼|丶|＼|＼ト、＼!＿__| (ﾟДﾟ　)|!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:;
　　　　　＼＼|＼|＼|＼＼|＼＼|＼|＼　＼XXX○　　　　　　・　　　　　　　　　，
　　　　　＼|＼＼|＼|＼|＼|＼|＼|＼|＼''i＼￣￣＼
　,　　　　　＼|＼＼|＼＼|＼|＼|＼＼＼| '＼　　＼
　　　　　　　　　　＼|＼|＼＼|＼＼|＼＼＼|＼| ＼＿__＼
　　　wi　　　　'"　　＼|＼＼|＼|＼|＼|＼|＼|＼|＼|_|　　　 |
　　　　　　　　　　　　＼|＼|＼,＼＼|＼＼|＼＼|　ト---<
　　　　　　　　　　　　　　　＼＼＼|＼|＼＼|＼＼|　＼　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　＼|＼ |＼|＼＼＼＼ |＼|'＼＿＿_`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼|＼ |＼|＼ |＼|＼ |＼|＼|＼￣￣￣＼
　　　　　　　　'”　ｗr　　　　　　　　wi|＼ |＼|＼| ＼＼＼|'＼|＼　　　　＼

479 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:17:31.30 ID:bT/Zabko

城内の移動は地下道を掘り、トンネルをくぐりながら進んだ。
建物は地面を掘り下げ、屋根には芦ぶきを敷いた。火炎対策である。

　　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
　　　 ≠　　　　総員退避せよ！　　　≠　　　;;;;;;;;;;;;;;;;/
　　　　＼＿＿＿＿＿　　　　　　　／　　　　　 ;;;;;;/
　　＼　　　　　　　　／　　　　　　　　　￣￣￣￣＼:/
　　:::::＼　　　　　　|　　　繰り返す、　　　　　　≠
　　　:::::::＼　　　　≠　　　　　総員退避……　　　|
　　　　　　:|＼　　　 .＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／ |:
　　　　　　:|:::::＼　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::: 　 |:
　　　　　　:| 　　:|　　　　　　　　　　　　　　　　.|:　　　|:
　　　　　　:| 　　:|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿.|:　　　|:
　　　　　　:| 　　:|　　　　:|: 　　　　　:|:　　　　|:　　　|:
　　　　　　:| 　　:|　　　　:|: 　Σ◎　　:|:　　　　|:　　　|:
　　　　　　:| 　　:|　　ﾍﾍ |: 　　　　　:|:　　　　|:　　　|:
　　　　　　:| 　　:|　 (　　) 　　　　　　:|:　　　　|:　　　|:
　　　　　　:| 　　:|　ノ　@ヽ . 　　　　　:|:　　　　|:　　　|:
　　　　　　:| 　　:|￣ι　Ｊ　￣￣￣￣￣￣￣.|:　　　|:
　　　　　　:| 　　:|　　　　　　　　　　　 _＿＝三|:　　　|:
　　　　　　:|:::: ／　　　　　　　　∧＿∧　　 _＝＼　:::|:
　　　　 :::::::|／　　　　　　　　　（　　　）　　￣＝＼.|::::::
　　::::::::::::／　　　∧＿∧　　と　　　||ヽ　　￣＝＼::::::::
　　:::::::／　　　　（　　　）　　　 i　　＠/ノ　　　　￣＝＼::::::
　　　　　　　　γ　　　　つ　　　ヽ__⌒ヽ
　　　　　　　　し ○　　）　　　（＿_λ_丿
　　　　　　　　 /　/（＿）
　　　　　　　　（＿）

480 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:19:03.02 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　,i'二,_,二,_,二,_,二,_,二,_,二,_,（(_）　　
　　,､＿､＿,､＿,､＿,､＿,､＿,､＿,､/ ヽ　　
　　７|L;ｊL;ｊL;ｊL;ｊL;ｊL;ｊL;ｊL;ｊL;ｊL;ｊL;ｊ／|i'二,_,二,_,二,_,二,_,二,_,二,_,'二,_,二,_,二,_,二,_,二,_,二,_,二,_,二,_,二,_,
　　　|L;ｊL;ｊL;ｊL;ｊL;ｊL;ｊL;ｊL;ｊL;ｊL;ｊL;ｊ／|＼;;;`､;;;`､;;;`､;;;`､;;;`､;;;`､;;;`､;;;`､;;;`､;;;`､;;;`､;;;`､;;;`､;;;`､;;;`､;;;`､;;;`､;;;`､
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　　/￣`ｙー';:/ .~"''ヽ(:.:....'i,"'"'`ｙー';　;:;i.;.;.
　.:.i ;:;:; :.:'i ;:;;/ヽ　;:.:.:ﾉヽ;:;:;ヽ__,,/,,., /:.:.ヽl.;.;.
　 /ヽ,,_／ヽ /.:.:`ー'ｊ::...:. .:. :..:i, ;:.:. .:.ヽ／ヽ
　 i::.:... .:; :.:.Ｙ::....:.. ／ヽ:...,.,.／:.:. .:. .:.:..j::.::../i'＝;:;=＝=,＝､＝=＝=＝＝=＝=＝=＝＝=＝=＝=＝==＝=
＝=＝=＝=＝=＝=＝＝=＝=＝＝=＝=＝'　　＿_＿___,.＿_＿___,.＿_＿___,.＿_＿___,.＿_＿___,.＿__,.＿_
＿_＿_＿＿_＿___,._＿___,._＿_＿___,.＿_＿___,./ｗｗ　　　　　　　　ｗｗＷ//ｗ..　　　　　　　　　　　ｗＷ:..

すべての塀のつくりは頑丈につくられた。
松の樹を一丈（３ｍ）の長さに切りそろえ、下三尺を地面にうめこんだ。
この杭を三尺ごとに埋め込んでいき、横に二本通し、間は竹で柵を作った。
船を解体して、塀の裏側に取り付けて厚みとした。

481 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:19:32.08 ID:bT/Zabko

ダンダダダンダンダダン
　　　　　　　　　　　　　 ,-‐-､　　　　　　　　　　　　（.,;;;;;;;;;;;;)ﾞ,;;;;; ::;.:;");; :...　:..　　　　　　　....;;;;　:: ;; :　　:..
.　　　　　　　　 ,-､　　 /　　IIヽ　　　　　　　　　　　ﾉ.,;;;⌒ヽ;;;;;::;;;); ::; :　　　　　　　　　;;;;　:　::, ;:;;;;,　::　.
　　　　　　　　く　＼ノミﾉﾟ,､ﾟ）,===========i,=..:::;;;;;;（,;;; ::,;;; ;;)",;;;:,;;;　::..　　　　　　　（";";;;;ﾞ; :　;":,;::.. ;:　::　　　　　・
　　　　　　　　/∠◎ヽ≡/ ('-､っ'￣ソ￣￣ .,;;; ;;;;:;;;;;;;; ;):　;"':;　;;;;　　::.　　　　　　　　　ヾ.,;;;⌒ :;.;;;;..　:.
　　　 (⌒ヽ　ノミﾉ・）,===========i,=..:;,;;;;;;;.);;;;;;;;;;;;;;:':; :　＿ヽ　　　::　:　　　　　　　.....::;;;;;; 　⌒ヽ;"':;　:;::.　　　　・
　　　　ヾ　Δ≡/ ('-､っ'￣ソ￣￣.,;;;;;;;;;⌒;;ヾ;;;;;ノ,;;;;　ノミﾉ・）,===========i,=..:;;;;;; ':;,;; ;;;;;;;);;:;,;;;:: ,;;;:::;:......　　　　　・
　　　ノミﾉ丶）,===========i,=..:;:;;;;;;;;);;;;;.;.,;;;;':;.;"':;　/≡/ ('-､っ'￣ソ￣￣￣ :;;ヽ;;;;:";"; ;;;;;;;;;;);;;::";;::; ;;::;:...　　　　　・
　　 /≡/ ('-､っ'￣ソ￣￣￣　　　:;;;:ヽ;; ノﾞ＿ヽ　;"　ヾく彡ノ］　　　　,;;;⌒ヽ;;::;;;;;;;;;;（"':;,;;; ;;;;; ;;: :　::.. .
　　　ヾく彡ノ］`‐‐´ヽヽ　ヽ |　　　　　ノミﾉ・）,===========i,=..:::;;;;;;,;;;;;;";"（,;;;;;;;;;;;; ;:;;,;;;:)ﾞ:;;,;;;,;;;:　::..　　　　　　・
　　　（　　十）　ヾヽ　>　/ `っ　　　/≡/ ('-､っ'￣ソ￣￣￣　　　　　: ;;;;:;;;;;;;;;;;ノ':; ;;;;　::;.: :::;::...
　　∠≡∧≡ヽヽヽ |　　￣　　　　　ヾく彡ノ］`‐‐´くｿ　 ,､ヽ　/　く.　　　　:;; ヾ;;;;;;;; :";";";":.:;;;;:::...
　　くｿ　ノヾヽ　>　/ `っ　　　　　　　（　　十）,--､　￣　ヽ'　`ー-'　　　　　:;; ::　."; ;;;;　::;.:; ;; :..
　　　| /　　ヽ |　　￣　　　　　　　／≡∧≡ヽ/　>　　　　　　　　　　　　　　　"::;;::::.."
　　ノ　)　　　/ `っ　　　　　　　　　くｿ　 ,､ヽ　/　く.　　　ダンダダンダンダンダダン
　　￣　　　　￣￣　　　　　　　　　　￣　ヽ'　`ー-'

そして、２歩ごとに銃眼のあなを空けていった。
この隙間から攻め手側は丸見えだった。

482 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:20:07.59 ID:bT/Zabko

　:::｀ヽ、 i:::;/::/::/::.::.::.::.::.｀i、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:＼
　:::::::....｀ヾ、く／::.::.::.::.::.::.::j::vﾍヽ,　　　　　　　　　　　　　　　　　 i,､.:.:.:.:.:.:.,. - ､.:.:.:.:.i::::ヽ
　:::::::::::::::......｀ヽヽ、::.::.::.:／::ﾉ:::i:j::i　　　　　　　　　　　　　　　 / ｀￣￣　　　｀'i.:.:j::::::::i
　::::::::::::::::::::::::::....｀ヾー --ｨ､::ノ::/::`i 、　　　　　　　　　　　　　 j 、　　　　__　/ j.:/:::::::::|
　:::::::::::::::::::::::::::::::::::.....＼/:/::/:,へ:ノ::.:ji:<´i:i　　　　　　　　　 {‐､｀i 　, -'´,　∨.:':::__::::::!
　::::::::::::,...、:::::::::::::::::::::::/::::}/:/:O::.:｀' <::ﾉ:ﾉﾉｬ‐､　　　　　　 jf1`{ k ,. -'==´j｀､:/<i:::/
　:::::::::::'､-'｀ー、:::::::/:::::::ヽ'＾ヽ､::.::.::::/yくノ::.:ﾉi　　　　　　　　 i ｀~j　'「!:::::::::ﾉ´　|jj＾j:/
　､:::::::: _｀_ー、" ｀ヽ、:::::::::::::::::::::::｀'::/:/__ ヽ- ´ 　　　　　　 i,　i　 '!、｀'´　　/ ﾉノ'- ､
　｀￣´　　　｀　　　ヽ、:::::::::::::::::::::::｀'::::::::｀i ､　　　　　　　　| ._｀ '´｀　　,ノ　|__j,. '´i
　ヾ -､ヾ＿　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ｀ヽ、　　　　　　,ｨヽ｀二''‐ 　 '　,. '´ 　　__jヽ、
　　ヾ -=＿｀　　　　　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ｀ヽ、　,....r'7　 !、　｀　_,／´　　 ,.ィ´　　 i
　　　｀ー､_￣　　　　　　　＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ｀Y:::r'/　__j ｀iT７´　　　,.ｨ'´　{　＿　＼
　　　　　　　｀ー-ｬ‐　　　　｀ヽ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｿ|　|i　 /_|_|´｀i　 /,.-‐'´￣
　　　　　　　　　　（＼　　　　　｀ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::/:/. |　ヽ /::::| - |.ヽ/´
　　　　　　　　　　（￣＼　　　　　　　＼＿::::::::::::::::/:/ヽ　　//::::::i＿ } / 　　　＿__
　　　　　　　　　（￣「ヽ、　　　ヽ、　　｀ヽ `､::::::::/:ﾉ´　ヽ　/:::／　　￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　｀j￣´ヽヽ　　　ヽヽ　　　｀〈,‐ ､／゛｀'<´ ￣_｀ヽ､＿
　　　　　　　　　　　｀ー‐'´ヽヽ　　　＼　　　　ヽ, ＼ヽ　ヽ　ヽ＼　　￣｀ー‐‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【一揆　猟師　下げ針金作】

なかでも下げ針金作の狙撃は圧巻で、５発中３発は確実に撃ち殺した。
金作は、専用の弾ごめ役を５人も用意し、数挺の鉄砲を取り替えながら狙撃を繰り返した。

483 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:21:01.12 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　　_ , .＿＿ __ __
　　　　　　　　　／ィ-_"´ -─ ‐´-　´._
　　　　　　　　　　／'´　　　　　　　　　｀丶､
　　　　　　　､　/　　　/|/ 　　_,. イ　　　　　　　　｀丶
　　　　　　|l/　　/| 　　／/´ /　　　 ,. -r'　　　　　＼_
　　　　　　　 |ﾊ i /　|　／　　/,. -‐／　く　　　　　／/′
　　　　　　 |　/；　 |/　　　　´ 　　, 　ｨく　　　／　 /　　幕府の上使である板倉重昌は
　　　　　　　　　|/{　　　　　 / 　　／イ　　＼　　　　　 /　　　思わぬ敗戦に愕然とした。
　　　　　　　　　l{`､　 |　 |　/　, イ幺_,､孑　Ｕヾ,r‐､　　7
　　　　　　　　　｀ゞ＼ﾍ､ｊ{/ ／,zィ'ｽジ~′ 　　 /'＾｝　/　　　　あわてて仕寄（しよせ）の構築を各部隊に命じた。
　　　　　　　　　!ヾ'杙N　′´　　　　　　　/　〉 /l　7
　　　　　　　　　　', 　　:| 　　　　ｕ　　　/ 　 __/ﾍV
　　　　　　　　　　'､　　}　　　　　　　　　{　　ｊ　　 |{
　　　　　　　　丶　ヽ-　　　　　　　　　刈　　|!
　　　　　　　　　　ヽ　yｰ _‐‐- ､　　／//　　 {
　　　　　　　　　　　　　`､　　　　　　　／/／　/_,,.､|ｿラ＾
　　　　　　　　　　 `,　　　　　／／／'''７´'''"´
　　　　　　　　　　　　　　ﾍ.＿_ ／／／＼ /
　　　　　　　　　　ャ=十く彡ﾆ／　　＼
　　　　　　　　　　　　　∨￣| |ｌ　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　【幕府　上使　板倉重昌】

仕寄とは、丸太の周りを竹で厚みをもたせた防御柵である。
これを銃撃の盾として、少しずつ陰に隠れながら前進する腹積もりだった。

484 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:21:38.30 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　｀ﾞ｀･;`'　＿ﾊﾞﾁｭ--ﾝ
　　　　　　　　 ∧ ∧　　　　　　　　｀ﾞ｀･;`
　　　　　　　　(・∀ ・;)　　　　　　／　｀´　＼
　　　　　　　　ノ(　　)ヽ　　　　　　　　ノ(　　)ヽ
　　　　　　　　　<　 >　　　　　　　　　　<　 >

しかし、仕寄の作成中でも金作の殺戮は続いた。

　　　　　　　　　 _,,.　-‐-,､
　　　　　　　 <Iｴ¨-‐＜:彡"'ﾍ.
　　　　　　 ,∠　__　　＼彡"ﾍ.
.　　　　　／__／ﾞべ>ｕ／=彡"ﾍ.
　　　　＼`"ﾃ''ラ ,　〈ﾊ'ﾆヽ彡'ﾍ
　　　　　／　　二.´　　V〉ｿﾉ::彡'ﾍ　　　　「くそっ！どこから撃ってきているんだ！？」
.　　　 /　 __┐ 　 _＼u Vく=三彡ﾍ.
. 　　 ‘ｰ ∠､-‐''´　　　　|　＼ﾆ彡;へ、
　　　　　 └┐　　　 │　／／: : :人
　　　　　　 | 　 _,,. ‐''´／.／: : :／: : :＼
　　　　　　　　　￣　＞ '´ ／: : :／ : : : : : : ヽ
　　　　　　　　 ∧　／: : :／: : : : : : : : : :│
　　　　　【鍋島家　家老　多久美作守】

485 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:22:13.99 ID:bT/Zabko

　　　　　　／_
　　　　　　/ 　＼:::::::::::::::::／￣丶
　　　　　 /　　　　￣￣￣　　　　ﾉ
　　　　　ｌ　＼　　　　　　　　　 /
　　　　　/-__　　　― 　　　　 │　　　　 /
　　　　　 | 　＼　|　＿__|＿　　　ｌ　　　 | 　　　　（熱光学迷彩さ）
　　　　　/　ー'|　 /　|::::::::＼　　　ｌ//`ｌ:|
　　　　（　　　ｌ　　＼＼:／　　　 ' )　l/
　　　　　ｌ　 /　　　　　　|　　　　　　 _ﾉ
　　　　　 │'ー　丶　　　　　／　　「　　　　　　　猟師には
　　　　　 │　ー--､_　　　　/　　 | | 　　　　　　　　獲物を待つために
　　　　　 │　丶―-　　　　　　|　| 　　　　　　　　周囲の景色と同化して
　　　　 /゛ゝ　　　　　　　　／′l 　　　　　　　　　気配を断つ技術があるという。
　　　　ゝ　＼＿＿ , ―ﾆﾆ＿／ l
　__　-‐′　　　　　　　　　　　　　　 l
＾　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＾ヘ__

486 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:24:38.94 ID:bT/Zabko

＜島原の乱　初期包囲図＞　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　ｿ　　　　
　　　　　　　　　　　　　　丿　　　　
　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　ノ　　　　　　　寺沢　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　┌────＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　＼　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　丿　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　鍋島　　　　　　　
　　　　│　　　　　　　　　＼＼仕　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　│┓　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　│┗┓天草丸　　　　＼＼寄　　　　　　　　
　　　　ﾉ　　┃　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　立花　　　
　　　　ゝ　　┣┓　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　＼　┃┗━━┓　　　　　　＼＼　　　有馬
　　　　　　　│　本丸　┗┓　　　　　＼＼　　　　　松倉　　　
　　　　　　　│　　┏━━┻━┓　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　天 │凸 ┃　　　　　　┗━━┓＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　主　＼　　┃　二の丸　　　　┃　　＼＼＿　　　　　　　　　　　　細川　　　　　　　
　　　　　閣　　　＼┛　　　　　　　　　　┃　　　∟＿￣│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　┣━━┓　　│ │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　＼　　　　　┏━┫　　　┗━━┓│　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　＼━━━┛　┃　　　　　　┏┛│＿＿へ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　＼　三の丸 ┃　出丸　　┃　／　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　┃　　　　　／　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　＼　━━┻━＿／　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿〆　　　　　　　　　　　ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　
　　　　　　有　　　　　　明　　　　　　　海　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　──┼─→北　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

487 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 20:24:43.34 ID:paPE8JEo

>熱光学迷彩
なあ、これ何年後のお話だよ･･･ｗｗ

488 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:25:41.95 ID:bT/Zabko

二度目の攻城戦は、１２月２０日に行われた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,,＿＿、　　　　　 >>>――
　　　　　　　　　　 | |　　　　　　　　''''　　 '　　　
　　　　　　　　　　 | |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　/＼　　ゝ　　　　| |＿,,,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　ｒ⌒○. ヽ／　　　　_|_|_＿　　　--<　　　　　　　　　＼,,　　　　　　
　　ﾐ/ ・Д)　E)ｒ⌒ヽ|　//　　/　　　　　　　　　　　　　　　　''　　　　　　　　　
　　)　　　）／|/≡ヽ｀)//　　/　,,〟　　　　　　　　　　　　
　　￣|￣|￣|￣|￣|￣|￣|￣|／'″　　　　　　--<　　　　　　　　
　　　 |　 | 　|　 | 　| 　| 　| 　|　 ,,,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　 |　 | 　|　 | 　| 　| 　| 　|￣''''　　　　　　　　　　　　　　...,..,,._,,...,　
　　　 |　 | 　|　 | 　| 　| 　| 　|　,,〟　　　　　　　　　　|"~"''‐''"~　
　　　 |　 | 　|　 | 　| 　| 　| 　|／'″　　　　　　　　--<　　　|＿＿_　
　　　 |　 | 　|　 | 　| 　| 　| 　|.　　　＼,, 　　　　　　　　　|＼　　|
　　二二二二二二二二二二］　　　　'　_,,...-'.、　　　　　　|＼＼ |　＿
　　.　　　　　　　　　　|　　|　　　　　＼　　＼　　　　　|　＼ |　|　|
　　￣￣￣￣￣￣￣￣ |　　|　　　　　　　＼　　＼　　　|＼　　|　|　|
　　￣￣￣￣￣￣￣￣ |　　|　　　　　　　　＼　　＼　　 |＼＼ |　|　|

489 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/05/06(水) 20:26:20.94 ID:CjzwzKY0

オーパーツがｗｗｗｗｗｗ

490 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:26:27.57 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__
　__　lヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.::..:..:;;)
　ヽ,゛ __),＿＿＿_,、ﾍ,/　＿　　＿　＿　＿　_　　　　　　　　　　　　　　　_/.::..:..:..(´
　(,,つr==O====-┘　(　￣　　￣￣　￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝニニｴｦ
　 `l;;;;;; r´　　　　　｀ ´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━‐ﾊ⊂(ω･´ｲ;;l
　_/; lヽ:::）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／・　ミ０ﾆl;;;;l
　ヽ,゛ __),＿＿＿_,、ﾍ,/　＿　　＿　＿　＿　_ 　　　　　　　　　　 (:::::人::::ﾞﾞ';ヾ;;;ヽ
　(,,つr==O====-┘　(　￣　　￣￣　￣　　　　　　　　　　　　　　　　　（:::::::(,/:::ヽ
　 `l;;;;;; r´　　　　　｀ ´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ヽ　/<::<,,ヾ::::::::::）''ミミ
　_/; lヽ:::）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　∧∧i ヾ:i　<<::<
　ヽ,゛ __),＿＿＿_,、ﾍ,/　　＿　＿　＿　_　　　　　　　　　←─bｰ(ﾟд⊂)　　 (::(:::)
　(,,つr==O====-┘　(　　　￣￣　　　　　　　　　　　　　　　　　|　｀ｌ／ i´:..:..:..::::..:..::.:.∧∧..:...
　 `l;;;;;; r´　　　　　｀ ´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ヽ　 l～　　　　　 (Дﾟ,,)　
　_/; lヽ:::）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　∧∧) 　＜>‐─0,,‐⊂)-
　ヽ,゛ __),＿＿＿_,、ﾍ,/　　＿　＿　＿　_　　　　　　　　　 ←─bｰ(ﾟД⊂). 　　 ∧∧ 〉　ヽ～
　(,,つr==O====-┘　(　　　￣￣　　　　　　　　　　　　　　　　　|　｀ｌ／ i´　　　　(∀ﾟ,,)し´ヽ,）
　 `l;;;;;; r´　　　　　｀ ´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ, '| 　＜>‐─0,,‐⊂)-
　/;;;/ｰ;:::）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (,/ヽ,)　　　　〉　ヽ～
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しかし、今回も成果はまったくといって良いほどかんばしくない。
鍋島家のみの死者数、１１２人。負傷者２１７人。
この日の全体死傷者数、７８３人。

491 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:27:37.55 ID:bT/Zabko

こうしているうちに、家光に任命された松平伊豆守が、１２月２９日に小倉に到着する。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　小倉
　　　　　　　　　　　博多 , ｰ'"´│￣・ﾞゝ
　　　　　　　　　　　　　／・　　│　　　l
　　　　　　　　 ..／゛　　　　　 │　　ｌ　　　　　　＿
　　　　　　／￣i　.ゝ　　　　　　　　＼　　＼＿＿／＼￣ﾞ'-、
　　　＿、ﾞ''､　｀゛｀^'ｰ- -､＿＿　　　ヽ＿＿＿＿／´　　 /
　　　|　　｀'"　　　佐賀 / 　　　＼ /　　　　　　　＿＿／
　　　.＼　　　　　　・　./ 柳川　　　 | 　　　　　〈､
　　　.＿ﾞ'､　　　　.ｒ'"^.ｌ.・　　.,,,､＿＿!　 ., ､、　　　　 .￣￣/
　　　.!　｀'ｯヽ　　　,,ゝ　 l-'"゛　　　　｀''"　｀ｉ　　　　　ゝ-､
　　　＼　ゝゞ　　 l＿、 .ｌ、　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　 /
　　長崎ﾞ'､・　 _,..､　　 |　.ヽ,　・熊本　　　 ,／'-､,,、　　.,.　 _ゝ
　　　　　 !._..-'´　/ 　・/　／　　　　　　,./ 　　　　.｀^^゛ ./
　　　　　　　原城ﾞ'・ィ"島原､　　　　　 / 　　　　　　　. /
　　　　　　　　　　　　 / 　　　　　　!　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　天草諸島　　　　　　 .!　　　　.　　/
　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　 !　　　　　 ./
　　　　　　　　　　　　ノ---- ,,_.＿____/ 　　　　　 │

492 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:28:25.61 ID:bT/Zabko

　　　　　　 l|　/: : : : : ,,:::: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :::｀ヽ_
　　　　　　ｌＶ: : :　／/::: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :::｀¨=＝-''ヤ
　　　　　|: : : ／　/::: : - - ‐,'': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::／　一揆鎮圧の指揮をとる板倉が、
　　　　　　{、／　　,'／´　　／、_: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :::ｼ　　　この知らせを受けたことに関する
　　　　　　ｆ　　　　　　 ,,　　　　ミ: : : :_: : : : : : : : : : : : ／　　　　感想を伝える資料はみあたらない。
　　　　　　ｌ i　　　ﾉ　／　　　　　　｀V´　｀ヽ:: :: :: :: :::／
　　　　　//,,　／,／,　　　　　　　　 / ´:: /:: :: :: :: /　　　　　　　　１２月３０日の軍議では、
　　　　　　ヽi≠ｪｭィ´　　　　　　／　ヾ::　/、:: :: :: ::|
　　　　　　 l　　　ヽ　　　　　　 /::::　 _　ノ -ゝ＝- ｲー ― ‐ - 、　『状況が整うまでは待機』
　　　　 /　　　　　　　.ｒ― 、.´ ￣　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　/　　　　　　　　| :ｌ　::}　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　という指示を出していた。
　　　　ｒ‐｀ヾ, ＿　　　　l :|　::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　 | :ﾍ　ヽーヽ、　l ::| .::|　　　　　　　　　　　　　　..:::::::::　|
　　　　 | ::iﾍ　ヽ,　　　 | ::| .::|　　　　　　　　　　　　　　　:::::::　{
　　　　 | ::l::ﾍ　 /　　　 | ::|　::＼　　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　 } ::|::ｌ:ヽ　ー - '/ / ＼　::＼　　　　　　　　　　　　　　　 |
.　　　　} :/ ::} :}　　　　} :|:　　＼　::＼　　　　　　　　　　　　　　|

493 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:29:08.91 ID:bT/Zabko

: : : : : ＞-‐'￣¨　ｰ､_,ｲ: : : : : : : : : : l　',: : : : : : : : : : : : :/　/ｲ: : : : : : : ｲ: : : : l¨　ｰ､＿　_>‐'^',≧
: r‐''"　　/　/＿_／: ∧: : l: lﾍ: : : ::N　 ∨',: : : : : : : : :《ヽ / }: : : : :／／}: : : : i: : : : : :ヽヽ､　　 ', |
: l　　　 /　/: : : : : : /:∧ヽ: l　ヽ､: : l　　 ∧: : : : :／}}}} .l　./: : :／ﾒ　　7: : : ﾉ: : : :: :: ::',::',: :｀≧､,|
::l　　　/　/: : : : : : /:/: :ヽ:＼＼　＼!　　/　ヽ; : :/　 }} }} }　レ'"　／i',´__}: : :/: : : : : : : : ',: ',:: :: :: ',
ﾚ　　 /　/: : : : : : /:/: :／∧＼ヽヽ　　　　　i　∨　　 } }　　　　／／}ﾋ／ }/ヽ: : : : : : : : ::', ',:: :: :: |
',　　 j　 j: : : : : : /:/／: /:i∧　＼ヽ＼　　　',　　　　//　　　／／-'"ll 　 /　.j_: : :: :: :: :: ::}　}: : : : |
_',　　l　ト---'"´l: ｲ: : /: ﾊ'ﾉi　＼_＼＼　', ', i: j　/　／／／‐彡,"jj　 r' j/: :≧､_: : : : :j: :jｰ､___|
　',　 l　ト､　　　l/:l: : :jj: : :ﾍ〈　　＼弋z､＼'.,',,l: j/ .／／,ｨzアﾞ_ノ　 }}/ｲ〉./: : : : : : ＼: :/: j　　　 |
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::',　 ',　 l: ∨∧: : : : : : : : : : : :／: : : : : : : ＼¨ニニニニー' ／: : : : : : : : : : ＼: : : : : : : : : : : :/　/|
: :',　 l　 l: : ∨∧: : : : : : : : ／: : : : : : : : : : : ヽ : : : : : ' ' ／: : : : : : : :: :: :: :: :: ::＼: : : : : : : : /　/:::|
: : ',　 l　ﾄ､: : ヽヽ: : : : : : : ＼: : : : : : : : : : : : ﾊ＿＿／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼: : : : : /　/^::l|

にもかかわらず、翌日には
『即日、攻城再開』
と、前言をひるがえす命令を発している。
板倉の内に秘めたる激高は、いかほどばかりかわかる。

494 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:30:22.43 ID:bT/Zabko

さて、『葉隠』には、松平伊豆守が任命を受けたときの様子が載っている。

（聞書１０の５）
『島原で切支丹の一揆が起こったとき、板倉らを差し向けたが落城の報せがなかなかこなかった。
将軍は重ねて酒井備後守に鎮圧の命をおおせつけになった。

　　　　　　　　　　　　//　　　　　∠　　　V´　　　　＼　　＼
　　　　　　　　　　　//　　　　／　　　｀ヽ､,　-－ヘ、　＼　　 i
　　　　　　　　　　/　l　　　　V´¨　　｀　｀´－―ヾ=ヽ　　i　　i
　　　　　　　　　/　　l　/　　l　　　　　　　　　　　　　ﾍ　　l　　i
　　　　　　　　　i　　V　　　i　＿ ___　　　　　　　　　i　　ｙ　　ll
　　　　　　　　/　／　　/　l´　　　｀　　　　´｀ヽ､, /　　ヾ　　l
　　　　　　　　l　/　/ 　/　　j　_--┐　　　　　　　　7　　i　＼　ヽ
　　　　　　　/　i 　l　　/　／　　　　　　　　　/´｀ /　　　ヽ　ヽ　ヽ　　　「たのみましたよ。酒井どの」
　　　　　／　∧　ヽ　i　∧ヾ==＝-　　　　　__　　ゝ　　　｀i　　〉　l
　　　　／　／　＼＼ヽゝﾑ　　　　　　　　　｀ヾ=＝、〉　　　l　人　∧ヽ、
　　／　/´　　　　J　ヽ｀ヽｔ　　　　　　i　　　　　　　/　l　　／　＼　＼　＼
　／　／　　　　　｀-┘i　i　＼　　　､‐‐-,　　　　ムイ　　l　　i　　ヽ　ヽ　ヽ
/　　/　　　　　　 /７　ll //::::::::丶、　￣　　　∠､_∠　　i_,　ヽ　　l　　l　　　ヽ
　　/　　　　　　/　入、l iv:::::::::::卜＼ __.._　＜:::l　　　l　彡　　　＼i　　/＼　　i
　/／　　　　　/／　　/ヽ=:::::::::::l　::::::::::::::::::i:::::l　　　iて　i　l　　　　＼/　　l　　l
y　　　　　　／　　　/　ヘ::::::::ノ　　　::::::::　ヽ::l　　　l　　ヽ　＼　　　く　　　l　　l
　　　　　／　　_∠／　　く´　　　　　　　　　∨　　　ll　　ヽ　ヽ　　　　＼ l　　　ｌ
　　　　　　　　　　　　【徳川家３代将軍　徳川家光】

495 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:31:09.13 ID:bT/Zabko

　　　　　〈＿,,.. --‐──―--- ､_　　　　　　　 i
　　　　　./.:.:.:.:.:.:　　　　ｊﾉ　　　　　｀`丶、毬　 }
　　　　 /ｊ/ﾉ.:.:.:Nﾉｊ　ｊｊﾉ　　 /!　ｊ |　|､! .ｊ｀ヽ__,ｲ
　　　　/..:jﾉ从　　＿ノ.:.／ノjﾉｊノjﾉjﾉｊノj从　　ﾄ
　　　　!.:.:.:.:.:.:.:.:≦＝TZ二ニ_‐-_ｧ　　ｒ-_‐ﾆヽり
　　　 !.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:: : .'ﾞ{:*9`　　　/ｲ*9` ﾉ:.ノ
　　　　）.:.:.:.:ｊ川.:.:.（:: : .　　￣ ´　 .:〈　￣　ｆ::(__　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　ムｲ.:j从从.:.:.し, : .　　　　　 .: :`、　　{:.:｢´　　　／
　　　　　{.:{!.:.:.:.:.:.:.:.:く: : .　　　　　　‐フ　　ｊノ　　　 |　　しかと、
　　　　　ゞ、.:.:.:.:.:.:|:.|: : .　　　､..,,, ＿,　　/　　　　　　|　　　　承りました
　　　　　　{.:.:.:.:.:.:.:ｊﾉ、: : .　　　＝=　　 /　　　　　　ノ
　　　　　　_｣_{_＿　ﾘ　ゝ、 : .　　　　　∠＿__　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　 |　　　　￣`ｉ　　＞､＿,, ∠ヽ　ﾊ.|
　　　　　/　　__ _ 　　|ン´...ヽ　　　　　〈　/ | |
　　＿/　　|H!{　　 |　　　　ヽ　　　　　Ｖ　.| |
　　　　　　　　【徳川幕府　　酒井忠朝】

　　　　　　　　　　　　　　　,‐＝── -　､_
　　　　　　　　　　 ,　‐　´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀-、＿__
　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.＼:.＜￣
　　　　　　／:.:.:.:.:.／:.:.:/:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.＼:.:.＼:.:＼:.:＼｀ヽ　　　　　　　　ところが、そのあと、御前へ松平伊豆守がまかりでて、
　　　　　 /:.:.:.:.:／:.:.:.:/:.:.ﾉ:.:.:.:ﾄ:.:.＼:.:.:.:.＼:.:.＼:ヽ｀ーヽ
　　　　　 |:.|:.:.:/:.:.:.:./:.:./:.|:.:.:.:.|:.:.＼:＼:.:.:.:.＼:.:.＼:.＼　｀
　　　　　 }:.|:.:/:.:.:.:./:.:/:.|:.|:.:.:.ﾉ＼＼＼:.ヽr‐､:.:ヽヾ｀､:.＼ー=＝ニ二＝-､　　「このたび、備後守をお下しになりましたが
　　　　 //:.|/|:.:.:.:./://|:|/／／戈ヽl|:.:.|:.:.}　/─‐＝≠￣ : : : : : : : : : : ヽヽ、　御満足のいく結果は得られないと思われます。
　　　　///l:.:.l:.:.:./:// l:.| ／／ﾋ丈|r──＝￣ : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽヽ
　　／//　|:.:|:.//≧､ l:| ノ `￣ ´／／￣__: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ／　備後守は出陣の準備として屋敷に戻り、
　　　ノ´　 |l:.:lヽヽ:.lゝ'}ﾘ　　　 ∠-‐ｿ廾ー､｀､ : : : ﾉ: : : : : : : : : : : : : ／　　　まだ出発しておりません。
　　　　　　 ||:.| ヽヽヽ <　_＿_,..- 　ノ／／ﾉﾉ : ／: : : : : : : : : : : : ／　　　　　
.　　　　　　　ﾘ　ヾ＼＼｀ヽ､　　／∠　/／／-＝ー-: : : : : : : :/　　　　　　これはお心に叶わぬいたし方にございます」
　　　　　　　　　　　　｀｀ヽ＿｀ﾆ-‐ ┴ー､: : : : : : : : : : : : : : : : :/　
　　　　- ､_＿＿ -─＝￣: :r´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＜´
　　　　　＼: : _: : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : ｀`ヽ､: : : : : : : :
　　　　　　　　　　　【老中　松平信綱】

496 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:31:56.66 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　 /.:.:.:.:.:/:.:.:. :.//:.:.///:/',.ヽ: :.:.:l:.|.:.:.＿:..:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　/.:. /:.:/ ..:. :.//:.:.///:./　ヽヽ. :.l:.|.:.:.＼｀ ‐-- ､,
　　　　　　　　　　　　　}:. /:.:/: .: .:.//:.:.///:./　,. -ヽヽ:|:.|. :. | ヽヽ‐- ､＼
　　　i　　　　　　　　　,': / :./:.:　.:.//:.:.///:./／_,rｚ=ﾐヽl:.|:. : l:.:.:.ヽヽ: : ＼＼　　　　「それがしにお命じいただければ、
　　　|l　　　　　　　　/:/| ｲ|. :.: :.仆ｰ/// //ノ仆iｒイﾌ.,７,': .:/:.:.:./:.} } : : : :＼＼　　　城からすぐに島原へとむかい、
　　　| ',　　　　　　 // |.l:.|:.l:. :./,ﾆ≡/､〉　　　￣￣　//: :/:.:.:.:/､.:.| | : : : : : ＼＼　　一揆を即座にふみ潰してご覧にいれましょう」
　　　| l |　　　　　 /´　l:|:.l:.|:.:.:.ﾄ!斗㍗〈　　　　　　　/ｲ:.:/:.:.／ヽ}.:.| | : : : : : : : ヽヽ
　　　| | l　　　　　　　　|!|:l:.ヽ:.:.ヽ　　　 ' , 　　　　　 //:./:／r｀／l:.|.| |: : : : : : : : : :　　こうして伊豆守の言うとおりとなり、
　　　', l |　　　　　　　　',|:l:.:|ヽ:.:|.' ,　　　ｬ＝=─￢'ｲ:.,'／/‐ ´i:l:.,'ﾘ } }: : : : : : : : : :　　ただちに出発していった。
　　　l　| l 　　　　　　　ヽヽ　}ﾉ|:.l:.＼　　 '￣￣　　／／ l:.l:.:.|:|:.{ / /: : : : : : : : : :
　　　ヽヽヽ､　　　　　　　　 ´　ﾘi|:.||,:.＼　　　　　,　'　　　.|:.|:.l|ヽ./ /: : : : : : : : : : :
　　　　ヽヽヽ｀ー-　､　　　　　　/ l| ヽ.:. ヽ､ , イ　　＿__ |.ﾉﾘヽ/ /::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.
　　　　　＼＼＼: : : : ￣￣──‐/ ─|ﾉ.┴､, -‐'ニ二＿￣￣/ /::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::
　　　　　　＼＼＼ : : : : : : : : : : : :___:{/¨｀‐´｀ー´¨,＿＿__／／::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::

497 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:33:46.35 ID:bT/Zabko

　　 ,／　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　/　　　　　　　　　,,､-～＿二二,｣　　（⌒）
　,iﾞ　　　　　〈K)　　_,､-''"´　　　　ﾞヽ、　/
　|ｰ～ヽ、　_,､ ,,､-'" ,　,; j'ﾄ､　ヾ;.i　ヾ;）
　ﾞﾄ､＿＿,ﾆ-ｧ"/ ,ｲ,ｸｸﾞﾊハNﾊﾘ　i, ｿ　　　備後守は激怒した。
　/';';';';'　,ﾉ,ノﾉｲ∠幺ダ　'ｪｪ=ｷﾚ|l;, ;ﾚﾞ
　|　;;;'' ='イ　''"'〒ﾃ~`' 　.i 'Tﾌ`　,!''ｿ　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　ヽ、　;;''ｲ　　　｀¨´ 　　 !:　　　 |　ト　 .|　伊豆守のしわざだな！
　　ﾈ ;;''　ﾋ　　　　　　, _. 〉　　　,|ｲ,ﾘ　 |　おのれ、今から首を洗って待ってろ！
　　 | 　　;;い　　　　　　　　　　 ,iﾞ,ﾅﾞ　　人_＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　ヾﾐ　　 iﾄ、　　　ｰ''二￣　./ﾂ
　　　　)ぃ,l ﾘヽ、　　　　　　 /ト-:､
　　 ,, -'^;;ゝ|ヽ　`''ｰ､_＿_,,ノ_｣'''ｧﾞi,
　　.|.n '';;;〈　＞'"~＞''"ﾆ=F".:::::,ノ'!:!＿

　　　 !iﾞ ;'　　 ,i　　,! ,/!,i,iﾊﾄ, i, !! |i', ﾞi; i;;;';';,,_ミ:: ;;, ﾘ
　　　 lv',ｨ'　,;;;i　〃;/ ﾘ.ﾘl| !lﾞ:,ﾄ,ﾞ:､li;'､ i:.ﾞi;..;;;;;;;,ヾ ;;:〈
　　 ,ｨ,ｨ/ ,,;;:;;ｲ,/ｼノﾝ' ﾉﾞl! ﾞ'いﾐ`ﾐゝﾐゝ､ﾞ';;;;;;;;;;;;;'v;;;i　　これを父親である讃岐守が制した。
　　'" /　,;;-''ｼr--=､∠,,__ﾞ､　ﾞゝ,;≧-─ﾐｰi;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
　　　iﾞiﾞ　 ;;ﾍ |　ーt‐:ｧﾐ:｀､`　' '<"t::ﾗｰ-　|;;;ﾊ;;;;;;;;;;iﾞ　　「忠朝、まず心を鎮めて聞きなさい。
　　　ﾞ;ﾞ､　（ﾊ,! 　｀""´'　ﾞ:　　 `' ｀ ´　　ﾉ;ﾘ ,i;;;;;;ﾉ
　　　ﾞ:,ﾞ:､.ヽ,ﾐﾄ: 　　　　　 ,　 :.　　　　　　ｹﾉ./;;ｬ'′　　土井利勝が死に際に、
　　　　　 `:､`ｰ;　　　　　 ,'.　 :::,　　　　'ﾞﾌｰ';;lﾞ　　　　　私に対してこういう助言をくれたんだ。
　　　　　　ﾉ,;;;;ﾞﾄ　　　　 `ｰ-‐'ﾞ　　　　 /};;;;;;;l、
　　　　　 ,ｨ'ｽ､;;;|`､　　　-‐ - ─-　　 /,.};;;;;;;;;;　　　　　『伊豆守に油断をするな』と。
　　　　 _｣ゝ､;;;l　;ﾞ:、　　　'''''''　　　,ｨﾞ 'ｸ;;;:;:;;;;｣
　　＿／/　　 `:'､ﾞ; ﾞ' ､　　　　　 ,ｨ'ﾞ　;'ク:::::::::::;`;､＿　　こんな小細工を弄することはかねてからわかっていたよ」
　'"／　 l　　　 r‐`ｉﾞ:,　 `ｰ---‐''ﾞ　　｢..:::::::::;ｨ^!;;;;;;;;;;;;
　　　　　ﾞ!　　　|:::::P"⌒`ヽr～''⌒`く! ::::::::iﾟ_ノ,;;;;;;;;;;;;
　　　　　 | 　　,l:::::::|　　　/ バ　　　 ,l :::::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　　【幕府　老中　酒井忠勝】

498 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:34:42.99 ID:bT/Zabko

　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　
　　　　　　/　　　　　　　　　　＿＿,,,,,,､､､､}__,　　　　　　　　,／
　　　　　 /　　D　　　, ．-''"￣　　　　　　　く　　　　　　　/
　　　　　,'　　　　, -'"　　l　　　 `、　　　　　　ﾞi、　　　　､. {　_.. - 'ｲ `''ー--．、_
　　　　　{　　, -'　| ｊﾘ |　川　､　　ヽ　　　　　　　}、　　　 У'´　　　彡 f゛　　　　 `''ｰ-､
　　　　　 У´　　　从ﾞi、从ゞ、从　ゞミジ〝　　　ﾞi　　　/　/ﾂ　　　　　　　　　　　jii
　　　　　/　　 / /ﾉ八ゞメ, -ー廾ゞミ辷ｒｰ､　　　ﾘ　　 {　ｲ从　　　　　　　　|リ　州
　　　　　{| {　,' /　_.. -ｰ_　 f¨¨［iｊ　　）j爪)） }　　ｊ　　 J人ﾘ小ゞ　　ﾞi､　　　　　ｲ　ノ
　　　　　iﾄ､ｌ川ヽ　'´_{li､　　　￣　　　ｲｊ彳 /　 |ﾉ　　　　　ﾞi ､ﾆゞミ　ゞ、
　　　　　ﾞi､ゞ从ﾞi、　　ｊ　　　　　　　　　ﾄｰ'　　〈　　　　　　〉{|`' ヽ　ミｬ　　　　　　　ｨ
　　　　　　　　ヽ;爪　 {、　,　　　　　　　八　　　ヽ　　　　 /´　　　ｊ　　`ゞ　　　　　vｼ
　　　　　　　　　リ八　　 ,,,.．- ・　　　 /　ﾊ　　ﾊ》　　　　/　　　　イ　　　　从ﾘ　ｼ　ﾘ
　　　　　　　　　　　 `、　　=＝　　　 /　　　从ﾉ__　　　　ヽ　　　　ﾞi、　ﾘ　　ｼ从i{
　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　_, .-ー‥'''¨￣　　|　　　　フ　　　　）ノハ
　　　　　　　　　　　 ,ィ'´ `、__ _ﾉ /　＿＿,,,...　　　|　　　　　ゝ　　　　/　ヽ从り　ｊﾙ　ｊ＿ﾉ
　　　　　　　　　　　/　 V'ﾝ￣~7 ,' 「O O O 」　　　ﾞi、　　　 {、　 _ノ　　___.. - '' "￣
　　　　　　　　　　 /　 /　　　〃 /　`"´￣_, -＼"　＼　　　　￣_,,､-''''"
　　　　　　　　　　/　ｲ{＿_,,,.ノﾉｊ＿, -''"　　　　＼　　 `-.、　 / {　　「|

「お前さんがここで、怒りに任せて伊豆守を討ったとしても、だ。
それはイライラを晴らしただけさ。
世間からも主君の面目をつぶしたことで笑われ、忠義にならない。
やっこさんに対しておかんむりなのはわかるけどね、ここはお上の顔を立ててやろうじゃないか」

備後守は納得し、そのまま隠居してしまった』

499 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:35:36.90 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　,　--────---　, 　　　　　 _　　　　　　　／|
　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　 /||＼|￣￣＼/　 !
　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : :.／: : : : : : :.＼.　　/ﾆ!!三| |￣＼/∧ |/
　　　　　　　　　　　 /: :./: : : : : : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : ＼ |三!!三| |三ﾆ//ﾆ∨/
　　　　　　　　　 /: :./: : : : : : : : : : : : :/: :./: : : : : : : : : : :.:＼=||ﾆ.//三.//三//=
　　　　　　　　　　/／/: : : : : : : : : : : __/: :./:. :. :. : : : : : : : : : : : ||_//三.//三//三
　　　　　　　　　／　/: : : : : : : : : : :f´‐|: :/!: : : : :／|:.:.|: : : : : : /.//三.//三//三=
　　　　　　　　 /: : : /: : :./ : ／| |. |:.:| |:.:. : :/、 |:.:.|: : : : : : !//三.//三//三三
　　　　　　　　　　/／: /: : :./: :./　ヽ｀l:. ! !: : :/ |心＼!: : : : ／|/三.／三//三三=
　　　　　　　　　／/: :/: :／|: :./　　 /.|:.:| |: :/　.ﾚ' .|　|: : ／.|　!､／三.／/三三三
　　　　　　　_ノ_／／　.|:./ 　　 |　ヽ| |:.:|　　ヽ　 /／|三|　! ￣￣／三三三ﾆ
　　　　　　　　￣　 /　　　 .ﾚ　　　　 '. 　　|:.:|　　　／{ 　 |三|　ヽ＿／三三三ﾆ=-
　　　　　　　　　(二二二二／＼　　　'.　　ヽ| __　　 _ゝ /三ヽ＿／三三=.f´ |: : : :
　　　　　　　　 /三三三ﾆ// ｀ヽ＼／ヽ　　　 >‐' ／/三三=//三三／:.:|.　i: : : :
.　　　　　　　 /三三三ﾆ//三三=〉〉　　＼　／　／／三三=//三=／: : :. !　.!: : : :
　　　　　　／三三三=//三三=// 　　　｀　／／三三三//三／: : : : : :|　.|: : :./
　　　　／三三三三//三三ﾆ//＼＿＿＿＜´二二二二._/_／: : : : : : : /　 !: :./

松平伊豆守は確かに知恵を買われていた。
が、そのエピソードは必ず尾ひれがついてまわっていた人物だった。

500 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:36:29.20 ID:bT/Zabko

寛永１５年（１６３８年）元旦――

,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,................................　　　　''~""'''　‐-,,,,,_＿_,,,__　　　　　　　　　　　　　　
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;;;;;;;::::::::::::::.............　　　......　　:　　　..　:　　　　....　　　　　　　　　　　　　~""'''　‐-,,,,,_.　
:::::::::::::::.......　　　　　　　　　　　　　　,_　　　　　　　　..　:　　　　....　　　　　　　　　　~""'''　‐-,,,,,___
;;;;:,,:::....　　　ドドドド　_　　　　　　　ｨ;:).ヽ　　　,,　　　　　 ..　　　　
彡(ヽ,:::::::::....... 　　 (. |　　　　　　　| てヽ),,;彡(ヽ　　　　　　　　　　　　
／ `'　　　　　　　　 ) |　　　　　　 /ヾヽー'　／ `'　　　..　:　　　　....　　　　　　
|ヽ　|ヽ　　　　　　　￣|へ　　=ミ≡(.　 | |　　/ 　　ドドドド　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
lソ／ミミﾐﾐ;,　　　　　く|）ヽ＿、ノ　) ノ　<<　　　　　　　ヽ丶　　　　　　　..　:　　　　....　　　　　
ゝ　くi　＼　　　　　　ハ　　 /　へ　　　ヽヽ　　　　　　　ヾヽ､ﾐヾヽ､　　　　　　　　　　　　　　　　　
（　＼　　＼　　..　　　　　　..　　く|）ヽ＿、　......　　:　　　..　ゝ　ヽミゝ　ヽ　..　　 :　　..　　 :
-,,,,　＼　　ｿ ......　　:　　　..　　　ハ　　　　　　　　　　ー=彡三彡彡彡丿＼　..　　　　　　　　..　:　　　　....
／　''''-◎　　　　　　　　　　 ll　..　:　　　　....　　　-ー=彡三彡彡彡彡丿　ヽ　　:　　...
;;;;;;;;::::::::........ ,. ‐''''￣''ｰ､　　　ll　　　　　　　　　ー=彡三彡彡彡彡彡ノ　　く)＼　ドドドドド
;;;;;;;;;;;;;,,,,,,.../;;;;/;;ｌ　　ｌヽ｀'､　 ll　　...　　..:　　ー=彡三彡彡彡彡彡彡ヾヽ　　　＼　　　ドドドドドドド
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;/;;;;;;ｌ;;;;,,,, ｌ　ヽ｀ヽil　　　　　ー=彡三彡彡彡彡彡彡彡彡　ヾヽ

３回目の総攻撃の幕が切って落とされた。

501 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:37:17.84 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ/_,ヽ,　ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/　ヽ、ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　へ　　　　　　　　　　　　/'''ー―'　、　　ｊ　`l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,....,,_＼　　　　　　　　　　ヽ　　,､__＿,　　ゝﾉ　,
- ,,,_　　　　　　　　　　　　　　　　　　(' .(　;ヽ　く、　　　　　　　　　,'　（　　　　`'ヽ、　　　,'
‐-,,,,,_"''' ‐- ,,,,,__　　　　　　　　　　　ヽヽ'　,⌒ヽゝ　　　　　　　　ヽ　C　　　　　　ヽ、,ノ、
　　　~""'''　‐-,,,,,_‐-,,,,,_　　　　　　　　ヽ||/　　| ヽ、　　　　　　,､く　　ゝ　　　　　　`ｰ‐ｰ-
　　　　　　　　　　　~""'''　‐-,,,,,_　ｃ,,-‐''ヽ､ /ヽ　ヽ、.　　　／__＼ヽノ　　／＼　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　くゝ　,,-‐''　　ヽ ,.-ヽ、　 '､( ヽく　　　　'､(ヽく　　　　,r゛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,、　`'　　"'ヽ,.-‐''"彡彡ヽ,　ヽ' ,⌒ヽ　　　ヽ'　,ヽ　　,r'
　　　　　　　　　　　　　　　　／__＼'''''''''ー-/彡彡ヽ,.-'7゛ｃ,,-‐''ヽ　ﾉヽ"'''ｃ,,‐''　ﾉヽ,r゛
　　　　　　　　　　　　　　　　 '､( ヽく　　　/,.-‐''/　　/　くゝ-ー''''　　ヽ　　　7'　,.r'
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ' ,⌒ヽヽ、　　ヽ/..,　/ヽ　　　　/彡ヽ彡ヽ　 ,､‐''ﾞ
''''''''''ー―─ ー―─--,,-ｃ ,,-‐''　ﾉヽヽ/ 　　,'...,;`/、ヽ、　　 /　/　ヽ,‐' ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　くゝ-ー'''''' 　ヽヽ　　,'　,' ﾉ　ヽ、＼　ｌ_,.-‐''" ドス　ドス　ドス　ドス
　　　　　　　　　　　　／＼　　ヽ,.-‐''"ヽ..ノ、,'/　　　 `_,.-‐''"
　　　　　　　　　　　　'､(ヽく　　　/彡/ヽ(ミヽ､Yｌ　,.-‐''"
　　　　　　　　　　　　ヽ'　,ヽ　　/　 /　ヽヽ､__`ﾉ
‐- ,,,,,_─ー―─---ｃ,,‐''　ﾉヽ、(　 _,.-‐''" 　　　ドス　ドス　ドス　ドス
　　　　""'''――─---------ｰ'''"ﾞ｀

鍋島家が受け持つのは、出丸、二の丸、本丸、天草丸と広い。

502 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:38:14.05 ID:bT/Zabko

　　　　　　 / 　　　　　　　　　　　　　　　i::::::ｗn||二二二二二二二ヽ
　わ　　　　/ 　　　わ　　　　　　　　　　　　丿 /' '' 　　　　　わー
　/　　　　 /　　　/　　　　　　　　　　　　　///,-''''''-､　　　　　　　　　
　　　　　　/ 　　　　　／　　　　　　　　　/// l　　,､,,...>､　　　　　　　　　
　　　　　 /　　　　　／　　　,､　　　　　　ヽ　ﾉ-‐i'`､,,...--`、　　　／わー
　　　　　/ 　　　／　　　　　ヽヽiijj､　　　　＼ `')`,'二二ヽ　　　／
　　　　 /　　　／　　　　／ゝヽヽiiijjlii　　　　　)つ'//ヽ　　ヽ／　　,-‐-､
　　　　/　　／　　　　／　　／　iiijjliijli､　　　　（///// |　　 |　　ﾉニ､,､ｌ
　　　 /　／　　　　　|,　／__丿　iiijjliijliijl,へ､　/////ノ　　　|　　 '､ヽ==ヽ_
　　　/／　　　　　　　`' `)_,'　ヽ=======ヽ（ヽ/:::::::::/　l　　　 |　　　/　(/(　 >
　　 /　　　　　　　　　　　　　　ノiiijjliijjliijijliiiillゝ--ノ/ 　l　　　|　　　､　,,,,,,/ ノ,
／ /　　　　　　　　　　　　　　　iiijjliijjliijjjlijjiillliili､ /=======ｌニ二 ,ヾヽヽiijjli､
　 / 　　　　　　　　　　　　　　ノiiijjlii jjliij jjl jjllll／ニニニニヽ　／　ゝヾヽiijjlii､
　/　　　　　　　　　 ,､､、　　ノjjiijjlii"li 　,-''￣'''-､ニニニニヽ／　　　／　ijjlijlil
../-----―――ー〈rｧ;ー /　　jj　　　ノ-ヽ(⌒､ >､二二二ヽl　ヽ／,__丿ijjlijlili
/　　　　　　　ヘ　　l　<　ト､　　　　(`ー-､(⌒(彡>／　　/ `‐'､_／　ヽjijilii
>　　ヘ　／　◎＼/　　l川ﾘト､　　　　'､､〈/⌒ヽＫ､　　　　|　＼　　　　ヽjil
ヽ／　◎＼/ <7/ ,'ー─--,,_川ﾘト､　　`ﾉ/ミミミ/　ヽ　　|　　　ヽ　　　　ヽ
　　ヽ<7人､/=ヽ / /ヽ、　　川ﾘト､,,,, -`/ミミミ/　　|　　|　　　　ヽ_,,,...-
ヽノ　　ｌ`､ｌ`､　 /　ゝ　""'''''__,,-‐''"",､ ‐'ミミミ/　　　|_,,,...-,. ‐''''￣''ｰ､
　ヽ　　ゝ　　iiijjliilii､ゞ,,‐'''"／ヽ-‐' ﾞ==二) ミ/　　　　|　　/　/ ｌ　ｌヽ　ヽ
　　／ゝ　　　iiijiiijj liiijl､　／ヽ'-====二,,),,ノ　　　　|　／　/　ｌ　ｌ　ヽ　ヽ

この日の攻撃は苛烈を極めたことを『葉隠』にも記載されている。

503 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 20:38:17.79 ID:CalOT0Ao

黒伊豆さんや！

504 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:39:40.25 ID:bT/Zabko

（聞書８の４９）
島原の乱のとき、鶴田弥七兵衛が使者を勤めたこと。
元日の攻撃のとき、弥七兵衛は多久美作の使いに出た。

　　　／⌒ヽ
　　/　´_ゝ`）すいません、ちょっと通りますよ・・・
　　|　　　/
　　| /|　|　　＜パン
　 //　| |
　Ｕ　 .Ｕ

口上を述べている最中に城から腰を撃たれて、前のめりに倒れた。
　　　　　　　　　 __,,,,,,
　　　　　　　　 ,.-'''"-─ `ー,--─'''''''''''i-､,,
　　　　　　,.-,/　　　　　　 /::::::::::::::::::::::!,,　　＼
　　　　　（　 ,'　　　　　 i:::::::::::::::::::::;ﾉ　ヽ-､,,/''ー'''"7
　　　　　　`''|　　　　　 |:::::::::::::::::::::}　　　　　｀`ー''"
　　　　　　　 !　　　　　　　'､:::::::::::::::::::i
　　　　　　　 '､　`-=''''フ'ー''ヽ、::::::::::/ヽ､-─-､,,-'''ヽ
　　　　　　　　＼＿／　　　　ヽ--く　　 _,,,..--┴-､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`"　　　　　　＼>

505 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:41:44.78 ID:bT/Zabko

しかし、起き上がり、口上をすべて言い終えてから力尽きた。
　　　　　　　　　　 _,..,,..,､.,､,,
　　　　　　　　／´.,:;:;:;:;:;:;:;:;;;;;`;.､
　　　　　　／.,:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;;;;;,.`､
　　　　 /.,:;:;:;:;:､:;:;:;:;:;:;〃彡;;;;;;;,.ヽ
　　　　　 l.,:;:ｯｖｿヾゞ;:ｿ'"´ぐ;;;;;;;;;;;-､;.
　　　　 ;;'"`"　　　　　　ミﾐ;;;;;;;/;'ﾍヾ,
　　　　　{!　　　　　　 ,.　　ｌヾ､;;;!ヾ;ｦ!1
　　　　　　!　　　 _,,;='_"`､,　　　　`っ} !
　　　　　　{=;;;､､_ゝk'.ゞ';`'´　　　　　'´ `‐- ､
　　　　　　 `}^'ｿl　 '.､´　　､　, ' 　　 |/　　　｀` ‐ ､
　　　　　　　 !　〈　 , ヘ　　｀　　　　//　　　　　　　＼
　　　,　-─‐‐- ､^,.j,‐＿､　　　,ノ　〃　　　　　　　　　＼
　／ . :..:..:.::.::.::::::.ヽΞ‐'´`ヽ,ノ　／　　　　　　　　　　　　ヽ
. /∨／ . :..:..:::::::::::::.ヽ､__,. ノ　／　　　　　　　　　　　　　　ヽ
ﾍ､{〈kv, . :..:.::::::::::::::::.|｀ー-‐' ´　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ

遺体を美作守の陣に届けるために、
平千兵衛が運んだが、帰路に流れ弾に当たって戦死した。

/　　　　　　　　　　　　 f⌒i､
.,'　　　　　　　　　　　　　'i )） }ヽ
.{　　　　　　　　　　　　　ヾソﾘ　ヽ
..',　　　　　　 ,.／イ'　　　　Ｙ
　i　　ゞ､_,Yr,.ィ,.ｲ　　　　　　',
　 't_,.ｯｧ`｀ヽ~´　　　　　　　　}
　　 !ｰ' ﾉ　　 ,..)　　　　ヽ　　| ,',''
　　ゝ､ゝ‐- ' _,.,.イ´~!i,　 ',　i ,!/
　　　　`ヽ f'r-t''´　./ﾊ　　} ,j/ｻ
　　　　　　＼ヽー',ィ /　},ﾘ/ｯ',. -‐
　　　　　/ 　 .＼`ー' 　ﾌﾟ , '
　　　　 /　　　　　`ー‐''　,.'

506 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:42:44.82 ID:bT/Zabko

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
((＿((＿((___((____((＿(＿((＿((＿((__((___((___((＿((___((＿@　((__((__((__((__((__((___(__((__((__((__((__
　／　／　／　／　／　／　／　／　／　／　／　／/ / / / / / / / / / / / / / / / / / /
／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／/ / / / / / / / / / / / / / / / / / / /
ニ@ニ@ニ@ニ@ニ@ニ@ニニ@ニ@ニ@ニ@ニ@ニ@ニl:l//_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:|==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:|　|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|／|ヽλ＿Ｙ～匚乂_ゝ、イ~ヽソヽ,ﾊ__ノ乂_ゝ~ヽ
ヽλ＿Ｙ～匚乂_ゝ、イ~ヽソヽ,ﾊ__ノ乂_ゝ~ヽソヽ,ﾊ__ノ、|ｴ |匚ﾉ___~A___匚ﾉ___〉~~A(o)___匚ﾉ＼/匚乂_ゝ、

　(((;;;:: ;: ;;　　　　　　　　　 ;; ;:;::)) ::)
　　　( ::: (;;　　　∧_,∧　　 );:;;;)) )::: :; :))
　　　　((:: :;;　　(´・ω・)っ;;;; ; :))
　　　　　((;;;　　(っ　,ｒ　どどどどど・・・・・
　　　　　　　　　 i_ノ┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　鍋島勢は勇猛果敢に塀にすがりつく。
　((;;;;゜;;:::(;;:　　∧__,∧　'';:;;;):;:::))゜)) 　::)))
　(((; ;;:: ;:::;;⊂(´・ω・｀)　 ;:;;;,,))...)))))) ::::)
　　((;;;:;;;:,,,."　ヽ ⊂ ） ;:;;))):...,),)):;:::::))))
　　　("((;:;;;　（⌒）｜どどどどど・・・・・
　　　　　　　　三 `Ｊ

507 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:43:23.18 ID:bT/Zabko

＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―　　　――――　　　　＝＝　￣￣￣　――＿――￣＿＿＿￣―

￣＿＿＿￣―＝＝＝━＿＿＿￣―　＝＝　￣￣￣　――＿――＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―
　＿＿＿―＝＝＝―＿＿＿　　　――――　　　　＝＝　￣￣￣　――＿――￣￣―‐――　＿＿＿

￣￣―‐――　＿＿＿￣￣―――　　＿＿＿　＝―　　￣￣＿＿＿￣―＝＝＝━＿＿＿￣―
　――――　　　　＝＝　￣￣￣￣￣　――　＿＿――_━￣￣　――＿――￣＿＿＿￣―＝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　', (:'　 ----------=======
　　　,'　　　　　----------========≡≡≡≡　　　　　　　　　　　ﾉ': :ヽ
　 ', (:'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ从ノ　　　　　 ,,,
　ﾉ': :ヽ　　　　　　　----------=======　　 ,'　　　　　　　　　　｀￣￣￣￣￣￣'''
　ゝ从ノ　　　　　 ,,,　　　　　　　　　　　　　　', (:'　　　　　　　----------========≡≡≡≡
｀￣￣￣￣￣￣'''　　　　　　　　　　　　　　ﾉ': :ヽ
　　　　　　｀￣￣￣￣￣￣'''

だが、一揆勢も飛び道具・丸太・落石など、さまざまな防御手段を用いた。

508 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:44:10.97 ID:bT/Zabko

__人__人__人__人_ ／　　　　/　　　| i⌒i　　　r-、　っ
　　　　　　　　　　(　　　i⌒/.,,_/-、|".- '^ヽ- !_ ﾘ-、　っ　　
　さん・ちゃご　（ . i'"ト(ｴﾆ/!_ ﾘ-、　　 i⌒i　　　〉　　　　
　　　　　　　　　　( 　! / ｦヾ/　! ! ヽヽ　 r - '^ヽ　 !
⌒Y⌒Y⌒Y⌒!⌒ヽ　/ i⌒i . |　r-、ソ　　　　 .i ）-| 　　　
　　　　　　,- 、　＼　 ~ト-!ヽ|　!_ ﾉ--／　 .i⌒i 　 ! っ
　　　　　　i　ﾘ　　ﾒｦ　i | とﾆ| |　 !'／　 |　i~- '~^ヽ
　　Ｒ,／「MﾉＴニソ　＼　! 　ﾄﾉ／ /　　| ﾉ | |　ﾍ〉　　　　
　　 .し '"!　 ; ﾉi　　　 i⌒ｧ　　, タ+-ﾍ　　dノﾘ |　 .ﾋ!
　　　　 / 　+　 i　／"⌒t二_ツ　 !　!　　 | / ﾍ,,_ノ　　　　
　　　　/　　i　　i/ ﾊ　　 /　　 i .|　ヽ.ヽ　　| 〈　!　|
　　　 /　i⌒i　　!ｄ/　　 i　　　」 j　　ﾄｿ　. |　ゝ.! .!
　＝＝＝＝=<i＼,ﾄ- ＜.＼　　　　　　　　　　ﾋi
　　　/,! ;　　（二_) /⌒ﾞ７ / ヽ _人__人__人__人__人_／
　　 "-! ,,__　 |　/ ﾑ　　/ /　　）　　　　　　　　　　　(
　　　人＿,,メ　￣　　＝ゝ　）　いえじし・まりあ（
　　 .（ _,/＼　）　　　　　　　　 )　　　　　　　　　　 (
　　 ,/７　　 !ﾆﾉ　　　　　　／⌒!⌒Y⌒Y⌒Y⌒!⌒ヽ
　　Ｌ/　　　Ｌゝ　　　　　

一揆勢は怒とうのごとき喚声をあげ、白地に十字の旗を掲げて戦った。
「さん・ちゃご」とは、キリスト教三大巡礼地のひとつである、スペインのサンチャゴ・デ・コンポステラ。
もしくは、聖ヤコブのスペイン表記のことだといわれている。

509 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:45:19.83 ID:bT/Zabko

　　　　 ..:::::::::::::;;;;;;;:.　
　　　 /:::::::::::::::>　、、　　　　　　　　====、
　　　 |:::::::::::《V　<すiｺ=l===-l.l"|￣| ll　.ll |
　　　ヾ:::/　'l 　　　ゝ　|o￣o| ` ―| ll　.ll ||
　　 /二ヽ_.　　⌒/ 　 .l l--l l 　　 .| ll　.ll || 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_.
　./､―ヾ、＼￣￣￣￣￣￣￣￣|:三三三ヽ======"￣￣||||二|〕ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ||ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ〔| 二二|
｜( :::＿＿ヽ二]　　　二二二二　.|======⊆⊇------.∵ ||||ﾆl=================||ﾆﾆ)
　ヽ'＼　　＼:::::::mm//￣≧）__.＼＿＿＿/ﾆﾆﾆﾆ◎ヽﾆﾆﾆ|
　　|:::::::＼　　＼｀~~／ヽ/　　　　　　　　　　　／／／´／
　./◇　:::::＼／￣/´ ＼/ 　　　　　　　　　.／／.／ ..／
.（ ::::::::::::::......ヽー―~/ﾌ´　　　　　　　　　　＼'／ヽ／
　ヽ;;;;;;;;;;::::::::::::ﾉ;;;;:: |　￣　　　　　　　　　　　／／.,＼
　/:::::::::/￣￣|:::::　 |　　　　　　　　　　　　／／　　＼.＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,／　　 /} _.．-‐￢‐- ．
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, - 、　 / 　　 ,.ｒ:´　　　　　　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　＼　Ｙ　. : :´ }､　　　　　　　　',.
　、　　　　、　’、　　′　　　　　’　　　　　　；　　　　∧　　　| . : :´　　　 1 　　　　　　　 ;
　　.． ’ 　　　　　’、　　　′　’　　　．　　　　　　{　＼. : :´　　＼　　,ﾉ　　　　　　　　}
　　　、′・　 ’、．・”；　　” 　’、　　　　　　　　 . : :´　　　　　　ﾍ√.　　　　　　　　 ;.
　,;′ 　 ’、　 (;;ﾉ;;　(′‘ ・．　’、′”；　　　 . : :´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,’
’、　　・ .(;　（´;^｀⌒)∴⌒｀．・ ” 　；　　 . : :´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　厶イ
　.､　　’・　､´⌒,;y'⌒(（´;;;;;;ﾉ､"'人　　,.ｒ: ´ 　＿＿＿　丕二ニ＝/1-- ‐ ＼¨　￣
　　　　､(⌒ ;;;:;´'从 ;'　　 ;:;;) ;⌒ ;; :） )､￣￣￣　　　　　　　ﾍ　／　〉　　　　| 　　 √
　　　（　´;`ヾ,;⌒)´　从⌒ ;) ｀⌒ ）⌒:｀．・　　　　　　　　　 Y　　く_,ノ　　　∨⌒′
‘:；゜+° ′、:::::．　::: ´⌒（,ゞ､⌒） ;;:::)::ﾉ
　　　　｀:::､　ﾉ　 ...;:;_)　　...::ノ　ソ　...::ノ

510 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:46:56.06 ID:bT/Zabko

　　　　　　　/::: :,、: : ::| ｀ヽ、: : : : : : ::／ i: : : : :,、: :}
　　　　　{::: : { ヽ: : :i　　ヽ: : : : ::/　　ｌ: : :／ {: : :}
　　　　　|::: : :ゝ　＼|　　　ヽ:::::/　　 /／　　ヽ:::l
　　　　　　|::: ::/. ヽ、　　　、　Ｖ　　/ ´　ノ／ i:::|
　　　　　ヽ、ｌ｀ヾ、｀、ヾヽ、、ボス＿, ',,, '.　　ｌ:/
　　　　　　　/ ヽ　｀｀｀ｴェヾ'｀、●ｆ=≠ｪヶﾔ´　,　i´}
　　　　　　　ﾍ iヽ　　｀￣￣´｀ゞ::i ″ﾞ二￣　　 / /
　　　　　　　　ヽ、＼　　　　´ 　:|::　　　　　/::/ /
　　　　　　　　　｀| 　　　　　　　|:::　　　　/::/ﾝ'
　　　　　　　　　　,ﾄ、. 　　　　_ |:　　　　　ｲ　　　ぐはっ！！
　　　　　　　　/ |:.＼　　≒ ＿＿＿　∴/ヽ、
　　　　　　　|＼|:::::ヽ　 '´ - ― - ┓./　ｌノi
　　　　　　　_ ,,‐|　　｀' 、ヽ　　　　　　┃/ ／　 |、_
＿ _ , - ‐ '　 {.{.{　　　　＞ヽ　, _ ＿ ,ｲヽ、　　 |ヽ} ｀ー - _
　　　　　　　　ﾊ＼　　 { ｀ヽ:: ::∥∥:: ::　/　　 / /

この戦いで板倉は戦死を遂げる。
眉間を撃ち抜かれて即死だったという。

鍋島勢の死者２３０人、負傷者４１７人。
全軍の被害数は３，８２５人。
一方の一揆勢の死者は、わずか９４人だったという。

511 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:48:01.47 ID:bT/Zabko

そして、この負傷者の中には――
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三_　ミ x,_　　／⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣アｧｱｧミシV　ク／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／／／入>入九
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／／　／　　　入人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　 l ／　　　　　, ｨ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　／// （　／　　　　, ｨ彡 _ﾘリリli
　　　　　　　　　　　　　　　　《 /( ／　　　 , ｨ彡　 V f^YVﾘﾘし '　（
　　　　　　　　　　　　　　　　　Y'　　　／　ﾉ`Y彡彳K(_lj ＼入__, ,,ノ　　　　　　　　,　 - －
　　　　　　　　　　　　　　　　. ＼　／,/　:::::':: /　`Yﾁし/ 　li　　l ＼, 　　　 _,, ／　　::::　::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y　ｊk勺"::::（:.　　::ヽ! "`＼ li_ ﾉ　li　``'"丁￣　~ ヽ::
「ぐわっ！？」　　　　　　　　　／`ヽ,' "　　::::..　::　　ゝ= 、＝=　_li_ 　-－￣　)　::::::..
　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲ....::::::::l::.. _　　　:::::::..　　ﾉ____ll　　li 　 ⌒`＼　-－7　::::::::　- っ
　　　　　　　　　　　　　　　 /::l　 ::::　 !- '７__,,ｨｺ　:::::　 '　⌒`＼　li　　_,,_ ｧr` ﾂ　ﾊ　　　　'　:::
　　　　　　　　　　　　　　　.l : ヽ ,::ｨ 'Tf ヽ ,　 `i,　　,／⌒ヽ,__ jjli　　li　　￣／　／　し　　ﾉ ::::
　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ :::-l　　 li 　　 `<　￣＞　　　　￣`li　　　　y '　／　　　___,,,,,　:::::':::::::
　　　　　　　　　　　　　　　 l　:::: l　　i　　　　 Y''"　　 _,ゝ　_,,ヽ　 ,　 r '"　　　　－--－－入___::::::

　　∠　　　　　　　　　　　ヽ
　　／　　　./|,　　　　　　　｜
　/／　､/|/:::::ヽ|ﾊ>　　　　 .|
　/　 /X＼:::ij:::／Ｘ｣､　　　.|
　|/l/l .~"'｡'､ij｀''｡"~,　||~ヽ　|
　　　 l｀) r-/u.｀=u´　|| 　|　ヽ、　　　「山本どの！？」
.　　　 l ｀´/　_┐ ij　 .||_ノ　＿ヽ、
.　　　/ｌ iェｪｪェｺｺ　 /ｌ　　 .ｌヽ　￣""''''―--
-－"゛~'､ｌｪｪｪｪｪｪﾉ／ｌ　　 .!　ヽ￣""''''―--
.-‐''"゛゛/ヽ　≡ ／　 .ｌ,　　,'　　ヽ
　　　 /l　/ ヽ／　　　 .ｌ　/　　　　ヽ
　　　/ l /　　|　　　　 .l/|　　　　／ヽ　
【鍋島支藩　深堀藩士　志波原武右衛門】

512 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:49:10.33 ID:bT/Zabko

　/:ﾐ　ヽ、　　　　l　::::::::::::::::::::::彡/r.ヽ|　　　
　!　l　u　｀　　　　!._ｚ‐'´;::::::::::::::〉/i :　}|　
　　ヽ....__　　、..,zｨて刀´::::／::!! ）ｿ/ﾉ　　
　　 ∧fてﾊ.､　:::::｀ゝ' ´:::::::/:::::::::::／,ｲﾄ､　　「……だ、大事無い」
　　 l　ヽ‐ '´:l　::::..　　　 ::::::u:::::::::::y'´:::F 、　　
　　　l 　 '、　 } ::::: ::　　　:::::::::::::::::l::::::::∧ !
　　　｀　　＼ゝ-:'´　　 U ::::::::::::;:::::::::/:::ヽ
　　　　　　　＼ ←-..→　 ::::::／::　 ::!:::::::ヽ
　　　　　　　　＼｀´　　 .:／　::　　:::::::::::::＼-､
　　　　　　　　　　ゝ-- イ::　　:　　::::::::::::::／　＼
　　　　　　　　　　　　　 l　　 : 　 .:::::::／　　　　　＼
　　　　　　　　　,　 - ／/|::　 :　　.:／　　　　　　／　￣￣｀ー
　　　　　　　　／　／ /　! :　::　／　　　　　／

　　　　　　ﾉ|　　　　　 ,＿、
　　　　　 |ﾘ,_._,－￣￣___　`'"`-- 、
　　　　　/|`　　／＜´:::::::::::─-　＼
　　　　./ ∧　r'　r:::　　＿ ,　　::::::::::::ヽ
　　　(　」:::::　　,,、.r !⌒　　ﾘ ||　　＿＿ヽ
　　 ./r　 i'`"`　　ヽ|　 .＿ |ﾉ |　,－-、|
　　/∧|`'　　　　 ,／￣　　　ヽ:::::::::::::　｝　　「足をやられておる……。
　 / ´　|`￣ヽ　　　r兒`ﾘ　　　ﾐ　r─, ﾘ
　 {.! 　ヽ乍|.|　　　　`'~　　　　 ∨ '-.!　　　　山本どの、
　　　　 ! `'ﾉ　　　''　　　　　　　　ﾘ::/
　　　　 |　ヽ　　　　　　u　　　 __,,,ｿ　　　　　苦しければ、うめき声を出しなされ。
　　　　　i　　--──'　　　　　ﾉ |::ﾉ
　　　　　ヽ　　　-　　　　　／　 |　　　　　　　さすれば、気分が良くなるものです」
　　　　　　.`　　　　　.　ｲ　　　 |へ
　　　　　　　 .ヽ＿__.／　　　　ﾉ　　＼
　　　　　　　　　／|　　　　　／　　　ハ
　　　　　　　　／　ﾊ　　　へ'　　　　ノ　　``ヽ
　【鍋島支藩　深堀藩士　深堀三右衛門】

513 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:49:55.23 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　｀､:.:.:ﾍ:.:.:.:.:.:.　 } 　 }　 '. 　 lﾍ.　ﾏﾊ::vﾊ　　　 _,.　-‐　¨´ヾｿく } }-､_,.　'⌒′
　　　　　　　　　　　　　　　　　∨:.∧:.:.:.:.　 j　　{: 　 }　 {~＼　|Y::::}_,}_, ィf/_,.､-r‐y　　jｿ､. l j__,. --､
　　　　　　　　　　　　　　　 ∨:.:ﾊ:.:.:.:.:. { 　ﾊ、ﾊ.　ヽ　｀Y::::::l !{_廴ィ込ｨｿ_ノ　／}ﾘ j//＿
　　　　　　　　　　　　　　　　_,. -ﾊ:.:.:ﾊ:.:.:_,.ム r‐､l'.r ﾍ.__ﾉY´　!:::::j_| イﾍ.二¨~´ ／　 f‐'´/ ＿｀ヽ
　　　　　　　　　　 _,. -f､´::::|,ゝﾑ.イ:{｀Yヽ|::＼_ﾉﾑ._ﾉ,.､´廴　ヽ:／　f　:::.....　 /　　 ,ﾉ≦ﾆ´
　　　　　　　_,. -‐f､´::|＼|,.ゞ彳ｰj:＼|:::∨::_;＞'"　　 __廴｀ヽ、 .ﾉ　j:　{: ..:::　　 { ..::／!ノ^ヽ:ﾊ　　　 _,.　--- .､
　　　_,. -f､´:::|＼;ゝzZｨf"rﾍ./::∨::::;ﾑィf´ | ￣｀`ゝ､廴_　＼ ∨　..::　 ::...:::... 　 .::: .::/`ｰj　}::::`ｰァ"´::::::::::::::::::::::＼
r=ﾐく:::::::::;ﾚyzZf"ｽ´ /::ヽj:_jﾑ-‐' ´ |:.:.:.:|:.:.ヽ.　　辷'_　＼　ヽ }　ｰ､_,r ′.::::::::::...:/ | :/　/:::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::
ヽ　〉ｲrィイｨ:}Y∨:::V_,＞'´ 　　　 _!:.:.:.:!:.:　入　 __ノヽ　ヽ | |Tiｰ_--_‐fう〉 ::::, ′|/　/::::/_,.　-―――-　､:::::::
　 ´~YﾆY:!::::Uj;レ'"´　　　　　ﾉ:|:.:.:.:|:.:　{ j´｀７'¨￣ヽ　 { { ヽ｀¨二二´ 　 .ｲ::.　/,. ´／´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　〈　| |j_;／　　　　　　　 /::_j.:.:.:ﾉ＿/ { ,ノ　廴.　｀､　ヽヽｌ､::..　　 .:／ :|::..://:::/:::::,.　-‐‥‥ｰ- ､:::::::::::::
.　　ヽ!ﾉ　　　　　　　　　　　　f/´/／:::::::ﾉ　ﾊ`ｰ'´　 Y　　ヽ　} l|　￣￣´　 .::l: //:::::{／:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ／:::::::::::入ﾉ､　　　　 jヽ　　|　l j|　ヽ:.　　　 .::_l//:::::/:::::::::::::_,.　-――- ､::::::::ヽ:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【佐賀藩士　山本神右衛門重澄】

「な…なにを言うか！山本神右衛門とも、あ、あろうものが……、うめき声を、あ、あ…げるなど……」

神右衛門は痛みで意識を失った。
山本神右衛門重澄。
のちに『葉隠』の口述者になる山本常朝の父親である。
このとき、常朝はまだ生まれていない。

514 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:51:20.61 ID:bT/Zabko

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515 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:52:28.35 ID:bT/Zabko

　　　　　　　 /:..:.:.:.:.: .:.:.:.:./:. :.:./:.:.:. :.:.／:. :.:. /.:.:.:.:.{ ヽ:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　.':.:.:.:.:.:.|:　.:.:/:.: .:./:. .:.:.／i:.:.: .:. ./:.:.:.:.:.:.ヽ､ヽ:.:.:.:.:.　　１月４日、上使松平伊豆守が有馬に到着した。
　　　　　　 l.:.:.:.:.:.:.l :. .:.l:.:.:.:./ :.:.／//l:.:. :. /:.:.:.:.／:.:.:.∧　＼:.:.
　　　　　 |.:.:.:.l.:.:.|:.:. .:.|.:.:./:.:.∠_//_.|:.:.:./.:.:.／ /:.／ヽ:.ヽ　｝:.:　　すぐに軍議が開かれる。
　　　　　　 ,':l:.:.l＾l:.:.l:.|.:　l:/ｲ＜ヽ､/‐､|:.:.:.レ'´／:／l　 |.:.:.|　 |:.:
　　　　　　/:.|:.:.}｝|.:.|:.|.:.:.|､｛ｒｆ夊仏＼|:.:./rフ´／＿.|　 {:.::.|　 |/
.　　　　　/:./|:.:.|　l.:.l:.|.ﾄ:.'.￣￢‐┴ヽ',:./／‐´ ＼_/　　ヽ_l
　　　　 /／ }:.l:ヽrヽl:.l:.ヽ:ヽ　　　　　ヽ,　,}＼　　　　　　ヽ　　　　「まずは、城攻めに際し、以後は無理攻めを禁ずる」
　　　／´　 .':.ﾊ.:.{=l:.'.:.ヽ:.',-＼　　　　｛_￣￣￣ヽ　　　　　　',
　　　　 /:/　}:.:|ＦT〕､:.＼　　　　　　　ヽ￣ヽ　　　　　　　　l
　　　　//　/|:.:l|{≡}|ヽ-､＼､＿_ _　 / .| 　| ',
　　　　/´　　 l:.|}:|f i:|. ＼　　　　___　¨ヽ { 　l　',　　　　　　　　　　原城の防御の堅さを見ぬいて、
　　　　　　　/´l:ﾊヽヽ､　＼　　　　¨ 　　｀才:.ﾊ　　　　　　　　　　包囲陣を厚くする手段をとった。
　　　　　　　　　ﾉ _}:.:|＼＼　＼　　　,　' ´/:.:./ /,ヽ
　　　　　　　　　　 }二二匁≡⊃＞＜ｦ‐≠ｫ{! ./´　＼
　　　　　　　　　　/:∧: : / /: : ￣７ /￣￣l ヽ　　　＿〉_＿＿
　　　　　　　　/: ∨: :/ /: : : : :/ /-､〈〉/　　　　__|＿＿＿＿
＿＿＿＿＿／《〈〉》 l　{ : : : : {　{＾}} }{}ヽ＿　　|＿＿＿＿＿
: : : : : : : : : : : : :.≧≦ / /: : : : : |　|: :巛r: : : 卜-'|: : : : : : : : : :

516 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:53:47.36 ID:bT/Zabko

さらに、諸大名の陣に、城を見下ろす望楼の設置、仕寄の再編、軍用道路の確保などを命ずる。
また、鍋島・細川・黒田藩には海上へ水軍の配備も命じている。

　　　　　　　　┼‐　　　　　　　　　　┼‐　　　　　　　　　　┼‐　　　　　　　　　┼‐
　　　　　　　（#　（　　　　　　　　　（#　（　　　　　　　　　（#　（　　　　　　　　　（#　（
　　　､___　　｀ |―｀　　　　､___　　｀ |―｀　　　　､___　　｀ |―｀　　　､___　　｀ |―｀
　　　　　ヽ]￣二二二７　　　　　ヽ]￣二二二７　　　　ヽ]￣二二二７　　　　ヽ]￣二二二７
　　～～～～～　　～～　　　　～～～　　　　　　～～～～～　　　　～～～～～　　　～～～～

517 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:54:32.77 ID:bT/Zabko

　　''';;';';;'';;;,.,　　　　　　　　　　　　　　　　　　ザッ
　　　''';;';'';';''';;'';;;,.,　　　ザッ
　　　;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
　　　　;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
　　　　　 vymyvwymyvymyvy　　　　　ザッ
ザッ　　　　n_n,n_n、n_n,n_n、n_n,n_n、
　　　　　　∩＿∩＾－＾∩＿∩＾－＾∩＿∩＾－　　　　　　　　　　　　　　　　そして、このころには諸藩の援軍が
　　ザッ　　　∩＿＿∩　∩＿＿∩　∩＿＿∩　∩＿＿∩　　　　　　　　　ようやく島原へ集結が完了し、
　　　　　　　　　∩＿　∩＿＿∩　∩＿＿∩　＿∩　∩＿　　　　ザッ　　　最終的には１２万５８００人もふくれ上がることになった。
　　　　　∩＿＿＿∩　　　　∩＿＿＿∩　∩＿＿＿∩　∩＿＿＿∩
　　　　　| ノ　　　　　ヽ　　 | ノ　　　　　ヽ | ノ　　　　　ヽノ　　　　　ヽ
　　　　 /　　●　　　● |　/　　●　　　● |　　●　　　● |　●　　　● |
　　　　|　　　　( _●_)　ミ |　　　　( _●_)　ミ　　( _●_)　ミ　( _●_) ミ
　　　彡､　　　|∪|　　､｀彡､　　　|∪|　　､｀＼　|∪|　　､｀＼　|∪|　､｀＼
　　　/　＿＿　ヽノ　/ /　＿＿　ヽノ　/´>　 ) ヽノ　　/ ノ　//ヽノ /´>　 )
　　　(＿＿＿）　　　/　(＿＿＿）　　　/　(_／＿）　　 / (_／　　　/　(_／

518 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:55:13.89 ID:bT/Zabko

＜島原の乱　包囲図＞　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　ｿ　　　　黒田　　　　　　　　　　水野　　
　　　　　　　　　　　　　　丿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　ノ　　　　　　　寺沢　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　┌────＼＼　　　◎　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　＼　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　丿　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　鍋島　　　　　　　
　　　　│　　　　　　　　　＼＼仕　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　│┓　　　　　　　　　＼＼　　　◎　　　　　　　　　　　　　　　　　　　戸田　　　　
　　　　│┗┓天草丸　　　　＼＼寄　　　　　　　　
　　　　ﾉ　　┃　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　立花　　　
　　　　ゝ　　┣┓　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　＼　┃┗━━┓　　　　　　＼＼　◎　　有馬
　　　　　　　│　本丸　┗┓　　　　　＼＼　◎　　松倉　　　
　　　　　　　│　　┏━━┻━┓　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　松平　　　　
　　　　　天 │凸 ┃　　　　　　┗━━┓＼＼　◎（望楼）　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　主　＼　　┃　二の丸　　　　┃　　＼＼＿　　　　　　　　　　　　細川　　　　　　　
　　　　　閣　　　＼┛　　　　　　　　　　┃　　　∟＿￣│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　┣━━┓　　│ │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　＼　　　　　┏━┫　　　┗━━┓│　　　　　　　　　　　　　　　　島津　　　　
　　　　　　　　　　　　　＼━━━┛　┃　　　　　　┏┛│＿＿へ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　＼　三の丸 ┃　出丸　　┃　／　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　┃　　　　　／　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　＼　━━┻━＿／　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿〆　　　　　　　　　　　ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　
　　　　　　有　　　　　　明　　　　　　　海　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　──┼─→北　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　

519 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:56:07.99 ID:bT/Zabko

攻城戦は、苛烈な総かがりから残酷無残な干ごろしへと移行した。

　　　　　　　　　　　　／.:.:.:. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　 /: .:.:.:./ ..:.:.:.:.:./:.:.:.:.: .i:. :.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　':.: .:.:./　.:./.:.:/:.:.: .:.l .:.l:.: .:',:.:.:.:.:.:.:.l
　　　　　　　　　　,'.:.| :.:.l. :.:.//:/:.:.,':.: .:|:.:.:!:.:. .|:..:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　 /:.: l:.:.:.|:.:.//:/:.:./.:.:. //∧'.:. !:.:.:.:.:.|:.l
　　　　　　　　　/ｲ.: .|:.:.:.l://l//:./.:.:.:.///　_ヽ:l:.:.|:.:.:|'.!
　　　　　　　 / /:.:.:.r':.:.|ド㍉､'/}.:.:.///_,∠zﾐ.|:.:l.:.!:{ ヽ　「こたびの切支丹の仕置きのこと…」
　　　　　　　　　/´|:.,:.ヽﾊゞｆｪ'ｲﾄ.|:.//廾ゝｭ'ｲﾌ:./ }:.lヽ､
　　　　　　　　　　 |:.{ヽヽ:ヽ￣i!´ﾘ　,' 　　￣ //ｲ:.l'.!
　　　　　　　　　　ヽ! ヽ:.l:ヽ.　　　　i!　　　　/':.:.ﾊ:.| ヽ
　　　　　　　　　　　l:.|:.:.＼　　!ニニ!　／l:.:.|　',{
　　　　　　　　　　　　　ﾘ.ｿ}Fr＞､｀＝´イ／ｦ.:.{　｀
　　　　　　　　　　　　　　　ﾉl｀＝r ≧≦ｦ／ｆ |｀ヽ　　　　　　　　_　-‐　'￣}
　　　　　　　　　　　　　　／艸 | |: : : : | | 圸｀ｰ---‐´￣￣￣: : : : : : : /: :￣¨}＿＿＿＿＿
　　　　　　　　_　-‐ー‐ ´: : : 丱 | |: : : : | |: :卉: : : : -─＝ : : : : : : : : : /: :/／: : : : : : : : : : : :
　　　　　　'￣: : : : : : ＼: : : : : : : } }: : : : { { : : ／: : : : : : : : : : : : : : : : :/: : /´: : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　: : : : : : : : : : ｀ｰ- : : | |: : : : : :.| |: : : : : : : : : : : : : : : : : : :／: ／ : : : : : : ／: : : : : : :

.　　　　　　　　 / /　　　 .: .::::/　　.::／.::／/::/　 {::.:|:.　　　.::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　 / /　 /　 .: .:::/　 .:／.::／ ,.:ﾞ::/=＝ﾍ::ﾄ､.　/.::::::::::::::::::::::::::.
　　　　　　　　　/ /　.:/　 .: .:::/　.:.ｲ.::／／:,∠=＝=ｚミ､∨.::　 .::::::::::::::::::::::.
　　　　　　　　,　, ﾞ .::/ 　.:::!.::/ .:/ /://７.:／, , =ｧ､　　 }///.　　 .:::/.::::::::::::::::
　　　　　　／ｲ　.::/　 .:::::|/l.::/｀X/iﾚ'／〃_辷ｚり＿_, //.:　　.::::/.:::::::::::::::::::!　「根断やしにすべし」
　　　　　　 |　:ｲ　 .::/.::{,ｨ７弌ﾒ､/´　｀￣￣￣￣´７/.:　　.::::/.:::::/.:/.::::::::}
　　　　　　 |./ il　.:/ .::::ﾄ､｣ｆ斗'′ 　　　　　　//.:　 .::::::/.:::::/.:/.::::::::/　　相手であるキリシタンを
　　　　　　 |:! ￤:i:{　::i::| 　　ヽ　＿＿__,｀ヽ,　/ｲ.:::: .:::／.:::, くY:::::::::::,ﾞ　　　女子供を問わず、
　　　　　　 |{　 | :ﾘ　::{::|　　　､ニ, -‐─‐‐ｧ′ /.:::::／/.::／〉　l::::::::::::{　　　皆殺しにしろと命じた。
　　　　　　　　　　　|　!　 :!ﾊ　　　　V 　　　 / 　 /.::／／／　　_ノ.::::::::i::|
　　　　　　　　　　　l 小　:! .:ヽ、　　 }　　　 .ノ　　/／／'"　ﾉ｀7.:::::::::::i::::|::!
　　　　　　　 _ﾉ　| ﾄ. !.::::/ ＼　└-‐ ´ 　　 ´　　　　　　/.:::::::::::::|:::{ﾘ
　　　　　　　　　　　ﾘ}　{:::/　　}:ﾄ､　｀￣　　　　　.　 ´　　/.:/::::::::!:::ﾄ､|　

520 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:56:56.89 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::l::::/::::/::::/::::/::::/::::/::::/l::::l::::ヽ:::: l l:::: l
　　　　　　　　　　/｀､　／/　　　 l::::l::::/::::/ /:::: /::::/::::/::::l::::l::::l::::::::l:::: l '、 |
　　　　　　　　　/.......∨ /　　　 / l::::l /::::/::::///l/::::/::::///∧ l:::: l::::l::::'、 |
　　　　　　　 i∨;;;;／::::/　　　 /::::l l::::l// ////l::::////l //　ヽl::::l::::ｌ::::'、 |
　　　　　　　＼;;;;< ::::/　　　　/::::/l l::::l///ﾑll＿ｌ/// /l/_ll__＿_ヽ.|::::|::::l::::|　　軍議の最後には、こう締めくくった。
　　　　　　　　ｒ'"´⌒-ヘ　　　/ハ lﾞl｀､i,ゝｆ‐-ｔ､"|/ l/ .///,,-‐ｰ-__| }/ﾘｆ..l
　　　　ｒｰ-､/＿.,,.,,,,　　'i,　　.../　 l l'::i'i ヽ了ｹi ト li' ///ィi ｹTﾌ.ﾘ.ｌソ∧l
　　　　'i,　　.ゝ;;;;;;;;;;;;￣｀ヽl　　　　..ﾍﾍヾ'i,."￣　../　 i./|'　　￣.". /::/::::/l|.
　　　,,)＼　　'i,／⌒＼-,丿　　　　..l...＼ﾍ｀､　　　　 | 　　　　　,/:://ｌ/l
　　　| 　ヽ, 　 'i,::::::::::::{　i,ヽ‐ｰ‐r､　'i,　ilヽ＼　　　＿＿＿,.　　,/／ /ｌｌ.ｌ　　　「案ずるな。我に秘策あり」
　　／|　ヽﾄ、｀ｌ｝::::::::∧,　ヽ　　　i　.|　'i, l..　ｌ＼　｀ﾞ二"´　イｿi／ |　ｌｌ
　（　 l　　ヽﾚノ|:: . ::|　` ｰ‐,, 　/　　　.| 'i, l　ｌ　.＼　″..／ゾｌ　ｌ
　　i'、''-､　　ヽ, .|:: . ::| 　ヽ,ヽ７　　.　 i　l 〈二ニl"＞＜"lニ二〉
　,/　l　　＼　ヽ|:: . ::|　　　ヽﾉ　　..　　　　..{::::::::l r´¨¨¨｀.f l:::::: {
（　　"''-,,_　'i,　)..}:::::::.|ヽ　　　/　　　 _＿,,_　l::::::::..l l::::::::::::::::l l:::::::: ＼
　~"'' ｰ‐-､;_ ''-７;;;.;;;;i 　,ｒ;∠ｰ‐.'"´::::::::::::::::::::::::::::l l::::::::::::::::l l:::::::::::::::::｀`丶､._＿＿
　　　ﾊ＼　　／＿＿∨/||::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l l::::::::::::::::l l:::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::￣￣￣ーー

521 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:57:43.89 ID:bT/Zabko

＜佐賀＞
　　　　　　　､,,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,
　　　　　　　　`､｀ﾞ'''ｰ=============================ｰ'''ﾞ´ﾉ
　　　　　　　　　`ゝl!i!li!lil!il!ili!lil!i!li!lil!il!ili!lil!i!li!lil!il!ili!lil!i!li!lil!il!ili!イ´
　　　　　　　　　　|=|_|^|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|^|=|
　　　　　　　　　　|=|_|^|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|^|=|
　　　　　　　　　　|=|_|^|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|^|=|
　　　　　　　　　　|=|_|^|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|^|=|
　　　　　　　　,.r''"=|_|^|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|^|=｀ﾞ'､,,
　　　　　　,.r''"=/^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|ヽ=｀''､,,
　　　__,.r''"=/^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|=｀ﾞ''-､__.;i；';.
：､;；`､ｴ@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@ｴr''´.;i；';.
;i；';.:；;：､;<__人__>-------＜=二二二二二二二二二=＞-------<__人__>.;i；';.Y;:；;:：
:；;:：､;；:｡;　|□|田田田田田||.（;;;）（;;;）（;;;）（;;;）（;;;）（;;;） ||田田田田田|□|；:｡;:；;:：｡;:；;:：､
`；`;；i`.:;：i..''|| :田田田田癶||ﾛﾛ|　　　　.§. . 　 .. . |ﾛﾛ||癶田田田田 .||'`,:'':'`:Y:''；;:：,:'':';:
`；i`.;` ;；i`´.||〒〒〒〒（:::::）ﾛﾛ|　　 .,--§--.､　 .|ﾛﾛ（:::::）〒〒〒〒';.,,;；`;；i':';:;..,,:'':';:;"
`;；ii|!:;. ,,;...;)}{{.|llll|llll|llll|llll|┃||ﾛﾛ|____.|￣￣￣￣||___|ﾛﾛ||┃llll|llll|llll|llll|.}}ヾ':';:;..,"i|!i|!,:'':';:;..
─-=＝-＿─三─≡-=─-=＝-.::::;￣￣￣￣ヽ､:::..─-=＝-＿─三─≡-=─-=＝-＿
二三_-=＝-＿─￣三─≡￣-:::::/: : : : : : : : : : : ヽ::::.-=＝-＿─-=＝-＿─三─≡-=＝-＿
,,,,_,,ｰ,,,-　,,,-　,,,,　_,:,,　,,-　　,,,::::r'' : : : : : : : : : : : : : :ﾞ''､::::..ｰ,,,,　,,,,,,ｰ　,,,,-　,,,,,,　-,,,,,,,-　,,,,ｰ　,,,,　,,
::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::＼:::::::::

佐賀の多布施にある宗智寺。

522 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:58:13.54 ID:bT/Zabko

523 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:58:53.51 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　,　- ─- ､＿
　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　｀丶
　　　　　　　　 rー‐<::／　ﾝ-―ー- ､　、＼
　　　　　　　　　　　｛(こ〆.:::／　＿＿__　＼　ヽ..::::ヽ
　　　　　　　　　　 __/'´/　〃7了.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ.j　::ヤ￢寸
　　　　　　　　　／,ｲ>/ .:::/,':::{:::::!:::::::::::::::::ヽ ::|:. ::::Vヽ_,ｲ
　　　　　　　　　ﾚ／,ｲ　::/ :{:ﾊ＼{ ::､::ヽ ::::::}::_|_: :::::l　>::|　この寺には鍋島直茂が葬られていたからだった。
　　　　　　　　　 {／::|　:!{.::ｨ'f坏ﾄ＼{ヽ ,>＜ﾑ:!:::::::: Ｋヽ:ﾄ､
　　　　　　　　　 |::::ヽ::ｉ:ヽi. r'_;ﾒ　ヽ´ ｲ圷ﾊ|::::::::::|＼/ヽ>
　　　　　　　　　 |i:::::::ﾄl::ﾊ.　　　 ,　　 r';ﾝ´j::::::::: l: V
　　　　　　　　　 |i::::::::!:::: ﾍ　　{＞ーｧ　　 /:!::::::::/::/
　　　　　　　　　ｌN:ヽ:ヽ::',:::ヽ､ヽ _,ノ　,.ィ::/::::::/ /
　　　　　　　ヾ／}::}八::::ヽ＞.-‐か／7::／∨
　　　　　　　　　　r＜¨ リ＼｀ヽ､＼__ { 　〉/イ l　 )}
　　　　　　　　　　　【佐賀藩　藩祖　鍋島直茂】

524 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 20:59:51.61 ID:bT/Zabko

　　　　／ .,※,...-―:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::ｰ-.､　＼
　　　／　 /,.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:＼※ヽ
　　　＼／:.:.:.::/:.:.:.::.:.:.:.:.:.:!:.!:.:.:.:.:.＼::.:.:.:..:ヽ　',　　「う～、日峯さん、日峯さん、
　　　　 /:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:../.;ｲ.:ﾄ､.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:ヽ　　　あとオヤジ様、
　　　　,':.:.:.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.:.,:ｲ:/ ;:/　ヽ.:..:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.'※　　いらっしゃいましたら、
　　　　!:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:／.// //　　＼:.:.:.:.|:.:.:.:..:.:i　　　あのとんがりアゴを守ってですぅ」
　　　 |:.!:.:.:.:.:.|;∠..－'" 〃゛` ―--＼:.!:.:..:.:.::,' }　　
　　　　!ﾊ:.:.:.:.:.!　　 _,,　 /　　､_　　　 /:.:.:./:/∧　　日峯とは直茂の法号である。
　　　　i! ＼:.:.:＼`＝''"　　　`ー＝''ｲ/:.ｨ／/:.:.　　
　　　　　　}ヾ､_＼　　　'　　　　　／／´　/:.:.:.

　　　　　　　　　　　／|　／|　／|
　　　　　　　 , '|／　ﾚ' 　 |／　レ1
　　　　　　　　/　　　　　　　　　 |, 1
　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　 |　　　直茂が居るとするなら、
　　　　　　 /,.. -‐'''"~ヽ.　　　　　　　 7　　その後を追って腹を切った
.　　　　　／ニニ　　　　ヽ　　　　　　 /　　用之助もそばに居るはず。
.　　　　< 　 ,. -──　　/　　　　　　　　7
　　　　　＼,, ===｡＝　 .|:r‐､　　　　 /　　　杢之助の無事を
　　　　　／　ﾆ二´　　 |:|r ､i　　　　　/　　　祈ることしかできないお勇は、
.　　　／　_-，ｰ- ､ヽ.　 |:!ﾄ;ｼ　　　　　/　　　杢之助の父に救いを求めた。
　　　｀　＜.＿＿_, ヽ　 ||ｰ'　　　　 /　
　　　　　　 L.._　　　　／ヽ.　　　 / 　　　　ちなみに、直茂の御霊は
　　　　　 /　　 .／;;　　ヽ ,,.. -─┐　　　　のちに松原神社に祀られることになる。
　　　　　　 /　　∠''-‐ '''"~~ 　　　 |
　　　　　ヽ._∠.. --─────┬┴-
　　　-‐'''"~　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　【杢之助の父　斎藤用之助】

525 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:00:46.93 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,ｨ'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀`丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ､
　　　　　　　　　　　　　 ,.イ´:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　 r'´.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.,ｲ:.,ｲ:../i:.:.l:.:.:ヽ:.:ヽ:.:.:.:.:.ヽ､
　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!/ !:./.|:./ |:./ !:.:..ﾊ:.:.,|:.:.:.:.ト-､ゝ
　　　　　　　　　　　 ,イ.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:/　!ナ-､_ﾚ'　 |ノ　ﾚ'ヽ:.ﾉ!:.!
　　　　　　　　　　　 !:.:.:r‐i:.:.il:.:.:..!　こヒｒ`i｀´　　_ｭ=-.,リ .ﾘ　　１月１２日、
　　　　　　　　　　　　|,ｲ !i^)ﾚ'l:.:.:./　　　　´　　　 l´ﾋr /:.:.ﾉ　　
　　　　　　　　　　　　!　!:ﾔヽ､.ヽ/　 u 　　　　　　ヽ　 l:.:./　　　　江戸に滞在していた勝茂に、
　　　　　　　　　　　　　 k.l,`-ｧi　　　　　　　　　 '´　 /∨　　　　ようやく島原への出陣許可が下りた。
　　　　　　　　　　　　　　　k_N.l　　　　　r'´￣｀ア　 /　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　_,イj　ヽ　　　ヽ-―┘.／
　　　　　　　　　　　　／´r'´＼　　＼. 　　｀´ ／　「いそげ！急げよ！」
　　　　　　　　_,.ｨ=''7´;;;;;;;|　　＼　　｀ｰ-ｪ-‐'´
　　　　_,.ｨ='''´;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;!　　　　＼　　　ﾉ＼　　　　　　　　　
-‐'''"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;:;:;:;:;:;:;:;:!　　　／トｭ　ﾔ　Zﾄ､　　　　　　　　すぐさま早駕籠に乗り、
;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:く;:;:;:;:;:;:;:;:;:;!　　／＼ヽ!　ﾉ　_,,>!.ヾ.､　　　　　　昼夜を問わず大坂まで駆け抜けた。
;:;:;:;:ヾ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:＼:;:;:;:;:;:;:;ﾄ､/ `ｰ-､>--'''7 ﾄ､|;:;:;:〉;＼
:;:;:;:;:;:;:!;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:／;:;:;:;:;:;:;:;:!　　　　ヽ､_,__ﾉ |;:;:;:;く:;:;:;:;:;:＼
;:;:;:;:;:;:;:!;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:! 　　　 ! ' .!　|;:;:;:;:;:ヽ;:;:;:;:;:;:;:ヽ
:;:;:;:;:;:;:;:|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:＼;:;:;:;:;:;:;:;:!.　　　 | 　 |　|:;:;:;:;:;:;:〉:;:;:;:;:;:;:;:li
　　　　　　　　　　　　　　　【佐賀藩主　鍋島勝茂】

526 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:01:16.46 ID:bT/Zabko

　::::::::::::::/ |::::::::::::::::∧:::::::::::::∧::::::::::::::::::::::!::::::::::::|::|
　',::::::::::;′|:ﾊ:::::::::/　 '.:::::::::/　Ｖ:::::::::::::::::::|:::::|::::::|::|
　 ∨::::ｌ.　 |! |::::::/　　 '.::::; ′　∨::::::::::::::::|:::::l::::::Ⅳ
.　　∨:|　　　|:::/　　　 }; '_.．-'´ ∨:::::::::::/:::l::|::::::|　　勝茂はあせっていた。
　　　∨　　 |/　 _.．-'´　　　　　 ',:::::::::/:::::ﾊ|::::::|
　　U　　　　,.． '＿＿＿＿＿__ ｕ ' ::::/::::/::::|::::/　　鍋島家は関ヶ原の戦いで、
　　　　　　　　'´　　　○　　　　｀'　|::/:::::/|::::l::::′　石田三成の西軍に味方してしまっていた。
　　　　　　　　　　　ー‐---一'　　 |/::::/　}:∧:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,′:/　/ﾘ　　　　｀その時の汚名をなんとしてでも、
　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　,:::::/　/ :　　　　　今回の島原の乱で晴らしたかった。
　　　　　　　　　　　　　　　　 ∪/:::/　 ′
.　　　|　　　　　　　　　　　　　　/V／
　　　l|　　　　　　　　　　　　厂7
.　　　!　　　　　　　　　　　　　/∧|
　　　　　　　　　　　　　　　／:/

527 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:01:52.99 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　∧,, ∧　　　　　　　　　　　　　　 ∧,, ∧
　　　 ∧,,∧(・ω・´ )　　　　　　　　　　∧,,∧(・ω・｀ )
　　　 /ο ・ )Ｏニ)<;;>　　　　　　　　　/ο ・ )Ｏニ)<;;>
　　 /　　ノ lﾐliii|(ヾゝ　　　　　　　　 /　　ノ lﾐliii|(ヾゝ
　　 (o_o,ｲ＿_ヽ´|(__) ﾉ~⌒）彡　　　 (o_o,ｲ＿_ヽ´|(__) ﾉ~⌒）彡
　　　　ﾉｌｌｌｌｌｌｌｌヽ| |￣ノl　ﾉ　　　　　　　　ﾉｌｌｌｌｌｌｌｌヽ| |￣ノl　ﾉ
　　　　 / /~ヽﾉ'''''''~ヽヽ＼ヽ_　　　　　 / /~ヽﾉ'''''''~ヽヽ＼ヽ_
　　　　ヽニﾌ|_|　　　(_/　　ヽﾉ　　　　　ヽニﾌ|_|　　　(_/　　ヽﾉ
　　　　　　　 (_ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　(_ヽ

　　　　　　　 ,. ‐‐ ､　　　　　　　　　　　　　　　　しかし、３万人という
　　　　　　　ノ◎┐ヽ　ノヽ　　　　　　　　　　　　幕府が定めた軍役の数を、
　　　　　　　ノ(・-・ヽ=ゝ_ソ　　　　　　　　　　　　　五割も多い兵力を投入しているにもかかわらず、
　　　　 ,､ノ=/ ヽヽフヽヾヽ　　　　　　　　　　　　　勝茂の下には良い知らせが一向に入ってこない。
　　　　　ヽノヽヽ :::::::丿━ゞ)━━━━━＝＞　　　　
　　(⌒=／/=/ゝ )ヽ=ヽﾐミﾐミミﾐ＞＞　　　　
　　）)）|　　　| /丿＼ﾐﾐ`　　　．ﾉ
　（(（　|　　　|〈⊇　|　`---,､（　　|
　　)）　ヽ　　丿---|　　／　ヽ　|
　　　　丿 /くく　　ヽ　ノヽ　　`-'　　　　
　　　　ヽヽ　ヽヽ　　＼＼＼　　
　　　　　ヽヽ　､ﾉ　　,､」 |,､」 |　　　　　
　　　　　　､ﾉ　　　　└-┘-┘

528 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:02:41.45 ID:bT/Zabko

　　　　　　　_ｒ‐-､―-　、　　　　　
　　　　　／　　　､　　ヽヽ　　　　　　　　　　　　_,.-￢‐-.__
　　　　 / 〈　i ､､　〉ﾊ　 }　!　　　　　　　　　 ,ｲヽ､_/´, ,.,,.,￣L
　　　　 |!　ヽﾙヾ∨ｲﾃﾄ､l､N　　　　　　　　　 r'ｨﾍ ,-!し{,ｲ〃,./　l
　　　　　ヾヽ{ｾﾘ　　`'′ _ﾉ　　　　　　　　　/ ,. ﾊ L|　 | Tｧ^り川
　　　　　　｀ヽ　 l二}　ﾉ　　　　　　　　／／ム',.ィ　f|　｀（ｲﾉﾜ
　　　　　　　　 `ｰr 　ｲ,,ィ!-　､　　　　 ,.-'´／　,　_,.〈|　ﾄ､_.ン｀¨´
　　　　　　　　　ｆ-‐t!"／￣ヾヽ　,.-'´　, '/　 /'＾ヽ.　', Lヽ_ |
　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　{. ﾊ　 l、　　',　１',￢. |
【佐賀支藩　矢作藩主　鍋島忠茂】　【佐賀支藩　蓮池藩主　鍋島直澄】
　　　　　　　　　　､ヽヽ､,
　　　　　　 ‐=＝､''‐ヽ.:l::ヽ,.. -‐‐- ､
　　　　　 ,. r‐'':::::｀''‐::::::::::::::::::::｀ '' ‐ ､
　　　 ,.r ',. r ''´:::::::::::::::::::::::::::::::::., ' ‐､::｀ヽ、
　　／イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::､::::::::::ヽ､｀ヽ､::ヽ、
　　.／::::／::::::::::::::::::i:::::i::､::::::ヽ:::::::::::ヽ､:::｀ヽ::',　　　　
　 ./.:..../. .:/　.../.:l .:.l ..:.l:.ヽ ....:ヽ.... 　.: ヽ. .:.ヽ.l
　/.::::ｲ:... .:l..... lﾄ:::l:::::ﾄ::::::ﾄ::ヽ､::::::',:::::::::::::::',:::::::::l
. |://.l:::::::::|:::::il__l::l l:::l ヽ::l ,.>r‐''':::l::ヽ:::::::::::l::::::::l
. |:/ .|::::::::::l::::il､ﾐｭ､ヽl　 -'ﾔ;ﾊ'７ヽ::l::::ヽ:::::::::l:l:::::l
. ﾚ　.|::::::::l::l::il　｀´ i. ヽ　　｀ "　　〉:::::::::',::::::::l l::::|
　　　|::::::l::::ヽi'i.　/　　　　ヽ、／ゝ''ﾆ l:::l::::::l　l::|
　　　.|:::::ll:::::::.!:'､｀ヽ＿_ 　　 X　 .／li::::::ll:::l::::|　ﾚ
　　　 l::::l ',:::::::::l ヽ、 ‐ ｀ .／　'／　.|i:::/::〉::::::l ｀:' ‐ ､_
　　　　ヽl　ヽ:::::l　ヽ　　'　 ,. '　　　.|i/／rl::::l -‐- .,,_::｀'' ‐ ､
　　　　　　　ヽ::l　　ヽ-ィ　　　　　 ,.. !-l:::ﾚ-::::ヽ::｀ヽ､｀'‐-､｀ヽ、
　　　　　　　　　ヽ　　　　i　　,.r ' ´ r ''' .|::::::|'‐ｭ::::｀ヽ:::｀ヽ、｀'ヽ､､
　　　　　　　　　　　　 !r',.r ' ´　　　　|l:l:::|　l:::',.. :.:ヽ::::::::ヽ、　ヽ､
　　　　　　　　　　　　／r'´　　,.. -‐‐ '' | l:l::| .'‐,::l::::::::::ヽ､::::::ヽ、　ヽ、
　　　　　　【佐賀支藩　小城藩主　鍋島元茂】

実際の指揮を取らせている息子たちは、おのおのがバラバラに戦い、成果を挙げられない。
死傷者の数は、諸藩の中でダントツだった。

529 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:03:25.86 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::i::::i:::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　 /::::::::::/:::::::::/::::::::,:::::,ｲ:::::|:::::!:::::i:::ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　　/::::::::::/:::::::,.ｲ:::::::,ｨ:::,ｲ::::::/!:::::|::::::!:::::!:::::::ヽ
　　　　　　　　　　 ,'::::::/::::!:::／,ｲ::／ .!/ .|::::/ |:::::ﾊ:::::!::::::!::::::::::i　　　「なにぃ！？船がないだと！？」
　　　　　　　　　 !::::::l::::::ﾚ',! ー-､　　　 !/　 !::/　!::ハ:,ｲ:::::::::::|
　　　　　　　　 !::::_」:::::::::!　..,,＿`ヽ､_,.　　 ,ﾘ　´ _,..,_ !::::::::ﾊj　　
　　　　　　　　　　!/f r.|::::::::!　（◎）　　　　　｀'ｨﾆ二_　/:::::::::!
　　　　　　　　 k.ﾔ!:::::::!　u　　　　　　　　　（◎）,. /::::∧::|　　　さらに、強行軍で駆け抜けて
　　　　　　　　　　　|∧`Y::ﾘ　　　　　 i　　u　　　//|/　ヾ　　　大坂までたどり着いたのに、
　　　　　　　　　　　　 !Tヾ　　u.　　＿＿j_　　　 //ノ　　　　　　肝心の早舟の許可が下りなかった。
　　　　　　　　　　　　　ﾔ. ヽ.　　　 |ﾟдﾟ ) |　　 ,.ｲ:/　　　　　　　　
　　　　　　　　 r＜´|.　　＼　　|( ﾟдﾟ |　／ |/　　　　　　　　細川忠利、黒田忠之には与えられて、
　　　　　　　　　 !　｀丶､.　　＼　￣￣u／　　　　　　　　　　　自分には申請が受理されない。
　　　　　　　　 _/　　　　　`'-､.　`'ｰ-r<´
　　　　　　　, -'" ｀ヽ､　　　　　｀ヽ､　f｀, ＼
　　　　 , -'´　　　　ヽ｀ヽ､　　　　　 >く_Lｒ'´｀ト､

530 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:03:59.04 ID:bT/Zabko

　　　　　 .,/,-　 .,r.、 .,!　 .,/.i､　 ,!　.ﾟi､　|、'i､　　,!　　　　　　
　　　　　,i´,lﾞ　 ,i´ |　 |　 ,i´ .|　 .lﾞ　　ﾞl　 |　lﾞ.┐ │　i､　　　　／￣￣￣￣￣
　　　　 / ,lﾞ　丿　 |　lﾞ　゜　 |　 .|　　 .ﾞl、ﾞl .ﾞl .`i､ﾞl　 .ﾞi､　　＜　　　おろ？
　　　　,lﾞ lﾞ　./　　 |　lﾞ　　　 │ .|　　　ﾞl ﾞl .|　　ﾞl, |ヽ、.ﾞl、　　＼＿＿＿＿＿
　　.． / .|　,lﾞ,,-ｰ''''|'''|'ｰ　　　ﾞl　|　　・'''|ﾞ[ﾞﾞ厂ﾞ''･b］ .ヽ │　
　 ,i´ ,,|　| ,√,,r‐ｰﾞl ﾞlｰr，　 .ﾞl .|　　 .,r‐|.| .|''''''''''1|"　ﾞi､.ﾞl　
　lﾞ　/｛ .lﾞ lﾞ.,i´　　　ﾞl ﾞl　ﾞﾞl　 .| │　.,i´　ﾞ" |　　　∥　 │　　　その理由がふがいないいくさぶりの
: lﾞ .,i´ | .|　,i´　　　　゜.|　　ﾞl　 .| .|　 .|　　　 ,,,,、　ﾞ| .，　ﾞl　　　息子たちのシワ寄せとわかったときには、
: | .lﾞ　 | lﾞ: |　　　.r.'i､ │　 ,}　.,｀ﾞl　.|　　　 "."　　｀,lﾞ　 .|　　　頭を痛ませた。
│ | 、.| : ::ﾞl　　　‘″　　 .,lﾞ　ﾞl　lﾞ　.ﾞl、　　　　　　 ,lﾞ;: : ,.|　
￤ | .|、 : :;::ゝ　　　　　　丿　　.!　｀　ﾞ!、　　　　 ._/｀:,．.| |　
　: `　ト　: : ;ﾟヽ,,,,,,,,,,,,｡rr"　　　,i､　　　｀"￢―‐''″: .lﾞ　| ′
: :: : 　.｝　　: : 　　　　　　　　,,,i´　　　　　　,　　　　　.,i´ .|　　
::;;:::::: : ﾞl　　　　　　　　　　　　］　　　　　　　　　/.|: : :
:;;;;;;;:::::: ﾞl　　　　　　　　　　　,,レ---i､　　　　　　　/ │::::
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531 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:04:28.53 ID:bT/Zabko

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　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ＜´:::::::::::::::::::::::::::::`ｰ:.､
　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::/::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 /／::::::/::::/＼!＼_＼::::i:::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　 /´/:.:l::::ﾚﾍ!　ヽ／__＼::::l::::::::::::i:::::::::｝
　　　　　　　　　　　　　　　!l:l::l::へヾ｀´ﾆfｿゝ ∨::::::::l:::!::::::::l　　　　勝茂の性格は剛毅である。
　　　　　　　　　　　　　　 |:::ﾚﾍ f_)）　　　　　　ﾚﾍｿﾍ::!::::::!
　　　　　　　　　　　　　　ﾚﾍﾊ　く　　　　　　　　|/ )ソ!:::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　｀　　　　　　　　､／/:::/ﾘ　　　　「こうなったら、是が非でも
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　- - ､　　　 ′|/:::／　　　　　一番乗りを鍋島から出させる。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　_　´　　ﾉ:::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰ､ ´　　　　　∨_　　　　　　　たとえ上使の命に背いてでもな！」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,∧　 __,,､､＜´　〉､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/∨) /∧　　　/::::::i:::ヽ._　　　殿様がこんな物騒な考えをもっているのである。
　　　　　　　　　　　　 _ ,,､-ｰ／ !/ヘﾍ/ソ∧　　/:::::::::l:::::::::::｀:ｰ:.､
　　　　　　　　　　　　　,´:::::::::::::く::::::::/ヽ(⌒ｿ´´ヽ／::::::::::::::!:::::::::::::::::::ゝヽ.
　　　　　　　　　　　/::｛::::::::::::::::＞:i 　 l7i　　　/:::::＼:::／::/:::／::::::::::::::::i　ましてや家臣たちならなおさらであった。
　　　　　　　　　　　,'::::::i::::::::::／::::::l　 /;;;;l　　/::::::::::::::〉:::::/／::::::::::::::::::::::!
　　　　　　　　　　 /:::;::::∨:::::l::::::::::i　/;;;;;;l.　/::::::::::::::/:::::::/:::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　/::::ヽ:::::〉:::::l:::::::::l /;;;;;;;;l. /:::::::::::／;;;;;i:::i::::::::::;;;;::::::::::::::>
　　　　　　　　　 <::::::::::ソi::::::::l:::::::::li;;;;;;;;;;;l/:::::::／,､;;,､;;:l!::l_／´::::::::::::::::ｿ
　　　　　　　　　　 !:::::::ゝへ､;;;::::!::::::」--‐‐'''""ﾞﾞ｀ヾゞＭソ／::;;;;:::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　）::::::ゝ彳´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍノ／´￣::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ﾍへ￣::::￣:::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　 l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／´::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　 l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　 !::::::::::::::::::::::::;;;;､イ¨;;;;;;`i:::::､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　｀ｰｰ┬'''i"´:::::::::l;;;;;;;;;;;;l:::::::::｀:::::::､:_:::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　l:::::i:::::::::O::l;;;;;;;;;;;;l::::::::::::::::::::::::::＼｀"''ｰイ

532 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:05:13.49 ID:bT/Zabko

中野やらない夫もその中の一人であった。

「……やけに一番乗りにこだわるな」
　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　|:::::: 　　　　　｜
　　　　　.　|:::::::::::　　　　　｜
　　　　　　 |::::::::::::::　　　　｜　　　　　　　　　　....,:::´,　.「そりゃ、武門の誉れだからだろ。武士的に考えて」
　　　　　.　 |::::::::::::::　　　　} 　　　　　　　　　....:::,,　　..
　　　　　.　ヽ:::::::::::::: 　　 } 　　　　　　　,）:::::::ノ　.
　　　　　　　ヽ::::::::::　　ノ　　　　　　　　（:::::ソ:　.
　　　　　　　　/:::::::::::: く　　　　　　　　,ふ´..
-―――――|:::::::::::::::: ＼ -―,――ノ::ノ――
　　　　　　　 |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´

........::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::::::
......::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::　　　　:::::ι
.....:::::::::::::／:::::::::::::::::　　::::Ｕ:　　　　　:::::
............／:::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　:::::::::
......／:::::::::::＿::::)
....( :::'''　　　γ　　　　　　　　　　　　　　　　「そうかい……」
................... ／　　　　　　　　　　　　　　　
....................... ----=====ﾆﾆﾆ⊃　　　　　　めずらしく杢之助はいらだっていた。
..........................ヽ-. 　　　　　　　 ..:::::::::::::ι　それは戦っている切支丹たちのことだった。
............................../::::::::::.....　　　..::::::Ｕ::::　　　
.........................../:::::::::..　　　　 ...::::::::　　　　　　　

533 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 21:05:34.98 ID:CalOT0Ao

なんとかしないとｗｗ

534 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:05:47.96 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿,,,,,,,,,ll_,.-ー'''""　　　　ノ-ーー|　　　　　　　ドガッ　　
　　　　　　　　　　　　　　ヽー―――──--ll-`uソ--l'''''""￣　　　　|　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　くらっ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　ドガッ
　　　　　　　　　ξ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／|　　　　　　　　
　　　　　　　　　　＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／丿　　ヽ　　　　　
　　　　　　　　, ´ 　｀ヾヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒/　　　　　　　　　　
　　　　　　　　|　　　　リ|`ヽ　　　　　／　　　　　　　　　　　　　／´´゛　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　ヽ＿ノヽノｊ））　　　／　　　　　　　　　　　　　 /　　,i´　　　ヾ　ノ　　　　
　　　　　　　　( n　　.　　ヽ//| 　／　　　　　　　|ヽ　　　　　,´⌒ヾ|　　　　　ｿ　　　　　
　　　　　　　　/_人　．/　ヽﾉ| ／　　　　　　|　|　　　　　ヽ　ノ,i´`,ｰ--------─,='' 　
　　　　　　　　　　　>/　ノ　／　　　　　　　　 ,、|　|　　　　　　ヽ,i´　///／///／ﾉ/　///
　　　　　　　　　　/｛　ソ.／彡ヽ　　　　　　／　＼　　 |ヽ　　　　|　ノ/ﾉ/　ノ/ﾉ/丿/　ハヽ
　　　　　　　　　/ミ/　／　|彡　ヽ　　　　　ﾌ　　ゝ　　|　|　　　　|／//ハノ/ﾉ/　ハ　丿ヽヽ

たしかにここまでは大戦果を挙げている。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　`-..,,　　 ,,,,,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /￣￣ヽ
　　　 `-<.. ｒ'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　ぐあ　）
　　　　　|　ｌ`-.,_　／＼ゲッ　　　　　　　　　　　　　ヽ　　＿/　
　　　　　|　〉　`-..,,_　＼　　　　　　　ドン　　　　　　∨　　　　　－≡ミ彡ミミミミヽ
　　　　　ヽ　`ヽ/ソ　 `-..,,_ ..,,,､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　彡彡ﾐﾐヽ
　　　　　　ヽ　　ｧヽヾ\/ ヽ〈rｧ;‐..,,__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　彡ﾐﾐゞ
　　　　　　　/ 7l　ノ:　　｀ｌ_ｿ　l　　`''-`　　　　　　　　ｒ'ヽ.　　　　　　　　　　　　　／/
　　　　　　　　　| 　　 ●　〆ノ　　　　　　　　　／￣　77　　　　　　　　　　　　/　/
　　　　　ﾁｭﾝ　.ヽ　　　　丿　　　__　　　　　　　|　　　んヽ　　　　　　　　　　　　|　 |
　　　　　　　　　〉─--‐く,,,-'''"/２ヽ　　　　　　ヽ　　　川|二r‐､　　　　　　　 | 　|
　　　　　　　　 /ﾐミ|彡彡ヽ､-'''"<ヽ＼,,v､　　　ゝﾐ≡彡__（,;;彡,ヽ､　　　　　　　ヽ |
　　　　　　　　/ミﾐ/|彡彡彡>-'''"ヽ､.ノヽﾉ　　ｌ　|`二'　ヽヽ彡彡;;>､　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　/　　／/　　　　　　　(ｘソ　　　　 )ヽ･･････・ヽヽ＼ヽ　　　　　　　／

追い詰められたもののつよさ、というか、いくさ人のしぶとさが随所に栄えた戦いぶりだった。

535 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/05/06(水) 21:06:27.72 ID:CjzwzKY0

剣心役に立たねぇｗｗｗｗ

536 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:06:49.12 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　　いえずすワッショイ！！
　+　　　　　　　　　　　　＼＼　いえずすワッショイ！！　／／
　　　　　　+　　　　　　　　＼＼　いえずすワッショイ！！／　　　　　　　　　　　　+
　　+ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　+／十＼　　／十＼
　+　／十＼　　　　／十＼　　／十＼　／十＼（　´∀｀∩∩´∀｀）　∩ /十＼　+
.　　（　´∀｀）　　　（　´∀｀∩（´∀｀∩）（　´∀｀）（つ　　丿ヽ　 ⊂丿　ヾ(ﾟДﾟ　)
　（( （つ　~つ )）（つ　　　ノ（つ　　丿（つ　　つ　（　（　ﾉ　（　（　ﾉ　)）　 /　　 ⊃ )） +
　　　乂　　((⌒) )）　ヽ　（　ﾉ　（　ヽノ　　）　）　）　　し'し'　　　し'し' 　　　０＿　〈
　　　　（＿_）　　　／十＼）し'　し（／十＼＿）＿）　／十＼　　ﾋﾟｮｰﾝ　　.　　 `Ｊ　　*
　　　　　　　　(( ｎ´∀｀ｎ）　))　　（ ´∀｀）　　　　　（　´∀｀）　　　 /十ヽ
　／十＼○　　ヽ　　　）　　　と　　　　⊃　　　 _ /　つ　つ )）　(ﾟーﾟ*)　　　　　　／十＼
と（´∀｀と~⌒つ　(⌒(⌒）　　　　 /　 ,､　ヽ　（( （ `（　Ｙ　　　　（( とと　ヽ　　と⌒~つ´∀｀）つ

「だが、ヤツラのあの明るさは、いったいなんなんだ？」

537 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:07:25.57 ID:bT/Zabko

.　　　　　　　　　　　　　　　　　　{}
　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'A':､
　　　　　　　　　　　　　　　,r:'"／＼｀':.､
.　　　　　　　　　､_____,､.‐',,､_'___n,n__`_､,,`-､,_____､
.　　　　　　　　　ﾞl､,!_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l,!､lﾞ
　　　　　　　　　 |:::::::::::::::::::::::::::::n::::::::::::::::::::::::::::::|,
　　　　　　　　　　';王王王王王八王王王王王ﾖ
　　　　　　　　　　］*;;r--.､;*r;"へ｀':.*;;､--.､*;［
　　　　　　　 _､,,,,,f'''*;;;＾r:'",r'"' へ:'｀' ､`':､＾;;;*､L,,,,,.､
　　　　　　　ﾞ､=┴'ｧﾞ'"r'"´.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:..｀'-､`'=t┴=',ﾞ
　　　　　　　　ﾞr:''",r'"..:.:.:.:.:.:lｺ:lｺ:lｺ:lｺ.:.:.:.:.:..｀';;,､` ‐!、
　　　　ゞｪｪtｴﾞ┼┬i┬┬┬┬rﾊ┬┬┬┬i┬┼┬t'ｪｪﾌﾞ
　　　　ﾞ,~~i~~~~~~~~~~~~~~~~~{n}~~~~~~~~~~~~~~~~~i~~ﾞ;┐
　　　　「;､.|　 .冂冂　　冂l:''"..へ｀' .l,冂　　冂冂　 .|.. .|Ti
ゝ,､,,,,､､!‐''"┬┬┬┬;､‐'":'"::: ヘ:::`:.､`‐､┬┬┬┬┬`ｰf-､､ｨ,
ｿ;ﾞ､ﾆ┴┴┴┴┴ァ'"ｒ:'´｡ ......::..　.:....... ｡'‐､`'t┴┴┴┴┴＝ﾞ7
ヽゞz､:|;ﾍ「］「］,ｒ'"ｒ'´､z､r､､.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. ｀': ､`'-.「］「］　.|＿,'､
Y;;ゝヾi彡〉''"ｒ''";ヾ;ゞ::::ゞヾヽ］「ﾊﾞﾍ,'z］「:］:.:.:.:.:.:...｀''‐｀､':-.､,|l l l.ﾞi
ｿヽ;; i;;ゝｿヽ;;ゝ彡ｿヽ;;ゝゞヽi;ゞ::::ゞヾ;ﾍ――――,rz､;ﾍz､｀''ｰ-､;;ｿゞﾍ
ヽ;;;;ゝヾiヽ;;;;ゝヾゝヾ;ゞ::::ゞヾ;iゝヾ;ゞ::::ゞヾﾍｿ;ミ＾ゝヾ;ゞ:::ゞヾミﾍtz彡ヾ;ゞ;ゞ
ヽ;;;;ゝヾ;ヽ;;;;ゝヾ;ゞ::::ゞヾヽ;;;;ゝヾ;ヽ;;;;ゝヾ;ゞ::::ゞヾヽ;;;;ゝヾ;ヽ;;;;ゝヾ;ゞ::::ゞヾ
ゞヾ;;;ゝヽヾ　;;;;ゝヾ;;ゝヾ　ヽゞヾ;;;ゝヽヾ　;;;;ゝヾ;;ｿヾ　ヽゞヾ;;;ゝヽヾｿ;;;;ゝヾ
ヾ　;;;;ゝヾ;;ゝヾ　ｿゞヾ;;;ゝヽヾ　;;;;ゝヾ;;ゝヾ　ヽゞヾ;;;ゝヽヾｿ;;;;ゝヾ;;ゝヾ　ヽゞ

所詮は援軍の当てのない籠城である。
最終的に憂き目を見るのは自明だった。

538 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/05/06(水) 21:08:27.03 ID:CjzwzKY0

後詰めとかないもんなぁ…

539 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:09:03.32 ID:bT/Zabko

　 ⊂二￣⌒＼　　　　　　　　　　　　　　ノ）
　　　　）＼　　（ ∧＿∧　　　　　　／　＼
　　　／＿＿　　　）　´Д｀）　　　_ ／／＾＼)
　　/／／／　／　　　　　　 ⌒￣＿／
　/ / / ／／￣＼　　　　|￣￣　　　　　　　　にもかかわらず、あの戦意の昂ぶりはどうだろう？
/ / / (／　　　　　＼　　　　＼＿＿＿
（（／　　　　　　　　　（　　　　　　＿　　）
　　　　　　　　　　　　/　　／￣￣/　／
　　　　　　　　　　　/　／　　　/　／
　　　　　　　　　／　／　　　（　　/
　　　　　　　　/　／　　　　　） /
　　　　　　／／　　　　　　し′
　　　　（　　/
　　　　　） /
　　　　　し′
　　　　　　　　　　　/ ）／￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　 ./ /　|　全身から湧き上がるこの喜び！
　　　　　　　　　　 / /　　＼　　　　　　　　　／￣￣￣
　　　　　　　　　 / /　　　　￣|／￣￣￣￣|　　四郎さんにとどけ！
　　　　　　　　　./ /＿Λ　　　　　, -つ　　＼
　　　　　　　　/ / ´Д｀）　 .／__ノ　　　　　　　￣∨￣￣￣￣
　　　　　　　　/　　　　＼　／ /　　 ⊂_ヽ､
　　　　　　　 .|　　　　へ／／　　　　　　.＼＼　Λ＿Λ
　　　　　　　 |　　　　ﾚ'　 /､二つ　　　　　＼（　´Д｀）
　　　　　　　 |　　　　　／.　　　　　　　　　　.　>　　⌒ヽ
　　　　　　　/　　　／　　　　　　　　　　　　/　　　へ＼
　　　　　　 /　／　　　　　　　　　　　　　/　　 /　　＼＼
　　　　　　/　 /　　　　　　　　　　　　　　ﾚ　　ノ　　　　　ヽ_つ
　　　　／　ノ　　　　　　　　　　　　　　　/　 /
　　　_/　／　　　　　　　　　　　　　　　/　 /|
　ノ　／　　　　　　　　　　　　　　　　　（　（　､
⊂ -'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 |､　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　|　/　＼　⌒l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|　　　）　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ　）　　し'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(＿／

いたるところで笑顔で語り合い、歌声を奏で、十字の旗を掲げる。
まるで、自分たちが戦神の申し子みたいな勢いと狂気だった。
いずれ防御を撃ち破られれば、城内はすさまじい虐殺となるはずである。

540 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:09:36.86 ID:bT/Zabko

　　　　 ∧,,∧ 　.∧,,∧
　 ∧∧(｀・ω・´)(｀・ω・´)∧∧
　(｀・ω・´).∧∧) (∧∧(｀・ω・´)
　｜　Ｕ (｀・ω・´)(｀・ω・´) とﾉ　　　　　∧,,∧ 　.∧,,∧
　　ｕ-ｕ　（l 　　 ) ( 　　　ﾉ u-ｕ　 ∧∧(｀・ω・´)(｀・ω・´)∧∧
.　　　　　　`ｕ-ｕ'　`ｕ-u'　　　　　(｀・ω・´).∧∧) (∧∧(｀・ω・´)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　Ｕ (｀・ω・´)(｀・ω・´) とﾉ
　　　　　　　∧,,∧ 　.∧,,∧　　　　ｕ-ｕ　（l 　　 ) ( 　　　ﾉ u-ｕ
　　　∧∧(｀・ω・´)(｀・ω・´)∧∧　　　　　`ｕ-ｕ'　`ｕ-u'　　　　　　∧,,∧ 　.∧,,∧
　　 (｀・ω・´).∧∧) (∧∧(｀・ω・´)　　　　　　　　　　　　　 ∧∧(｀・ω・´)(｀・ω・´)∧∧
　　｜　Ｕ (｀・ω・´)(｀・ω・´) とﾉ　　　　　　　　　　　　　　(｀・ω・´).∧∧) (∧∧(｀・ω・´)
　　　ｕ-ｕ　（l 　　 ) ( 　　　ﾉ u-ｕ　　　　　　　　　　　　　　｜　Ｕ (｀・ω・´)(｀・ω・´) とﾉ
　 .　　　　　　`ｕ-ｕ'　`ｕ-u'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｕ-ｕ　（l 　　 ) ( 　　　ﾉ u-ｕ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　`ｕ-ｕ'　`ｕ-u'

女･子供･老人関係なく殺されるに決まっていた。
それは彼らも理解しているはずである。

541 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:10:49.02 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　　 /｀/:〉/: : : : : : : : : : ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::/:/:.l: : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　 _ ,.､_/:::/:/:.:.:ヽ、: : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 l:::!:::!:::::':::ﾚ‐-,:.:.:.＼ : : : : : : : :,r ‐､r ヾ、
　　　　　　　　　　　､r '"ヽl::l:::l::,r‐'::::／:.l:.i､:.:.:`ヽ､ : : : :{　　 {　_丿
　　　　　　　　　　　ゞ　　　 ",｀´:::::::::ﾉ__!ﾊl:.l_,ゝ-‐t:.:`:.ｰ-ゞｧ‐1Lヾ7
　　　　　　　　　／:",,　　　　",,_,r''´,rｫﾐ. ヽi　,r.ｫ=､ヽ:.::l:.:.:.:7_ヽ√　前に天草四郎の狙撃を試みたことがあった。
　　　　　　　／ : : : ",,　　　　",,ﾘﾚl　ﾋ:ﾘ　　 .ﾋ:ﾘ　l/ヾ!i:.:.:.:.:l`
　　　　　　　/: : : : : : : :",,　　,,､ﾞ　 `!.　　'　　　""" 　 _ノ::.､:lヾ!　　　しかし、その時は四郎が一揆の頭領に見えず
　　　　　　/: : : : : : : : : : ;ゞ-'ﾞ　　 ,ヽ.　 r_‐_つ　　,ｲﾊl､:r､i`　　　　止めてしまっていた。
　　　　　/ : : : : : : : : :／ﾊｰ- ､__,､ﾞ｀　ヽ､_ ,,､-"ﾞ´｀ﾞヾ,, `
　　　　　ヽ: : : : : : : :´:'´: : : : ┌-ﾞ-､　　,「::,,ﾞ　　,,､-､,,､,, ﾞ'' ,　　　　　心得のあるいくさ人なら、すぐわかる。
　　　　　　 `ヽ､: : : : : : : : : : : l　　　ヽﾞ: :／￣￣!: : : : ﾞゞ､}
　　　　　　　　　｀ヽ､ : : : : : : l　　　　 V´ 　　　l: : : : : : : ヽ　　　　四郎のような人間をいくさの頭に据えて戦ったらどうなるか。
　　　　　　　　　　　　 ` ｰ - /　＿　〈_j　　　　 .!: : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　/,r'´＿彡ﾊミヽ､　　 !:!: : : : : : : : ヽ　　　負けるに決まっていた。
　　　　　　　　　　　　　　　￣/　　 /: :i. ヽ　ヽ丿:i: : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　/　　 ./: : ﾊ.　｀ t'´: : :ヽ: : : : : : : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　【一揆頭領　天草四郎時貞】

542 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:11:35.91 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　／/＿　-‐
　　　　　　　　　　　　　<　/| ,_　´
　　　　　　　　　＿ -.:´￣:::.　　￣ ` ヽ、
　　　　　　　　　／.:,;::　ハ:::.　　,:..　　::..　ヽ、
　　　　　　　　/ '７/: 〃ﾉ|:.l i::..　l:::.　　::.. .. :;::＼
　　　　　　　　　〈./::/ ﾚ'　|:| i:::.　l:::. 　|::: ::. ヽ＼＼　だが、最近では、やはり四郎が本当に頭領ではないか、
　　　　　　　　　〆,＼　　ﾘ-弋:. lｌ:::.　|:: ｌ:::..　〈::.,ゝ　とも思えるようになってきてよくわからなくなっている。
　　　　　　　　＿ /( )　　　(　) ＼ﾊ:::. l::: |＼:. 〈
　　　　　　　＼弋~ 、_,、_,　~~ ﾉノV＼::ト、.＼i　　　この不明な部分が多すぎて、杢之助はいらだっていた。
　　　　　　　　　＼`　、　＿　i＜_ノV人ゝ;,.＼
　　　　　　　　　　　〉'　>ー‐＜.＼　　　　　　　　　　こんなか弱いいくさ人など、いていいはずがない。
　　　　　　　　　　 /￣/‐-　ヽ＼＼
　　　　　　　　 /￣ﾅー-　_７ーくつ
　　　　　　　〈＿j'＿_　＼〈
　　　　　　　　　ヽーｔ‐-￣＝)
　　　　　　　　　　 `、＿ri ＿ﾘ|
　　　　　　　　　　　ﾄ-┤＼___|
　　　　　　　　　　　　と._j　　＼ｊ

543 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:12:05.76 ID:bT/Zabko

　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／＼　　／＼　ｷﾘｯ
　　　　／　（ー）　（ー）＼
　　　／　　 ⌒（__人__）⌒ ＼
.　　　 |　　　　　|r┬-|　　　　|　　「十字架に貼り付けられて、槍で脇を串刺しにされた人が、甦る……」
　　　　＼　　　　 `ー'´　　／
　　　　ノ　　　　　　　　　　　＼
　／´　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　|　　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　＼
　ヽ　　　 -一''''''"～～｀`'ー--､　　　-一'''''''ー-､.
　　ヽ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　)　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／_ノ　ヽ､_＼
　ﾐ　ﾐ　ﾐ　　oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo　　　　　　ﾐ　ﾐ　ﾐ
/⌒)⌒)⌒. ::::::⌒（__人__）⌒:::＼　　　/⌒)⌒)⌒)
|　/　/　/　　　　　|r┬-|　　　 |　(⌒)/　/ / /／
|　:::::::::::(⌒)　　　　|　|　 |　　／　ゝ　　:::::::::::/　　「ギャハハハハハ、ありえねーお！
|　　　　　ノ　　　　|　|　 |　　＼　　/　　）　　/　　　　　　ぜってえ眉唾もんだおっおっおっ！！」
ヽ　　　　/　　　　　　`ー'´ 　　　ヽ /　　　　／
　|　　　　|　　 l||l　从人 l||l 　　　　 l||l 从人 l||l　　　バ
　ヽ　　　 -一''''''"～～｀`'ー--､　　　-一'''''''ー-､　ン
　　ヽ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　)　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒)) バ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ン

544 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:12:41.22 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　／＿
　　　　　　　　　　＿　/i／／
　　　　　　　　　／:::::::ヽ{ /::::::::::: ｀`ヽ
　　　　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　/:::::::::::::i:::::::!::::ヽ::::::::::::::::::::::丶
　　　　　　 {:::::::::〟:::i丶i∧::::ヽ!,'＼::::::::::::::',
　　　　　　!:::::::i::::/‐-- ヽ＼i ○　ヽ:::::::::::ヽ
　　　　　　　!::::::!::::|　○　　　　　　 | /、::/　　「本当なんだってば！」
　　　　　　 !:/ﾍヾ　　　　＿＿　〃｜ノｿ
　　　　　　　ｿ　ヽ|ゞ〃　i´　　　｀i　ﾉ
　　　　　　　　　　　ヽ.　` ----゛／
　　　　　　　　　　　二i_　＿i＿
,--‐ ───────´／　∨　＼　｀ヽ
｀　´ヽノﾉ＿＿＿＿＿/ ###o####/.|＼　ヽ
　　　　　　　　　　　　|####o####|　|　/　 /
　　　　　　　　　　　　　|####o####ヽ;|/　 /

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃
.　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　.　┃
　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　┃
　　　　　　 |　　　　　　　　　　 l　ヽ　　　|　　　 | | |　　　　┃
　　　　　　 l　　　　　 |　　　　 /,ハ　| 　　l | | |　| | |/　　　　┃＜おっおっお
　　　　　 l　　　　　　 l　　//７/ ‐-Vヽ　//| | | ///　　　　　┃　＜本当なんだってば！も～
　　　　　 /l　　　　　　 l　j/l ' '､Tｯヽ　|/ｲj7////　　　　　　.┃
　　　　　 /　|　　　　　　　 l　 l　　　　　/　',　|//'　　　　　　　┃
　　　　 /　　ヽ　　　　　　 l　l　　　　　 ,冫l′　　　　　　　　┃
　　 , イ　　　　ヽ　　　　　ｌ l　　　　__ _　/ l　　　　　　　　　.┃
二二丶　　　ヽ　　　　　 N　　｀二´/　 l　　　　　　　　.　┃　「……」
　　　＼＼　　　　＼　　　　 |＼　　　　/　　 |　　　　　　　　　┃
＼　　　＼＼　　　　ヽ　　　 |,//＞― ′　　|　　　　　　　　　┃
＼＼　　　ヽヽ　　　ヽ　　 |/　　| 卜、　　 |　　　　　　　　　┃
　　　　　　　　　【一揆側武将　森宗意軒】

545 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:13:30.61 ID:bT/Zabko

　　 |　|　 |　| ヽ.　 i　　 / 　＞､
　　 |　|　 |　| ＼　 | 　　／- ￢
　　 |　|　 |　|≧xﾄ､iy'_,∠二￣　 |
　　 |　|　 |　|　　￣　　｀"ヾ⌒i.}
　　 |　|　 |　|_　ヽ..__　　　　　ﾄ､ :!
　　 |　|　 |　|　ヽ. 　厶-￢､　ﾄIV
　　 |　|　 |　ﾄ､__,ﾉ　{　　　　_　}ｌﾘ、
　　 |　|　 |　Lﾉjﾄ､=ｨikf⌒厂　i/ｲ|　　「おい、いつまであんな奴に飯、食わせてやるつもりだ？」
　　 |　|　 |　|　,'i´　 iヽ.二　　Ｖ/
　　 |　|　 |　| :ｉ l.　　}　　　　 /,/　　
　　 |　|　 |　|　ヾﾆ.rﾉ　　 :,' /　　　　
　　 |　|　 |　|,. - ー- ､ }　ﾉ {_　　　　
　　 |　|　 |　ﾄ､ヽ＝-､　　　 j　＼　
　　 |　|　 | ｜＼ _ _　　 , イ〉　　 !　　
　　 |　|　 |　|　　ヽ__ ,／://　　　Ｌ._　　
　　 |　|　 |　|　　　 ∨::://　　　　｜＼　
　　 |　|　 |　ト､　　　 ∨人　　 , 　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｨ:.:l:.:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:.:.:.:.:.:.:.:.:.∠_!/l:.:.:.:.:/ .!:.:.:.:.:.:.:.:.:.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:.:.:.:.:.:.:/て::lヽl:.:.;:ｲ-,=l:.:.:.:.:.:.:.:.ﾄ|　　「私は何もしていない。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,':.:.:.:.:.:.:ﾄ､　　/'"　.l `"'l:.:.:.:.:.:.:ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　l.l:.:.:.:.:､:＼　　　　 '　　ﾙ:.:.:/|:!　　　　四郎が自分の分をわけているだけよ」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:l!:.:.:.:.:.:ト､:ヽ　‐- ､　 /!:.:.:.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　 lﾊ:!,､:.:.:ｌ、｀ヽ　｀　　//:.:.:.:li
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '´ ヽ;!. `　、　　　／:,:.:.:.!ﾊ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　　 ` ｰ .' lﾊ/ .Ｖ '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　　 ', 　　　.l
　　　　　　　　　　　　,. -――f"""＼　　　',　　 ,' ﾄ､
　　　　　　　　　　／　　　　!:.:.:.: . ＼` - ､',　 ,'　ﾄ､:`:..､
　　　　　　　 /　　　　　　　l:.:.:.:.:.:.:.:.＼　　` '　r‐-!`:.､::`::..､
　

546 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:14:16.91 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　 /　 . -/　　　　 -‐- ､　　　　　 V
　　　　　　　　　 ' ／　 j　　　　 -‐　、`ー一 ⌒｜
　　　　　　　　 j/ ／ノ{　　ﾉ　　　　　＼　／￣ヽ
.　　　　　　　 j=､<／ｲ　ヽ　　_ｧ= ､　　 }j }　 __　　}
　　　　　　　　_|{　い_｣　　 _ ´(|{　　}｢〒'　了⌒}i７′
.　　　　　　 /｜　/〉　　　　　｀ｰ`＝´,　:　　ﾄ`＝ハ
　　　　　　 /　ﾊ.　､{　　　　　　　　 {　ｉ　　|　　　 }
.　　　　　 i　/ ∧､__　 ',　　　　　　く__　--_〉　　ﾉ　　「もう兵糧は底をついているんだぜ。
.　　　　 | ,′ｉ　ト-1　＼　　　　　　￣　　 /|
　　　　　　|,′￤ |　 |　　　i　　 /　　＿_　＿　､　|　　　ったく、のん気な」
　　　　　　|! 　_L⊥ ┴　￣￣￣}　 '-‐‐‥‐┘ ′|
　　　　　　|　く.　　　　　 (_) / ｰ-‐ ´ ｀一'　丿
.　　　　 | 　 }　　　　　　　　｜　　　　　　 ,ｲ￣　　 ‐-､
.　　　　　 |___,L　　　　　　ト　 ..＿＿＿,ノ/　　　　(_)　|
_ ..　 -一'´　　_,＞-､＿_　　(_) ヽ＼　　　　 '|　　　　　 /
　　＿ ..　-＜._　　　　　　＼　　 | 　ヽ　　　 |_ 　　 (_) /

547 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:14:37.14 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　 iー､.　　 |　　. :/　　.　　　　 . :　:　 .　　　　ヽ: :　.　 :､: :.ヽ
　　　　　　　　　　　　　|　　＼__! 　:/: :　 :　　. : : : : : :i　　 :.　 :　　 :. i: :　:　: :ヽ: : i
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: : .　　　　　　: . 　　　 /　　　　|: :i /i: : : : i: : :/:|: : /|.:.|: :　 : :ヽ: :ヽ　: : :i　|: : : : |: : i
　: : 　: . 　　　　: : 　 /　　　　ﾉ:i Y |: : : : |: : :i .|: / :| :i: : :. .: : ﾊ: : i .: : : | i: . : : :i|:/
: : : : :ヽ: : : . 　　 : : /.　　　／ﾍ:|∧|: : : : i: :i.√|:ト､.!: |i : : .: : i　i: : i : : : ||: : :i: ://
: : : : : :ヽ: : : : .　　/:　　　　　　　!|:ﾊ|: :i: :.i:.i:;!ゞZk-､:ﾍh: : : : i :i _.>;ﾍ : : : i: : ﾉ/: !
: : : :＼: :＼: : : : /　 :　　　　　　 i !: :!: |: : |:.ﾊ| ,ゞﾆ;ｿﾞヽi! i: : : !i:|;z=ド,!: : : !:///|:!　　「許してやってくれ。
: : : : : : ＼:＼／: :.　　　　　　　 i i .: :!: i: : :ﾍ!　　　　　　 i∧: :!iゞ-''､/: : ///: /
￣７￣￣￣ヽ: : : :　　　　　　　i i: : 　h: : : :i ! 　　　　　　　＼!　　/: : : |: : : /　　　四郎にとっては、
／　　　　　　|: : : : 　　　　　　| |: : 　| .i: : : i 　　　　　　　　｀　/: : : :.|: :／!
　　　　　　　 |: : :　　　　　　　 ! i: :. 　! .ﾊ: : :.i　　　　　　, ;. 　／: i: : : :i／:　）　　　大切な同世代の友人だから……む！？」
　　　　　　.. :|: :　　　　　　　　| |: : 　 |　|: i : :|＼　　｀二''´.／i : :/|: : i: |: ／|
　　　　. : : : :|:　　　　　　　　 | |: :　 :|　 i :i .:|＿＼ _＿／: . :|　 |. | .ﾊﾊ! : : |
　　. : : : : : : |:　　　　　　　　　| |: : : :| ／: :!ﾍ! : : : : : : : : | : : |: : :| ﾚ': : : : :　|
　. : : : : : : : :|:　　　　　　　　　| |: : : .K: : : : : : : : : : : : : : |: ／|: : :.!.: : : : : :　|
: : : : : : : : : ::|:　　　　　　　　　.! !: : :.i　i: : : : : : : : : : : : : :|´＼|: : : |: : : : : :　|
: : : : : : : : : : |:　　　　　　　　 : i i : : |//: : : :､: : : : : : : : : |: : : :!: : : |: : : : : 　|
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ﾆ＼: : : : : : ヽヽ: : : : : : : : : : : : : i i i|: : : : /: : : : : : :／ //: : : :./: : : : : : : .|
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:.:.:.:.:.:.:.:.:...... ...:.:.:.:.:.:.:.:.＼: : : : : : : : ＿i_i人_,,..-ー´'´: : : : ／: : : : : : : : : : : :　|
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾍー― ''￣　　　　　￣￣￣￣￣|: : : : : : : : : : : : : 　|

548 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:15:01.71 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　: 丿　　＼　＼
　　ドンッ！！　　　　　　　　　　　　　　　,_ ゛''=;- .,_＼　＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　---__=___゛‐ニ‐-　゛`゛'-'　＼ﾞｉ
r'｀w-''´ﾞｉ　　　　　　　／｀゛√,　　,r'｀w-''´ﾞｉ　　_-__-____　　　　Ｊﾞｉ:　　　　　ドン！　　　　　: 丿　　＼　＼.
￣￣￣"´￣￣￣ッo￣￣￣￣ﾞｉ￣0￣￣:　　　　　　　　　　　　′ﾞｉ,. 　　　　　　　　　,_ ゛''=;- .,_＼　＼＼
..............................〉.......o...........○__　;　　　　　　　　　　　　　　　　″:::i ; 　　　　　　---__=___゛‐ニ‐-　゛`゛'-'　＼ﾞｉ
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｀ﾞｉ,　　　　　､i'´ﾞ　○　　　　　　ﾟ　O｀ﾞｉ, 　　_ _ 　　　　　　　　　　:^::!. ￣￣￣￣ﾞｉ￣0￣￣:　　　　　　　　　　　　′ﾞｉ,.
ﾞｉ O　　　　　　　　,　　＿ッ　o　　__-_　　　　　　　　　　　　: :: ::i　 o...........○__　;　　　　　　　　　　　　　　　　″:::i ;
ッ￣￣ﾞｉ_ッ￣￣＼,＿､,r'´￣￣￣__三　　　　　　　　　　ッ　　,r'　 ...................＼................_ _　　　　　　　　　　　:^::!.
　　　　　　!､￣／　　　　　　　　　／-;-.,_ ゛''=;- .,／　　:／／ッ　　　＼　＼.　　　　　　　_ _ 　　　　　　　　　　:^::!.
,　．・ '′ソ＿／＿＿＿＿＿＿ッ＿-　゛`゛'-''i| ::　／| ／ .　　　　 ,_＼　＼＼　　　　 _　　　　　　　　　　　　: :: ::i
　；　ﾌﾆ二フﾞｉ￣￣　　　　　￣￣フメへッ─゛''=;- .,　:: , ' ─ ）　　　　゛`゛'-'　＼ﾞｉ　　　　　　　　　　　　ッ　　,r'
　　O　／｀゛√,　　,r'｀w-''´ﾞｉ　　　　　　　／｀゛√,　　,r'｀w-''´ﾞｉ　　_-__-____　　　　Ｊﾞｉ:　 .,_ ゛''=;- .,／　　:／／ッ
￣ッ　￣￣○￣ﾞｉ￣￣￣"´￣￣￣ッo￣￣￣￣ﾞｉ￣0￣￣:　　　　　　　　　　　　′ﾞｉ,. `゛'-''i| ::　／| ／ .
〉..0.............................. 〈..............................〉.......o...........○__　;　　　　　　　　　　　　　　　　″:::i ; ─゛''=;- .,　:: , ' ─ ）
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　O　　　　　　　o　｀ﾞｉ,　　　　　､i'´ﾞ　○　　　　　　ﾟ　O｀ﾞｉ, 　　_ _ 　　　　　　　　　　:^::!.
　　　＿ッ　　　　　ﾞｉ O　　　　　　　　,　　＿ッ　o　　__-_　　　　　　　　　　　　: :: ::i
￣￣ﾞｉ,r'´￣￣ﾟ￣'' ッ￣￣ﾞｉ_ッ￣￣＼,＿､,r'´￣￣￣__三　　　　　　　　　　ッ　　,r'　　　ドンッ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　!､￣／　　　　　　　　　／-;-.,_ ゛''=;- .,／　　:／／ッ
　　　　　　　　　 ,.'　．・ '′ソ＿／＿＿＿＿＿＿ッ＿-　゛`゛'-''i| ::　／| ／ .
　　；"・．。′°+゜　；　ﾌﾆ二フﾞｉ￣￣　　　　　￣￣フメへッ─゛''=;- .,　:: , ' ─ ）

549 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:15:19.02 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __,,:::========:::,,__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ...‐''ﾞ .　　｀　´　´､ゝ　 ''‐...
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..‐´　　　　　　ﾞ　　　　　　　　｀‐..　ボワァ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　__,,:::========:::,,__
　　　　　　　　.................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´　　　　　　　　　　　　　　　　　...‐''ﾞ .　　｀　´　´､ゝ　 ''‐...........
　　　.......;;;;;;;;;;ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ　　　　 .'　　　　　　　　　　　　　　　　　..‐´　　　　　　ﾞ　　　　　　　　｀‐..ﾞﾞ;;;;;;;;;;......
　 ;;;;;;ﾞﾞﾞﾞﾞ　　　　　　　　　　　　__,,:::========:::,,__　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　ﾞﾞﾞﾞﾞ;;;;;;
　　ﾞﾞﾞﾞﾞ;;;;;;;;............　　　　...‐''ﾞ .　　｀　´　´､ゝ　 ''‐...;;;;;;;;;::´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
　　　　　　ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ;;;;;;;;..‐´　　　　　　ﾞ　　　　　　　　｀‐..'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ;;;;;;;;;;......
　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ:　　　　　　　　　ﾞﾞﾞﾞﾞ;;;;;;
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ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ　　　　 .'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ;;;;;;;;;;......　 ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ
　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ:　　　　　　　　　ﾞﾞﾞﾞﾞ;;;;;;ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ;lﾞﾞﾞﾞﾞ
　　　　　　;ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ;　　　　　　　.............;;;;;;;;ﾞﾞﾞﾞﾞ　` ;　､　　.;　´ ;,il||iγ
;;;;;;;;;;;;;;.......;............................. 　　　　　　　　　　　　　 ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ　.;　　　　il,.;;.:||i　.i| :;il|l||;(ﾞ
　　　　ﾞﾞﾞﾞ i;ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ;lﾞﾞﾞﾞﾞ´i,,.;,.. 　.il　｀,　　,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|liiﾞゝ
　　　　ﾉi|lli;　i　. .;,　､　　 .,,　　　　　　　　　　　　` ;　､　　.;　´ ;,il||iγ|iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lliﾞ/｀ﾞ
　　　 /ﾞ||lii|li||,;,.il|i;,　; . ., ,li　　　'　;　　 .`　.;　　　　il,.;;.:||i　.i| :;il|l||;(ﾞ;iill|||lli|llii:;ﾞi|||||l||ilil||i|llii;|;_ﾞι´ﾟﾞ´
　　　　｀;;i|l|li||lｌｌ|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,..　.il　｀,　　,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|liiﾞゝ
　　　　　　ﾞﾞ´`´ﾞ-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lliﾞ/｀ﾞ　　ゴワァ
　　　　ボウン　　 ´ﾞ｀ﾞ⌒ゞ;iill|||lli|llii:;ﾞi|||||l||ilil||i|llii;|;_ﾞι´ﾟﾞ´

550 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:15:41.57 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　 |　　　　　
　　　　　　,　'''"´ ￣￣￣￣「＼.　　　　　　|　　　,/　
　　　 ,ィ,r､ ! 〇　Ｏ. |　 i 　 !　＼__ 　　　 |　　 / 　
　　　　iul ０ ! ,〇　〇 |　 | 　ヽr-y-､＼　　　|　　/　　
　　　　|0|,０ ! ,〇　〇 |　 |　　 || ||| |[　　＼二三三ﾄ､　　　　　　　　　　
　　　　|0|,０ ! ,〇　〇 |　 |　　 || ||| ヽ!　　･ L三三三ﾄ､　　　| 　 .　　　
　　　　|0|,０」,,､-‐ ─ ┘　|　　/ヽU/ソ01　　｀ヾ三;;;/　L　　|　　 /
　　　　|0lr'''"　　　　　　　 l　　|　　　　　　　¨ 　　ヾ;/　　「￣!|　 ,/　　
　　　　|,,､､､- ── ─ ､　　 |　　　　　　　¨　　　　,ｨイ　ヽ/|　/　　　
　　　　|0| ０ | 〇　〇　|　　　 |　　　　　　　　　　　　i!;;|　〈 ,| /. 　　
　　　　|0| ０ | 〇　〇　|　　　 |　　　　　　　　　fj　　 |;;|　　j爪ｺﾄ､. 　
　　　　|0| ０ | 〇　〇　|　　　ヽ　　　　　　　　　　　,」;;L　　｀`ー '＼　
　　　　|0| ０ | 〇　〇　|　　　　|　　　　　fj　　　　　　　　　　　.: .:.:.:.:.:.＼　　　　　　　　　
　　　　|0| ０ ! 〇　〇　|　　　　|　　　　　　　　　　　/;/ヽ｀`ｰ-､､.:.::::::::::::L　　　　　
　　　　|0|,,､-‐── ─　　　　　|　　　　　　　　　　 /;/;/　　　　　`ヽ.:.:.:.:.:.:＼　　　
　　　　l;:;:;:.:.:.:.: .. . . . .　　　　　|　　　　　fj　　　　/;/;/　 ,//　　　　ヾ三ー;;;;!
　　　　ヾ;:;::;:;:;:;:;:;::::::::::::::::::.:. :.:.:.」　　　　　　　　　｀ヾ〈　 ,//　　　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
　　　　　　｀¨`ー＜＿＿＿　　　￣｀｀`ー- ､､､　　　 ,//　　　　　 ,/ /.:.:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣「三抂挂L＿ //r──-ｧ　/ /.:.:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　jﾘ jﾘ jﾘ jﾘ」/　￣ヽヾ／/ //￣　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / |/ |/ |/ |
　　　　　　　　　　　　　オランダ海軍　戦艦デ・ライプ号

551 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:16:33.69 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　 /:/ ,.-─-.､
　　　　　　　　　　　　　＿__l:.!/:,r'"´￣｀　　パラ…
　　　　　　　　　　,...:'"´:.:.:.:.:.:ヾ/:.:｀`ヽ、ゞ　　　　　パラ…
　　　　　／／／:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　／／ /:.:.／:.:.:.:.／:/:.:!:.:.:.:ヽ:.:.:ヽ.:.:.:ヽ　　＼ヾ
　　　　　/ /:.:/.:.:.:.:.:./:.:/:/:.i:.:.!:.:.:.:.ヽ:.:.:ヽ:.:.ヽ　　＼＼
　　　　　　l:.:./:.:.:.:.:./:.:./:./:.:l:.:.!:.:.:.:.:.:.:!:.:.:ヽ:.:.:.i
　　　　　　!:/:.:.:!:.:_/__/_/_:.:!:.:.!:.:.:i:.:.:.:.:!:.:.:.:i:.:.:.:! 　》　
　　　　　　ﾙ:.:.:l:.:./ !:/ ﾘ l:.:l ヾ!` ｰ- ､l:.:.:.ﾊ:.:.:l 　》
　　　　　　 !:.:〈V -＝=､ヾl　　＿ l:.:ﾊ:.:.:l:.:l:.:ﾉ　
　　　　　　　lﾊ:.`i　""　　　　　"￣ヾ .j:.:/:.:!/　//　　　「きゃぁ！？」
　　　　　　　　ヾ:ﾊ　　　　 !　　 "" ./ｲ/ﾚ/ 　//
　　　　　　　　　＼　ｰ -　　　,ｲﾙ　　　//
　　　　　　　　　　　 lヽ、__　. イ
　　　　　　　　＿＿ ___＿
　　　　　　　　＿＿ ___＿
　　　　　　／／　　￣　＼＼　　　　
　　　　　　／／　　￣　＼＼　　
　　　　　／/--.--　 -─＼＼　　　　
　　　　　／/--.--　 -─＼＼　　　　　　「なんだおっお！？」
　　　/／　(○ ○） (（○(○）＼
　　　/／　(○ ○） (（○(○）＼
　.|　|.|　　 ( . (（_人_人__）　　 |　＿＿＝＝　＝
　.|　|.|　　 ( . (（_人_人__）　　 |　＿＿＝＝　＝
　　　＼＼　　　⌒Jｊｊ｀／,／ | |　　　￣￣￣　￣| ||
　　　＼＼　　　⌒Jｊｊ｀／,／ | |　　　￣￣￣　￣| ||
　　　　ノ　　　　　　　　　＼＼| | | |　　　　　　　　　||
　　　　ノ　　　　　　　　　＼＼| | | |　　　　　　　　　||
　／´ 　　　　　　　　　　　　　 | |　　　　　　　　　　| |
　／´ 　　　　　　　　　　　　　 | |　　　　　　　　　　| |

552 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 21:17:20.98 ID:MkYTl5Ao

きゃぁ……だと……？

553 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:17:21.73 ID:bT/Zabko

　　　　　　/.:.:::::::<kｶ〕::::::::::::,,,．-──‐-r ､─-<′
　　　　　　!.:.:.:::::::::::,､-‐''"´,､ -─ - ､.. :.:i j. : . : .:ヽ
　　　　　　ヾ.:.:,r'"´,,,　　'",,．-─-､､ｨ. :.:.:| !. : .: . :. !
　　　　　　ｿ､､､,,　j　r'´_,,,､-ー-､彡.: .:l/. :.: . :. :.:|
　　　　　　　 {r─-ﾐ､,,､;:;'｀ﾞftァｭ. :.:. :.:. :.:.ﾄ､,r‐ ､.: .:i!
　　　　　　　 'i ,.ｨﾓｼ' .:;;:. ｀''ｰ-‐''"｀`ヾ.:. :.:ﾐj ,イ !.: .!　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　 | `~7　.;.:;.:.:.　　　　　　 .: : .:.｀ﾞ./H ,!.:.:|　　　|　
　　　　　　　　!　 {　 ;.;;;.:.:ﾄ､　　　　　 ,r'´.: .: じ,/:::/. 　　 |　気に入らんが、砲撃開始……ファイア！
　　　　　　　　ヽ　,＞‐''⌒ヾ､　　　　 ′.:.:.:.,､ノ_ノ　　　＜　
　　　　　　　　　!,f!　　,､､､,,,, ﾞi,,　　　 ;!. :. :.::!.:.:.:.:.!　　　　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
　　　　　　　　　l ゞ‐'´ 　｀`ヾ!ヽ　　 !.:.:.:./.:.:.:.:.:.L_
　　　　　　　　　ヽ　 '´￣｀¨　　　　　'.:.:./.:.:.:.:.:.:.:」:::.＼
　　　　　　　　,rﾊ　　　　　　　　 !.:.／:.:,､‐'´:::::::::::::.:.!
　　　　　　／.::::::!　　　　　　　_ ノ´,､‐'".:::::::::::::::::::::::.:|
　　　　／.:.:.:::::::::｀ｺ''ー--‐''"´「:.:.::::::／ヽ::::::::::::::::::::,ﾊ
　　　　　【オランダ商館長　ニコラス・クーケバッケル】

松平伊豆守の圧力のもと、オランダ商館長、にこらす・くーけばっけるが自ら乗り込んだで・れいぷ号は、
原城にむけ、海上砲撃を開始した。
以後、連日にわたり、海上と陸上から大筒による砲撃が続くことになり、
城内の人命や塀など少なくない被害を与えた。

554 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:18:06.24 ID:bT/Zabko

ところが……

　　　　　 ,. ''"´￣￣｀ソ´￣｀ヽ､
　　　／::::::::::::::::::::;r':::::::::::::::::::::::＼
　　 /:::::::::::::::::::::;爪:::::::::::::::::::::::::::::::｀､　　　　　　＿_|＿　──ｯ　　‐┬‐　　f _`ヽ
　　/:::::::::::::::::::;:ｲハヾ::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　　_,ノ|　　　 `＜　 _＿|_＿　 ´__｀)
　　{::::::::::::::／ﾉ/　ヽ＼:::::::::::::::::::::::::::::',
　　ヾ::::;:Ｚニュ、 ,ｨ‐ニニヾ､::::::::::::::::::::::::',
　　　ﾞｆ:::::::::::::::::Ｈ:::::::::::::::::::::}弋::::::::::::::::::::l　　　　　　　|王ｰj一　　ｌニニl　　__/＿ヽヽ　[７
　　　ﾄ､::::::::::::ﾉヽ;;:::::::::::::::ﾉ　ﾚーr::::::::::::l 　　　　 /ﾊ勺/､＼　 !ニニ!　　/　こ　　　o
　　　 !　｀￣ﾌ　　　￣￣´　　　ノ::::::::::::ﾉ
　　　　',　　（　　 ,　　　　　　　l:::::::::::::/
　　　　ヽ　, `ｰ''"　　　､　　　 j:::::::::::/
　　　　　ヽ T ー_二_"7' 　　ﾉ:::::::ノ
　　　　　 `､ヽ/＿_,ノ　　／ ∨Y､　　　　　　　　　 , --､
　　　　　　　ヽ、＿＿,,／　丿/:::l:＼　　　　　　 ,ｲ`´￣ヽ　　　ビシッ
　　　　　　　　　,ｲ｝　　　／ /::::::l::::::＼　　　　ノ　ヽ､＿_ﾉ
　　　　　　　／::ハ　　　／　 /:::::::::l:::::::r'´￣￣　　　 /⌒ｿ⌒ｿ⌒j
　　　　　　／::::::{　〉ー<　　 /::::::::::::l::::::ヽ＿　　　　/　 /　 /　 /
　　　　　/::::::::::::l　∧　 ∧　/:::::::::::::::l::::::::::::::::｀ヽ、　`ー'^ー'^ｰｲ
　　　 /:::::::::::::::l/　厂l　∨::::::::::::::::::l:::::::::::::::::,ｲ:/`ー---一ァｆ'´
　　　 /:::::::::::::::::::l　/　　∨:::::::::::::::::∠::::::::::::::/ヾ<　　　　　　/　｝
　　　　　【熊本藩主　細川忠利】

555 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:18:44.80 ID:bT/Zabko

　／ <>　　　　　　,. ‐'´ _,.　-────-- ､.._　　　　l
　＼､　　　　／, ‐' ´　　 } }　　ﾘ　　　 i,　　`;‐ ､.　l
　　　ヽﾞ､,,. -‐'rf'´ ､ノｰ--‐'ﾉー-ｧ'ヽ.ﾘ＿ﾉ_　,ノ'　 ;' ヽ.ヽ
.　⊃　| |　　　| |　　}ﾉ´─‐- ､,ノ'´　ヽ､ヽ＼へ、ノ' 　ヽ.}
.　　　 | |　　　| | "´}　　 ,二二_`'‐-=ソﾉ｀ ;{＿_;ゝ、_,.ノ'ヽ!
　　　 ! !　　　! !　_,l.　`'　（｡P} `　ヾ´　 /r;c-､,｀〉） _,,ﾉ'
　　　 ! !　　　! !　　} 　 `ー--‐'　'"　　　ヽﾞ‐'ﾉﾞ,ﾙ'/ _ﾉ
　　　 | |　　　| | "´!　'"´　　　　　　＿｀!　:{'ﾉ ,ｲ
　　　 | |　　　| |　ﾘ　　　　　　　　　 ´ '',.ィ' 　 ! _}.!　　遊びでやってんじゃ
　　　　| |　　　| |　 } 　　　　 ,.-──‐-､　　　 l　}l
　　　　| |　　　ヽ:､"｀ヽ､　　／ｰ'´￣￣｀y}　　　l｀ｿ!　　　　　　　ないんだよ！！
.　　　 ! ! 　　　｀`'‐ ､ヽ,､l, -─- ､- ､　!　　ﾉ､）l
　　-‐''　|、　　　　　　　｀'' ゝ、 ,.. -────‐-'､!
　　-‐ ' ´＼` ‐ ､　　　　　　　｀!　　　　　　　　　　|
　　　　 -‐'/7￣{{｀`' ‐ ､　　　 |　　　⊂ニﾆ⊃　　|

　　　　　　　　　【柳川藩主　立花宗茂】

556 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:19:14.97 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　ｰ＝-ｲ　/　/ 　 i ',　 .∧ l !　　　!　ﾊ　ハ　 ,'　　!　 l ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　{　i　l l　　 l　ﾄ､ l　ｌ | ',　　ﾊ　/ .l /　l　/　　/ 　ｊ ,ゝ´
　　　　　　　　　　　　　　 l　l　ｌ l　　ﾊ | ヽ!　ヾ　ヽ./ |:/ 　|'　_j／l 　/　 /./
　　　　　　　　　　　　　　　　 } .ﾊ ,l ヽ　|ﾍlニ;--,.._ '　｀､',.-;‐;二__ 　l /　 /./
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ'"　l.ﾍ. ﾄ､! '弋赱!~ ,　　　　' 'T心!_　ｲ　　 j l′
　　　　　　　　　　　　　　　　 |rﾍ　lヽ　　　　´　　　　　｀　　　　 l　　/ ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾍ　l　　　　　　　 i 　　　　　 l　 /'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀l | ',､j　　　　　　|　　　　　　j　/　　　　「なんで自国の一揆に、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　jﾊ. ﾍ　　　　　ヽ!　　　　　　 /! /ヽ　　　　他所の手を借りなきゃならんのだ」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !ﾍﾊ､　　　,＿＿,...､　　　／|/｀ ‐ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!ﾍl＼　ゝ-‐ニ‐-' ,. イ从'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, ィ' ヽ　＼　　　　／　ﾉヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ /　　｀ヽ　ヽ- '´　 r'　　　', ヽ
　　
　　　 /:::　i　..::　i:　　 i　ﾄヽ: :ヽ: :i: : i
　　　 i/::::::!:.:::::!::ﾊヽ.. .ﾄ i＼k＼i..: :i : :i
　　　 N::i:::!;::!:/i:!__ﾘ＼::i"彳ﾂハ::/　 :i
　　　　ヽ|、iヾﾄ弋ラ.　＼￣　/ﾞ": : : i　　　　　　 ,,,,-、
　　　　　　ヽ〉::ヽ　　　|　　　ﾚ: : : : :i　　　　　 /ﾞ:(..)::i
　　　　　　 /::　ﾍ　　　｀＿,,　 //: : : !!:i　　　　　ﾄ;:::::::;ｲ　「フン、幕府には大筒ひとつ撃てる人間もいないってことね」
　　　　　　 i:: : : :::ヽ　ﾞ＝"　／: : : ::i::i:!　　　　ﾊ:(::)/i　　
　　　　　　i::: : : ::::::/ヽ、　　_,i::i: : .://　　　　　i:〉ﾞ';;"ｲ
　　　　　ﾉﾊ: : ::::/／.i ﾞ　'"　i:!: ..::i/　　　　　　i::,-、:/
　　　　　"　i: ://. 　　|　　　　i:.::::/　＼　　　 /i-!::::i--、

557 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:19:43.35 ID:bT/Zabko

／/:.:/:.:.:/　　/:.:.:.:.//　　　／／　　　　　　 _＿＿＿_l:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:
:./:.:./:.:.:/　　/:.:.:.:.//　　／／　, -‐=´￣￣　＿---- ヽ:.l_'.:.:.:.:.:.:.:
/:.:./:.:./　　/:.:.:.:.//　／／__∠　_,-ｪr＝￢￣ヾ￣｀─､::',|::ヽ:.:.:.:.:.
／,':.:./　　/:.:.:.:.// ／／ ,--'￣: : : : : : : : :|i: : : :ヽ　　　　¨|::::lヽ:.:.:.:
　/:./　　/:.:.:.:.//-‐=´／／ : : : : : : : : : ／/: : : ',::::! 　　　}::/　∨:.
./:./　_r/:.:.:／/／ .／／:ヽヽ_ :_: :___:／／: : : : :l::::}　　　/:/ 　/:.:.:.
:./二-/:.／//　／‐´ : : : : ゝ7（::）l┌: ´: : : : : : /::/　　 /. '　 /:.:./　　（くっ……貴様らがふがいないからだろうが！）
/三‐/:/　//_／l::| : : : : : : : ｛ .{___}. ｝: : : : : : : :/::/　　 /　　 /:.:.//
-─/:/‐'//　　 ',', : : : : : : : :.＼_／: : : : : : : ノ／　　ノ　　 ./:.:.//:.
　 /:/　//＞─--⊂ニﾆﾆ＝==､＿__⊂ニニ￣￣,つ　　　//://:.:.
　//＿/---＝ニニﾆ¨￣￣￣｀　─-　　　　ヽ.'./　　　　//://:.:.:.:.
／-‐./　　　￣｀ ─- ､　　　　　　　　　　　　| |　　　　//://:.:.:./:.
　／　　　　　 ` ‐､ヽ　　　　　　　　 | | 　　 //://:.:.:./:.:.
／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | l　　／/://:.:.:./:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |　　／´/:.:.:./:.:.:.:

敵味方とわず、外国の力を借りたことで伊豆守は、こっぴどい非難を浴びた。
たしかに効率よくものごとをすすめるのは得意だったようである。
しかし、いくさだって勝てばいいのは真実かもしれないが、やってはいけないことも歴然とある。
そのけじめが伊豆守には足りなかった。

558 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 21:19:58.51 ID:CalOT0Ao

アムロｗｗ

559 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:20:25.13 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ　／/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 _/.:ﾚ.:∠. -―-- .._
　　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
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　　　　　　　　　　　 l.::::::.:.ｌ::.:./.::.:' 　|.:.l ＼:l ＼.:.:.:|:::.:.:.:::.:.::.ヽ＼
　　　　　　　　　　　 /::::::.:.:l:../.:.:.:l　　l.:.l 　＼　＼|Ｖ::.:.::::::l::l:.:l
　　　　　　　　 //::::::::::|/仏斗-‐ ヽ:ヽ　―---ト∨.::::::l:.l:.:|
　　　　　　　　　／l::|::l::l::::l 　　| 　　＼　　　　　V¨}::|.:l.:.!　　「ふぅ、ようやくおさまったね」
　　　　　　　　　　_ |::|::ｌ∧:l　rtテ示　　　　示テ x / /::|/リ
二二二二二二.／ ΤVl＼.ﾍ. ┴―'　　　　　'―っﾑｲ∨
　　　　　　　／　　　ヽ　T:ﾍ　　　　　 '　　　　　/::::l
､　　 , -‐'　　　　　　　　从/＼　　r― ｧ　　／/|人_
　　　　　　　　　　　　＼　　　＼ l＞､　￣　, ＜　　　　｀

　　　　　　　　　, -─‐──‐-､　　　　　「あー、四郎さん、四郎さん……」
　　　　　／　　　　ﾟ　　＼
　　　　　／ ;　　゜　　　　　 °　＼
　　　　　 l　　U　　　　 ;　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; l⌒ '"⌒ ヽ、
　　　　|;;;;;;;;;;;;;;;;;;　　 u. 　　;　　　|ｰ　　　　＼
.　　　　　 !　u.　_ノ′ヽ､__　　 ∪ 　　　　　 ,; 　　＼　,rｰ､
　　　　　ゝ｡(（-‐）　 ;;;;;;;;;;;)::｡　i'′⌒￣￣`￣￣￣ヾ｀ヽ　ヽ
　　　　（　ヽ'"（__人___）"'__ ,ノヽ､_＿＿＿"_＿＿,､___ｿﾉ__ﾉ

560 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 21:21:23.42 ID:d.iM152o

>>558
ジュドーだろ。

561 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:21:24.26 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　 ─-　、｀＼
　　　　　　　　　　　 -‐ _二ﾆ ‐＼　ヽ　　　　　　＿
　　　　　　　　　 ´　　 ´　　　　｀　ﾍ｀ヽj!　　　　「|　'⌒)）
　　　　　　／　　 ´　　　　　　　　 ! .ノ＼　　　　|」　｛{´
　　　　　　　　　／　　　　　　　ﾉ,　　　　ヽ　　 o 　 o
　　　　　　 /　　　　　　／　　／ //ハ　ヽ
　　　　 /　/,　　_　／　＞‐-､／/ / ﾊ　　 '. 　 !
　　　　　 ' jノ/　/／/ ,／∠_／ノ/ / /,ﾑ-､　i
　　　　／イ　ｲ　 /イ　（いﾘヽ／ / _ ,ﾊ　ﾊ　,
.　　　　　ﾉｲ八 _＿′,,.,　 ´　　　 ,ｲﾘｿﾉｲﾘ/ 　　　「えっ！？あっ！ごめんなさい」
　　　　　　 ∠　ノイノﾄ､　　　　　, 　｀,,./／ﾉノ
　　　　　　　　　_,. ＜＼丶　ｒ-っ　　ノ　　　　　　　　砲撃の衝撃におもわず倒れてしまい、
　　　　　　　／／ _　＞'⌒_ー'ﾌァ≦ﾆ=-─‐-=‐-､　やる夫を下敷きにしてしまった。

562 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:22:13.18 ID:bT/Zabko

　　　　　＿＿＿_
　　　　／⌒　　⌒＼
　　　／（ ―）　（―）＼「おんにゃのこに倒れこまれて
　／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼ありがてぇはずなのに、
　 | 　　　 |++++| 」_ ｷﾗｯ |なんだか少し物足りない気がするお」
　＼　　　`ー''´　l　　／

　　　彡二ミ: : : : : : : : : : : : : ::////ヽ
　　〆/⌒: : : : : : : : : : : : : ::////// ﾍ
　　 ./: : : : : : : : : : : : : : : : ://///// .ﾍ
　　..i: : : : : : : : : : : : : : : : :///////: : ::ﾍ
　　 i: : : : : : : : : : |＼: : :ﾍ: : : i///: ﾍへ_ﾍ
　　 | .i!: : /|: ∧: ::|　＼: : :ﾍ: :|ヘ: : : : :|
　　 |/'|: :/ |/　＼|,'"'"ヽ,: :jヽ|_ﾉ: : |￣
　　　　', i　⊂>　　　 <つ　"　>、＼|
　　　　　',　　　　　　　　　／ﾍ
　　　　　　＞'.‐‐⇔--‐/　/ﾍヽ　　　　　　「えっ！？それってもしかして……」
　　　　　〈γ⌒ / ⌒ /　 |　∧ ',
　　　　　 < ヽ　 .|　ノ　＜ ./　 ', ',
　　　　　　|ヾﾍ　|／_,,..-‐'"i　　　| i
　　　　　　.|　 >"r'"　　　　|　　　| .|
　　　　　　.|　|∂~　　　.__|　　　|　|
　／￣／~|　.|　＼　　　　"',　　 .|, .|
　.-‐'"-‐.ｿ　 |　　　　　　　 ',　　| ',|
　　　　ノ　　入　　　　　　　|　　! ヽ
　　　　~|　／　∧　　　　　　ヽ　　　＞‐--、
　　　　 ∨uux'　_,.>、　　／￣＼ /　　／
　　　　　　　 ~~~　　＼／　　　　　￣￣

563 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:23:04.13 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　／⌒　　⌒＼
　　　　　　　　　。o（゜＞）　（＜゜)o 。
　　　　　　　　／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼　　　　　　「やっぱ、エロゲならこんなとき、
　　　　　　　 |　　　　　|r┬-|　　　　　|　　て　　　巨乳な娘のあふれんばかりのおっぱいで窒息する……」
　　　　　　　　＼　　　 `ー'´ 　　／( ｀´) そ
　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼ﾉ　ﾉミ
　　　　　　　　|＼　＼・　　　　・　＼____ノ

　　　　　　　　　＿＿＿＿＿　
　　　　　　　　／　｀　/　 /´　　ｧｰ-
　　　　　　 γ◎ヾ　　../／／.:.::/ .:.:ﾄ､　バゴッ！
　　　　　／　ヾ_　 /　.://;へ、／!.:.::/:.} 　　　　　　,__-‐'''´-‐'''-‐''´
　　　／　　　ｒ　　ｌ　　　ヽ　　ｒ＾ーfノｒ_-γ--／　／
　　／　　　　　ト--＾弋＿ソ／　　　　　　　/　/// 　 `
　　|　　　　　　　＼　ゞノノ"}　　　　　　　　 l l |　 |
　　|　　　　　　　　ソ /ノ"}| 　　　　　　　　l　　　| 丶
　　|　　　　　　　　） '|　　 _,,,,　　　　 ,. -'´ - -'
　　＼　　　　　　　ヾ＼.ｒ"　　　　／　　　　　/＼ :_
　　　＼　　　　　　　〃丶、__ .／⌒ヽ---┬' 　　　＼
　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､
　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､

564 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 21:24:01.49 ID:40za.Rco

いくさ人＞＞（越えられない壁）＞＞官僚は隆慶作品の不文律ですよね

565 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:24:52.10 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　 /:/ ,.-─-.､
　　　　　　　　　　　　　＿__l:.!/:,r'"´￣｀
　　　　　　　　　　,...:'"´:.:.:.:.:.:ヾ/:.:｀`ヽ、　ﾉＬ
　　　　　　　　／:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ ⌒
　　　　　 /:.:.／:.:.:.:.／:/:.:!:.:.:.:ヽ:.:.:ヽ.:.:.:ヽ
　　　　　　 /:.:/.:.:.:.:.:./:.:/:/:.i:.:.!:.:.:.:.ヽ:.:.:ヽ:.:.ヽ
　　　　　　l:.:./:.:.:.:.:./:.:./:./:.:l:.:.!:.:.:.:.:.:.:!:.:.:ヽ:.:.:.i 　　「やる夫のバカッ！しらない！」
　　　　　　!:/:.:.:!:.:_/__/_/_:.:!:.:.!:.:.:i:.:.:.:.:!:.:.:.:i:.:.:.:!
　　　　　　ﾙ:.:.:l:.:./ !:/ ﾘ l:.:l ヾ!　／､l:.:.:.ﾊ:.:.:l

　　　　　　　　　　　　　　..　..　..　..
　　　　　　　　　 ::／ ⌒｀"⌒｀ヽ、::
　　　　　　　　::／,,　／￣￣￣￣＼::
　　　　　　　　::/,／/::　　　　　　　　＼::
　　　　　　　　;/⌒'":::..　　　　　　　 |⌒ヽ　　　「いい……パンチ……もってるお……」
　　　　　　　　　/　　/､:::::... 　　　　　 /ヽ_　＼
　　　　　　　　（　 ⌒ー-ｨ⌒ヽ、　 /⌒`ー'⌒　）_
.　　　　　　　　￣`ー──ゝィｿﾉー‐ヾy＿ﾉー─"　

566 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:25:32.77 ID:bT/Zabko

567 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:26:02.50 ID:bT/Zabko

包囲は一ヶ月を超えた。
２月１９日のこと――
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|＞　
　　　　　　　 ,. -.､　　　　　　　　　　　　　　　 γヽ　 l>　　　　　　　　　　　　　-.､
　　　　／':':':':':`.､　　　　　　　　　　　　にiｺ,､∧　　　　　　　　　　　／':':':':':ヽ、‐-.､
　　　　_ノ':':':':':':':':':':': ｰ､　　　　　　　　　　　　A ｌ/ヽrﾍ!lll＿　 _　　　　_,...-‐':':':':':':':':':':':':':':':':':
　　..:'´':':':':':':':':':':':':'_,. -‐:.'´`ヽ　　　_　　　 ...､iＹ´｀ﾆｌllヽ^i Yl　':':':ヽー:.'':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':
-‐'':':':':':':':':':':':':':':':´':':':':':':':':':':':ﾞﾞー':':':.｀　　|:!:::､＼}ｌ:Π::ｰ'ｒ-ﾍ,､　　｀
　　　...　　.:.　　　　..:::　　　　　　　　 i:::/:::::､:::::ヽ::::::::::lﾆl=|　　　　::　　　　..:　　　..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈二〈ﾆﾆﾆl」ー-'ﾆﾆﾆﾆｌ
　　　　..:..　　　　　　　　　　　　　　　 i:::::/:::::::::iｌ::::::￣:::i!:::i:::ｌ:::|　　　　
　　　　　　　　　..:　　　　　　　　　 /:::/::ｨ::::::i::::::::::::::::::l:::::､::i::|_　　　..........
　　　　　　　　　　　　　　　　▲＿_ ∧==〈〈;;ｌ:::/:::γヽ::(;;''):::〈::|-､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　／l　　 l＼＿ll二 '''ー| 「ﾆﾆﾆﾆﾆﾆl^l-' i　　　　　　..:.
　　　 .:::::::..........　　　　 ▲ｌﾍﾆヽ　 :＼ll ﾍﾆヽ||＿.| ﾍﾆヽ,-､,-､l :l　 l＼▲_
　　　　　　　　　　　　　/ll＼ー'　ﾍﾆヽﾍﾆヽ　ﾍﾆヽﾍﾆヽ'　ﾍﾆヽﾍﾆヽ /i _　ヽ
　　　　　　　　　　/ /||　＼▲ー'　ー'　 ▲‐'　ー' 　 ▲ ＿_ ▲' /　　ヽ　＼　　　　　..:
　　　　　　　　　　　／／:.:.＼　 i　ｌ￣￣￣￣l　ｌ￣￣￣￣l　ｌ　　.l　i/　　　//　/ｌ､　::.
　　　　　　　　 ,<　〈:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｿ/ヽ二ヽ――ｌ__!――――ｌ__!―‐ ｌ__! /二/ヽ.／/::::ヽ
　　　　　　　　　ｒ〉＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ |__|＿::l＿＿＿＿_く二二ゝ＿＿＿＿_|￣O|　／::::::::::: ｰ- ､
　　　　　 ,.　-‐':::::＼二二二二二|　　:|:l二二二二二|　 :|:l二二二二二iー‐i::::::::ヽ:::::::::::::
_,.　-‐'' ~::::::::::_,.-‐'::::::::/:::::::::::::::/::|　　:|ﾉ::::::ﾉ::::::::::::: : |　 :|ｿ::::::::i::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::ｰ-､:::::
:::::::::::::::::_,.-‐'::::::::::::::／:::::::::::::::::l:::: ー‐':::::::::i::::::::::::::::::::ー‐':::::::::::::ｌ::::::::::::::::::::::〉::::::::::::::::::::＼
:::::_,.-‐':::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::ﾉ::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉::::::::::::::::::::､::::::::::::::::::::::::::

568 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:26:43.01 ID:bT/Zabko

杢之助とやらない夫は、原城を見下ろせる望楼から、城内を観察していた。
城内は静かだった。誰もが疲労と飢えで動けないはずだった。
　　　　　　　 )ﾉ
　　　　, ' ⌒´`　　　
　　　　i! ノﾘﾉ)ﾘ〉　
　　　　ゝ(|ﾟヮﾟﾉ　　
　　　　　⊂）ﾊ(つ　　
　　　　　ノVl〉　　
　　　　　　し'ﾉ

杢之助は天草四郎の姿をみつけた。
四郎は小高い丘の上に立ち、しばらく天を見上げていた。

　　　　,＞　"　"　"　ﾞ　､、＜｀
　　∠＿ "　"　 "　　ヾ　　､、ヾ
　　　／　″,　,ｨ /ﾍ　i､　ヾ　ヾ !
.　　/イ ,ｨ ./l/‐K 　 >!ﾍ|＼　ﾞ　|
　　　 |/ ﾚ|＝=a= .　=a=＝ |ｎ. l　　　（なにがはじまる？）
.　　　　　| ｌ　￣ ´|.:　￣　 :|ｆﾘ,'
　　　　　 `ﾍ　　､l.レ　　　 :|"ハ
.　　　　　　/ヽ. ￣￣￣　／|/　 :!_
　　　　 _/ 　 l＼￣　／　./　　 |-¨二
-‐ _''.二/　　 l:::::`‐:'´　　/　　　 |

569 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 21:27:04.13 ID:R7lONHEo

今追いついたが・・・元茂こいつか、なるほど適役だｗｗ

570 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:27:10.40 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　ヽ､、＿
　　　　　　　　　　　_｀＞-￣:｀:ｰ-..､_
　　　　　　 _, -‐'"´:.:.:.:.:.:.:＿:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ､
　　　　　　￣￣,￣‐'´￣:.:.:.:.:._;.:.-─-:.､:.:.:>-、
　　　　　 _,.r:':´:.:.:.:.:.:.:.:.:,:.-:.':´:.:_;.:.-‐:.:.:.`´<´:ヽ　　　 r.､
　　　　　￣｀フ:.:￣:.:.-´‐::.フ´:.:.:.:.:.:.:.:,:.:-‐:.:ヽ:.ヽr_‐､ヽヽ
　　　　　　-‐ァ:.:.＜:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.;.:ｲ:.:_:;l＿ヽヽl .l
　　　　　　／ -:ｧ'´:.:￣/:.:.:_, -ｧ:./:.:.:.:.:.／:/.:/＞_‐-｀` ｀ r.ｧ
　　　　　　　 '"フ:∠:/,､<__,.ｨﾘ./:.:.／/:､/:/:.:.`´:.l.｀!　　　l'
　　　　　　　 -´‐ァ:.'イ　`ｰヾ､/／r ､　ﾊl:.:.:/l:.:/　r‐'"´ ￣'｀`ｰ-､_
　　　　　　　　　´ ／ﾘ　　! 　 l/　　ｿ`／i:./i:.:l/ 　 j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
　　　　　　　　/´:.:.:.`ヽ､　ヽ　ヾ.　　〈　.ﾚ' .ﾄ､!　〈:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:/
　　　　　　　 ,ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:｀7x＼　ヾヽ ´　　　ﾘ `　 /:.:._;.:-:'´:.:.:.:./
　　　　　／　　ヽ:.:.:.:.:.:./､ ,-ﾄ｀´:`○ヽ　　　　 r‐':.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:./
　　　　./　　　　　ヽ:.:.:/:.:.:.:ヽ｀ｰ､､i.　ヽ_　　　l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/　　　『蒼い鳥』
　　　　!　　　　＼　!｀´:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ､ヽ,r'´:.:.:ヽ　ﾉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/　　　　ttp://www.youtube.com/watch?v=0H6BzJWkhyw
　　　ヽ　　　　ヽl:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.ヽ!:..:.:.:.:.:`y':.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
　　　　＼　　 ,r '´ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.ﾄ:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
　　　　　　　＼/:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:l ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ヽ、
　　　　　　　　ヾ.､:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ､:.:.:.ヽ:._ヽ -ヽ､:.:.:.:.:.:.／ヽ, l、
　　　　　　　　　ヽ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀´￣:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣￣:.:.:.:.:ヽﾄ'
　　　　　　　　　ヽ:.＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＿＿_ヽ　 _,..-i
　　　　　　　　　　　　ヽ:.:.:ヽ､:.:.:.:.:.:.:.:_:.;.:.:-‐ '"´￣:.:.:.:.:.:.:.:.:｀!´::::::::|＿＿
　　　　　　　　　　　　　､:.:.:.:.:￣￣:.:.:.:.:.:.:.`､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:￣::::::::::::!
　　　　　　　　　　　　　　 !、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ::::::::::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:::｀`::ｰ-:.､_:.:.:.:.:.:.:.i`::ｰ:-'‐ｧ
　　　　　　　　　　　　　　　l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.i:::::::ヽ_::::::::::｀`::ｰ:'::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.iヽ:::::::::｀:ヽ､_:::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l::ヽ:::::::::::::::::::｀ｽ::::/
　　　　　　　　　　　　　 !r-､_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!::::ヽ::::::::::::::::/::l:/
　　　　　　　　　　　　 `!:::::::::｀l ｰ- ､_:.:.:.:.:.:.:.:l:::::::ヽ::::::::::/ヽ､!

571 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:28:22.31 ID:bT/Zabko

　　　　　　　＿＿＿
　　　　　／　　ヽ､_ ＼
　　　／（● ）（● ）　＼
　　／:::⌒（__人__）⌒:::::　＼　「おっ」
　　| 　ｌ^l^lｎー'´　　　　　　 |
　　＼ヽ　 L　　　　　　　／
　　　　ゝ　ﾉ
　　　／　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,!ヽ
　　　　　　　　　　　 ,!ヽ、　　　 ,!　ヽ
　　　　　　　　　　　 _,..ィ´￣｀)-‐‐‐''　　　ヽ
　　　　　　　　　　 /　　´｀)'´　　　_　　　　!、
　　　　　　　 ,、　/　　i-‐'´　　　　　｀　　　 `!　
　　 lヽ、　　/　 Y　　,! ●　　　　●　　　　 l　「な～に？どうしたの……」
.　　l　＞‐'´｀　 l　　ﾉ　(__人__)　　　　　ﾉ
　 ,ﾉ　　　　o 　ヽ　　l　　　　　　　　　　　 _,ｲ
　i'.o　 r┐ 　　　ヽ、ヽ､_　　　　　　,..-=ﾆ_
　l　　 ,!-l､　　　　　ﾉヽ､,　　　　　　　　　　ヽ
　ヽ　　　　　　　 _,.ｨ'. 　,!　　　　　　　　､　　`!、
　　`ｰ-､_　　く´　　 l　　　　　　　　　ヽ　　l
　　　　　,!　　　`!　　 l　　　　　　　　ヽ､__ﾉ
　　　　 l　　 `!　 `!　　!　　　　　　　　　　 l
　　　 l　 l.　l　 ,　l　　ヽ、､_　,ｨ　　　　　ノ
　　　　 l､_,!　し'　 l　　　l　　 `l

572 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:29:22.88 ID:bT/Zabko

　∧,,∧ 　 ∧,,∧ 　∧,,∧　　∧,,∧ 　 ∧_∧　∧,,∧ 　 ∧,,∧　　∧,,∧　 ∧,,∧ ∧,,∧　　　∧,,∧
(´・ω・｀)(´・ω・｀)(´・ω・｀)(´・ω・｀)(´・ω・｀)(´・ω・)(´・ω・｀)(´・ω・｀)(・ω・｀)´・ω・｀）(´・ω・｀)
　∧,,∧　　∧,,∧　 ∧,,∧　 ∧,,∧　∧,,∧　　∧,,∧　　∧,,∧　　∧,,∧　　∧,,∧　 ∧,,∧　　∧,,∧
(´・ω・)(´・ω・｀)(´・ω・｀)(・ω・｀)´・ω・｀）(´・ω・｀)(´・ω・｀)(´・ω・｀)(´・ω・｀)(´・ω・｀)(´・ω・

城内の人々は重い体を引きずらせて四郎の周りに集まってきた。
みな口々に四郎と同じように歌い始める。

573 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:29:52.61 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐=＝ﾆ二≧ｘ　　ヾヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_｀ゝ＼　）:.〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,．　´ : : : : : : : : : ｀ヽ｀∠､
　　　　　　　　　　　　　　／:. : : : : : : : :.: : : : : : : : : : : :.＼
　　　　　　　　　　　　／／: : : : :./: : : : :/: : : : : :}: :ヽヽ: : ヽ
　　　　　　　　　　　　　 /／ : : : : __∧: : : :/:.:/:.:./: //}:.:il:.:| : : ﾊ
　　　　　　　　　　　　／/: : : 人r'》､_ハ : / ,ｲ:.:./i : //: /l:/}:}|: l∧
　　　　　　　　　　 /:.:／_ⅦYk《ｒ　ﾉ:/ //: //⌒ﾒ､/ ﾉ' jﾊ: :|: :l
　　　　　　　　　　　　/／/＼_V___彡ﾍ:ﾑｲ/／,ｨｆﾃﾎ=　　　_‐}/|: :}
　　　　　　　　　 '　 /:il: :r'⌒>､__）: :.l/'.　〈 Ⅶﾘr}｀　　 {i'}':.ﾊ/
　　　　　　　　　　 l: :lljl/⌒´{ ⌒iﾍ:.l　　｀ `‐'´ 　　ﾋ{/ '
　　　　　　　　　　ﾚ'¨l/i: ,ｨ: :＼ヽ　｀　　　　　　　　　,　}
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ.ﾑｲ/:.ﾊj´　　　　　　　 -=ｧ　/
　　　　　　　　　　　　　　＿'_j/　　',　　　　　　　／
　　　　　　　　　　＼-‐==≠＝===┐　.r'　──'´
　　　　　　　　　　　￣＼　　　　　　　＼/　　　　　　　　『凛として咲く花の如く』
　　　　　　　　　　　　ｒ'´＼_-‐=≠=-､　＼　　　　　　　ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm6935757
　　　　　　　　　　　　　　 /|　　　　　　　　　｀ヽ､＼
　　　　　　　　　　　 / {　　　　　　　　　　　　ヾ》
　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　 i|
　＿　　＼　　r'⌒｀/　　　　　　　 / 　　　　ハ〉
, '⌒ヾヽ　　｀Y´:.:.:.:.: ＼　}　／￣l / 　　　　 /　 }
　　　＼＼　《:.:.:.:.: ｀＞⌒／:.:.:.:.:.:i|＿＿＿　 /　　{
　　　　　＼＼》､:.:.Y´:.:.r'´:.:.:.:.:.:.:.:.:l　　　　 /　ﾊ　l
　　　　　　｀xヘ}:.:.{:.:. _|'⌒:.:/ :.:.:. |　　　　　/　/　Ⅵ＼
　　　　　／　.＼＼｀´:.:.:.:. /:.:.:.:.:./　　　　 /　　　　Y⌒ヽ
　　　　　　　　　 V´:.:.》':.:.:.:.: /　　　 ∧　　　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　＼/:.:.:.:.:.:/　＼　/　＼　ノ　}
　　　　　　　　　　　 ∧:.:.:.:./＼＼＼＼　　　　　l
　　　　　　　　　 /　＼/ 　｀＼＼＼＼　　ヽハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼/　ヾ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　 j

574 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 21:31:08.69 ID:MkYTl5Ao

神楽のようなものでしょうか…

575 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:32:14.63 ID:bT/Zabko

　　 ∧＿∧　　　∧＿∧　　　∧＿∧　　　∧＿∧　　　∧＿∧
　　（*；∀：）　　（*；∀；）　　（*；∀；）　　（*；∀；）　　（*；∀；）
　　（　　　　）　　（　　　　）　　（　　　　）　　（　　　　）　　（　　　　）
　　｜｜　|　　　｜｜　|　　｜｜　|　　｜｜　|　　　｜｜　|
　　（_＿）＿）　　（_＿）＿）　　（_＿）＿）　（_＿）＿）　　（_＿）＿）

誰もが涙を流していた。
虐げられていた日常、愛する者たちとの別れ、過酷な激戦……
四郎と歌うことで、四郎と思いを共有することで、自分たちは救われていた。

576 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:32:37.30 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　／　　　　　 ―――　　　　　　　　　　　　――― ＼
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　＿　　　　　　　　　　　　　　　＿　　＼
　　　　　　　　　／　　　　　 /´ ,..::::::::::.ヽヽ　　　　　　　/´ ,..:::::::::::.ヽヽ＼
　　　　　　　　／　　　　　　　　,'　 ,;::::::::::::::::::',　',　　　　　　　,'　 ,;:::::::::::::::::::',　',　＼
　　　　　　／　　　　　　　　　 {　 {:::::::::::::::::::::}　}　　　　　　 {　 {::::::::::::::::::::::}　｝　　＼
　　　　　／　　　　　　　　　　　'、ヽ::::::::::::::／ /　　　　　　　 '、ヽ::::::::::::::／ /　　　＼
　　　　　|　　　　　　　　　　　　(;;;;;;;;;;）)￣　／　　　 |　　　　＼　￣　　　　　　　　　 |
　　　　　|　　　　　　　　　　／'　　　　 /　　　　 ∧　　　　　 ',　　　　　　　　　 |
　　　　　|　　　　　　　　　　｛{　　　　　｛　　　　 /　ヽ　　　　　｝　　　　　　　　 |
　　　　　|　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　ヽ＿＿_／＿_ ＼＿＿_ﾉ　　　　　　　　　　｜ .
　　　　　＼　　　　　　　　　　人　　　　　　　ヽ　　 ´　　｀　　'　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　＼　　　　　（し.）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　
　　　　　　　　＼　　　　　　　｀¨　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　
　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　

やる夫は泣いていた。
やる夫は切支丹の考えは理解できない。
しかし、四郎の凄さと器量の大きさに感動していた。

577 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:32:59.17 ID:bT/Zabko

　　　　 l: : : :.|　i: :lN: |:::: ::::::::::::￣::::　 .::::::::::', .　/
　　　　　!: : i.!ヽ :､ヽ､:|::::　　　　　　 .::::::::::::::::', ./　　　そして、望楼の上で杢之助もまた泣いていた。
　　　　　|N: : : :＼_ノﾍ::::::::.　　　 .::::::::::::::::::::::::', .　　　わかった、ようやくわかった。
　　　　 /|:!: : : : : ／::::ヽ::::::::....:::::::::::::＿::`:-ｧ.､_'､　　　なぜ四郎が一揆の頭領をやっているのか。
　　／　 |l: : : ／::::::::::::::ヽ::::::::::::::::'＾::ー ´　/　　　　　なぜ絶望的な戦いを続けてきたのか。
　　三三;;;;＼´::::::::::::::::､::::::＼::::::::::::::::-‐:: /
　　三三三;;;;;:丶､::::::::　ヽ:::::::丶､:::::::: 　 /
　　三三三三;;;;;:::::｀::-:､　ヽ::　/;;｀丶､_/
　　　三三三三三;;;;;:::::::::｀:.‐-'､::::_く

578 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:33:19.21 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　 ⊂ニニ⊃
　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　／⌒　　⌒＼
　　　　　　　　／（ー）　（ー）＼　　　　　　　　　勝つためのいくさではなかった。
　　　　　　／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼　　　　　　　　　　　　・・・・
　＿ノ⌒ヽ |　　　　　|r┬-|　　　　　|,ﾉ⌒ヽ､＿　　それは死ぬためのいくさだったからだ。
`ｰ,へく,'　）＼　　　 `ー'´ 　　／（､,` ヘ　ｰ'　
ノﾉ, ,　ヽ　　（r´､＿__∩∩＿_,　 /ﾉノ　　　＼　　それもただ死ぬだけではない。
　　'ノﾉノ　　ﾉ＼＿_　´人｀　＿ﾉ　八ヽ)八）) ）
　　　　　　　　ヽ　￣　　￣ |
　　　　　　　　｜　　　　　　/
　　　　　　　　　|　　　ｒ　　/
　　　　　　　　　ヽ　　ヽ／
　　　　　　　　　　 >__ノ;:::......

579 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:33:42.13 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　＿ , -- ､,､
　　　　　　　、ノ´: : :": : : : : :` ヽ、
　　　　　　　〃: : : : : : : ,: : : ＿_: : : ヾ､
　　　　　　　.l : : : : : : : 〃,r," ´￣: : : : :!　　　　　　　　　　 _
　　　　　　　.〉: : : : : : : !l〃-─= _ : : : : l　　　　　　　　　,r", ゝ　まるちる（殉教）でなければならなかった。
　　　　　　　ﾄ: : : : : ,r:.":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀`ヽ､ヾヽ ,r,=､、　　 /／
　　　　　　　ゞ: : : :/:.:.:.､:.､､:ヽ､:.:.:.:.:.ヽｰ-`!ﾉ//　 jl.　 ,〃　　　　　じぇろにも四郎はその
　　　　　　　ヾ: : /:.:i:.:.l ヽ.ヽゝ‐_'､.:.:r-f´ !ヽr-､="__ノ/_ ノゝ　　　まるちりす（殉教者）を率いて
　　　　 .r ´　￣/l:.:.l:.:ｨ-_.ヽ　"f.il .ヾ:ヽ o 'フヽ丿ｰ＜_￣　　　　　ぱらいそ（楽園）へとむかう大将だった。
　　　　 .ヽ　　ヽ-.l ﾊﾄ.´ﾋ!,　　｀´　ﾚ l､,ﾄ､〉.: :＼　　　＞　＿,r_--､＿＿＿__
　　　　　ヽ.　　＼　.i.　､ィ.´ l　　/-': : : : : : : :_＞-‐ '"´>-- <.￣　　　ヽ＿｀)
　　　　　　　ヽ　　　ヽ. ヽ､. ヽノ_ イ/_ヽ__,　-‐ "　　　　　ヾ二ゝ　　　　　〈
　　　　　　　　＼　　　_`ヽ｀i ´ ,r/´　　　　　　 _　-─　"´ `ｰ‐"ヽ　＿_.　ヽ
　　　　　　　　　　ヽ､./／　`'　 !_l　　＿,　-‐'"´　i´）　　　　　　　ヽ--､」ﾞ!ヽヽ
　　　　　　　　　　　《>'　, - "_,. へ ´/i./　　　　　｀l 　 ,､　　　　　　ヽヽ.ヽ!
　　　　　　　　　　 fヽ.ｿ／　　　 .∨〃　　　　 .i 　 Y.ﾌ　　　　　　　　　`┘┘
　　　　　　　　　　 ! ,.-'-───--Y　__ ＿　　 φ　　l´
　　　　　　　　　　　.｀!　　　　　　　＿〉´　)___）`! ノ　　ノ　　
　　　　　　　　　　　　i　　　　　, ､/__ﾉ｀￣　_l_ｿ' `ｰ‐'"　　

580 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:34:41.21 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　 .／|￣￣￣|
　　　　　　　　　 |　 |　　　 |
　　　　　　　　　 |　 |　　　 |
　　　　＿＿＿＿＿_|＿|　　　 |＿＿＿＿＿＿　　自分ひとりならまるちりすになることは容易いだろう。
　......／|　⊂ヽ＿＿　　　　　∧＿∧　　＿,, -'つ|　　
　　.| 　|　　ﾞー-- 二二￣（　 ´Д｀）二-- '' ~　 .|　　杢之助は毎朝、起きるたびに
　　.| 　|＿＿＿＿＿＿_ﾞヽ　　　　／._＿＿＿＿|　　自分が死ぬ姿を想像している死人（しびと）である。
　　.|／_＿＿＿＿＿／|　i　　　 /＿＿＿＿__／　　　
　　　　　　　　　　　 | 　|　|　　　.i　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　 | 　| /　　　 |　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　 | 　| i　　 ,　.|　
　　　　　　　　　　　 | 　| |　　|　 |　　
　　　　　　　　　　　 | 　| .|　 .|　.| 　
　　　　　　　　　　　 | 　|　|　 i .ﾉ

581 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:35:03.32 ID:bT/Zabko

　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／
　　♪　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　♪
　　　　　　　　♪　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／／　　　　　　♪
　　　　　　　　　 ∧∧　　　　 ∧∧　　　　　∧∧　　　　　 ∧∧　　　　　∧∧　　　　　∧∧
　　♪ 　　∧∧(*ﾟワﾟ)つ∧∧*ﾟワﾟ)つ∧∧(*ﾟワﾟ)つ ∧∧(*ﾟワﾟ)∧∧　(*ﾟワﾟ)つ∧∧(*ﾟワﾟ)　 ∧∧
　　　　　 (*ﾟワﾟ) ∧∧ (*ﾟワﾟ)つ∧∧*ﾟワﾟ)つ∧∧　(*ﾟワﾟ)∧∧(*ﾟワﾟ)つ∧∧　(*ﾟワﾟ) ∧∧　(*ﾟワﾟ)
　　　ヽと ∧∧ (*ﾟワﾟ)つ∧∧(*ﾟワﾟ)つ∧∧*ﾟワﾟ)つ∧∧(*ﾟワﾟ)つ∧∧(*ﾟワﾟ)つ∧∧(*ﾟワﾟ)つ∧∧
── ⊂ (*ﾟワﾟ)つ　ﾉ　(*ﾟワﾟ)つ　ﾉ　(*ﾟワﾟ)つ　ﾉ　 (*ﾟワﾟ)つ　ﾉ　(*ﾟワﾟ)つ　ﾉ　 (*ﾟワﾟ)つ　ﾉ　(*ﾟワﾟ)つ
　♪ ヽと　　丿_　ヽと　　丿_　　ヽと　　丿　/ヽと　　丿_　ヽと　　丿_　ヽと　　丿_　ヽと
　　　 ⊂ _ 　/　　し ⊂ _ 　/　し　⊂ _ 　/　し　 ⊂ _ 　/　　し ⊂ _ 　/　し　⊂ _ 　/　し　⊂ _ 　/
　　　　　し　　　　　　し　　　　　　し　　　　　　し　　　　　　し　　　　　　　し　　　　　　　し

しかし、３万７０００人が力尽きるまで戦い、ことごとく殉教者とさせるには、
自分が死人になることよりも、３万７０００倍も困難なことだと思った。

582 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:35:43.17 ID:bT/Zabko

　　／￣￣＼
　／　ノ　　＼＼
　|　（●）（●）　|
.　|　　（__人__）　 |　　（斎藤さん……）
　 |　　｀ ⌒´　　ﾉ
.　 |　　　　　　　 }
.　ヽ　　　　　　 }
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　＼
　　　/　　　く　　＼　　　　　　　＼
　　　|　　　　＼　＼　　　　　　　＼
　　 |　　　　|ヽ、二⌒)､　　　　　　　＼

583 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:36:07.99 ID:bT/Zabko

２月２１日の午前２時。
原城籠城軍の最初にして、最後の突撃が行われた。

　|　　　|　|. 　　　　　　　,'.　　　　 ||　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　|,､　　|　| ,､　　　　　　　',　　　　 ┃　　　　,---､＼　　　　　　　　　　／
／　＼　／　＼　　　　　 ;　　　　 ||　　　　ﾉ＿_ ヽ　)　　　開門！　　(　
// ∵)ヽ// ∵)ヽ　　　　,'　　　　 ┃　　　ﾉ（∵ヽヽ )　　　　　　　　　　(　　　ｨ
∪◎）　∪ ,---､　.　　　"'''''─-.,,,||ヾゝミヽヾゝミ／⌒l⌒⌒l⌒⌒l⌒＼　r'
..∪∪ 　　/c ○ヽ:　.　 .:......／　＼┃･丿ミ/　･丿ミ/ヽ＝ヽ　　　　　　,r''
　..　　.　/=/ ･,､･)ヾ　　.　　ﾉ(∵ヾ.┃ 'ヽノ/　／ヽノ　　 | |　ヽ　　　.,､,r''
　　　　 /ミ/) /=ヽヾゝ　,.ー-､.Ｕ) ┃　　ゝヽ'ﾞ　　ゝ　　)⊆i.　丿ﾐ／　＼
　　|＼/ミ//　 ◎ )ミ/　/c ◎ヽ　っ（ヽ　| / /　　| / /　　ゝ>　ッﾉ(∵ヾヽ
　　|　＼　＼　　ミ/ /≡/｀-´)ヾ ┃丿　　 ,.ー-､ /　　//　　　⊂(▲Ｕ)
　　|　|＼ |／＼ソ)ー/ミ/ ) ''''' ヽ.ミゝヽ彡/ /c ○ ヽ　　iッ　　,r''　 ∪∪　.　　:　　
　　|　| 　＼　◎＼　/ミ//　 ● ). ,.-‐ 、ヽ / / ,,Д,,)ヽ　......　　:　　　..　　.　　　::
　　|　|　　 | ｀-´)ヽ　　　＼　　ミｒ　ニヽ /ミ/　'''''　ヽ　ゝヽ彡/丿　:　　　　.......　
　　|　|　　 |ヽ=ヽヽ／＼　ソ)ー-ﾉヽ_lフ|/ミ//　 ● )　ミ/　　　　ヽ　.....　　.......　.:
　　|　|　　 |　　／　◎＼　　／　　　　　｀ヽ＼　　ミ/ （　ヽ　　|　　:　　　　.......
　　＼|　　 | 　／＼・_・)ヽ　 /ミ/　/　ハ　', 　ヾヽ　ミ/　　ヽ　　ｌ　／＼　
　　　 |　　 |／　◎＼　ヾヽ/ミ/ ハ　　　ゝヽミ彡/丿ー-....ヽ　　|／　◎＼
　　　＼　|/ソ/・_・)ヽ　)ヽ　ヽヽヽ　　ミ/　　　　ヽ　　　　　ヽソ /ソ/・_・)ヽ

584 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:37:41.67 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.. -----　.,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　＼￣ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／、　　|　ヽ、　　ヽ　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　＼　＼　　＼　　| //〃|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿|　＿,ｲ￣゛゛ヽー、_)__/／￣ｨ.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣　　|　　　ﾚi 　 __ 　 .,＿＿,.　,.　| |
　　　　　　　　　　　　　＿＿＿／￣　 _ ＿＿|　　 //　　　゛ヽ.,,　　,,／　ヽ| 　　「いくぞぉ！！」
　　　　　　　　　／￣￣　　　　　　　/゛　　_ / ＼ / ヽ.,_　　　　 "i "|　＿,.-〉
　　　　　　　　　￣ >￣￣　　　＿/　　　 | | {"l |｣ iヽ　〔{￣ヽ＿/ 　X　ﾉ　〈ヽ
　　　　　　　　　／　　　　　　／ /　　　　　＼! } 　 | 　＞ー〃" 、　|ヾ＾　"|ヽヽ
　　　　　　　　　￣￣゛ーー/　　ー――　、　＼　＼　　／>　　ヽ　　 /　| |ヽ／￣＞v‐―――┬‐┐
　　　　　　　　　　　　　　 / ,.. ―― ..,,　　　＼　＼　ヽ　 /　ヽ..,,＿∧　 /　 / _∨　　L../　　　　　 | ◎|
　　　　　　　　　　　　　／"　　　　　　 "ヽ、　　　　＼　|　　　　_＿＿__　 |　∧ |_ ー―┬――――‐┤ .｜
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼　＼　ヽ Y 　ヾ ――‐┘/ /＿ヽﾄ、　　|＿＿＿＿＿_|＿_|
　　　　　　　　　／　　　　　　　　　／￣￣￣＞‐┴-ｯvヽ／￣￣￣￣フ￣／￣￣￣￣￣ヽ　　／
　　　　　　　　∧　　　　　　　　／／　　　／　　／　／　　／ﾌ￣　　／ ,.　ヽ　　　　|　　|　　|〉‐ 、
　　　　　　　 /　＼＿　　　　／ ∠ ― ￣　　　／　　　　／　/　　　　/　　ー"　―――<＿__/　　|
　　　　　　 ∧　　　　　＼￣￣　　　　　　　　　　　　　　/　　 |　　　　/　　"　　　　　　/￣　　　￣Y＼
　　　　　　 |　i　　　　　　　＞――――――――――/　　　|　　　 /|　　／　＿＿＿{＿ | 　 i　　|ヽ　＼
　　　　　　 |　i　　　　　／／　　　　　　　　　　　　　　　|　　　 |　　　 | ヽ　　　　 /￣　　 "ー‐┴" ヽ|　　|
　　　　　　ヽヽ　　／ /　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|　　　ヽ　ー　　　>、_|＿　　} 　　　／| |　 /
　　　　　　　|＼　　/　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　 |　　　　＼　　　 l＿i　　　￣￣￣　|　|/　 |
　　　　　　　|ヽ　　　 |　　　／ー―　、　　　　　　　　／＼　＼　　　　ヽ　　i　ﾄ、＿ {＿　　／／　 /
　　　　　　 /　＼　　　　 /　　　　　　　￣￣￣￣￣　　　　＼　＼　　　￣￣＼＿＿＿／／　　／
　　　　　　 |　　　＼　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＞―┬―‐＜＿＿＿／　　／

浪人たちに率いられた斬り込み隊約４０００は、寺沢、黒田、鍋島陣へと襲い掛かった。

585 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:38:14.37 ID:bT/Zabko

586 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:38:30.81 ID:bT/Zabko

食料の尽きた幽鬼のような姿で、いたるところに火を放ち、武器を手に襲いかかり、
文字通り死ぬまで戦い抜くのである。

　　　　　／　　　　　　　　　 / /　　＼
　　　　／　　　　　　　　　　　l＿l　　　ヽ
　　／　　　　　　　　　　　　　　＿　　　ヽ
　　/　／　　　　　　　　　　　　/　-､ヽ　　　|　
　　| 　/:Ｔ＼　　　　　　　　　　〈_　） l　　　ｌ
　（　 |::::| /　　　　　　 │　　　〉　l / 　　　〈　　「まりあの元へ！！」
　　ヽ　┴′　　　　　 / 　　　　ｌ／ l 　　/＾7 |
　　 |　　　　　　　　　゛　　　　　 l＾゛　　　⌒　〔|
　　/ 　　〈　_　　　　　　　　　　　ヽ　,-―┐ /＾l|
　（＿-ヽ　＼ _　　　　　　　　　|　Ｌ＿」　ヽﾉ-ｰ
　　　 │　　　　　　　　　　　　　 /　　　＿ - '　　　＿
　　　　L／￣￣＾　　　　　　　ノ＿/＾　　　　＿-＾
　　　　ヽ ‐－ヽ　　　　　「￣￣゛　　　　/ ＾
　　　　　│　　　　　　　　/　　　　　　／
　　　　　 │　　　　　　r‐┘　　　　　/
　　　　　　＼＿　／ l　　　　　　　/
　　　　　　　　/ ＾＼__lノ二|　　　　ｌ
　　　　　　　（　　 /:::::::::::::/ 　　　ｌ

587 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:39:03.10 ID:bT/Zabko

　 ∩∩　ぼ　く　ら　の　道　は　こ　れ　か　ら　だ　！　　V∩
　 (7ヌ)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（/ /
　/　/　　　　　　　　　　　　　　　　　∧＿∧　　　　　　　｜｜
/　/　 ∧＿∧　　　 ∧＿∧　　＿（´∀｀　）　 ∧＿∧　　｜｜
＼＼（　´∀｀）―--（ ´∀｀）￣　　　　　　⌒ヽ（´∀｀　）　／／　　この戦いは明らかに籠城側の敗北である。
　＼　　　　　　　／⌒　　　⌒￣ヽ、　十　　/~⌒　　　　⌒　/
　　｜　　十　　 |ｰ、　　十　　/￣|　　　　/／`i　　十　　　/　　　　だが、杢之助はそういう風に見ていない。
　　｜　　　　　|　｜　　　　　/　（ミ　　　ミ）　｜　　　　｜
　　　｜　　　　｜　｜　　　　 | ／　　　　　　＼｜　　　　｜　　　　彼らは最後まで戦いきり、
　　　｜　　　　｜　　）　　　／　　　／＼　　　＼| 　　　ヽ　　　　まるちりすとなったはずである。
　　　/　　　ノ　｜　/　　ヽヽ、＿／）　（＼　　　）　ゝ　　｜
　　｜　　｜　　|　/　　 /|　　 /　レ　　　＼`ー ' |　｜　 /

　　　_.　-─-ゝ　　Ｙ ⌒,.Ｚ.._
　　　 ,.＞　　　　　　　　　＜｀
　 ∠.._　　　　　　 ,　　　　　ヽ　　　　
.　　／　　　 ,　,ｨ ,ハﾄ、　　　 l
　 /イ / 　 /l/‐K　ゝlへﾄi　　|　　　　
　　ﾚ'ﾚf Y|＝=;=　　=;=＝|f＾!l　　　　（やったなぁ……）
.　　　　 !6|| ｀￣ "||` ￣´ ||6|!　　　　　羨望にも似た感情が杢之助の中で湧いた。
　　　　ﾞyl、　　､|レ　　　|y'
　　　　 _,,ﾊ.ト.｀￣￣￣´ ,ｲ/＼_　　　　
　　￣:::;':::::ﾞ! ＼. ￣　／ |'::::::::|:::￣
　　:::::::::l:::::::::l　　＼／　 !::::::::::|:::::::::　　
　　::::::::l:／ヽ:ヽ__　　 __/:／＼:|::::::::

588 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:39:59.80 ID:bT/Zabko

この夜襲の後、首実検がおこなわれ、亡骸となった一揆勢の腹を割いた。
城内の残りの食料をはかるためである。

　　　∩＿＿＿∩　　　　　/ﾞﾐヽ､,,___,,／ﾞヽ
　　　| 丿　　　　　ヽ　　　　i ノ　　　　｀ヽ'
　　/　　○　　　○ |　　　 /　｀(○)　 (○)´i､　　胃の中身は、米粒が確認できず、
　　|　U　　( _●_) 　ミ　彡,U　ミ(__,▼_)彡ミ　　　
　彡､　　　　|∪|　,,/　　　,へ､,　　 |∪|　　/ﾞ　　小豆、大豆、麦、胡麻などが
　/　　ヽ　　ヽノ　ヾ_,,..,,,,_ /　 '　　ヽノ｀/´ ヽ
　|　　　　　　ヽ　./ ,' 3ー `ヽｰっ　　/　　　　 |　　わずかに認められただけである。
│　　　ヾ　　　ヾl　　 ⊃　⌒_つソ　　　　 │
│　　　　＼,,＿＿`'ｰ-⊃⊂'''''"＿＿,,,ノ　　　|

　　　　　　　 / . : . : : / /: . ／: :／/:/_ｊ: l: . : :l: : : : : : ヽ
　　　　　　　　　/ . : . : : / /: : /: ／, 彡'´ 丶ﾄ､: /: : : : : : : :ﾊ
　　　　　　　　ノィ :/. : :/:,/ : ,/ｨ, ｒ〃.ィ≦￣｀７ｿ: : : : : : : : : ﾊ　　「頃合だ」
　　　　　　　 /: , : : :l /l:≦ﾒ!l{／ ´ {‐彳）　 /:/ : : : : : : : : :｜
　　　　　　　　 , :/l: . :,:l':ｨl'ｆｒ!iﾉ/　三￣￣　 /:/ : : : : /: : : : : l　　上使松平伊豆守は
　　　　　　　　 l/ 'ｌ: ./: : ｌ￣〈　　　　、　ノィ: . : : : ム: : : : /　　　総攻撃の下知を軍議で伝えた。
　　　　　　　 ′ !:/: : : !　　､,.=＝ニ二}　　/: :／:／⌒｝ : : l
　　　　　　　 l': :|: : ﾊ　　ヽ:/ 　　ﾉ　 /／:／ __彡': : :! l
　　　　　　　　　　ｊ: :ﾊ: :l: :ヽ　 { 　　／　 /´￣ __//: : : : : トl
　　　　　　　　　 /'´ ハ:l／ l＼｀ﾆ´　　　　　　　 /:/ : : : ﾄl　　 _,,.. -‐
　　　　　　　　　　　 l:ハ!.　 l:,l ﾍ＿_　　ﾆ´＿__/´l: : : :トl-‐ '´:　:　:　:
　　　　　　　　　　　ﾉ′`　.ﾉ''l: ｆニニニl「￣:ﾊ￣￣!: ／:　:　:　:　:　／

589 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:40:41.39 ID:bT/Zabko

　l !　!　l ! !　l !　　l !　!　　 !　l l ! !　l !　　 !　l l ! !　l !　　 !　l l ! !　l !　　 !　l l ! !
l ! 　! !　l l !　ll !!　l !　　 !　l l 　l !　!　! !　l 　 !l 　l l 　l ! !!　　l !　!　　 !　l l ! !　l !
　l l ! !　l ! 　ｌ┃　 ┃　l〓 l ! !　l !　　 !　l l ! !　l !　　 !　l 　 !　l 　l !　　 !　l 　l !
　 !l 　l l 　ll 　╋━╋l ! ! !l ! !　l !　　! !　l l !　ll !　 !　l l ! l 　l ! !　l !　　 !　l l ! !　l !
　! !　l 　l ! l l !　ll !l┃ ! !━┳┓l !━━━━━━━━　　 !! !　l !　l 　l l ! !　l !
　l ! ! !　l !　　 ! ｉ━┛l i !　l┃┛　　 !　l 　l !　!　l ! !　l !　　 !　l 　l !　　 !　l l ! !　l !
l ! !　l !　　 !　l l ! !　l 　　! !┛　l l !　ll ! !　!　 !　l 　l ! 　 !　l l ! !　l !　　 !　l l ! !　l !
　 !l 　l l 　l ! !l ! !　l !　　 !　　l 　l ! l !　!　l l ! 　 !l 　l l 　l ! !!　l !　 !l 　l l 　l ! !
l ! 　l !　!　!　l !　　 !　l l ! !　l !　　! !　l !　l !　l l ! !　l !　　 !　l l !l 　l ! !　l !　　 !　l
l ! !　l !　　 !　l l ! !　l !　　 !　l l ! !　l !　　 !　l l ! !　l !　　 !l 　l ! 　l l ! !　l !　　 !　l
ll !l ! !　l ll !l ! !　l 　､∧＿∧' ,　 !l 　l l 　l !! !　l !　l !　 !l ! !　l !　l 　l l 　l ! !　 !l 　l
　ll !l ! !　l l l ! !　l !　（-Д；　）　! !　l !　l !! !　l l 　l ! !　l l 　l l 　! !　l !　l l ! !　 !l
　l l ! !　l !　l 　l l ! !　し　し　）　 !l 　l l 　l ! !　 !l 　l l 　l ! !　 !l 　l l 　l ! !l 　l ! 　 !
ll !l ! !　l ll !l ! !　l 　　（; （　;（　 !l 　l l! !　l !　l 　l ! !l 　l ! 　 !l 　l l 　l ! !　 !l 　l l
　l l ! ､!,!　l !､!,　l ､!,!l （;__（;,__,）　 !l 　､!,l l 　l ! !　 !l､!, 　l l 　､!,l ! !　､!, !　l 　l !､!,

予定とした日付は２月２６日。
だが折りからの雨が降り止まず、２８日に延期されることになった。

590 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:41:16.86 ID:bT/Zabko

　　　　　　　 __ ...　-‐ ､
　　　　, -.::''.:::::::::::::::::::::..`ｰ-.､
　　／::::::/:::::::;::::::,:::::::::::::::::::::..ヽ.
　　イ/::/:::::::;ｨ::::/::::::::::::::::::::::::::::.ヽ,
　　 /::::i::::／.l::/l::ﾊ:::::,i::::ヽ:::::::i:::::::l
　　/;ｨ::{:/ｰ､ｌ/_.!'　|:::ハ:;∧:::::ｌ:::::::l　　（おやおや、雨とはついてない……）
　／　|::|　ﾃ''ｯ､｀丶ｰ- ､　i;:::|::::::/
　　　.|::l　　　　,　　 'ﾃ''ｚ､ l:::ﾘ::::::i　　　　　２７日早朝の軍議にて、
　　　.|/|　　　/　　　ｒ.Kヽf''i/'ｌﾉﾘ　　　　　勝茂はこの次の戦いが決着をつける一撃となり、
　　　ﾊ　　｀　　　 | .| l .| |ノ　　　　　　　高名を挙げる最後の機会であることを理解していた。
　　　 ,小.　- ､　　 .| .l/././､
　_,,ィ'´.H. ﾞ.. 　　,, -'"　　,/　￣ﾞ'ｰ､
''´ /　 { ' 　｀''r'´　　　／　　　　/　ヽ
　/　　ヽ､　,ｨl　　　イ /　　　 /　　ヽ
./　 .,ィ＾i }_/_/l　　　 |/ 　　　,　　　　 i
'.‐'"　ヾ{;:::;}::;;/|.　　　l.　　　 /　　　　　|

591 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:41:38.80 ID:bT/Zabko

:::　:::::::::::::::　　ﾉ::::::⌒::::........　　　　　　　　　　　　　　......::　.....::::::::::::::ι-　―
:::::::::.....　.....::::............::::......）　　　　　　　　　　　　　　　(...::::::::::..........　　.........::::::::
　　（　　........::::::::::::.　..: (　　　　　　　　　　　　　　　　..........::::::　......:::::ﾉ
　　　 ‐-　::::.....　......:::::　ヽ　　　　　　　　　　　　　　.......::::..　....::::)-‐
　　　　　　.......::::::　　......:: ⌒)　　　　　　_　　　 γ:::::::::::::::::ﾉ
:::::::::::::::::）　　　　ヽ ..::::::::　:::::......　　　　　／/ヽ　　...:::::::::::::...(
　:::::::::::::::::::::....⌒ヽ　 (⌒:::::.......::::.）　　ﾛ_|品|目l　　（ :::...　...:::::...........
　　　　　　....:: ...::.ﾉ　　　　　　　　 /__/ヽ_ﾄ‐┴┐.......:::::::...　......::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|lllll|,､ｌ ...ｒ､ﾍへ、　　　　　　　:...⌒)
　　　　　　　　　　　　　　　　　(´(;::)..､=‐'''"~;７´::::::〉
　　　　　　　　　　　..ｒ:(´(;:::)_ｒ'´"'"　　_フi ;';〈 ::::::::::L
　　　　　　　　　ｒ'´(::(´＾::⌒::) 　 __-‐´::::ﾉ ;';'; ゝ ::::::::::〉　　　　　　　　　　　　　　そんなときに事件は起こった。
　　　　　　　　(:::⌒)::｀)　　,.‐''´;';〈:::::::::/ ;';';';/ ::::::::::::::ゝ
　　　　　　　　 iΞﾌ(:::)　_...ﾌ;';';';';';';'ｌ::::::i ;';';';'; 台台::::::ヽ
　 (´(;;::｀),,.-‐ ''´~ _,,ｒ‐' ';';';';';';';';';';'ﾉ::::::台　　　台
　　　　　　　　　　　　　　　　　　.. 　. 　　　:　　..　　　.　＿　　.　　　 .. 　　＿　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　.... ..　　..　　::..　　..　　　..　. /　/　　　　　　　 /　/　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　...........　　..　　　...　　　 /　/　::..　　..　 ...　/　/　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　　　　　　　　/　/　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾヾミ　　　 |/⌒ヽ/　/_,;;;⌒ヽ |/⌒ヽ/　/　　　,;;;⌒ヽヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　／・　)　ヽミヾヾ(･ヾ≡ヽ |/⌒ヽ　　('ヾ≡ヽ　,;;;⌒ヽヾ　

592 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:42:05.37 ID:bT/Zabko

／　" ,,　"　 "　　ﾞ　ﾞ　
,イ "　"　　"　八ﾞ　ｉﾞ　
/　,ｨ´ "/' ｲ　/::: ヽ　ﾄ、ﾞ　　　　　　　杢之助はいつものように
／/ ｨ' /| /| /:::　, -ヾ､ヽ,　　　　　　“死に起き”をすると、
　l　 l /-ﾚ､ﾚ'　 ´_,　a=＝　　　　　　　素焼きの杯で白湯を飲んでいた。
　! /l,ﾊ＝a=､　ヾ`ー　 ´
　'"　　',`ー/ :::　　　　　　
　　　　 ',　/ ;:::: ､　　　　　
　　　　 ∨_,　- '　　_,　　::::/;;;;::
　　　　　丶ｰ '' "´　　 .:::/;;;;;::´　　
　　ｒ―､,／丶　 =＝　 .:::/;;;;;::::::
`<´ヽ r‐ヾ-､＼　　:::／;;;;::::::　　　　/
.(´ヽ　ゝー)ｒ┤/＼:／::;;;;::::::　　　　/

　　／￣￣＼
　／　ノ　　＼＼／｀i　　　　　そこへやらない夫が現れる。
　|　（●）（●）./　　ﾘ
.　|　　（__人__）..|　　/　　　　　「斎藤さん、いま、城の方からあの下げ針金作が出てきている」
　 |　　｀ ⌒´　ﾘ　ﾋ
.　ヽ　　　　／/　　,｀弋ヽ
　　ヽ　　- ′.Ｙ´　 ,　｀ヽ｀.ｌ
　　　/〈　　`ｰ〈::....ノ　　　Ｖ
　　　|　ヽ_ｰ､｀ヾ＿/　//
　　 |　　　ﾌ-､｀ｰ┴‐-〃
　　　　　　　　　`ー‐一′

593 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:42:25.91 ID:bT/Zabko

　:::｀ヽ、 i:::;/::/::/::.::.::.::.::.｀i、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:＼
　:::::::....｀ヾ、く／::.::.::.::.::.::.::j::vﾍヽ,　　　　　　　　　　　　　　　　　 i,､.:.:.:.:.:.:.,. - ､.:.:.:.:.i::::ヽ
　:::::::::::::::......｀ヽヽ、::.::.::.:／::ﾉ:::i:j::i　　　　　　　　　　　　　　　 / ｀￣￣　　　｀'i.:.:j::::::::i
　::::::::::::::::::::::::::....｀ヾー --ｨ､::ノ::/::`i 、　　　　　　　　　　　　　 j 、　　　　__　/ j.:/:::::::::|
　:::::::::::::::::::::::::::::::::::.....＼/:/::/:,へ:ノ::.:ji:<´i:i　　　　　　　　　 {‐､｀i 　, -'´,　∨.:':::__::::::!
　::::::::::::,...、:::::::::::::::::::::::/::::}/:/:O::.:｀' <::ﾉ:ﾉﾉｬ‐､　　　　　　 jf1`{ k ,. -'==´j｀､:/<i:::/
　:::::::::::'､-'｀ー、:::::::/:::::::ヽ'＾ヽ､::.::.::::/yくノ::.:ﾉi　　　　　　　　 i ｀~j　'「!:::::::::ﾉ´　|jj＾j:/
　､:::::::: _｀_ー、" ｀ヽ、:::::::::::::::::::::::｀'::/:/__ ヽ- ´ 　　　　　　 i,　i　 '!、｀'´　　/ ﾉノ'- ､
　｀￣´　　　｀　　　ヽ、:::::::::::::::::::::::｀'::::::::｀i ､　　　　　　　　| ._｀ '´｀　　,ノ　|__j,. '´i
　ヾ -､ヾ＿　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ｀ヽ、　　　　　　,ｨヽ｀二''‐ 　 '　,. '´ 　　__jヽ、
　　ヾ -=＿｀　　　　　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ｀ヽ、　,....r'7　 !、　｀　_,／´　　 ,.ィ´　　 i
　　　｀ー､_￣　　　　　　　＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ｀Y:::r'/　__j ｀iT７´　　　,.ｨ'´　{　＿　＼
　　　　　　　｀ー-ｬ‐　　　　｀ヽ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｿ|　|i　 /_|_|´｀i　 /,.-‐'´￣
　　　　　　　　　　（＼　　　　　｀ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::/:/. |　ヽ /::::| - |.ヽ/´
　　　　　　　　　　（￣＼　　　　　　　＼＿::::::::::::::::/:/ヽ　　//::::::i＿ } / 　　　＿__
　　　　　　　　　（￣「ヽ、　　　ヽ、　　｀ヽ `､::::::::/:ﾉ´　ヽ　/:::／　　￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　｀j￣´ヽヽ　　　ヽヽ　　　｀〈,‐ ､／゛｀'<´ ￣_｀ヽ､＿
　　　　　　　　　　　｀ー‐'´ヽヽ　　　＼　　　　ヽ, ＼ヽ　ヽ　ヽ＼　　￣｀ー‐‐

下げ針金作は出丸のところから鎮圧軍全員に聞こえるように呼びかけた。
「この下げ針金作と一騎討ちをおこなえるものはいるか！？」

594 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:42:54.76 ID:bT/Zabko

　　.　. .... ..: : :: :: ::: :::::: ::::::::::: ::::｜. . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: ::: ::: :::::::::::::::::
　　　　　 ∧＿∧ . . . .: ::::::::: ::::｜　 . . . : : : : ∧＿∧:::::: :::::::::: ::::★:
　　　　/彡ミ゛ヽ;）ー､　. ::::::::::::｜　　　　　　（;;;::::::　） . . .: : : ::: : :: :::::::
　　　 / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :::::::｜　　　　　 /⌒:::::⌒＼:. . .: : : :::::: ::::::::
　　　 / :::/;;: 　ヽ　ヽ ::ｌ: : : : ::::｜　　　　　/;;;;;:::::::::::::　＼. .:: :.: ::: . ::::::::::
￣￣（_,ノ￣￣￣ヽ､_ノ ::::::　　｜　　　　　|;;;;::::::::::::　ﾉ＼ .＼::. :. .:: : :: :::
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────────┤　　むりｐ.. 　　 ├────────────
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::::::::::::::::::::::∧＿∧::: ::::: :: :::::::::::｜　　　:::（＿二 /　ペンキ塗りたて　 /::::
:::::::::::::::/⌒￣⌒ヽ）'ヽ:::::::::::::::::: :|　　　　　　:::l⌒/＿＿＿＿＿＿＿＿/:::::::
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￣￣l;;;;;;:::　　/￣￣￣￣￣::::: ::|　　　::::::||（＿,ﾉ||.　（＿_）　　::::||　::::::||:::::::::

これまでで幾度となく銃撃の腕を見させられたせいで、誰もが受けるのをためらっていた。

595 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:43:38.08 ID:bT/Zabko

　　　　　 ,==＝＝＝＝==､
　　　　　　|ｉ:.¨￣　　　￣¨.:i|
　　　　　 |i: 　　　　　　　:i|
　　　　　 |i: 　　　　　　　 :i|
　　　　　　 |i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i|
　　　　　　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　　　杢之助は手にした杯を地面に落とした。
　　　　　　　　＼:;;;;;;;;;;;;;;;;;／
　　　　　　　　　,ヘ''r;,:;､＜
　　　　　　　　〈入（ﾍ＼　＼
　　　　　　　　　 ∨(ﾍヽ　　ヽ
　　　　　　　　　ヽ| ｉ　ﾍ　　|
　　　　　　　　　　　 | |',　　　 i
　　　　　　　　　　ノ入ヽ　　　l

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.;....;　　　:..　; ,　:.... ;:.　:;. ;.;..::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ　.　: : :　　ｌ　:/;.. :;　　.:;｡::
　　　　　　　　　　　　　　　　{二:..　　:.:　　;:.:ヽ.;:,.i・人从　　／::::.... ::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ从;ｌ；从　/、。;.:;从　;:.　／ﾆﾌ
　　　　　　　　　　　　　　　::::....　`＼:;.:.从：：:;.:;,:,；、;l,;l>　:;.:;人:;...／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　.;:　.,;:;　） ,.,;;;Ｗ＿从　:;.：；／,∧ ;/..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾛ　三.,.,;:;.:,,l|二|;,:;,ゞ;;,,从 :;.;: %　~:..
　　　　　　　　　　　　　　　　....　..;;　Σ;''。：。,,::从ゞ;;,;;;／*:;:,,~`=
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..,::;;　Ｙ⌒:;...;:.:〃l,l；、;.:;.w: .Ｚ＼:: : :. ..::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　）：；。／从∵]ヽ,.,.;;>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..:.:.　;;.''ﾉ::⌒Ｙ＊W　从　　::....　:::.......
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;.:　　:::;;/''`;..　　:,.Ｙ:. ..ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....;;:'"'　　　.　　.:..　　''
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;''　:::.　　　　＊　　;;..

すると、あろうことか、足でグシャグシャに踏み潰した。
その粉々になった破片を集めると、自分の鉄砲の筒の中に注ぎ、弾ごめで銃底に押し込んだ。

596 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:44:00.43 ID:bT/Zabko

　　　 |: :ﾐ: : : : : : : : : : : 　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　 l
　　　 |: : 彡: : : : : : : : : : : : : : : : :ﾉ　 /　ハ: .　l:､ヽ　 l　|
　　　　|: : : : : : 彡: : : : : : : : : : : : : : ./　/:::::::l: 　|: ',　|　 |ﾘ
　　　　|: : : : : : : : : : : : : 彡: ／: :／/／::::::::::::l:　l／ｊ/ヽﾉ
　　　　|: : ｿ: : : : : : : : ;. ''´::￣ ~" メ､::::::::::::　ﾚｲ　f
　　　　|: : : : 彡_:_: i:!:|:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::..,,ﾑ 'ﾌ/
　　　　:l: : : : / r‐|: : :| "､´￣(ｯ￣~"ﾌｼ　く'ﾞ′ /　　　「いこう……」
　　　　 l: : : :.|　i: :lN: |:::: ::::::::::::￣::::　 .::::::::::', .　/
　　　　　!: : i.!ヽ :､ヽ､:|::::　　　　　　 .::::::::::::::::', ./　　　　恐いくらいにいくさ人の顔つきになっている。
　　　　　|N: : : :＼_ノﾍ::::::::.　　　 .::::::::::::::::::::::::', .
　　　　 /|:!: : : : : ／::::ヽ::::::::....:::::::::::::＿::`:-ｧ.､_'､
　　／　 |l: : : ／::::::::::::::ヽ::::::::::::::::'＾::ー ´　/
　　三三;;;;＼´::::::::::::::::､::::::＼::::::::::::::::-‐:: /
　　三三三;;;;;:丶､::::::::　ヽ:::::::丶､:::::::: 　 /
　　三三三三;;;;;:::::｀::-:､　ヽ::　/;;｀丶､_/
　　　三三三三三;;;;;:::::::::｀:.‐-'､::::_く

597 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:44:51.91 ID:bT/Zabko

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ●）（●）
.　|　　　　（__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　「まってくれ！こりゃ抜け駆けだろ！殿に迷惑がかかっちまうだろ」
.　 |　　　　　　　 }
.　ヽ　　　　　　 }
　　ヽ　　　　　ノ　　ｍm
　　　/　　　￣￣￣　つﾉ
　　　|　　　　|￣￣￣

　　　　 . . .-‐‐ミ i!　Y i! 厶イ_＿
　　　∠..., =‐-　i!　 i!　 i!　i!　＜´　　　　　　ｸｸｸ…
　　　 .ィ´ i! 　 i!　i!　i!　i! 　 i!　i! ヽ
.　　, ′i!　i!　i!　i!　i!　i!　 i!　 i!　i!.!　　　　「関係ない……。俺は浪人さ……」
　 /イ i!　i!　i!ｨ i! i./::､ i! ﾄ､　i!　i!　!　　　　
　　/i!.／/i!./::iメi/:::::::,ﾒ､「ヽﾄ､ i! i!j　　　　　そういって杢之助は、
　 /イ i!/! /==｡=､:::::.=｡==＝:i!,...i! |　　　　　仕寄の間を通りぬけて、金作の下へと向かった。
　　　ｊ/ j/ i::｀:‐:/:::::::: ｰ一.:´:|ir, }.|
　　　　　　　i:::::/.::::::、　　 .::::::|Lﾝii|
　　　　　　 i: ｀‐――一'.;.::::ハ.i! ｊ;＼
　　　　　　､　ー　..:::::／;　ヽ:{;;;;;;;ﾄ､__
　　　　　 . -=''7ﾍ.....:.:::::／;;; '　　　ｊ;;;;;;;j;;;;;;;
　　 -‐'";;;;;;;;;;/;;;;;;ヽ .イ;;;;: ' 　　 /;;;;;;;;|;;;;;;;
　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|:.:;;:::'　　　　/;;;;;;;;;;;!;;;;;;

598 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:45:41.41 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 |　|　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　| ,　　　 |　|　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　 |ﾉ　　､|　 .|　　　､|
　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ_＿＿__,ゝ　ｿ_＿＿ゝ　　　不意に足元に銃撃がくる。
　　　　　　　　　　　　　　 _ノﾞ￣⌒＾⌒}　 .{ ⌒＾⌒}
　　　　　　チュン　　　　'ﾆ＝==⊂⊃=｝　{=⊂⊃=｝

|　　　 ||:::::￣￣''''''''''''i---ヽ　/:::::::::::::ヽ
|　　　〔:::::::::::::::::::::::::::::i [][]　} ｉ´＼;;ノ｀;;!　　　　「打ち返さない相手ばかり撃つっつったな。
|　　　 ||::::: ,,::,,_＿＿＿＿,;r'ﾟ"､｀－’　ﾉ
|＿＿_||＿_●）＿,,,,,,;;........::_:::fて⊥{ｼ::::）　　　　登るまで待っててやる。ここで勝負だ」
―――ー/::(　)::）ー゛Ａ"ゞ―j/――――--、
　　　　／~　￣￣　ムム

599 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:46:40.10 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　 /　 ii　　　　　　　　 i; 、ヽ
　　　　　　　　 _ i i! 　　　　　　　　　　　i.　ﾞ ,　　　
　　　　　　　／ﾞ'' -'^ヽv ｖﾍ、ヽヾヾ　i i i＼i
　　　　　/""　　　,　,,_ Ｙ!/　ヾ__!_Aﾘ|ﾉ!'!'!　　　　　「ククク……そりゃどうも」
　　　,.- "　〈　　 i　　 i=ゝ、 ,,∠=-ｧYﾍﾚ
　　ﾉ　 ! 　 | "~' |、 - !ﾟ-."!|くﾟ-　 !!ﾒ/　　　　　　　杢之助は石垣を登り始めた。
　　(　　 ! ,,... ! ,,..　! ￣i,　　!|::.　　/.ノ
.　　|ヾ　'!. 　/　　 |"ﾞ　〉ー !|;― /"iヽ~ﾞﾞ^''' -
　 /ヽi - ! _/ﾞー i'!　 i,/ 、　―　/i　 |,,__
　ノ">ヾ_!〈=＝-!|_ノi ヽ＼　／　!　 |　￣ﾞﾞﾞ^'''
　／　　 ''ﾞ.---┘　 | 　＼ッ"　/　　|

　　　　　／￣￣Y￣￣＼
　　　／　　ヽ,_.　　ノ　　＼
　　（●）（● ）　（ ●）（●）　　
　　（__人__）　　　　（__人__）
　　　{｀⌒ ´　　　彡　｀ ⌒´ﾉ　　（殿の下知がまだ……だが）
　　　 { 　　　　　　　　　　 }
　　　 { 　　　　　彡　　　}　　　（ここでこの機会を逃したら、一番乗りができなくなっちまうだろ！？）
　　　　ヽ、　　　　/　　ノ
　　　　　　 .ﾝ　　　ヽ　　　　　　そして、やらない夫も遅れて石垣を登り始めた。
　　　　　／／　　　 |
　 (⌒二_／ |　　.　　|

600 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:47:15.22 ID:bT/Zabko

しかし、杢之助のケモノのような敏捷さについていけない。
とうとう杢之助は登りきってしまった。

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（○）（O）
.　|.　　　.||（__人__）　　（ああっ、いわれる……）
　 |　　ﾉi　! 　 | }
.　 |　　し'　｀ ⌒´ﾉ
.　ヽ　　　　　　 }
　　ヽ　　　　　ノ

やらない夫がその声を聞くのを待てども、声が聞こえてこない。

601 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:47:35.45 ID:bT/Zabko

∠-'';::／　,∠/　.／::　　 ::＼.ヽ＼ヽ　ヽ　＼　ヽ. ＼
::::r''∠- '´:∠ -ﾍ::....... ,...:‐''７,ゝl‐-ヽ} 　ﾄ､　lヽ.　!
:::l::::-==＝ﾓ＝= _::::／:::::::::/_　 ` ／ ,ﾍ.　| ヽ |. ヽ.!
: |::::　｀　ー‐=''"::´:::::::::::::/ﾆ´＞,'／　ヽ |　ヽ!　ﾞl
::|:::::　　　　 ..::::::::::::::::::::::/　　　ﾊ　　ヽ!
:|::::::　　 ...:::::::::::／::r:::::::i_:　　　,'l }　　　　　　「やぁ」
|l::::::　　　　　　｀＿＿:::　　　 /.|′
iﾍ::::.. 　　￣￣　　　　｀ヽ　./^'
:|::ヽ:::..　　　　　　‐＝=;;　　　/
::l::::::ヽ::..　　　　 :::::::　　　/　　 ,.､
:::l::::::::::＼.　　　　　　　　　/　　／.:/:　　,ｒ'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ!lllllii,_
::::|::::　:::::::＼. 　　　　 ,ｲ　／....::/:　　/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞllllllllllii,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;lllllllllllllli
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 lﾞ;;;;.／ﾞ'-,,.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｒ'"illli､llli､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l;;;;/　　　｀'''ｰ-..-‐ ''"゛::;;;;;ｌllll|llllli
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |;;;lﾞ　　　　　　　　　　　 : :;;;;;;llllilllli
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l;;.!　　　　　　　　　　　 : :;;;;;;;;!llllll′
　　　　　　　　　　　　　　　　　 lﾞ;/　　 'ﾞ''ｰ､..　　 .._,,,.. --;;;;;;;;;illllll
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |;;" ..,,,..､,,　　',　'"　　..,､il;;;_;:;;;illl!ll､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |;:　.ﾞ'､'tｪjﾞﾐ,ヽ''　､,,;;;;iiiillllllliﾞ;;;;;;i!;;ll|　　
　　　　　　　　　　　　　　「ふん」　 ,|!　　　´ "´;;'　　.;;lllllllllllllllll!;;;;;;;;',;il!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／;;.ｌ、　　　　　　 ::;;;;;ﾞﾞﾞ!!!l!!!ﾞﾞ;;;;;;;,i〃
　　　　　　　　　　　　　　　　　/.;;;;;;;;;;l.ｌ,　　　 ,;　　 ::;;､;;,　,.":;;;;;;,/|ﾞ;;il,
　　　　　　　　　　　　　　　　　!',;;;;;;;;;;.! ',　　　ﾞヽ､_,,'.;;.":;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ/;;;;;;;;ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　| .ｌ.;;;;;;;;|､　　　,,,,,,__.;;;;;;;;;;;;;;;;;;,i';./;;;;;;;;;;;;;.l;l
　　　　　　　　　　　　　　　 .._,/　ヽ,iﾉヽヽ, 　　ﾞ'l::!''''´:::;;;;;;;;;;;/ﾞ!;;;;;;;;;;;;;;;;.l;l
　　　　　　　　　 ,,, -'''ﾞ゛ ./ 　 : ﾞ'l.;;;;;ﾞ''ﾊ､　 |.|￣:::;;;;;;;,ii'ﾞ.;/;.ｌ.;;;;;;;;;;;;//
　　　　 _,,..　-ｰ''''"゛　　　　│　　　!;;;;;;...;;..;｀''ｌ.l――''";;;;;;;;;;;;;;;.!;;;;;;;,/;;ﾞ''-..、
　　 ,,／´　　　　　　　　　　　',　　　　!　　 ;;; ;;|,i!:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!;;;,i"|;;;;;;;;;;;;;;｀''―- ....,,
　'"　　　　　　　　　　　　　　 "　　　".............""" 　　　　　　ﾞ‐'....!;;;;;;;;;;;;;;;,,,,....

まるで酒をくみ交わす約束をしていたかのように気さくに話しかけた。

602 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:48:20.49 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　ｆ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ:::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　 |　　　　､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　 }　　　　　 `　､　　　　　　　 ,　- ‐　´　　　　　　　　　/:::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　｀､　　 ,　　´　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　 i_　　　　　　　　　;　 ;　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　 {　｀ﾞヾ;;,､　　　　　,' 　 ;　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　ﾍ　　　ヾ;;;,､　　 ,'　　;　　　　　　　 ┃　　　　 ,　　　　　ヽ::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　〉｀'"i!i!;;;:ｰ､ヾ　/　　 '､　　　_,,,,,,,,....;;┃;,,,,,,;;;;;:'"　　　　　〕:::::::::::::,-杢之助も金作も、右手に銃を持ち替えた。
　　　　　　　　　　　　 / ､ゝミ彡　_ゝ.:.〉　　 ..:::〉,;;::'''",,;;;i!i!i!i!.:.:.:.:.:.:i!i!i!;;,､　　　　　 |:::::::, '",'
　　　　　　　　　　　　　i　　ヽ￣ ~　:.:／　　　 ':.:.:〈:.:.:.:{;;;;i!i!i!i!.:.:.:.:.:.:.:.i!i!i!;;;}　　　　　|::::, ' , ':.:「こんな近くじゃ子供だって当てられるな」
　　　　　　　　　　　 i　　　　　　シ　　　　 |　:.:.:.ヽ.:.ゞ;;;i!i!i!i!i!;;;;;;;;;;i!i!i!;;'　　　　　 |::,' , ':.:.
　　　　　　　　　　　　 {　　　　　　　　　　　 |　　 '' '';,　`::ヾi!i!i!i!i!i!i!i!i!;ｼ　　　　　レ./.:.:.:.
　　　　　　　　　　 i　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　ﾞﾞﾞ''┃'''''""　　　　　　 .:.:.:.:.:.〉.:.:.:;
　　　　　　　　　　　　　i!　　　　　 .:　　　　 !　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .:.:.:.:.:／､.:;.:.:
　　　　　　　　　　　 i!:.　　　.:.:./　　　　　　　､　　　　　　　　　　　　　　　 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
　　　　　　　　　　　　　 i.!:.:.:.:.:.:.:.〈_,､　　　　　　　〉　　　　　　　　　　　　　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
　　　　　　　　　　　　　 i.i.:.:.:.:.:.:.　.:.:.`､____,,r‐--‐'　　　　　　　　　:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.;.:.:､__, '
　　　　　　　　　　　　　 i.:i.:.:.:.:.　 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　　　　　　:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.::.:..:/.:./

603 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:48:44.96 ID:bT/Zabko

　 , '.,. ‐',´'´ llｌ　　 ll　　ll　　,.ｲ　　 lll　　 ll　　 ll |　　　
　／　, ' ll ,ィ　. ll　,.ｲll.,.ｲll./::::ヽ.ll ﾄ､ ll 、　 lll 　 |
.　　 /ll.／!　,ｲ　./_:l /:::!./::::::::::ヽ. |_ヽ |ヽ llｌ　　ll |　　
　　/., ' . !ll /ｌ ll/:::::l/ヽl/::::::::,.‐''::ヽ!:::ヽ!::ヽ　ll 　 |　　　
　／　 ! / .ｌ /.l＝==｡=､::::::;;;:==｡==＝＝! r‐:､lll|　　　　「ククク……俺はイノシシと面と向かって撃ったぜ」
　　　　 l/　 |/　.l :`::ｰ-:/:::::::::::　ｰ-‐ '::´:::|l|r‐､!│
　　　　　　　 l :::::::/::::::::::::　　　　 :::::::::|.!ﾄ､ﾘ l|　　　　
　　　　　　　ｌ:::/::::::::::__-，　　 .::::::::::|Lンlｌﾄ、　　　
.　　　　　　　　　 l`"----------一::::／ヽｌ!　 |;;;ヽ.
　　　　　　　　　 ! 　＿＿_　..::::::::／; 　ヽ ll !;;;;;;;;ヽ.　　　　
　　　　　　　　　　　ヽ.　￣￣..:::::::／;;:　　　ヽ. |;;;;;;;;;;;;;l`;;ｰ-
　　　　　　 _,,. -‐''7ヽ......::::::::::／;;;:　　　　　ヽ!;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;　　

604 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:49:05.02 ID:bT/Zabko

この言葉に金作が動いた。
大きく後ろに跳びながら引き金を引く。
　　　　　　　　　　　 / /　　,..rァァ==ﾆ=‐ ､
　　　　　　　　　　　　/ 　//;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ,　＼＼
　　　　　　　　　　　　　ﾞ､_ｒi/,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　＼
　　　　　　　　　　　　　　　|_,`ゝ｀il;;;;;;;;;;;　ﾘ.|
=============＝＝＝＝|'（:::::）ﾞu' ::｀iﾘ､ﾉ､从⊥､
. (｀ァ‐--､.|三|_|ﾆﾆﾆ|‐|　,.└i,ィ　;;　:'／´:.:.:.:.:.:.:.. !
‐ｔ＝ヽ' ,,..._Y‐-､ tt=t-t,ｲ,ﾉﾞヾi;;;..ｨ''´￣￣￣￣￣｀､＼＼
.　｀`ヽ､:.　ヽ、//｀‐(i,ﾆつィ＜´:.:.:.:.:.:.:.:.:.;;;;;;;;;:::..i:.:.:.:.ヽ.　＼
　＼　　ヽ;::. 　ﾞ〈　　ゝ／.:.:.:.:.:.＼;;;:.:.:.:.:::::::.:.::::.:.:|::::.:.:. ｀､
　＼＼　..ヽ:::.　｀ヽ.,/'´:.:.:.:.:... ;;;:.ヽ;;/,;:::::: .::::::::.:.|:::::.:.:.:. |
　　　　　　ヽ::.r‐''フ/ ;:.:.;.:.;;. ;;:.;;;;;;;ヽ:::::: .:::　....:.:.|:::::..i:.:. i　 |
　　　　　　!/ '´/:.:./:;;:;;;;:.:.;;. ;; ;;;; /:::::.:. .:./.:.:|:.:|:::::::.|:.:.ﾘ　|
　　　　　　ﾞi .:.;;|;;;;;; ,;;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::／.:.:/:::.!::::::. |:./　 | |
　　　　　　　ヽ;;;;,い;;; ;,,,,;;; ／;;;;;;;:::::::::::/.:.:.:/.:.:./:::::::. |ﾉ　 | |
　　　　　　　　＼,＞‐‐‐ｆ'´ヽ-'´;;;;;;;;;;;:.:.:.:/::::::::::::::::::.ヾ　　　|
　　　　　　　　　　　　　 i ;;::;;;; ;;, ;;;;;;;::::::::/::::::::::::::::::::. /　　　|
　　　　　　　　　　　　　ﾘ.:.:.;; ; ;;;; ;;;;;;::::::::::::::::::::::::::. /

605 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:49:19.80 ID:bT/Zabko

杢之助も横に跳ねながら撃った。
　　　　　 ,,、、、　　. :. :.　　　　　　　　 .:　.　　　　　　　　 ,;;'´　　　,;;;:;:;'´
　　　 ,r'´　　　　ﾐヽ　　 .:. :.　　　　　　　 .: .　　　　　　,;;;'´　　　,;;;:;'"´
　　ミ　　　　　　ﾐ}　　　　. :.: .　　　　　　 .: 　　　　 ,;;;:; .:.:;;;;:; :;;;'´
　　｀ﾐ . .:,.　'"ﾞ.:.: .:. :｀`ヽ　　　. :. 　　　　 .:.:　　　 ,;;;'´　　　　　　 ,,,,..　'''"""｀´
　　 ,.斗'´.: .: .:.:::::::::::::::::::.:..｀`ヽ ‐‐‐ｭｭ＿__＿＿,;;;'´, ,,,...　.:.: '''ﾞﾞ´
　'´.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;.:.:.:.｀Y´ ｿ……‐‐'‐'´¨¨` ,;;;､
　.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:ﾉ"´　 .: .　　パーァン｀;;;::､.:.;;..
　.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::.:.:ﾉ´￣｀`ﾞﾞﾞﾞﾞ´　　 .:. 　　　　　:　　　　.｀;;;,､　　..:. ..,,
　.:.::::::::::::::::::::::::::.:.:〃　　　　　　　　. :　　　　　　: 　　　　.: 　 ;;;､　　　.:.:..:...
　.:.:.::::::::::::::::::::::::〃　　　　　　　　 .:.　　　　　　　. :　　　　　.:　. ;;;;､　　　　.:...,､､､､､
　.:.:::::::::::::::::::::::〃　　　　　　　　 .:　　　　　　　　　:　　　　　 .:　:　 ;;;､　　　　;:;:;;;;;;;;;;;
　.:.:::::::::::::::::::::！　　　　　　　　:　　　　　　　　　 .: 　　　　　.:　　:　　 .:.:.　..､､
　.:.:.:::::::::::::::::::::L_　　　　　　　. :　　　　　　　　　 .:　　　　　　:　　.: .　　. .: .;;:､､､
　.:.:.:::::::::::::::::::::::::..｀ヽ　　　 .　:　　　　　　　　　　. : .:　　　　　:　　　 .: .
　ヽ,;;;;;':::.:.:::::::::::::::::::::.L＿.:　.:　　　　　　　　　　:　　　　　　　　:　　　　:
　　 V.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶､　　　　　　　. :　　　　　　　　　 :　　　 .:　　.
　　　',.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.`ヽ､　　　.　:　　　　　　　　　　 :　　　:　　　　:.

606 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:49:37.63 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　..:　　　　　　　　　 /:::/::ｨ::::::i::::::::::::::::::l:::::､::i::|_　　　..........
　　　　　　　　　　　　　　　　▲＿_ ∧==〈〈;;ｌ:::/:::γヽ::(;;''):::〈::|-､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　／l　　 l＼＿ll二 '''ー| 「ﾆﾆﾆﾆﾆﾆl^l-' i　　　　　　..:.
　　　 .:::::::..........　　　　 ▲ｌﾍﾆヽ　 :＼ll ﾍﾆヽ||＿.| ﾍﾆヽ,-､,-､l :l　 l＼▲_
　　　　　　　　　　　　　/ll＼ー'　ﾍﾆヽﾍﾆヽ　ﾍﾆヽﾍﾆヽ'　ﾍﾆヽﾍﾆヽ /i _　ヽ
　　　　＼　ガオン／/ /||　＼▲ー'　ー'　 ▲‐'　ー' 　 ▲ ＿_ ▲' /　　ヽ　＼　　　　　..:
　＼　パーン　／　／／:.:.＼　 i　ｌ￣￣￣￣l　ｌ￣￣￣￣l　ｌ　　.l　i/　　　//　/ｌ､　::.
　　　　　　　　 ,<　〈:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｿ/ヽ二ヽ――ｌ__!――――ｌ__!―‐ ｌ__! /二/ヽ.／/::::ヽ
　　　　　　　　　ｒ〉＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ |__|＿::l＿＿＿＿_く二二ゝ＿＿＿＿_|￣O|　／::::::::::: ｰ- ､
　　　　　 ,.　-‐':::::＼二二二二二|　　:|:l二二二二二|　 :|:l二二二二二iー‐i::::::::ヽ:::::::::::::
_,.　-‐'' ~::::::::::_,.-‐'::::::::/:::::::::::::::/::|　　:|ﾉ::::::ﾉ::::::::::::: : |　 :|ｿ::::::::i::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::ｰ-､:::::
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:::::_,.-‐':::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::ﾉ::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉::::::::::::::::::::､::::::::::::::::::::::::::

607 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:50:31.74 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　　_..-‐'''"´　　￣｀`'ｰ ..、
　　　　　 _／゛　　　　　　　　　　　　 `' ,、
　　　　／　　　　 _..-―─― .._,　　　　 .＼　　　　　金作の弾丸は狙いを大きくはずれたのに対し、
　　 / 　　　 . ／　　　　　　　　｀'-､　　　｀､　　　　杢之助の銃撃は陶器の破片が広く飛び散り、
　　/ 　　　.,r'゛　　　　　　　　　｀'､.　　　.ヽ　　　金作の顔面をとらえた。
　./　　　 ,i′　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 !
　,!　　　.L＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__ｌ＿＿_,l＿
　!　　　　　　　 ., - ､　　　　　, - 、　　　　　　　ﾟi
.│　　　',　　　 '　　`　　　　'　　`　　　　　　　ﾉ　　金作は顔を吹き飛ばされて絶命した。
　',　　　ｌ　　 i￣￣￣￣￣￣￣￣ﾌ　 ,'￣￣Ｉ￣
　..ｌ,　　ヽ　　ﾞ!,　　　　　　　　 , '　　,i 　　 ,!ﾟ
　　ヽ　　　ﾞ' , 　ﾞ､ _ 　　　 _ ／　　/ 　　 /
　　　ヽ　　　｀'-..,_ 　￣￣￣　　　.／　　　, ﾟ
　　　　｀-、　　　｀ 'ー ――・' "ﾞ´　　 . ／
　　　　　 .｀'-､_　　　　　　　　 _..-'"
　　　　　　　　｀`'―------ｰ''''"

608 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:50:50.58 ID:bT/Zabko

朝鮮の役のころである。

鍋島直茂が朝鮮のチャワンというところでいくさをした。

　　　　　　　　　　　　　　　　　 / / ｲ.:.!.:.!:.!, --ヽ、＼　ゝ久_丈i:.　! ﾊ:.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　 /:./　 !.:.!.:.i.:f ｨ´::ヾ　　　 ´f´::::ヽヾ :!ヽ l:.ﾊ
　 ┏┓　 ┏━━┓　　　　 /:./ , 　!.:.!.:.iﾊﾏ_;;;ﾉ　 ,　　　ﾏ_;;ﾉ j:. j/　j:.:ﾊ. 　　　┏━┓
┏┛┗┓┃┏┓┃　　. 　/:/∧,｣　!.:.!.:.!ﾍ　"" 　r=＝ｫ　"" ,/:.ｲ!ﾊ┘:!ヾ　　　　┃ 　┃　　「突撃～！」
┗┓┏┛┃┗┛┃┏━//!:.ﾊﾞ:.:.:| |.:.ﾊ.:V ゝ､　丶　 /　　ｨ/:./:.:i／^l:.!　ヽ━┓┃ 　┃
┏┛┗┓┃┏┓┃┃　ﾚ' !:.! i.:.:.ヾ!ヽﾊ.:V.:.:.:.:>,　 _　ィ´V.:/.:.:/　　ﾘ:|　.　　　┃┃　 ┃
┗┓┏┛┗┛┃┃┗━━!:i　!.:.:.:.:.:.:.:{ﾊ.:V'´ ／′　 .少'／｀ｰ| 　 /j/　━━┛┗━┛
　 ┃┃ 　　　 ┃┃ 　　　ヾ　ヽ＿,　'7//　/-､　 -／ "　／ﾌ　ﾋ=ヽ.　　　　 ┏━┓
　 ┗┛ 　　　 ┗┛　　.　　　　ﾊヽ. ///　/'´￣／　　／／/　　,｀弋＼　　 ┗━┛
　　　　　　　　　　　　　　　　／　 {　y'//　,'---/　　／／- ′.Ｙ´　 ,　｀ヽ｀l

　　　∩＿＿＿∩
　　　 | ノ　　　　　ヽ
　　　/　　●　　　● |_
　　 |　　　　( _●_) ⊂ ｀￣＼　「殿、鉄砲の弾がなくなったクマ！弾ぎれクマ！」
　　彡､　　　|∪|　　　｀￣　ノ
　／＿＿　ヽノ　　 /￣￣
　(＿＿＿）　　　　 /

609 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:51:11.37 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ　‐―- ､__
　　　　　　　　　　　　　　　 ,-‐ｧ´/　 ∠-―‐-､‐ ､
　　　　　　　　　　　　　　〃＿,':　 /-―――-＼ヽ
　　　〃　￣￣＼　　入{≧ 7:　/::../:/: 　　,ｲ}ﾊ:＼l
　　　　 |　　　　　ヾヽｰく<ﾞ{:ﾅ./.::..,'::/厶!:.　／l:: i:::}:!:バ―――― --　、
　　　　 |　　　　　　 !l 　 ¨ヽYl:::::::l:ハ{八Ｘ_ ,　l:;!ィﾘ:: } }´　　　　　　　　　ヽ
.　　　　 l　　　　　　　l　　　}=l:::::::ｌ:{ ｬtr-ｭﾐ　 jﾉtrｧﾙリ!　　　 ∠彡　　　 /
　　　　　l　　　　　　　l　ノ人fl:::::::ｌ　　`ｰ'　　　､｀' {´ｲ::|　　／　　　　 ./　　「え～？しょうがないわね」
　　　　　 l　　　　　　　k≠＾ヽ|:::::::l 　　　＿ ,　八i ::|'／　　　　　　 /
　　　　　　l　　　　　　　ﾍ＼::ハ :::ﾊ.　　 '´‐,‐'　ｲ::::l|::l　　　　　　　／
　　　　　　ヽ　　　　　　　{ハ､::ヽ::::i＞ , ､.. _／:/:: / ﾘ　　　　　 .／
　　　　　　　　ヽ　　　　　　　|ﾍ:::jヽ::! fﾍ　ヽ::::/{::./　　　　　　／
　　　　　　　　丶　　　　 !| |lV j/|>‐<ﾍ　ヽ{ﾊ:{　　　　　／

　　　　 Nﾐ ||　|||　||| _,､彡　彡　 }
　　　　N､/ ＼|||,, - '"　ヽ ,彡彡ﾉ
　　　　|ﾐ/　　ｰ--‐　　　ヽ彡彡7　
　　　　|/‐- ､ｰ‐ , -ｰ‐　　〉彡ﾉ　
`ｰ､　　|-==｡=､　 _=｡==-　|r､彡7
-､ヽ　 |　`ﾆﾆ',|　~`ﾆﾆ　　||ﾖ＝ﾉ　　　「いや、弾ならあるぜ」
　 'i　)　'i,.r‐' ,斗ャ､ `ｰ､　 i!ﾉ=/　
＿_'､'＿∧／_,x '`x'─'　'／| /ﾄ--
＿＿`寸・托7, ／ｲ　／　,|'　|─　　
　　　　〈　 /　/　/ |／　　/;|　 'i,　
　　　 |　　　'　/ /　　　/;;;;|　　|
.　　　 |　　　　　/　　　/;;;;;;;|　　'i,

610 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:51:36.74 ID:bT/Zabko

三ミ/:::::: .　　､＿　 _ ,ヽ/ ﾘ　
― 〈:::::::: .　　 ―-二-‐　ヾ.
三ﾆヽ::::::￣｀ﾞヽ、　　　,-―i
Y¨ヽ=|::::::＝=｡=-,,, 　 ‐=｡=|　　　　「そこらの民家にある甕（かめ）を粉々にして……
.| .ヒE|::::::｀ー-‐ '''　〈‐-‐ '|
.| l__F|:::::::｀ー-‐　　:::::＼ー|　　　　弾がわりにすればいい……
.ヽ._F|::::::: .　　　　 r::_:::::＼!
ヽ=,Ｙ::::::: . ／ ,――――､´　　　　ククク……」
ヾ､/＼:::::/　　￣￣二￣ ,'
　/,'　:::＼:::::: .　　￣　,'
　 '　　　:::＼::::::: .　　　 /

　　　　　　　　　/:／／ ,'. :: l::::::l::::::::|::.　 |::::::... 　　 l:.　ｌ:.:　l: l: 　∨＼:ハ
　　　　　　　　〆／＼ｌ::::: |::::厶:::::ハ:　 i＼:::::..::.　 l::.. |::j;ｨ|' |:.　 l　　> ＼
　　　　　　　／／:::::::/7|::::: ｌ::/　ト{､小:.　!　＼::.::.　iイl:::: /.l |::.　 |メ´ l ＼＼
　　　　　　　∨:::::::::: //|:l :::: l:{ ,.ｨ≠ﾐk＼＼ヽ　 X´;ｨ=≠く　リ :　 |＼＼　.:＼!
　　　　　　　ｌ::l:::::|: //_j:ﾊ::::::l代〃 :ﾊヾ｀　＼､　"f〃下:ﾊ>|::::: 　|､　＼＼:l　　「さっすが用之助ね！
　　　　　　　 |::l:::::| { {/│:ヽ:: ', Vﾍ:::j.|　　　　　　 |rﾍ::j.ﾘ 'ﾞ |::::: 　l､}　　lヽ/!
　　　　　　　 |::l:::::|::V !^|::::: ＼ヽゝ-‐'　　　　,　　　ゝ‐-'　　|:::: 　ｌ_ﾉ::.|: |: l: |　　それじゃ、この弾を
　　　　　　　 |::l:::::ｌ::::::: `l:::::: .::::f`　　　＿＿＿__　　　　　,':::: 　ﾊ:::. ｌ:: |: l: |
　　　　　　　ｌ::ﾊ::: !:::::::::::l:::::::: ::ﾍ　　　 ∨ 　　ﾘ　　　　/::::　/::　 /::: ｌ: l: |　　“切り玉”と呼ぶことにするわ」
　　　　　　　ヽ! ヽ::ヽ:::::::::ヽ:::::　l.＼　　　　　　 /　　　,. ｨ/::::　/::　 /:::: /:/l:ﾘ
　　　　　　＼＼ゝ :::::: ヽ ::ﾊ　fヽ､　ー '　　イ |: /:::　ｲ::　 /＼/ノ　ﾘ
　　　　　　　　　Ｘ　ヾ:::::::::lヘ::.ヽ　l 　＞ー＜　　〃:／　l::　/　 /＼
　　　　　　　　　 <　　＼＼::::j ﾘ＼V l_｀ヽ　　 x‐／イ　　　|〃　／／＼
　　　　　　　　　 { ＼　＼V ／ﾞ＼フ⌒!＝=､,ｨ=≠/（｀＞ｰヽ{／／　　ス′

611 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:51:54.78 ID:bT/Zabko

　　　　　　　＿､‐-､, -‐ｚ._
　　　　　　＞　` " "　′.＜
　　　　　　／ " " " " ﾞﾞﾞﾞ＼
　　　　 7 " " ",.",ｨﾊﾞ ,ﾞﾞヾ　　　　　　 r‐ ' _ノ
　　　　　 ! " " /-Ｋl/　Vｌﾊﾞ.N　　　　　＿ ) (_
　　　　　 | "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ!　　　（⊂ﾆﾆ⊃)
　　　　　　|."しｌ|　￣　,._ ∨　　　　　　｀二⊃ﾉ　
　　　　　　| " ﾞハ　ー--7′　　　　（( ￣
　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼.　¨/　　　　　　 ;;　
　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　　　　　 [l、　　　　杢之助はこの話を思い出していた。
　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　　／,ｨつ
. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ　
　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ
. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　 /　）:::厂 ´
　　 |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l　/￣｀Y´
.　　 |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
　　　|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ﾞ/

612 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:52:11.42 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　　　　_. ／　　｀丶､　　　　__　　　　　　　　　 _..-‐.:￣:.ヽ
　　　　　　 /´　　　　　 l　＼／:.:.:｀:丶､　　　 _..-.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:..､
　　　　　　　 /　　　 l 　　　ヽ':..　＼:.:.:.:.:.:.:.:.｀:.ｰ.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ
　　　　　　ノ　　　 ',　　　 .....:＼/_ ｀ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}
　　　　　　l　　､　　　＼ ..:..:..:..:..:..ヽ ...:. ):.:.:.:.:.;.:':.:／￣￣＼:.:.:.:.:.:.:';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!　　　
　　　　　 | 　　＼　　＼.:..:..:..:..ノ:..:./､:.:.:.;:':.:／ヽ,,,)ii(,,,ノ＼.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.（_.,,.-‐-.._
　　　　〈ヽ　　　＼　　 ..:.｀:-r:´..:..:/　|:.:.:.!:.:.|　（●）（●）　|.:.:.:.:,':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ
　　　　 l 　＼　　　＼ .:..:._／,ゝ:_.:/　 |:.;:.l:.:.:|　　（__人__）　 |.:.:.:,':.:.:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
　　　　　　＼. 　＼　　 ..:｀フ,ﾉ/　　　　 ,':,':.l:_/|　　｀ ⌒´　　}＼:.:,'.:.:.:.:.;.:':.:.:.:.:._:.: - .:.:._:.:.:.:.:.',
　　　　　　　　＼＿二ゝﾆ´´/　　　　　/;':／/ | 　　　　　　 } ヽj:,':.:.:,:.'_: -‐ ´
　　　　　　　　　{　　　_＼ _,/　　　　 /:./ ./_'ヽ　　　　　　/:　/ ｀j､　　　　　　「やらない夫、一番乗り～！」
　　　　　　　　　ゝ- .__￣　　　　／:._:｀l'r:-.､ヽ　　　　　ﾉ､|,/| !'
　　　　　　　　　ノ:.:.:.:.:.｀:.ｰ:-.,-─ ' ￣　ヽヽ.:､:ヽゝ-''ﾌ-─-' |　
　　　　　　　　　i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／　　　　　　　ゝ-r.:‐:.ｿﾆ二ノ｀￣
　　　　　　　　 {.:.:.:.:.:.:.:.／　　　　　　　　　　ヾﾞ／:.:.:.:/´
　　　　　　　　　 ';.:.:.:.:./　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　 ' ;.:/

613 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:53:05.24 ID:bT/Zabko

614 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 21:53:26.03 ID:KUezvLso

ようやく気付いた、斎藤vsサイトーか……

615 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:53:54.30 ID:bT/Zabko

同じ頃、軍議では、

　　　 ∧∧
　　　 (,,ﾟДﾟ)＜鍋島家中、お抜駆けだゴルァ！
　　　(つ |つ
　　～|　　|　　　　その報告がもたらされると
　　　し`Ｊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　／ : : : : : : :｀¨ｰ-､
　　　　　　　　　　　 __＿/: : : : : : : : : : : : : : : ¨ｰ-､
　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : : :｀¨ｰ､
　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : ﾍ
　　　　　　　　/: : : : : : : : : : : : :{: : : : : : ;ｲ : : : : : : : : : : :ﾍ
　　　　　　　./: : : : : : : : : : : : : :.',: : :ﾄ､::/ｉ: :/ヽ: : ﾄ､: : : : :.ﾍ
　　　　　　　i: : : : : : : : : : : : : : : ﾍ:: :l !/　l/　ヽ::l　i: :i: : |ヽ!
　　　　　　　l: : : : ﾍ; : : : : : : : : : l-',:l──--､_,,!/　ヾ!l: :,'　ヽ
　　　　　　ﾉ: : : : : r､: : : : : : : : :l　ゞ-t‐jヾ　　　/'ｰ､l:i/
　　　　　　 !ｲ: : : :/ ﾍ: ﾄ; : : : ﾄ; :l　　ー¨-　　　〈ftﾂﾞ/|　　　　「ふっ」
　　　　　 i: : : ,'　　',:l ',: : : l ',:l　　　　　　　　 ',￣,'ﾊ!
　　　　　　　 ',: : :ヽヽ-､!: ',: : :l　'!　　　　　　　丶､l　　　　　勝茂は思わず、してやったりの笑顔をつくった。
　　　　　　　　',ﾄ､: : :ヽ__,,i ヽ: :l　　　　　　　　　　／j
　　　　　　　　　 :i: : : : : :i ',　ヽ!　　　∟　　　　　,ｲ
　　　　　　　　　　',!i: : : : l ヽ、ヽ　　　￣二¨　./;!
　　　　　　　　　　　',::ﾄ;::ﾄ!　　ヽ､　　　　　　　　/　　　　　　　後のことを考えれば、このことが大きな禍根となった。
　　　　　　　　　ﾚi ヾ!:　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　 __f´¨ｰ--､＿　　　　　ー,--"
　　　　　　　　／: j　　　　　　｀¨ｰ-,､　,'ｰ--､_

616 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 21:54:25.77 ID:Zdxhwqgo

そうか、昔は銃の構造上、弾の規格がいい加減でも何とかなったんだな。

617 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:54:27.94 ID:bT/Zabko

　 l　　　　　　/　　　　　/　　　　　／::::/　　／　/
　 |　　　　./　　　　　/　　 /　／:::::::/　／:: / /　　 /
　 |　　　　l　　　　　/　　 /xヘ　／／ :::::/ /:/　 /
　 |　　　 │ 　　 ./　＜/　　　Ｘ／: :::::::./ /:/　 /　　　　　松平伊豆守は、
　 |　　　　|　　　 /〃え≧仆く／＼ ::::::../ /:/　 /　　　　　　このときの勝ち誇った勝茂の顔を
　 |　　　　|　　　:Ⅳ /圦;;;;;;;;;必＼　＼:/ /:::ｌ.　/　　　　　　　一生忘れることはなかった。
　 |　　　　|　　　lY　fう;::ゝ;;;（⌒＼＼::/x'::::│/ /!　　 !
　 |　　　　|　　　|{　弋ﾍ:::::::::ヽ　　ﾊ､//::::＼l/ /│ 　 |　│
　 |　　　　|　　小、　夊三三:ゝ'′/∧ ::::::::〉∧│ 　 |　│　そして、これが鍋島と伊豆守による、
　∧.　　　　ll　　 l　ヾ､.　　　　 //::;ヾ､:::/∧∧!　　:|　│　長きにわたる抗争のはじまりになるのだった。
　ｌ ∧　　　 |l　　 | 　　 `ｰ=＝≡≠≦.　∨/　ﾍ ∨　 |l　 |
　ｌ　∧　　 | l　　│　　 __ ﾆ二三V;三ﾆミ/∧:ミﾐヾ∨./ ＼!
　l　　∧　　|　l　　|　　　　　　　　　　 V.::::::::::ヾﾐ=l l三彡
　　　　∧.　l　＼ |　　　　　　　　　　　　　　ヾマリ三彡

618 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:55:26.35 ID:bT/Zabko

わー
　　　　　　　　　　　　..... ..;;:::,,　　:::::: i. ; ;;|　　|.::.:::,||:::　　　わー
　　　　　　　　　　::::: ::::;':::..:::: ::.'';:::.:.::::;;　|　　|.::.:::,||:　　　　　　 ..:::...
　　　　　　　　　　i.　 ::;'::::::::::::::　ヽ.:.:.::.::　|　　|.::.:::,||:　　　　　..::　　::::..　　わー
　　　　　　:　　.　:　/.　:　.　:　　　＼ ;　|　　|.::.:::,||: 　　　　　::　（)　:::
　　　　　　。　　　.::/.　　　　　　　　　＼|　　|.::.:::,||:::　　　　　　 l~l　　　　､;
　;　　　　　I,,　 .::::/　　　　　　　　　　　　|:＼.|:.::::;;|| 　　　　　 ,　| .|:::
　　:　　　　　 .::::/　　　　　　　　　　　　.|.. :: |::::::::::|...　　　　　. ム一:::
　　　　　　 ...:::/　　　　　　　　　　　......`＼|::::::::::|:: ~ﾞ''-..　　　:::::::::::::　 :.';:　　　チィン！
　　　　　...:::::/　　　　　　　　　　　　　　　 `'――＼::　　~"-、
　　　 ....::::::/　.　　　　　　　　　　　　　,,　　　. 　　　　＼::　　　　"-　　　　　　　　わあー
　　　::::::::/　,,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　＼
　　　　;:; ;: ; ;; ;,';:;: ;: : ;: ;;; ';､;: :. .:. :;:;:. :.: .:. . . :.';､;: :. .:. :. :.::;:; .:. . . :.';､;: :. .:. :. :.:
　　　';､;: :. ';､;: :. .:. :. :.: .:. . ';､;: :. .:. :. :.: .:. . . :.. :.::;:;. :. :.: .:. . . :.､;: :. .:. :;:;:. :.: .:. . .
　　　''';､;: :. .:. :. :.: .:.　, ､;: :. 　.:. :;:;:.　 :.: .:. . . ::　. : .:. . . :.';､;: 　.';､;: :. .:. :. :.: .:.

619 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 21:56:08.66 ID:CalOT0Ao

ああ・・・

620 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:56:09.08 ID:bT/Zabko

621 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:56:26.66 ID:bT/Zabko

　　　　／￣￣￣＼
　　／　─　　 ─ ＼
　／　（●）　（●）　＼
　|　　　　（__人__）　　　　|　　「お？」
　＼　　　｀ ⌒´　　　／
　／　　　　　　　　　　|
（＿ )　　・　　　・　　|｜
　　ｌ⌒ヽ　　　　＿ﾉ |
　　|　 r　` (;;;U;;)　　）__）
　（＿ノ　￣　／　／
　　　　　　　　（＿）

　　　　　　　　　（(_￣｀＼＼　 l.:i
　　　　　　　_,.. -―‐-＼l　/:/
　　　　　　,. ‐'´.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:lﾌノ':‐ ､
　　　　／　 ::::.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::＿:＼
　　 _／.:.:.:／　 / ／　: ::::／r-―┴-＼ﾍ
　∠ -‐／.:.:.:::://.:.:.::::::::／fﾆ二工二　 l.ﾄ､
　　／／.::::::::::/.:::／イ.:／ﾑ┴'_.二二　jﾄ､＼
　 /／_;: -=:::::f／.::∠∠/_/ﾌ'/-‐'__二. 〃.:.:.:.:＼　　「やる夫」
　/／∠イ:__::::::::／rﾃfヽ　　/' 二´.j::l::|>′.:.:.:.:.:.:＼
　　-=二イ.r'y;ｲ| 　l:;rj　　　　 ft:j V∧＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
.　　　 /人/　v　　　　　　　､｀´　./　|:/＼::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　＿_ `ｰヘ　 U　　　　　 /　ﾚ'　　＼::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　＼`'＝=ﾆj＼　　'⌒　,∠_ 　　　　　ヽ:::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　＼.:.:.:.:.￣ﾌ｀:ｰr‐'´:::::::::＞　　　

622 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:56:43.04 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｨ:.:l:.:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:.:.:.:.:.:.:.:.:.∠_!/l:.:.:.:.:/ .!:.:.:.:.:.:.:.:.:.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:.:.:.:.:.:.:/て::lヽl:.:.;:ｲ-,=l:.:.:.:.:.:.:.:.ﾄ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,':.:.:.:.:.:.:ﾄ､　　/'"　.l `"'l:.:.:.:.:.:.:ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　l.l:.:.:.:.:､:＼　　　　 '　　ﾙ:.:.:/|:!　　　「貴様に頼みがある」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:l!:.:.:.:.:.:ト､:ヽ　‐- ､　 /!:.:.:.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　 lﾊ:!,､:.:.:ｌ、｀ヽ　｀　　//:.:.:.:li
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '´ ヽ;!. `　、　　　／:,:.:.:.!ﾊ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　　 ` ｰ .' lﾊ/ .Ｖ '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　　 ', 　　　.l

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／_ノ　ヽ､_＼
　ﾐ　ﾐ　ﾐ　　oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo　　　　　　ﾐ　ﾐ　ﾐ
/⌒)⌒)⌒. ::::::⌒（__人__）⌒:::＼　　　/⌒)⌒)⌒)　　「ぎゃははははは！
|　/　/　/　　　　　|r┬-|　　　 |　(⌒)/　/ / /／
|　:::::::::::(⌒)　　　　|　|　 |　　／　ゝ　　:::::::::::/　　　アレだけ閉じ込めておいて今さら頼みごとなんて虫が良すぎるお！」
|　　　　　ノ　　　　|　|　 |　　＼　　/　　）　　/
ヽ　　　　/　　　　　　`ー'´ 　　　ヽ /　　　　／
　|　　　　|　　 l||l　从人 l||l 　　　　 l||l 从人 l||l　　　バ
　ヽ　　　 -一''''''"～～｀`'ー--､　　　-一'''''''ー-､　ン
　　ヽ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　)　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒)) バ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ン

623 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:57:06.01 ID:bT/Zabko

　　　　　　.ﾄ　　　　　　　　
　　ヽ､i　/　.∠　　　
　　　 / y'_／　　　　
　.ゝ-+-::i⌒ヽ　　　　
　　.__／::| | 　i　　　　
　　/　/:| |　 i 　ブラーン　　　
　　　　i ::| |　 )　　　
　　　 /i ::し//　　　　　　
　　　　　::| (（　　　 / :.: /　　　　　　　　　　　 !　　　　　　:.:.',::.i　
　　　　　　　　　　 !::::.:.i:::: .:.　　　　　　　　:!::::: ::..　', :.:.::. i:::!
　　　　　　　　 !:::::. !::::: 　.:.:/:　 /: .:/　 : .:,':::､::::::::: ::',::::i::::!､:!
　　　　　　　　　　　　!::::. ',:::::: :::/!:::／!:::ｲ:. :.::::/:::∧::!､:::: ::!:::i:;'　ヽ
　　　　　　　　　　 !:::　 ',:::::/‐!ｲ-,,､<_i::.::::/i::/'=,,-!､!:::/:::/
　　　　　　　　　　　　 !::.:.　 V:.ヽ'`.-"'` .i::／ ' '´-"'´./:/／!　　　「……この先にある小船で、
　　　　　　　　　　!::::　　　 :.',　　　 /'　　　　　　/／::: :.!　　　　四郎と二人で脱出しろ」
　　　　　　　　　　　　　!::::　　 :. .:i 　　　　,i 　　 /::!::　 :.::!
　　　　　　　,..., . -‐:'ヽ: !::::.::.　:.:.::iヽ.　　､､.._..,. 　／:.!:i:: 　 ::!
　　　,.-:.':.´:.:ヽヽ: : : : : : !:::::::.　::::!ヽヽ､　￣　イ: : : : !:　　:iｰ-. ､ ,....、__
　,.:':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ',: : : : : :!:::i:::: ::::!ヽ `.! ､ニ´: : : :/: :.i:::　::i: : : : :/./:.:.:.:.`:...､
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ,: : : :_.:i::!:!:::::::!: : : ヽ: : : : : : r'´: : :i:: .::,': : : :.//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::'r ' ´: :!' : !:::::!: : : : !i: : : : : i !: : : :.!::::/:- ､_//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ

　　　　　＿
　　／´￣,.　-‐　　￣　　　‐　 _
　〈 (　／　　　　　　　　　　｀　､
　　 y'´　　｀丶、｀　　　　　　　、_ヽ
　.,.ｲ、　｀　、　ヽ.　｀　､　　　｀　､　＼｀
　　{　ﾊヽ丶　＼　　＼　　丶　　　＼｀ヽ
　　V　ﾄ､ヽ.＼　丶　　丶、　＼　ヽ .._ヽ
　　ヾヘﾒ＞,｀ ‐-i|｀丶､ヽ＼ヽ　､　＼｀　　　　「じいや！？」
　　　　　 ) ﾘﾉ　 u　　｀'ノ､　､ヽ､＼ゝ ._＼
　　　　〈　 ''"　　　　　　＼,ゝ､>ヽ! 　￣
　　　　＼つ　　　 _,.　-‐─‐-,
　　　　　｀ ‐-‐ｸ´　　　 _＿/
　　　　　　くヘｨ-‐_,ﾆ -‐-ﾍ

624 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:57:23.46 ID:bT/Zabko

.　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　 |　　　　　　　　　　 l　ヽ　　　|　　　 | | |
　　　　　　 l　　　　　 |　　　　 /,ハ　| 　　l | | |　| | |/
　　　　　 l　　　　　　 l　　//７/ ‐-Vヽ　//| | | ///
　　　　　 /l　　　　　　 l　j/l ' '､Tｯヽ　|/ｲj7////
　　　　　 /　|　　　　　　　 l　 l　　　　　/　',　|//'　　　「そして、その後のことは
　　　　 /　　ヽ　　　　　　 l　l　　　　　 ,冫l′　　　　四郎の気持ちに叶うとおりにしてやってくれ」
　　 , イ　　　　ヽ　　　　　ｌ l　　　　__ _　/ l
二二丶　　　ヽ　　　　　 N　　｀二´/　 l
　　　＼＼　　　　＼　　　　 |＼　　　　/　　 |
＼　　　＼＼　　　　ヽ　　　 |,//＞― ′　　|
＼＼　　　ヽヽ　　　ヽ　　 |/　　| 卜、　　 |

　　　　　　　　　　　　＿＿,
　　　　　　　　　　／／,,＿＿＿＿＿_
　　　　　　　　　　＼∨ ニニニ ,, __ ｀
　　　　　　　　／:::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::＼
　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::＼
　　 /::::::/::::,:::::::/i::::.:::::::::::::,;::::::::::＼;;:::::＼::::::::＼::＼
　　i::::::/::::/::::::/ |:::i´i:::iヽ::::＼ヽ::::::::＼;::::＼::::::::＼｀＼
　　|:::/|:::/:::::/i　|:::|　i:::i,　＼:::＼｀＼＼;;:＼ヾ:, ;:::ヽ
　　|:::i.|:::i::::::/|　.|:::|, 　＼ヽー-tヒX ｀ii´,ヽ. i;:::i　丶
　　i:/ .i::|::::/)--土、　　　／ﾌﾆ７'　 |　/ﾉ::| ヽi　　　　「じいや……」
　　.i|　ヽ::|ﾍヾｆ｀ﾋ_ﾝ　　　　 ´￣　　 .／|＼|　｀
　　 |　　 i::|　ﾍ　　　 ,　　　　　　　　 /i:::i
　　　　　｀i.　＼　　　　　　　　　　/|´i:|
　　　　　　　　　丶、　- 　　　／　|　｀
　　　　　　　　　　　_ ｀＞.､　／ -―┴-- 、
　　　　　　　　　　 i,￣|￣￣　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　 .|　 |　　　　　　　　　 /

625 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:57:47.71 ID:bT/Zabko

　　　　　|.:.:.|.:.:.:.:.|.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:/.:.,|.:.:.|.:.:.:.:.:.:.::.:.:.|.:.:.|､.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.ヽ.:.:.|.:...:.:.:.:.:|
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.　　　　　　ｿ　',.:.:ヽ.:|.:.:|ヽ|;:ﾗ"{ﾗ5ﾇﾐ｀､|　＼|　 "　!;;~;ﾉノ　i.:!.:.:./.:.:.:.:..:.:/　　「四郎、今日までよく堪えたわ。
　　　　　　　　　＼.:ヽ!.:.:!ヽ ~ヽ`､~;ﾉ｀　:::.　　　　　｀￣´　　i∧/.:.:.:.:.:.:.〈
　　　　　　　　　　〉.:.:＼!.:',　　｀￣　　 ::|　　　　　　　 i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i 　　　女であるあなたを
　　　　　　　　　　i.:.:.:.:.:.:.i:.:.l　　　　　　 ::::|　　　　　　　　　|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| 　　　無理やり男にさせ、
　　　　　　　　　　|.:.:.:.:.:.:.:!.:.ヽ　　　　::ヽ.　　　　　　　　i|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| 　　　一揆の頭領とさせたのは
.　　　　　　　　　　i.:.:.:.:.:.:..＼:.i､　　　　　　,._,...　　　　　 /|::|.:.:|.:.:.:.:.:.:|.:.| 　　　すべて今日のため。
　　　　　　　　　　|.:.:.:|.:.:.:.:.:｀'|:＼　　　-‐‐ -‐‐- 　　　 /::|::|.:.:|.:.:.:.:.:.:|.:.|
.　　　　　　　　　　 |.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ､　　｀￣´ 　　 ,／:::::|:i|.:.|:.:.:.:.:.:.:!.:.! 　　　　許せ。
　　　　　　　　　　　!.:.:.|.:.:.:.:.:.|.:.:.|.:.:.:!::＼　　　　　 ,／:::::　 :ﾘ|:.|.:.:.:.:.:.:.:!.:i＼　　　
　　　　　　　　_　　∧ .:|.:.:.:.:.:.|.:.:|:.／|:::::::ヽ､ __ ,／::::::: 　　::::|:i|.:.:.:.:.:./|:.i::::::ヽ＿　天草四郎はここで終わりだ」
　　　 r_ｭ-7´/｀7´:::::＼|､.:.:.:.:.|.:.|´:::::|::::::::::::::::::::::::　　　　　::::|!|.:.:.:.:./::|:.!:::::::::::＼
. ,. -'´ .／／／::::::::::::::::::i.:.:.:.:.∨:::／|::::::::::::::　　　　　　　 :::::::|.:.:.::/::::|:!:::::::::::::

626 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:58:19.08 ID:bT/Zabko

627 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:58:49.03 ID:bT/Zabko

　　l　:.'"::::/::::::::．:::::::::::::::／:::_／/::::::│::::."│ iｌ　 .ｌ.´｀´ﾞッ::::＼:　│
　ｌ　　::::::::l::::::::!゛::::::._ イﾞ::.,,<＿/::,／/::::::::::/:::/,!::::::.｝::ヽ:::､:::　::ｌ:　:|
　 |　　::::::::!::::::!::::::./　/,∠___7ンﾆ=t'::::::::::/:::/ |:::::/j::　:!::::ｌ::│:::!　:l
　/　:::::::::ヽ::!:::::::/　｀‐'"ﾌﾞojﾞﾍﾐ　 /:::::／/::ｲﾐ=!::/, !　:l'::::/:::l::::::i!::/
../::::.,i′:::::::ｌ| ,/l 　　゛ゝ-'ﾞz　ﾞ /／"゛ｼ,ﾆﾐﾋ"｀'l::::./::::/::./　::,i'|/
/::/::{:::::::::::::::!′::!　　　　　　ﾞ　　　'ｆ'{',?ﾞj ｀' /::,il／::_i"::,./
ﾚｌ::/::、::::::::::::::　::|　　　　　　　　　i 　｀~`　/::::::_r-'゛|／
　 /::::/::::::::、:::　:::|　　　　　　　　　　ｌ　　　　 /" ／　　「影武者（ぎたい）を用意しておいた。
　l::::::|:::::::::,{!::::　::,"　　　　　　　-'"　　　　/'" |　　　　しばらくは行方を暗ませられるだろう。
　!:::::::!::::::|::ｌ,::::/ヽ　　　　　"'''-､;;;;　　　　　/ ,!:: i !
　!::::/::::::.|::::/ ! 　ヽ　　　　'''ー　　　　／:::ｌ:　:| |　　　　残りの人生、
　,ゝ│::::::! i::::| 　　＼　　　　　　　／:::::::::/　:! |　　　辛いこともあるだろうが、
ｲ　ｌ/::::::::ﾚ |│ 　　　＼　　 _, -ﾒﾞi::::::::::　:l:　i! !
│ 　 | :::::::::::|i|　　、　　　｀'''''ﾞ゛‐/::::::l:::::::::::ﾊ"::::|/　　　立派に生きなさい」
　　　ヽ:::::::::::! 　　ｌ　　　　 /::::::::ｌ::::::ｌ::　　::/!
　　　ｌ＼::::::l　　ヽ　　　　 /＼:::::::ヽ、 !　 /　　　　　そういって宗意軒は別れを告げた。
　　　　ゝ　ヽ::ｌ..,,、　　　　　 l゛　＼::::` ! l:::::i ＼
　　　　ｌ　　ｌ..!　　｀^'''ｰ､.　　　　__,,,,,ﾞ;;､ｌ::|:::!l、　｀､、
　 _,,,,,...../ 　 : ｌ　　　　　　 ´　　　　｀'|:::! ヽ　＼＼

628 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:59:06.56 ID:bT/Zabko

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::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　ii ,,　　,,,ii　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ二二二二二ノ));;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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629 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:59:25.43 ID:bT/Zabko

　　　　ヾ:（:!　_,..:':"´:.:.:.:.｀ヽ､
　　　　　　｀>:':.:.:.:.:.:.:.:.:.:､:.:.:.:､:.ヽ、
　　　　　 ./:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:ヽ､:.:.:ヽ:.ヽ、
　　　　　 l:.i:.:!:lヾ,ｨ､ヽ:.:.i､:.:iヽ､:.lヾ!`
　　　　　 !:ﾊヾl/ｫ‐､ヽ!:.:!ヽ:.:.:.:｀ヽ　　　　　　　　「…やる夫、大丈夫？」
　　　　　 .ﾘ　ノ .!ｿ　　ﾘ -':.:.:.､ゞ｀`
　　　　　　　,>､ _　　　　　ﾘｰ--､＿
　　　　　 /!　/ヽ､　／　　　　　　i:::::l￣｀ヽ、
　　　　　/ i　/　　 l´l:｀lヽ　　　　　l:::::l　　　ヽ
　　　　/:/　/　　　 l l::::l　　　　　　 !:::::i　　　 !

　　　　　　　　　　　　　／＼:::::::::／＼.
　　　　　　　　　　　／:::<◎>:::<◎>:::＼
　　　　　　　　　／::::::::⌒（__人__）⌒::::::＼「ゆ、ゆれるお……、気持ち悪…」
　　　　　　　　　 |　　　　　｀ー'´　　u 　　|
　　　　　　　　　＼　　u 　　:::::　　　　　／
　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／⌒　　⌒＼　　
　　　　　／（￣）　（＿）＼　　　　　　
　　　　／::::::⌒（__人__）⌒:::: ＼　　　　
　　　　|　　　ゝ'ﾟ　　　　　≦　三　ﾟ｡　ﾟ　
　　　　＼　｡≧　　　　　　　三　＝=-
　　　　　　　 -ｧ,　　　　　　　　≧=-　。
　　　　　　　ｲﾚ,､　　　　　　　＞三　　｡ﾟ　･　ﾟ
　　　　　　　 ≦｀Vヾ　　　　　　　ヾ　≧
　　　　　　　｡ﾟ　/｡･ｲﾊ､､　　　　｀ミ　｡ﾟ　｡

630 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:59:42.24 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｨ　 __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //ｲ／´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ { /＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒｀´　　｀　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 '　　 ,　　　_ 　　＼
　　　　　　　　　　,. ‐- ､　　　 / 　　 '　 ! 、　｀＼　　　,
　　　　　　　　 /　 j､ノ　　　 , 　　 /{ﾍト､ヽ,＞､ヽ　　'
　　　　　　 /　 ,ﾑ'　　　　 i　/　/＞､｀　 ´ｨriぃ Yﾍ､ﾉ
　　　　　 _}＞￢'´ヽ}　　　 |,ハﾊ{( {り　　じ' '　,ノﾊ′
　　　　　｛ { ､_,＞'ーｲ　　　 Vﾍ{N、　　　'　　　　ﾊ,ゝ!　　「ああ！？ボクが漕ぐのを替わるから、ほら！」
　　　　　　｝|_」 0　＿」、　　　　　＼　 {￣ﾉ　／"′
　　　　｀¨´「￣ i 　〈　　　　　　｀　,二イﾚﾍ　　　　二人を乗せた舟はそのまま沖へと向かって進んでいった。
　　　　　　　　 !　　 !　　}　　　　　　　ｒ-〈ｿ-‐彡イ,ゝ、
　　　　　　 !　　 ',　├-‐──‐-yﾍ::.;'::.:7´　／.:.:_.＼

631 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 21:59:57.16 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　／:._/:.:..:..:/:.:.:.:.:.:.:,:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ、
　　　　　　　　　 "7´/:.:.:.:./:.:./:.:.:,.ｲ:.／!:.:.;.:ﾄ:.:.:.:.:.:..i
　　　　　　　 /イ/:.:.:/ｲ:./:., ナ_ｰ-/:./l/__i_:!:.:.!:.l
　　　　　　　　　　ﾚ!:.:.:.:ﾊ:/l:./´f::::l `〃　,ｫ=､!:l:.:.l:.:!
　　　　　　　　　　　l:.;ｲ:.:.v ﾚl.　ゞ''　　　ﾋ:ｿﾘ:.:/l/　
　　　　　　　　　　　" l／　`-､ """　　 ` "" !ﾙ'　
　　　　　　　　　　　＿l ヽ、　ｰｰ　　ノ r､
　　　　　　　　　　　　　　/: : :｀`:.`ｰｧ-＜´　 .! ∨ / /-、
　　　　　　　　　　　 /: ´l￣:フ"´: :_; :-=ゝ, l　｀ヽ/ / .〉　　　ふと、振り返る。
　　　　　　　　　　　　/: : : i: : : : : :/´:::::::::::l/　.!　　'ｰ'ｰ/
　　　　　　　　　　　/: : : : !: : : : : :l::::::::::::::;ｲ　ﾄ､_　／
　　　　　　　　　　　ヽ: : : :! : : : ヽL:_::::::::/: !　/: : : `/
　　　　　　　　　　　　i: : : !: : : : :/ 　｀ｿ : ! / : : : :/
　　　　　　　　　　 !: : :l: : : : /　　　/ : /vﾐ＝=:/
　　　　　　　　　　　　i: : : :! : : /　　　/: / / 　　 /

632 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:00:22.32 ID:bT/Zabko

.　　　　　　　　　　　γ　⌒　⌒ ｀ヘ
　　　　　　　イ,,,,　"" 　⌒　　ヾ　ヾ
　　　　　/゛゛゛(　　　⌒　　　. . ,,　ヽ,,'' ..ノ　）ヽ
　　　　(　　　、、　　　、　’'',　　　. . ノ　　ヾ　）
　.................ゞ　(.　　　　.　　.,,,゛゛゛゛ノ.　.ノ　) ,,.ノ...........　........
　:::::::::::::::::::::（　ノ( ^ゝ、、ゝ..,,,,, ,'ソノ　) .ソ::::::::::::::.......::::::
:::::::::::::::::::.:::::（、;''Y ,,ノ.ノ ,,,^ ^,,,;;;ノ）::::::::::::..::::::::
　　. . . . :::::::::::::.（'''yノ　（''、,,,ノ）ノ ::::::::::,,,,,:
　　,, . . . . . ::::::::::::(　（　,,,人、..ツ. ノ） ::::
　　. . . ,,,,, . . .:::::::::::::'''(, イ")'"´ノ;; :::::　　
　　　　　　　　　　　　　　（,r:'"／＼｀':.､　　　　　　　　　　　　（ﾞﾞﾞﾞゞ
.　　　　　　　　　､_____,､.‐',,､_'___n,n__`_､,,`-､,_____､　　　　（⌒.;.;
.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ﾞl､,!_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l,!､lﾞ;:;:;:;:;:（;:;:;:;:;:;:;:;:;:
　　　　　　　　　 |:::::::::::::::::::::::::::::n::::::::::::::::::::::::::::::|,　　（　　　　ソ　;:;:;:;:;:ノ.;.;.;.;.;ノ
　　　　　　　　　　';王王王王王八王王王王王ﾖ　;:;:;:;:ソ　ノ　;:;:;:;:丿ｿ　　丿;:;:
　　　　　　　　　　］*;;r--.､;*r;"へ｀':.*;;､--.､*;［,　;:;:;:;:,::, ノ, ,.;.;.;.;,ﾉ.;
　　　　　　　 _､,,,,,f'''*;;;＾r:'",r'"' へ:'｀' ､`':､＾;;;*､L,,,,,.､　:::::::丿　丿
　　　　　　　ﾞ､=┴'ｧﾞ'"r'"´.从_）从　）.:..｀'-､`'=t┴=',ﾞ彡ﾉ　¨¨
　　　　　　　　ﾞr:''",r'"..:.:.:.:.:炎:人人　lｺ.:.:.:.:.:..｀';;,､` ‐!、丿
　　　　ゞｪｪtｴﾞ┼┬i┬┬┬┬rﾊ┬┬┬┬i┬┼┬t'ｪｪﾌﾞ
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　　　　「;､.|　 .冂冂　　冂l:''"..へ｀' .l,冂　　冂冂　 .|.. .|Ti
ゝ,､,,,,､､!‐''"┬┬┬┬;､‐'":'"::: ヘ:::`:.､`‐､┬┬┬┬┬`ｰf-､､ｨ,
ｿ;ﾞ､ﾆ┴┴┴┴┴ァ'"ｒ:'´｡ ......::..　.:....... ｡'‐､`'t┴┴┴┴┴＝ﾞ7
′‘ ‘ ・．　’、′‘ ・Σ（　（（　　　⌒　⌒　）　）　　　）ζ′‘:　；　゜+°′
‘ ・．　’、′Σ（　（　（　　）　））　　）ζ Σ（　（　（　　）　））　　）ζ へγ．
．　’・．．　’・．从人 ‘ ・．　’、′‘ ・．　’、人人　’、人人　’、′‘ ・．ζ
　　　＼ γ 　 γへ从　⌒从へへ从・．　’、）　・．　’、′））　⌒　　）　） ”；　’、
　　　ヽ　 γ　((　人　　　））　　λ　λ 　）　（（　（　（　　（（　））Ｍ
　ヽ　Σ（　（（　　　⌒　⌒　）　　_）＼_)＼　　人　　从　（　ｿ从へへ从／
　　＼　　Σ（　⌒（　⌒　）　　ﾉつ>　）　）从_）从　）　））从へ从へγ　／

先ほどまでいた原城の天守閣が燃え上がっていた。

633 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:00:43.73 ID:bT/Zabko

あの中には、顔見知りの浪人たち……

　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 l　l　,,､,_｀､　‐　l
　　　　　　　　　　　　　　　　,|　　ｨｧﾗ`i r辷. |
　　　　　　　　　　　　　　　 l`l ､　　　 /　l｀´ {､
　　　　　　　　　　　　　　　 l 'ｊ　!　 /｀＾' ﾞ'､　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　｀|　｀ﾆ =＝ｧ｝/!　　　　　　　 __　　　／>
　　　　　　　　　　　　　　　 _､|ゝ､ｰ　　｀´/　　　　　　　ヽ｀ｰ､／／
　　　　　　　　　　　＿＿r'´＼　　｀　ーァ'　　　　　　　　／＼:::::<　　　　　　　＿
　　　　　　　 ,､ '"´　　　 |　　ヽ　 |　　 /､　　　　　　／　／　　'<　　　　　／--､:::::ヽ
　　　　　　 /　　　　:　 :　|＿＿＼｀　 /l　ヽ, 　　／　／　　　ノ　　　　ﾉ,_,,.,､（:::::::ﾞ,
　　　　　 / /　　　　: .:::|　　／　＼　∧＿|＼／　／　　／/　　　　　　}'_､｀　 _｀ﾚ‐|
　　　　　{ /　　　　　::::::|:　　｀ヽ､＿ヽ|　〉／　／　　　／／　　　　　　ヽ=､　/　r.ﾂ
　　　　　|　　､::::::;i::::::::::|::　　　　　　 `'|　／　／　　　／／　　　　　　　　　 |´ ,.､ - ' _〉､_
　　　　　/　　　ヽ:::::;::::::,:::　 /　　　　　／　／　,.r ' ´,.r〈　　　　　　　　　　　｀ﾞl　　/´ /　 /
　　　　 ,'　　　,.::'´::::､::::|:::::/　　r＾ヽ／　／／´ー‐ ､Y'|　　　　　　　　　　　　　ｊ__/>''´　/
　　　 !　　/::::::::::::/.::|:::´　　　〉　／　 / ´　ー--､}ヾ,　　　　　　　　　　 ,r'´　`´ｿ　　|
　　　　| ::::＿｀二´､＿|: 　　　 |〉　´　　/　　　　ｰ-､｝　ヽ　　　　　　　r／ /´ﾄ,　r| 　　|/
　　　　＜_|　　　　　　|ﾉ　　__,./-‐ '"´/　　　　 ,.--､ｊ　　　〉　　　　　　|　__| | l ヾ }　　/
　　　　　 |　　,､ -‐┘''"´　　　　　　　　　／　　＼／´ヾ_,-､ _　　　|/ ﾆヽ　　 l､|　 `l ､
　　　　　 | ／　　　　　　　　　　　　,､-一i´　＼　／　 ,r､´ ﾍ〉〉､ ,r'ヽﾆﾆ}＼　 `'ｰ-ゝ

634 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 22:00:55.57 ID:R7lONHEo

モトコォォォォッッッ！！！

635 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:01:01.92 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _r_フ1
　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｒ‐' ´!7、__
　　　　　　　　　　　　　　　　 _　-‐,ﾘ　 / /´　｀　、
　　　　　　　　　　　　　／　　（{　 ,' /　 '´ 　、ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　 j}　:!/　,'　　 j､ ', ｉ|
　　　　　　　　　　　　　 '　　　　｛,!　j{　 '　　ィT　!'ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　＼{j　!　 /ﾉ jｲﾉ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､Y -‐'｀ヽ　　　自分を慕ってくれた子……
　　　　　　　　　　　　　　　,　　　　,　　　,　　ﾍ ''"　 _,!
　　　　　　　　　　　　　 '　　　　 ,　　 ' 　 ',ﾍ　　 /
　　　　　　　　　　　　＼　　 ,ゝ- ､', 　､ヽ-ｲ
　　　　　　　　　　　　　 _　 -‐─ｧ'´_ __　ﾊ',　　＼ﾊ
　　　　　　　　　　　　｛ ,＞ ‐-‐ '´　　｀{ jﾍゝ－-ヽ
　　　　　　　　　　 j,ﾘ　　　　　　　｀ト､＞
　　　　　　　　　　　　/ｲ!　　　　　　　　ﾉ　）
　　　　　　　　　　〈 jﾉヘ　　　　　　　 /{,.ｲ　〈

636 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:01:18.69 ID:bT/Zabko

　　　　　　 ,ｲ
　　　　　 {　/::|　　　　　 ,,　-....――........、_　　　　　.......- ― -...,, _
　　　　　ヽ:{:::;!z_　_＞'"::::::::::::::::::::::::::::::::::＼＼_／:::;::::::::::::::::::::::::::::..ヽ　　　　　　N
　　　　ィ⌒ヽ(;;;　）⌒ヽヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ Y:／::::::::::::::::::::::::::::}:::::: - 、　　ヽ}::ヽ
　　　 /::::／,ｲ⌒Y、:/´⌒ヽ::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::Ｙ´:::::::::::::::::::::::::::;:::::FミxﾆミＹ⌒Ｙｿ::::::）
.　　 /／　 {{ ゞ-'::::/　　　　ヽ::::ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ!::::::::::::::::::::::::／:::::ﾉ.　　 Yﾆゝ _ｽ-＜
　　〃　　　　　ﾄ.、{　 ,,ｨ＝ミ　＼ﾄ、:::ﾄ.、:::::::::::ﾘ:::::::::::,ｲ/／/::／-- 、　 }彡（;;　）ヽ::ヽ
　　　　　　　　 |ヽ::{ 〃　　__　　｀＼{　＼::::::::i:::::::／〃／´　　　　 ',　 }彡'｀¨´ }::}ヽ:i
　　　　　　 !:::N.　　,ｲんﾊ　　　　,ィ⌒ヾヽﾉ ≠≡ミ、　　 r≠ミ、　 r'ヅ　　　リ　ﾘ
　　　　　　　　　ヽ;rヽ　圦ゝrﾘ　　　　　　　　 |　　　　　　　　 {::J:;;ﾊ　/彳　　　　　　　無邪気な子供たちがいるはずである。
　　　　　　　ヽ「ﾊ　｀¨´ 　　'　ノ　　　小　　（ヽ _ '　　ゝ-''　'r'ヽ:!
　　　　　　　　　　　}:;＞、　　　｀￣　　　／:从ヽ　｀　＿ﾌ　　　 /_ン:|
　　　　　　　　　　　/!/!::::＞―ｧ‐ｧ― ＜ｲ￣ヽ,r‐く＞　＿　,, ... イ::::::::N
　　　　　　　　　　　　　!/ ヽ／ッｲ　〃　　　　:!　　ヽx_ K}:从/!:::／ﾘ/
　　　　　　　　　　　　　 r'"　〃｀　〃　　　　　i　　　ヾ｀　ヾ}⌒ヽ

637 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:01:59.33 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　//:::::::／: ::／:::/.:::::.....　　.　＼　＼　　... ﾍ
　　　　　　　 //::／:　 .:/::::::/:::::::......　　....　　 `､　ヽ　　.....',
.　　　　　　 //::/:::　 .::/:::::/:::::::: !.....　{　.....　　....!...　 `､　　..',
　　　　　　//:::,'::::　.::/:::::/,'::::::::::i.......　!　......　　..|.... .　 ',　　...i
　　　　　 ,' }..::}:::::　::,':::::/ ﾘ::::::/ |,.....　{､`,......　　i....... ..　',　　',.',
　　　　　 | i..::!::::　:::}:::::,'/ }::::∧ |ﾍ....　!ﾍ!'､...　　!........ ..　i　　i...!
　　　　　 | |..,',:::!..::::|:::::ト-|::::廴',i ',ヽ.. |　 __ﾄ､込､ .... ..　i 　 {!.|
　　　　　 | |.:|ﾄ::|..::::!::::汀弐仆ﾐ､! ', ヾ{　´≠,=心､}...... ..　|　ﾊ.!
　　　　　 ',ﾍi|:､:i.::::ｨ:_!{ kぇｨV　　　　　　仟,壬:} l〉!.... .　ﾊ　,}/　　　「やっぱ、だめだよ……」
　　　　　　　|{:!',|::::､!}`rゝ- ´　　　　　　　弋__ﾂ.　/ !.... / }/,'´
　　　　　／...',..',::::{:|}　! ',ﾟ:::: 　　　,　　　　::::。:::::/_,y... ,' ﾉ
.　　　／ .............,ヾ!} i　!　t.　　　　　　　　　　　/´|::i.../´ ＼
　　／.......＼／　 /| '　}　ゝ､,　　-　　　　 ,./ |/|/|,'－､_　＼
　/ .............／＼／', ､丶ヽ　　　＼　　　　,イ:/　 i　i. `　､　＼　＼
. {｀` ､-／　／` ......＼　　　　　　　ャ'..:´..／　　//　　　　＼,　ﾍ　`､
　!. .（　＼ﾄ´...........､　 /＼__　　　　　}斗´　　　/ﾄ､　　　　　　ﾍ　',　 }
　',... . ヽ(　＼...........',/::::::r-}二二_　,'　　　　／/　＼　　　　　　',　',/

638 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:02:41.94 ID:bT/Zabko

639 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:03:24.81 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　 /.,〃 _ 二ニ=-
　　　　　　　　　,...-‐:.'!:l/／ｰ-..､
　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.`':.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ、
　　　　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　 ./:./:/:.:..:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､:.:.:.:.:.ヽ
　　　　 !:/:./:.:.〃:/l:.ﾊ:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:i
　　　　 .!:i.:.l -､.l:/　l:.l .!.:l､:.!:.:.l:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.!「たのみがあるんだ……」
　　　　　ﾚﾊ:/ ｫﾐ　ヾｰヽ!--､ !:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:l
　　　　　 !.ヽ! ﾋｿ　　　ｨ= ､　 !!:.:.j:.:.:.:.:.:i
　　　　　　　 l "", 　　 .ﾋソ　.ﾘ!:.ﾊ:.:.:.ﾙ'
　　　　　　　ヽ、 ,　　　"""　.,ｲﾚノレ"
　　 .r '二)､　　ヽ｀　　　 _ . ' ヽ.／: :｀`ヽ、
　　 l　　￣┐　　　￣ .!　　　 / : : : : : : :ヽ
　　.j　　 .iﾝ　　., - '"〃!　　〃: :/: : : : : _:.ヽ
　　l　　 _/　 .／: : : :《　　／: : : i: : ,. - ´ |ヽ!
　　l　　.i　　く : : , ､: : ﾞ: " : : : : :ヽ/　　　.l:::/

　　　　　　／　　　　　＼！？？
　　　　　／　　u　　ノ　　＼
　　　　／　　　　 u （●）　　＼　　「お？」
　　　　|　　　　　　　　（__人__）|
　　　＼　　　　u　　　.｀ ⌒／
　　　　ノ　　　　　　　　　　　＼

640 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:04:08.43 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　/-_.ニ=-
　　　　　　　　　　　　　　　　,. -‐ﾍ.{/ ‐-　、
　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　 ,　　　　　　　　　　丶
　　　　　　　　　　 /　　 ,　/ ,.､、＼　　　 ,
　　　　　　　　　　　　 ,　/,　/ / ｨ,ハ＼ _>､ヽ　､i
　　　　　　　　　　　 i　/ /l７メﾘ　　'´ ＞x＼ﾍﾘ
　　　　　　　　　 Vﾊﾊ f´'り　　 ´{ りｿ.ﾉﾉﾊ!
　　　　　　　　　　　｀'ヽ!　　　 ,　　　　 !ﾘ'
　　　　　　　　　　　　　　丶　　ー－　　／　　　　　　　　「ボクをぱらいそへおくってほしい」
　　　　　　　　　　　　　　ｆ＞ ..___,. イﾍ
　　　　　　　　　　　　　 __,ゝ.」__,,__　イﾉ
　　　　　　　　　／´￣　／丶.i! _,. く｀ ‐　_
　　　　　　　　　　／　　　 ,..:'..:..:..:..:.i|.:..:..:..:｀:..､　｀ヽ
　　　　　　／　　　 /..:..:..:..:..:..:i|.:..:..:..:..:..:.:.ヽ　　}
.　　　　　／　　　　　 _!:..:..:..:..:..:..:ｉ|:.:..:..:..:..:..:..:.:.!　 {
　　　　／'/ 　　 ,.　 ´ !二ニニﾆｉ|ﾆニニニ二'　　|
　　　　/ //　　／　　　 !.ﾆﾆニ二ｉ|二ニニﾆﾆ,'　　 !
　　　｛｛:.ヽ　く　　　　　 !ー--- ‐ｉ|‐ --－ -/　　 |

641 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:05:33.61 ID:bT/Zabko

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. ｀"''｀~"''''ｰ-‐ｰ-､,､.,,.、‐-　　　_　　...　　............　.........　......　...　........　...... ...
　　　　　.......................i　.｀⌒´"'^'ｰ-‐､,　ｰ -　　_　.:::::::::　::::::.. ..:. .:::::.:.:: .::..: ::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　´｀"'"''ｰ'ｰ-､,.｀　ｰ - _ ::...:::::::::::..::::::..::
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　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　｀'～､、.::

沖から陸へ舟先をもどした二人は、浜辺にいた。

642 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:05:54.73 ID:bT/Zabko

　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　　　　＼
　　　　／　＼ ,　, ／　＼
　　／　　（●）　（●）　＼
　　 |　　　　（__人__）　　　　|「……本当に本気かお？」
　　＼　　　　` ⌒ ´　　　／
　　　｜　　　　　　　　　　｜
　　　｜|　　　　　　　 /　｜
　
　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:／:.;ｨ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　 /　,.ｨ:.:.,r‐y:.:.:.:.:.:フ ‐- ､/:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　 ./／./:.:.:! /:.／r‐,-,..､　 /:..:.〃:/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l
　　　　　 !:.;ｲ:! lイ　 /ｰ':::::〉/／ /ｲ　lヽ/!:.:.:.:l:.:.:l
　　　　　 l:./ !:.`ｰ､　　ヽ､:ノ　　　　, = ﾚ_ ヽ:.:.:.i:.:.i　　　　「うん」
　　　　　　　 !:.:ﾊ:.ﾊ　　　　　　　 /-':/ .//:.:.:/:./
　　　　　　　 ∨r- ﾉヽ　　　　　'　`ｰ' ,/ｲ:.:.,.ｲ:/　
　　,r'"´￣＼ /r､｀ヾヽ、` - 　　_.ノ /／〃　　
　./: : : :r'"￣　＼ `!　　 lヽ‐=、´　　　　　

643 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:06:13.70 ID:bT/Zabko

.　　　　／: / ／/⌒
　　　　 {.:.:./ /: /　,r======ｘ
.　　　＼ヽ{:./／: : : : : : : : : : ｀　．
　　　　／｀┘´: : : : : : : : : : : : : : : : ＼
.　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .',
　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
.　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : : : : :＼
　　i: : : : : : :/: i:.:.|: ヽ: : : : :. :.i: : ､: :＼: : : ﾄ､;≧=‐
　 /,: :/: :/:/: /|: :ﾄ､: :.＼:.:. :.:.|: ＼＼ヽ}:.:.:.＼　　　　　四郎は海に向かって正座をした。
. /ｲ /: : :V＼{ |: :l　＼: :{＼.斗､: : ヽﾄ､}: : :＼＼　　　「切支丹のボクは自害ができない。だから、介錯をおねがい」
/' .|:{: : : /=ミｘ､ヽ{　　ﾍ孑==ｷz.＼:.', 〉}:.:.:.lヽ}⌒ヽ
　从: : :ﾊ了ｈx､　＼　f千示了　 }ﾍ} /{＼|　　　　　　
　　　＼{ }∧',寸}　　　ヽ込ﾋｿ　,ﾊ''´＼ﾄ-
　　　　｀ﾉ　}｀¨´､　　　　　　／　ヽ}⌒ヽ: : 　　　
　　　　　｀　．　 ‐-　　／　　 i: : : : : :ﾊV '´　　　　
　　　　　　　＞‐-‐''´ |ヽ､　　 l: : : : :.ﾊV {.　　　　　　
.　　　　　　　 /　 Vﾊ: : :.ﾄ､　　//: : :. :.ﾊV　i　　　　　
　　　　　　　ヽ　 Vﾊ: : |＿＿/: : : :.∧V 　＼　　

644 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:06:35.03 ID:bT/Zabko

やる夫はとまどっていた。
やる夫に人を斬った経験などない。
　　　　　　　　　　 _-─―─- ､._
　　　　　　　　 ,-"´ 　　　　　　＼
　　　　　　　　/ 　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　 / 　　　　　　＿／::::::＼_ヽ
　　　　　　　|　　　　　　　　　::::::::::::::　ヽ
　　　　　　l　　u　　　（　●)::::::::::( ●)　　（じーちゃん……）
　　　　　　　` ､　　　　　　　（__人_）　 /
　　　　　　　　　`ｰ,､_　　　　　　　　／
　　　　　　　　　／　　`''ｰ─‐─''"´＼

645 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 22:06:47.26 ID:Zdxhwqgo

ああ……

646 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:06:54.12 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　／￣＼
　　　　　　　　　|　　　　|
　　　　　　　　　＼＿／
　　　　　　　　　＿_|_＿_
　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　／　─　　 ─　＼
　　　　　／　 <ー> 　<ー>　＼
　　　　　|　 ::::::　（__人__）　 ::::::　|　　「最近は、介錯というと、うまく断ることが利口者とされる時代になったのう」
　　　　＼.　　　　`ー'´　　　／ヽ
　　　　　　（ヽ、　　　　　　/￣）　　|
　　　　　　 |　｀`ー――‐''|　　ヽ、. |
　　　　　　ゝ　ノ　　　　　ヽ　ノ　 |
　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　【やる夫の祖父　？？？？】

647 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/05/06(水) 22:07:28.18 ID:AU74Ygc0

これは・・・・

648 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:08:03.74 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　／￣＼
　　　　　　　　　　 |　　　　|
　　　　　　　　　　＼＿／
　　　　　　　　　ﾉＬ＿_|＿_
　　　　　　　　　⌒:::＼:::::／::＼
　　　　　　　　／　<●>::::<●>＼　　「しかし、介錯とは本来なら、そんなすくたれとも言える輩にやらせるものではない。
　　　　　　／　　　（__人__）　　＼
　　　　　　|　　　　　|::::::|　　　　　|　曲者なら、自分はこの人になら手にかかって死んでもいい、と思うものだ」
　　　　　　＼　　　 l;;;;;;l　　　／l!|
　　　　　　／　　　　　`ｰ'　　　＼ |i
　　　　　／　　　　　　　　　　ヽ !l　ヽi
　　　　（　　丶- 、　　　　　　しＥ　|
　　　　　　`ー､＿ﾉ　　　 ∑　l､Ｅﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚY^Ｖ^ヽ　ﾜｺﾞﾝｯ

　　　　　　　　　／￣＼
　　　　　　　　 |　　　　|
　　　　　　　　　＼＿／
　　　　　　　　＿＿|＿_
　　　　　　　／　::＼:::／::＼
　　　　　／　<●>::::::<●>＼
　　　　／　　　（__人__）　　＼
　　　 |　　　　 `Y⌒y'´　　　 |　「そして、そんな人物に自分が選ばれたことこそ、誉の高いことなのだよ」
　　　＼　　　ﾞー ′　　,／
　　　　 /⌒ヽ　　ー‐ 　　ｨヽ
　　　 / rｰ'ゝ　　　　　　　〆ヽ
　　　　/,ﾉヾ　,>　　　　　　ヾ_ノ,|
　　　　|　ヽ〆　　　　　　　　|´　|

649 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:08:32.06 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／　　　u　＼
　　　　　／　　＼　　／＼
　　　　／　し（○）　（○）＼「……」
　　　 |　∪　　（__人__）　 J |
　　　　＼　　u　　｀⌒´　　／

　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　　＼
　　／　　─　　 ─＼
　／　　（ー）　（ー）　＼
　|　　　　（__人__）　　 |「謹んでお受けいたしますお」
　＼　　　　｀ ⌒´　　／
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノﾞ-､.
:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜

650 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 22:08:39.28 ID:KUezvLso

こうして冒頭に繋がるのか('A`）

651 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:08:56.92 ID:bT/Zabko

　　　　　　　 i´¨｀i
　　　　　　　i <>:i
　　　　　　　i <>:i
　　　　　　　i <>:i
　　　　　　　i <>:i
　　　　　　　 i <>:i
　　　　／´i <彡ゝ
　　　／　　,i <彡,ｿ
　　　　　／`ｰ､,,__,ソ
　　　　　ｰ＝=二=＝ｰ
　　　　　　　　|::: : |＿__　　　　　　　　（聞書１０の１３７）
　　　　　　　　|::: : | 　　＼　　　　　『介錯のとき。刀ならば、相手のひざの一尺四、五寸ばかりの
　　　　　　　　|::: : | 　 _ノ　＼　　　　ところに向かって右足を踏み出すべし。
　　　　　　　　|::: : | 　（ー）　＼　　脇差なら一尺である。
　　　　　　　　|::: : |人__）　　　　|　　ひざの向きのとおりに踏みだすこと。
　　　　　　|!￣.i|⌒´　　　／　　刃の向きは垂直に、という心構えで打ち込むべきである。
　　　　　γ⌒`ｰー　　　　ﾍ　　　手元を下げて打つべし』
　　　　　ヽ,_＿,,_＿.＿.＿ノ
　　　　　　　 |! : :.i|

652 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:09:25.38 ID:bT/Zabko

　　　　 r "　　　　.r　　
　　　　：|::|　　　　 ::::|　:::i
　　　　：|::|:　　　.::::|　:::|：　　　カタカタカタ
　　　　：`.|:　　　.::::|　:::|_：
　　　　：.,':　　　.::（　　:::}：　　（手元が震えてるお……一発できめられるかお？）
　　　　：i　　　　　　`.-‐"

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r/　＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:/,r'´／￣｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾl〃:´￣:.:.:.｀`ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 !:.:.:!:.:.:./:.:.:.:.:.:.､:.:.ヽ:.:.:ヽ:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 i:.:.:.!:.:.:/:.:/!:.i､:.:ヽ:.:ヽ:.:.:.ヽ:.:.ヽ:.:.:.:.:.:「`
　　　　　　　　　　　　　　　 l:.:.:.i:.:.i, --､:.!ヽ:.:! '" 二`:.ヽ:.:.!:.:.:.:.:.:ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:.:.!:.:! ,ｨ=ﾐ.　ヾ!. ´ﾋ::ﾘ`　lﾊ:lヾ:.:.､!`　　「やる夫」
　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ:ﾊ:ﾄ. ヾｿ　　　　 ` "　　／､:ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 `　｀!、"　 '　　 ""　 ,ｨ｀ﾙヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､　ｰ‐'　／ l｀>､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,...-‐'/::｀:r-　"　　/:::::::>ｰ-..､

653 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:09:45.84 ID:bT/Zabko

　　　　　　＿＿＿
　　　　／　　　　　＼　,　　 """ /_ノ
　　　／:::::::::::::::: 　　　＼　　　ｲ/
　／::::::::::::::::　　　　　　＼イ´
　 |:::::::::::::::::::::::: 　　　　 │ !
　＼:::::::::::::::: 　　　　　／ _`ｰ-､ _
　　 |　:::::::::::::::　　　 |　iﾍ　" 　 ./:::/ ｀ヽ､_
　　 |　 :::::::::::::　　　ゝ__/　　　 i:::::!　 .r＜ヾ､

654 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:10:05.39 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／ ⌒　　⌒＼
　　　　　／　（◎）　（◎）＼
　　　　／　 ///（__人__）///＼
　　　 |　　 u. 　 `Y⌒y'´　　　 |
　　　＼　　　ﾞー ′　　,／
　　　　 /⌒ヽ　　ー‐ 　　ｨヽ
　　　 / rｰ'ゝ　　　　　　　〆ヽ
　　　　/,ﾉヾ　,>　　　　　　ヾ_ノ,|
　　　　|　ヽ〆　　　　　　　　|´　|

「な、な、な、なに？なに？なに？」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:/　／:.／￣　＿　　＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r-..､ _　l:.:.l　/:.:/ ,..-‐':´: : :l‐'´:.:.:.:.:._｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : : : : :`:＼ヽ!/／ : : : : : : : l:.／￣彡:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　,..-‐:':l : : : : : : : f :l: f: : : : : : : : : : :l ヽ、 .ミ:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　〈:.:.ミ´ l: : : : : : : : >-,ｰヽ: : : : : : : : /､:.:.:` ﾐ:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　＼:.ﾐ L:＿: : :／　/:.:.__:.ヽ､:＿_:_:/:.:..＼:.:.:.ヽ:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼r‐,､_ ／　／／　ﾉ : : : : : : ＼:.:.:.:ヽ:.:.:.l:.:.:!
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./ / ／ ).ィ／　／:.ヽ: : _ -‐￣、:ヽ:ヽ:.:.lヽ:l
　　　　　　　　　　　　　　　　__/　`'ゝイ｀ヽ´ ／__ヽ:.:.:!`´　　,, =､ヽ:.:.:!.ヽ:l
　　　　　　　　　　　　　　／　｀ヽ､　　ヽ ,r'´!´　　ヽ:.l　　ｲﾋ:::l l ＼:.l:.:.l:l
　　　　　　　　　　　　／　　　　 ,r‐＜:_:ヾ　,,r=＝　　,　　ｰ‐''　.ﾚヽ!:/ﾘ　　　「へへーん！いつぞやのお返しさ。やりぃ！」
　　　　　　　　　　　　 >ヽ、　　　 /-､　　　`ヽ、　　 ,.　-─┐　　ハ､／｀ヽ
　　　　　　　　　　　／: : : :ヽ､ .／: : └-.､_　　ヽ　ヽ、　丿 .／　　　　　 l
　　　　　　　　　／: : : : : ／`´: : : : : : : : : :）　　ヽ、　＿_ イ　　　　　　　/` ｰ-､
　　　　　　　　　!: : : : : ／￣｀: : : : : : : : : :f　　　　　!‐--ゝ,. -‐- ､　　　 /: : : : : : l

655 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:10:25.61 ID:bT/Zabko

　　　　　　ﾉＬ＿＿＿_
　　　　　　　⌒　＼　／＼
　　　　　　／　（○）　（○）＼
　　　　／　　　（__人__）　　＼　「なっ！？やる夫はいま真剣なんだから、茶化したら……」
　　　 |　　　　　|::::::|　　　　　|
　　　　＼　　　 l;;;;;;l　　　／l!| !
　　　　／　　　　　`ｰ'　　　＼ |i
　　　／　　　　　　　　　　ヽ !l　ヽi
　　（　　丶- 、　　　　　　しＥ　|そ　　ドンッ！！
　　　　`ー､＿ﾉ　　　 ∑　l､Ｅﾉ　<
　　　　　　　　　　　　　　　ﾚY^Ｖ^ヽｌ

656 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:10:39.03 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　:,:　　　　　　　　　　 :(::)
　　　　　　　　　　　　/⌒''⌒) :,,゜　　　　　 '　　　　　　　　 ,,,,,,,
　　　　　　　　　　　(:::::::::::::::!'　　　　　　　　　　　　　　　　 (::::::)
　　　　　　　　　　　ヽ::::::::';'''　　　　　　　　　　　　　　　　　''``　　。
　　　　　　　　　　 τ'::/ .;:
　　　　　　　　　　　 )/
　　　　　　　　　。　　　　　　　　　　　　'　　、　　　　　　　;:　。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`'''`~''・　　　　' `
　　　　　f''`⌒(　　　　　,,,,　　　　　　　　　　　　　　　!:(',,,,、　　　　　　　　　　　　　　::,,,,,、...
　　　　　,!,,,、(　　　　　/::τ　　　　　　　　　　　　　ノ:::::::::::::::::)　　　　　　　　　。　!::::::::::`!　、
　:.、　　　　　　　　　　!:::(　　　　　ﾉ::`!　　o　　　(::::::::::::::::::τ　　　　　　　　　　　　(:::,,;,;,、; 。
　　　　　　゜　　　　　(/　　　　　　⌒・　.　　・、;::::::::::::;;.;`` ''
　　　　　,,、..　　　／/　　　ノ'　　　　　　　　　/／'''`'`'` `　　　　　　 ..,,.. _,,,.、・　　　　　　　　　,, ...:・..
　　π /;::::::::(,.,.(;;;::::(　　 ,,.,　　・っ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;,;;( ):::::;.　　　　c::── '`'''::::::::::;''
　　　):::::::::::::::::::::::::::/　　'''''`　　　`　　　　　　　　'`　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒　` !.:::τ''　``
　τ　!::::::::::::::::::::::::::::)／,,,,,　γ　　　　　　　　　　　　　　 :'`'``:!
　　　(::::::::::::::::::::::::::::冫 `'`'　　　　、,:'::::::`:::,,,,　　　　　　　 !:::::ノ　　　　　　　　　・
　::：':'::::::::::::::::::::::::::::;(,,,,,,,、:::::::-ｰ''''`'`''''''''"
ザシュッ

657 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:11:07.17 ID:bT/Zabko

　　　　　　　 ∨r- ﾉヽ　　　　　'　`ｰ' ,/ｲ:.:.,.ｲ:/　　　
　　,r'"´￣＼ /r､｀ヾヽ、` - 　　_.ノ /／〃　　　
　./: : : :r'"￣　＼ `!　　 lヽ‐=、´　　　　　　　　
. /: : : : :!　､　　ヽ　　 l「　 .l_／:｀ヽ::、　　　　
. !: : : : : l　､ヽ　　　　＼.ヾ!　 > '"´ ヽ:ヽ　::　　　　;:::::::::::::::::::::::::
　!: : : : : :! 　ヾ, -──-｀.lﾋ´_　　 ./　ヽ:ヽ::　　　`' 〉'"　　　　〉::　四郎の腹部に深々と脇差が刺さった。
　ヽ : : : : l　　〈　　　＿＿ヾ　｀ヽ､l´　 .l: : !　　　'/l`ｰf´￣　 .l::
　ヽ: : : : :l　　 ! "´　　　　.ヾ-─-ヽ　ヽ: :i　　｀ .l､　〉─　.r::'　　「……悔いは、ないよ」
　　ヽ: : : : ヽ　　l_ -‐'" .` ｰ‐l !-- ､_ !　 .ヽ:ヽ　 _,ｲヽ `ｰ- /!::
　　 !: : : : : !　　i＿,　-‐-- ､l !＿　　.i　　ヽ:ヽ .l　!　`ｰ-‐' ﾉ::
　　　i: : : : : l　　 i　　　　　　 l !　　｀` !　　ヽ: :y'　ヽ＿ノ〉::
　　　ヽ: : : : :l　　l￣￣￣￣ l !￣｀ /　　 ∨　　　　　　./::
　　　　l: : : : : !　　ヽ　　　　　 !l　　　i　　　ノ　　　　　　 !

　　　　　＿＿＿_
　　　　／ノ　ヽ､_＼
　　　／（ ○）}liil{（○）＼
　／　　　（__人__）　　　＼　　「四郎っ……」
　 |　　　ヽ　|!!il|!|!l|　/　　　|
　＼　　　　|ｪｪｪｪ| 　　／

658 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:11:26.79 ID:bT/Zabko

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　.キッ！　　／　＼　　／＼
＿＿＿∧,､／　（○）　（○）　＼＿＿＿＿　　　　
￣￣￣`'`　|　　　　（__人__）　　　　|￣￣￣￣
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

659 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:12:00.53 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　,':.:.:;:;:;':.:;' '.　　　: 　: : : : : : :li　il: : :
　　　　　　　 ,'.:.;:;:;:;:;':;.' ,　.　　　 : 　 : : : : : :li　il: : :.
　　　　　　　,'.':.;::;:;:;':;.'　:,　 .　　　:　　: : : : :;li　il; : :.
　　　　　　 .'.:. .:.;:;:;;':;. :　.　　. 　　: . : : : : :.;li　il; : :
　　　　　　,' .: .::.;:;:;':;.'.　.　.;.　.　　　.: : : : : :.;li　il; : .
　　　　　　' . :;.; ;':;: ' o　　　　 . 　　. : : : : :.:;li　il;: :.
　　　　　 :o'. : .:;.:':;.　,.､　 .,. 　.　　. : : : ::.;li　il; : ::.
　　　　　　;　.　::;.:;　 `.'　｡　　　　　 : :　:.;li　il; : .
　　　　　　: . : .;. .,､ o　.:　: ,　.　.　　　　:.:;li　il;: :.
　　　　　　 :　.,. ;:`.' 　　: :　:.;. ﾟ　　　　 //￣￣`ﾊ
　　　　　　 :　': ;.　。　　,,､　,,,,　　　/´,'_,'-==-<` 、
　　　　　　　: .　.,.　　ﾟ o `;´:　: `ヽ.　l　ｿ-=ー- ､）ﾉ
　　　　　　.　:　. : : .　. 　 l:: :.　.　; .l　|l,:'"｀ー=-､）
　　　　　　　' :　.:　;.　.　. ゞ、._;;:_ﾉ　 |i　,;;;;;;ｯー-ィ､
　　　　　　　　: 　:　.　｡ o　.　　　.,:　 l' il::::r'.;‐==__゛ヽ
　　　　　　　　 : :　 : :　　:　.　.　:　: i,;::ﾊ;;r´ 　＿__ヾ｀i
　　　　　　　　　:　::　:　:　:　 :　:　　l :i;; ; ,ヒ￣　＿ ,` .l
　　　　　　　　　 :: . . .,. ,､　:　　:　 l　;::; 　ﾋ´￣　　　 l
　　　　　　　　　　 :　:　:　::　:　: 　 i　;::::;　|`=ﾆ=ｲ,;,;'　　ヽ
　　　　　　　　　　　: :　: : : : 　 : : |　;::::;　 |.　　　i:::::. 　　丶

　　　　　　　　　 i| 　　　|i　　　 ___＿＿
　　　　　　 i|　　　　　|i 　　／　　　　＼
　　　　　　 i|　　　　　 |i　　／＼､　,／゛　ﾉし
　　　　　　i| 　　　　 ,|i　 /,（〇）ヾ'（◯ ）) ⌒ ＼
　　　　　　i|　　　　　　,|i　 lﾞ⌒（__人__）⌒゛　　　|
.　　　　 i| 　　　　　|i. 　＼　｀ヾ/ 　　　　／　　　「だりゃあああああああああっ！！」
　　　　i|　　　　　　　　|i 　／⌒　　　　　　　　￣＼
　　　 i|　　　　　　　 |i　|　　　　　　　　 ,、　ヽ
　　　 i|　　　　　　　　　　|i ＼　＼　　　　　　　 || 　 │
　　　 i|　　　　　　　　　i|i ＼　＼　　　／　　／
. 　　 i| 　　　　　　　　　　i||,＼　＼　 i′ 　く　ヽ
　　　　i|i　　　　　　　　　　　／　　i|i＼　／]　　／　　|
　　　　 i|i.　　　　　　　/　　　／ i|(ノ／))￣ヽ　　＼
　　　　　 i|i　　　　　　　__|　.　　 | ／　,ゝ￣　　　ﾍ　　　 )
　　　　　 i|i.　　　　（＿＿＼＼　／　　　　　　 `ー‐'′
　　　　　　　i|i　　　　　　　　／　／
　　　　　　　　　i|i 　　＼＼　／
　　　　　　　　　　 i|i, 　／　／
　　　　　　　　　 i|i__／

660 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:12:27.84 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　〈￣l　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　/ｰ'　　ヽ、　　　　　ハ　　　　　　　__
　　　　　　　　　　　　　　ヽ、　 r'　　　　　ノ　 ! 　　　　　/　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 r‐' 　　￣ヽ／￣　　　!,. 　　　　!　　!
　　　　　　　　　　　　　 ,　　 =　ﾞ　ﾊ　　＿_ノ　　　 /　　　j
　　　　　　　　　　　　　〆　ヽ　 =　ﾞ　/　!　｀ヽ　　　 /　　　/
　　　　　　　　　　　／/　ヽ__　 = ⌒　　　　　_ノ　　　/　　ノ
　　　　　　　　　　ﾉ　/l｀￣　〈⌒/ /ヽ　ﾉ　　　　/　ノ
　　　　　　　　　　/　 iヽ-‐ヘヽr'_/　 |　|　　　　 /,､__!
　　　　　　　　　 ,i　　|i　　　　ヽ.j.　　 |　|　　　／ {
　　　　　　　　　,'　　|i　　　　　　　　|　|　_,.-､⌒
　　　　　　　　 i|　　 |i　　　　　　　　,ノ　l　{ 　｀!
　　　　　　　　i|　　　.|i　　　　　 ='ニ＿ノ　｀ー'
　　　　　　　　|　　　　.i、
　　　　　　　　ゝ　　　　 i、
　　　　　　　　.i|　　　　　ゝ
　　　　　　　　 .i|　　　　　　丶
　　　　　　　　　.i|　　　　　　　＼
　　　　　　　　　 .i|　　　　　　　丶
　　　　　　　　　　.i|　　　　　　　　丶丶、、,,
　　　　　　　　　　　i|　　　　　　　　　＼ゞ`
　　　　　　　　　　　　i|、　　　　　　　`＼　、、,
　　　　　　　　　　　　　ゝ　　　　　　　`丶`＼ゞ
　　　　　　　　　　　　　　　＼　　,.　　　ﾐ＼丶　`
　　　　　　　　　　　　　　　　　`;丶＼丶　　、`丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼

661 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:12:57.47 ID:bT/Zabko

　　　　　　ｆ⌒ﾌ　　　　　　　　　　
　　　　　　《"´　　　　　　　　　
　ノ⌒ヽ、 V´￣｀ヽ　　　　　
　｀ヽ._,ゝ)　|ﾄ､｀ヽ、}　　　　　
　　　　 `v/　`ｰ､ｿ　　　　　　
　　　＿_〃__　　 ′　　　　　　
　（´二二二｀）　　　　　　　　　　　
　　) ｰ -+--‐(　　　　　　　　　　　
　 /　　.:' ｌ!　 :.. ヽ.　　　　　　　　　　　
　ｉ　　 ::　l|　　:　　ｉ　　　　　　　　　
　|　　 ::　|ｌ　 :　　|　　　　　　　　　　　　　　
　|.. . . :: ..|| . . . .　.|　　　　　　　　　　　
　| ﾟ :...::....|!. . ..:...::..|　　　　　　　　　　　
　|　　 ::　ｉ! 　 :　　|　　　　　　　　　　　　　　　　
　|　　 ::　!! 　 :　　|　　　
　|　　 :: ﾟｉl　゜ :　　|　　
　|　　 ::゜|!゜　 :　　|
　|　　 :: ｉｌ　　 :　　|
　ｌ　.....::..!ｉ.........:　　| ゴト
　ヾ.　 ::″　゜.　ﾞヽ|
　　ヽ :＿＿＿__丿　　　　　　 /´⌒ゝ‐-､
　　　　　　　　　　. : .: (´⌒ゝ　（　レ'ﾌ　　ﾉｰ-､
　　　　　　　　　　　　｀｀´　　/⌒/´ｆ':::;:;｡'　　　}
　　　　　　　　　　　　. . .: : :{ 　 {_ノ-､ﾟ'”ゞ-＜
　　　　　　　　 . . : :{`ｰ-､ . : : :ヽ._ 〉-、 }"´　ﾉ　}　　r‐ ､
　　　　　　 . . : (⌒ヽヽ. 〉 . : : :::{　　〉‐-＜.._.ﾉ　_ノ　ﾉ
　　　　　　　　　: : ｀ｰ' ￣´　 . : ::::｀ーヘ.＿_ノ　　｀￣´

662 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:13:26.63 ID:bT/Zabko

　　　　　 _,,.､､､､､.,,_　　　　
　　　　／.:::::::::::::::::::..｀ヽ､　　　　
　　　/ .:::::::::::::::::::::::::::::::.　'､　　　『葉隠』には介錯のやり方について２種類紹介している。
　　　| :::::::::::::::::::::::::::::::::,ﾍ{ﾂ　　　
　　 | ::::::::::::::::::::::::,ｨｩﾉ　j　　　　ひとつは首の皮を少し残して斬る。
　　　|::::::::::::::::::::::（ |.!　　;{　　　　
　　　.|::::::::::::::::::rﾘ`l,〉　 j}ﾞ　　　　これは首実検のときに打ち落とした首が、
　　　 }:::::::::::::::ﾉﾞ　　l　　/　　　　　検使の方へ飛ばないように配慮するために行っていた。
　　　,xｧ''ｰ'ﾞ'`　　　 '､ /　　　　　
　　/ ｰ｀¨`''''ー-- ､｣ﾞ'′＿　　　　もう一つは頭ごと打ち落とすやり方である。
　''^ｰｧ､＿＿＿＿_　￣／　　
　 `>'､,　　　　　'''"´￣￣_二ヽ､　ベテランの介錯人の話によると、
　 /　　　　　　　　　　／　　　ヽ　地面を斬りつけるくらいに思っていれば、失敗はないという。
　,'　　　　　　　　, 　 /　　　　　　ﾞ､
　　　　　　　　　 l　/　　__　　　　 !　
　　　　　　　　　 l, l　　く,_　　､　　 |　　　　＿
　''''ー--_　　､､,,,_ﾘ　　　　｀ヽ､ヽ, ,!　　　　／　￣｀''ｰ'､
　　　　　￣｀¨`'''|!　　　 _,,..､二,,_,〉'_ー_／　　　　, ,､　　　`ヽ,
　　　　　　　　　　|!　　　'ｰ''"´　　'!　／　　　　　/ニ''''ー ---'-

663 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:14:26.11 ID:bT/Zabko

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　　　　　　　''　　'.': ;,::.　. 　..., ;)
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　... .. .::: :..:.:.::.:: :: ...:..:::::.. . .:: .::: . ....:: ::...:::.. ..::: ::::...: :. .:::.. . .. .:.:::... ..::.:::. ::::. : .:::. .::::::. .:::..: :. .. . .::: :: : .....:::. . .
.. .. . ...　.::::..　.　.　.::　:　:..　.　...　:::　:::..　... .. .. . ...　...　..::. .. .　..　.　..　.:::::　::　:.　...　.:::::　:...　.　.::::　..　. .
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... .. ..　.　.:.:.:.　. .:.　　:: .: ...　　　　... .. . .。. . .　　　　 .: .... 　　　..　. .: .... .. .. . . :. .:　.. 　　 .. .. . .:　..　　... .. .
　　　ﾟ　　　　　　　　　　　　　。　　　　　　　　　　　　　　　　　　。　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾟ
.: .: ... .. ..　　.:. :.. .. .. ..　.: .: ...　　. . :. :.: . .. .　 . 　　.　..　. . :. :.: . .. .　. .. ... .　. .　 .　. .:.:. . ...　. .。.. :..:　:.:. . .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾟ
　　　　　　　　　 ⊂♀⊇　　　　　　 . ...　　.　　. .. .　　 . 　. ....　 .: .... 　　 ...　　　: ..　　 .. .　　 . ...　. . .. . .
　　"〔ﾆﾆﾆﾆﾆﾆIIﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ,,〕゛
... 　　＼...::::::::: || ::::::::::::::...／　　.　..～　　　｡　　.:..　.　.. 　　　.. :. .:.　:.:.　　.. . :.。. .:　.～　.:.:　　.　: 　.: ..　.
　　～o　゜从　。　人　o从。.　～.. :. .:　.:.　:　.　.　:.　:.... .. ..　.: .　: ..　..　　.　.　　..::　:　::..　.　...　　 . .　..

..｡.. .　.　～　.　.　..　~～. .. .... ..　.～　　.. .. .:.:　　.. ..～　.:..　.。　.. 　　～　.:.　. .. 　　.. 　 .. ... .　～　　.　　.
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾟ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾟ
　.. :. .:　.:.　　.. :. .:　.:.　:　.　.　:.　:.... .. ..　.: .　: ..　..　　.　.　　..::　:　::..　.　...　　 . .　:　.　.　:.　:.... .. ..　.: .

やる夫は乗ってきた舟に四郎の亡骸をのせた。
舟底に脇差で穴をあけると、沖に向けて押し出した。
四郎を乗せた舟は、すこしずつ沈みながら、有明海へ消えていった。

664 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:15:01.40 ID:bT/Zabko

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　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　 | 　それをやる夫は、ただ無になって観ていた。
　　　　　　　　　　　　　　（　　　　　　　　　|　　
　　　　　　　　　　　＼　　　　　〃_／　　　人がくるまで、ずっと呆けていた。
　　　　　　　　　　　　　　　　 >'⌒￣￣､,＼
　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　/　　ｨ　　　,ﾉ'ヾヽ
　　　　　　　　　　　　　　 /　　/ヽ　　　　　 i
　　　　　　　　　　（　 /　）,　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　）　ﾉ　_,/　　　　､,,　 |
　　　　　　　　　 /⌒￣￣￣　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　l　､_　　　　　　　　 ,ﾉ　,/
　　　　　　　　　　|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|

665 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:15:16.18 ID:bT/Zabko

　ﾞ" 　"''"　 "ﾞ"　　ﾞ"/::ヽ＿＿＿＿ヽﾞ"
　ﾞ" ﾞ" 　" 　ﾞ"''　ﾞ" |ヽ/::　　　　　　ヽﾞ''"
ﾞ" 　ﾞ'"　 "ﾞ" 　ﾞ"　.|:: |::: 　　　　　　　 | ﾞ　"　　　
　ﾞ"　ﾞ　ﾞ"　　ﾞ"''　 |:: l:　　　　　　.　　| 　　　　
　ﾞ" 　ﾞ"　　　"ﾞ"　ﾞ"|: :|:　　　　　　　　|　　''ﾞ"
ﾞ" 　ﾞ" 　ﾞ""'"Wv,＿|:: l　　　　　　　　 |､wW"ﾞ"
ﾞ" ﾞ"''"　 ".wWWlヽ::'ヽ|:::::_::＿＿＿___:.|::＼W/　ﾞ"ﾞ''"
"'' ﾞ"''"ﾞ"　　V/Wヽ`―――――――――lV/W　 "'
ﾞ""'　ﾞ"''"　 "ﾞ"WW''―――――――wwww' 　ﾞ"ﾞ''"

666 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:16:00.37 ID:bT/Zabko

　　　　＿______、
　　／´ 　　　 .`ゝ、　 ,y-―'''''^''^^"'''''ｰ-..,,、　　,,..---- ､,,
　 .! ,,,,,,,.. ――ｰv-''ﾞ´　　　　　　　　　　　　｀''''{,,,,,,,,,,_　　 .｀ｉ,
　　　　　　　　 ,i'ﾞ,ｒ'"￣＼　　　　　　　　　/ ﾞﾞﾞﾞﾞ''i＼　｀''''''''''′
　　　　　　　 ,i" ゛　　　　`　　　　　　゛　　　　"ﾞ|
　　　　　　　 !　　　 ●　　　　　　　　　　　　● 　　.! キャンキャン
　　　　　 |、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l
　　　　　　　 .ﾞr、　　　　　　 ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,、　　　　　 ./
　　　　　　 `ｰ､,,....、　　ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ　　　　／
　　　　　　　　 / 　 .￣´ﾞ"'''''''''''''''"￣￣￣.ﾞ┐
　　　　　　　　　│　　　.｀ﾞ'i　　　　　 .i'"　　　　 !

　　　　　　　 /　〝　　　　　　＂＂ヽ.　
　　　　　 |〝　〝　　　　　　＂＂くヽ!　
　　　　　　 |〝〝,〝,　〟､＂＂　､ヽ　
　　　　　　　 |,〝　/／! ∧　ﾄ､＂＂ﾄ､|　
　　　　　　　｣ _r'7ヘ_ｊ/ 　 >､!‐ヽ＂! .|　!
　　　　　　　 |｢f.ｋ━zxヽ /xz━ｧ冫､! |
　　　　　　　 ||ゞ| ｀￣ '"|.|ヽ￣´/ｊ〃ヽ! 　　　／￣￣＼
　　　　　　　　ﾞ=ﾍ　　　､|｣,　　 /=″　　　　／　ノ　　＼＼　
　　　　　　　 /| ∧ ﾞ￣￣￣ /　　　　　　　|　（●）（●）　|　　
　　　　　 / .l/　ヽ　<7　/ヽ.　　　　　.　|　　（__人__）　 |　　　
　　　　　　_/ 　＼　ヽ.＇/|　　＼　　　　 |　　｀ ⌒´　　ﾉ　　　
　　　　／ |　　/] |　　ヽ'　!　　 ∧.　　　 |　　　　　　　 }

667 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:16:27.04 ID:bT/Zabko

　　　　　　　＿＿
　　　　　／..::::::::::::::..＼
　　　　／..:::::::::::::::::::::::::.＼
　　／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::.＼
　　 | :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |　　「……初めて人を斬っちゃったお」
　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
　　,. -‐'´..:::::::::::::::::::::...｀丶､
　ﾉ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....ヽ

668 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:17:04.53 ID:bT/Zabko

::::::... ..丶
:::::::....　...＼
:::.' ──-.. ＼
:::::::... ⌒__丶　＼
:::::::::.... .'::. ）.ヽ　 .ヽ
:::::::::::.... __ ..丿　　　ヽ　　　　「斬るときは無我夢中だったお。
:::::::::::...　　　　ヽ　　　.ヽ
:::::.._ ﾉヽ.___＿丿　　　.丶　　でも……、今でもその時の感触がのこって、とれない……」
::::::::::::::....　..::ﾉ　　　　　　.）
:::::::::::.. 　 ../　　　　　　 .ﾉ
:::::::::.⌒ "　　　　　　　..ﾉ
:::::::::::::::::.... 　　 ....::::::../
:::::::::::::::::::::..　......::::.／

　　　／￣￣＼
　　／　　　　ノヽ
　　|:::::: 　　　（ ●）
.　　|:::::::::::　　　（__人）　　「やる夫……」
　　 |::::::::::::::　　　⌒ﾉ
.　　 |::::::::::::::　　　　}
.　　ヽ:::::::::::::: 　　 }
　　　ヽ::::::::::　　ノ
　　　　/:::::::::::: く
　　　　|:::::::::::::: 　|
　　　 |:::::::::::::::|　|

669 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:17:28.40 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　,-―- 、　　　　　　,-―- 、｜
　　　/ /｀~~ヽヽ　　　　　/ /｀~~ヽヽ |
　　　{　{..;;;;;; ﾉ　|　　　　{　{..;;;;;; ﾉ　| |
　　.　ヾ_`'''ﾞ",,,ﾉ　　　　.　ヾ_`'''ﾞ",,,ﾉ｝
　　　　　￣　　　　　　　　　￣　　 /　　　　「やる夫は、やっぱり意気地なしなのかな？」
　!　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　j　　　　　/´　　　|　　　ゝ　　丿
　　　　　　ゝ、____人_____ソ/／
　　　　　　_　＿　　　./　／
＼　　　　　｀￣　　 ,/／
　 ` .､　　　　　　　／
　　　:ﾐ:ｰ.､._　　／｀`'''ｰ-､

670 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:17:46.66 ID:bT/Zabko

　　　　　　＿─-､ -‐;ｚ.__
　　　　　　　　＞　`　"　ﾞ　　＜
　　　　　　　/　" " " "　ﾞ　ﾞﾞﾞ＼
　　　　　 l " " ", ,ｨハﾞ i ﾞ､ﾞ､ヾ
　　　　　 | " "ノlﾉメ、 |ﾉjﾑﾍ. N
　　　　　　 ! r,ｺ| ＝｡=　 ,｡==ﾊﾘ
　　　　　　 | |ﾋ.j|　￣ r_ ＼7　　　　　「俺が始めて狩りに連れてもらった時の話だ」
　　　　　　　j `ｧﾍ　 ──‐:7′
.　　　　　_／∨　:::＼　￣人
　 -‐'''"´ |.　ヽ.　　::::`:.イ　 |`''‐- ､.._
　　　　 |　　　＼　　:::/　　|　　　 .ハ
.　　　　 |　　 ,ヘ〉　 |へ.　|　　　 l.　l
　　　　　ｌ_／　ﾟ〈ｰ‐'| 　ヽ!　　　│　|
　　　　　　　　　　　|::::::| 　｢￣￣|　| 　 |

671 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/05/06(水) 22:17:56.67 ID:AU74Ygc0

やる夫・・・・

672 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:18:04.53 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　 __,,..-‐≪´　　　　_,.z─　　　　　　　　＼　　';,　　　j|
　　　　　　　　　　　　　　￣~ _,＞-‐'"　　　　￣`'　　　　　　　　　　 ;,　 ./ |
　　　　　　　　　　　　 -='''"´_,...　　　_,..-‐　　　　　　　　　　　　　　　　 i ./　j
　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ、~`''　　￣~`　　　　　　　　　　　　　　　　l/　./
　　　　　　　　　　　　　　、弋ヾ　　　　_,.　　　　　　　　　　　　　　ヾ､i!|l !　/
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、-ｚ''"´＜,-─z,　　　　　　　　　　　 `'　 ,ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　へ─-＞''"´≪　　　,　　　 _,.-‐'"　　　　　　　　ﾐ,ﾍ　　　「獲物を仕留めたことがうれしくてたまらず、
　　　　　　　　　　　　　 ,／ヽ、 7７"/ _>-‐''"_,.. -"´∠_,....　　　　　　　 i ﾍ ';　　　親父に知らせたんだ」
　　　　　　　　　　　　　/: : : : ヽi l!. ,'i､￣ヽ,.フ　　 _,,...--,-‐'´　,　　　　　 j∧ .l
　　　　　　　　　　 _,...ｲ: : : : : : :l .i　l　ヾ､∠.､''"´　　／　　,..;'7 /　　 /　ljヽ､l |
　　 ,r-v⌒''ー'''"´ 　 l: : : / : : 〉､i l　　ヽ・' ､';, 　／ _,-‐" /／/　 /　 / : : : 1、
　　f .i .i　 j-f　 i　 __,..l: : :i: :／: : ヾ　　　 `ﾞ''　 -‐ ''"∠二/_,../　／j! ./::|: : : : : :＼
　　l!_{_,{ﾆ<,ﾉ､/￣　　ヽ::／ : : : : : l i　　　　　　:::::/ `''- ’-'/／ノ ./: : i: : : : : : : :｀-..,_
　　　　　 "￣　　　　 .／: : : : : : : : i,ﾄ､　　　　　:::/　　　 ./,-'"´j／ :／'": : : : : : : : : : ｀ﾞ '
　　　　　　　　　／: :_,.-f-へ : : lﾍ';,+ ､,.._　 ::/　　　　／: : : : : : /.-''"´: : : : : : : :_,-: :─
　　　　　　　　　　/／´ .　 | : : ヽ : |:ﾍ`''ー--l_/--.-　／: : : : : : ／-: 、: : : : : : ,-"´: : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　 l! : : : :〉: l　ﾍ　r==-　　,.／: : : : : : : / : : : : : :｀ﾞ'', ' : : : : : : : : ::::::
　　　　　　　　　　　　　　　i| : : /: : ﾍ　ヽ　　 ,.ﾍ´: : : : : : : : :/: : : : : : : : ,;": : : : : : : : : : : :::
　　　　　　　　　　　　　　ﾞ, : :ヽ: : : ﾍ　ヽ"´1: ﾞ､: : : : : : : /: : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : :::::

673 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:18:40.95 ID:bT/Zabko

「ほめられるかと期待したんだが、逆に叱られた……」

　　　　　　　　　　　,ｨ　/|　/.|　,ｨ
　　　　　　　 / ﾚ　ﾚ　 |/ .| /|　　　　　　
　　　　　　　　　 /〃〃〃〃 "　ﾚl　　　　　
　　　　　　 /〃〃〃〃　彡　.|　　　　　
　　　　　　　　 l /＾ヽ__.､-''´｀ヽ　彡 |　　　　　
　　　　　　 |‐- ､　　,. -? 〉＝.|　　　　　　　「殺傷を喜ぶな。
　　　　　　　　　|.==｡〉　＝｡=.ｌr‐, = |　　　　　
　　　　　　　 |二/　　二´ ||ﾖ| = |　　　　　　　殺しに酔うことになる……
　　　　　　　　　 lr/__ ､　`‐､ ||ｿ = |　　　　　　
　　　　　　　　　　l￣_￣￣／ヽ= |＼__　　　　　　そうなったら……
　　　 __....　-‐ '' "lヽ.゛　／　　ヽ,l　 |　" '' ‐-　　人間は仕舞だ……
‐　'' "　　　　　　 |　｀ｉ‐´ヽ.　　／|　 .|　　　　　
　　　　　 rｪｭ‐,,?,,?‐'､　|　／　　 |　　|　　　　　　気をつけろ」
　ゝ　 (　と!ﾆ!７7二二`　＼ |　　 .|　　.|　　　　
　　ヽ.　）ゝ'=/7-''-- ､　　　＼　　|　　 |　　　　
.　　　(　) `//￣￣ヽ､　　　／ >へ　　.|　　　　
.　　　ヽ｀ﾞ"　　| 　 | ＼／／　　＼ |

　　　　　／￣￣￣＼
　　　　／　─　　 ─ ＼
　　／　（○）　（○）　＼　　「……」
　　 |　　　　（__人__）　　　　|
　　＼　　　｀ ⌒´.　　　／
　　／　　　　　　　　＼

674 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:19:08.36 ID:bT/Zabko

　　　　　　　＿､‐-､, -‐ｚ._
　　　　　　＞　` " "　′.＜
　　　　　　／ " " " " ﾞﾞﾞﾞ＼
　　　　 7 " " ",.",ｨﾊﾞ ,ﾞﾞヾ　　　　　　 r‐ ' _ノ
　　　　　 ! " " /-Ｋl/　Vｌﾊﾞ.N　　　　　＿ ) (_
　　　　　 | "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ!　　　（⊂ﾆﾆ⊃)
　　　　　　|."しｌ|　￣　,._ ∨　　　　　　｀二⊃ﾉ　
　　　　　　| " ﾞハ　ー--7′　　　　（( ￣　　「罪を感じているから人間。
　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼.　¨/　　　　　　 ;;　
　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　　　　　 [l、　　　それでいいんだとおもう」　
　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　　／,ｨつ
. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ　
　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ
. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　 /　）:::厂 ´

675 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:19:55.61 ID:bT/Zabko

　　　　　　＿＿_＿_
　　　　／　ノ'　＾ヽ_＼
.　　ﾟ／｡;'⌒）　（⌒ヽ＼°
.　／　o'ﾟ~（___人___）~o°＼゜　　　「……うう」
.　 |　　　ﾟ　|/⌒ヽ| 　ﾟ　　 |
　　＼　　　｀ ⌒ ´　　　／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿＿＿＿＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´ 　　　　　　　｀＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ、　　　　 _, -‐'"´´　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／､＼ﾉヽ／´　　　､　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｡oj｀`ヽ）　　　（ ,-‐ '"´ ）ｏ　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 °／⌒｀ﾞ　　　　　　ヽ"⌒｀`じ　ｏ　°　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　（　　　　　　　）　　　 °　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ヾ、＿ﾉヽ、_＿＿,,ノ⌒ヽ　　　　o°　　　　　　　　＼　　「うわあああああああああ！！」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　l 　　　ト、ﾉ),､　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　 |　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　l 　　　ﾟ| 　　　／⌒´/　　　　　　　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　 l　　　／　　　/　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、　|　　/　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　`ｰ┴--一´　　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽゝ､_＿,,,,, ,,　　　　　　　　　　 _＿_ -＜

　　　　　　　　　　　　　　..　..　..　..
　　　　　　　　　 ::／ ⌒｀"⌒｀ヽ、::
　　　　　　　　::／,,　／￣￣￣￣＼::
　　　　　　　　::/,／/::　　　　　　　　＼::
　　　　　　　　;/⌒'":::..　　　　　　　 |⌒ヽあああああああああああああっ！！
　　　　　　　　　/　　/､:::::... 　　　　　 /ヽ_　＼
　　　　　　　　（　 ⌒ー-ｨ⌒ヽ、　 /⌒`ー'⌒　）_
.　　　　　　　ｌ￣`ー──ゝィｿﾉー‐ヾy＿ﾉー─"　＼

676 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:20:14.22 ID:bT/Zabko

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　　　　　　　　　　　　　　 ,/ヽ､.､／'″::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　.,/:::::::::::::::　　　　　　　:::::::＼
　　　　　　　　　　　　／　　　　 .､　::::::::ヽ　　　:::::::::::^''ﾞ＼
　　　　　　　　　　 _r'′　　　 ,,／　　:::::::::＼　　　　　::::::::::＼
　　　　　　　　 ._／　　　　　 .´　　　　　　 .ﾞ''-､　　　.‐､_::::::::::＼
　　　　　　　 .／　　　　　　　　　::::::::::::::::ヽ　　　　　　　:::::::::.'ｰ.ﾞ''＼　　　　んがああああああああああああ！！
　　　　　 _,／′ :::::::::::::::: 　　　　　　　　　　　::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::
　 .,,,／ヽ　　　　　　,/'
　 ″　　　　　　　　 .,/::::::::::::::::　　　　′
　　　　　　　　　 .,,／

677 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:20:43.75 ID:bT/Zabko

＼＼／:::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　（聞書２の５６）
　　r'::::::::::::::::::::;;:;;:;;:ｯ､::::::::::　　　　　　　
＼レ''''jrTf"　　　　lﾐ:::::::　　　　　　　　『思わぬ事故が起きて気が動転している者に、
　　 |　　　　　　　　〈ﾐ::::::::　　　　　　　　「笑止」などといえば、
＼　|､_　ｬー‐__二ゞヾ::、　　　　　　　　ますます鬱になり自身を見失っていくばかりになる。
｀`　ゞ:}　￣'互.ヾ　　}:j ん
　　　l/　　 """"´｀　　 )ﾉ　　　　　　　　　そんなときは、
=-- /　　　　　　 l　 (ノ　　　　　　　　　　「かえって良かったじゃないの」
=＝ `弋"__,....._ 　　 !　 !　　　　　　　　　　　と、逆に相手の思いもよらぬ言葉をかけてやればいい。
　　　　ﾞ､`ー‐'　　　　 ,'　　　　　　　＼
''"´　　　ﾞ､￣　　／ ,'　　　　　　　　＼　　　言われた方は、
／　　　　ヽ＿_／::;' ,'　ノ　　　　　　　｀ヽ　　　その言葉が気になって、格別な知恵がでてくるもんだぜ』
　／／　　　　　ヾ_,'∠..,,__
／／　//　　　／´

678 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 22:21:08.85 ID:R7lONHEo

(T‐T）

679 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:21:29.42 ID:bT/Zabko

　　　　　　　　　　　　　　　　　.. ..: ,,.::..,.,,::,;;::,::,,;;,::;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　..　.,　..　　..:.　　... ,.. .. . ..,...::,,::.:;:;;:..:;:.;:;;:,.,,,:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　.. 　　　.:..::..,....::.,.;:;..,:.:;;:,,.;.;::;:;;:;;:,;,,;:;:;;;;;;;;;;;;;;,;,;;;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..;.: ..,,:;:.,,;:;.:;.;.:;::,.:;:;.:;:;:;;
　『　一寸先はわからない世の中だ。　　　　　. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,.,,....::;:;;.,:;:;;.,::;;:;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　喜びも悲しみも、　　　　　　　　　　　　　　　　　..,,.::.:;:;;:.:;,;;:;;;;
　　　　心にとどめておく必要なんてない、だろ？』. 　.,...,,,..,,::.:;:.:,:;;:;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,...,,,..,,::.:;:.:,:;;:;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.. .. .,,.. ..;:..,,.::;..,,;:.:;.,.;:,.:;,;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　..　　:;; 　:;　:::.. .,.,,.;.:;..,:.:;..:.,.:...,.,..,,.:.,:.,:;,.:;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　.. ..: ,,.::..,.,,::,;;::,::,,;;,::;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　　　:;; 　:;　:::.. .,.,,.;.:;..,:.:;.:;,.:;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

やる夫が葉隠武士になるようです　　第６話　　『介錯』　　了

680 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 22:22:35.66 ID:L.8bBSAo

史実的にわかっちゃいたけど・・・
orz

681 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/05/06(水) 22:23:48.64 ID:AU74Ygc0

乙です
重いな・・・・・

682 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:24:44.83 ID:bT/Zabko

キャスト

やる夫　　　　　　　佐賀の浪人　　　（パー速でやる夫）
中野やらない夫　　没落した下級武士　　（パー速でやらない夫）
斎藤杢之助　　　　常に死人たらんとするいくさ人　　（赤木しげる『アカギ』）
お勇　　　　　　　　耕作の娘。杢之助に惚れる　　（翠星石『ローゼンメイデン』）
やる夫の犬　　　　やる夫につきそう　　（シロ『クレヨンしんちゃん』）
斎藤用之助　　　　故人。杢之助の父。したたかないくさ人　　（平井銀二『金と銀』）

鍋島勝茂　　　　　初代佐賀藩主。剛毅　　（キョン『涼宮ハルヒの憂鬱』）
鍋島直茂　　　　　故人。佐賀藩の藩祖。名君　（涼宮ハルヒ『涼宮ハルヒの憂鬱』）
多久美作守　　　　老獪な佐賀藩家老　　（利根川『賭博黙示録カイジ』）
鍋島元茂　　　　　佐賀支藩小城藩主　勝茂の長男　　（緋村剣心『るろうに剣心』）
鍋島忠茂　　　　　佐賀支藩矢作藩主　勝茂の弟　　　（国木田『涼宮ハルヒの憂鬱』）
鍋島直澄　　　　　佐賀支藩蓮池藩主　勝茂の三男　　（朝倉涼子『涼宮ハルヒの憂鬱』）

山本神右衛門　　佐賀藩士。山本常朝の父親（藤木源之助『シグルイ』）
深堀三右衛門　　深堀藩士　　　　　　（谷口『涼宮ハルヒの憂鬱』）
志波原武右衛門　深堀藩士　　　　　　（伊藤開司『賭博黙示録カイジ』）

683 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:25:15.87 ID:bT/Zabko

徳川家光　　　　　３代将軍　　（ナナリー『コードギアス―反逆のルルーシュ―』）
松平信綱　　　　　知恵伊豆の異名を持つ老中　　（ルルーシュ『コードギアス―反逆のルルーシュ―』）
板倉重昌　　　　　幕府軍の上使　　　（藤堂鏡志郎『コードギアス―反逆のルルーシュ―』）
酒井忠勝　　　　　讃岐守。忠朝の父親　　（ヤン・ウェンリー『銀河英雄伝説』）
酒井忠朝　　　　　備後守。伊豆守にはめられた　　（ユリアン・ミンツ『銀河英雄伝説』）
ニコラス　　　　　　オランダ商館長　　　（アレクサンデル・ビュコック『銀河英雄伝説』）

細川忠利　　　　　熊本藩主　　　　　　　（内村光良『内村プロデュース』）
立花宗茂　　　　　柳川藩主　　　　　　　（カミーユ・ビダン『機動戦士Ｚガンダム』）

天草四郎　　　　　一揆の頭領　　（菊地真『ＴＨＥ　ＩＤＯＬＭ＠ＳＴＥＲ』）
森宗意軒　　　　　旧小西家の武将　　（草薙素子『攻殻機動隊Ｓ．Ａ．Ｃ．』）
下げ針金作　　　　鉄砲の名手　　（サイトー『攻殻機動隊Ｓ．Ａ．Ｃ．』）

やる夫の祖父　　？？？？　　（オプーナ）

阿部さん　　　　　　葉隠の解説　　　（阿部高和『くそみそテクニック』）

684 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 22:25:44.42 ID:BV/CTFwo

乙・・・　ＯＴＬ

685 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:25:46.88 ID:bT/Zabko

次回

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ...:::::::::::::::...ヽ　 l:. ./　l lﾍ　　　＼
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. ::::::::::. :::::::::. ヽ .::/　/　ﾄ､　　　　＼
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　::::::::::.　:::::::. k／l /　 .|　　　　　　 .)
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　 ::::::::::.　::::. ノl　|/　.:: l　　　　　　 /l
-,,_:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　.::::::::::::. .l／　.}:::. .: }ﾄ:|　　　　　　//
　　''''--,=,,,,,_::::::::::::::::::___:::=-=''" l ,,／|::,-.,/::...　　　　　/ }
"''''-<=/_ /　￣￣''''" ./,,,,,|--='''|"　 .ﾚ,- |:::::::::::..　　／ /
:::::::::;//::::/=,,,,,/,,,,,,=-''/:::::/l::::::　l:::　 .ﾄ::/ )::::::::::::::.／　/l
:::／,,,/:::/|::::::::::::::: 　 /l:::::/,,,|:::: /:::　 .|:/./:::::::::／"　 ./ |
/_: : |::./､|::::::/:::::　 ./-|:/": ::|::/:|:::: .|.|_./:::,::::/／　　/　 l
""''-|/、:|:::/|::::: , .//,-l-'''''"l/"'|::　l.|::::::/-"::::::　　ﾉ　　}
-ゑ\-": :l/:::l:: /l/: : :-=,lゑ=-" l:..//:::/l:::::::::::　／　 /"
: : : : : : : : : ::|:/: : : : : : : : :　　　 |/:':::(:::::::::　　／／/
: : : : : : : : : : :l: 　: : : : : :　　　／l::::/＾l::::::::..::　....::/　l
: : : : : : : : : :::::l:　: : : :　　　／:::／へ::::::::..　　　　　 .|

　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　／　　　＼　/＼
　　　　　　　|　　　（ー）（ー）　　　
　　　　　　　|　　　　（__人__）　　
　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　
　　　　　|　　　　　　　 }
　　　　　ヽ　　　　　　 }
　　　　／　 ⌒ヽ　　　　'´(
　　　/　,＿＼　＼／＼＼
　　と_＿＿）_ヽ＿つ_;_ヾ_つ.;.

　おたのしみください

686 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/05/06(水) 22:26:18.14 ID:CjzwzKY0

天草一揆深いな…乙です
真（；ω；）

687 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:27:39.17 ID:bT/Zabko

本編は以上です。
このあとは、おまけというなのオタク語りとレスが続きます。

みんな、そんなダベリ読むより、宇喜多さんみてやってｗｗ

688 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/05/06(水) 22:28:08.94 ID:gmJezEE0

深いなぁ。それにしても斎藤さんつえぇ、がんばれやる夫。

そして１殿、乙です。楽しませてもらいました。

689 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:28:42.70 ID:bT/Zabko

　 ,-――､　　　　　　　　　 /(((((( ヽ
　ｌ [] ＾　＾ l　　 / ﾊ～､　iﾐﾞ0U0"ﾐi　, '" ￣ヽ.　/＂～丶　　/:::::::::::::ヽ　　､､､､､､､
　､ 7 @_@ｉl　　tf'ﾞﾞﾞ''''""ゞ　l i! ー i! i　iﾁﾀ从从ﾝ《:.:.从~从ゞ　ｉ;;´＼;;ノ｀!　　ﾐｼ''''ヾ'''i
/::|:::::ﾞ｜":::|）　【´┏┓｀】（|::::::`':::::::|）ヾﾘﾟ‐ﾟﾉｿハｿ´∀｀ﾄ　　､｀－’ ﾉ　　ﾂi　｀―il
ゝﾈ::::::::|:::::::|'　（|::::::::::::::::|）ﾀ::::::::::::::::|" （|:]＆[:|） /|:::::〈|X|〉|ヽ（|:::::::￥::::|） /|::::〈|:.:.|〉|
　゛!::::::T:::::i　　4:::::::::::::::ゝ　|:::::::|:::::::|.　 |:::::::::::::|　゛|::::/－ヽ|´ 　 |:::::::|::::::|　ゞ|::::ﾉ::|:ヽ|
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G H O S T　I N　T H E　S H E L L /　ﾞ^ﾞﾞ"　　,/ﾞ"　　'' S T A N D　A L O N E　C O M P L E X ''
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人物紹介　第５回　小西家浪人　（攻殻機動隊Ｓ．Ａ．Ｃ．）

前回の天草四郎がアイドルとするなら、支えた小西家の浪人たちはプロデューサーにあたります。

島原の乱は農民一揆であるだけでなく、切支丹、浪人、豊臣家の残党、ありとあらゆる不平不満分子が
集まってくるわけでして。
江戸時代前期の最大のイベントになります。
その中の小西家は、関ヶ原の戦いで西軍に組した小西行長の八代藩。
行長は戦後、斬首となり、領土はとりつぶしとなります。
その小西家は、飛び地として天草諸島も領有しておりました。

資料では、原城に立てこもる前に、ヨーロッパのローマ法王に援軍の依頼をだし、
承諾を得ていた、とあります。
が、本当かどうかは怪しいところです。

森宗意軒は、名前出すかどうか悩みました。
あまりに伝奇色がつよくて、ただでさえ登場人物多いのに、混乱しないかどうか心配でした。
結局、宗意軒使っちゃいましたよ。やはり山田風太郎は偉大だｗｗ

690 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 22:29:57.58 ID:MkYTl5Ao

乙でし　言葉が…いいな～

691 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 22:31:04.32 ID:jpMd21wo

>>1乙

ｵﾓｼﾛｶﾀﾖ

692 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 22:31:42.78 ID:dYacHLko

>>673
あーここでもってきたか
乙～

693 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:33:39.55 ID:bT/Zabko

　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ:､
　　　　 /　　　　　　.:　..:　.::　　.:..i:.　.:l.　 i:.. i　!
　　　　 i　　　　　..:::::.::::;ｨ::::::.. .:::i::|:::.:::|::l:..|:::::|:..i
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　　 , ィ７ハ:l　､|::| 　　　　　 |:::::Ｎ||::j! ヽ__
,､-'´ (:://　ヾ!:　l::| 　　　　　 l ＼:. |/　　弋￢ｰ-- ､

攻殻機動隊は、テレビアニメの第１シーズン（通称：笑い男事件）のころから観てました。
少佐かっこいいよ、少佐。

攻殻の世界は、近未来の日本が舞台です。
２回の大戦を経た後、未来技術として、体をサイボーグ化、電脳という体内にＩＣを組み入れる技術が発達した世界
という設定になっています。
で、サイバーテロに立ち向かうためにつくられた警察機構の対テロ対策特殊部隊、それが公安９課（通称：攻殻機動隊）

『ゴースト・イン・ザ・シェル』のゴーストのことなんですが、
義体とよばれるサイボーグ技術が発達しすぎて、全身を機械に取り替えてしまうと、それは本当に人間なのか？
という思想がこの作品にはあります。
ここの部分に強く惹かれます。
「ゴースト」とは、魂とか霊魂とあつかわれています。

694 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 22:33:50.32 ID:R7lONHEo

＞江戸時代前期最大のイベント
その次は忠臣蔵ですな。
確か葉隠にも赤穂浪士の討ち入りに関する記述があったんだっけ。
その伝で、井上ひさしの「不忠臣蔵」という「討ち入りしなかった赤穂浪士」をネタにした短編集の中で常朝さんが出てきてたな。
ほのかに男色のかほりただよう一篇だったｗｗ

695 ：1 [saga]：2009/05/06(水) 22:35:45.96 ID:bT/Zabko

≪サイトー、一旦ヘリを戻せ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,;;;;;;;::''´　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,;;:::'''""　　　　　　　　　　.　　　　　|　‐－　‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ニニニ）　 ..,,,;;:::''''´´____,,,,,;;;;;--‐‐‐''''''''´´´´´´　　 ;;,,,_|____　,,;:::
　　　　　　　　　　　 __________________________________,,,,,,,;λ γ‐ﾆ二==＝-‐''''''´　　　　　　　　　　　　　　　":/ヽ,: ''";:::::
　/;;;;;;;;;::::::::===ﾆﾆﾆ‐‐‐‐‐‐‐‐‐三三≡ﾆ＝＝---τ.］[_ζ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:;;l;;:'´｀､|::;;;;;;;::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i--'---.］〔ｺロ‐-;,,,,,,,,__________　　　　　　　　　　　　　　::/　　 /　 ''':::;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,:-‐''´´´i￣.|￣|＿＿＿__l"´￣￣￣￣｀i 　　　　　　　　　　　　　/　　./　－―
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,-'"　　　 __,,./ 　 |￣/:::::::::::::ヽ|________________,;|､___________________________/　　 ,/ ______､
　　　　　　　　　　　　　 ____,.-'"ﾔ__,,.. -‐´　　　　|　ｉ´＼;;ノ｀;;!|　　　　　　　　｀`丶‐‐‐------::;;;;;;;;;;,,,,,,=ニﾆ‐'''''''´
　　　　　　　　　　　　i'´　|　　　　ヽ__,,.. ．=　'''""| .　､｀－’　ﾉ.|＜了解　　　　　　　　　　_______________,,,,,,;::|ゝ
　　　　　　　　　 i　　 |　　　　,:'　　　　　　|　（ゞｌ゛＂"ｌｼ.|　　　　　　　　　　　 _ , ' ´　　　　　　　　　　`O
　　　　　　　　　　　（⌒） ,;==‐''''"´　　　　　　　 |＿（=＿（ ‐Ｊ_|　　　　__,,,;:-‐i‐''''´´｀
　　　　　　　　　　　　｀´｀`‐‐‐‐‐‐フヽ二ﾆ=======----------‐‐―ヽ_|`````´　　―　‐　－　　　　―　　－
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ‐‐==[ココヽ‐､ヽγ⌒､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　λ 　ﾉ　ゝ__ﾉ　　　　　　　　　　―　　－　　‐―

下針金作は、『死ぬことと見つけたり』では優秀な鉄砲撃ちです。
しかし、性格に問題があり、猟奇な部分があります。
どうしてもサイトーさんを使いたかったので、６話のラストをあんな風にしてみました。
サイトーさん渋いよ、サイトーさん。
サイトーさんを俺は猟奇にできねぇ。

義体化率の高い９課の中で、サイボーグ部分は脳と義眼の部分だけで戦っているというのが、渋いんですよ。

696 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 22:39:40.29 ID:ZtGqvHIo

乙
日峯さん懐かしい
松原神社のお祭りは今でも日峯さん祭りっていうくらいだからね
ていうかやらない夫が気になるｗｗｗｗｗｗ
母方の祖父中野だからなあ

697 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 22:40:09.46 ID:R7lONHEo

あれ、左腕も義手じゃなかったっけ？

698 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 22:48:11.17 ID:aKeEO5wo

乙です
オリジナルエピソードが原作と違和感なく融合しているのが素晴らしい

隆慶作品は敵役が下衆野郎とか戦争知らない官僚とかちょっと魅力にかける奴ばっかだからなあ
隆慶作品影の主人公の秀忠＆暗黒ヘタレの宗矩の主従は別の意味で魅力的だけど

699 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 22:51:33.96 ID:Fhzkf/Eo

乙です
原作では割とあっさり風味の所をうまくまとめていますなあ
なにげにやる夫がここで船酔いになるところがｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
これから始まるルルとの抗争(笑にも期待ですねえ

>>698
隆慶作品で一番いくさ人に近い官僚本多正信がいるじゃないですか

700 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 23:20:27.85 ID:CalOT0Ao

乙です！

すごく深いところまで描くなあ。ああ四郎無残なり・・・

701 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 23:30:21.53 ID:YJh83HQo

お疲れ様でした～

702 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 23:30:50.79 ID:mkta49w0

　乙でアリマス。
島原の乱は柳生もあれこれと縁のある話なので、ウチんとこでも書くつもりですが、
今回のお話とはまた別になりそうなので、こういうお話は楽しかったでアリマス。
またその時紹介させて頂きたくー。

703 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 23:44:56.24 ID:0RRg3FIo

知恵伊豆は隆慶だと悪く書かれるんだけど、
江戸城大火事の時に、
大奥の女性たちを畳裏返しで脱出させるエピソードがあるから嫌いになれない
（「死ぬこと」では華麗にスルーされちゃったけど）

704 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/06(水) 23:55:23.00 ID:5lsdmTUo

隆慶は机上の論理が吹っ飛ぶような戦場で葉隠れを読んでたそうだからね。
そりゃ現場の方に感情移入せざるをえないだろ。

705 ：1 [saga]：2009/05/07(木) 00:17:46.07 ID:grefMkMo

みなさん読んでいただいてありがとうございます。

>>704
たしかに、隆慶作品の文官はあつかい悪いですねぇｗ
弥八郎はあれはもう文官じゃないです。在野が長いからいくさ人あつかいですよね。

>>703
お、『葉隠』のエピソードの一つですね。
自分も信綱は嫌いじゃないです。
が……、資料を読んでいくと、なんかこう、フォローができないような事態が色々とありまして……（目を合わせないようにして）

>>702
柳生さんどうも。
さすがに今回は伝奇に話を膨らませることができませんでしたよｗｗ
武蔵とかも書きたかったんだけど、全然活躍してねぇからなぁｗｗ

>>699
船酔いをいれたということは、のちにアレをやるつもりですぜ。
ただ、歌のところどうしようかな。
どうも、赤木が陽気に歌ってるところが想像できなくて

706 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/07(木) 00:17:49.76 ID:2T/01RMo

故郷がこういう話に出るとうれしいのう

707 ：1 [saga]：2009/05/07(木) 00:35:08.44 ID:grefMkMo

>>698
いえいえ、オリジナルというか、ほとんど葉隠に載ってるものを登場人物に演じてもらっているだけです。
自分も、ぼくらの暗黒秀忠くんとムネリンは大好物ですが。
「大嫌いでござる！」
隆慶作品は、性格が偏って極端ですしね。
のちに誠を出す予定ですが、伊藤誠クラスの下種野郎が、正直もう一人欲しいｗｗｗ

>>697
:::::::::::.:　.:. . ∧＿∧ . . . .: ::::::::
:::::::: :.: . .　/彡ミ゛ヽ;)ヽ、. ::: : ::
::::::: :.: . . / :::/:: ヽ、ヽ、i . .:: :.: :::
￣￣￣（_,ノ￣￣ヽ､_ノ￣やべえ・・・、やっちまった……

>>696
お、佐賀の方ですね。
次回はやらない夫のターンになりますよ。
というか、中野一族でしたら、山本常朝の後裔じゃないですかｗｗ

>>694
忠臣蔵の記述については、次の次で紹介します。
あと、島原の乱に続くイベントは、自分は明暦の大火だと思っています。
このこともそのときに。

>>686
次回は島原の乱の後始末などを書きます。
自分も真斬るときはためらった……
あと亜美真美のａａはるとき……

>>680 >>681
だからこそ最後の言葉です。
感情をいつまでも心に残さなくていい。

708 ：1 [saga]：2009/05/07(木) 00:44:18.74 ID:grefMkMo

>>706
葉隠を読んだ後、佐賀の方がうらやましくなりました。
自分は関東の人間ですので、九州は縁がなくて。

>>688
やる夫がなくところなんですが、あれは『時代小説の楽しみ』の先生のエピソードを拝借しました。
例の子供のときの喧嘩で、相手を殺してしまったとおもった、という。
あと、隆慶作品をとりあつかう上で、泣くシーンは特に力を入れています。
先生が一番書きたい、っていうのがヤマトタケルが泣くところですので。

709 ：1 [saga]：2009/05/07(木) 01:10:32.18 ID:grefMkMo

　　　　　　 ∧,,,∧ .´冫Ｙヾ
　 .冫Ｙヾ（´・ω・）　　│
　　　│　 /　y/　ヽ.　 │
　　　┷(m)　/　　(m)┷
　　　　（ノノノ l l l ）
>>874
ありがとうございます。宇喜多さんにも色々とご無礼を働いてしまい申しわけないです。
つーか、いよいよ新作が動き出すのですか！？（と、ここで大げさにわめいて退路を断ってみるｗｗ）

あとですね、地図のことで。
ブラウザはライブ２ｃｈ使ってるんですが、エディットで作った自作地図をうｐすると、隙間だらけになるんですよ。
これはどうしようもできないことでしょうか……。

710 ：1 [saga]：2009/05/07(木) 01:10:58.88 ID:grefMkMo

誤爆したｗっううぇｗｗｗ

711 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/08(金) 03:03:13.15 ID:hihls0Io

遅くなったが誤爆乙ｗｗｗｗｗｗ

712 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/05/08(金) 08:40:55.97 ID:GVDrTXUo

>>709　半角空白とかそういう話？

713 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/08(金) 09:13:19.45 ID:ENjlsCso

ところで、宗意軒は四郎を逃がしてどうするつもりだったんだろうな。
四郎が生きていると三万七千のまるちりすの画竜点睛を欠くのではないか？
それとも四郎が死んだかどうかわからない状態にすることで、
後の弾圧されるキリシタンの心の支えにするということだったのか？

714 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/08(金) 15:33:03.49 ID:hihls0Io

>>713
身代わりの四郎は死ぬわけで
皆一緒に死んだと思えてるからいいってことなんだろう
四郎自身にずっと無理をさせてきたから、後は自由に生きてくれって親心みたいなもんじゃないか

715 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/08(金) 18:15:56.22 ID:5KdvRmYo

>>713
>712に同意。
小西浪人たちは、ぱらいぞとか救世主を本気で信じてたわけじゃないんだろう。
一揆の結束の象徴としてそういった幻想を利用しただけで。

716 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/08(金) 18:16:28.13 ID:5KdvRmYo

>>715
>712じゃなくて>714だったorz

717 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/10(日) 00:38:54.49 ID:oY5Ly/so

実際には隠れている人たちも結構いて「折々隠れおるものいちいち殺し申し」たようだったらしいね
望まなくても全滅になっちゃったという

718 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/05/13(水) 12:56:28.19 ID:LV3lmB60

素晴らしい作品を読ませていただき身震いしています
是非>>1氏の解釈による補陀落渡海も読ませていただきたいところ、楽しみです

ところで……花の慶次から隆慶作品に膝頭まで嵌った人間の空想でどうも牛島氏の顔が山上道及の顔で空想されてならないんだが……同病の方いません？

719 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/13(水) 20:52:12.46 ID:GvjfoHIo

名前のイメージからか、牛島萬右衛門→牛股権左衛門で脳内再生される。名よりも見るはおそろし
シグルイな人達の中で等身大のキャラがやる夫なので、肩の力を抜いて読めます。
でも島原編をこう締めくくるとは……

720 ：1 [saga]：2009/05/14(木) 01:25:35.28 ID:0ELBuKEo

みなさんありがとうございます。

>>487 >>489
>熱光学迷彩
＞なあ、これ何年後のお話だよ･･･ｗｗ
＞オーパーツがｗｗｗｗｗｗ

　ウヒヒ、サーセンｗｗｗついやっちゃうんだ♪

>>535
どうも佐賀本藩と各支藩は、同族なのに仲がよろしくないんですよね。
この関係が複雑で説明をどうやってしようか、いま頭を悩ませておりますｗ

>>538
『捨子童子　松平忠輝』あたりから大久保長安の集めた切支丹の話をしようかな、とも思いましたが、カット。

>>552
う～ん、やっぱり「きゃぁ！」よりも「うわあああ！」のほうが真っぽかったですかね。

>>564
＞いくさ人＞＞（越えられない壁）＞＞官僚は隆慶作品の不文律ですよね
それどころか、
書きかけの伊勢物語＞＞（越えられない壁＞＞＞＞＞特殊装甲
ですからｗｗｗ

>>574
原作はご存知のとおり、ここは四郎がおらしょを口ずさむシーンです。
一つはアイマスで雰囲気がピッタリの「蒼い鳥」
もうひとつは真が使われている映像で非常にあっているＭＡＤをお借りしました。
雰囲気は伝わったでしょうか。

>>616
切り玉は『葉隠』に載っているエピソードを、アレンジしてみました。

721 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/14(木) 01:35:29.25 ID:1Cug4HEo

>>720
佐賀本家が～って話になると
そもそも竜造寺と鍋島の絡みになって
えらく複雑ですよね
隣の黒田福岡も秋月とあれでしたが
あっちは比較的わかりやすい訳でｗｗｗｗｗｗ

722 ：1 [saga]：2009/05/14(木) 01:39:20.71 ID:0ELBuKEo

>>712
いや……お恥かしながら、地図の表示が文字サイズが原因だったんですよ　ｏｒｚ
ここでは表示サイズ（中）を推奨しております。

>>713-715
ここでの四郎は浪人たちに作られた偶像ですから。
で、アイドルなので、やっぱり”引退”があるんですよね。

>>717
そうなんですよね。この辺の殺戮の徹底さは、信長の伊勢長島でのあれと重なります。
宗教に対する免疫も、薄れていたのかなぁ、とも考えてしまいます。
『時代小説の楽しみ』では伊勢長島について詳しいですよ。

>>718
ありがとうございます。
自分のイメージとする牛島萬右衛門ですが、なぜか石川賢の描く荒木又右衛門になってしまいます。
・大柄で偉丈夫
・豪快に刀で胴を真っ二つ
・ケモノとかに愛されそうな顔
・そういえば名前も似ている

このあたりが原因でしょうか。

>>719
あー、自分も山口貴由の作品読むとき、なぜか力が入りますｗ
うちのは気楽に読んでくださいませ。

723 ：1 [saga]：2009/05/14(木) 01:42:53.37 ID:0ELBuKEo

さて、次回　第７話ですが、

５月１７日（日）　２０：００ごろ

を予定しております。
よろしくおねがいします。

724 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/14(木) 01:47:49.70 ID:u.qQh5Uo

>>722
宗教に対する免疫というより「百姓」が「天下を物語」ることが重罪と認識されてたようだね

725 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/14(木) 01:57:54.57 ID:n0l.kOEo

それは太閤殿下と秀長に対する重大な侮辱だなｗｗ

726 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 02:38:36.27 ID:HLvyQT2o

　　　　　　 ∧,,,∧
　 .冫Ｙヾ（・ω・｀）　　　いまやる夫スレで気になる方がふたかたいらっしゃいます。
　　　│　 /　y/　ヽ　　　新・やる夫の関が原戦線異常アリ２
　　　┷(m)　⊂[_ノ　　　http://yy700.60.kg/test/read.cgi/yaruo/1241700663/
　　　　（ノノノ l l l ）

やる夫が吉良邸に討ち入りするようです
http://yy700.60.kg/test/read.cgi/yaruo/1242307473/

まぁ、ぶっちゃけて言いますが、今後の内容とおもいっきしかぶる可能性が大。
もちろん、どちらも大好きで応援しているスレなのでありますが。

さて、どうしよう。
どこまで踏み込んで書こうかな。
九州は鍋島だけにしようかなぁ。
忠臣蔵もスルーしようかなぁ。

727 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 02:40:18.53 ID:HLvyQT2o

吉良さんところに盛大な誤爆を！あああああ・・・・・・

腹切ってすむレベルじゃねぇな

728 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 03:23:56.84 ID:0N.hBgQo

>>727
作者道とは書くこと見つけたり

書きたい事を書きまくるんだ！

729 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 03:53:33.33 ID:ZJMVnCEo

>>727
書くべきでしょ

某宇喜田さんも、不可抗力で
真田さんに対するネタバレにならざるを得ないわけだしｗｗ
切り口を違えて逆に見るってのも歴史ものの醍醐味さ

730 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 18:24:19.18 ID:Uzox30s0

　　　　 ∧ __∧　　　全部書いて欲スィ
　　　　( ´・ω・) 　 _,,..,,,,_
　　　.ノ^　 y ヽ-,o/ ,' 3 `ヽ
　　　ヽ,,ﾉ===lヽﾉ |￣￣￣/
　　　　/ 　 l | 　　!.o―-o'
"""~"''"'"""''~"'""~"""~"'""''

731 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:20:29.20 ID:hggoHrMo

みなさんこんばんは。

書き込みありがとうございます。
まだ結論は決めてはいませんけど、いろいろと参考にさせていただきます。

今日は前倒しではじめてよろしいでしょうか。

732 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/05/17(日) 19:21:29.66 ID:kkGnl220

いいですよ

733 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:26:29.48 ID:hggoHrMo

それでは今日もよろしくおねがいします。

拙作は俺速さんに纏めていただいております。
http://orehaya.blog73.fc2.com/

734 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:27:29.33 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　 , '´ ￣￣ ` ､
　　　　　　　　　　i　r-ｰ-┬-‐､i 　　　　　下着はいつも綺麗かい？イイ男です。
　　　　　　　　　|　|,,＿　＿,{|
　　　　　　　　　　Ｎ| "ﾟ'`　{"ﾟ｀lﾘ　　　　　　このスレは、隆慶一郎『死ぬことと見つけたり』をテキストに、　　　　　
　　　　　　　　ﾄ.i 　 ,__''_　 ! 　　　　　　『葉隠』を読み解いていくやる夫スレだ。
　　　　　　　　／i/ l＼ー .ｲ|､
　　　　,.､-　￣/ 　|　ｌ　￣ / |　|` ┬-､　　原作リスペクトですすめて行くが、内容や解釈が異なる場合もある。
　　 /　ヽ.　/ 　　ト-` ､ノ- |　 l　　l　ヽ. 　作品の投下中は反応できないが、ツッコミは色々と大歓迎だ。
　　/　　　 ∨ 　　　l 　　|!　 | 　｀>　|　　i
　 /　　　　 |｀二^>　ｌ.　　|　 |　＜＿_,|　　|　　ほら、遠慮しないでやってみろよ。
＿|　　　　 |.|-<　　　＼ i　/　,イ_＿__!／＼
　 .|　　　　　{.|　 ` - ､ ,.---ｧ^!　| 　　 |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣l 　　では、いいかな？
＿_{ 　　＿__|└―ｰ／　￣´ |ヽ |＿__ﾉ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|
　　｝／ -=　ヽ__ - 'ヽ　 -‐　,r'ﾞ　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
＿_fﾞ/／￣￣　　　　　＿　-'　　　　 |＿＿＿＿＿ ,. - ￣　＼＿＿__|
　　| |　　- ￣　　　／　　　| 　　 _　|￣￣￣￣／　　　　　　＼　￣|
＿__`＼＿＿　／　　　　＿l -￣　 l＿＿_　／　　　, /　　　　ヽi＿__.|
￣￣￣　　　 |　　　 _ 二 =〒￣　｝￣／　　　　　l |　　　　　　!￣￣|
＿＿＿＿＿__l　　　　　　 -ヾ￣　　l／　　　　　　l|　　　　　 |＿＿_|

735 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:29:07.99 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　＿__ ＿
　　　　　　　　 -‐''"´￣　｀　｀''ヽ=､　　今回のエピソードは、『葉隠』の中でも特にインパクトの強いものをあげてみた。
　　　　 ,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　r（:::::::::::::::::,、_ｨ:::::::::::::::::::::::::::::::::　　:豊臣家の重臣に大野治長という武将がいた。
　　　ゞ, ｒｒ～ヅ　　ﾐ:::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　ﾌﾊ　　　　　　ﾐ::::::::::::::::::::::::::::::　　よく秀頼の母である淀君と不倫関係にあって、
.　　　　l　__,,.　-─￢,〈::::::::::::::::::::::::::::::　　豊臣方の足をひっぱった人物などといわれている。
　　　　〉ﾞﾞ`'''Tjフ￣　ヽ::::::,ｨ ,､ヽ:::::::　　
.　　　 / 　　,.‐'"　　　 }:::/ /ヽﾊ:::::::　　しかし、大野家は淀君の乳母の子であった。
　　 /.. 　　　　　　　"´　２ﾉ/ l:::::　　
.　　ヽ.ﾆ,｀　　　　　　　　　 __／　:l::::　　淀とは親密な仲であったが、俗説のような軟弱な武将ではなかったことは
.　　　　 'ｰr_‐;ｧ　　　　　　ｨ　　　　l:::　　知っておいて欲しい。
　　　　　〈..　　　　　　　 /:{　　　ヽ
　　　　　｀}　　　　　／::　!　i　　　　　　その治長の弟に、道賢（治胤）がいた。
　　　　　　丶、,､. イ::::::　　　 !　　　　　　『葉隠』の中でも、同じエピソードが二つも載っているという特別待遇の人だ。

736 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:30:12.73 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.....､､､_____,......
　　　　　　　　　　　　.___,-‐'´　　　　　　　,　`ヽ､
　　　　　　　　　　　, 'ヽ、､、ヾ、　　　　 ,ノ　　　　ヽ、　　　　　　（聞書７の６７）（聞書１０の５６）
　　　　　　　　　　/´　　ゝヽ、）....--‐‐'　　::::::::::::::;､ヽ、
　　　　　　　　　/　´￣　‐ﾐ､　　　　　　　　,...-‐''´::::::. ヽ　　　　　　『慶長１９年（１６１４年）大坂冬の陣も和議が結ばれ、徳川家康は駿河へと戻った。
　　　　　 .,､､;‐ｙ　　　　　　ヾ::ﾐ　....､-‐''´´:::::::::::::::::::::::::. ',__..ノ
　　　　,-"／~/　　　　　　´／‐'´　　　　　　....::::::::::::::::::　',=-､　　　　だが、大野道賢は心を許していなかった。
　　　　　/　〈ヽ､　 `、`､''ﾞ　......::::......　　　　　　 ___;;;::::::::,ん　 ',
　　　　　l　　/　　'' ‐-ヾゞ,,､::::::::::::::::::::::::::::::::::::'´-‐-ミ､-ﾍ　　 ;　　　　
　　　　　　　〉　　　_,-',ｒ'´ミ‐--,ﾊ,ﾍー‐‐‐‐一ヾ､＼　 ` .〉
　　　　　　, -へ､,‐'´,-´　　　　 l!　l!ヾ、　　　　　ヽヽ､_､‐'ヽ、　　　　　　　　　　「家康にまったく和議の気持ちはねぇ。
　　　　／::::/　/ /´ｔ-､､､.....__　.l!　i　 ';,　　__... 彡ィﾞiヽ　ヽ、ヽ、
　　／　::::ｲ　　　　 lヽ､‐t:ｯミ,ヽtｰi-‐ﾉ彡､ｯｰナl　ﾞi　　　　ヽ､ `ｰ-- ､　　　　　来年には、しれっとした顔で、再び大坂に攻め入るだろうぜ。
　／　:::／/　　　　　| 　 `'''''''''´>‐--<､__`ニﾆ´　l　ﾞi　　ト、 `､ -‐-､ `ヽ.__.,
ノ　 ::／ノ :::i　　　　ト---‐''''´　　　　　　￣'''''''ﾉ :　　　 :ﾞi　ヽ、`､　　`丶、　＼__家康の手並みを考えてみりゃ、堺に手勢を置いておくだろう」
　::／ / ） ::::l　 .i　　ﾄｰ--‐‐==‐'´￣ `'==‐‐--ｲ :::　　　　ﾞi　　ヽ、ヽ、　　ヽ、　ヽ、
::/　 / ./　:::i　 i　　　l::: ::　 l　 ::　::　　 ::: :　　　/..:::::　 ::ﾄ、　ﾞi　　　ヽ　＼　　　ヽ、
.）　/ 　i 　:::i　ﾊ　　ﾞl :::　 l　 ::　::　　 ::: ::　　/ :::::::::　 ::l ヽ　ﾞi　　　＼,（　　　　　ヽ
.） /ｰ'´ヽ ::::l!　i:::'､　::::ﾞl:::　 !　:::: :::　　 :: ::: ∠.__＿、　::l　ヽ、ヽlヽ/￣／＼,..、
.ﾚ　-‐ ..ﾉ ::::l!　.l:::::､　::::ﾞl:::::::...:::::::::　　 ::: :::　　　　　〉　::l　　ヽ　ﾞ〉　／　　／　ヽ、
.／　 ':;く :::::::l!　ﾞi::::l　::::::ﾞl:::::::::::::::::　　 ::　::::　　　　 l　 :::ﾞl,､ﾉヽＶ::／　　／....:::／::`ヽ、
　　　::';: ￣`´ヽ､ i::::l　:::::::ﾞl::::::::::::::　　　:　 ::::　　　　ﾞｌ :::::ヽ::::::　/　　／...::::／:::::::::::　ヽ
　:::::::::::ヽ　　::　　ヽﾉ::::::::::::ﾞi:::::::::　　　　　 ::::::　　　　ヽ:::ｒ'´:::::::....　　　...:::::::::::／::::::　／ヽ
:::::::::::::::::::､　 ::::　　::ヽ:::､:::::::ﾞi:::;;　　　ﾊ､　:ｒ'､__/ヽ...､-'´　､､､/　.／...::::::::／／　／　　　',
:::::::::::::::::::::ヽ　　　　　　　`ヽ､ヽ｀⌒´　　~´,,..　　　/''´　　　　/ ／....::::　／／　／　　／　 ',
　　　　　　　　　　　【豊臣家武将　大野道賢（道犬）】

737 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:30:33.74 ID:hggoHrMo

　　　　　 .　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:;:.,':;":..,,,
　　　　　　　　　　　　　　ヾ>　　　　　　　　　　　　　　　　/＼
　　　　　　　　　＿＿＿＿＿ヾ_,ゝ __,,:::=====:::,,　　./^＼/　 / 　 _　　"　';:.　:,;':.:
　　　　　　;"　/＿＿＿　　 ./ 　　　 .　　｀　´　´､ゝ'' ＼　　 /　　/,/
　　　　:　;　　　　　　　/　 /　　..‐´　　　ﾞ　　　　　　　/　　＼　　　＿　　;　:.:,;'
　　　　　　.;,..::,:'" 　　 /　　＼　　　　　　　　　　　./ 　/＼　＼　/_,/
　　　::,;''　,.,..; 　　　　/ 　/＼/^　　　　　　　　　　　　/　 /　 /　`.　　　　"';:;　:.:,　　　　　こうして道賢は、堺を焼き討ちにしてしまった。
　　　　　　　　　　; ./ 　/　,;　　　　　　　　　　　＼/ 　/　 /　;.　　　　　;:; :.:,
　　　　　　　　　/ / 　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 / 　ｷ　　i^＼
　　　　　　　　 ;ﾞ　^--'　　　　　　　　紅　蓮　腕　　　　　　^--'　　　ﾞ;　　＼, ＼
　';:.:,;'　　　　 .;　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ;.　／丶, .ヽ
　;　:.:,;'　　　　i;　　　　　　　　　　、,.　　　　　　　　　　;i　　　　　　.i￣　／--;"´
:.　:;:; 　　　　/i|lli;　i　. .;,　､　　　　,.,.... {il:::ii::li},.,..., 　　\　　　` 　 ,i|;iil￣
　　　;:;:.:,　　　 /ﾞ||lii|li||,;,.il|i;,|il　.:." 　i'i l:]::::::[:l i'i　　.;,,　.i|i,..,.i|||l´i,.il|lヽ　,　　　;:..,;::.''"
..,.,;　　　　　　　｀;;　":':....:...　.:.　　 i^i,,[>-<],,i^i　　,,::　..:.::.:..;,.. .从　　::.,　　;:;..,
　　"　';:.　:,;':.:　　　　　　　'　　 ". ..: . ,く,_,ｨ,__ゝ..: . ..:;"　　　　　..,.,;;:　.:':.,,"'"
　　　　　　　　　　　　　　'　　　　　　...(,,_ﾉ　ヽ_,,)...
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::　　　:::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　.::::::::::::::. 　　 .:::::::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　.::::::::::::::::::::...:..:...:::::::::::::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..
　　　　　　　　　　　　　　　..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..

738 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:31:09.18 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　. 　ァ　 -‐‐- ､｀丶、
　　　　　　　　　 ´_,ノ´ -‐=＝ミ、＼､ヽ、
　　　　　　／　　 /　　 -‐rf≠ミﾐ､　　 } }　､　　　　家康は、この知らせを聞くと、道賢が心中を見抜いてやったことだと思い、
,　-‐‐…ァ′　イ　　　⌒　≧込}､}ﾙﾚ' /∠厶　　　　　道賢を強く憎んだ。
　　　　　{　　/／　　　　　　　 -‐ ´　 {=≠=ﾐミ、
　　　　　＼{´　　　　　／＿＿r'　　　〉ﾄ弋} 　}　　　翌年、夏の陣では、大野道賢を生け捕りにしたものが武功第一とされた。
　 -‐‐-　　　､　／／,　-‐　　　ー／ハ｀ーｲ
　　　　　　｀ヽ}〉 { /　厶-‐─‐‐-　､ ⌒ヽ　　　}　　　　やがて、比類ない働きの後、道賢は捕らえられた。
　　　　　　 ∨/{　|iﾙ'´￣￣￣｀丶＼　i　　,
　　　　　　　　 }′　{|K⌒ヽ、＿　　　〉〉} |　厶_　　　　　白州に縛られたまま連れ出されると、
　　　　　　　 .ｲ　　 |ト､＿　　　｀ヽくイ　/ /　　_≧x　　　　家康は声をかけ、罵声を浴びせ、道賢に恥をかかせようとした。
｀ヽ　　　／ﾉ　　　ヽー‐--　､__　ヽ/ / /　／　　　｀ヽ
　　ﾏニｱ─く／{,ィ,イ_ ＞ァ＝≠ミ≧′ /　//　　　　　 ',
　　 }／ }.ｲ　}　/ {　{′　（￣/{ ‐-ﾄ､ rfｲ　 { {
　　/　 /: |　j　{　| /　　　ヽ{　＼_j　ヽi }　从　　　　　　 }
　 .'　 /: :/ /⌒Y´{　　　　‐┘ 　_ノ　从＿／⌒ヽ　　　 /｀丶、
イ　/: :/ /⌒Y⌒1　　_　 -‐‐-　_　ノ个: :{　｛　 }　　／ .　-=ミ､
:ﾉ , ' : / /　　 l　 └≦三三三三≧､　 |: : :|　ﾄi　ト-　／　　　ヽ
／: : / / 　　 }　　　　　｀ヽ、　　　斗: : |　 |:|　| 　 /　
　　　　　　　　　　　【大御所　徳川家康】

739 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:32:30.95 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,
　　　　　　　　　　　　　　　　､_,ﾙ -- ､ _）
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ィ-― T ´ ヾｭ　　　　　　　　　　　　　しかし、道賢は臆せずに言い放った。
　　　　　　　　　　　　　 y′ヽＫ_ﾉノ ´ハ_ﾉ　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　 ´,ｲ木､_{ハ｀i＜,ﾙiz｀
　　　　　　　　　　　　 / :!ﾒ.､_､フ不ヽﾊヽ.｀ｰ- ､　　　　　　　　「テメェを同じ目に遭わせてやろうと思ったが、
　　　　　　　　　　　 r'/:. ' l|tﾓｧ千tﾁ:i! :'　ヽ:､_r'´　　　　　　　　　武運つきればいたしかたねぇ。
　　　　　　　　　　　　　,.７_:;　 iﾑ´∠i:､｀ﾌl　i　:､_V
.　　　　　　　　　 ,. ＜--ム _l:ﾍヾ.三ﾌヌl ├'´: : ヽ.　　　　　　　　　いくさで生け捕りになるのは、古来の曲者（剛の者）にも例があること。
　　　　　　　　　 f´- ､　｀T TVﾄ:ﾐ:ヾﾆィ: ル'´l: :　　ヽ.
　　　　　　　　　 l ,. -亠-:!　ｌ　 !　ﾄ:.:v':./::ﾚi´: :　,　　ハ　　　　　　　　何を恥ずかしいことがある。
.　　　　　　　 /‐-,＜､-!　ｌ　 l　､.ﾆ,ｲ: : /: : :./: : . ,　ﾊ　　rｪｪ.､
　　　　　　　 /―:'-､入:l　ｌ　 !　　V/: : ;' i: : ;': : :〃:, -ヽrvｭ }ﾆ!ｨ7　それくらいの心づもりなら、テメェの天下も心もとないもんだな。
.　　　　　　 /―:- ､vヾハ. l　ヽ.　 7: : :i: :l: :,': /:/:!/: : : :{iﾆﾆ'ﾆjTi
　　　　　　 i　.:=-､/ 　 V__｀T´__ヽ/: : :,ｌ: :l: ;' /:,' ;ｲ: : : : ｛､ニﾆｼ´　　糞野郎ッ！」
　　　　　 !.:｀__､/ 　　 _}､｀7 ___/: : :/:ｌ: :l:;':/: i´; ｌ: :i: : :∧ニ7
.　　　　　 l: __ :/ ＿,r=/ {::!_'_　/: : :/: :ｌ: :|'/; : l:;': !: :!: :∧二7　　　　家康は、あまりの憎らしさに口も出なかった。
　　　　　 f:/ ／｀>､!: :ヽ:ﾍ_:_:_/: : :/: : :ｌ: :l':/: /; : l: !:ﾚ'､二ﾆﾊ
　　　　　 l'_､l ｀ i' ､_＞､: ､／: : :/: : : ': : ｌ'_:_j:;': : ! l/ヽ.二ﾆN
　　　　 ,. -亠‐＞-=-'z_/ , ＞､: : /: ;ｨ_:＞､_）,ﾙ':/: :! !､｀二ﾆ lﾊ
　　／　　　｀ヽ: ､｀ヽ: :｀ヾ,´-弋／_＿__ . ィ: :｀ト-ヽﾄ､二.ィく: !

740 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:33:02.55 ID:hggoHrMo

　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　／''''''　　　'''''':::::::＼
　 . |（●）,　　　､（●）､.:|　＋　　　　　すると、街に火をかけられた堺衆から、道賢の引渡しを求められた。
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
. 　 |　　｀-=ﾆ=- '　.:::::::|　+　　　　　　「道賢は街を放火しました憎らしい輩。
　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　　　　+
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､.　　　　　　　ぜひ、我らの手によって火あぶりに処したく存じます」
:　　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　＞　　ヽ. ハ　 | 　 |｜

　　　　　　　　　　　　　　　へ､、
　　　　　　　　　　　　　　 / ｛_ ｸ
　　　　　　　　　　　 ,=- く__,,／
　　　　　　　　 /　　　／　　　　　＿
　　　　　　　　　　/　　／　　　　　_〃― ヽ
　　　　　　　　　/　　 /ヘ　　 _/ | | =!|= ｝lヽ　　　　　　　　　家康は了承した。
　　　　　　　　　r'　　　く彡＼r'´｛　∧ rっ /　 |ヽ-､
　　　　　　　　＼　　　　""''''`l ／ﾍ｀,二´ミ､ﾉ丿丿）　　　　　　「できるだけ、たっぷりと苦しませてやれぃ！」
　　　　　　　　　 /＼　　　　|　´　　 |　|　　| |＼_ノF＝= ､__
　　　　　　　　　/;:;:;:;:ヽ　　/ 　 l　　 |　|　　| | 　＼|| | | | | ||
　　　　　　　　 /;:;:;:;:;:;:|　　　　　r―''＼ ,'⌒i| 　　　 || ||　 |
　　　　　　　 /;:;:;:;:;:;:;:;:|　　　　|| 　　　ヽ__ﾉ　　　 || || 　ﾍ

741 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/05/17(日) 19:33:33.85 ID:kkGnl220

CCOかっこいい

742 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:33:43.42 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　　 .i|　　　　l 　　 |i.
　　　　　　　　　　　　　　 .i|　　i　　　　 |i.　　　　　　　　　　　　　　_ ,, .. ノ;;⌒;;)）
　　　　　　　　　　　　　 .i|　　　　　　 |i.　　　(;;;)　　　;　　　　　　　.　　　　　;
　　　　　　　　　　　　　　　　　.i|　　　　　　　 |i.　　　　　　　　　　(´⌒;;;　　.
　　　　　(;;;)　　　　　　　 .i|　　　　i　　 |i.　　　　　　;　　　　　　　.　　　　　;
　　　　　　　　　　　　　　　 .i|　　　　　　 |i.　　(´⌒;;;　　　　;　　'　　　　:　　.
　　　　　　　　　　　　(;;;)　　　.i|　　　　　　　　 |i.　　　　　　(;;;)　　　　(´⌒;;;　　　　(´⌒;;;　- = ≡ = -
　　(;;;)　　　　　　　　　　　_,,,,..i|　　!　　 l　 i　 |i. :::;;;..,,..,,_　　　　;　　　　　　　.　　　　　;
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　　　　　　　,;'　 γ''"~ 　 :　 .i|　　　　　　　 |i.　　:　　~" 　 )　:)　　;　　.　　　_ ,, .. ノ;;⌒;;)）
　　　　　　　`::- ,,`''-ー,,_;-～i;;;;.....,,,,,＿　,,,,..　.._ ,, ～-;_,,ー= ^　ﾉ;　:　　　　.　　　　　;　　　　　:
　　　　　　　　　 ^' "'''' = - ::::;;;;,,,,......._,,;;_::::_::;＿:.;_;;;;::::: ::- = ''''"　　　(´⌒;;;　　- = ≡ = -
　　　　　(´⌒;;;　　　　　 .i|　　　　!　　　　 |i.　　　　　　(;;;);　　　;　　　　:　　.
　　'　　　　　　;　　,　　　'　 .i|　l　　　　　　i　　 |i.　,　　　　　:　　　;　　　,　　,　　;　　　_ ,, .. ノ;;⌒;;)）
　　　(´⌒;;;　　　　　 (⌒;;　.i|　　　　　　　　　 |i.　(´⌒;;;　　　　(⌒;;　　　:　　　　;
　　　　　　　　　(⌒; ⌒　;;(.i|　　　l　　　　　 i　 |i.;;⌒　）⌒ ）;;　　　　_ ,, .. ノ;;⌒;;)）　　- = ≡ = -
　"．;．;"．;"．;( ;;⌒（　;;⌒.i|　　　　　　　　　　　 |i.⌒;;）;;　;;）⌒;;)"．;．;"．;":．
"""""""""""""""""""".i|　　　l　　　　　　i　　 |i."""""""""""""""""""""""""""""""""""""""

やがて火あぶりとなった。
焚き木も柱ごと燃え上がり、道賢は炭とも区別つかない体となった。

　　　　　　　　　　　　,.,.,.,.,.,.,.,.,__
　　　　　　　　　　　,,;f::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　i::::::::/'"￣￣ヾi
　　　　　　　　　　　|:::::::|　,,,,,_　 ,,,,,,|
　　　　　　　　　　　|r-==（　｡);（　｡)
　　　　　　　　　　　(　ヽ　　:::__)..:: }
　　　　 ,＿＿__／ヽ　　ー==　;　　家康から遣わされた検使は、死亡したか確認のため、道賢に近づいた。
　　　　 r'"ヽ　　 t､　　＼＿＿_ !
　　　　/ ､､i　　　ヽ＿＿,,/
　　　 /　ヽﾉ　　j　,　　　j　|ヽ
　　　 |⌒`'､__ /　/　　　/r　 |
　　　 {　　　　￣''ｰ-､,,_,ﾍ＾　|
　　　　ゝ-,,,＿＿＿＿_）--､j
　　　 /　　＼__　　　　　　/
　　　　　　　"'ｰ‐‐---''

743 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:34:24.60 ID:hggoHrMo

　　∮　　　　　∬　　　∫
∫　　　∫　＿＿＿　　∫
　　　　　／i!i!i!i!i!i!i!i!i!＼　　
　／!i￣i!i!i!i!i!i!!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i￣i!i!　　　すると信じられないことが起こった。
　＼i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!!i!i!i!i!i
　　　￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　　＿_
　　ガバッ　　∠ﾝヾヽ　　　　　 ___
　r‐-、　_,.-r-{i!i!i!i!i!i!i!i!}ﾌｰ,､__r-'(_)ヽ-､　　　炭の塊と思っていたものが急に動き出し、
r'(_ﾉi!i!i!i!i!i!i!i!i! ○ ○li!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!'
ゝﾉi!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!　ニﾆi!i!i!i!i!i!i!i!i!ンL!
　ヽノ_/_／|￣i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!ヾｰ'i　|　　　　　　繋いでいた鎖を引きちぎった。
　　 |　　　　i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!/　
　　 L_j　　ヾi!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!〈
　　　　　　_j　i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!　,ゝ
　　　　／i!i!i!_l　ト-､_ji!i!i!i!i!}
　　　　{￣L/　￣　　 }i!i!i!/
　　　 _＞〃⌒)　　　/i!i!i!/
　　　(_(_(_,r'⌒　　 r'i!i!i!i!i!ヽ__
　　　　　　　　　　｀ｰ､二r'_)_)_)

　　　　グサッ　＿　　／　
　　　　　　―＝￣　｀ヽ,　＿　
∵. ・　　〈＿_　>　　゛i;;三三ラ |　　　　　　そのまま検使の方へつっこむと、脇差を奪い、ひと突きで刺し殺した。
　　　　　　　　（／　,　・i;j：　|　　|
　　　　　　　／　／／　＼　　
　　　　　　／　／　,'　　　　 ' 　　
　　　　／　／| 　|　　　　　　　　
　　　 .!､＿／ / 　〉　　　　　　　　　　
　　　　　　　　|_／　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;...　｡　　　　;; : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.;....;　　　:..　; ,　:.... ;:.　:;. ;.;..::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ　.　: : :　　ｌ　:/;.. :;　　.:;｡::
　　　　　　　　　　　　　　　　{二:..　　:.:　　;:.:ヽ.;:,.i・人从　　／::::.... ::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ从;ｌ；从　/、。;.:;从　;:.　／ﾆﾌ
　　　　　　　　　　　　　　　::::....　`＼:;.:.从：：:;.:;,:,；、;l,;l>　:;.:;人:;...／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　.;:　.,;:;　） ,.,;;;Ｗ＿从　:;.：；／,∧ ;/..　　　　道賢は、脇差を抜き取ると、その場で体が崩れて死んだ、という』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾛ　三.,.,;:;.:,,l|二|;,:;,ゞ;;,,从 :;.;: %　~:..
　　　　　　　　　　　　　　　　....　..;;　Σ;''。：。,,::从ゞ;;,;;;／*:;:,,~`=
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..,::;;　Ｙ⌒:;...;:.:〃l,l；、;.:;.w: .Ｚ＼:: : :. ..::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　）：；。／从∵]ヽ,.,.;;>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..:.:.　;;.''ﾉ::⌒Ｙ＊W　从　　::....　:::.......
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;.:　　:::;;/''`;..　　:,.Ｙ:. ..ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....;;:'"'　　　.　　.:..　　''

744 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:35:38.86 ID:hggoHrMo

第７話

寛永１５年２月２７日から翌２８日昼までかかった原城の総攻撃は終わった。
天守閣は紅蓮の炎に包まれ、城内の者は「虫もうちもらさぬ」ほど始末された。
原城は、城郭だけでなく、塀、石垣にいたるまで徹底して破壊された。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l 　 | : : : :|
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　　iv'ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　|:|ｌ＝=|
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　　!:`l'|　　ζ＼　　 |;`;|　　　　　　　 ∥ 　　　〕 .|　　|:| 　|| | ./＼　　＿.|;'|　　　　 /.:〉
-､_|_.;l:| 　　＼';､＼　 :|':i;;|　　　 .　 i'1　　　||／>　　r┘.:|　　|:|　 ||::| |　 ∥‐┘ .:|';|──へ./.:/＿r‐
ｰ|＿}:;|　　　　＼';､.＼|;';;;|　　　./〉　|;|＿r／／　 /|￣＼:|　　|:|　　￣　.:〃..／>.::|;'|:::::::::::::::/.:/:::::::::::
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ｰ|＿};|::::::::::: : :: : {二l＼;i`!､::://:::::::::::::::::::r| .::| /.:::::<＼／　　〈:::.:... ＼　》 '　.::::::::/|＼＿ｎ::::::::::::::::::::
-|＿|￣/＼:::::::/`|＿{┬| |;､＼::::::::i'|::::::r┴冂、 .:::::|::＼＼ _＿＿__:::::.:..〉″へ:::::/ .| |: : : |:|::::::::l`!へ、
ｰ|＿}::/ ､';';〉.:/ /{＿|┴lニニニニﾆｌ.r┴､_|_|_|:>:::::＿＿＿|」＿＿:l;_;_/／..::.　｀〈　:| |: : : |:|::::::::| |: : :
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~゛'' ┘⊥ ｣_　|　　|{＿|┴┬┴┬┴┬┴┤ .:|＿;!＿＿;!＿＿:l＿＿;!＿＿;|<___;_/＼_;_;_;|;|-∠|_|;_;_;
　　　　　　　　　~゛'''' ┴'::⊥Λ二＼.:|　　.:|ー:|＿＿;!＿＿;!＿＿;!＿＿:l＿＿;l:::...＼/＜＞::.　 ∠二
　｀　　　 ,　'　　.　　｀　　　∨_,,,;;;;/. ~゛`┴ -'⊥ .」＿;!＿＿;!＿＿;!＿＿;!＿;ﾄ､ r─‐-､　　　...:.:.:.::.:
　　　　　　　　　　　　　,　　　　　　　　　　　　　　　　　~゛　┴　 ⊥. .,_..:::|　::/￣.￣'"ヽ┴-､_;_;_;_;_;_;_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,　　　　　　　｀　　　　　　 ~゛'' ‐-|＼＿＿＿ﾄ--/.. ...:::::::./|
　　`　　　　　　　　　　　　　.,　　　　　｀　　　　,.　　　　　　　　　　 '　　　　＼|__;_;_;_;_;!─l二二二l/

745 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:36:03.84 ID:hggoHrMo

天草四郎は本丸にて打ち首となった。
首実検として、天草から母親とされる人物が連れてこられた。
はじめは四郎の死亡を信じなかった。

　　　　　　　 |/　　　　ヽ:|　　　　＼|,＊
　＼／　　　　　 , ‐＜⌒|:ﾄ-- ､　　　／|＼
　／＼　　　　／::::::::::::::: ｿ::::::::::＼　　　　　｡
.　　　　　　 /:::::::::::;:へ、::::::::⌒ヽ::':,　＊　
　　　　　　 /::::::::／―ヽﾝ／^ヽ:::::';:::',　　*
.　　　＊　/::::::::/==､　　 ´￣ヽ::::!:::! 　　　　うふふ。四郎ちゃんは、死んでなんかいません。
　*　　　 !:::::::/　　　　　＝=､　!:::|:::|
　　　　　 |:::::::!ｨ＝ミ　　　＿　∨::::!:::! 　　　　だって、今ごろは白鳥になってぱらいそ（楽園）へと旅立っていますわ♪
　　　　　リ::::| ,,,,,,　　.　´￣ヾ/::::/ ::',
　　＊　　ﾄ､|ヽ、　､_ _　 '''''/::::/ ::::::',
　　　　　 |:::::::::::ｒ､＿_ ／7-ィ:::::::::::::'、
　*　　｡　ｊイＴ｢ト‐ナ/　_ｱ / :::::::::::::::ヽ
　　ﾟ　　 / jﾚリ.ﾉ＞'"　ノ　/、::::::::::::::::::::':,
　　　　　ｌ / ﾚ'　　　,イ｢　ｲ　!:::::::::::::::::::::::!
　　　　　 | ﾝﾞ　　／ﾉ | 　 | /:::ﾄ､:::::::::;ｲ:: |
　　　　　ヽ＿／ｰｲケl 　 l/:::!:| |:::::::/ !::/
. 　＊　　 / / /　 l lヽ｀ｰｲ :::リ l:::::/　ﾚﾞ
. 　　　　〉7￣￣｀⌒⌒´＼/ /／

746 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:36:33.80 ID:hggoHrMo

だが、実際に目の前で四郎の首を見たとき、思わず泣き崩れてしまったという。

　　　　　　 ⌒)
　　　　, ' ⌒´` ,
　　　 l　ﾉ｀´）ﾘ　　　
　　　　iゝ(；ヮ；ﾉ
　　　　ﾉ/´｀)¶(ﾊ　
　　　（（｡ﾟﾉﾆ}ﾟ｡j　
　　　　 ~Ｙxxxjソ

しかし、全員がことごとく死に絶えたわけではなかった。
記録では、ただ一人、生き残りの名前が記されている。

747 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:37:13.02 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,........ ､,.:::──-..､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　,..:.':´.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≧、
　　　　　　　　　　　　　　,...-:'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
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　　　　　　　　 /;ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.l.:.:.:|ﾞ´"ﾞ｀l.:.:.ﾊ.:.:.:l､.:.:.:.:､.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　ﾚ' |.:.:.:.:.:.:.:.:.:i.:.:.i'､.:.| 　　 !.:.|. ヾ:.|ヾ:.:.:.:i.:.ヽ.:.l
　　　　　　　　　　 !.:i.:.:.:.:l.:.:..l.:.:| ヾ|　　　ヾ;v;:=:iﾄ- ヾ:.ト､.:.∧
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　　　　　　　　　　　　ヾヾ:.ヽ.i､l､ヾ;rf;;う,.ヽ　ヽ､　　　ﾙ'ﾉ.､::ﾞ:、
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　　　　　　　　　　　　　 /.:.ヾ::、　　　　　　　　　　 |i:ト､.:.:ヽ.:.:i
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　　　　　　　　　　　　 /ｨ.:.:/.:.,ﾊﾞi　　　 ,..... -‐‐　　 ,ｲ人.├＼ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　i/|.:.:l.:.:!lｒ:Lﾄ､　　ﾞ`　"´ 　／　　 iﾑ.､　＼─‐‐-　､__
　　　　　　　　　　　　　　　,レ'‐'7!.　ﾞ:､`ヽ､　　　 _,..j　　　 / ヽ＼　｀
　　　　　　　　　　　　_,.　'´　,.イヾi 　 |　　｀ﾞ""´ 　ヽ　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　【南蛮絵師　山田右衛門作】

山田右衛門作は、口之津村に住んでいた南蛮絵師だった。
天草にいたイタリア人画僧から、南蛮タッチの絵画技法を学ぶ。

748 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:38:02.80 ID:hggoHrMo

　　　　 //　　　/::::://O/,|　　　　/
キ　　　/　|'''' 　 |::::://O//|　　　　/
　ュ　　＼ |‐┐ |::://O/ ノ　　ヾ､/
　　ッ　　 |__」　|/ヾ. ／　　　　／
　　　　　ヽ___ﾉ　／ . へ、,／
　　　　　　/ 　{　く　　／
　　　　　　 !､.ノ `ー''"
　　　　　//

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　／）
　　　　　　　　　　（＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／
　　　　　　　　　　　＼＼＼.　　　　　　　 ┃　　　　　　　　. ／／）
　　　　　　　　　　　（＼＼＼＼　　　　 ━╋━　　　　　　／／／
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　　　　　　　　　　　　＼＼｜｜｜　　　　　　　　. ／／／／／）
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　　￣￣（￣￣／／／／￣＼　∧ ∧　　　　　　　｜｜　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣）
　　　　　　￣（／／／／￣＼＼( ﾟДﾟ) 　　 ∧＿∧ ｜／￣＼＼＼＼￣￣）￣￣
　　　　　　　　　（／（／／／￣（つ　つ　　（´∀｀　）／／￣＼＼＼＼）￣
　　　　　　　　　　　　　（／（／｜　 /　　　（　　　Ｕ）￣＼＼＼）＼）
　　　　　　　　　　　　　　（／（（/ ∧｜　　　 |　｜｜　＼)＼）
　　　　　　　　　　　　　　　　　∪　 ∪　　　（＿（＿_）））　　＼）

右衛門作は一揆が起こると、天草四郎のために、陣中旗を作成する。

中央には、十字架を描いたパンとぶどう酒で満たした聖杯を配し、その両脇には天使がひざまずいた姿が描かれる。

「いとも尊き聖体の秘蹟ほめ尊まえ給え」

旗の上部には中世ポルトガル語でそう書かれてある。
ttp://www.city.amakusa.kumamoto.jp/contents_dbpac/kirishitan/asp/cyber_data.asp?id=46&selBun=3&search_key=&type=back

749 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:38:52.70 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　　　.∥　　.:.:.:.:　　　　　　:;:;:;:;　　ﾉ　
　　　　　　　　　　　　　　　.∥　　　.:.:.:.:　　　　　:;:;:;　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　.∥　　_,.:-－'´｀￣⊃＿　.:ノ
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　　　　　　　　　　　　　　　.∥ 　　　,　　　））　　　　　　
　　　　　　,､　　　 ,､　　/'ll＿＿／ヽ
　　　　　 / ヽ＿＿/ ヽ／ _∥　　　_　　ヽ.　　　 ∧＿__∧
　　　　／　　　　　　 /　 ´ ∥ー/ 　｀　　l ロ. / _　　 _
　　　 /　´　､__,　｀　|. 　　∥∨　　　　,! || ｜　l--l　｀
　　　_l　　　 ∨　　　ヽ／￣)(￣￣｀"::::ノ (⌒ヽ, ..ヽ/ 　　,
　　（　ヽ_　　　　　　　/ 　 /ll ｀'ー､....::ﾉ ∀＼/ｰ- /｀l　　ヽ
　　　ヽ、　　　　　　　,ヽ:..:ﾉ ∥　　　'::::|⊃　　iー- l　（_〕i__
　　　　 l　　　　　　　.::::Y　.∥　　　 :::|　　|"|ー-,| 　 |

この陣中旗は、一揆の総大将である四郎の側を片時もはなれずに掲げられたという。

『葉隠』によると、佐賀藩士である鍋島大膳が天草四郎の旗を奪った、とある。
そのおかげで、陣中旗は後世に残ることになった。

のちに、この陣中旗は、ジャンヌ・ダルクの旗、十字軍の征旗らとまとめられ、
世界三大軍旗とたたえられることになる。

750 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:39:30.02 ID:hggoHrMo

右衛門作は一揆に加わると、矢文方という役割が与えられた。
城内から矢文を放ち、鎮圧に来た幕府と手紙で交渉する役割である。

決戦前夜――

　　 /:,ｲ.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.|i.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼.:ヽ
　 /／ |.:.:.:./.:.:.:.:.|.:.| |｀､.:.:＼.:.:.:.:.､.:.:.:.:.:.:.:.:..:.､.:.:.:.:.`､:i
　 ´ 　 |.:.:./|.:.:.:.:.:|.:.|　!.:.i､.:.:!＼.:.:.:＼:.＼.:.:、.:.:ヽー:、:.ヽ
　　　 |.:./　!.:.:.:.:.|`､|　ヽ:| ＼i／´｀ヽ.:.ヽ､＼:｀７ヽ｀ー,＼:ヽ
　　　 |:/ 　 !.:.:.:|:!.:.:|　　＼_∠.,,　　　＼|　｀ヽ_ﾉ　｀ヾ.|!　|ヽ|
　　　　| 　　 !.:.:|:.＼| ! ー´ﾊ､j／　　　　　　　　　　ヽ/　|.:.:
　　　　　　　 |.:/ヽ:|､｀〉　　ヽ´　　　　　　　　　|　　 / 　 j.:.:.
　　　　　　　　|´　＼｀i　　　　　　　　　　　　 i 　　　,.ｨ´.:.:. 　「待ってください。俺だけ生き残れ、ってどういうことですか？」
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　 | 　　　! .|.:.!:.
　　　　　　　　　　　　i　　　〉､　　　　　　　　 |　　　　||/:|.:
　　　　　　　　　　　　ヽ- ､´　　　　　　　　　 |　　　　||,.―
　　　　　　　　　　　　　　 j 　＿＿　　　　　 i 　　／::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　｀7´＿　　　　　　　　／:::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　,.ィ´::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ. 　　／:::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾌ'´::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

751 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:40:25.02 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　ヽー'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_,. -─￢宀¨¨¨￢‐-- L　　　　　　　　　「……そうだな、
　　　　　　　　　　ト-'::::::::::::::::::::::::::::::::::,. -- ､,.-ｰ¨　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　＿フ:::::::::::::::::::::::::::::／　　＿_,. -― ¨¨￣￣ |　　　 ({　　　　　i　　　　　　　　俺たちを裏切って幕府に密通しようとして発覚。
fr-... ＿　　　　ト､:::::::::::::::::_,. -― レ'´￣　　　　　　　　　　 ! 　　　　　　 |
||:::「:r-〒＝==-､≧__,.-‐' _＿　　 K　　　　　　,. ----､　　　 '.　　　　　　　　 ├ ､　　　　　　その処刑を待っていた。
ｊ=┴i!:::::|:::i|::::::::::::i!::::::「７´　　ヽ　＼＼＿＿／￣￣＼＼　　　＼　　　　({　 /-'├､＿
二ﾆ'ニ/ﾆ/====┴=:j　 !　　　 '.　　＼＜＞‐=_托_ｪk､＼ヽ、　　ヽ＿＿_ /ーイ　ヽ　ヽ--､……という筋書きにするか」
　　｀|「 |「￣￣二T≦ニ←.､　　 '.　　　ヽヽ --‐￣　　_ノ　ヽﾆ_ ､＿＿,. ｲ　　∧　　 | 　 i 　 i
　　 ||　i|　　｀＞:::::::::::::::::::::::i　　ヽ　　　|　i　　　　　　　　　　「「「￣￣ヽ￣^　!こ｀/_　/　 /
　　 ||　||　　彳::::::::::::::::::::::::::::i　　　　＼_」　ト、　　　＿,ｲ_,.-､　 _ｿ |ト､　　＼￣`ーﾍ_ /_ﾌ/ｲ
　　　||. || 　彡ﾍ::::::::::::::::::::::::::::ﾄ､　　　／,ｲ　 ! _／::::::::::::::￣￣〈　/ﾊ i}　　　｀ヽ　　／￣　 |
　　　|| ||　　　／ﾍ:::::::::::::::::::::::::| ⅥTー＜_ﾘ　 /:::::::::::_,._=ﾆ斥ヾ::ﾍﾚ1|!〈　　　　　　i　|　　　　 |、
　　　|| ||　　（（＿_＞＜７ハ∧!　V/::::::::::::`ー'::::::::ｨ'´ ,.二二ﾆﾘ::ﾄ- '|| ||i　　　　　　| | 　　　 |
　　　i| ||　　　≧≦￣７　　　　| 　ﾄﾍ:::::::::::::::::::::::::::`ヾﾄﾍ'`^'`´:::〈　 || ||ﾄ、　　　　 !|　　　　　!
　　　|! i|　　/:.:.:.:ヽ`‐-　_　　　 !　 | ｀^ヽﾄ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ　 || ||　＼　　　ノヽ　　 /、
　　　 |!||　/:.:.:.:.:.:.:.:.:`:.:....､￣　‐- __!　　　　｀^ヽﾊ_:::::::::::::::::::::::ノﾚ'　.|| ||　　〃ヽ　　ヽ. !　　 _j::::｀ヽ
　　　 iⅣ´￣ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:.....､　￣` ､　　　　　７'`ｰ＜'´　　　 || ||　　 |::::::`ー--‐'´￣::::::::::::::|
　　／__ｊ`ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ、　￣￣/ヽ/　　　/|　　　 ||　||　　 |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|

　　　　　　　　 i.:.:.:.:.:.:.:.:.／: : : : : : : ｀'ｰ-､_ ､:.:.:.:.
　　　　　　 !.:.:.:.:.:.:／: : : : /｀¨´ヽヽ : : ｀ヾ=､.:.:.:.
　　　　　　 |.:.:.:.:.:./ : : ,､∧|　　　ﾘヾﾄ､ﾄ､ : : : ヾ:.:.:.:.:.!
.　　　　　　 |.:.:.:.:./: : : :!- ､,_　i　 i　　_,.＞＼i　i_ヽ.:.:.:.ﾄ､
　　　　　　　 |.:.:.:./: : i∨<Ｔﾃﾐ"　 `＜Ｔテ>　　`ﾘ<} ＼:.!.:.ヽ　　　　　
　　　　　　　 !:.:./|: : : :!　　￣　 l　　　￣　　　i　/ﾉ: : |ヽ.:.:.:.ヽ
　　　　　　　 |:.:.{ ヾ!: :N､　　　 |　　　　　 /,_／ : : !::::｀}.:.:.:.〉　　　「俺をゆだにするつもりかよ！
　　　　　　　ヽ !:::::｀!: : iヽ　　 {L,_, -' ､　　 /ｲ : : : : : |::::::::!:.:./ 　　　　
　　　　　　　　_> !::::::|: : ﾍ　　　　　ヽ　ﾉ! : : : : iﾘ::::,/ /　　　　　イヤだ、俺にだって最後まで戦う覚悟は……」
　　　　　, -''´:.:.ヾヽ::::! : : ヽ　ヽ三三＞ ! ／/: : : : / ／／｀`'ｰ- ､_
　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼::::ヾﾄ､: ＼　　　　／　 !: : //／／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼::::::ヽ: :| `'ｰ-－'　　　|/| //::::|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
.　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞i ヾ! 　i　　　　　　　リ/::::::|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　

752 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:41:11.52 ID:hggoHrMo

　 __,ノ　　　　　　　　ヽ　　､　　　　　　　､　　　 /
　　　　　_;.-‐- ._ :.:....　　ヽ　〉　　　　ヽ　｀￣　{
.....:.:.___;.r‐:.:./,´こヽ:ｰ-:.ｒ''´　′_　　　　　ヽ　r' ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{｛ｒ‐ﾍ. ',:.:ｦ　　　　　｀ヽヽ､　　 { ′.ノ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ぃ.{　〈　ヽ'　　　　-_ <´こﾊ｀ﾓ.ノ ,tﾃ'′
｀ｰヽ:.:.:.:.:.､__:ヽ｀ｰ'　　　　　　 ´　￣／ ′　Yヽ
　　｀ヽ._:.:.:.:￣,へ　　ヽ　　　　　　 ,r　　　V
　　　　 ,r冫rヾ　/　　　ヽ　　　　　　　ヽ-､　　}
__, -‐／ｒヽ　 l〈　　　　　l 　　／　　　　　｀「
::::::／:::::ヽ　ヽ　l ヽ　　　　 l 　 /　　　　 _＿_/　　　　　「まだわからんのか、右衛門作」
::::〈:::::::::::::ヽ　ヽ l　ヽ　　　 l　｛　　'´￣___,,.ﾉ
:::::::ヽ::::::::::::ヽ　＼　　｀丶 .　　｀　 '´￣__Y
´￣::ヽ::::::::::::丶　　＼　ヽ　＼_,.-'´￣　ﾄ､
:::::::::::::ヽ::::::::::::::＼　　＼､　　rﾍ:.:..:. . .:,ノヽ:＼
:::::::ヽ:::::ヽ:::::::::::::::::＼　　＼　 }　l´^'ﾍ'´:::::::::::|:::ヽ

　　　＞::::::::::::::r―::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　ゝ
　 / 　::::::::::::::::::ﾞ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ｀ヽ
　| ,ｲ :::::::::::::::|-‐ヽ::::::::i、::::::::::::::::::::::::::::::、::::::::::　ｌ
　ﾚｌ　::::l:::::ｌ::::|　　＼::::ｌ｀＼:｀l､:::::､::::l::::::|:::::::::::　　|
　│　::::l:::::l､:|　　　　ヽ::ｌ ,,,,,,|::l,,ヽ::|、::ﾞl:::::::::::::::　/
　｜ ::::::::ｌ:::|　_,,、　　 ''ﾞ,ﾞ＿____ l:/ヽ､:| ,,-ﾆヽ::: |
　 l,ﾉ|::::::::ﾚ:l'" ___ヽ　i、　　ｌ　ｌ　゜　　lイ/、ｌ |:::: ＼
　　　|:::|'l::::||　' Ｌ |　　　　￣　　　　´ /"- /::::::::: ヽ　　「……うすうすは気がついてます。俺には妻と子供がいる。」
　　　ヽ:| ＼:|l　　 |　　　　　　　　　i′｀-''/:::::,:::::::::ｌ::ヽ
　　　　　　　ヽ　　Ｌ　､ヽ　　　　　 | 　|'''":::::::|:::::::::::|ヽ:|
　　　　　　　　 |ヽ　　　　　　　　　　　l 〉::::::::::::!:::::::::ﾞ|
　　　　　　　　　l　　 ,ー―、 ' 　　ｌ　　|/::::::::::::::::::::::::l:: ｌ
　　　　　　　　　＼　　ー　　　　_ -' l::::::::::::::::::::::|::::|:: l
　　　　　　　　　　 ,:ヽ　　　　　／　__|:::::::::::│::::::ﾊ,:::!:: |
　　　　　　　　　∠:_:::｀:l￣￣　__ノ;;;;;;|:::::::::,l'::::ノ　 l::::｜
　　　　　　　　　　/::／;;Ｌ ―;;;;;;;;;;;／|:::,|/:ノﾚ′　 `!:/
　　　　　　　　　　ﾚ:l,;;;;;;;;;;;;;;;;;;_;;／　/::/　　　　　　　　｀‐
　　　　　　＿ -''" / ＼;;;;;;_／　　　 l::ﾉ

753 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 19:41:15.20 ID:3c8V2rwo

南條先生に四郎に迫ったのにフラれた恨みで裏切った奴にされた人ですね

754 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:42:39.58 ID:hggoHrMo

　　　　　ゝ- ,,,,,,_　　　　　　　ﾐ : : : :-- ､ﾐﾐｰ----‐彡 ,--: : : : ゞ　　　　　,,,;:: ", ;'"　　ノ
　　　　　ゞ;;ー　　　　　　　　 f : : : : : : : : : :｀ ; : : :; ´ : : : : : : : : :i　　　　　　　'　　...:r'"
　　　　　　` ､:.　　　　 ......,,,,,　i : :ｰ: ;､,_　　　ｲ　　ﾄ　　_,,; -:'ｰ : : :i' ~ ; 　 ,,,,,,;'........::ノ::〉
　　　　　　　　` ー､;;: : : i:',:!! i: : . . rｰｆ;;;ﾄﾐ､〈　　　〉,;r''f;::;}`>:ヘ: :i!: : :i : : : : : : : : : :ノ　　「それだけではない。
　　　　　　　　　　　 !: : : { : : ! !: 彡: ` --‐" ,: : : : i : . `ｰ‐". : ミ: i! : : i : : : : : : : ; r '
　　　　　　　　　　　　ゝ: : i : {:i!:　　　　　　　　; : : :i:.　　　　　　　.:i:,;'/ : : : : : : , '　　　　　我々はここで死ぬことになる。
　　　　　　　　　　　 r ' : : :ヽ　ヽ　　　　　　,...: : : : :; :..　　　　　　,'　i｀ﾞ : : ヽ'"´
　　　　　　　　　　　 ! : : : : : {､_,､　　　　 ,.:'〈 ,.､　　 ,,_ 〉､　　　　;!r-' : : :, 　　　　　　　　　'しかし、我々の生き様が今の世に生きるものたち、
　　　　　　　　　　　　　｀ー -; ::!i　　 ,.::' : : : : :｀　´ : : : : ヽ　　,':i : rー"
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ;:!i:､　 ', : : : : : :　　　: : : : : : } : : i´､　　　　　　　　　　　　後世のものたちに記憶としてとどめおかれるようにせねばならん。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i! : : : :_　'''''ｰ―-―''''''' : :ﾉ : :/!::::::ヽ__
　　　　　　　　　　　　　　　,; '" ~i!､Y"｀ﾞヽ､.:r: : : : : :ｬ_ ;,: :ｪr ｰ‐ ､:::::}:.:i:.:`:.ヽ､　　　　　　　そして、この戦いの行く末を最後まで見とどける者も必要なのだ」
　　　　　　　　　　　　 , ,.;::;':.:.:.:.:.:.i. :.ヽ,': : :ﾉ : : : :,.;.''"　　　､..　　 i:::i. : .i.:.:.:.:.:.:.:`:.:.､
　　　　　　　　 , r　''"´.:.:.,'.:.:.:.:.:.:.:i. : .f : : : :ヽ, ;r'". : :　　　　ﾞ' ":､::i::i. : . :i. : . : .:.:.:.:.:
　　　　　 , r '". : . : . :.:.:.,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:i. : i: : : :'"´: . : :　　　 . . .　､　｀ﾞ ;. : . : i. : . : . : . :

　　　　　　　　 |　　　 i　 .:　.:::::;:::::::::/i::::::::;::::. .:::::!:::ﾄ､::::::|:::::i::::|:::::::|::::.l
　　　　　　　　　i　　i　:! .;:: .:::::/:::::／ .l::::::/!::::::::::ﾊ::i　ﾞ:;::::!:::::|:::!:::::::l､::::i
　　　　　　　 ':　 |　l:::i:::::::::i::::/　　 !:::i l:::::::::/ j/,.､-ﾞ:;iﾞ:､::|:/;::::::i　ヾ:、
　　　　　　　ﾞ. 丶ﾞ::!::::::/l::/''""￣ヾi' |::::::/ 'ｿﾞ　　 i　i､i':/ i!:;'
　　　　　　　　　　ﾄ　　ﾞi:::::ﾊ i' ､_, ....::::;_　 i／　　;:=''''''ヾ' | iｿ　' i'
　　　　　　　 i. 　　 i:::!::|　 ~　　　　　　　　　　　　 i.　　　 l　　　　　「それじゃ、あとはよろしくね」
　　　　　　　　　 l　　　 :::: |　　　　　　　 i　　　　 !　　　 |
　　　　　　　　 | .i:.　　 i.　 |、　　　　　　　 '　　　　　/　　　 |
　　　　　　　　　 i.::l:. . 　ﾞ、 |:＼　　　　　__,,...-......　　 /:::..::..　 i　!
　　　　　　　 !::i!:.i.　 . ﾞ、|;;;;l ＼　　　　 -　　／;;;:::::::::.　|: l
　　　　　　　　　ﾞ:;i!::ﾞ、 i　!:.i;;;;|　　丶、　　　　　,.イ;;;;;;;;;::;;;;r':. i;:!!
　　　　　　　　〉!:::ﾞ、ﾞ､ :!;;;;;|　　　　`　ｰ-　"　 |;;;;;;;;;;;;;;i'l:::. !ﾘ、
　　　　　　　 ,. -‐:'/ ﾞ:;:!::、ヾ!;;;;;|　　　　　　　　 |､;;;;;;;iヾ!.|::::l　ヽ,...､
　　　　 ,､-'" (:::// 　ヾﾞ:;:、 !;;;;;|　　　　　　　　　 ! ｀ヾ;;;,.　!::i.　　ヾ‐'''‐- ､＿
　　　　　　　　　　　　　　　　【一揆側武将　森宗意軒】

755 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:43:34.18 ID:hggoHrMo

　　　＞::::::::::::::r―::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　ゝ
　 / 　::::::::::::::::::ﾞ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ｀ヽ
　| ,ｲ :::::::::::::::|-‐ヽ::::::::i、::::::::::::::::::::::::::::::、::::::::::　ｌ
　ﾚｌ　::::l:::::ｌ::::|　　＼::::ｌ｀＼:｀l､:::::､::::l::::::|:::::::::::　　|
　│　::::l:::::l､:|　　　　ヽ::ｌ ,,,,,,|::l,,ヽ::|、::ﾞl:::::::::::::::　/
　｜ ::::::::ｌ:::|　_,,、　　 ''ﾞ,ﾞ＿____ l:/ヽ､:| ,,-ﾆヽ::: |
　 l,ﾉ|::::::::ﾚ:l'" ___ヽ　i、　　ｌ　ｌ　゜　　lイ/、ｌ |:::: ＼
　　　|:::|'l::::||　' Ｌ |　　　　￣　　　　´ /"- /::::::::: ヽ　　　　　「みんな、ずるいよ……。俺だけのけ者にして」
　　　ヽ:| ＼:|l　　 |　　　　　　　　　i′｀-''/:::::,:::::::::ｌ::ヽ
　　　　　　　ヽ　　Ｌ　､ヽ　　　　　 | 　|'''":::::::|:::::::::::|ヽ:|
　　　　　　　　 |ヽ　　　　　　　　　　　l 〉::::::::::::!:::::::::ﾞ|
　　　　　　　　　l　　 ,ー―、 ' 　　ｌ　　|/::::::::::::::::::::::::l:: ｌ
　　　　　　　　　＼　　ー　　　　_ -' l::::::::::::::::::::::|::::|:: l
　　　　　　　　　　 ,:ヽ　　　　　／　__|:::::::::::│::::::ﾊ,:::!:: |
　　　　　　　　　∠:_:::｀:l￣￣　__ノ;;;;;;|:::::::::,l'::::ノ　 l::::｜
　　　　　　　　　　/::／;;Ｌ ―;;;;;;;;;;;／|:::,|/:ノﾚ′　 `!:/
　　　　　　　　　　ﾚ:l,;;;;;;;;;;;;;;;;;;_;;／　/::/　　　　　　　　｀‐
　　　　　　＿ -''" / ＼;;;;;;_／　　　 l::ﾉ

山田右衛門作は細川藩によって確保され、江戸へと送られたあと、長崎で生涯を終えたとある。
この山田右衛門作によって書かれた矢文、また『山田右衛門作口書』は、島原の乱を克明に伝える貴重な資料となった。

756 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:44:12.39 ID:hggoHrMo

また、当時の記録者として、オランダ商館長のニコラス・クーケバッケルの報告書が残っている。
報告書と彼の日記には、島原の乱の発生から終結までの経緯が書かれてある。

　　　　　 ,r''"´::::::::.: .:. :. :. . .　　　　　｀ヽ　　　　　『バタビアのインド総督府へ
　　　　　／:::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.: .:. :. . .. . .　　　 l
　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::〔jｶ:.:.: .:. :. :.:＿__ ﾉ　　　　　有馬氏が日向へ転封となったあと、島原の領主に松倉氏がやってきた。
　　　 |:::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,､‐'"´＿,, ヾ.:!
　　　　!;;;;:;::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:,．‐'´　　_,,,､､-　 ,ﾘ　　　　　旧有馬家の家臣たちは、収入を松倉家臣たちに奪われ、
　　　　ヾ;;;;;;;;:::.:.＿,,､-‐'´ '" ´ ￣　　 _,,､-ｨj!　　　　　農業を行って生活をしていかざるをえなかった。
　　　　　 i　　　　 j!　zｰ'''三二ﾆ'''ｲ　 ,},,､-‐彡　　　
　　　　　 {　,r ､　 |!　｀"´_,,rｪﾃr;::'´　〈斤'''~〈　　　　　旧家臣たちは、みな屈強の兵士だったので、松倉は疎ましかった。
　　　　 V ﾍヽ j!　　ﾞ´ゝ ‐- ''′.: 　',‐'ﾞ´　|　　
　　　　　 !　ｿ　,ﾐ!　　　　　　　　.:.:; 　ヽ　　,!　　　　　それゆえ、彼らを負担に耐えられないほどの重税を課した。
　　　　　　ヾ　Y　　｀ ,　　　　 , ｲゞ=､,,ｲ､,　ｲ　　　
　　　　　　　＼ _,;　　 ',　　　/'"´　　　 i!　!　　　　　　飢えに苦しみ、木の根や草を食して生き続けるほかなかった。
　　　　　　　　　 | !　　 i　　 i!,,､､-''ﾆﾆ'''''ﾞ　,!＿　　
　　　　　　　　　 | ﾞ､　　!　　　　　-ー''"　 /::::.:.l　　　　　いずれ死が逃れられないのなら、
　　　　　　　　／|　 `''ｰ､,,_　　 ,　　　 ;　 j::::::::.:.:!　　　　　いっそ一同そろって華々しく死んでやろう、ということになった。
　　　　　　／.:.:::|　　　　　　｀`''ヽ､､＿j,,イ／|:.:.:.L＿＿
　　＿ ,,／.:::::::::::!／￣｀`ーy''"´￣ Y::::::::L／:::::／::::::::::.　彼らは勝利を得るも敗北に終わるも、
"´.:.:.::::/::::::::::::::::〈　　　　／/　　　　　|:::::::::::::::／:::::::::::::::.:　全て神への奉公のためだといった』
.:.:.:::::::/:::::::::::::::::::::ヽ　　/ ／i　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::/::::::::::::::::::::::::::::＼/´　　!　　／::::::::::
　　　【オランダ商館長　ニコラス・クーケバッケル】

757 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:45:17.53 ID:hggoHrMo

乱後、島原地方は無人の荒野のごときだった。
飢饉に度重なる圧政と原城の籠城で、住む者がのこらずよそへと移ったからだった。

: : :　　: 　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,∧ 　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,.／　::::＼
　　　　　　　　　　　　　　 ,/ヽ､.､／'″::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　.,/:::::::::::::::　　　　　　　:::::::＼
　　　　　　　　　　　　／　　　　 .､　::::::::ヽ　　　:::::::::::^''ﾞ＼
　　　　　　　　　　 _r'′　　　 ,,／　　:::::::::＼　　　　　::::::::::＼
　　　　　　　　 ._／　　　　　 .´　　　　　　 .ﾞ''-､　　　.‐､_::::::::::＼
　　　　　　　 .／　　　　　　　　　::::::::::::::::ヽ　　　　　　　:::::::::.'ｰ.ﾞ''＼
　　　　　 _,／′ :::::::::::::::: 　　　　　　　　　　　::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::
　 .,,,／ヽ　　　　　　,/'
　 ″　　　　　　　　 .,/::::::::::::::::　　　　′
　　　　　　　　　 .,,／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧
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758 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:45:44.00 ID:hggoHrMo

寛永１５年の４月４日、島原を治めていた松倉勝家に幕府より沙汰がくる。

　　　　　　　　　 /ﾆＹﾆヽ
　　　　　(ヽ　　/（ﾟ )( ﾟ）ヽ　　　/)
　　　　 (((i ) ／::::⌒｀´⌒::::＼　( i)))
　　　　／∠_|　,-）　　　　（-，|＿ゝ＼　　　　　　　　　　「城も落ちなかったし、乱でも大活躍っていう！
　　　 ( ＿＿　 l　ヽ＿＿ノ　　 ,＿＿）
　　　　　　　＼　 |r-_,,..､;　　/　　　　　　　　　　　　　　こいつはご褒美の知らせに決まってるっていうｗｗｗ」
　　　　　　　　|　 |　| .二二二二二二二二二￣￣>
　　　　　　　　　|　 |　|｀|　　　|　　　　　　　　￣＞.／
　　　　　　　　　| 　`ー'　　　|　　　　　　　　／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 <＿＿＿/|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|＿＿＿_＿_／
　　　　　　【島原藩主　松倉勝家】

759 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:46:22.34 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　 ,, =≠＝ｚ､　 ,ィ＝=- ､
　　　　　　　　　　　-―丶-''―-
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　　　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ
　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::/Mﾍ:::::::::::::::::::::ﾊ
　　　　　 {::|::::::::ﾊ::::::::://　| l:::::::::::::::::::::::}
　　　　　　　 ',::Ｖ:::| i!＿// 　 ! !｣＿_|__::i:::/
　　　　　　　　V!:｢ ´ ＿｀　　　´ ＿｀｢Ｖ
　　　　　　 {!|:| ｲｆ:::kﾃ　　　ｲf:::kﾄ ,|:|i}
　　　　　　　 `|ﾊ`(`¨¨　 )－(　¨¨´)' !:|'
　　､Nﾍ　　 _｣:∧　￣　 ` 　￣　 /::l　　　　/y,　　「まず調べたところ、島原の検地を４万石が１０万石に改ざんされていますね」
　　＼:ﾍ　,;=辷V::lヽ　　ー‐　　 , ｲ:::乃-､__/:／
　　　　 `≠ｰ '　ヽl　＞　 _ 　＜　ｊ/ ¨`≠-'´
　　　　　　　　　　　　/ｰ　､　　 |>､
　　　　　　　　　　 - ｰ- ､　¨¨l 　{ー-　_
　　　　　　　 ,　,´, , , ヽヽヽ｀ｰ┼'ヽヽヽ l lﾐヽ
　　　　　　 { | | | | 川 | | | |ヽヽ oヽヽヽ＼ iﾊ
　　　　　　 | | | | | vﾊ ! ! ! ! |ﾍﾍﾊﾍﾍﾍﾍﾍ ||
　　　　　　　ｌ ! ! ! ! !!ｿ | | | | | ﾊ| o| | | | l l.ﾊi{
　　　　　　　| | |ｒ---- ､ l | | | i!}l i | | | | | | !}ﾍ
.　　　　　　 l ｲ二二ヘ＼l l///i!.o!///////i!ﾍ
　　　　　 l !/ -- ､　　 l //// 〃//////| | !ﾍ
　　　　　 | l {_,へ,　　 |l l | | o| | | | | | ! | | | ﾊ
　　　　　　　　　　【津山藩主　森　長継】

　　　　　/ﾆＹﾆヽ
　　　　/ （0)(0）ヽ
　　／　￣｀´￣　＼
　　|　,-）　　　　（-、.|
　　| l　＿＿＿＿　l |
　　＼　 `ー'´ 　／

760 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:46:51.15 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.-＝ニ二ヽ、　 ,.-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　′ _. -‐一｀ヾ∠ニｌ|、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,..:.´.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::ﾘ::ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　／.::.::.;.::.::.::;.::.::.::.::.::.::.､.:.:.ヽ:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 /.::::/::/:::'::::/ｌ::ｌ::::l:::::l:::::::';:::::::';:::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　 li::::::l:::il::::l::::ｌ:||::|::::ll::::|ﾄｌ::::ｌ:::::ｉ:ｌ::ｌ:::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　|ｌ:::::|:::lﾄＮ､｣ハﾊ::｣|::｣l::|::::|:::::|:|::|:::::::|　　　　「あなたが建てた島原城も、
　　　　　　　　　　　　　 lﾍ:::l､:{'⌒ヽ.　　 '´￣｀ヽ､ｌ::::jﾘN:::ｊ:::ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　ヽヾ1|y'Tヾ゛　　　丁ヾ､_,|ｌTﾑkl:/::/　　　　４万石の大名にしては、やけに規模が大きくて
　　　　　　　　　　　　　　　,-x‐＜ﾌ{Tゝしﾉy‐ｆ￣上メｲイ::Ｋ) ｊ／
　　　　　　　　　　　 / ｭ_} ｝ }, |:ﾄｰ－ｲ　｀ー‐一'′!::ﾙ／　　　}ﾊ　　身分不相応じゃないかしら？」
　　　　　　　　　　　ヽ ⌒Y^′l::!ヽ、　､ー┐　　 //ﾝ{､_　　ノﾉﾉ
　　　　　　　　　　　　　　,ﾊ､　 _ ノlﾑrィ＼ヽ.ノ　／公ﾑ厶スｽ彡'′
　　　　　　　　　 ,r=7 〈　 ´ /__｀ｰ亠'´_＞ｰ　´ __ｲ、
　　　　　　　　ノ;r〈　ヽ∠}/,.'￣,'ﾌ７l／￣￣　 __∟、
　　　　　　／,' / ,´,＞‐一´_´ ', ' Ｏゝ‐;￢,ブ'￣', '´￣＞‐ 、

　　　/ノＹヽヽ
　　 /（0)(0）:::ヽ
　.／ ⌒｀´⌒　::＼
　| )ノ(、_, )ヽ,　（::::|　　リッチャンハ、キビシイッテイウ……
　|.l　,;‐＝‐ヽ　l :::|
　＼｀ニニ´　::::／
　／｀ー---―´＼

761 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:47:17.33 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　 ,　-- 、
　　　　　　　　 L ＿ﾉ
　　　　　　　　｜　　　　　　__　＿_
　　　　　　　　｜　　　　 ´,　´ 　,　´ 下、- 、
　　　　　　　　　　 |　　 /_ ' /　　　/　　　!　ヽ　 ,
　　　　　　　　　　｜　ﾑ　ヽ― --'　＿　 |　　',　ﾊ
　　　　　　　　 rz/-、　　 c 　　, - 、ー　,, }　ﾊ
　　　　　　　　ﾉ/l 。i 　, Tr -　_弋.ソ　 c　 '' ,,__!
　　　　　　　　　∧| |　 | /::::l」::＿!::::::::1:-. ,, _　c　ﾊ
　　　　　　　　　{∨ﾉ　 l,':::/　fハ |_:::::::|_:::::::|::r....、 | }
　　　　　ﾄ、　　V,/ 　 j:::f´　ﾋソ_　,￣ fひ, !::!::|::Ⅵﾉ
　　　　　ﾉ:::＼　　V 　 '::::|` ―‐⌒乂　弋ｿ !::!::!:ﾄ }'
　　　　 ≧::::::::スz廴ノ |:::ﾄ、　　 '　　　￣　ﾉ!::::|::l,ﾉ　　　ﾉヽ ,ｲ　　「しかも、幕府に無断でマカオやルソンと海外貿易をしようとしてたじゃないですか」
　　　　｀¨¨¨´　ヽムス|:::|_つ　 -　、　　 /:::|:::∧' 　＿／::':::/:;!
　　　　　　　　　　　　　Ⅵ |＼　　　_　ィ/::::ﾘ:/::ﾉスｽ }::::::::::::::/
　　　　　　　＿ rーz/　!ｿ、　￣　 , fハ`::ｿ／｀¨¨⌒ ―‐‐'
　　　　 ∧￣ノ /　 //　　　 ` -　,,/_ﾉr-　'、>、
　　　　 N　　　/　 /!＼　　　 __　＞,ｲ'⌒}、}/⌒　、
　　　　 | ﾊ　　{　 / | 　＼　　　　　ｆ　 f　く j　　　ト、
　　　　 |: :ﾊ　辷'　＞　,,_`　　イ''! 　|　　＞ ,,_　　 ,ノ
　　　　r': : ハ f/　　　　　ヽ￣ﾊ /.{　｜　　　 ,≧''"ﾊ

　　　　　　　　　　　　　　　 ,:,=＝＝=､　 r=＝＝=- 、
　　　　　　　　　　　〃 ,　 -‐==￥=＝=‐-　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::}::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::j:::::::::::::::::::::::::::::::::::..
　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::;ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　 ::::::::::::::::/}:::::::::::/!:;ﾊ:{::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::://::::::::::;' {:{　}:}、:::!:::::::::ﾄ､:::::::ｉ:::l
　　　　　　　　　　　　{:::::::::::_｣」ﾑ-:､:{　|'　いヽ∟::-::､}:::::}li:::
　　　　　　　　　 :::::}|＿j_辷__'＾　　　　 '＾,二._￢廴ﾉﾙ'
　　　　　　　　　　　　Ｖﾐ　/仏!-=ミ､　　 ,厶!-=Jﾞヽ　ﾑ{
　　　　　　　从　　 r┴-r{／／　　}-‐-{／／　　}‐=ゅ}　　ﾄ､j{　　　「おまけに、民・百姓の扱い方がサイテーです！」
　　　　　　　　}:{:::{　　| ﾆ }｣＾>─--‐'　 }　 `ｰ--一′/!リ　　 }::;ハ
　　　　　　 |::::::::ヽ_｣とﾉ' /　　　　　　　　　　　ｲ::|'　　　ﾉ/::::::}
　　　　　　ゝ:::::::八　ｒ'{::＼　　　　'⌒　　　　／:::l:::ｈｰvく:::::::::::ﾉ
　　　　　　　｀Y了　 ` ‐ﾀ:ﾏニ＞､　　　 r_＜ﾆヽ/::ﾑノ弋＿／
　　　　　　　　　｝＼＿_∧〉:V´　く!　　　　j/　　　〉:∧
　　　　　　　　 |　　　　　ﾉヽヽ、　ヽ.　　 / 　 _,ノ:ノ　｝
　　　　　　　 /　　　 /`ｰ-辷ｰ　　ヽ／　　￣_＿＿九
　　　　　ノ　　　　 /　　　　　￣¨ﾌ大（￣￣　　ﾉ　＼
　　　　　　〈　　　　　｛　　　}　　　 // 　ヽヽ　　　{ノ　　　 >┐
　　　　　　　}　　　__,.ｲ　　 .ｲ　　 {｛　　　｝} 　　 }　　　　 |　{
　　　　　　　＼＿＿丿／！　　　｝} 　　 {｛　　　ト､　　 !　ヽ

762 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:47:59.99 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　　　 ,,..-‐‐- 、
　　　　　　　　　　　　　 .／,r'"”￣ヾヽ
　　　　　　　　 .∠￣ヽ,/／'"￣￣￣'ヾ,i''''‐...,
　　　　　　　　/ ﾆ ⌒"’:::::::::::::::::::::::::::::::.|!:::::::::::＼
　　　　　　　.,r'"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ
　　　　 ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ
　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　 /::::::::::/::::/|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ', ::::::::::::::::::::::::::::|
　　　 |::::,' :::i::::/ .i::::∧::::::::::::::::::::::::i!:::::::::::::i:::::::::::i::::::::::::::::::|
　　　 |::::|:::::ﾄ,:| 　',:::|　＼|＼ヘ,:∧|＼:::::::ﾍ:::::::::.|_,,::::::::::::::i
　　　 |::::|:::::| ヾ、　',|　　_,,.-''".二￣゛ﾍ/ .|:::::::::|i-ﾐ、::::::::i
　　　 .i::',|:',',',',',__- ,,　　　　／/ ,'￣ﾐi　　 _|:::::::::i!..、|!::::::/　　　　　　　　、,i　　　「あ！？屋敷から農民の遺体が出てきた。
　　　　',::|ヾ　|ヽ,Tﾐ,　　 ../　 .i ヽ '゛ｨｭx'".|:::::::.i!　 /::::::/　　　　　　　λ|'f |
　　　　 ',:| ..ヾ|<| ヾ )- 、i　　丶‐'"丿.　　|:::::::i!_／::::::/-‐、　　　　　ヽ::::./　　　……つくづく見下げはてましたねぇ」
　　　　　　　 .|! |''-''ﾉ　　丶---‐‐ "　　　.|:::::::::/:::::__/:::::::::゛|,- ,＿γ" 〉"
　　　　__|∨!|::::ヽ　丶　　　　　　　　　　 .|:::::::/::::::_,,.ゝ、:::::ﾉ::::::):::::ヾ_ノ
　　　　゛''-.,,i:::::| ゝ、　　　 ____　　　　_.‐|:::::/|./"　　　￣ "".゛''-"
　　　　　　　　i::::|入ノ＼￣　　　　 ._.-':: :|:::/　||!＿＿. _
　　　　　　 _ ..i::|..ﾆ=-―＼.,,__,,..-': : : :　|:/ 　.||:::::::::::,　｀ヽ
　　　　　 //ｌ |i:|　 :::::::::::::/:::|:::ｊ　　　　 //　　 l::::::／　／{

　　　　　　　　　　　 /⌒Ｙ⌒uヽ
　　　　　　　　　　　/（○) (○）ヽ
　　　　　　　　_.　／::::⌒｀´⌒:::: ＼　　「あｒｙ」
　　　　／´　　|　,-）　　　　（-、|
　　　　 /'　　　　| l　　ヽ＿＿ノ　l. |
　　　　,ﾞ　／ )　＼　　`⌒´ 　／、
　　　 |／_／　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　 /／二二二7　　　 u'　__　　　　ヽ
　　　/'´r　-―一ｧ"i　　　　　　　　　.-‐ 　＼
　　 / // 　广¨´ 　/'　　　　　　/´￣｀ヽ ⌒ヽ
　　ﾉ ' /　ノ　　　:::/　　　　　　/ 　　　ヽ　　}
_／｀丶　/　　　　 ::i　　　　　　 {:::...　　　　　　ｲ

４月１２日に、松倉は島原４万石を改易。森長継に身柄を預かられた後、７月には江戸にて斬首となった。
これは大名階級なら切腹となるところを、さらに重い裁きであることはいうまでもない。

763 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:48:31.77 ID:hggoHrMo

島原の乱後、荒廃した土地を建て直した人々の話がある。

_,,.--ｰ''''''"ﾞﾞ￣~ﾞ"'ｰ-､
..'"ﾞ~ﾞ'ｰ､、 : : : : 　: 　｀'~ﾞ"'ｰ-､
　　: : .: ｀ﾞヽ.,_、: 　　 : : : : 　　　￣ﾞﾞ"'''''―-､
: : : : : : : : : : ｀'i､　　　　　　　　　　　　　　: : ｀､,、　　　　,.ｨ''''"'"~''ﾞ''ｰ-
: : : : : : : : : : : ｀ヽ: 　　　　　: : : : : 　　: : : : : : : : : ｀ﾞ''‐'"゛: : : : : : : :　　　 :~ﾞ"'ｰ-'i,　　:
: .｀"　: : : : : : : : ﾞ､:ﾞlヽ、、: : : .: : : : : : : : 　　　｀''''',,,,,、　: : 　: : : : : : :,,,,-‐'゛｀ﾞ''ｰ-
　　　.｀｀'ヽ‐.i､　_､,,.:｀ﾞ""￣ﾞ'--､..ー―---､､,__: : ｀ﾞ''､　　 : : : : : ､、､,、::;.:".:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,
　.,Ｙ、: へ,､'｀｀"　:": : 、,`'｀: : : : : : ｀ﾞ＾'--､､---"'ﾞ‐'"　　　: : : : 丶　　　　　`': :~ﾞ"'ｰ
､.ｰ'"′｀｀ﾞﾝ　、丶､.,,;": 、ヽ､、: : : : : : : .ﾞ: : : ::;.:".:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.
"、　: 、｀.､'､｀`" ﾞ:: : 、｀'':,､､:,,,ｖ,、: : ::.`-ｰ'''--,,、: : : : : : : 　　 : : : :
.‐｀｀'',;'',;'',;'',;'',;'',;'',;'',　　　　｀　｀｀｀　　'',;'',;'',;'',;'',;'',;'',;'',ﾞﾞﾞﾞ''''''''''''"'"~''': ｀''ｰ- ｀: :｀ﾞ＾'--
　　　　　　　　　　 ∧_∧　　　∧_∧　　　　　　　　 ∧∧　　　　 ∧,,
　　　　　　　　　 (｀　　,,)　　(∀・ ,,) 　　　　　　　 (ｰﾟ* )　　　ﾐ∀･
　　　　　　　　　　( [二],)　 ⊂(　とﾛ .　　　　　　　と　 lﾆ］　　　ﾐll　((,ﾐ
　　　''"""'''''".""'' し'ヽ）''"""'''ＵＵ ''"""'''''"""''"" (/ヽ）''"""''''' (/＾ヽ）''"""'''''"""''""''''""'
　　　''"""'''''"""''""''''""''"''''"""''"""'''''"""''""''"""'''''"""''""''''""''"''''"""''"""'''''"""''""
　　　　:｀:､　ﾞ''､,,　｀`'.､　｀:､　　,:｀:､　　｀:､　ﾞ''､,,　｀`'.､　｀:､　　,:｀:､　　｀:､　ﾞ''､,,　｀`'.､　｀:､　　,:｀
　　　　:::....::::::........　.　.::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........　.　.::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........　.　.::::::... ....:::::::::
　　　　　''"""'''''"""''""''''""''"''''"""''"""'''''"""''""''"""'''''"""''""''''""''"''''"""''"""'''''"""''"
　　　　￣　　－　　;;;;;;;;;;;;;－　　;;;;;;;;;;　－　￣　　－　;;;;;;;;;　　三－　;;;;;;;;;　－　二　　　二　　　￣

764 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:49:15.40 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　　　　　ィ／´￣｀`
　　　　　　　　　　　　　　　ｲ／　＿....._
　　　　　　　　　　　　　　　 { | ィ´　　　　｀`ヽ､　　　　　　　松倉氏の後に島原を治めたのは、遠江国浜松藩の
　　　　　　　　　　　　 ,‐┘　　　　　　　　　ヽ　　　　　　高力忠房だった。
　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　 ,'　　　　,､　､　 t ､_ ヽ　ﾍ　　i
　　　　　　　　　　　　 i　　| i　{ ヽヽｰ､ヽ_､ヽj 、|　　i
　　　　　,へ._　　　　__」　　l ﾄ ', __`ｰ`ゝ､孑二ヽヾ､　i
　　　／/／ｲ,　‐ _´ィ1　 ∥へﾂュ､　　　イｆ!ﾘ｀' ﾚ>ﾐﾍ＿__,
.　　 i .幺／　匕´＿_⊥/ｲﾍ〈炒ﾘ　　　　｀´　ﾚ'　　 `ー､＿ノ　　　「ん、島原？いいよ。
.　　 }　　　　　_, -‐‐フ彡　ヽ',　　　　　 '　__ 　　ﾊ|　　ｔ─‐‐'"
　　人_　　くヾi　 __,ノ＿_,　,-ﾐ.ﾍ.　　 t￣　ｿ　ｲ(⌒》　 `ー-─フ　　　忠房、歌も踊りもそこそこできちゃうから、
　　ﾚ入｀ヽ､｀ヽﾐ､￣　ノ　《⌒》｀　､. ヽ ‐' ／　 `‐"　＿-=二´
　　＼二ﾌﾉフ‐'　＼-─7　￣　　ｒ┤ ｀ =" 」ﾍ　　　　＼￣ ´　　　　　島原藩主だって、できちゃうんじゃないかなぁ」
　　　　`‐ｔ'"　　　　 |ヾミャー⊂＾"　⌒＾￣´　　ヽ　　ヾ､_ `ー-ァ
　　　　　　ヽ､_＿__ノ::::::::} ﾍ　　ヽ　　`､　　　　　,- >､　ヽ､￣
　　　　　　　　ヾヽ::::::::::ノ　ﾘ,...、　｀ヽ､＿_,,-‐'　　　｀ヽﾔヽ､`ー､__
　　　　　　　　　｀て￣　ノ　　ヽ　　　　　　　　_,,,､r　　ﾍ　　￣
　　　　　　　　　　/￣＼必个ﾐ､　ヽ　　　　_ ィ´　　ﾞ:,.　 `､
　　　　　　　　　 ,'　 /　 {　 i　　ヾ､　ゝ ‐'"　　ィ T｀ヽ　　　ヽ
　　　　　　　　　,' 　ｲ　　ﾞ,　ﾍ　　　＼____, ィ´　　 i　 |　　　　＼
　　　　　　 i　/i 　　　ゝ､_ヽ＿∠,,,,_ゝ､　　　ﾉ　ﾉ＼　　　／￣｀ﾍ
　　　　　　　　 l' / |.　　　　L-‐ォ──--､_`ｰ∠_／ i　ﾄ＼／　　　 ○ﾍ
　　　　　　　　 | l　|　　　　├'"　　　　　　　ゝヽ/　　 i　ﾊ. |＼, --──tゞゝ
　　　　　　　　 ||　ﾔ　i　　 }　　　　　　　　　　ｿ　　　 iﾉ | .|　　ゞ､::::::::::::＼
　　　　　　　　 'j　　ﾔﾄ.　ﾉ　　　　　　　　　 /;　　　　」 l /　　ノ｀ヽ､:::::::::ノ
　　　　　　　　　　　ヽ|ヽﾉ　　　　　 '　　　　 i　`ーァ´　ﾚ'　／　　　　>イ
　　　　　　　　　　　　　　　【譜代大名　高力　忠房】

765 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:49:50.30 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　 ,ｨ
　　　　　　　　/,　　　 ,,ィ　´　￣　　｀　、
　　　　　　　 { {、　イ　　　　　　　　　　　`
　　　　　　　ヽ v´　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　／　　　　　　　、　　　、　　　ハ
　　　　　　　 /　/　　　 , .、　　＼　　ヽ、　　　　l
　　　　　　　　/　/　　 / ∧_ヽ, 　　ヽ,ニﾆ.、、　| 　 !
　　　　　　　　| /! /　 | /´ ヽ｀＼　ヽ.,＿_ヽ !　.!　　!
　　　　　　　　ヽ | ﾄ、 | ﾄ .z=ミ　　｀〃￣`　/ ｲ、　 !
　　　　　　　ｌ ! ヽl !〃　　　　 ,　　　///Yﾉヽ、 .!
　　　　　　　　　　ヽ　ヽ!/// 、　　＿_f　　 !　　`　|　　　「おにぎり、おいひいの～」
.　　　　　　　　　 /　　　ヽ　　ﾉ￣　　　` 　 /　　　　＼
　　　　　　　　　/　　　　　＞ ,,_　　　　_,,＜　　　　　　　＼
　　　　　　　／　／　　　　　　.}　￣　.{　　　　　　　　ヽ、_.`__　　　高力は無人となった島原地方に、移民を積極的に推奨。
　　　　　　／イ´/　　,..ニニ,,..ノ´`ー "ヽーr― - 、　　　＼
　　　　　　　　／　 /　　 ./_/　　＿＿ ,＞‐-=.、　.', 　　　＼　　　地道な殖産と年貢減免の措置によって、少しずつ建てなおしていった。
　　　　　｀ー, 　　,　 .,.r´ィニ弌|::::::::::::にニﾆ、ヽ　 !　　` ー―`
　　　、＿／　　　!　 | ´ ,.-―ｦ!::::::::::::ﾋ―- 、　!　 !　　　　` ‐- ,,_
　　　 `ー-／　　 |　.!　　r＜__.L:::::::::::」ﾆ＞　./　 !　　　　ヽ,￣
　　　　／　　　 l　 !　 ,ﾉ　ﾉ⌒ヽ￣,ｨ´ヽ_　　ﾄ,　 !　　　　ﾄ., !
　　 -≠ー/ ｲ　　　!　{l　　 r'、_　 .} .ｆ　_,..ﾉ!　　ﾘ　 !　 l 　/ﾘﾘ
　　　　　　|/ | |　|　|　|　　 |、　ﾌﾉ .ﾊ　ヽ,,!　　 l　.!　 |　// /
.　　　　　　　 ',.!　!　Ⅳ　　 l ｀¨´　　　｀´　.!　　　',.| .,ｲ / '
　　　　　　　　ヽ从 .{　　　.ｆ´　￣￣￣｀Y　　　 iｒ'　ノ'

766 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:50:41.68 ID:hggoHrMo

そして乱のもう一つの舞台でもある天草地方。
ここでも藩主であった寺沢堅高は、実質２万石の領地を検地で４万石に水増ししていた。
寺沢は天草領を改易。

　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　 - ― - ―　.、
　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::,,　―　.、:::::＿＼
　　　　　　　　　　　　　／:::::::::ィ´:::::::::::::::::::ヽ:::::::::｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　 ./:::::::／::::::::::::::::,:::::!::::!ヽ':::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　/:::::::/:::::::::::::::::::/:::::l:::::j｀Y.ハ:::::::::::ヽ
.　　　　　　　　　　　 ':::::::/:::::::::::::::::::/::::::,1::/　　　ﾊ:::::::::::ﾊ
.　　　　　　　　　　　 |:::::::|:::::::::::::::::::ｌ::::::/.}/　　　　ハ:::::!::l!:!
　　　　　　　　　　　　!::::::|::::::::::::::::/!::::/ /　　／￣＼!::l}:!
　　　　　　　　　　　　|:::::::!::::::::::::/イ!/￣｀　　　,ｨ:㌃} |小/
　　　　　　　　　　　　j:::::::ﾊ、:::::j _,ィち丁ヽ　　ゝソ ' .!/'　　「禅の心は、翼になって空へはばたいていくんですね」
　　　　　　　　　　　 /::::::::::fハ,.{　｀ゝソ　　　、　　　.!、　　　　 __
.　　　　　　　　　　 /:::::::::::::ヽ,_N、　　　　　　 __　　 /! _ヽ＿_＿ハヽ、＿
　　　　　　　　　　/:::::::::::::::::::::::}　＼　　　　<´_ソ , '　{、: : : : :.｀¨¨ヽ　ヽ　￣￣ ¨　、
　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::::'',,　＞ - ,,　＿／!、 ./: : : : : : : : : :ヽ　.}　 f ⌒.ヽ_　}
.　　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::　--ゝ、　　¨ﾄ、　 !ヽ、 /: : : : : : : : : : : .}　.},／　　　 //
　　　　　　　　/::::::::::::::::::／: : : : : : `'' - 、 }¨´　人,j: : : : :.,ニﾆ.、: :.ﾘ／　　　／´
.　　　　　　　/::::::::::::::::::/: : : : : : : : : : : : :廴{ ￣　 _,ﾊ: : :./ / ,　｀¨.＜　　,,.　"
　　　　　　 /::::::::::::::::::/: : : : : : : : : : : : :, = -.、-　　　ﾊ: :ゝ'_/_/ ,y 　.,ィ}´
　　　　　　 /::::::::::f´￣ ''-,,: : : : : : : :./　¨¨¨う＿_,,,_∠＼｀¨´ ｀¨丁´ /
　　　　　　!:l:::::::::::廴、　　　｀- ,,: : : /　　 ¨¨う .／,{_}ー‐'＼: : : _,r'　r'
.　　　　　乂::l1::::／　^'' r、　　＞ '　　　 .r< j'、./ !丶.＼: : Ｙ´　 r'"
.　　　　　　 Ⅵ／.　,.....、　,>.-''"　　　　　ノ¨´」 ´: : :! .l:＼｀Y`ー"
.　　　　　　〃　,-く　　¨´,　　　　＜￣ ''' ~~}|、: : : ! .!: : 「´!
　　　　　　/ .r'"　　ヽ　　 }　,／ﾘヽ=- ,,,....,,,ﾉ.}、: : : ｀´: : |: :!
　　　　　　{　　　　　　 }　ｿ´　　　　}: : : : : : : !: : : : : : : : :!: :!
　　　　　　＼＿_　- ' ¨´　　　　　 !}: : : : : : :.!: : : : : : : : {: :.',
　　　　　　　　　　　　　　　【天草初代代官　鈴木重成】

寛永１８年（１６４１年）天草は天領となり、ここに初代代官として鈴木重成が就任した。
移民政策をおしすすめ、天草に生きる人々の心のよりどころとなるよう、禅宗の教化に努めた。

767 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:51:37.05 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　＿＿
　　　　　,＞'": : : : : : : :｀ -　、
　　／´: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　 ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　 !: /: /: : :,ィ: : : : : : : : : : : : ｌ
　　 {: ! /: :／ /ﾊ : : : : : : : : : : :!
　　ﾊ: :!/ﾍ　　!Lﾊ : i: : : ': :! : : l
　　　 Yi ﾋｿ　　'ｚ-ミﾍ: : :}: ! : : !　「くっ」
　　　 }　、　　ﾋｿﾉヽ}! : !/: : : !
　　　　 .!、　_　　　　　/／ｿ : : :|
　　　　 l: ヽ｀ '　　_ ／!:￣: : : : :|
　　　　 {: : ,ｨァ＜-- ノ１ : : : : : |
　　　 __ヽ/ }r':/ﾉﾊ~　　V : : : : :|
　　〃　 ,イ//7,」ﾊ　／^＼ : : :!
　　_}:}　　Y///, !/ ´ ,　_　　ヽ: :!

また、重成は一揆発生の原因を、寺沢広高・堅高親子による過激な搾取と断定する。
ここで再検地をおこない、幕府に石高減免の訴えをおこす。

しかし、幕府側はこれをしりぞける。前例がないという理由だった。
　　　　

768 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:51:59.46 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　 .　　´＿｀ヽ_.-─-､
　　　　　　　　　／.　 ´ : : : ｀ヽ_.-─-､＼
　　　　　　　　　　　／／ : : : : : : : : : : : : : :. :.＼＼
　　　　　　　 /／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼ﾊ
　　　　　　　 f/ : : : : : : : : : /: : /iﾊ : ヽ : : : : : ヽi
　　　　　　　　　 /: : : : : : /: : :./i: :/｀‐'ﾍ : :ﾄ､ : :ヽ: :∧
　　　　　　 /: : /: : : / : ／/:./　　　＼i　V: : i:/ : i
　　　　　　　　 i: : /: : : /／＿ﾑｲ　　　　＿.L_ V´:ｌ : : |
　　　　　　　　 l: /i: : ∠r'￣￣｀　　　 ´￣￣｀ヽ: | : : |
　　　　　　　　｀i: l／i ィT弐ﾊ　　　　　ｨ弐ヾﾞＹ´ i:ﾊ: ｲ
.　　　　　　　　 |∧ヽi弋_{zrｿ　　　弋ｚ.ｿノ　il ﾉ/|
.　　　　　　　　 |: : ヽ{　　　　　　　　　　 r':. : :.|
.　　　　　　　　 |: : : ハ　　　　　　 '　　　　　　∧: :. :.|
.　　　　　　　　 |: : : i: :.＼　　　　---　　　／: :.i: :. :.|
.　　　　　　　　 |: : : |: : : : :>､　　　　　　. <:. : : :.|: : : |
.　　　　　　　　 |: |:.:.|: : : r'‐{¨＞ .- .＜¨Y}ﾊ: :. :.|: :.|:.|
.　　　　　　　　 |: |:.:.|: : /　Y/////////Y　＼: |:. :|:.|
.　　　　　　　 l:.:l.:._l__〈　/｀ﾄ､＿＿＿_ノi＼　V: : 乃
　　　　　　　 r‐´'￣　　 V　 l/////////.|　＼/￣￣｀ヽ､
　　　　　 /､　　　　　　　 i/////////i　　　　　　　　 ∧
.　　　　 /　ヽ.　　　　　　 l/////////{ 　　　　　 /　 i
　　　　　 i　　　 i　　　　　　＼///////　　　　　　　, '.　　l
　　　　　 |　　ヽ､　　　　　　　＼//／　 ,.rfiｘ.　　 /　　　|
　　　　　 |　　　　i.　　　　　　　　０Y　　 ⅧⅨ} 　 │　　　|
　　　　　　ｌ　　　ｌ　　　　　　　　　 | 　　｀¨¨´　　 l. 　　 l
　　　　　　|　　　　l　　　　　　　　　 |　　　　　　 |　　　 l

これにクサクサした重成は、承応二年（１６５３年）１０月１４日

石高半減の嘆願書を自室で作成した後、自刃した。

のちに幕府はこの嘆願を再検討して、訴えは認められることになる。
重成の祈願は成就された。

769 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:52:34.80 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__ ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -‐''"´￣　｀　｀''ヽ=､
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　　　　　　　　　　　　　　　r‐､　　 r‐､　　　　_,,,_　ゞ, ｒｒ～ヅ　　ﾐ::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　 _,,_ 　　　　ヽ　ヽ　 !　l　　 / / !　ﾌﾊ　　　　　　ﾐ:::::::::::::::::::::::::::
　　　　 __,,-r‐' ,r''''ヽ.　_,,,,_ ヽr' ヽ !'´ !　　!　! ｌ　　l　__,,.　-─￢,〈::::::::::::::::::::::::::
　　　　./´ ;　 ,'　　　　/｝ l､r‐､! >　　l　　!　 !　! l__＿〉ﾞﾞ`'''Tjフ￣　ヽ::::::,ｨ ,､ヽ:::
　 ______!　 ;　,'　　　　/　}_`l¨''__>､____l_／¨ヽ!　l l _. / 　　,.‐'"　　　 }:::/ /ヽﾊ::::
／/7X/ !　　, 　　 /　｛XXXXXXXX!____,ﾉ　!　 !l__/.. 　　　　　　　"´　２ﾉ/ l:::
ヽーｰi '　　,　　　 / 　ヾ''''''i'''''''''''''''''''',r'’　/i　l. ヽ.ﾆ,｀　　　　　　　　　 __／　:l::
　　　 !　　,　　　,r''' _,,-"´　l　　 , ' /　　　 ! i　!.! 　 'ｰr_‐;ｧ　　　　　　ｨ　　　　l:::
　　 ,/　　,　　 _!,,／　　　　ヽ _　　　　､__,ノ`:L,!」　　〈..　　　　　　　 /:{　　　ヽ
　 /'　　　　　　 ;!　　　　　　　 `ｰ-､` ､ヽ　　＼､　｀}　　　　　／::　!　i'''‐‐‐‐-
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　　　　　　:　　 ;!　　　　　　　　　　　　　　 ',,r''´　　　　　　　　ヽ､　ヽ、　　　　＼
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（聞書１の９３）

『与えられた役目の失敗を恐れるものは卑怯者である。

御役なんだから仕事の失敗があってもおかしくはない。

役目以外のことや私事で失敗する方が恥である。

ただし、自分は気が利かないからどうすればうまくいくだろうか、
という心配をすることは必要なことさ』

770 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:53:05.79 ID:hggoHrMo

＜原城付近・海岸＞

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771 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:53:39.79 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　／⌒ヽ ┌､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,,,,､-ｰ''"´
　／⌒／⌒ヽ／⌒ヽ／＿　　〉:| i::i　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ＝￢ｰ‐'''"´
　　／　　／　　　/!〈　　〉 / :| |::|　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、
　 /　　　 /　　　／;;ゝ..ー／＝| |::L_____ ＿＿＿＿＿＿＿＿_＿ｒ─＝＝＜⌒＼　　　　　　　　　やる夫は四郎の持っていた剣を形見として持っていくことにした。
　　　　 / 　　 /;;;;;;;;;;;＞く;;;;i!　 | |/　　　| 　　　　　　　　　i|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;7
　ヽ.　 / ヘ　 /;;;;;;;;;;;;;;/|;;;;;;;;|　 :| |:　　　| 　　　　　　　　　i|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　　　　　　　　あとで柄（つか）をはずして銘を確認してみた。
　ノ　人___ノノ ∨;;;;;;;/ :|;;;;;;;;|　 :| |:　　　|＿＿＿＿＿＿＿＿＿i|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　　　　, '
　／/;;;;;;;;;;;ﾍ　./;;;;;;;;;;ﾍ...|;;;;;;;;| 　:| |::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　　　 , '　　　　　肥前忠吉の業物（わざもの）だった。
　;∨;;;;;;;;;;;;;;;;∨;;;;;;;;;;;;;;;ﾍ|;;;;;;;;i!　 | |::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　　　, '
　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i!　:| |ﾍ :::::::::|＿＿＿＿＿＿＿＿＿i|;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
　｀｀｀｀｀｀｀｀｀｀｀`"''"´￣￣`＜ﾌ| |::「￣￣　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 /´⌒
　　　　　　　　　　 __＿,,ｒ―ｰ､,）| !::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 /ヘ,,∠__
　ー--､､,,,,,､-ｰ''"´　　　｀￣￣´ !_!」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､___ノ′

　　　　　　　　　　　　　　　　。． , -､　 _
　　　　　　　　　　　　　 __ , - ､,'ﾞ　　ir'　i,.-､
　　　　　　　　　　　　 ,'　 `i, - ､　　 !} ｀､　'r ^ ､
　　　　　　　　　i´ ｀､!　　　!　i´` ､　},.'´`.､ _,; ,-､'　ﾟ，゜
　　　　　　 ,_　`､　ﾟ．｡ﾟ;　__j}　　 Y　　　L .ｲ　j, 'ﾞ´｀`i
　　　　　　i´｀'､`r'.!ﾞ`､,.'´ﾞ!{　　　ﾟ:｡　｡．ﾟ　　,i　::｡. . 　　,i__
　　　　　__」｡　, ‐ ､i　　 .:;! `､_,　ﾞ.;;ﾘ;ｼﾟ;. -=､' ,ﾚ‐ﾟ､;:ﾟ:,.-.､　｀i 　_
　　　　 i_ ﾟ｡_ﾞ;;{　　ﾞ｡. . :;;|i 仆,i,,.._¨'='ﾞ"　　,.i {　　　ﾞi'　　i , 'ﾞ/　 i,...-,
　　､. 　,.ﾆ=- `_､._ﾟ｡ヾ,'´｀`'､!ﾞ　　厂`j',''' ﾞ {^' ;:.　｡ : ｡　'ｰ､.'､.｡　,.'　　　
　｡ﾟ';〉｀（ __.,,.'ﾞ　　ﾟ.. ;;;i　　　:　; 　 !.,ｲ/,.へ.,:ﾞ､ゞ;ﾉ;;:ｼ，゜　　ﾞｉ〉; '- ､
　ﾞ〈_.,__..ゞ_｀ｰ=ﾆｦ'　　　ﾟ､,∴;;;'.　　>‐';　　ﾞL.ﾞ! ,`ﾞﾞ''｡ﾟ　__ , ‐"'､｡ﾟ　｀>　　　　スッ・・・
　　ﾞ､_ﾞ;;;＞ .:｀>,-､ﾞ､___　ﾟ｡ﾉ:;iﾞj;:､｡ <　　 .,;,,　　　〉 ,.　　 `､､　 i= ‐'　　　　　　　　　　　＿_　　　　　 _,. -‐' ¨´
　　ｰ=（___,.;' _,'､..　`:;;';!ﾞ'i　:　｡! ﾟ: 　 i　';ﾞﾘﾊ;`　　<ﾞ"　` ｰ 'ﾞ　` ､ j　　　　　　　　　　　　て＿,＿｀`ー<^ヽ
　　　　 ∠.ｨ　｡ﾟ. ;:ｼ;〈; i `､__;､__,.ｨ'　　ﾟ｡∵ ﾟ　　ﾞi､　　　　　　`'　　　　　　　　　　　ｲ⌒ー "　,．(　　ヽヽ
　　　　　　 `､___, ﾟ;｡　ﾘ,'　　　　 <_.. 'ﾞi　ﾟ　゜　i` .-'　｀､　　　　　　　　　　　　　　　ヽｲ⌒r-ー　ｿ　　　　_Lj
　　　　　　　　　i　　 ,ﾉ　　　　　　　 ,'`､　　r '　 i　`､ _,;..j　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ⌒r--,,　　　　　／ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ~
　

772 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:54:17.54 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／⌒　　⌒＼
　　　　　　／（ー）　（ー）＼
　　　　／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
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　　　　　　　　 >__ノ;:::......

　　　　　　　　　　 _-─―─- ､._
　　　　　　　　 ,-"´ 　　　　　　＼
　　　　　　　　/ 　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　 / 　　　　　　＿／::::::＼_ヽ
　　　　　　　|　　　　　　　　　::::::::::::::　ヽ　　「……もしかして、仏教だと四郎のもとへとどかない？」
　　　　　　l　　u　　　（　●)::::::::::( ●)　　　　
　　　　　　　` ､　　　　　　　（__人_）　 /
　　　　　　　　　`ｰ,､_　　　　　　　　／
　　　　　　　　　／　　`''ｰ─‐─''"´＼

773 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:54:41.93 ID:hggoHrMo

　ﾞ" 　"''"　 "ﾞ"　　ﾞ"/::ヽ＿＿＿＿ヽﾞ"
　ﾞ" ﾞ" 　" 　ﾞ"''　ﾞ" |ヽ/::　　　　　　ヽﾞ''"
ﾞ" 　ﾞ'"　 "ﾞ" 　ﾞ"　.|:: |::: 　　　　　　　 | ﾞ　"　　　
　ﾞ"　ﾞ　ﾞ"　　ﾞ"''　 |:: l:　　　　　　.　　| 　　　　　　　　　「う～ん、もうちっと真面目に
　ﾞ" 　ﾞ"　　　"ﾞ"　ﾞ"|: :|:　　　　　　　　|　　''ﾞ" 　　　　　　やり方、聞いておけばよかったお～～」
ﾞ" 　ﾞ" 　ﾞ""'"Wv,＿|:: l　　　　　　　　 |､wW"ﾞ"
ﾞ" ﾞ"''"　 ".wWWlヽ::'ヽ|:::::_::＿＿＿___:.|::＼W/　ﾞ"ﾞ''"
"'' ﾞ"''"ﾞ"　　V/Wヽ`―――――――――lV/W　 "'
ﾞ""'　ﾞ"''"　 "ﾞ"WW''―――――――wwww' 　ﾞ"ﾞ''"
　　　ﾞ" 　"''"　 "ﾞ"　＠@o＠　ﾞ" 　"''"　 "ﾞ"　
ﾞ" 　"''"　 "ﾞ"　　　＠o@＠@o＠w　ﾞ" 　"''"　 "ﾞ""'' ﾞ"''"ﾞ　
　　"'' ﾞ"''"ﾞ　　　ww ＠＠@＠@＠　　"'' ﾞ"''"ﾞ　"'' ﾞ"’　'"ﾞ
　　　　　　　　　　　　　w@o＠＠osw

774 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:55:27.34 ID:hggoHrMo

＜南有馬・鍋島本陣＞
　　　　　　　　　　　　　　　 __,,,､,, 　 ,,､- ､
　　　　　　　　　　　　　／´: : : : : ｀´: : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
　　　　　　　　　　 /: : : : : : :i: : : : :.∧: : :il: : i: : :ヾ: :',
　　　　　　　　　　,': : : : : : : l: : :/:./　∨:ハ: :i!: :l: :::::::i
　　　　　　　　 l: l: i: : l ／!／∨　　 |/　∨∨!: :::::::l
　　　　　　　　　ﾚ!: !: :l i´""'''ｰ-　　　,､-ｰ'''` l: :::::ﾍ!
　　　　　　　　　　 ∨ﾍ i | ｒ=＝ｧ　　　,　r≡=､/::∧|　　　鍋島勝茂はことのほか上機嫌だった。
　　　　　　　　　 !ﾍ∨ゝ　　　　.i　　　　 ∧ｿ
　　　　　　　　　　　ﾚヽi l　　　　　　｝　　 ∧ﾉ　　　　　色々と苦労はさせられたが、落城のきっかけをつかんだのは、
　　　　　　　　　　　　ﾚﾍ　　　__＿___　　/ﾉ　　　　　　わが鍋島家のものが、機を見て出丸を攻め落としたからだ。
　　　　　　　　　　　　　　∨＼　ヽ __ /　／ ′
　　　　　　　　　　　　　／i｛　＼　` ／i
　　　　　　　　　　　　/:::::l ﾍ　　｀　´　∧＼
　　　　　　　　　 _,,-''/::::::::l　　` ｰ､　,／　.i:::::＼､,_
　　　　　_,..-.:":::::::/:::::::::::i　　 /;;ﾍ__!入　 l:::::::::＼`::..､,,_
　　_,..-.:":::::::::::::::::::::＼:::／:|ﾍ /`ﾍ::::::::ｿ´ﾍ i::＼::／::::::::::::`i:ｰ.,
　　　　　　　　　　　【佐賀藩主　鍋島勝茂】

　　　　　..＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　｢　| | |　 | | |.　 | | | 　 | | |　 | | |　　///　///＼
　　　　　＼ | | |　 | | |　 | | |　 | | |__,-‐､|　 ///　///　/.|
.　　　　　　＼,ﾍ、. | | |　 | | |　|_l-'　　:::::＼/// /// .///|
　　　　　　　/　ヽ、| | |　|_l l-'　　　　　 ::::＼./// .///.│
　　　　　　/　　　　` ‐-‐'　　　　　　　　　　:::::＼ ///　　|
.　　　　/l＼　　　ヽ､ __, -‐' ￣　　　__,-‐ll´＼::::〉＿＿_│
　　　　＾l＼lｌ＼　ヽ､＿ , -‐'　 __,-‐ll　_ll-'´￣::/ ──‐ |
.　　　　|　　＼ｌｌ＼　　　　 _,-‐'　ll _- '　　　::::/ ￣￣￣│
　　　　 | _二二＼ll||　　　||l＿ll二二二＿　 ::::| 　/⌒i.＿|　　「こたびの勝ち戦、執着至極でございます」
..　　　　| ￣￣￣o >.......≡￣￣￣o￣￣　　:::|:ミ|ｌ⌒:|─|
　　　　｜｀ ‐--／.:::::::::　　｀ ‐---‐ '´　　 :::|　|l⌒l.|￣|
　　　　｜　､＿/,::::::::::::::::　､_　　　　,ノ　　 :::::|: ||⌒l.|＿|
　　　　｜　　 /,::::::::::::::::::::　　￣￣￣　、　:::::|ﾐ||ノノ ─|
　　　　｜／./,::::::::::::::::＿:::）　　 `‐--- ､＼ ::::|.|`‐'￣￣|＼
　　　　｜.＿Ｌ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＼　::::|| l、＿＿|:::::＼
.　　　｜＼十|┼|┼|┼|┼|┼|┼|七／　ヽ ::|： ::l、─.|:::::::::::＼_
　　　　　| 　￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　　　:::|::l:：　 ::l､ﾆ|::::::::::::::::|:::‐-
　　　　_/:l　　　　　＿＿＿　　　　　　　　::::::::;/:：　　 :|,|::::::::::::::::::|::::::
.＿ ─/:::::::l　　　　　:::::::::::::　　　　　　 ::::::;／：：　　／|:::::::::::::::::::::|:_:
::::::::::/:::::::::::::ヽ　　　　　　　　　　　　　:::;／:：：　　／　.|:::::::::::::::::::::::|::
:::::::/:::::::::::::::::::::＼＿＿＿＿＿＿＿;／：：：　　／　　 |:::::::::::::::::::::::::|:
::::/::::::::::::::::::::::::::|＼：：：：：：：：：：：：：：：：　　／　　　 .|:::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　【佐賀藩家老　多久美作守】

今、そのきっかけとなった一番乗りを挙げたものたちを呼びにやらせた。
いくさ目付の話によると、先に出丸へ乗り込んだのは、斎藤某であるらしい。
そして、続いた中野という下級藩士が名乗りを挙げた、とのこと。

775 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:56:05.78 ID:hggoHrMo

当事者がそろって御前に登場した。

∠-'';::／　,∠/　.／::　　 ::＼.ヽ＼ヽ　ヽ　＼　ヽ. ＼
::::r''∠- '´:∠ -ﾍ::....... ,...:‐''７,ゝl‐-ヽ} 　ﾄ､　lヽ.　!
:::l::::-==＝ﾓ＝= _::::／:::::::::/_　 ` ／ ,ﾍ.　| ヽ |. ヽ.!
: |::::　｀　ー‐=''"::´:::::::::::::/ﾆ´＞,'／　ヽ |　ヽ!　ﾞl　　　　　　..／￣￣＼
::|:::::　　　　 ..::::::::::::::::::::::/　　　ﾊ　　ヽ!　　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
:|::::::　　 ...:::::::::::／::r:::::::i_:　　　,'l }　　　　　　　　　　　　　　|　　　（ ●）（●）
|l::::::　　　　　　｀＿＿:::　　　 /.|′　　　　　　　　　　　　.　|　　　　（__人__）
iﾍ::::.. 　　￣￣　　　　｀ヽ　./^'　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　｀ ⌒´ﾉ
:|::ヽ:::..　　　　　　‐＝=;;　　　/　　　　　　　　　　　　　　　.　 |　　　　　　　 }
::l::::::ヽ::..　　　　 :::::::　　　/　　 ,.､　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　 }
:::l::::::::::＼.　　　　　　　　　/　　／.:/:ヽ.　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　ノ
::::|::::　:::::::＼. 　　　　 ,ｲ　／....::/::::::::ヽ.　　　　　　　　　　　　ノ　　　　　　ヽ　
　【浪人　斎藤杢之助】　　　　　　　　　　　　　　　　【佐賀藩士　中野やらない夫】

776 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:56:46.84 ID:hggoHrMo

まず、勝茂は杢之助に気づかって話しかけた。
　　　　　　　　　　　　　　　 __,,,､,, 　 ,,､- ､
　　　　　　　　　　　　　／´: : : : : ｀´: : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
　　　　　　　　　　 /: : : : : : :i: : : : :.∧: : :il: : i: : :ヾ: :',
　　　　　　　　　　,': : : : : : : l: : :/:./　∨:ハ: :i!: :l: :::::::i
　　　　　　　　 l: l: i: : l ／!／∨　　 |/　∨∨!: :::::::l
　　　　　　　　　ﾚ!: !: :l i"⌒"'-､　　　,､-'''⌒`l: :::::ﾍ!
　　　　　　　　　　 ∨ﾍ i | でラ`　　　,　r≡=､/::∧|
　　　　　　　　　 !ﾍ∨ゝ　　　　.i　　　　 ∧ｿ
　　　　　　　　　　　ﾚヽi l　　　　　　｝　　 ∧ﾉ　　　「一番乗りを名乗りそこねたようだな」
　　　　　　　　　　　　ﾚﾍ　　　__＿___　　/ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　∨＼　ヽ __ /　／ ′
　　　　　　　　　　　　　／i｛　＼　` ／i
　　　　　　　　　　　　/:::::l ﾍ　　｀　´　∧＼
　　　　　　　　　 _,,-''/::::::::l　　` ｰ､　,／　.i:::::＼､,_
　　　　　_,..-.:":::::::/:::::::::::i　　 /;;ﾍ__!入　 l:::::::::＼`::..､,,_
　　_,..-.:":::::::::::::::::::::＼:::／:|ﾍ /`ﾍ::::::::ｿ´ﾍ i::＼::／::::::::::::`i:ｰ.,
　,´ｰ-､::::::::::::::::::::::::::／:::::::::i　　　 ∨:/　　 l::::::::＼::::::::::::::i:::::::',
　l::::::::::::`::､::::::::::::::ﾍ::::::::::::::::l　　　 l::::i,　　　ｌ::::::::::::::ゝ::::::::l:::::::::',

　　　　　　-､ｰ- ､
　　　_.　-─-ゝ　　Ｙ ⌒,.Ｚ.._
　　　 ,.＞　　　　　　　　　＜｀
　 ∠.._　　　　　　 ,　　　　　ヽ
.　　／　　　 ,　,ｨ ,ハﾄ、　　　 l
　 /イ / 　 /l/‐K　ゝlへﾄi　　|
　　ﾚ'ﾚf Y|＝=;=　　=;=＝|f＾!l
.　　　　 !6|| ｀￣ "||` ￣´ ||6|!　　　「ええ……いそがしかったものですから」
　　　　ﾞyl、　　､|レ　　　|y'
　　　　 _,,ﾊ.ト.｀￣￣￣´ ,ｲ/＼_
　　￣:::;':::::ﾞ! ＼. ￣　／ |'::::::::|:::￣
　　:::::::::l:::::::::l　　＼／　 !::::::::::|:::::::::
　　::::::::l:／ヽ:ヽ__　　 __/:／＼:|::::::::
　　:::::::‘:::::::::::o:ヽ`　 ´/::::::::┌──┐

777 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:57:12.92 ID:hggoHrMo

　　　　　／ミﾐ､￣｢｢｢¨ﾘﾘﾞ777　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´: : : : : ｀´: : : : :ヽ
.　　　　 /:＝＝≡ｼﾞ￣￣￣"＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
.　　　　ｉ:三三三/　　　 ,.､_ ｀ﾆﾆゝ、　　　　　　　　　　　　　. 　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
　　　 l＝＝＝ｼ　　 '＾'''‐-ﾞﾆ７' /　　　　　　　　　　　　　　 .　 /: : : : : : :i: : : : :.∧: : :il: : i: : :ヾ: :',
. 　　 !三三ニ└- 、　＝==t ,,/　　　　　　　　　　　　　　　　 ,': : : : : : : l: : :/:./　∨:ハ: :i!: :l: :::::::i
.　　　l＝＝＝r'ﾆヾﾐ|　　｀ﾆ° 　＼　　　「くくく……」　　　 l: l: i: : l ／!／∨　　 |/　∨∨!: :::::::l
　　　l:三三三| {こ|ﾐ|.　　 __,ノ r __　ヽ　　　　　　　　　　　　　ﾚ!: !: :l i´""'''ｰ-　　　,､-ｰ'''` l: :::::ﾍ!
.　　 |＝＝＝ | に|ﾐ|.　／r'ﾆ.‐- ､.__ラ´　　　　　　　　　　　　　　 ∨ﾍ i | ｒ=＝ｧ　　　,　r≡=､/::∧|
　　│三三三:ヽﾆlｼ　/　（＿＿＿Z　　　「わはっはっは！」　　!ﾍ∨ゝ　　　　.i　　　　 ∧ｿ
　　 |＝＝＝シ´ :|　　　　　　 __ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚヽi l　　　　　　｝　　 ∧ﾉ
__／|三三／　　 :|　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚﾍ　　　__＿___　　/ﾉ
/::::::!ﾆ／　　　 `ｰ-　､..＿＿__,ﾉ`ｰ-　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨＼　ヽ __ /　／ ′
::::::::K　　　　　　　　　　　　 ,ｲ:::::::|::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　／i｛　＼　` ／i

これには勝茂も、重臣の面々もおもわず大笑いしてしまった。

778 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:57:35.31 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　　　 __,,,､,, 　 ,,､- ､
　　　　　　　　　　　　　／´: : : : : ｀´: : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
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　　　　　　　　　　 /: : : : : : :i: : : : :.∧: : :il: : i: : :ヾ: :',
　　　　　　　　　　,': : : : : : : l: : :/:./　∨:ハ: :i!: :l: :::::::i
　　　　　　　　 l: l: i: : l ／!／∨　　 |/　∨∨!: :::::::l
　　　　　　　　　ﾚ!: !: :l i"⌒"'-､　　　,､-'''⌒`l: :::::ﾍ!
　　　　　　　　　　 ∨ﾍ i | でラ`　　 , 　f∃ｿ /::∧|
　　　　　　　　　 !ﾍ∨ゝ　　　　i　　　 ∧ｿ　　　「うむ。では、浪人衆の一番乗りは、斎藤杢之助。
　　　　　　　　　　　ﾚヽi l.　　　　　ｊ　　　 ∧ﾉ
　　　　　　　　　　　　ﾚﾍ　　　、　　　　/ﾉ　　　　　佐賀藩士の一番乗りは、中野やらない夫としよう。
　　　　　　　　　　　　　　∨＼　｀￣　　／ ′
　　　　　　　　　　　　　／i｛　＼.　　／i　　　　　　　　これでいいな？」
　　　　　　　　　　　　/:::::l ﾍ　　｀　´　∧＼
　　　　　　　　　 _,,-''/::::::::l　　` ｰ､　,／　.i:::::＼､,_
　　　　　_,..-.:":::::::/:::::::::::i　　 /;;ﾍ__!入　 l:::::::::＼`::..､,,_
　　_,..-.:":::::::::::::::::::::＼:::／:|ﾍ /`ﾍ::::::::ｿ´ﾍ i::＼::／::::::::::::`i:ｰ.,
　,´ｰ-､::::::::::::::::::::::::::／:::::::::i　　　 ∨:/　　 l::::::::＼::::::::::::::i:::::::',
　l::::::::::::`::､::::::::::::::ﾍ::::::::::::::::l　　　 l::::i,　　　ｌ::::::::::::::ゝ::::::::l:::::::::',
　ｌ:::::::::::::::::::`:､:::;:::::::∨::::::::::::i　　　 l;::::;l　　　i::::::::::::::/:::::::::!::::::::::i
　i:::::::::::::::::::::::::`ﾍ::::::::∨:::::::::::l　　　l;:::::;i　　　l::::::::::::i:::::::::::l:i:::::::::l

∠-'';::／　,∠/　.／::　　 ::＼.ヽ＼ヽ　ヽ　＼　ヽ. ＼
::::r''∠- '´:∠ -ﾍ::....... ,...:‐''７,ゝl‐-ヽ} 　ﾄ､　lヽ.　!
:::l::::-==＝ﾓ＝= _::::／:::::::::/_　 ` ／ ,ﾍ.　| ヽ |. ヽ.!
: |::::　｀　ー‐=''"::´:::::::::::::/ﾆ´＞,'／　ヽ |　ヽ!　ﾞl　　　　　　..／￣￣＼
::|:::::　　　　 ..::::::::::::::::::::::/　　　ﾊ　　ヽ!　　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
:|::::::　　 ...:::::::::::／::r:::::::i_:　　　,'l }　　　　　　　　　　　　　　|　　　（ー）（ー）
|l::::::　　　　　　｀＿＿:::　　　 /.|′　　　　　　　　　　　　.　|　　　　（__人__）
iﾍ::::.. 　　￣￣　　　　｀ヽ　./^'　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　｀ ⌒´ﾉ
:|::ヽ:::..　　　　　　‐＝=;;　　　/　　　　　　　　　　　　　　　.　 |　　　　　　　 }
::l::::::ヽ::..　　　　 :::::::　　　/　　 ,.､　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　 }
:::l::::::::::＼.　　　　　　　　　/　　／.:/:ヽ.　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　ノ
::::|::::　:::::::＼. 　　　　 ,ｲ　／....::/::::::::ヽ.　　　　　　　　　　　ノ　　　　　　ヽ　

二人そろって承諾した。

779 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:58:09.30 ID:hggoHrMo

　 /.:.:.:.:.:.:.:.∧:.:ｨi.:,､.:.ヽ　人
　/ｲ.:.:.:.:i|:/__,V'､|l_ｊ:.:.:.ｌ　｀Y´
　　lr:l:.:.l -ｰ　 -､ﾚﾍ!'
　　l　l:.|　　　　|　　|:l　　　「さて、ふたりを士分に取り立てようと思う。
　　`ｰi;|　　　　' 　,N
　　　 | `ｰ　￣ , '　　　　　なにか希望する役はあるかな？」
　 ,,rへ､_　｀〔´__
／l :ヽ､　ﾞ7'r'Yヽ､ﾞｰ､

　　　　　　／￣￣＼
　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　|　　　（ ●）（●）　　やらない夫はすぐさま答えた。
　　　　.　|　　　　（__人__）
　　　　　 |　　　　　}　　｜　　「御近習のはしにお加えいただければ幸いです」
.　　　　　 |　　　　｀ ⌒´ }
.　　　　　ヽ　　　　　　 }
　　　　　＿ヽ　　　　　ノ＿
　　　　ノ　　　　　　　　　　＼
　／´　　　　　　　　　　　　　ヽ
　|　　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　＼
　ヽ　　　 -一''''''"~~｀`'ー--､　　　-一'''''''ー-､.
　　ヽ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　)　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))

　　　　　　　 __ ...　-‐ ､
　　　　, -.::''.:::::::::::::::::::::..`ｰ-.､
　　／::::::/:::::::;::::::,:::::::::::::::::::::..ヽ.
　　イ/::/:::::::;ｨ::::/::::::::::::::::::::::::::::.ヽ,
　　 /::::i::::／.l::/l::ﾊ:::::,i::::ヽ:::::::i:::::::l
　　/;ｨ::{:/ｰ､ｌ/_.!'　|:::ハ:;∧:::::ｌ:::::::l
　／　|::|　ﾃ''ｯ､｀丶ｰ- ､　i;:::|::::::/
　　　.|::l　　　　,　　 'ﾃ''ｚ､ l:::ﾘ::::::i　　　　「…ほう」
　　　.|/|　　　/　　　ｒ.Kヽf''i/'ｌﾉﾘ
　　　ﾊ　　｀　　　 | .| l .| |ノ
　　　 ,小.　- ､　　 .| .l/././､
　_,,ィ'´.H. ﾞ.. 　　,, -'"　　,/　￣ﾞ'ｰ､
''´ /　 { ' 　｀''r'´　　　／　　　　/　ヽ
　/　　ヽ､　,ｨl　　　イ /　　　 /　　ヽ
./　 .,ィ＾i }_/_/l　　　 |/ 　　　,　　　　 i
'.‐'"　ヾ{;:::;}::;;/|.　　　l.　　　 /　　　　　|

780 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:58:37.89 ID:hggoHrMo

＿＿＿＿＿＿
|　　　　　　　　|　　　　　　　　　
|　　殿　様.　　|　　　　　これはかなりの高望みだった。
|＿＿＿＿＿＿|　　　　　なにしろ常時、殿様の側にいて話し相手になったり、身の回りの世話をすることになる。

　　　↑　直接意見
＿＿＿＿＿＿
|　　　　　　　　.|　　　　　加判家老（一代限りの家老）みたいに殿に意見具申を申し上げることはできない。　　　
|　加判家老　　|　　　　　しかし、常に目の届くところにいるので、上役に引き上げられやすい、という利点を持つ。
|＿＿＿＿＿＿|

　　　↑　意見・出世
＿＿＿＿＿＿
|　　　　　　　　.|　　　　　自然、職場の花形であり、引く手数多であることは想像に固くない。
|　仕置家老　　|
|＿＿＿＿＿＿|

　　　↑　意見･出世
＿＿＿＿＿＿
|　　　　　　　　.|　
|　　年寄衆　　.|　　　　　　　　　
|＿＿＿＿＿＿|　　　　　　　　　

　　　↑　意見･出世
＿＿＿＿＿＿
|　　　　　　　　.|
|　　近　　習　 .|←―ここから
|＿＿＿＿＿＿|

781 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:59:09.97 ID:hggoHrMo

　　　　／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　（ ●）（●
　　　|　　　　（__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　　　 ∩ ノ ⊃
　　／　　 .／　＿ノ
　 (.　＼／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　＼／＿＿＿ /

やらない夫は、前々から武功をあげたら、近習にしてもらうように考えていた。
なぜなら、是が非でも出世したかったからである。
それも、父親と同じ、加判家老になりたかった。

　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　／　　　　　　　　＼　　
　　　　　　　／　　＼　　　／　　＼　　　
　　　　　　| 　　（●）　　（●）　　|　　　　
　　　　　　　　＼　　　　　´　　　　／　　　
　　　　　＿＿＿＼　　ー―　　／＿＿＿
　　　　　＼　　　＼ヽ＿＿＿＿ノ　／　　／
　　　　　　　＼　　.＼　　　　　　.／　　／
　　　　　　　　　＼　　＼　　　／　／
　　　　　　　　【加判家老　中野将監】

父親が勝茂によって詰腹を切らされたことはすでに書いた。
あれからかなりの年月がたった。

782 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 19:59:26.56 ID:GFTevjQo

呪いの陣中旗か

783 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 19:59:56.07 ID:hggoHrMo

成人したやらない夫に、ちらほらと父親の噂が耳に入るようになって来た。

　　　 ∧,,∧　 ∧,,∧　　　　　　「殿は苦しんでおられる」
　∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧　　　
(　´・ω)　Ｕ) ( つとﾉ(ω・｀ )　　　「あれだけの人物を自分の手で殺してしまったようなもの……」
｜　Ｕ (　　´・) (・｀　　)　とﾉ　　
　ｕ-ｕ（l 　　 ) (　　　ﾉu-ｕ　　　　「将監どのこそ、忠臣の鑑……」
　　　　 `ｕ-ｕ'.　`ｕ-u'

　　　／￣￣＼
　　／　　　　ノヽ
　　|:::::: 　　　（● ）
.　　|:::::::::::　　　（__人）
　　 |::::::::::::::　　　⌒ﾉ　　（人間ってのは勝手なものだな……）
.　　 |::::::::::::::　　　　}
.　　ヽ:::::::::::::: 　　 }
　　　ヽ::::::::::　　ノ
　　　　/:::::::::::: く
　　　　|:::::::::::::: 　|
　　　 |:::::::::::::::|　|

784 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:00:37.93 ID:hggoHrMo

父親の話を聞くたびに、死の間際の高笑いが脳裏の甦ってくる。

ｱﾊﾊ八八ﾉヽﾉヽﾉヽﾉ＼ / ＼/ ＼

　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　／　 ⌒　　＼
　　　　　　（ ●）（ ●）　　｜　　　やらない夫は、その心の底から響き渡る笑いに、
　　　　　　.（__人__）　　　 |　　　　いつからかあこがれるようになっていた。
　　　　　　　ｌ｀ ⌒´　　　　.｜
　　　　　　　{　　　　　 .｜　　　（あんな風に生きることができたら、人生、棄てたもんじゃないだろ）
　　　　　　　{　　　　　　＿ |
　　　　　　（ヽ、ヽ　　　/ 　）|
　　　　　　 |　｀`ー―‐'|　..ヽ|
　　　　　　ゝ　ノ　　　ヽ　ノ
　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

785 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:01:12.73 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:／／;:;:;:;:;:;:ヽ-.、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.:.:.:/.::/:.:|.:.:|.:.|;;;:|;;;;;:|;:;:;;ヽ
.　　　　　　　　　　　　_　　　　　　　　/:::::.| |/ |/ |/ ヽ|.;i.;.;.;.;.;.;.;:;:;:ﾐ
..　　　　　　　　　　　 | |　　　　　　　　|/:.:i ,‐‐-、　　＿__|/|.;.;.;.;.;. ；
　　　　　　　　　　　　| |　　　　　　　　　 i..::|　　　　 ´　　　｀/.;.;.;.;.;.;|
　　　　　　　　　　　　| |　　　　　　　　　|:|.‐-‐"/　"‐-‐‐|.;.;.;.;.;.;/
..　　　　　　　,-〈｀ヽＪ |　　　　　　　　:i　　 < 　　　　 /.;.;/9 |.;|
.　　　　　 /´⊂´￣ヽ　|　　　　　　　　　 | 　　 ,＿　　　 |/ |／ゝ
.　　　　　ヽ_弋入　｀　}　　　　　　　　　　ヽ　（　〕　　／.|.;∨
　　　　　　 /　/　　　 /　　　　　　　　　　　＼￣　／　/|、
　　　　　　 |　{　　　 /　　　　　　　　　 _＿／/| ￣ ´　／　|＼
　　　　　　ヽ　　　 _丶　　　 ,--－゛:::::／::::| 〈　　／　　.|::::＼ﾞ''ｰ-::､_
　　　　　　　|_,.．-´ /::}　　　　/::::i:::::::::/:::::::::/∧。V￣＼　 |:::::::::＼:::::::::::::｀ヽ,
　　　　　　,zi_,.．-´:::::::|　　　 |::::/::::∠:::::／::|/＼丱／/ ヽ/|:::::::::::::::ゝ::::::::::::::::|::}

突然のやらない夫の申し出に、勝茂は困惑した。
少し考えて、訴えを退けようと口にする刹那――

786 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:01:52.32 ID:hggoHrMo

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ...:::::::::::::::...ヽ　 l:. ./　l lﾍ　　　＼
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. ::::::::::. :::::::::. ヽ .::/　/　ﾄ､　　　　＼
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　::::::::::.　:::::::. k／l /　 .|　　　　　　 .)
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　 ::::::::::.　::::. ノl　|/　.:: l　　　　　　 /l　電撃が走った。
-,,_:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　.::::::::::::. .l／　.}:::. .: }ﾄ:|　　　　　　//
　　''''--,=,,,,,_::::::::::::::::::___:::=-=''" l ,,／|::,-.,/::...　　　　　/ }
"''''-<=/_ /　￣￣''''" ./,,,,,|--='''|"　 .ﾚ,- |:::::::::::..　　／ /
:::::::::;//::::/=,,,,,/,,,,,,=-''/:::::/l::::::　l:::　 .ﾄ::/ )::::::::::::::.／　/l　　「うぬは将監の子か！？」
:::／,,,/:::/|::::::::::::::: 　 /l:::::/,,,|:::: /:::　 .|:/./:::::::::／"　 ./ |
/_: : |::./､|::::::/:::::　 ./-|:/": ::|::/:|:::: .|.|_./:::,::::/／　　/　 l
""''-|/、:|:::/|::::: , .//,-l-'''''"l/"'|::　l.|::::::/-"::::::　　ﾉ　　}
-ゑ\-": :l/:::l:: /l/: : :-=,lゑ=-" l:..//:::/l:::::::::::　／　 /"
: : : : : : : : : ::|:/: : : : : : : : :　　　 |/:':::(:::::::::　　／／/
: : : : : : : : : : :l: 　: : : : : :　　　／l::::/＾l::::::::..::　....::/　l
: : : : : : : : : :::::l:　: : : :　　　／:::／へ::::::::..　　　　　 .|

まるで腹の中から搾り出したような、憎悪と恐怖が入り混じった声だった。

　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　／　　　＼　/＼
　　　　　　　|　　　（ー）（ー）　　　
　　　　　　　|　　　　（__人__）　　
　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　
　　　　　|　　　　　　　 }
　　　　　ヽ　　　　　　 }
　　　　／　 ⌒ヽ　　　　'´(
　　　/　,＿＼　＼／＼＼
　　と_＿＿）_ヽ＿つ_;_ヾ_つ.;.

787 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:02:58.75 ID:hggoHrMo

　　　 ∩00　　∩　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ざわ・・
　⊂ﾆﾆ　⊃ ⊂　ﾆ )-- ､
　 ,. ---ゝ ) 　 | ﾚ'／⌒ヽヽ　　　　　ざわ・・
. （ (´￣￣　 /　/ 　　ﾉ.ﾉ　○ ○　　　＿ヽ＿ l l　 i
　ヽﾞニﾆ⊃　`'∪ ⊂ﾆ-‐'　　　　　　　　　　＿ゝ　　　ヤ ⌒ヽ　　o　o
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(＿＿　　　ｲ　　ノ
　　　　　　　　　　ざわ・・
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∩00　　∩
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . ⊂ﾆﾆ　⊃ ⊂　ﾆ )-- ､
　ざわ・・　　　　　　　　　　　　　　 ,. ---ゝ ) 　 | ﾚ'／⌒ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .（ (´￣￣　 /　/ 　　ﾉ.ﾉ　○ ○
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾞニﾆ⊃　`'∪ ⊂ﾆ-‐'

場の雰囲気がうって変わった。
先ほどまでにこやかだった殿様は、今度は一言も発しなくなり、やらない夫のほうを見向きもしなくなった。

　　　　　　　 __ ...　-‐ ､
　　　　, -.::''.:::::::::::::::::::::..`ｰ-.､
　　／::::::/:::::::;::::::,:::::::::::::::::::::..ヽ.
　　イ/::/:::::::;ｨ::::/::::::::::::::::::::::::::::.ヽ,
　　 /::::i::::／.l::/l::ﾊ:::::,i::::ヽ:::::::i:::::::l
　　/;ｨ::{:/ｰ､ｌ/_.!'　|:::ハ:;∧:::::ｌ:::::::l
　／　|::|　ﾃﾞ'ヽ.｀丶ｰ- ､　i;:::|::::::/
　　　.|::l　　　　,　　ﾃﾞ''ヽ. l:::ﾘ::::::i
　　　.|/|　　　/　　　ｒ.Kヽf''i/'ｌﾉﾘ
　　　ﾊ　　｀　　　 | .| l .| |ノ
　　　 ,小.　- ､　　 .| .l/././､
　_,,ィ'´.H. ﾞ.. 　　,, -'"　　,/　￣ﾞ'ｰ､
''´ /　 { ' 　｀''r'´　　　／　　　　/　ヽ
　/　　ヽ､　,ｨl　　　イ /　　　 /　　ヽ
./　 .,ィ＾i }_/_/l　　　 |/ 　　　,　　　　 i
'.‐'"　ヾ{;:::;}::;;/|.　　　l.　　　 /　　　　　|

788 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:04:30.95 ID:hggoHrMo

原因がやらない夫にあることは明白だった。

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ー）（ー）
.　|　　　　（__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ.（あんたは偉いなぁ、親父殿……）
.　 |　　　　　　　 }.
.　ヽ　　　　　　 }.
　　ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　く

｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*
　　　　　　／￣￣￣＼
　　　　　／　ノ　　　　ヽ＼
　　　／　（ー）　（●）　＼
　　　 |　　　　　__´　_　　　　|　　（まだ殿の中に、親父殿が生きているよ）
　　　＼　　　　￣　　　／
　⊂⌒ヽ〉　　　　　　　　く　/⌒つ
　　＼　ヽ　 /　　　　　＼　ヽ　/
｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:.*･゜ﾟ･*

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ノ　　＼　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜（⌒）（⌒）　｜
　　　　　　　　　　　　　　　|　（__人__）　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　｀ ⌒´　｜（こりゃ、相当ひでえことをやり続けてきたんだろうなぁ。状況から考えて）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {.　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　.{　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　{　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　＿　__{-`ｰrr一'´ -}､＿__

しかし、今度は自分が父親と同じようになる番だった。
殿様に一生憎まれ続ける近習にである。

789 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:05:42.47 ID:hggoHrMo

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　／ヽ､.　_ノ　＼
　　　　　　　|　（●）（●）　|　　　　∧
==========|　　（__人__）　｜====　ゞ======== （ここが勝負）
　　　　　 |　　｀ ⌒´　　|　　　　∨
　　　　　　　 |　　　　　　　}
　　　　　　　ヽ　　　　　　}
　　　　　　　　人＿__＿_ノヽ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

790 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:06:10.90 ID:hggoHrMo

普通のものなら、自分の方から申し出をしりぞけるところを、やらない夫はそのまま黙っていた。
千載一遇の出世の機会を逃すつもりはなかった。

やらない夫は、周りからの冷たい視線など、ものともしない風に装って見せた。

{　　　　!　　　　、,ゝ=＝=く::::　　　　　　　　　　　　_　　　　　　　、,ゝ=＝=く::::　　　　　　　　!　　　　}
ｨ彡三ﾐヽ　｀ヽγ　　　　　｀ヾ,　　　　　　　　　　　　　　、　　γ　　　　　　｀ヾ,　　　　/｀　ｨ彡三ﾐヽ
彡'⌒ヾﾐヽーく( 　 r,J三;ヾ　　)>　　　　　　　　　　　　く( 　r,J三;ヾ　　　)>　　　ー彡'⌒ヾﾐヽ
　　　　　ヾ､　　;　　{三●;= } ,=　　　　　　　　　　　　 ′　ヽ;{三●;= } 　　,=ｿ　　/
　　＿　　　｀ー―'ゝ≡三＝ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ≡三＝ノ　｀ー―'　
彡三ミﾐヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　彡三ミﾐヽ
彡'　　　ヾ､　　　＿ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿　　　ヾ´　　　　´ミ
　　　　　　｀ー '　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ー ´
　,ｨ彡三ﾆﾐヽ　　＿_ノ　　　　　　　　　　　／￣￣＼　　　　　　　　　　　　　　　,ｨ彡三ﾆﾐヽ
彡' 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ._ノ::::::ヽ､＼　　　　　　　┌──=彳　　　　　　ミ'
　　　　　　　　＿＿＿ノ　　　　　　　　|:::::（:::::）（:::::）:::|　　　　　　　　　　　＿
　　　　　,ｨ彡'　　　　　　　.　　　.　　　　|:::::::（__人__）:::::|　　　　　　　　　　,ｨミ'
　　ﾐ三彡'　　　　　　　／⌒　　　　　　|:::::::::｀ ⌒´:::::::}　　　　　　　　　　　　　ﾐ三ミ'
　　　　　　ｨﾆﾆ=- '　　　　　　　　　　　 | 　::::::::::::::::::　 }　　　　　　　ｨﾆﾆ=- '
　　　 ,ｨ彡'　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　:::::::::::::::　/　　　　　　　　　　　　｀ミｨ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __ヽ　:::::::　ノ__

791 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:07:03.10 ID:hggoHrMo

　　　／￣￣＼
　　／u　 _ノ　　＼　　　　　（なあに、蛙の面にしょんべん、ってやつさ）
　　|　　　（ ⌒）（⌒）　　
.　　|　　　　（__人__）
　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　（周りから憎まれて、平然とするってのも悪くないもんだろ）
　　.ｌ^l^lｎ　　　　　}
.　　ヽ　 L　　　　}
　　　ゝ　ﾉ　　　ノ
　　／　/　　　＼
　／　 /　　　　　＼
/　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)
　ヽ＿＿ﾉ

792 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:07:35.85 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　／　　　＼　/＼
　　　　　　　|　u　（ー）（ー）　　　
　　　　　　　|　　u　（__人__）　　
　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　（蛙の面に小便、蛙の面に小便……）
　　　　　|　　　　　u 　 }
　　　　　ヽ　　　　　　 }
　　　　／　 ⌒ヽ　　　　'´(
　　　/　,＿＼　＼／＼＼
　　と_＿＿）_ヽ＿つ_;_ヾ_つ.;.

793 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:08:31.67 ID:hggoHrMo

　　　　　　　 __ ...　-‐ ､
　　　　, -.::''.:::::::::::::::::::::..`ｰ-.､
　　／::::::/:::::::;::::::,:::::::::::::::::::::..ヽ.
　　イ/::/:::::::;ｨ::::/::::::::::::::::::::::::::::.ヽ,
　　 /::::i::::／.l::/l::ﾊ:::::,i::::ヽ:::::::i:::::::l
　　/;ｨ::{:/ｰ､ｌ/_.!'　|:::ハ:;∧:::::ｌ:::::::l
　／　|::|　ﾃﾞ'ヽ.｀丶ｰ- ､　i;:::|::::::/
　　　.|::l　　　　,　　ﾃﾞ''ヽ. l:::ﾘ::::::i　　　　そのころ勝茂は、頭の中で記憶を振り払おうとしていた。
　　　.|/|　　　/　　　ｒ.Kヽf''i/'ｌﾉﾘ
　　　ﾊ　　｀　　　 | .| l .| |ノ　　　　　　それは今までに何度となく、夢にまで出てくるような光景だった。
　　　 ,小.　- ､　　 .| .l/././､
　_,,ィ'´.H. ﾞ.. 　　,, -'"　　,/　￣ﾞ'ｰ､
''´ /　 { ' 　｀''r'´　　　／　　　　/　ヽ
　/　　ヽ､　,ｨl　　　イ /　　　 /　　ヽ
./　 .,ィ＾i }_/_/l　　　 |/ 　　　,　　　　 i
'.‐'"　ヾ{;:::;}::;;/|.　　　l.　　　 /　　　　　|

　　　　　　　　　　　　　　　＼il i !l ll i ll l i ll l il i !l ll ! ll l ! l! l il il i !!l l／
　　　　　　　　　　　　　　　三　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三
　　　　　　　　　　　　　　　三　　　　　　殿……、殿……　　　　 .三
　　　　　　　　　　　　　　　三　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三
　　　　　　　　　　　　　　　／il i !l ll i ll l i ll l il i !l ll ! ll l ! ll l il il i ! l l＼

794 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:09:10.47 ID:hggoHrMo

＜１６００年　京付近＞
　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　／　　　　　　　　＼
　　　　／　　＼　　　　／　　＼
　　　　 | 　　（●）　　（●）　　|　　「殿……ここはお急ぎになられませ」
　　　　＼　　　　　´　　　　　／
　　　　／　　　　￣￣　　　　＼

　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼.:.:.:.:.:＼
　　　　　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l.:.:.:.:.:.:.:.ヽ、
.　　　　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.:| :.;ﾊ.:.:∧ .::.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ﾄ､ .:. |.:.l　| ﾘ　V .ﾄ､ .:.:.:.:.:.ﾄ､.:.: l
　　　　 ,′.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. V.:.Ⅳ　|/ 　 V.|　＼.:.:.:.|　＼|
.　　　　　l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: r‐∨─── ' |/ ､__ ﾚﾍ:|
　　　　　从.:.:.:.:.:., ┐:.:.:.:.:.:. ｲ .:.|　 '￣じﾘ㍉　　/＿｀,ﾊ/
　　　　 jｲ.:.:.:.:/ -ﾐ.:.l.:.:.:.:.:.:| .: |　　`ー‐'　　　 j{ じ /.:.|
　　　　　　|.:.:.:〈　(ﾍ.:ﾄ､ :.:.: ﾄ､.:|　　　　　　　〈￣ﾚﾍl
　　　　　　∨.:.:.＼ ` ﾘ、', .:.:|　ﾘ　　　　　　＼ |
　　　　　 Vﾍ.:.:.:ヽ __ ,ハ :|　　　　　　　　　　　ノﾉ
　　　　　　 Ⅵ.:.:.:. ∧　V　　　　　　　　　　 '´ ｲ
　　　　　　　　　ﾘ|.:.:.:.:.川＼　　　　　　/´￣　ｱ /ﾚ　　　　「そうは云ってもな、みんな強行軍で疲れている」
　　　　　　　　　 Ⅵ.:.:.:,ｲ　＼　　　｀￣二'"/
　　　　　　　　　　ｲ＾V　　　｀:... 　　　　 /
.　　　　　　　　 __r┴- .__　　　　　　 ‐ｧ-- '′
　　　　　　　／',､|　　　　￣￢‐- ､　├- ＿
　　　　／','､,',､＼　　　　　　　／L　| 　　丨

　　　　　　　　,＿＿＿
　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　／　　＼　　／＼
　　　　／　　（●）　（●）　＼
　　　　|　　　　　　___'___　　　 |　　　「ここで機を逸しますと、遠征軍への参加に間に合わなくなります」
　　　　＼　　　　|il!|!il|　　／
.　　　　 /⌒～"￣,￣￣〆⌒,ﾆつ
　　　　 |　　,＿_＿ﾞ＿__､rヾｲｿ⊃
　　　　　| 　　　　　　｀l￣
.　　　　 |　　　　　　　　　 |

795 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:09:48.15 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　. 　ァ　 -‐‐- ､｀丶、
　　　　　　　　　 ´_,ノ´ -‐=＝ミ、＼､ヽ、
　　　　　　／　　 /　　 -‐rf≠ミﾐ､　　 } }　､
,　-‐‐…ァ′　イ　　　⌒　≧込}､}ﾙﾚ' /∠厶
　　　　　{　　/／　　　　　　　 -‐ ´　 {=≠=ﾐミ、
　　　　　＼{´　　　　　／＿＿r'　　　〉ﾄ弋} 　}
　 -‐‐-　　　､　／／,　-‐　　　ー／ハ｀ーｲ
　　　　　　｀ヽ}〉 { /　厶-‐─‐‐-　､ ⌒ヽ　　　}
　　　　　　 ∨/{　|iﾙ'´￣￣￣｀丶＼　i　　,　　　「逆賊、討うぅぅぅつぅべえぇしぃぃいいいい!!!」
　　　　　　　　 }′　{|K⌒ヽ、＿　　　〉〉} |　厶_
　　　　　　　 .ｲ　　 |ト､＿　　　｀ヽくイ　/ /　　_≧x
｀ヽ　　　／ﾉ　　　ヽー‐--　､__　ヽ/ / /　／　　　｀ヽ
　　ﾏニｱ─く／{,ィ,イ_ ＞ァ＝≠ミ≧′ /　//　　　　　 ',
　　 }／ }.ｲ　}　/ {　{′　（￣/{ ‐-ﾄ､ rfｲ　 { {
　　/　 /: |　j　{　| /　　　ヽ{　＼_j　ヽi }　从　　　　　　 }
　 .'　 /: :/ /⌒Y´{　　　　‐┘ 　_ノ　从＿／⌒ヽ　　　 /｀丶、
イ　/: :/ /⌒Y⌒1　　_　 -‐‐-　_　ノ个: :{　｛　 }　　／ .　-=ミ､
:ﾉ , ' : / /　　 l　 └≦三三三三≧､　 |: : :|　ﾄi　ト-　／　　　ヽ
／: : / / 　　 }　　　　　｀ヽ、　　　斗: : |　 |:|　| 　 /　　　　　　　 }
　　　　　　　　　【五大老　内大臣　徳川家康】

慶長五年、徳川家康は諸大名に号令をかけて上杉景勝征伐をおこした。

　　　　　　　　　　　　　　　　／ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　（_,.､__)
　　　　　　　　　　　　 __,,.ｨ'´ /　ヽ､
　　　　　　　,. ｧ ''"´￣/￣￣｀7'' ｰ-ヽ､.,_
　　　　　,. '"´ｱヽ--─----'"ヽ─ ､ハヽ､ヽ､
　　　／　ｧ'"　,.---､　　　　,. -‐-､　｀ヽ､/｀ヽヽ
　　 ./>､_ノ　　i:7⌒ヽ;ヽ____/:/⌒i::::|　　　　ヽ／',i
　　 i/　　　　　i::l '"´　';:|-/:/￣/:::/､.　　　ヽ. ',　!
　　 i 　　　　/ヽヽ､__rへ-ｲ___/／　｀ヽ.　　　　Y:|
　　ﾄ､/　　　!__　r＞'´￣｀''ｰ＜ﾍ-/　　 ',　　　　!/
　　　!へ､_　r'7'´ ,　　ﾊ　　ﾊ___　ヽ!ヽ､_　L.i ._／!
　　　ヽ､へY　 /　-/‐!　/ !ｧ-;!､　ヽ　 Y/''"!_.ノ
　　　　　　　!　　!./,ｱr! V　´ﾋ_r!〉Yﾍ|　　',〉´ 　　　　 ,.-,_
　　　　　　ﾉﾍ/ハ.!'ゞ'　.　　　 ""!. |ヽ､ i ヽ､　　　i^'く　　!
　　　|ヽ､.,__ 　ノ !7､" 　i´￣〉　ﾊ |　　ﾊ__,,.ｧ-‐'"　 __.ン
　　　｀'ｰｧ '"´／// ＞.､.,___　,. ｲ|/'"´7'"<　　_,,.- '"
　　　　 i　／〈//!,,.ｨ'"く-v-イ// |::::::-{_,,.->'"i
　　　 r-ゝｨ'´{///:::7::::Y(ム〉:::/ ﾉ､___;:ｲi　　 /
　　　　　　【五大老　会津藩主　上杉景勝】

796 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:10:51.42 ID:hggoHrMo

　　　/::::i::::／.l::/l::ﾊ:::::,i::::ヽ:::::::i:::::::l
　　　/;ｨ::{:/ｰ､ｌ/_.!'　|:::ハ:;∧:::::ｌ:::::::l
　　／　|::|　ﾃ''ｯ､｀丶ｰ- ､　i;:::|::::::/
　　　　.|::l　　　　,　　 'ﾃ''ｚ､ l:::ﾘ::::::i
　　　　.|/|　　　/　　　ｒ.Kヽf''i/'ｌﾉﾘ
　　　　ﾊ　　｀　　　 | .| l .| |ノ
　　　　,小.　- ､　　 .| .l/././､
　　_,,ィ'´.H. ﾞ.. 　　,, -'"　　,/　￣ﾞ'ｰ､
　''´ /　 { ' 　｀''r'´　　　／　　　　/　ヽ
　　/　　ヽ､　,ｨl　　　イ /　　　 /　　ヽ
　./　 .,ィ＾i }_/_/l　　　 |/ 　　　,　　　　 i
　'.‐'"　ヾ{;:::;}::;;/|.　　　l.　　　 /　　　　　|

勝茂にははっきりいって気乗りのしないいくさだった。
徳川に恩があるわけでもない。
なにより、会津へ国替えを命じたのは家康自身のはず。
それを半年で領国経営に不備があるから詰問して、征伐をおこなうとは。

797 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:11:19.42 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ﾉし~|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 <　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　_（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_/　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ._　　　._／　・会津　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . <（_ ‐~　　　　　.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿___　　.／　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　＿.-‐"~　　　"ー´　　　　　　･江戸
　　　　　　　　佐賀_ /___　,,__....._,...,_・京._　　　　　(~）.／
　　　　　　　　 <・ ~ し、_.ノヽ- ＼ ]・大坂‐-´~U⌒.|,/
　　　　　　　　　ヽ　　く ~|._.-‐.ｖ´|　／
　　　　　　　　　 / 　　/　　　　　　 ~
　　　　　　　　　ヽ∩/~
　　　　　　　　　　　´
なりふり構わんいちゃもんに近い。
要はなんらかの口実をみつけて、いくさをしたかったのである。
自分が上方を離れている隙に、不満分子を集めて、蜂起させる。
その鎮圧のために、豊臣家の重臣たちの兵を使ってぶつけ合い、豊臣の力を削ごうということだ。

798 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:11:52.28 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,.-───‐- ,.、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／_,.,. ──.､_,. -─‐-､｀'‐､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,´‐'"　　　　　　　　　　　　`'‐ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //, _,. ‐　‐.､　､　　 i　　 _,. ､.._　 i、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ﾌ　_,.､._　　＼ヽ　/,.‐''"　　　ヽ、i、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i ./‐'"￣`'‐､､_i、i | |/,.　　_,. -,,=.,､ i、|　　　　　だったら、わざわざ他人の覇権など
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.‐'i /　　 ‐',"￣ヽ‐､ヽi //二ﾆ‐''"‐､　　 | i ＼　　　　手伝ってやる義理はない。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　/ i,　　/"(´９　＞ >　| <∠ と９＞　　 | i,　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,i´　　 i. ｜　'‐二-‐''" /　｜　i‐-､ﾆ二-‐　　|　'v　　ヽ　　家康の魂胆を見抜いていた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. ‐'　　　　 i. | i、　　　　　_,　 ,.　、ヽ　　　　　　｜　|　　　　',
　　　　　　　　　　　　　　　　／　|　　　　　 | |、i、　　 _／｀'　　　　 '' ＼_　　　　/ | /,　　　　 i｀`'‐､
　　　　　　　　　　　　　　／　　 i　　　　　｀､　i. l　　 '　　＿＿＿＿　　｀　　 / / i/　　　　 |　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　 , 　　　 |　　　　　　 '、i　 r _,. ‐''" ,----- ､｀`'‐.､ヽ, ' ./ /　　　　　　|　　　 i.
　　　　　　　　　　　 , -'　　　　　l　　　　　　　ヽ　　　　‐'"　　∧　　｀`''　　　 / /　　　　　　　|　　　 ',‐.､
　　　　　　　　　／　|　　　　　　　　 ,.‐' ｀`'‐､｀iM　　　 ,.イ　/　',　 i＼　　ト'V ,. ─.､　　　　　　　　' 　＼
　　　　　　　　 ,i　　　i　　　　　 i.　　'　　　　　　|　＼／ / ./　　i　 ',　＼／　/　　　　｀ヽ　 i　　　　　　　　＼
　　　　　　　 /　　　　　　　　　 ',　　　　　　　 |　　｀　￣　　　　￣　　　　/　　　　　　 i /　　　　　　　　　　'、
　　　　　 ,.‐/　　　　 |　　　　＿　 i、　　　　ノ＼　　　　＿＿　　　　／ .|　　　　　　 /　　　　　　　　　　　｀i‐､
　　　　.／　.i　　　　　 i　 ,／　　　　 'i'-.,,._,.‐'"　　　＼_,.=ニ-─-ニ=、／　　ヽ、　　　_,.'　　　　　　　 |　　　　　i 　＼

　　　　　　　　　　　　　　　ノ　　/　/　 l.l　　 {　ｨ　　　|　　l 　 }　　 l　　l 　 ',
　　　　　　　　　　　　ｰ＝-ｲ　/　/ 　 i ',　 .∧ l !　　　!　ﾊ　ハ　 ,'　　!　 l ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　{　i　l l　　 l　ﾄ､ l　ｌ | ',　　ﾊ　/ .l /　l　/　　/ 　ｊ ,ゝ´
　　　　　　　　　　　　　　 l　l　ｌ l　　ﾊ | ヽ!　ヾ　ヽ./ |:/ 　|'　_j／l 　/　 /./
　　　　　　　　　　　　　　　　 } .ﾊ ,l ヽ　|ﾍlニ;--,.._ '　｀､',.-;‐;二__ 　l /　 /./
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ'"　l.ﾍ. ﾄ､! '弋赱!~ ,　　　　' 'T心!_　ｲ　　 j l′よく言えば老獪でしたたか。
　　　　　　　　　　　　　　　　 |rﾍ　lヽ　　　　´　　　　　｀　　　　 l　　/ ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾍ　l　　　　　　　 i 　　　　　 l　 /'´　　だが、汚いやり口だと思った。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀l | ',､j　　　　　　|　　　　　　j　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　jﾊ. ﾍ　　　　　ヽ!　　　　　　 /! /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !ﾍﾊ､　　　,＿＿,...､　　　／|/｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!ﾍl＼　ゝ-‐ニ‐-' ,. イ从'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, ィ' ヽ　＼　　　　／　ﾉヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ /　　｀ヽ　ヽ- '´　 r'　　　', ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 l　　　/iｰﾍ　　 rﾆ' ﾍ　　　l 　ﾞヽ

799 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:12:39.96 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　/　　. __ 、／　丿　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　/ ,　／ .／　／　 _ ,_＿'　　　i　　i　　i　 i　　 'l
　　　　　　　　　 //. /　／　／_-''’　___,,ノ、　 7　　'　　　　　　　l
　　　　　　　　.　ﾚ.l/　 ./　　／　,,-'''''　　l l　　.l　　 ,　　　　　　　l
　　　　　　　　　　/　,/　　 ´　　, '_ !-‐'''''''''''') ./l　../l　　　　i　...l l
　　　　　　　　　r/　.l　　ﾞ　　　'''’　_,,,-‐/￣.l/ .l ./　l　　　　 i　 .l l
　　　　　　　　 .l.!　　　　　　　　　々'　Vヽー--l/'‐、l /l　　　i　 /ll
　　　　　　　　 l　　　　　　　　　/'''' ヽ　　　'..,,,_＿_、ｌ/./　　ﾉ'l/ ｌ'
　　　　　　　　l　　　　　　　　 ./　　　!　　　　　　　''　/'/'　,/）ﾉ
　　　　　　　　l　　　　　　　　/　　　/　　　　　　　　　 /　,/／
　　　　　　　 /　　　　　　　丿　　　亅　　　　　　　　 ./　/r'
　　　　　/￣￣￣''' ‐ ,_ ／丶　　____　　　　　　　　./　/　　　「……善処はするさ」
　　　/￣￣￣￣''' ‐ ,_ ＼.　.l＼　”-ニ⊃　　　　／/r'＼
　　/　　　　　　　　　 '-,/　 .l　＼　 '￣　　　,／　/ │　''、、
　 ./　　　　　　　　　　　 /　　l　丶ゝ,,,,,,,-‐''　　／　 │　　'l "'-、
　/　　　　　　　　　　.∩/　　 .l　　/─、　,─／　　 │　　　'l　　"'-、
../　　　　　　　　　　∩/　　　 .l　/　Ｃl　l - l＼　　│　　　　'l　　　　"'-、
/　　　　　　　　　　　 /　　　　ﾚ' ヽ┌──┐ｿ＼ │　　　　　'l　　　　　　"'-、

そういって、父親に付けられた家老へ、気持ちを配慮した。

800 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:13:44.76 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　／）／＼　　／＼　　　　「みなさん、今度の招集は内府（徳川家康）に従いましょう！
　　　／ .ｲ ' （●）　（●）＼　　　
　　 /,'才.ﾐ).　　　　_',__　　　＼　　大丈夫です、もう次の時代は来ているのですから！」
　　 |　≧ｼ'　　　 `ー'´　　　　　|
　　＼　ヽ　　　　　　　　　／

中野将監は、国もとの佐賀にいたときから、露骨に家康びいきだった。
家中が徳川か豊臣かで分かれても、将監ははじめから家康側に付くべき、と声高に訴えていたものである。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _._.,,.､.-.ｰ.-..､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ＜´:::::::::::::::::::::::::::::`ｰ:.､
　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::/::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 /／::::::/::::/＼!＼_＼::::i:::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　 /´/:.:l::::ﾚﾍ!　ヽ／__＼::::l::::::::::::i:::::::::｝
　　　　　　　　　　　　　　　!l:l::l::へヾ｀´ﾆfｿゝ ∨::::::::l:::!::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　 |:::ﾚﾍ f_)）　　　　　　ﾚﾍｿﾍ::!::::::!
　　　　　　　　　　　　　　ﾚﾍﾊ　く　　　　　　　　|/ )ソ!:::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　｀　　　　　　　　､／/:::/ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　- - ､　　　 ′|/:::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　_　´　　ﾉ:::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰ､ ´　　　　　∨_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,∧　 __,,､､＜´　〉､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/∨) /∧　　　/::::::i:::ヽ._
　　　　　　　　　　　　 _ ,,､-ｰ／ !/ヘﾍ/ソ∧　　/:::::::::l:::::::::::｀:ｰ:.､

気持ちとしては豊臣にくみしていた勝茂にとって、おもしろくはなかった。

801 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:14:25.15 ID:hggoHrMo

　　　　.|.　　　　　ヽ..、　　〈,,..ゞﾞl　　　　　　　　 lﾞ´ﾞ!、
　　　　 .｝　　　　　 ,,..′　　　　 .{ﾞ゛　　 ,,／ﾞ'‐ﾞﾌﾞﾞヽ .ヽ　Ｘ関ヶ原
　　　　　ﾞl　　　　　.く、　　　　　　ﾞ^"'ｰく　　　 !　　!　.!
　　　 .__,ﾉ　　　　　　 .＼　　　　　　 !　／　,／.愛知川
　　　 /　　　　　　　　　｀ﾞ'''､　　　　京　.ｌ　| .../・┠　 !´｀'-,,-
　　 ./ 　　　　　　　　　　　 /-,、　　　　・　!,.,ﾐ゛安土.〉　　 .,ゝ
　　 .!　　　　　　　　　　　　ﾞ!、｀t,,、　　　　l.　　　　　|　　 ./
　　.､　　＿__　　　　　　 │　　ﾞ.ｌ　　　　ﾞ'-／''　'"　　./
　　.r¨^^゛　　ﾞ''-､_　　　__,,,,,,lﾞ　　　.,!　　　＿_｝　　　　　|
　　　　　　　　 _ ''''"　　 .!・大 ./ ｀"'"" 　 |　　　　　'|　伊勢
　　　　　　　　 _／ / 　　　 ,,ﾉ　坂|　　　　　　ヽ,　　　　 .・'--､,
　　　　　　　／　　!　　　,／　　　._!　　　　　　 .,./　　　　　　　　,!

　　　　北国街道 │　　　　　　　　│
　　　　　　　　 │　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　中山道
　　　　　　　　 │　　　　　　　　│　　　　　　 ┌──────凸───────
　　　　　　　　　　　＼　　　▲　　　＼　　　　　○　　　　　　　岐阜城
ヽ　　　　　　　　　　　＼伊吹山　　　＼　　／赤坂
: ヽ　凸長浜城　　　　　＼　　　　　　　　○
: : └─、　　　　　　　　　＼　　　　　　,ノ垂井丶──凸───、
: : : : : ┃　　　　　　　 ────○─.￣▲　　　　　大垣城　　＼＿＿＿＿＿＿＿
: : : : : ┃　　　　　　 /　　　　　関ヶ原　南宮山　　　　　　　　　　　　　　　　　美濃街道
: : : : : ┃　　　　　/　　　　　▲　　　　＼
: : : : : ┃　　　　 /　　　松尾山　　　＼
琵: : : ]　　　　 /　　　　　　　　　　　　　＼
琶: : : ┃ 　　 |　　　　　　　　　　　　　 │
湖: : : ┃　　佐和山城（石田三成の居城）.　│伊
: : : : ┃　　凸│　　　　　　　　　　　　　 │勢　　　　　　　　　　　　　　　　凸
: : : : /　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　 │街　　　　　　　　　　　　　　清洲城
: : ノ　　　／　　　　　　　　　　　　　　　 │道
ノ　　　》　愛知川の関　　
　　／

石田三成は、近江の愛知川（えちがわ）に関をもうけ、行軍してくる大名のせき止めを謀る。
これにより、勝茂は先へ進めなくなる。

802 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:15:21.55 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　　　　　f广}下7⌒トｒ－- ､＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　,ｨ卞れlんイ^Y⌒L、,｀ヽ厶
　　　　　　　　　　　　　　ｨソ´￣^ミ､⌒^くｽ之乂l⌒Y勹
　　　　　　　　　　　　　 /,ﾆ､ﾆ ‐､｀丶｀ヽ、ヽヽゞﾉ　Yﾌ'￣〉
　　　　　　　　　　　　　//レヘ､丶､ヽ､`ヽ､＼i ト∟イﾄ､__/
　　　　　　　　　　　　 {｛ {　　　＞‐-､ﾆ≧､ヽリ､`ヽハﾍ}
　　　　　　　　　　　　　Ｙ=､__ｆ^不ﾋﾃー‐￢'ﾆヽ｀ヽ|　lい
　　　　　　　　　　 {'´{厂'､__ﾌ'´　　　リ',ﾊヽ､l　ｌ､＼　　「太閤殿下の恩顧のため、
　　　　　　　　　　｀ 7　　　　　　　　イ｀､ヽ､|　 l,ﾊ　ヽ　　徳川を討ちます！」
　　　　　　　　　　　　　　　ト´ __　　　　　　　｀ヽ､ゞｌ　ヽヽ｀、
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ`ﾆ゛　　　　´ _ -─ﾍ､│ 　ｌ　ｌ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　＼__ .ィ_´‐ ´　　　　ｌ│ 　 |　|　ｌ　　※このころは福島・加藤らによって奉行を辞している
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈ｉ　　　　　＿__ヽｌ　　 l、ｌ　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　 ,.--､､___ﾘ_. -－'´::::::::::::｀l 　　l　ヽ|　ヽ
　　　　　　　　　　　＿{ 　　} _＞､＼:.:.:::::::::::::::::::|　　 |、　l'､,',ﾊ
　　　　　　　　　　　〈__ン'フ７´　／へ＼::::::::::::::::|　　ト､ﾆl',､',' ｌ
　　　　　　　　　　　　　fｱ/:.:::::::::::＼_,∠-‐＾>､ヽ:::::::::::ｌ　　　|　lＺ}'､,',､!
　　　　　　　　　　　　　jV:.:.:::::::::::::;:'::;':.::::} ´ ／ゝヽ::::/.','､,',､l|　lﾆl,､','､|
　　　　　　　　　　　くｲ:.:.:::::::::;::':.:;:':.::::::{∠ - ‐ﾍＶ,'､,',､',' ｉｌ ,仁l'､,',､j
　　　　　　　　　　　　　 {:.:::::::;::':.::;:':.:::::::;:::::ｌ⌒ヽ　//,',､','､,', ﾘ厂'|,､','ｲ
　　　　　　　　　 /Ｙ;::':.::::;:':.:::::::;:':.:::::l:::::ﾉノ/､','､,',､','.//ヽ､ﾚ^/:l
　　　　　　　　　ヽ}:::::;::':.::::::::;:':.::::;:.::l::〈　/','､,',､','､'//^丶、ｿ::::|
　　　　　　　　　　ト:':.::::::::::;:':.::::;:':.:::ｌ:::::｀/､,',､'_火广ﾊ丶ン＾ヽ::l
　　　　　　　　　　　　　ヾ;:::::::;::':.:::;:':.:::::;:l:::::::´￣::〈,ﾊ l:ﾚﾍ､ソ:::ヽ:.:::::〉
　　　　　　　　　　　　　　 l:::;::':.;::::':.:::::::::::l:::::::::::::::::/ヽl ｌ::レ'´::ヽ::::::ヽ:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　【元五奉行　石田三成】

三成が挙兵したのは直後だった。

勝茂の軍は、近江で孤立することになってしまった。
やむを得ず、勝茂は西軍へと味方することになり、伏見城を強襲する軍勢に合流した。

803 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 20:15:43.94 ID:XfMWHAoP

又すごい三成だｗｗ

804 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:16:03.45 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　(;; )　
　(;; ).　　　　　___　　　　(;; )　　　(;; )　　　　　　　　　　　　　　　ゞ;;;;;ゞゝ.:.;:;ｿ　
　(;; ).　　　__i　.i-.､　(;; ).__　　　(;; 　　ﾜｰﾜｰ　　　　　　(;; ) ゞ　;.:;:;:　:;.:;:;:ノ
　(;; ).　rii |　i_,!　'ｰ　_γ（（炎)(;; 　　　　　　　　　　(;; )　丿.;::　.;::;.::.:,ノ
_　　(;; γﾉ）::）　　　　　 ." |__　　　　　(;; 　　　　 (;; )　丿.;::.;::;.::.:,ノ
└┘ 人；ﾉ;;;;;从i~~ﾞ"i''-.,」_.|_iγ（（人) 　　从人 _从丿;.::.:,ノ　ジ
┬─┬人；ﾉ;;;;;从人|~ﾞ"''i.|..|,,__~".''''ーk,,i=i、(（　（　（人）　),l l　　ﾔ
┴┬┴_γ（（炎)火)~"l''ｰ|　　|_~"'l'''' iｰ-i-.ﾆＬ.　_γ（（炎)火　　　　＼
┬回┬r''l"~￣|￣￣|~ﾞ"''i.|~",-､.=､~|~"'l''.ｰiｰ-.|'"|_._|__|~i''i|　　　　　　　ン
┴┬┴ri'"~|□￣|￣~"l''ｰ|~"|;;;|.|;;| .~"|".' ''l -i |r''i"□_| ~!|
┬┴┬r''l"~￣|￣￣|~ﾞ"''i.|~"|;;;|.|;;|._~'_"|"'l':　ri'|i'"|_._|__||''i|
┴┬回ri'"~|□￣|￣~"l''ｰ|~"|;;;|.／｡!´｡! ~!"ﾞi r |i'"|_._|__|~'i|

その後は猛将を冠するのにふさわしい働きだった。
伏見城を陥落させ、伊勢へと軍をすすめ、安濃津城（あのつじょう）を落とし、松阪城に迫り、長島城も囲むという活躍だった。

805 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:16:53.14 ID:hggoHrMo

＜関ヶ原周辺図＞　　　　ノｿ〆ヾ　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　ｿ　　　　´＼　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　｀ｿ　　　乂　　　凸大垣城　　　
　　　　　　　　　比叡山　丿　湖　　ノ　　　関ヶ原　　　　　　　
　　　　　　　　　　▲　 /´　琶．ノ´　凸　　　　　　　　　　　　　　清洲城
　　　　　　　　　　　ノ　琵　ノ´　　佐和山城　　　　　　　　　　　　　凸　　
　　　　　　　　　　　ﾉ　＿ノ´　 ─》─　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　ﾉ　/　　　　愛知川の関　　　　　　　　　長島城　　　　　　　　
　　　　御所　　　/　ﾉ凸　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　凸　　　
　　　　　　・　　　√　大津城　　　　　　　　　　　　　　　　　イ￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ´　　　ノ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｿﾞ　　　　ｿ
　　　　　　　　凸　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿　　　　　｀ヾ　丿　
　　　　　　伏見城　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／　　　　　　　ﾉ　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　　伊　　　く　　ゝ,,,　
凸　　　　　　　・奈良　　　　　　　　　　　　　　凸　│　　　　勢　　　ﾞﾞゞ＿ソ　　　　
大坂城　　　　　　　　　　　　　　　　　　　安濃津城ゞ,　　　　　湾　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　凸　　＼　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　松阪城　　ゞ－ゞ　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　凸ﾞ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　鳥羽城　ｿ　

806 ：1（修正） [saga]：2009/05/17(日) 20:19:26.92 ID:hggoHrMo

＜関ヶ原周辺図＞　　　　ノｿ〆ヾ　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　ｿ　　　　´＼　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　｀ｿ　　　乂　　　凸大垣城　　　
　　　　　　　　　比叡山　丿　湖　　ノ　　　関ヶ原　　　　　　　
　　　　　　　　　　▲　 /´　琶．ノ´　凸　　　　　　　　　　　　　　清洲城
　　　　　　　　　　　ノ　琵　ノ´　　佐和山城　　　　　　　　　　　　　凸　　
　　　　　　　　　　　ﾉ　＿ノ´　 ─》─　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　ﾉ　/　　　　愛知川の関　　　　　　　　　長島城　　　　　　　　
　　　　御所　　　/　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　凸　　　
　　　　　　・　　　√　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イ￣￣＼
　　　　　　　　　凸大津城　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ´　　　ノ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｿﾞ　　　　ｿ
　　　　　　　　凸　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿　　　　　｀ヾ　丿　
　　　　　　伏見城　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／　　　　　　　ﾉ　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　　伊　　　く　　ゝ,,,　
凸　　　　　　　・奈良　　　　　　　　　　　　　　凸　│　　　　勢　　　ﾞﾞゞ＿ソ　　　　
大坂城　　　　　　　　　　　　　　　　　　　安濃津城ゞ,　　　　　湾　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　凸　　＼　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　松阪城　　ゞ－ゞ　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　凸ﾞ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　鳥羽城　ｿ　

807 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:20:23.14 ID:hggoHrMo

長島での対陣で、西軍が関ヶ原で大敗したことを知った。
　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　／ : : : : : : :｀¨ｰ-､
　　　　　　　　　　　 __＿/: : : : : : : : : : : : : : : ¨ｰ-､
　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : : :｀¨ｰ､
　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : ﾍ
　　　　　　　　/: : : : : : : : : : : : :{: : : : : : ;ｲ : : : : : : : : : : :ﾍ
　　　　　　　./: : : : : : : : : : : : : :.',: : :ﾄ､::/ｉ: :/ヽ: : ﾄ､: : : : :.ﾍ
　　　　　　　i: : : : : : : : : : : : : : : ﾍ:: :l !/　l/　ヽ::l　i: :i: : |ヽ!
　　　　　　　l: : : : ﾍ; : : : : : : : : : l-',:l──--､_,,!/　ヾ!l: :,'　ヽ
　　　　　　ﾉ: : : : : r､: : : : : : : : :l　ゞ-t‐jヾ　　　/'ｰ､l:i/
　　　　　　 !ｲ: : : :/ ﾍ: ﾄ; : : : ﾄ; :l　U ー¨-　　　〈ftﾂﾞ/|
　　　　　 i: : : ,'　　',:l ',: : : l ',:l　　　　　　　　 ',￣,'ﾊ!
　　　　　　　 ',: : :ヽヽ-､!: ',: : :l　'!　　　　　　　丶､l　　　（なんてこった……）
　　　　　　　　',ﾄ､: : :ヽ__,,i ヽ: :l　　　　u　　　　　／j
　　　　　　　　　 :i: : : : : :i ',uヽ!　　　　　＿　 _　,ｲ
　　　　　　　　　　',!i: : : : l ヽ、ヽ　　　 r'" 　 ∨∧;!
　　　　　　　　　　　',::ﾄ;::ﾄ!　　ヽ､　　　｀￣二¨/
　　　　　　　　　ﾚi ヾ!:　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　 __f´¨ｰ--､＿　　　　　ー,--"
　　　　　　　　／: j　　　　　　｀¨ｰ-,､　,'ｰ--､_
　　　　　　／: : : : ｀ヽ､　　　　 f´ ゝ._i　　　 L＿
　　　　／::｀ヽ、: : : : : : ｀ヽ､　　　i:　i　｀¨1i:　 ,'　｀ヽ
　＿,／-: : : : : ::ヽ: : : : : : : : ::ヽ、/　j　○ /'j　/ ー /｀ｰ-､
'":丶､: : : : : : : : : : i: : : : : : : : r‐'ヽ,ヾ､　　i､ﾉ,ｲ　／｀i: : : : ｀',ヽ、

808 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:20:42.83 ID:hggoHrMo

鍋島家の行き先が自分自身の決断にあったことは明白だった。

　　　　　　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　　 _ ,,, -― "~￣　　　￣~"ー-､_　＿_,
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　~ ＜
　　　､＿,-‐'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　｀7　　　　　　　,　 ,　　　　､　　ヽ　　ヽ　　　ヽ
　　　/　　　　　 /　/　/　　ｌ　　|　　　l　　 l　　　　＼__,
　　　l　　　　　　 l　l　　|　　/|　ﾉｌ　　ハ　∧　､　 |ｰ､‐'
　　 | 　　　 l　　|　|　/ | /　| /　l　 /　 l/　 l 　 l 　|ｰヽ
　､ノ　　　|　|　　 V V~"十-l/_　　l/　　　 __,,,l　l　 |
　　7　 |　_|　|　　　l　　工二ｪヽ~　　　∠~_　/|/|　|
　　| / /~､|　ﾄ　　 |　　　　　‐'　　　U/┴-「 l　/|/
　　l/|. | （ l/ |　　|　　　　　　　　　l　　　 l　l
　　　|　ヽヽ_ ヽ　|　ι　　　　　U　　　ヽ　　　| |
　　　ヽ l ヽ＿ヽl　　　　　　　　　　　　/　ｕ　| |　　　　（俺のせいじゃないか……）
　　　　V|　　λ 　　　　　　__　　　　　　 l l
　　　　　ヽ　 | ヽ　u　　　／　￣ 7　　 /V
　　　　　 | ,┤ ヽ　　　　　（＿＿＿/　　/　　　　
　　　　 __ / く　　ヽ､　　　　　　＿　　/
　　　／ <　　ヽ　　　＼　　　　　　　 /
　 _,┤　ヽ　　＼　　　　ヽ､＿＿_/
／　|　　　ヽ　　　ヽ､　　　　　　ト、

勝茂は死して責任を取ろうとはかった。

809 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:21:14.61 ID:hggoHrMo

勝茂を救ったのは、皮肉にも父親である直茂だった。

　　　　　　　　　／　／　　＿＿＿＿＿＿＿＿＼　　 r　ｋ　｢〉　　　ヽ
　　　　　　 _.　-'‐　'' ￣￣／　　　 /　　　／　|｀＼　｜'´ 〉＜｀丶､　ﾍ
　　　　,　'´_.　　　　　　／　　　 /　　 ,／|　　 }ヽ　ヽ｀ｰﾍ＼｀ヽ、＼. ﾍ
　　／'ア´　　　　　／　　　　 /　　 , '　　l.　　,　 ∨ ∨　　＼＼__ Y´　∧
.　　 , '　　　＿＿,.'　　　　 _／ｌ　　 /　　 |　_厶‐'´∨ !　　∧ __ー'　　　　 ',
　　/ ,.　ア´　}　 /　　_,. ;ｧ'´/　, |　 ./　　 ,.1. / ＿　 '. l　　 ∧　ヽ.　　　　 i
　ﾙ'／｀ヽ,_/　/　／∠　 /／　|　/　　／　!イ.-　ミヽ}.|∨　　∧　 }　　　　 |
　 }/　　.／/　 /／　/￣｀＜. 　 | /　　' 　 {,/{　{ｒ⌒' Y ﾘ　∨　　ヽ'　　　　　 |
　 ′　/　/　　'´ '∨ ＼ {斤¨ヽ. ､|　　　　　　ヽr　ノ}ﾉ　　 ∨　　　＼　　　　{
　　　/　./　　　　　　＼ヾゝﾊ　　　　　　　　‐ー ´　　　 V　　　　＼　　 |
　　｀ヽ/　　　　　　　　　　ヽ.　ｰ’　　　　　　　　　　　　　　　/＼　　　　　＼ﾉ
　　　　i 　　／　　　　　　　ﾍ　　〈　　　　＿, ､　　　　／l　　＼　　　ヽ　ヽ
　　　 |　　 /　　　　　　　　＼　　＜{ 　　 }　　　　／　/　 ,.　　＞. ､　',＼|
　　　 |　 ./　　　　　　　　 _,　　　｀　; ,､_｀　ｰ '　　／　／'l　厶r '´　　 Xヽﾍ
　　　 |　/!　　　　　　　／/　_,.．イ｜ｌ /｀　ｰャ　´　　　　 ∨／　　　 ′＼｀
　　　　∨ |　　/ , 　／　/／　　 ,/　| | |　　 ∧　　　　　／　　　　　　　　_.＞　._
　　　　　　､　,{ /|／　　 '´　　　 {.　 | l |　　 /　　　　　／　　　　　　　,.　'´ ,　 '´
　　　　　　　　　　　　　　　【佐賀藩　藩祖　鍋島直茂】

直茂は関ヶ原の戦いの帰趨がどちらに転んでも、佐賀藩を存続させる一手をあらかじめ打っておいた。

810 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:22:51.18 ID:hggoHrMo

ちと、ＡＡの修正があるので、１０分ほどおまちください

811 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 20:24:50.16 ID:ZJMVnCEo

了解っす！

812 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:27:36.76 ID:hggoHrMo

家康からの会津征伐に応じる一方で、直茂は兵糧を大量に買い付けておいた。
その手形を江戸の秀忠あてに送っている。
家康ではなく、秀忠に、というのが外交センスの鋭さがみえて面白い。
　　　　　　　　　　　＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　 ,..´￣´:::::::::::::｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::／＞､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　':::::::::::::::_, イ!:::::/／::::::ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　,'::::::::::::::::ヽ / !:::::|::::::::::::::::',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　 /:::::::::::::::::./〈ｲ::::::|::::;.ｲ::::;::;:l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
.　　　　 /::::::/:;::::::://j l::!::::::匕ヶイ:/l:|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　 {ハ/::ﾊ::::〈/Y j::l:::::::|ｔﾉ｀/ｲ /′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　冫,'::/ｰ､::::::〈/:::ﾊ:::::|"　〉:|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　f¨~、{/ﾉ､　ヽ:::::::|｀ヽ､:k,イ:::j　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　}　｀ｰ'‐ '⌒ーーへ o人ｿ:/ヽー‐　､＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　｛　　　　　　　　　 ~＾ヽ}´}　　　　l　　　｀　ー──-　＿　　　　　　　　　　　　　
　　　 Z　　　 ,　─ ‐ - .＿　　乂　　　　|　　　　　j　　　　　l　　｀ｰｫ　　　　　　　　　　
　　　 ~i^"Y　　　　　　　ヽﾉ{d ヽ,　　 !　　　　 l　　　　｜　　　/＼_ 　　　　　　　　
　　　　し′ ／　　　　　　　 {　ﾉ　 '　　　　 ' 　　　 ′　　 /ヽ. ､冫　　　　　　
　　　　 i　　　　　　　　　　　 | j／￣　｀ー────ー - ‐ '　 )Y上ｲ　　　　　　
　　　　 |｜　　　　　　　　| 　　 V　　　　　　　　　　　　　　　　 |ゝ┬┬}　　　佐賀￣￣￣￣／
.　　　　　 j　! 　　　　　 ,'　　 !d　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:|　|::::| |　　　　　　　　　　／
　　　　 { ｰ}　　　　　　　 /　＿ ! |　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー┴┴'　　　　　　　　　／
.　　　　｜　|　ー──‐　l ´　　ﾍﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／

813 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:28:43.49 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／　／　／　 }へ、ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　／　／　／　 '⌒{へヽ　'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//　/　　/　 , / /　　 i iﾚ1 }　',　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i/　/　　/　 // / 　,′{ ｢！| |　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .}　{′　.′ // ,′ /　ハ{　} ! !　 i ｉ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .{ ｉ l　　|　 //_/i　/／　　ﾉｨ |　 { ｉ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　以 ! !　{ i/厶｣ {メ'、 ,ィf'二__j }　 i 抖
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　ｉ| }i　! 比{斗`　 { 　弌ｆ灯}　, /,〈′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠＿＿＿＿＿江戸　　 ,.ｲ |从以　　　　　|　　　　/ ///＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ヘj i 　i '.　　　　　}　　　ノ //ｲ　　ヽ.ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　　　}」i　i　',　　＿＿＿_ 　 }ｲ! ! {　　　　ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { {　　　　 }∧!　ﾄ､　　ー一　　 .ｲﾉﾉl/　　　　　 }　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄﾍ　　　　 f⌒{　＼　　　　／　}'⌒i　　　　　/　,1
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l Ｖ∧　　｢1　ヽ､_ ＞－＜ _／　　}　　　　/　,ｨｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 v∧　__jハ、　 /　,′　ヽヽ.　　ハ､_,　/　ﾑl |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ∧.v∧　ﾄ､　　/　/　　　 }　 ',　/　 }　V　 /　{｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【のちの２代将軍　徳川秀忠】

814 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:29:21.35 ID:hggoHrMo

戦後の本多正信らの検分により、勝茂はやむなく西軍に参加したとみなされた。
おとがめもなく、他の大名のように領地を削られることもなかった。

その後、鍋島家は家康の指示で、九州の久留米城、柳河城を攻略。
この功績で、鍋島家は佐賀３５万石を安堵することができた。

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　／　_,ﾉ　　　＼＼
　　　　／　（●）　　（●）　＼　「……」
　　　　|　　　　　　´　　　　　　|
　　　　＼　　　　 ⌒ 　　　　／

しかし、勝茂にとって、このときの自責の念は生涯のこった。

815 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:30:01.99 ID:hggoHrMo

:..:..:..:../:..:..:.､.:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:./
:..:..:../:..:..:i.i:.!ヽ､:..:..:..:..:..:.ヽ.、..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..ヽ.:..:..:..:.、.:..:..:..:..:..:../､‐‐　　　戦後の余波も小さくはなかった。
:..:..:/..:..:..i.:.i:.',　`'‐ ､.:..:..:..:..:ヽ､､ヽ.:..:..:..:..:..:..:..:..:ヽ.:..:..:.';..:..:..:..:..:../　＼__
:..:.,'.:..:..:..i:..:i.:.',　　　／`ヽ､.:...`､`､` ､:..:..:..:..:..:..:..:.',､..:..',`''ｰ‐''7､--‐､
:..:,'.:..:..:..i..:.:.i:.､'、　 /　／!　ヽ､.`､`､ヽ､..:..:..:..:..:..:..','､.:.i　　 /　ヽ____ヽ　　
:..:i..:..:..:..i.:..:.',　`ヽ､l!　/ ﾍ,!　　 `.､ﾞ､ヽ　ヽ..:..:..:..:..:..:.', ､:l　 /-‐‐‐､　..::::
:..:l:..:..:..:.i.:..:..ヽ　　 l!./<、 l　　　　`､､‐`;ﾞ´` ､:..:..:..:..:..l. ll　/　ヽ､__,...::::::::　勝茂の息子は、すでに三平（のちの元茂）がいた。
:..:l:..:..:..:..i.:..:..:.`.､　ﾉ.l!`ﾞ''ヽ!　 ,..-''´　ﾞ､　'　　 ',:..:..:..:..:l. ﾘ/______ .,,::::::::::::::
:..:l:..:..:..:..:ﾄ､:..:.､.､`.‐､　　,..‐''´　　　　 '､　　　',:..:..:..:.l. / ヽ、 .,,:::::::::::::::::　　だが、徳川との絆を太くするため、徳川家から正室をもらい受ける。
:.. l:..:..:..:..:.i `.､:..:､`ｰ-`、　　　　　　　　ﾞ,　　　 ',:..:..:..l/____　`,::::::::::::::::::::
i　ﾞl:..:..:..:..:',　 ` ､`､.　　l　　　　　　　　 ',　　　i:..:..:./ヽ、＼:::::::::::::::::::::　　その正室との間にできた子供が、嫡子になる忠直である。
i　 ',:..:..:..:..:',　　　 `ヽ.　i　　　　　　,　　　',　　 i:..:./____ ヽ‐/:::::::::::::::::::::
.',　 ',:..:..:.i.:.',　　　　　　i _.-''´`-‐'ヽ- ､　　　 .i:../ ､　ヽ､/::::::::::::::::::::::::　　
. ',　 ';..:..:i､ :',　　　　　 ´　　　　　　　　`‐､,_ i/　 `ｰ‐‐,':::::::::::::::::::::::::::
.　'､　';..:.i `､:',　　　　　　　　　 ,..._　　　　 .,../.　　　　 ,:::::::::::::::::::::::::::::::
.　　'､ ',:..i　ヽ'、　　　　　　　ヽ、`'‐.、　/　　`ヽ､　 ,'::::::::::::::::::::::::::::::::
.　　　　',.i　　 . ヽ、　　　　　　　`ヽ､　` ､、　　　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::
.　　　　 '、　　　　　　　　　　　　　 /ﾞヽ､　'ヽ､　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　【のちの鍋島支藩　小城藩主　鍋島元茂】

816 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 20:30:43.89 ID:hfaTLV2o

えまなり

817 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:31:45.45 ID:hggoHrMo

　　::::::::::::::::::::::ｨ,'"　　ﾞ''"　　　　　_,,,_、　　。　　　.ｒ‐'"::::::::::r''):::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::: |　　　　　_,,.=ﾆ''":;r‐､ﾆ'':ヽ、　　 ,,i´::::::::::::::::::ﾞ":::::::::
　:::::::::::::::::::::::::::::ﾞl,　　　 '´ ／: : /: :│::ﾞi､: ヽ　　ヽ,,,,,r--┐:::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::i"　　　　　ﾉ: :,;{/／,/: : ::|i: i }　　　　　│:::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::ｲ,,_　　 _,,,ｭｉﾆﾞ‐'゛:／: : :.,/j:,ﾉﾘ　　　　,..、　`'i､::::::::::::::　　その忠直の子が光茂であり、
: ::::::::::::::::::::::::::::::::::レr二ﾆ---‐'"ﾞ',j,,,,ﾆl,_'" 'ﾞ　　　　 '.ノ　　　ﾞヽ;;:::　　　　　２代藩主はその光茂がのちに継ぐことになる。
::::::::::::::::::::::::::::.,,.-;''"´　　　　,,,,-'";;;;;;;;;;;;;;＼　　　　　　　　　　　　,〉::::::　
:,..、:::::::::::::::ノ'´,r'　　　　　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀'、　　　　　　 _,,-":::::::::
ﾞ'┘:::::::::::::::::::::｀"ｌ,、　 ,／;;;;;;;;;;,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ　　　　　　,--"::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::／ﾞ,,／;;;;;;;;;;;;;;;lﾞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、ﾞi､　　,..、　|、::::::::::
::::::::::::::::::::::::_,,--'''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,lﾞ;;;;;ヽ　 '‐'　　ﾞﾞﾞ''ヾ、
　:::::::::::,,／″;;;;;,..、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,lﾞ;;;;;;;;;;ヽ
i!ll| ''''〔;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ‐';;;;;;;;;;;;;;;;;;;,lﾞ;;;;,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,/;;;;;;;;;;;;;;;ﾞl　　　　　　　　　　　三平は嫡流から外されることとなり、
iill　　`-,,_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,lﾞＺヱ,,-----／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ　　　　　　　　　　　　江戸で人質生活を送ることになった。
l!i|　　　　｀ﾞ''t-､,,、;;;;;;;;;;;;;/;lﾞ:::::::::::::::::,、:|;;;;;;;;;;;;;;;,,、;;;;;;;ﾞ!
ll|　　,..、　　｀'ヽ,ﾞ"ｧ､,.;;,lﾞ;;ト::::::::::::::::lﾞ|::::ヽ;;;;;;;;,/,,ﾐ,i､;;;;,l
ii　　ﾞ‐'　　　　　　`'lﾞ;;;;;ﾞ彡′:::::::::::::,lﾞ|::::::::＼;;lﾞ::ﾞl;;|::};;;/
i!|　　　　　 ,，　　 /;;;;,/′:::::::::::::::::::lﾞ::|::::::::::::‘く,:］;;|:ﾚ'

818 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:32:45.76 ID:hggoHrMo

　　　　　　＿＿＿
　　　　　／　　　　　＼
　　　／　　＼　　　／＼
　　／　　　（●）　（●）＼
　　|　　　　　　　__',_,　　　　|
　　＼　　　　　/__/　　　／
　　　　　, -‐ (_).ヽ　　ｨヽ
　　　　ｌ_ｊ_ｊ_ｊと)　　ビシィ　　　　　
　　　　　￣`ヽ　　
　　　　　　　__.　--─-- 、
　　　　　∠　　　　　　　　＼
.　　　／,r　/　/　　ヽﾍヽ　＼
　　 /// ,　|　｜　　 |　| ﾍ　　ヽ
.　　|/ ｌ /　|　∧ |　| :|　|、:|｜　 ',
.　　| l　|　､ﾄ､.|. |ﾊﾊ |ヽ!ヽ'Ｖ　　｜
.　　lｲ　lヽ| _ム-- ｀　レﾆニT |　N
　　 ∨|　|´ 'ﾓｼ´　　　ﾞー'　|｜ |
　　　 |ハ！u　　　　　　 |/／
　　　　ヽﾄ、　　　 l　　　　/
　　　　　　ヽl＼　 -─　　.ｲ
　　　　　　　　 l｀　 ._　／ﾉ、
　　　　　　　　/　|　　　 ,rく. ヽ
.　　　　　　　/　,ヘ　　 /　∧｜
　　　　　　　|　ハ　',　/ ／ ∧!

将監の勝茂への苦言が激しくなったのは、関ヶ原以後からだった。
少々の過失があっても、しつこく、嫌というほど苦言をいい続けるのである。

819 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:33:19.06 ID:hggoHrMo

　::::::::::::::/ |::::::::::::::::∧:::::::::::::∧::::::::::::::::::::::!::::::::::::|::|
　',::::::::::;′|:ﾊ:::::::::/　 '.:::::::::/　Ｖ:::::::::::::::::::|:::::|::::::|::|
　 ∨::::ｌ.　 |! |::::::/　　 '.::::; ′　∨::::::::::::::::|:::::l::::::Ⅳ
.　　∨:|　　　|:::/　　　 }; '_.．-'´ ∨:::::::::::/:::l::|::::::|
　　　∨　　 |/　 _.．-'´　　　　　 ',:::::::::/:::::ﾊ|::::::|
　　　　　　　,.． '＿＿＿＿＿__ 　 ' ::::/::::/::::|::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　'´　　　　　∪　　｀'　|::/:::::/|::::l::::′: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　ー‐---一'　　 |/::::/　}:∧:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,′:/　/ﾘ　｀
　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　,:::::/　/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　 ∪/:::/　 ′::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.　　　|　　　　　　　　　　　　　　/V／
　　　l|　　　　　　　　　　　　厂7
.　　　!　　　　　　　　　　　　　/∧|
　　　　　　　　　　　　　　　／:/

だが、なによりも、あのすべてを見抜いているような目が気に入らなかった。
自分自身の一番ふれて欲しくない部分、それを人質にとられているような気分だった。

820 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:33:44.99 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　 _,　-‐--....､
　　　　　　　　　　　／..:::::::::::::::::::::::::::.ヽ
　　　　　　　 / .:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ
　　　　　　　　　/..:.:.:.:.::::/:::;i:::::,|:::::l:::::;::::::.ヽ
　　　　　　　　　 l::::::l::::::/l::/ |::/{::/|::;/l::}:;::;::i
　　　　　　　　　 l/i::l:::N`|ﾒ､_|ﾑ|/.,j／ﾚ|::|::ト!
　　　　　　　　　　f＾i:::ｌ　''ZＴｰ　ｨ'Zト.|::|::ﾚ'＾ヽ､
　　　　　,...-',,⌒ゞﾐ､l::|.　　　　　ｌ　　　l::!Y::::::::::::::.ヽ､　　　　　
　　　　/::／..::::::::::::..ヽl_　　　　　〉　 /ｖ':::::::::::ﾉ::_;;:::::j,ト､
　　　/:::::::::::::::::::..`ｰ-､:l､　f＝==r 　,ﾍ:::::;::::::/￣　ﾞ''ﾍｭ_ﾉ　　
　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::;;_ヾ;:､L＿,,ﾘ／:>:l/:::／
　 ./:::i|:::::::::::::::::::::::::::::::..｀''ヾ､ｰ_-イ, 〉<.|／　_ノ⌒ ｰ - ,,,＿＿　　＿
　 }:::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ﾞヾ!､!;::|:|,r‐'ﾞ　　　　　　　　　／/ 　ヽ
　「::::ヾ|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ヽf　　　　ヽ　　　　　 l /　　　 l
../::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,-''',ﾆ,-'"　　　　　　＼___　　　　　　　/
/:::::::::::..ヽ;::i:::::::::::::::::::::::::::::::::/ .／　l　　　　　　　　　＼X=-､,,＿_／　　　　　　　　
:::::::::::::::::..ヽl;:::::::::::::::::::::::::::::::|　|　　ﾉ　　　　 ` ､　　　　ヽ ,ﾍ./　　　　　　　　　　　
:::::::::::::::::::::..ヽ､:::::::::::::::::::::::::::|　l　i´　　　　　　　` ､　　　ﾉヾ|　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣＼
:::::::::::::::::::::::::::..｀ヽ;::::::::::::::::::::|　|　|　　　　､　　　　　`'rイ　 ,ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　＼
::::::::::::::::::::::::::::::::.::..＼∩:::::::::|　l＼　　　　 `=､.._＿,ノ　￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　./　＼　　　／　u　ヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::i＼∩:/　 |　ヽ､＿　　　　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　（＿）　（＿）　　　|
::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::|　＼:!`ｰ､　,,=''::::｀､'‐-'ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　､__',_, 　　　__,／
:::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::l　ｌ　ヽ_;;ｧ'~ヽ;::::::::::.ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　＼

心に積もりに積もった鬱屈は、とうとう爆発する。
将監には、自分に無礼をはたらいたという罪を突きつけた。
勝茂としては、日頃の仕返し以上の心づもりはなく、ただ将監がわびを入れてくれれば済ませるはずだった。

821 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:34:15.65 ID:hggoHrMo

だが、結局は将監は自害。

　　　　　　　　　　 ,ｨｭ-‐-､＿
　　　　　　　　　／: : : : : : : : : :｀ヽ
　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　ｲ : : : : ,ｨ ./ﾘ| ﾄ､: : : : : ゝ
　　　　　　　 !: :/: :,ＡZ__　|/' >r.､: :N
　　　　　　　 !'ヽ: :! ―-　　ﾆ| .! .!ﾉ　　（なぜだ！……なぜそこまで意地を張る？）
　　　　　　　 _人_l､u. 　 i .(ヾ| .! iヽ
　　　　_,.．-'´/:::::|　ヽ　～ ,.ﾈ､　　ト､　　　　　　　
　　r'´:::::::::::::く:::::::|　ﾉ｀ =く. .|::ﾔ　 .|:::｀ﾞｰ､
　/:!::::::::::::::::::/::::::.ﾚ'＾YニY/ﾚ!:::ヽｚ='＝i::::::::ヽ
/::::::!::::::::::::::::ヽ:::::::|　 .〉-〈　/::::::〈:::::::::::::|:::::::::::!

勝茂はまたもや罪を重ね、苦しむこととなった。

822 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:34:44.18 ID:hggoHrMo

青年、鍋島勝茂の憂鬱である――

　　　　　　　 __ ...　-‐ ､
　　　　, -.::''.:::::::::::::::::::::..`ｰ-.､
　　／::::::/:::::::;::::::,:::::::::::::::::::::..ヽ.
　　イ/::/:::::::;ｨ::::/::::::::::::::::::::::::::::.ヽ,
　　 /::::i::::／.l::/l::ﾊ:::::,i::::ヽ:::::::i:::::::l
　　/;ｨ::{:/ｰ､ｌ/_.!'　|:::ハ:;∧:::::ｌ:::::::l
　／　|::|　ﾃﾞ'ヽ.｀丶ｰ- ､　i;:::|::::::/
　　　.|::l　　　　,　　ﾃﾞ''ヽ. l:::ﾘ::::::i
　　　.|/|　　　/　　　ｒ.Kヽf''i/'ｌﾉﾘ
　　　ﾊ　　｀　　　 | .| l .| |ノ
　　　 ,小.　- ､　　 .| .l/././､
　_,,ィ'´.H. ﾞ.. 　　,, -'"　　,/　￣ﾞ'ｰ､
''´ /　 { ' 　｀''r'´　　　／　　　　/　ヽ
　/　　ヽ､　,ｨl　　　イ /　　　 /　　ヽ
./　 .,ィ＾i }_/_/l　　　 |/ 　　　,　　　　 i
'.‐'"　ヾ{;:::;}::;;/|.　　　l.　　　 /　　　　　|

　　　　　..＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　｢　| | |　 | | |.　 | | | 　 | | |　 | | |　　///　///＼
　　　　　＼ | | |　 | | |　 | | |　 | | |__,-‐､|　 ///　///　/.|
.　　　　　　＼,ﾍ、. | | |　 | | |　|_l-'　　:::::＼/// /// .///|
　　　　　　　/　ヽ、| | |　|_l l-'　　　　U　::::＼./// .///.│
　　　　　　/　　　　` ‐-‐'　　　　　　　　　　:::::＼ ///　　|
.　　　　/l＼　　　ヽ､ __, -‐' ￣　　　__,-‐ll´＼::::〉＿＿_│
　　　　＾l＼lｌ＼　ヽ､＿ , -‐'　 __,-‐ll　_ll-'´￣::/ ──‐ |
.　　　　|　　＼ｌｌ＼　　　　 _,-‐'　ll _- '　　　::::/ ￣￣￣│
　　　　 | _二二＼ll||　　　||l＿ll二二二＿　 ::::| 　/⌒i.＿|
..　　　　| ￣￣￣o >.......≡￣￣￣o￣￣　　:::|:ミ|ｌ⌒:|─|
　　　　｜｀ ‐--／.:::::::::　　｀ ‐---‐ '´　U　:::|　|l⌒l.|￣|　　　長い沈黙に耐え切れず、多久美作守は声を発した。
　　　　｜　､＿/,::::::::::::::::　､_　　　　,ノ　　　:::|: ||⌒l.|＿|
　　　　｜　　 /,::::::::::::::::::::　　￣￣￣　、　:::::|ﾐ||ノノ ─|
　　　　｜／./,::::::::::::::::＿:::）　　 `‐--- ､＼ ::::|.|`‐'￣￣|＼
　　　　│v　Ｌ　　　　　　　　　　　＼　 ::|| l、＿＿|:::::＼
.　　　｜　 -----======ﾆﾆﾆﾆﾆ⊃　　　ヽ::::|： ::l、─.|:::::::::::＼_
　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::|::l:：　 ::l､ﾆ|::::::::::::::::|:::‐-
　　　　_/:l　　　　　━━━　　　　　　　　::::::::;/:：　　 :|,|::::::::::::::::::|::::::
.＿ ─/:::::::l　　　　　　　　　　　　　　　 ::::::;／：：　　／|:::::::::::::::::::::|:_:
::::::::::/:::::::::::::ヽ　　　　　　　　　　　　　:::;／:：：　　／　.|:::::::::::::::::::::::|::
:::::::/:::::::::::::::::::::＼＿＿＿＿＿＿＿;／：：：　　／　　 |:::::::::::::::::::::::::|:
::::/::::::::::::::::::::::::::|＼：：：：：：：：：：：：：：：：　　／　　　 .|:::::::::::::::::::::::::::|

823 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:35:17.19 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿___
　　　　　　　　 .!ミﾐﾐ;;;;;,,..))))))))))))ﾌ7
　　　　　　　　.!三ﾐ:::::::　""''==''"＼ﾉ　　　　　　　
　　　　　　　　|三=-::::　　"'ｰ-ｰ'"　＼　　　　　　
　　　　　　　　|/rヽi,,-ｰ-ｰ'"　　,i_,-=''|
　　　　　　　　|/|ﾆ||::::===｡=;;　<=｡==.|　　　　　　
　　　　　　　/|/.|:r||::::::` ｰ '　　 `〒'"|　　　　　　「斎藤、そなたは何をのぞんでいる？
　　　　　　/　|/'ヽﾘ:::::,._ﾆニ　　　 |:-'.|　　　　　　
　　　　　/　　|//,`|:::r'",_　　i~-　._|　.|　　　　　　　まさか、家老とはいうまいな？
--ｰ''"""|　　.|/,`::::|::::::`-二二二二ﾌ|、　　　　　　　　r-=,,
　　　　　|　　 |,`　::::|:::::::::::　　　　　　.|.|`ｰ=;,,_　　　　　`ｰ、`,　　　あ～～～ん？」
.,-''つ　　|　　 |,`　　`ｰ-;;:::::::=≡ ..／　|　　　~''-=_　(こ''ｰ、.丶
"／　　　|　　 .|＼　　　　 "''-;;_／ﾉ|　 .|　　　　　 r-、　ヽ,.ヽ　)　　
/__,,--、 |　　　|　.＼　　　　::::::::::/ .|　　|　　　　　(￣~"''-,,　ヽ,!
''" ,,--'　|　　　.|　　＼　　　　／　.|　　 |　　　　 | ~|~"ヽ, .ヽ ,!　　　
　r',,-ｰつ　　　 .|　　　＼, ,／　　 .|　　 .|　　　　|　⊂''ｰ、,　,!
　''",,-''"┴--ｰ'"|　　　　/ヽ,　　　.ﾄ---┴''/　 .|　　|,~''、　 ,!
　r"　_,,-っ　　　　|　 ,,,-へ /`-,　 |　　　　/　　|　　(　/　 /

　 ∧＿∧　　／￣￣￣￣＼　　∧＿∧
　（　＾∀＾）＜　はははは　＞（＾∀＾　）
　（つ ⊂ ）　＼＿＿＿＿／　（ ⊃　⊂）
　 .）　）　）　　　　　　　　　　　（　（　（
　（_＿）＿）　（＾∀＾）ｱﾊﾊﾊ　. （＿（＿_）

乾いた笑いが響いた。追従の臭いがする。

824 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:35:50.58 ID:hggoHrMo

　　　　　　ヽｴｴｴｴｴｴｴ〃77,ﾍヽ
　　　　　 ,∠_-‐　　　 |/∠=:三|
　　　　／￣／へ　　　 |三三三|
　　　　＼ `´=｡===　　.∠≡三三|
　　　／　｀二ニ　　 | l⌒iニ三|　　　「お前の親父はそんなこと、ひとこと…」
.　　 ∠　,- `　ー- ､　 |.|こﾘ:≡ﾆ|
　　　＜-ｪｪｪェ-‐ | ｌ　||_ンミミミ|
　　　　　[´_　　　　　　 |＼ﾞﾐﾐﾐﾐﾐ|
　　　　　 l　　　　　__,,⊥-‐'''´~￣|
.　　　　　 └--ｧ''"´　　＿＿＿,,⊥
　　　　　 _,∠´-‐''''"~￣　　　　　|

　　　＿＿＿,,,,... ､ -‐ｧ´／'''7
　　 f　r―--　...,,,,__／.／　 /
.　　|　|　|j~ 　　　／／"'＼/　　　　　　　　
　　|　|　　　ヾソ／ミ三彡ゝ,
　　|　|　|j~　／,.<＼　　　 //＼　　　　　　　「も……」
　　|　`‐-／／＿ゝ"　　 i!/＿_ヽ.　　　／
.　 | r‐.／／<´￣｀ヾ　u.　/´￣ﾌ }　.／／
.　 | ﾚ´,.ｲ | ヾヽ　｡ /　　　`i.ﾟ=彡,.ﾚ´ ／　　口にして思い出した。
,､-'´,､.'_`| |　ゞ三（　 |j u　ﾄ.ァ''´,､-'´
　,､i.| f. ｀| | ／二ノ } u　,､-'´,､-'-､|
'´　| l に.|.| ｒ‐t-,.､/,､-'´,､-'´u. ) u＼　　　　
.　 /| ゝｧ|.| |二ﾝ-'´,､,=;'＿,=,=,´,-,‐ｎ i
　 |::::|. / ｀!,!-'´,､-,'〒〒〒〒〒〒.ヲ }__　　
／::::::| !,-'´,､-'´￣￣￣￣￣￣￣　　{::::
::::::､-'´,､-´|　　u　　　三三三　u.　 !:::　　　
-'´,､-.ﾘ　　 '､＿＿　　　　　　　u　／:::::
-'´:::::::|＼ u　　　　￣￣"''‐-､._／|::::::::::
::::::::::::::|　＼　　　　　　　　　 /|::::::::::

825 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:36:51.22 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　　　 ∧
.　　　　　　　　　　　 /!　　/.!!!i,　　∧　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　/　|　/　!!! 'i　/　.i,　　　　　　　
　　　　　　　　　 /ﾚ!!!　|/!!　!!!　V!!　!!i,.∧　　　　　
　　　　　　　 /　 .!!!　 .!!! .!!!　.!!!　.!!! 　 i,　　　　　
　　　　　　　/ﾚヽ　 !!!　 !!! .!!!　!!!　.!!!　 //ﾍ　　　　
.　　　　　　 |､　.ヾヽ .!!!　.!!! .!!! .!!!　.!!!　/〃 .i,　　　　　
　　　　　　 | ﾐヽ .ヾ,へ!!　!!! .!!! .!!!　!! ﾍ〃ノﾉ|　　　　この杢之助の父親が、勝茂の前で空に向かって発砲したことを。
.　　　　　　|　ゞﾐ /　　＼!!! .!!! .!!／　　'i彡"　|　　　　
.　　　　 |ヽ　 /　　　＼!!!／　　　　 ! 　ノ|　　　そしてふてぶてしく「弾などない」と高言したことを。
　　　　　 | ゞミ/　　　　ニ ‐-‐ ニ　　　　'i彡'´|　　　　
　　　　　 !ｒ‐､〈　"""''''‐-､｀"´ ,､-''''"""　〉ｒ‐i　　　　また、この杢之助の顔立ちが、父親の若いころにそっくりだった。
　　　　　　| f"|ﾐ|　＝＝o=-　　 -=o＝＝　|ﾖﾆi.|　　　
　　　　　　|.に| .|.　 ' ‐--‐'　| |　'‐--‐ '　 .| |ノ !　　　
　　　　　　,ゝ__|ﾐ|.　　‐--‐　.| |　 ‐--‐　　.|ﾖ_ノ　　　　
　　　　　 / 　 |V､　　, -‐'´ | | `'‐- ,　　　ﾘ.|　ヽ,　　　
.　　　　 /　　 .|ミ|ヽ. /　_ . ヽ!_ﾚ　　_ ヽ　,ｲヨ　　 'i　　　
--‐‐'''"|　　　ヽ|.　ヽ　￣￣￣￣　／ .|/ 　　 |"'''‐‐--
-‐‐'''''"|.　　　 |ヽ　ヽ.　　 ≡　　／ .／|　　　 |"''''‐‐
　　　　|.　　　　 |;';';ヽ.　ヽ.　　　／ .／;';';'|　　　 |　　　　　
　　　 |.　　　　 |;';';';';'ヽ　＼_／ .／;';';';';';'|　　　 |　　　　　
　　　　　　　　【杢之助の父　斎藤用之助】

826 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:37:41.54 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　／.| 　 l／,ｌ l　　|／.//　　 | ／　 |
　　　　　　　　／| | |　　 ,ｌｌｌ　　　 ///　　 ,!' 　／|　／!
　　　　　　　　　/　.| | |　　ｌｌｌ　　　.///　　　　.／／|／　 |
　　　　　　　 ./!　 | | | 　 ,ｌｌｌ　　　///　　　.／／／　　　.|／
　　　　　 /|||　 | | |　 ,ｌｌｌ　　　/,.-‐､　／／／　　　　　 /　
　　　　　　 l ∥/`i、.|　ｌｌｌ　　,.‐'´　　::`i､"／　　　　　 ,. /_,.
　　　　　　 l 　/　　`i、. ｌｌｌ,.‐'´　　　　　 :::i'、　　　 ,. ‐'´,. ´/,
　　　　　　lミ/ 　 _　　`-‐'´ _,,　　　　　　　::::i、,. ‐'´,. ‐'´,. ‐'/
　　　　 .l /　　　｀`‐-‐'"´_,　　　　　　　　::::ｉ、‐'´,. ‐'´　 ./
　　　　 l/‐- ､　｀` ‐-‐'"´　_,. -‐'"´￣　:::::::::〉‐'´　　　 /　
.　　　　 |　　　｀ヽ、　　　／　　　　　　　::::／　　,. -‐'"´/　
　　　　　 |.＝＝===､　　__ =====＝＝＝::::|"'i⌒ヽ‐'二 /　　　　　　　　＿_
.　　　　　 | ｀ ‐--‐ﾟ/,:::　'''' ` ‐---ﾟ‐ ' ´　 ::|ﾐ|⌒ｉ |´　 ./　　　　　　　｀`''‐､｀`ヽ､.　　 ,.. -─;:-
　　　　　　| ､.＿_ /,::::::::　　　、　　　　 _ノ :::| |⌒l |　　/ 　　　　　　　　　＿＼ ll　ヽ.r'　ll ／-─- ､.
.　　　　　　|　　::/,::::::::::::: 　　￣￣￣　　::::|,|６ﾉﾉニ'/　.　　　　 ,. ‐''"´ll 　 lll｀`　lll ’ l　"　ll　 -=ﾆ.｀
.　　　　　 |././,:::::::::::__:::)　　＼＿_　　 :::::::||､_ノ─　　.　　　 ∠ -‐ ; =-─　　 ll　　　 ll　　　 lll　＜`　　
.　　　　　ｌ.(_::　　　　　　　　　　,　＼::::::::/l　　　　　　　　　　 , ‐''´ lll　　 ll　　　 lll　　　 ll　　　 lll　ヽ
.　　　　　　 l.　￣￣￣￣￣￣￣　 :::ヽ／:: l、三　　　　　／ ll　_,.　　ll　　lll　　ll　　 ll　　　 lll　　 ll　i　　
　　　　　　 l、　　＿＿_　　　　 ::::::／：　　　　　　　　 , '.,. ‐',´'´ llｌ　　 ll　　ll　　,.ｲ　　 lll　　 ll　　 ll |　　　
.　　　　　 _,/l、　　￣￣　　　 :::::／:：　　　　　　　　　／　, ' ll ,ィ　. ll　,.ｲll.,.ｲll./::::ヽ.ll ﾄ､ ll 、　 lll 　 |
　　　 _,. -' / 　 !.　　　　　　 ::::／:　：　　　　　　　　　.　　 /ll.／!　,ｲ　./_:l /:::!./::::::::::ヽ. |_ヽ |ヽ llｌ　　ll |　　
　　　　　　 /　　　ヽ、　　　 :::／：：　　　　　　　　　　　　/., ' . !ll /ｌ ll/:::::l/ヽl/::::::::,.‐''::ヽ!:::ヽ!::ヽ　ll 　 |　　　
.　　　　　 /　　　　ヽ、　 ::／：：：　　　　　　　　　　　　　／　 ! / .ｌ /.l＝==｡=､::::::;;;:==｡==＝＝! r‐:､lll|　　　　
　　　　　/　　　　　 ,l::ヽ／：：：　　　　　　　　　　　　　　　　 l/　 |/　.l :`::ｰ-:/:::::::::::　ｰ-‐ '::´:::|l|r‐､!│
　　　 /　　　　　　 l::l:：：：　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l :::::::/::::::::::::　　　　 :::::::::|.!ﾄ､ﾘ l|　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ:::/::::::::::__-，　　 .::::::::::|Lンlｌﾄ、　　　
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l`"----------一::::／ヽｌ!　 |;;;ヽ.
（聞書２の２２）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ! 　＿＿_　..::::::::／; 　ヽ ll !;;;;;;;;ヽ.　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.　￣￣..:::::::／;;:　　　ヽ. |;;;;;;;;;;;;;l`;;ｰ-
『昔の曲者は、たいていが常軌を逸した奇行者だった。　　　　 _,,. -‐''7ヽ......::::::::::／;;;:　　　　　ヽ!;;;;;;;;;　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -‐''";;;;;;;;;;;; /;;;;;ヽ:::::::／;;;::　　　　　 /;;;;;;;
人並みはずれた奇行をはたらく根性をもっていたから、　　　　　　　　　　　　`1;;;;::　　　　　　 /;;
気力も強くて勇気もあった。　

だからといって、当世のものが無気力でおとなしいから勇気がない、とはちがう。

死狂ひになることに古人より劣っていることはない。
死狂ひになるには気力が必要というわけではない。

勇気の有無とは別物である』

827 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:38:17.76 ID:hggoHrMo

　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　ｊ/ j/ i::｀:‐:/:::::::: ｰ一.:´:|ir, }.|
　　　　　　　i:::::/.::::::、　　 .::::::|Lﾝii|
　　　　　　 i: ｀‐――一'.;.::::ハ.i! ｊ;＼　　「クククク……」
　　　　　　､　ー　..:::::／;　ヽ:{;;;;;;;ﾄ､__
　　　　　 . -=''7ﾍ.....:.:::::／;;; '　　　ｊ;;;;;;;j;;;;;;;
　　 -‐'";;;;;;;;;;/;;;;;;ヽ .イ;;;;: ' 　　 /;;;;;;;;|;;;;;;;
　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|:.:;;:::'　　　　/;;;;;;;;;;;!;;;;;;

　　　　　　　　　　 /::::::::::/:::::::::/::::::::,:::::,ｲ:::::|:::::!:::::i:::ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　　/::::::::::/:::::::,.ｲ:::::::,ｨ:::,ｲ::::::/!:::::|::::::!:::::!:::::::ヽ
　　　　　　　　　　 ,'::::::/::::!:::／,ｲ::／ .!/ .|::::/ |:::::ﾊ:::::!::::::!::::::::::i
　　　　　　　　　 !::::::l::::::ﾚ',! ー-､　　　 !/　 !::/　!::ハ:,ｲ:::::::::::|
　　　　　　　　 !::::_」:::::::::!　..,,＿`ヽ､_,.　　 ,ﾘ　´ _,..,_ !::::::::ﾊj
　　　　　　　　　　!/f r.|::::::::!　弋ｴﾉ｀　　　　｀'ｨﾆ二_　/:::::::::!
　　　　　　　　 k.ﾔ!:::::::!　　　　　　　　　　ゞｚｿ,. /::::∧::|
　　　　　　　　　　　|∧`Y::ﾘ　　　　　 i　　　　　 //|/　ヾ
　　　　　　　　　　　　 !Tヾ　　u.　　　　　j 　　　 //ノ　　　　「なにがおかしい？」
　　　　　　　　　　　　　ﾔ. ヽ.　　　, ‐-､,__　　　 ,.ｲ:/
　　　　　　　　 r＜´|.　　＼　弋,＿_,/　　／ |/
　　　　　　　　　 !　｀丶､.　　＼　ｰ　　／
　　　　　　　　 _/　　　　　`'-､.　`'ｰ-r<´
　　　　　　　, -'" ｀ヽ､　　　　　｀ヽ､　f｀, ＼
　　　　 , -'´　　　　ヽ｀ヽ､　　　　　 >く_Lｒ'´｀ト､
　　　／　　　　　　　　ヽ　＼　　／ヽO〉 |｀r､.|　｀丶､

さすがに勝茂もこの哂いで現実に引き戻された。
自分を馬鹿にされたと思った。

828 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:39:04.10 ID:hggoHrMo

　　　　　　､─-　、　＿_
　　　 ,_ -─-ヽ　　 '´ 　 ,∠.._
　　　　,＞　"　"　"　ﾞ　､、＜｀
　　∠＿ "　"　 "　　ヾ　　､、ヾ
　　　／　″,　,ｨ /ﾍ　i､　ヾ　ヾ !
.　　/イ ,ｨ ./l/‐K 　 >!ﾍ|＼　ﾞ　|
　　　 |/ ﾚ|＝=a= .　=a=＝ |ｎ. l
.　　　　　| ｌ　￣ ´|.:　￣　 :|ｆﾘ,'　　　　「浪人のままでいることが、手前の望みです」
　　　　　 `ﾍ　　､l.レ　　　 :|"ハ
.　　　　　　/ヽ. ￣￣￣　／|/　 :!_
　　　　 _/ 　 l＼￣　／　./　　 |-¨二
-‐ _''.二/　　 l:::::`‐:'´　　/　　　 |
¨´　　　l　　　 ,ヽ:::::　　　/,へ　　 |
　　　 | 　／o |_　　 _,/　　　＼ |

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　　　　　　　 j　　　|　.:.:/|.::/　|.:./　|.:.:.:/　　|,.:|　 `､:.:|ヽ:ﾊ.:.:.:.:|:.:.:.:::.:i
　　　　　　　　ｿ|　　.|.:::/| |;/ 　.|/　　|.:/　　　|.:|　　`;;|　ﾘ `､::.:|::::ﾍ:.:|
　　　　　　　　　|　..:|.:|/|.:|"ﾅ'''^-､,,,__ .|ｿ　　　 ,ﾘ__,_,,,,､--''''ヽj:..:|::..:ﾊ:.|
　　　　　　　　　|...:.:.|.::::|.:.|　,_________ `'''' y　　 ''"___________　 /.:,j.:.:.:|　ﾂ
　　　　.　　　　　|..::ri..:::ヽ;,| 　弋ﾂﾇｦ`　　　　　､代ﾔｵｿ　j.:.:.:/y.:|　　（どういうことだ……？）
　　　　　　　　　ﾘ |ｨ､.:.:.:|ﾂ `￣￣　　　　,　　　￣￣´ u |:.::/| ;ｿ
　　　　　　　　　　 | f.`､::,|.　　　　　　　　　 |　　　　　　　　j.:.:/ｿ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

829 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:39:50.34 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　　 ,.-''";;;;;;;;;;｀`'ヽ､
　　　　　　　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
　　　　　　/;;;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､
　　　　　 ,!;;;!ﾞ`''～^～ｧrr-'ﾞ`'´''ﾗﾍ;;;!　　『葉隠』には、佐賀藩の浪人は他国へ移り住んではいけない、
　　　　　 |;;;|　　　　　ﾉﾘ　　　　　ﾐ;;;|　　という奇妙なしきたりが載ってある。
　　　　　_ゞ;! r─-- ､　　,rｪ--- ､ﾐ;ﾘ
　　　　 !ﾍl;|. ぐ世!ﾞ｀｀　,ｨ '"世ﾝ　｢ヽ　殿様が浪人にさせているのは、その者を大切に思っている故である。
　　　　　!(,ﾍ! 　￣'"　　|:::.` ￣　 ,ﾄﾞﾘ
　　　　　ヽﾞ､!　　　　　　!;　　　　 ,ﾚｿ　　懲らしめが済んだら、また元の鞘にもどさせようとしているからだ。
　　　　　　 `| 　　　 ^'='^ 　　　ﾑ'′
　　　　　　 ,rﾄ､　　ー- ─-:　　/|　　　　こんなに主従の絆が強い藩は他にないだろう、
　　　　_..／ i| ＼　　 ===　　 ,ｲ.:ﾄ､
　　　／　　i|　ﾞ､＼　　; 　／ﾘ.:;!:::＼､＿というわけさ。
　　　　　　　ﾞ!　ﾞ､　`ｰ─''ﾞ:::;:'::::|::::::::::＼
　　　　　　　ﾞ､　　　　　　:::/::::::|::::::
　　　　`ヽ、　ﾞ､　　　　　./　　.|　 ,-､、

830 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:40:27.33 ID:hggoHrMo

浪人が懲らしめになるなら、手柄を立てれば、今それを解除しようとするのは道理のはず。

　　　　　　＿─-､ -‐;ｚ.__
　　　　　　　　＞　`　"　ﾞ　　＜
　　　　　　　/　" " " "　ﾞ　ﾞﾞﾞ＼
　　　　　 l " " ", ,ｨハﾞ i ﾞ､ﾞ､ヾ
　　　　　 | " "ノlﾉメ、 |ﾉjﾑﾍ. N
　　　　　　 ! r,ｺ| ＝｡=　 ,｡==ﾊﾘ　　「奉公人の打ち留めは、切腹か浪人。
　　　　　　 | |ﾋ.j|　￣ r_ ＼7
　　　　　　　j `ｧﾍ　⊂ﾆﾆァ7′　　　かねてより、父、用之助はいっておりました」
.　　　　　_／∨　:::＼　＝ ∧
　 -‐'''"´ |.　ヽ. 　 ::::＼,.ｲ　|`'''‐- ､.._
　　　　 |　　　＼　 :::::/　│　　　ハ
.　　　　 |　　 ,ヘ〉　 |へ、|　　　　l.　l
　　　　　ｌ_／　ﾟ〈`ー'| 　ヽ!　　　│　|
　　　　　　　　　　　|:::::::|　　｢￣￣| │　 |

831 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:40:58.62 ID:hggoHrMo

　　 , ‐'´　＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿`‐､
　∠ -‐'' ／　　　　　ｌ||　　　ｌ||　　　　 l|l　　　　||l　　　 `‐､￣
　　　　, '　　　ｌ||　　　　　　　　　　ｌ|ｌ　 ,　　 l|ｌ　　　　　　ヽ
.　　 /　　　　　　l||　　ｌ||　　　,ｨ　　/l/|　　　　　　 ||ｌ　　　、ヽ
　　 /　　ｌ||　　　　　 ,ｲ　./!　 / |　 /　　| lll ﾄ､　 ||l　　　 |l　 l＼!
.　 ,' ,.イ　　　　l|| 　 / l ll/ l |l/　| ll/　　　ｌ　 | l　　　 ||l 　　 |
　／　| lll　 /|　　　/　| /　| /　 | /　　　　ヽl !.ヽﾄ、　　　　　 ||
.　　 |　　/ :l　lll　/─|/‐-l/、　l/　　 ,. -─ヽ!ｰ` ヽ　|ll　 |ll　|　　「それに、浪人は、みなさん、いたく難儀なことと思っていられますが、
　　　l ll /　 | r:､ / 　　　　 `　　 '´　　　　　ヽ　 ,r‐､　|
　　　! ./　　|/| |ll|.＝＝＝=｡==　　　　==｡=＝＝＝ |l|ｌ|'-､ l　!　　これはこれでわずらわしいことがありません」
　　　|/　　　　| | |　｀　ｰ--‐ '　| :　　　ｰ--‐ ' ´ 　 |　!｀ i | ||
　　　　　　 | | !　　　　　 ::| :　　　　　　　　　　| .|ヽｌ l　!
　　　　　　　／ｌ |l|　　　　　　　:::| :　　　　　　　　　　|ｌｌ!_ﾉ.,'　!＼
　　　　　／　　`ｉ| 　　　　 r_::| :　_，　　　　　　 :| |_ノ　,'　　＼　
　　　 _, ｲ　　　ヽ　、　　　ｰ'　　　　　　 ,　　　,|,!　ll ,'　　　　ト
-‐' ´ 　.|　　　　　ヽ　￣￣￣￣￣￣￣￣　　／:|　　/ 　　　 !
　 -‐' ´|　　　　　 |;;ヽ　　　＿＿_　　　　　.／::　:| l /　　　　 :|
.　　　 |　　　　　　 |;;;;;;;＼　　￣￣　　　　／:::　　│/　　　　　　 |
　　　 |　　　　　　　 !;;::::::::::＼　　　　　 .／::::　　　 |/　　　　　 :|
. 　　 |　　　　　　 l;:::::::::::::::::＼　　／:::::　　　　 |　　　　　　　 |
　　　 |　　　　　　　 :|:::::::::::::::::::::::`ｰ:'::::::　　　　　　　|　　　　　　 |
.　　 |　　　　　　 |::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　　 |　　　　　　 !
　　 |　　　　　　　 |:::::::::::::　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　|
.　　 |　　　　 _,.. -‐'　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　|　｀` ‐- ､.　　　 |

島原の乱における一連の杢之助の働きは、たしかに士分ではできないことだらけだった。
脱藩、潜入、内偵、そして抜け駆けだ。
身分にがんじがらめになって身動きとれなくなるより、自由気ままに生きていたいと思うのは当然だった。

832 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:41:27.33 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　＿_
　　　　　　　｀`''‐､｀`ヽ､.　　 ,.. -─;:-
　　　　　　　　　＿＼ ll　ヽ.r'　ll ／-─- ､.
.　　　　 ,. ‐''"´ll 　 lll｀`　lll ’ l　"　ll　 -=ﾆ.｀
.　　　 ∠ -‐ ; =-─　　 ll　　　 ll　　　 lll　＜`　　
　　　　 , ‐''´ lll　　 ll　　　 lll　　　 ll　　　 lll　ヽ
　　／ ll　_,.　　ll　　lll　　ll　　 ll　　　 lll　　 ll　i　　
　 , '.,. ‐',´'´ llｌ　　 ll　　ll　　,.ｲ　　 lll　　 ll　　 ll |　　　
　／　, ' ll ,ィ　. ll　,.ｲll.,.ｲll./::::ヽ.ll ﾄ､ ll 、　 lll 　 |
.　　 /ll.／!　,ｲ　./_:l /:::!./::::::::::ヽ. |_ヽ |ヽ llｌ　　ll |　　
　　/., ' . !ll /ｌ ll/:::::l/ヽl/::::::::,.‐''::ヽ!:::ヽ!::ヽ　ll 　 |　　　
　／　 ! / .ｌ /.l＝==｡=､::::::;;;:==｡==＝＝! r‐:､lll|　　　　
　　　　 l/　 |/　.l :`::ｰ-:/:::::::::::　ｰ-‐ '::´:::|l|r‐､!│
　　　　　　　 l :::::::/::::::::::::　　　　 :::::::::|.!ﾄ､ﾘ l|　　　　「もう一度、浪人したいもんです。ククク……」
　　　　　　　ｌ:::/::::::::::__-，　　 .::::::::::|Lンlｌﾄ、　　　
.　　　　　　　　　 l`"----------一::::／ヽｌ!　 |;;;ヽ.
　　　　　　　　　 ! 　＿＿_　..::::::::／; 　ヽ ll !;;;;;;;;ヽ.　　　　
　　　　　　　　　　　ヽ.　￣￣..:::::::／;;:　　　ヽ. |;;;;;;;;;;;;;l`;;ｰ-
　　　　　　 _,,. -‐''7ヽ......::::::::::／;;;:　　　　　ヽ!;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;　　
　　 _,,. -‐''";;;;;;;;;;;; /;;;;;ヽ:::::::／;;;::　　　　　 /;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;　　
　　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;`1;;;;::　　　　　　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;
　　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;| 　　　　　 , ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;

833 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:41:54.87 ID:hggoHrMo

＜佐賀＞
多布施の宗智寺
　　　　　　　､,,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,
　　　　　　　　`､｀ﾞ'''ｰ=============================ｰ'''ﾞ´ﾉ
　　　　　　　　　`ゝl!i!li!lil!il!ili!lil!i!li!lil!il!ili!lil!i!li!lil!il!ili!lil!i!li!lil!il!ili!イ´
　　　　　　　　　　|=|_|^|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|^|=|
　　　　　　　　　　|=|_|^|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|^|=|
　　　　　　　　　　|=|_|^|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|^|=|
　　　　　　　　　　|=|_|^|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|^|=|
　　　　　　　　,.r''"=|_|^|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|^|=｀ﾞ'､,,
　　　　　　,.r''"=/^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|ヽ=｀''､,,
　　　__,.r''"=/^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|=｀ﾞ''-､__.;i；';.
：､;；`､ｴ@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@ｴr''´.;i；';.
;i；';.:；;：､;<__人__>-------＜=二二二二二二二二二=＞-------<__人__>.;i；';.Y;:；;:：
:；;:：､;；:｡;　|□|田田田田田||.（;;;）（;;;）（;;;）（;;;）（;;;）（;;;） ||田田田田田|□|；:｡;:；;:：｡;:；;:：､
`；`;；i`.:;：i..''|| :田田田田癶||ﾛﾛ|　　　　.§. . 　 .. . |ﾛﾛ||癶田田田田 .||'`,:'':'`:Y:''；;:：,:'':';:
`；i`.;` ;；i`´.||〒〒〒〒（:::::）ﾛﾛ|　　 .,--§--.､　 .|ﾛﾛ（:::::）〒〒〒〒';.,,;；`;；i':';:;..,,:'':';:;"
`;；ii|!:;. ,,;...;)}{{.|llll|llll|llll|llll|┃||ﾛﾛ|____.|￣￣￣￣||___|ﾛﾛ||┃llll|llll|llll|llll|.}}ヾ':';:;..,"i|!i|!,:'':';:;..
─-=＝-＿─三─≡-=─-=＝-.::::;￣￣￣￣ヽ､:::..─-=＝-＿─三─≡-=─-=＝-＿
二三_-=＝-＿─￣三─≡￣-:::::/: : : : : : : : : : : ヽ::::.-=＝-＿─-=＝-＿─三─≡-=＝-＿
,,,,_,,ｰ,,,-　,,,-　,,,,　_,:,,　,,-　　,,,::::r'' : : : : : : : : : : : : : :ﾞ''､::::..ｰ,,,,　,,,,,,ｰ　,,,,-　,,,,,,　-,,,,,,,-　,,,,ｰ　,,,,　,,

834 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:42:19.97 ID:hggoHrMo

お勇は今日も杢之助の無事を願って参拝していた。

　　　　　　　　　　　 ,厶XXXXXXXXXＹXk＿
　　　　　　　　　 ,　'´ , '｀^＾⌒＾^￢XXXXXXXｋ
　　　　　　　　／　 .:/　/.:'´／　　｀ＹXXXXXXＬ
　　　　　　 , '´ 　 .:/;イ　／　; /　　　｀ＹXXXXX7
　　　　　　　/ /:;　／::/ / /, '//　　 :;　 } ｀ＹXXXハ
　　　　　 / ,'::/／/::/ /:!/ .:/ ' 　 .::/ .:/　､｀ＹXﾉハ
　　　　　　{　l://;::;'::/ /:/l:|::/ :;'　／ ::/:l　.:|!　|Xｘ)　｀、
　　　　　　｀　{ﾊ:|:j::j丁7メ!|:l :/:／ .;:イ .:ﾊ ::j　ｌX「　　ヽ
　　　　　　乂V!| f｢::｀Y|l:ｌ// .:／_７メ､j / .:/xr′　　　｀､
　　　　　 /XXX!| ｀='′ﾘ〃´ ｲ::::｀ｋｌ|:/ ::/Xx}个､　　 l
　　　　　　 / XXX八 ″　 ,　　　ﾞ=‐' グ ;:ｲX( 　 !　｀ｰ ┘
　　　　　／XXXXXｘヽ、　､　　""‐=彡'´XXX｝ .:|　　　「……あっ」
　　　 /XXXXXX7＾二＼　　　 ,. イXXX7⌒´ l: |
　　／XXXXXX/　{r＝‐う斤-、　jXXX{_| .:ｌ| ::l |
. 　 /XXXXXX／　　し冖ｲ/ ﾄ､ヽＹXXX/rﾍ ::|l :l:|
　 /XXXXXX/　　　　 _{7/r1|　ＶXXX/_｢: :.Ｖ |::ｌ{
∨XXXXXX/　　　　 _j///ｌ_)| /XXXx{-< : : ∨::l:|
/XXXXX７´ 　　　 {//小| }VXXXXxlﾆ{: : : : Ｖﾊl
XXXXX /_　　　　 //ﾉ（ l| )jXXXXXに|:.ｌ : : : Ｖ:ﾄ､
XXXXx/　｀ｰｚ　　 //_｝（ | ｛XXXXXxＹ):.l!::. : : :ヽ､ヽ、
XXXX/⌒Ｌn　｀ぅ//_）　 ( 廴}XXXXXXＬ:.ｌ!::.: . : : }:｀ヽ}
XXX７　　 └'て_ﾒ､)　　く辷7XXXXXXX}:ヽ:.: . ::人丶:＼
　　　　　　　　　　　【耕作の娘　お勇】

　　　　　　　＿､‐-､, -‐ｚ._
　　　　　　＞　` " "　′.＜
　　　　　　／ " " " " ﾞﾞﾞﾞ＼
　　　　 7 " " ",.",ｨﾊﾞ ,ﾞﾞヾ　　　　　　 r‐ ' _ノ
　　　　　 ! " " /-Ｋl/　Vｌﾊﾞ.N　　　　　＿ ) (_
　　　　　 | "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ!　　　（⊂ﾆﾆ⊃)
　　　　　　|."しｌ|　￣　,._ ∨　　　　　　｀二⊃ﾉ
　　　　　　| " ﾞハ　ー--7′　　　　（( ￣
　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼.　¨/　　　　　　 ;;
　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　　　　　 [l、
　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　　／,ｨつ
. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ
　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ
. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　 /　）:::厂 ´
　　 |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l　/￣｀Y´
.　　 |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
　　　|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ﾞ/

835 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:43:08.89 ID:hggoHrMo

.　　l　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ　!
　　l. /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /:.:.:.:.:.i:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',l
　　l i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.,､　'" 　 /:.:.:.:.:.:.,':.:.:/ ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
.　 l. l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:,　'" 　　　 /:.:.:.:.:.:./:.:./　　　ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i
　 l　l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:/:.:／　　　　ノ　 /:.:.:.／ /:./　`　─--＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.l
　 !　l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:/／--─　 '"　　/:.:／　 /:/　　__.....　　　ヽ:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.l
.　!　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:./　_....　-─-､-　/／　　 //　　,､r‐──- .._ ＼:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:/!　　「訳もわからず……
　l　　',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:/　く　i　..::::::::::ヽ　　　　 ,,.'''　　　　i　...::::::::::}　>＞l:.:.:,':.:.:.:.:.:.:./:.i　　嫁入り前のおんな放っておきやがって……。
　ｌ　　 ',:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾘ　　　ヽ::::::::::::/　　　,,. ''　　　　　　',:::::::::::::ﾉ '"　　l:./:.:.:.:.:.:／:.:.:',　　
　!　　ヽ:.:.:.:.:.:.:.:ヽ　　　　どニつ　 ,　''　　　　　　　　どニつ'゛　　／:.:.:.:.:／/:.:.:.:.:',　かわいいかわいいお勇がその間、
/:l　　　　＼:.:.:.:.:.:.:.＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｡　／:.:.:.:.／　/:.:.:.:.:.:.:　　他の間男に獲られでもしたら、どうするつもりですぅ」
:.:.}　　　　　i:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.＞　　　　　　　　　　i　　　　　　　　｡ ∠:.:.:.:.／　　 i:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:',　　　　　',:.:.:.:.`T:.＼　　　　　　　　ｬ─　　''フ　　　　　｡　 /:.:./　　　　 ;:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:' ,.　　　　;:.:.:.:.:.:l:.:.:.l:.＼　　　　　ヽ ...　 '゛　　　　　　｡　イ:.:.:.;　　　　　;:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:', 　　　 ',:.:.:.:.l:.:.:.l:.:.:.:.:`　.._　　　　　　　　　　　　　ィ'ﾟ゛:.:l:.:.:.:.:',　　　　,':.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:',　　　　',:.:.:l:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞ .._　　　　　　 _..　＜:.:l:.。:.:l:.:.:.:.:::.;　　　 ;:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:' ,　　　 ;:.:.l:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:／　　|　　　 -- 　　 |　　＼:.:.:.l:.:.:.:.:.:.;　　　 ;:.:.:.:.:.:.:.:.:.

　　　　　　/ /,〃 ,.ヘヽ_,ゝﾍ{ ヾ　ヾ　|
　　　　　l/ / ,.く　 /＞‐｡ｧヽ'ト､ヾ' i
　　　　　　 |/　　>ヾ￣´　　 |'ト||ヾ |　　　「フッ……わりい」
　　　　　　　　　／　　　　　 |l〃ヾ|
　　　　　　　　∠-‐フ　　＿,　/ ヽ.ヾ'｣
　　　　　　　　　　｀￣匚, 　 /　　　>'＾ヽ._
　　　　　　　　　　　　　　/　 /　　／　　　|
　　　　　　　　　　　 '―ﾍ　／　　　　人
　　　　　　　　　　　　　　／冫′　　　／ミﾐ＼
　　　　　　　　　　　　　/|　|＼　　　.／ミミミミ

836 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:43:51.89 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　　　　　_,. -ｧ――‐-- ､_
　　　　　　　　　　　　　　　／　ノ*　, - '^⌒"´｀丶、
　　　　　　　　　　　　　　／　ノ　 r'´　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　/　　ﾉ * ﾉ　　／　　　,　　､　ヽ
　　　　　　　　　　 /　　 l　　l　　//　 ,　／,　　jl i 　',
　　　　　　　　　　　 /　､_ l　　 l l　l/＿/_,ｨ//　__ﾑ! l l　l
　　　　　　　　　　　￣|｀lヽj * 〈 l ,lｨ'_.ノ'´ﾉｨ'　,ｨﾘ　l,'　l　l
　　　　　　　　　　　　 ,l　l　l　　{ 'l下T::::T' /／ﾅ!;Tﾘ　lj　l
　　　　　　　　　　　　 l　l　 '､　 }､' ﾄ｡'ー'　´　,　'ｰｲ /ﾘリ
　　　　　　　　　　　 l　l　　ヽ* '､ヽ',""　　　　"ﾂﾉノ
　　　　　　　　　　　　l　l　l　　{　ヾ>､　　　‐_,.ィ"l´　　　　「……今回はこれくらいで勘弁してやるですぅ」
　　　　　　　　　　　 l　l　l　　入　 l^ヽミｴ二､ l *l
　　　　　　　　　　　 ,'　,' / ,イ rt, *'､, -‐ﾛ‐-ﾐt　 l
　　　　　　　　　　　,'　,' l ｲ　　 (l　ヽ／||ヽ. ﾊ　 l
　　　　　　　　　　 ,'　,'　K　　　　 l　　',　|l|　 (lﾍ) l
　　　　　　　　　　/ /　,ハ､、　　　l *　l, |ll|　 (l '､ l
　　　　　　　　　 / /l　/ ﾉ　　　　　l　　l |{l}|　 (lてy
　　　　　　　　 / / l / くｰ- ､　､__,j､＿V!l | 　{l (ﾍ
　　　　　　　　 / / / ／７､　/ ,rへ!ﾉ　　j} {l__,､j トl
　　　　　　　 / /　く__/| |`´{ト､　〉三ﾐ彡fri～l^l '、

　　　　　　　　　 /　 ii　　　　　　　　 i; 、ヽ
　　　　　　　　 _ i i! 　　　　　　　　　　　i.　ﾞ ,
　　　　　　　／ﾞ'' -'^ヽv ｖﾍ、ヽヾヾ　i i i＼i
　　　　　/""　　　,　,,_ Ｙ!/　ヾ__!_Aﾘ|ﾉ!'!'!
　　　,.- "　〈　　 i　　 i=ゝ、 ,,∠=-ｧYﾍﾚ
　　ﾉ　 ! 　 | "~' |、 - !ﾟ-."!|くﾟ-　 !!ﾒ/　　　「あらら……そう」
　　(　　 ! ,,... ! ,,..　! ￣i,　　!|::.　　/.ノ
.　　|ヾ　'!. 　/　　 |"ﾞ　〉ー !|;― /"iヽ~ﾞﾞ^''' -
　 /ヽi - ! _/ﾞー i'!　 i,/ 、　―　/i　 |,,__
　ノ">ヾ_!〈=＝-!|_ノi ヽ＼　／　!　 |　￣ﾞﾞﾞ^'''
　／　　 ''ﾞ.---┘　 | 　＼ッ"　/　　|

837 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:44:40.96 ID:hggoHrMo

　　　　　　｀ヽミメ、　. -‐,=‐
　　　　 . . .-‐‐ミ i!　Y i! 厶イ_＿
　　　∠..., =‐-　i!　 i!　 i!　i!　＜´
　　　 .ィ´ i! 　 i!　i!　i!　i! 　 i!　i! ヽ
.　　, ′i!　i!　i!　i!　i!　i!　 i!　 i!　i!.!
　 /イ i!　i!　i!ｨ i! i./::､ i! ﾄ､　i!　i!　!
　　/i!.／/i!./::iメi/:::::::,ﾒ､「ヽﾄ､ i! i!j
　 /イ i!/! /==｡=､:::::.=｡==＝:i!,...i! |
　　　ｊ/ j/ i::｀:‐:/:::::::: ｰ一.:´:|ir, }.|　「さて……っと」
　　　　　　　i:::::/.::::::、　　 .::::::|Lﾝii|
　　　　　　 i: ｀‐――一'.;.::::ハ.i! ｊ;＼
　　　　　　､　ー　..:::::／;　ヽ:{;;;;;;;ﾄ､__
　　　　　 . -=''7ﾍ.....:.:::::／;;; '　　　ｊ;;;;;;;j;;;;;;;
　　 -‐'";;;;;;;;;;/;;;;;;ヽ .イ;;;;: ' 　　 /;;;;;;;;|;;;;;;;
　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|:.:;;:::'　　　　/;;;;;;;;;;;!;;;;;;

杢之助はお勇をひょいとかかえ上げた。

　　　　　　　＼　　／:.:／:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:＼　ヽ＼
　　　　　　　　　ヽ/:.:.:/:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:./:/:.:.:.:.!ヽ　ヽｌヽ
　　　　　　　　 /:.:.:.:|:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／／/:.:l:.:.:.:|:.:ヽ　/　l
.　　　　　　　　 |:.:.:.:..|ィ‐_-_､_. -／／/;ハ:.:|:.:.:.:!:.:.:.V　　 l
.　　　　　　　　 |ｌ:.:.:.:.N r‐ｧ-､`￣　ﾒ/‐-ヽ|、:.:|:.:.:.:|　　 _」
　　　　　　　　ﾊ:.:.:.:ｌ　弋:ｿ　　／´ ｨ=‐､､＼/:.:.:./-r ´
　　　　　　　　 /:.li ＼_＼　　　 ,　　弋:ｿ '´/:.:.:./:.:.:.l　「ちょ、ちょ、ちょ……なにするですか？」
.　　　　　　__　/:.:.li　　 il、　　 , -- ‐､　　_／:.:.／:.:.:.:.:.!
　　　 /´‐-､ﾄ,:./:li ※ il:.:＼　{__　　　}　　ア￣/l:.:.:.:.:.:l:.l
.　　　/　 ‐-〈/／li　　il:.:.:.:.:.＞　二ﾆ´ィ:lｉ ※〃:.ｌ:.:.:.:.:.:.l:l
　　　l　｀ﾆ７'´: :.li 　 il￣￣＿＼ノヽ._l:li 　 il-ｌユ‐_-､:.:!l
　 r‐l　　 |ﾌ!: : にlｉ　 il〃￣　ィﾄK＼　 li　 ilこ|ー‐　 |:.:.:.l
　 |〉l　　ｲ _): :.にli※/ ＼／//)ｌ:l l:l　ヽli.　iｌこ!|二　 /:.:.:.:.:!
／＞にLイ<:.:にli /´ 　　 //（!|:| L!==li※!こl./　　/!:.:.:.:.:.:.l
丁L__|ｰLﾉ:.:.:.にX　　　 //　)!|:|　　　ﾊ ilこ! l　　/ヽｌ:.:.:.:.:.:.:l

838 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:45:01.57 ID:hggoHrMo

839 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:45:54.02 ID:hggoHrMo

　＼/: /:　:　: /:　/:　:　:　:　:　: /:　/:　: |:　:　:　: ｌ:　:　:　ヽ}　　　＼
　 /: /:　:　: /:　/ :　:　:　:　::／/:／/:　:∧ :　:　: :|:　:　:　:　|　　　　〉
　ｌ:　|: :　:　 |: /:　:　:　:　:／／"　/: :／　＼:　: :.|:　:　:　:　|　　／
　|: :ﾊ: :　:　|: |二ﾆ==ェﾆフ´　　 /, へ､＿＿__＞':｢:　|: :　:　レ'
　ヽ:|∧:　:　|: |く／ﾌこ^ヽ＼　／　　　/ _ｪ‐‐､=､｀|: : |: :　ｌ: :|
　　∧ﾍ:　:　|／　|ｒ^{:::}ﾟ |　 "　　　　　 |＾{;:::}ｒ^} 〉 |: :/: :　ｌ: :|
　 /:　: |＼:　|ヽ　＞ー‐'　　　　　　　　ヾ_こ_ソ　 /:/:　: :/ /|　「ちょっと！？まさか、まさか！？」
　/ :　: ｛.　＼ヽ　:::::::::::::　　　ヽ　　　　 `ー―'　/イ:　:／ /: |
./:　:　: ∧　　ト＞　　　, へ､＿＿＿　:::::::::／ /: ／/／: ｌ: |
　:　:　: ｉ＾ヽ＊＼　　 / ／´ 　　　:::::ヽ　　　/／　ノ/:　: ｌ: |
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　:　/ /　／　,へ.　ｌ|　`　､　　￣￣￣,　' ｒｰく＼.　 |｀ﾄ､:.ｌ::ｌ
　::/ .|　'　　/　／ヽ|　　　　＞= ｧ￣　 /＾ヽ　｀　ヽ. | 〈　ヽ::|
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　　ﾝ;;'"￣";; 彡
　　i″iﾍルﾉiﾚ）
　　ヾ6;,｀_ゝ´/　「大丈夫。外はまだ寒いから、境内を借りよう、な」
　　／ヘ▼へ

840 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:46:18.11 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　-──‐-‐-─ - ､
　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 ,．-─‐‐- ､　＼
　　　　　　　　　　　　　　／,　-‐'"´　 ‐米-　　＼_　＼　ジタバタ
　　　　　　　　　　／　/ ‐寸r-ー-ー‐- ､_　卞　＼　＼　　　　　　　　,rっﾍへ､
　　　　　　　　　　 <　 _/ , イ.:::,ィ彡´　.::::::::::i:`ヽ　　　i　j　＼　　　　 / 〈ｰYﾉ乃　　「な、じゃねぇえええ！！
　　　　　　　　　　　　｀>y'′.:,r'´　　　.:.:::;:::i::::l|:::､::.＼　|ノ　　/　　 , ィｲｭ　ﾉ>ｰ〉ノ
　　　　　　　　　　 / .::,　.:/ .:.:/　.:,.::,::/::ﾉ::ﾉ||:::::`,:::.:ヽ|_ , イ　　　/ /´Lヽ　｀ｰｲ/　　　　久々に会ったからって、もっと他にやることあるですよ！
　　　　　　　　　　　　l/.::|.:.:::i.::::/::::::/:://::/:::ﾊ1|::::::::i::::::::|::::::.:|　　_/ /　, イﾄ､,ィソ､_
　　　　　　　　　　　　　|.:|.:.:::|:./::,:ｨｲ,ｲ/::/|:/　ヾ!:::::::|::::::::ﾄ､:::.:ﾄィ´ヽ心ﾑ　　＼ヽ　＼　　ていうか、お願い！ここだけはやめて！
　　　　　　　　　　 `ﾄ､:::l/ィ'''"´ '′｀`ー- ､｀`y'::::::/仁7　　　NﾄVi:::.:.:.　＼＼ _」
　　　　　　　　　　　　　|/ヾ::､z＝= 　　 r≡=ﾐ　/:::／:::.:.:.　　　　ヽf」j!::::.:.:.:. .　 _フ　　ここだけは勘弁ですぅ！
　　　　　　　　　　　 /　, ィﾊxxx　　'　　xxx ｨ.:::,:ｲ;:;:;:::.:.:.:./　　　　.:.::厂｀`ー‐ '´ｰ- ､
　　　　　　　　　　　　 /.／　.::]jf＼　「｀)　 , ｲ　｀Yﾄ､;:;:::.:.:/::.: .:.: . : . /　`ｰ米- ､　　 _＞
　　　　　　　　　 !/　　 /〈 j!　＞ -- <,r=ーｭヽfﾄ､,イ:::::.:.:.:.＿／ー -＝＝== '"´
　　　　　　　　　/　　 /:::::{,fj / , イ7不<　 //　ヽfﾄ､r'´￣.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　/　　 /　.::〈 j!L |_//jﾈjﾄ､V /　　　」f/.:.:.::::::::::::::.:.:.:.＼
　　　ジタバタ　／　　　　 .::::::{ fj　￣　k!｡j! ﾄ､ﾄr‐イソ.:.:.:.:::::::::::::::::::::::.:.:.＼
　　　　　　　　 /. . . .. . . . .:.:.:.j/j fLr‐rｰfj｡j!Kj;;;:;:;:;厂.::|.:i::::::::::::::.:.:..:.、::::.:.:.:.:.＼
　　　　　　　 i.:.r＝=ｭr'7.:.:::::| ヾ:;:;:;:;:;:;:;:i 戈kj;:;:;:;;!.:.:.:.::|.:|::::::::::::::.:.:.:.:.｀:.､:::::::::.:.:.＼

841 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:46:48.85 ID:hggoHrMo

　　　　　　　､,,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,
　　　　　　　　`､｀ﾞ'''ｰ=============================ｰ'''ﾞ´ﾉ
　　　　　　　　　`ゝl!i!li!lil!il!ili!lil!i!li!lil!il!ili!lil!i!li!lil!il!ili!lil!i!li!lil!il!ili!イ´
　　　　　　　　　　|=|_|^|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|^|=|　ゴーーン
　　　　　　　　　　|=|_|^|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|^|=|　
　　　　　　　　　　|=|_|^|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|^|=|
　　　　　　　　　　|=|_|^|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|^|=|
　　　　　　　　,.r''"=|_|^|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|^|=｀ﾞ'､,,
　　　　　　,.r''"=/^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|ヽ=｀''､,,
　　　__,.r''"=/^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|=｀ﾞ''-､__.;i；';.
：､;；`､ｴ@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@ｴr''´.;i；';.　　　＜フフフ……誰もみてやしないよ
;i；';.:；;：､;<__人__>-------＜=二二二二二二二二二=＞-------<__人__>.;i；';.Y;:；;:：
:；;:：､;；:｡;　|□|田田田田田||.（;;;）（;;;）（;;;）（;;;）（;;;）（;;;） ||田田田田田|□|；:｡;:；;:：｡;:；;:：　　＜そういう意味じゃねぇですぅー！
`；`;；i`.:;：i..''|| :田田田田癶||ﾛﾛ|　　　　.§. . 　 .. . |ﾛﾛ||癶田田田田 .||'`,:'':'`:Y:''；;:：,:'':';:　＜いやぁーーー！
`；i`.;` ;；i`´.||〒〒〒〒（:::::）ﾛﾛ|　　 .,--§--.､　 .|ﾛﾛ（:::::）〒〒〒〒';.,,;；`;；i':';:;..,,:'':';:;"
`;；ii|!:;. ,,;...;)}{{.|llll|llll|llll|llll|┃||ﾛﾛ|____.|￣￣￣￣||___|ﾛﾛ||┃llll|llll|llll|llll|.}}ヾ':';:;..,"i|!i|!,:'':';:;..
─-=＝-＿─三─≡-=─-=＝-.::::;￣￣￣￣ヽ､:::..─-=＝-＿─三─≡-=─-=＝-＿
二三_-=＝-＿─￣三─≡￣-:::::/: : : : : : : : : : : ヽ::::.-=＝-＿─-=＝-＿─三─≡-=＝-＿
,,,,_,,ｰ,,,-　,,,-　,,,,　_,:,,　,,-　　,,,::::r'' : : : : : : : : : : : : : :ﾞ''､::::..ｰ,,,,　,,,,,,ｰ　,,,,-　,,,,,,　-,,,,,,,-　,,,,ｰ　,,,,　,,

842 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:47:09.69 ID:hggoHrMo

843 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:47:46.13 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　　＿_ _　　　　　　　「!/7
　　　　　　　　　　　 ,r'´ ,r ニ､ヽ　　　　 /ふ(⌒ｒ_-_､_
　　　　　　　　　　 //／ ,rﾆ二､ヽ　　　.l'､そrｨ（＿,,},}ニ)
　　　　　　　　　　　　ｉ//／／ ,r ニ､rﾞ!　　ｌ　｀ ''ｰ＜´..... __ﾞ!
　　　　　　　　　　　　　lｒ､彡ノ,ノ´￣ }i;}　　ゝ.,,__　　　　 : |
　　　　　　　　　　 ,ｒーゝ '´￣､ｰ-､ -;ﾘﾉ　　　ｆ彡'､ﾆｧー_-_⊥!
　　　　　　　　　　,/ヾ<　:. 　　￣ｌ'7′　　　 i彡ゞｰ'　ｰ :ｆ'!
　　　　　　　,.､‐'":ヽ::::＼ヽ　　 __ァ'′ 　　　 _,チ. :.　　_ '/　　　　　　　　　　こうして、色々と時間がかかったが、
　　　　　／::::::::::::::::ヽ::::::ヽ `／)乙二ス､　 ,rﾆ￣｀ヽ` ;-<　　　　　　　　　　　お勇はめでたく杢之助との祝言を執り行うことができた。
　　　／:::::::::::::::::::::::::::ヽ::::;/　ｰンノﾊヾ,!}　/-　... ｀ヽ､ ,!　! ヽ
　　　/::::::::::::::::::::::::::::::／＾i´　　　／(_, イヽ'　　　　:.. 　＼,!　 : ',
.　　 i:::::::::::::::::::(⌒／:::::::::::l,r‐ｧ''";!/:i,　 |:::::::ﾞ!　　　　 :..　＼:　 ',
　　 !:::::::::::::;:､-'":::::::::::::::::::|::/::::;:':{;::::i,　|:::::::::}　:. i　　　　:..　ヽ :. ',
　　　}::::::;:::'::::::::::::::::::::::::::::::::|'::::;:':__:i;::::::i, l;::::::::|　ヽ　＿,,..､､-‐ 'i　ゝ,
　　　|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:;:':::|ｌｌ|::l;:::::ヽ.',:::::;!　　ﾞi　　　　　　ﾉ　.:　）
　　 ,!:::::::::(⌒)::::::::::::::::::::::::::|::::::|lｌ|,r;|:::::::::'J:/　　｀｀ヽ､　 __,,. ｒ=ﾆ=ｭ __
.　　 |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::|lｌ|/::|:::::::::::iﾉ　　　ｒ=''.,,´__::::::（　　　）::::｀_,''=ォ
　　 |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|,./'ii'彡|::::::::::::ﾞ!　　 └- ､.,,__｀''''ｰ:--:‐''''´ _,. -┘
　　　|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|"'"´';:::|:::::::::::::|ヽ. 　　 |::::::::_｀::''''┬t‐‐'_"::::|
　　　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　 ;'::|::::::::::::::!　＼　　|::::{´　｀i;::::l:::l::i´　｀i::|

844 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:48:22.34 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　＿＿,．--_-_- ．__
　　　　　　　　　　_∠/ _v__｀¨´ _vv_ヽ.__ ¨' -．_
　　　　　　　　 ,ｨ´r_　　ｲﾊ｀_,､__ ﾊﾊ　　 _｀ヽ.　　¨ ‐--ｫ
　　　　　　 ,ィ´ ´ﾊ ,ﾉ￣￣´　　￣￣ヽ､ﾌﾍ' ヽ.__　　　 |
.　　　　　 /ﾍア´￣|.:.:.:.:.:.!.:.:.|.:.:.:.:.＼.:.:.:.:.｀ー､　_､＼　　|
　　　　ノi,ｨ´:/.:.:.:.:.| .:.:/!:|ヽ.:',.:.:＼.:.:ヽ..:.:.:.:.:.: ヽ.ﾊ¨ ｀ー'‐- ､　＿__
.　　　　|_/:!.:.:!.:.:.:.:.:ﾊ.:/ﾉ.:| .:',∧:ヽ.:ヽ.:.:ヽ.:.:.:.:.:ヽ:｀¨Tヽ._=Y= _二_Yｨ　ﾝ
.　　　 / !:!|.:.:|.:.:.:.:.:|::|'/.:.;ﾊ.:.:ﾊ:|＼:＼:＿:.ヽ.:.:.:. i.:.',:.:',.:.:＼￣¨ ‐．_￣
　　　ｲV|:|:!',.:l.:.:.|.:.:|::,'.:./　!.:.l |:!-‐＜_｀ヽ｀.:',.:.:. |.: |､.:i､＿.:ヽ、.:.:.:.:.:￣¨　　お勇の一世一代の晴れ姿である。
.　　|'ﾍ |:|:!:ヽ',.:.|ヽ|ﾉ-,''¨｜ﾉ l:!　＿　ヽ|､.:.|.:.:/.:.:|::',:|、.:.:￣￣.:.:.:.:.:.:.:.:
.　　/　 ,!:l:ヽ.:.ヽ.i／:|/　 _」'　ﾘ　＿, -z'　Y.:∧.:.:!ヽ!| ＼_.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
.　 ,'v_ 代:',､:ヽ.:.ヽ.:.:i!　 _,ﾉ　　　　￣´ 　 ,':,ｲ/ﾊ.:|:::::i|＼.:.:.¨ヽ.＿＿
　 {,ﾎ　|　',ﾍヽ＼:ヽト=''´　　　　　　zxx /'´,'ノ:::|/￣¨ ‐-．＿_.:.:.:.ヽ.￣
　ヽ　ﾉ　ヽ', {＼｀ヽ＼_zxx　　`__ ,．　　人＼__::::::::::::::::::::::::::::￣￣￣
　　ﾄvヽ　　＼ヽ.＼:｀ヾ.￣　　　　　　／| :::＼＿｀¨:::::‐-．＿＿＿＿_
　　ヾ｀ |　　　　　｀ｭ､`.:､｀マ'ェｧ､‐-‐''´　 jヽ＿＿_｀＞､‐-．＿＿＿＿_
　　　｀¨!｀ー- ､／.::.::`ーY｀ｧ-}｀'‐‐x― '´　ﾄ、,、,、:::::::::＼＿
　　　　ヽ、＿__ヽ-=､_,､f'/_ﾌｧ＝ァｿﾄ＝,ゝ､__} /ｲー--､:::::::::::｀¨ ‐-．__
　　　　　　　　　　　　【杢之助の妻　お勇】

845 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:49:13.66 ID:hggoHrMo

＜江戸　江戸城＞

だが、時おなじくして江戸では陰謀が渦巻いていた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}k
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ;'l{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ;人'､
　　　　　　　　　　　　　　　 }､、__,. -'',r'／ｐ､ヾ､
　　　　　　　　　　　　　　　,}”ー--､."ﾆー--ﾞ'ゝﾞ'‐､_＿,､ｬ,
　　　　　　　　　　　　　 ,､ /;;,rlT=ｲ__~￣~＾~＾''ー‐---､.ｙ"
　　　　　　　　　　　　　,irこ;;;},|ｉ　||　 ~||~ﾞ ''l!ｔー-n-;t{;/
　　　　　　　　　　　　 ,ｊ r'i!_､_}-二ﾆﾆ゛‐-,k!i､,､､｣|__,|ﾄｯ
　　　　　　　　　　　､_ ﾔ{/iｺ};,^;;,,,;;;,‐,-,=ノ,ム=_-__ーﾈ{´,
　　　　　　　　　　 ,};ｺﾆﾆ/7r'|”~,__,゛,／ノ。＼~＾~^”””'ﾔ
　　　　　　　　　　 i!;;;;;;;;;;;､i!__|　,i-!;'"／,r'^ｖ^‐､＼iｺ~|ﾚ=i、
　　　　　　　　 ,}`ｰ';;;;;;;;;;;;;;;}r‐''”_,.-''／ [iillIII}}}] ､゛＼i!､;;;;i､
　　　　　　　　/,Eｬｯririririrnm;y､^,､ﾆﾆｰ_ー‐-ー'　゛＼,;;;i{､_　　　　 ,.ｨ
　　　　　　　 /,r"=|､__　　　￣~””””””'''''''ー,rk':;firiririnnm;y^~三ﾆ;:ﾆ'}
　　　　　　 ,/,r"=/|::::..￣~゛゛``''';::::::::::::ー‐,ノ,ム-.,, ､.､.゛,.___゛~＾~゛＾i;／
　　　　 ,、 /,r"=/,;l,,,::::i::::|iillIIIIIIIIII|||:::::;7／,r'　`｀i､:::.iﾍ::::::::.￣~''''''':|
.　　　ｫ}仁二Vｪ＾仁￣~"""゛””””''ｰ／,r'" .,・、 `＼[iillIIIII|||]:::::::::::|　 ,
　　　　i!;;;;;;;;;;;/ｲ'^ﾄｰ‐-ﾆﾆ二､こ,.-'" ,r' ,.-ｰ{　 }ｰ､`､＼"＾"＾"＾"^゛''ｰ'}
　　　 ,il;;;;;;;;;;;;;:^^i'|::::::::::::...　,. -''"_, -'／―‐‐｀´ ―`i､゛､＼゛＾゛""ｰ'r／
　　　 i l;;;;;;;;;;;;;;;;;;,'|::::i,,. -''＾_,,.-''′／' ,;iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiilllll　`i､` ､ﾞ-､:::::::::|;iｔ======r'7
　_r,=ｰｦｰ",,:;;;;;;'7rｲ~,. -'''~,._-_''~´..::::::|iillIIIIIIIIII|||||||||}.:::::ﾞ'‐､ ` ､ﾞ''-､:|;;;`i､;;;;;;;;;;;;~ヽ､
　〕{ｭｮiririririrm;;;;;~_,ｎ､￣__二;;;,, ￣~゛゛゛'''''',,;;;;;;;;;ー―‐---`ゝ､` -､~ヾ,,;;ヽ､;､;,._;;_;;_,,'‐､

846 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:49:52.36 ID:hggoHrMo

　　　　　　　／. : /. : :/. :　. / . : : : :　. : : : : :　: : : : : : : : : !
　　　　　　 i.:::::. /.: : /. : .:: ,.′.: : :/.　. : : i: : : : :　: :　: :　i: l
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　　　　　　 |:::::|::::i::. !:::::/.:ｲ: /　/: : ｲ:/ l::l　ｌ: ﾄ､::. |: : : | :|: l
　　　　　　 }i::::|::::i:::.{:::ｲ:/_i:/　/:::.///　j::{　.｣斗ﾍ:::}:/ : }. ﾄ､!
　　　　　　ｲ:::ハ::|::::V十rfﾘミ｣:::/// , //ｨf≧=ﾍ小/. :ｲ: :ﾊ:ﾄ､　　「フッ……鍋島め、思い知るがいい。
　　　　　　 }/　ｌﾊ:::::ヽ､近Ｚｿ|/メV/7/ｰﾍ北シメ/. :/ }/　}{　　　　
　　　　　ノ′　|ヽﾄ､:::ヽ　　i{　　ノ′ 　　　 /. :/.ィ:!　｀　　　キサマはあがくことも許されず、
　　　　　　　　　|:::ﾊ:::ヽﾄ＼⌒´　ﾉ!　　　　　／: :ｲ: .ｲ:l　　　　　　ただ座して滅びるのを眺めているだけだ。
　　　　　　　　　|/　}::|::::＼　､＿＿＿_.ノイ: ／i |/　ﾘ
　　　　　　　　　}!　 |ハ::::::i＼　｀二二´　／ｲ:!: ﾊ::{　　　　　　　　必ず鍋島を、佐賀藩をこの世から消滅させてやる」
　　　　　　　　　　　　　}从Li｣ヽ、　　 ∠＿.｣｣:::{ }:l
　　　　　　　　　　　　　　ﾄ--Ｔ r‐｀´─┐|‐‐ｲV .ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　 }_ﾊ_｣ |: : : : : : :| L｢!｣
　　　　　　　　　　【徳川幕府　老中　松平信綱】

　　　　　　　　　　　 /{:::::...::::::::l:../:::::::／l...:::::::／:::〃::::::: /l ./i::::∧}::::::l:.:.:::/::::..::::|
　　　　　　　　　　　　　 /　l::::::::::::.:.{:::!:::::/　/::./::/:::::://:〃..//:://::∧ﾘl､.. |..::/:::..:::: 小
　　　　　　　　　　　　, ′｜..:::.:.::.:::｀|:::∧,/::〃/:..:::////::://:://::/　ﾑイV ./::..:::.:::/ | }
　　　　　　　　　　　 /　　｜:.i:: .ﾍ:::::.!/__/:/メ､l/／/´/::./ l../ﾑ斗 ´‐-　 V::..:.:r､∧ | l
　　　　　　　　　　　　|:..:ﾄ､:.∧ :| {{ ≧x､ミ１'メ､/／ {l￣/ /x≦示} }}７::::/,ﾉ:/　!
　　　　　　　　　　　　 |::.:|∧ﾍ_'､} 、弋示ツ|ｧ=７{ﾍ　'l|／ノ､弋::::ツノ/::::/ 7|′
　　　　　　　　　　　　　 ' ､|　＼Yl::..ﾍ￣￣l｜ //l　! /／　　￣￣／..::/´/ l
　　　　　　　　　　　　　　　＼　l:::!､::..:}､　　　　 .|　　　　　　／7:::::.::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Y　Ⅴ! ＼　　　　 :|　　　　／　/:::::::::ｲ　　　　　「クククク……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l 　 !ﾘ:＼｀､＿＿＿＿＿＿,　７::.:.:.. リ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l }:.ﾉ|＼｀ヾ､＿＿＿ア´／ト､:::N　　　　　　　フハハハハハハハハ！！」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |_fゝ !、＼､二二二´／ , ﾉ.:.:.|l１
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　 , ｨ　´￣￣￣￣￣:: :: / /:::::/::::::::::::::::::ﾄ､´　　　 ' ､　ノ　　　　　　　 }ﾉ|:::::::::＼:::::! }￣｀ ,､＿＿

847 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/05/17(日) 20:49:57.58 ID:kkGnl220

アカギｗｗｗｗｗｗ

848 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 20:50:59.26 ID:ISHVtXo0

青姦好きなアカギさんｗｗｗｗｗｗ

849 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:51:08.52 ID:hggoHrMo

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　　　　　　　　　　　　 .ヒ==,@==@,==@==@,==@== ノ人ノ　　　　 ∥　　　　　ン

島原の乱は終わった。
しかし、鍋島家が正念場を迎えるのは、これからであった。

やる夫が葉隠武士になるようです　　第７話　『曲者』　　了

850 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:52:15.64 ID:hggoHrMo

原作　
『葉隠』　　山本常朝・田代陣基
『死ぬことと見つけたり』　　隆慶一郎

キャスト

やる夫　　　　　　　佐賀の浪人　　　（パー速でやる夫）
中野やらない夫　　没落した下級武士　　（パー速でやらない夫）
斎藤杢之助　　　　常に死人たらんとするいくさ人　　（赤木しげる『アカギ』）
お勇　　　　　　　　杢之助の妻　　（翠星石『ローゼンメイデン』）
やる夫の犬　　　　やる夫につきそう　　（シロ『クレヨンしんちゃん』）
斎藤用之助　　　　故人。杢之助の父。したたかないくさ人　　（平井銀二『銀と金』）
中野将監　　　　　故人。やらない夫の父。忠義の人　　　（できる夫）

鍋島勝茂　　　　　初代佐賀藩主。剛毅　　（キョン『涼宮ハルヒの憂鬱』）
鍋島直茂　　　　　故人。佐賀藩の藩祖。名君　（涼宮ハルヒ『涼宮ハルヒの憂鬱』）
多久美作守　　　　老獪な佐賀藩家老　　（利根川『賭博黙示録カイジ』）
鍋島元茂　　　　　勝茂の子。佐賀支藩　小城藩主　　（緋村剣心『るろうに剣心』）

徳川家康　　　　　故人。徳川幕府の開祖　　　　　　　　　（シャルル・デ・ブリタニア『コードギアス―反逆のルルーシュ―』）
徳川秀忠　　　　　故人。徳川幕府２代将軍　　　　　　　　（シュナイゼル『コードギアス―反逆のルルーシュ―』）
松平信綱　　　　　知恵伊豆の異名を持つ老中　　（ルルーシュ『コードギアス―反逆のルルーシュ―』）
ニコラス　　　　　　オランダ商館長　　　（アレクサンデル・ビュコック『銀河英雄伝説』）

松倉勝家　　　　　島原藩主。改易の後、斬首　　　（でっていう）
上杉景勝　　　　　故人。豊臣家五大老の一人。会津藩主　　（八雲紫『東方プロジェクト』）

森宗意軒　　　　　旧小西家の武将　　（草薙素子『攻殻機動隊Ｓ．Ａ．Ｃ．』）
山田右衛門作　　一揆を裏切った南蛮絵師　　（トグサ『攻殻機動隊Ｓ．Ａ．Ｃ．』）

阿部さん　　　　　　葉隠の解説　　　（阿部高和『くそみそテクニック』）

851 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 20:52:57.77 ID:XfMWHAoP

知恵伊豆が！鍋島大ピンチ！

852 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 20:54:18.26 ID:ISHVtXo0

乙でした！

853 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 20:55:52.44 ID:hggoHrMo

次回　第８話

　　　　　　　　､‐- 、 ,. --　_
　　　　　　 ,ゝ￣ `　　′ﾞ,∠.._
　　　　　　　／´ " "　" ﾞ　ﾞ　ﾞ .＜｀
　　　　　　 7 "　"　" " , ﾞ　ﾞ　ﾞ　､＼
.　　　　　　ｉ " " " ﾞ,.ｨ / ＼ﾞ　`　ﾞ＼
.　　　　 | " " ,ｨ/‐ｌ/、　 ,ゞﾄ、ﾞ､ﾞヽl
　　　　　 | r=､ l.＝｡==._　,｡==ゞﾞ N
.　　　　　 | {にl l　｀￣　 _ ＼´ハＮ
　　　　 ,l ヾ=lﾉ　　__　‘ ‐　ゝ
　　　_.／:l "./ ヽ.　∟..二ﾆ7/
‐''"´:/::::::| /　　＼　一 /、
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　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼　　　　ヽ
　　　　　　　　　/　　　／　/　　l　　l　ヽ　＼　　　　}
　　　　　　　　　',　　／　　/　　 l　　 l　　ヽ　＼／
　　　　　　　ヽ、　　 /　　　l　　　l　　　 _,ｒ‐'´
　　　　　　　　　　　｀ー‐─┬────ｒ'´　|
　　　　　　　　　　　　　　 | ヽ　‐‐ ノ, ヘ　 |
　　　　　　　　　　　　　 |／ i ｒ‐／　／＞､
　　　　　　　　　　　　 _,　´　 / |／　／　/　/´｀ヽ、

::::::::::::::,:イfkァ.:::∠ミ、V.:::／／.::::.:::: イ_＿__,／.::::／-‐　￢.::
.:::::::／ff　／∠　　 vﾊ}イ／.:::ィ7 /／.::::::／.:::::／-──‐ｧ.:::i
:::::/　 {L/／{{℃ik}}　vﾊ／.:::／ { ﾚ'/⌒`ｲ.::::::／_ ー──ｧ.:::/|
.::/　＼メ、　｀¨¨¨´ 　ｖ.:::イ　　ゝ一ァ' /.::／　_xkｧ=＝ｲ::::ﾑミ
:/　　｀｀三≡＝=一ｚl.:／　　　　　/　/／　＞'"´ _ 　 _｣:/
′ 　　　　‐ =＝ｧ斗 ´　　　　　　　 /L_　イ　　　 {{℃fL}{}
　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　 /　　ヽ、ヽ、　｀¨¨¨|l　,ｨ/
、　　　　　　　　　{　　　　　　　　　　　　　　＼｀≧xz＝{彡ｲ:
::ヽ　　　　　　　　 |　　､　　　　　　　　　　　　　｀　　　｀≧´.::::
＼l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー=＝ニ二:::__::,:::::
　　　　　　　　 /`　‐-　　＿　　　　　　　　　　　　　　　／.::::::
　　　　　　　　ハ、　　　　　｀丶、　　　　　　　　　／.::::::::::::
',　　　　　　　∧_｣三三ニ＝‐ .､ハ　　　　　　　　／.::::::::::::::::::
∧　　　　　 /三三三三三＝=三L｣　　　　　／／.::::::::::::/.::
/∧　　　　/三三三三／　　　　l　　　　　／イ.:::::::::::::／.:::::

ご期待ください。

854 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 20:56:14.97 ID:AxlBZJMo

乙
ﾆﾔﾘﾆﾔﾘと満面　こいつらいいな～
あと地図がありがたい。位置関係こうなってたのか……

855 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 20:56:48.14 ID:3c8V2rwo

乙でした
どう見ても失敗する悪党の笑い方だよ知恵伊豆ルルｗｗ

856 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 20:56:50.49 ID:Uzox30s0

乙です
しかしアレだ、斎藤さん。アウトドア派なんですね。

なんか陰謀を巡らしてる奴がいるけど
こんなシグルっちゃってる藩に手を出したら自分が・・・・

857 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 20:57:51.62 ID:BZnkQUUo

乙です
しかし、アカギ杢之助は原作とは違った意味でエロいわ
隆慶小説のセクロスシーンは表現は極めてシンプルにもかかわらず
話の流れから情景を想像すると非常にエロく感じるんだが
こちらもなかなかエロいことで

で、次回はルルの陰謀ですか、で、アレですか？
ルルに合掌（-人-）ﾅﾑﾅﾑ

858 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 20:59:14.15 ID:TGOkztso

こんな士風で、なんで幕末に天下を取ることができなかったんだぜ佐賀は？
薩摩の武士道に劣っているとはとても思えないんだぜ？

859 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 20:59:47.06 ID:8rCT.t6o

乙、前回の件か～

860 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 21:04:00.74 ID:hggoHrMo

　　∧,,,∧
　（・ω・｀）　
　,.-､y/　ヽ
０(■,,)⊂[_ノ
（ノノノ l l l ）

今日も読んでくださってありがとうございます。

この後は、いつもの蛇足なおまけがツラツラ続きます。
あと、ＡＡは縦に意識しようとすると、失敗しますな。

861 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 21:08:16.64 ID:hggoHrMo

キャスト追加

石田三成　　　　　　故人。関ヶ原の戦いの首謀者。戦後、斬首。　　（エマ『英國戀物語エマ』）

862 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 21:08:24.50 ID:N0jz01oo

>>858
何をやっても勝てばいいという考えに至らなかったから
領国の農民を八公二民で締め上げまくり、借金も踏み倒し、密貿易もやるくらいでないとねー

863 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 21:11:43.02 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ﾆＹﾆヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ （0)(0）ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　⌒｀´⌒　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　,-）　　　　（-、.|　　　　　　　　　 /＼　　／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l　ヽ＿＿ノ　l |　　　　　　ヽ､　lヽ'　　｀ ´　　＼/l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　｀ ⌒´ 　　／　　　　　　ヽ　｀'　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　 /´`''" '"´｀`Y'""｀`'j 　ヽ　　　　　|　　＿＿｜｜　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　{　,ﾉ' i|　,. ,､ ,,|,,. ､_/´ ,-,,.;;l　　　　　.l 　　　γ　　　で　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　'､ヾ ,`''-‐‐'''"￣_{　,ﾉi,､;;;ﾉ　　　　　 l 　　　ヽ　　　・　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､,　　,.-　,.,'／`''｀,,_　,,/　　　　　ヽ. 　　　　　　　・　　　.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　`''ゞ-‐'"　`'ヽ､,,､,､,,r'　　　　　　 |.　　　　つ　　・　　　ﾚ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾉ　ヾ　 ,,　''";l　　　　　　　　 |　　＿＿　　　　　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　./　　　　　　　　;ヽ　　　　　　　.|.　　　 γ　　　　　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　.l　　　ヽ,,　 ,/　　 ;;;l　　　　　　　|　　　　ヽ　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　 ,ヽ,, /　　　 ;;;|　　　　　　.|　　 l　　　､　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　,' ;;;l l ;;'i,　　　;|　　　　　　|. 　　ﾚ　　ﾉ　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　 li　　 /　 /　l `'ヽ,　､;|　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　l　jヾノ ,ノ　　ヽ　 l　 ,i|　　　　　/　　　　ヽ　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　l`'''"　ヽ　　　　`l: `''"`i　　　　　｀l　　　ー-､　　　　　　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　.l ,. i,'　 }　　　　 li '､ ;;' |　　　　　 |　　　　ﾉ　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　l ; j　/ _, -― '￣￣｀ー‐-､_　　 |　　　´　　　　　　　　/´
　　　　　　　　　　,, .--､,,＿_,,-'￣;;"`´　;;　__　　__, -―- ､;;￣｀l　┌┐┌┐　　　　　 |
　　　　　　　　, '"　;;　　,__　　 ;;'　　　 r ' ´;;;　ヽ_ゝ_;;|　　　　lヽ, /　.|　|　.|　|　　　　　　 |
　　　　　　／l　;;, -‐Y´|　l　　__　／`'| |　　　|　l 　l;|　　　　 l ヽ l └┘└┘　　　　　 /
　　　　／|;;;;ヽ/　 .| |　|.;;l_,-'l | V | |.l　.|　　 .|　　　 l　 i i　　 | ;lヽ| ○　〇　　　　　　l
　　　　 |;;;|;;;i　|　／|.| ''.|/ l　　|;;;| | | |　;|　　|　　　|　;l l|　i ;;;;　l | l　　　　　＿／ヽ　 /

人物紹介　第６回　松倉勝家　（でっていう）

うぜぇ。　以上。

……でも、このＡＡは好きですｗｗ

864 ：1 [saga]：2009/05/17(日) 21:14:59.50 ID:hggoHrMo

　　　　　　　　　　　,ｨ　/|　/.|　,ｨ
　　　　　　　 / ﾚ　ﾚ　 |/ .| /|　　　　　　
　　　　　　　　　 /〃〃〃〃 "　ﾚl　　　　　
　　　　　　 /〃〃〃〃　彡　.|　　　　　
　　　　　　　　 l /＾ヽ__.､-''´｀ヽ　彡 |　　　　　
　　　　　　 |‐- ､　　,. -- 〉＝.|　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　|.==｡〉　＝｡=.ｌr‐, = |　　　　　
　　　　　　　 |二/　　二´ ||ﾖ| = |　　　　　　人物紹介　第７回　斎藤用之助　（平井銀二）
　　　　　　　　　 lr/__ ､　`‐､ ||ｿ = |　　　　　　
　　　　　　　　　　l￣_￣￣／ヽ= |＼__　　　　　　　　
　　　 __....　-‐ '' "lヽ.゛　／　　ヽ,l　 |　" '' ‐-　　　　　・杢之助の父親
‐　'' "　　　　　　 |　｀ｉ‐´ヽ.　　／|　 .|　　　　　　　　　・米強盗の首謀者
　　　　　 rｪｭ‐,-,--,‐'､　|　／　　 |　　|　　　　　　　　　・口数の少ない
　ゝ　 (　と!ﾆ!７7二二`　＼ |　　 .|　　.|　　　　　　　　　・直茂の死に際し、殉死する
　　ヽ.　）ゝ'=/7-''-- ､　　　＼　　|　　 |　　　　
.　　　(　) `//￣￣ヽ､　　　／ >へ　　.|　　　　
.　　　ヽ｀ﾞ"　　| 　 | ＼／／　　＼ |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　もくえもん
原作には父の用之助の他に、祖父である杢右衛門（斎藤佐渡）がいます。
どちらも鍋島直茂に殉じて、追腹を切るのですが、この物語では両方の人格を混ぜこぜにした人物にしました。

福本伸行『銀と金』は＞１が福本作品の中で一番オススメする作品であります。

うだつのあがらない青年、森田鉄雄は、ある日、ふとしたことから裏社会の「銀王」と呼ばれる男と接触することになる。
普段は仲間から「銀さん」と親しく呼ばれる平井銀二は、とてつもない胆力と悪魔じみた機略、独特の人生哲学をもつ男だった。

とんでもない悪党。
これが読後に思い描いた銀さんへの所感でした。
人を出し抜くことも、人の心をたらしこむことも抜きん出ている傑物。

『葉隠』にある用之助のエピソードだって、いろいろとツッコミどころが多いじゃないですか。
鉄砲のことだって、好き勝手にやる。
自分の都合で年貢を強奪する。どちらも許されることじゃないです。
でも、嫌いになれない。
それは、用之助の行動が、すべて直茂のために直結しているからなんです。

俺の鉄砲は芸じゃねぇ、直茂公を救うためのものだ。
俺はここでは死なない。直茂公と共にするならどんなことをしても生き残る。
こんな風に声が聞こえて……くるのは俺だけかなぁ。

865 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 21:19:32.41 ID:4l.L4a6o

>>832
薩摩藩(島津)は江戸時代も世紀末だったらしいな
先進的な長州とは偉い違いだ

866 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 21:19:56.41 ID:4l.L4a6o

>>832
薩摩藩(島津)は江戸時代も世紀末だったらしいな
先進的な長州とは偉い違いだ

867 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 21:29:25.00 ID:lFVK9xEo

　　　 ∧∧　　／佐賀鍋島扱うなら￣￣￣￣￣
　　　(,,ﾟДﾟ)＜　　俺を忘れるんじゃねえぞゴルァ！
　　 ⊂　　⊃　＼＿＿＿＿＿
　　～|　　|
　,,　　し`J

868 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 21:37:49.43 ID:hfaTLV2o

乙でんた
人間味あるアカギさんがいいなあ

869 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 21:40:11.65 ID:BZnkQUUo

>>864
おおむね>1さんの見解には同意なんですが、原作読むと個人的な感情とかじゃなくて
直茂公がある種の「代行者」って言うのもあるんじゃないかと思うんですよね
何の「代行者」なのかはネタバレになると思うので書きませんけど
これからの杢之助のトンデモ行動の理由らしき描写からの推定なんですけど

870 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 21:51:19.37 ID:hnBr4jYo

>>858

島津幕府ｗｗ　m9（＾Д＾）プギャー　とやる外道がいなかったからじゃね？

久光はかなり本気で自分が将軍になると思ってた。ｗｗ
自分の主君すらだますような連中がどんなえぐい外交するかといえば・・・

薩摩隼人？何それ食えるの？

871 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/05/17(日) 22:42:18.18 ID:13HiO9wo

乙でした
原作そのままだし、できたらナレーション部分をもっと減らして欲しいなぁ
もっと>>1の自分色やＡＡキャラの色出して貰った方が好きだな
原作レイプはあんまりだけど、そのまますぎてもちょと寂しい

872 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/05/17(日) 22:55:42.62 ID:vm9jZSg0

追いついたーって終わってたｗｗｗｗｗｗ
やらない夫はどうするんだこの後
アカギフリーダムすぐるｗｗｗｗｗｗ
作者さんのAAはおにぎり持ってるのか

873 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/17(日) 23:23:05.71 ID:PeiQk8Mo

>>858
これはあくまで理想だから。
鍋島の武士道は崩壊しちゃってたの。
で、それをいさめようとして葉隠れを編纂したわけだ。
上方武士様のチャラついた感じがきにいんねー、とｗｗ

効果はなかったとしか思えない＞葉隠れ
明治期に発掘されるまではね。

874 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/18(月) 00:15:24.00 ID:8lbf5OYo

今１番楽しみなスレ

875 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/18(月) 01:53:05.37 ID:ZDLJUDgo

>>858
そうはいっても
薩長閥以外から内閣総理大臣に最初になったのは
佐賀藩出身の大隈重信なんだぜ？

幕末にも名君が生まれるあたりが凄いっちゃ凄い
アームストロング砲マンセー

876 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/18(月) 08:08:37.23 ID:y48SqeUo

>>875
薩長土肥←調べてみよう。

薩長土肥は特別扱いうける側。
厳密に「薩長土肥以外、旧幕派」の首相は原敬。

877 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/18(月) 13:22:25.15 ID:0IXeHVoP

大隈重信は葉隠大嫌い

878 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/05/18(月) 14:38:58.05 ID:WdNAMmQ0

>>876
それを言ったら残る「土」なんて昭和になるまで総理出てないわけだがw
別に原が嫌いなわけじゃない。地元の人間だしな

879 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/18(月) 15:07:55.95 ID:awU0.YIo

>>758-762
先代の重政はかなり有能で、勝家と同じ事やっていながら幕府が尻尾をつかめなかったって
話もありますな。
領民は逃げられず、一揆も起こせなかったとか。

880 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/05/18(月) 18:08:47.52 ID:chTpOC20

隠れた名スレだなここ
葉隠読んでみたくなった

881 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/18(月) 21:20:03.01 ID:IvGKVrMo

杢之助でやる夫スレが立っているとは思ってなかった
伊豆ｗｗｗｗ

882 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/19(火) 01:58:11.56 ID:Vn.FXgIo

>>878
薩摩長州土佐肥前は要は利権獲得組なんだよ。
その代わり、無能でもこの4つの藩出身者は政府高官、高級官僚になれてたわけだｗｗ

883 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/19(火) 09:12:55.92 ID:yIwj9a6o

いいかげんスレ違い

884 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/19(火) 11:55:05.75 ID:sS220jIo

>>812
>家康からの会津征伐に応じる一方で、直茂は兵糧を大量に買い付けておいた。
>その手形を江戸の秀忠あてに送っている。
>家康ではなく、秀忠に、というのが外交センスの鋭さがみえて面白い。
アホなおいらに解説たのむ。

885 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/19(火) 14:00:01.66 ID:cAjz752o

>>884
家康本人にコネをつけるのも当然アリだけど、
家康の後継者にコネをつけるという発想は珍しい。
もちろん秀忠からは感謝されるだろうし、家康としても
「そうか徳川の支配が俺の死後も続くと思っているのか」
とまんざらでもないだろう。
そういう意味では効果的な投資と言える。ということじゃないかな？

886 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします ：2009/05/19(火) 15:01:33.06 ID:3Psy9Z20

>>879
島原藩の公称十万石ってのは、海外貿易の収入込みという話もあります。
じょじょに制限貿易が進められて収入が下がっていく中で、維持しようとしたら農村から
搾り取るしか道が残っていなかったと。

887 ：以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/19(火) 20:29:17.95 ID:Vn.FXgIo

>>885
しかも、家康は後継者秀忠に人望がないのが気がかりであった、と言うのもある。

人望がない息子が後継者だが・・・俺の次大丈夫かよｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
↓
息子に支援とかまじかｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
↓
大切にしてあげたほうがよくね？

となる可能性も存在する。
どっちかと言うと、当事の戦国大名には、官僚的センスの持ち主3男秀忠より、
戦国大名気質たっぷりの次男で養子に出した結城秀康のほうが人気あり。
隆慶作品でもその点が凄まじくデフォルメされて登場してる。

888 ：1 [saga]：2009/05/21(木) 00:50:45.82 ID:rFn0caMo

>>886 >>879
＞先代の重政はかなり有能
＞島原藩の公称十万石ってのは、海外貿易の収入込み
おっしゃるとおり。
あと、なんだかんだで勝家の父親であります、重政が政治家として有能な面も見逃せない。
・島原を港にした
・島原城を巨大化させる土木技術と先見性
・残酷な支配をためらわずにおこなう冷徹な判断力

もともと松倉家は大和からきた家柄です。筒井家の家臣でした。

>>884
まず前提は、直茂は、西軍・東軍どちらが勝っても、鍋島家を存続させようとしていた。
で、買った兵糧を家康に渡すこともできたでしょうが、秀忠にわたすことで、間接的に徳川に協力することになります。
この時点で天下の帰趨はどちらにころぶか誰にも判断できないですから。
あとは、>>885、>>887さんの言うとおりですね。

>>880
＞葉隠読んでみたくなった
ありがとうございます。
＞１はココがきっかけで隆慶読んでもらえるとうれしい。
『葉隠』をよんでもらえるようになると、涙が出るくらいうれしいです。

>>871
貴重なご意見ありがとうございます。
毎回、島原の乱みたいにフリーダムにできたら、とは思うのですが。
いつも話を考えながら、ここを変えちまったら隆慶っぽくなくなる！？
ここのエピソードははずしたくねぇ……
……と、格闘しながら考えております。

>>869
＞直茂公「代行者」
うん。これはいい表現ですね。
そうなんです。直茂がなんの代行するのか、またどうやって佐賀をまとめるかが、うまくせつめいすることが今の課題であります。

>>867
ゴメン。鍋島、ギコでぐぐればわかるかな？

889 ：1 [saga]：2009/05/21(木) 01:09:28.27 ID:rFn0caMo

>>858
ん～、若干ネタばらしですが、少しだけ。
山本常朝が現役の頃には、すでに佐賀の士風はだいぶ華奢になっていたんです。
・上方在中の武士が増えたことで、質実剛健からきらびやかなものが持てはやされるようになった。
・藩の外のものを登用することで、在郷の士はやる気が起きなくなった。
・享庵先生の見立て。男の脈から女脈の変化。
・藩の歴史に興味持つ人間が少なくなった。

これらを解決するために、山本常朝は田代陣基とともに葉隠を書こうとします。

>>857
福本伸行は「アカギに少し色気がほしい」って言ってたことがあります。
でも、福本作品は女っ気がほとんどないんですよね。
すっかり犯られ役となってしまった翠の子にも申し訳なくｗｗ

>>856
いえ、アウトドア派ではなく、ただ単に、この時代にはホテルがないからｗｗ
いや、ちょっと昔なんか、男と女なんてこんな感じですよ。

>>854
大事なお知らせ。
>>801の地図は、歴史系やる夫スレ避難所から拝借させていただきました。
この場をお借りしてあつくお礼申し上げます。

890 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/21(木) 02:28:02.29 ID:xHg/y0go

福本作品で女っ気つうとぱっと思い浮かぶので銀と金、辺ちゃんあたりだが、
それですら若干話に絡む程度なんだよな。

美心は福本作品中最も主人公と親密なヒロインということになるんだろうか。

891 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/21(木) 07:54:01.00 ID:2aniRIYo

完結までどれくらいかかるんだこれ。
島原まででもかなりかかったというのに
原作をいい具合に端折るのか？

892 ：ID:lFVK9xEo [sage]：2009/05/21(木) 19:12:53.65 ID:wrzeENso

>>888
○け猫のつもりｗｗ
昔原作読んだ後、未完になっている求馬ｖｓ光茂のパートに
化け猫騒動絡めた短編書いてお蔵入りさせたことがあるのは
我が黒歴史・・・orz

つーか、ネタばれしてないよね・・・

893 ：1 [saga]：2009/05/21(木) 20:55:19.89 ID:rFn0caMo

>>892
＞ネタバレ
ダイジョーブ！ネタバレうんぬんは、基本的に＞１の書き込みのことだと考えてくだされ。
みなさんが書き込むのはまったく問題ない。
＞１があんまし作品以外で先のことを話すのは、イカンよね。よね？

>>891
ごめん。実は、「書きたいことがいっぱいありすぎて、収拾が付かなくなってきている病」にかかりそうなんだわｗｗ
江戸時代おもすれー。
でも、「死ぬこと」の中でもいくつかのエピソードは端折るつもりではいる。
ただ、そのかわりに他のエピソードをガンガンぶち込む気でいるので、なんだか最初に考えていたよりも風呂敷がでっかくなったでござるｗｗｗ

>>890
いいねー、辺ちゃん。暇があったらＡＡ自作して登場させたいくらい好きなんだ。
福本作品の人情話も、世間はもうちょっと日の目を当たっていいと思うんだ、アタクシは。

ヒロインだったら、天の“嫁さんズ”もいますよー。＞１的にはそっちが好きかな。

894 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/21(木) 22:39:50.58 ID:HkG1Oggo

大風呂敷結構じゃないか
問題は畳み切れるかだ
マップスってマンガも大風呂敷まとめきって面白かった
そうなることを祈るぜ

895 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/21(木) 22:56:49.22 ID:2aniRIYo

原作は未完だけど、草稿が残っているんだったよね？
俺が読んだ全集単行本には載ってた

896 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/21(木) 23:51:58.20 ID:wrzeENso

>>895
杢ノ助の最期まではプロット残っているけど、求馬の最期は手付かずなんだぜ・・・
なんで、１がここをどう仕上げるのかすごく興味あるんだ
風呂敷きっちりたたんで、ここまで行き着いて欲しいぜ、マジで

897 ：1 [saga]：2009/05/22(金) 01:01:58.67 ID:X7daik2o

涼宮ハルヒの新作、マジで本当だったんだ。

いまテレ玉で七夕の話観てる

898 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/22(金) 01:56:45.91 ID:hfuStfYo

そりゃまあ、あの再構成で何も無かったら角川GHDの株価が大暴落だろうｗｗ

899 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/25(月) 18:43:34.42 ID:M0QLhTYo

ペースは週１くらい？

900 ：1 [saga]：2009/05/25(月) 23:33:14.54 ID:wfftl36o

昨日のやる夫で学ぶ柳生一族であった、直茂と元茂の話。

（聞書３の２７）

『直茂公は、孫である元茂公にこんな話をした。

「身分の上下に関係なく、時が来れば家も滅びるものよ。

そんなとき、滅ぼさないように防ごうとして無理すれば、かえって醜い滅び方をしてしまう。
つまり、滅亡が早まるってこと。

そうならないように、時が来たら、逆にあっさりと滅ぼしちゃった方がいいわ。

でもね、その方がかえって、再生があるかもしれないわね』

　　　　　　　　　　　　　　　　 __　__
　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　 _/　　　　　　ﾍ-､
　　　　　　　　　　　　〈/:::::::::::::::::::::::::::::V/
　　　　　　　　　　 /l::::/:::::,'::::::::i:::::l::!:ﾊ
　　　　　　　　　　 ~|::::l:::::/:::::::::l:::::l::i:!｣
　　　　　　　　　　　　　ヽ:{::::{:::::::::/:::/:::ﾘ
　　　　　　　　　　　　 , ィﾄ{八::::/リj/V-､
　　　　　　　　　　　　 {{ | |　　｀''　　 | l　}}　　　　　　　　　　　.　|ヽ　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　 {:',|└─‐‐─┘|//　　　　　　　　　　　　　|i |　　　　.　'　´ ￣｀⌒ヽ､　　　　
　　　　　　　　　　　　　{ﾍ￣￣￣￣ / :}　　　　　　　　.　　　　　|i |　　.／／ : : : : : : : ヾ.　＼　　　
　　　　　　　　　 , -―-ゝﾍ　　＿ノ　 {_/ ＿__　　　　　　　　　　 .|i | 　/ /: ; : { : :i: :i: :ヾ: :ヽ : ヽ　　
　　　　　　　　　{　　＞=入＿､_＿__人=＜　　ヽ　　　　　　　　　|i |　i ! {: /从,!: :!､从: :'. :| i: : :N 　
　　　　　　　　　ヽ　〃　　　`┴‐┴'´ 　ヽ　　 /　　　　　　　　　|i |　ﾚ!小ｌ●　V　 ●ﾚi : i: | i: i　　
　　　　　　　　　　＼|　　 /　　　　　 ',　　 |　／.∧　　　　　　　.(_ｰ'_) V:|l⊃　､_,､_,　⊂⊃j| | :|､|　
　　　　　　　　　　　ヾ_　{　　　　　　 }　　ﾚ′/隠',　　　　　 /⌒ヽ_ﾚﾍ　　ゝ._）メ | .'/⌒i､!　　
　　　　　　　　　　　　`ーゝ＿＿＿_」L=‐'　 /_.居__',　　　　　　＼ //: :ヽl＞,､ __,　イｊ, /　 /ﾐヽ　
　　　　　　　　　　【佐賀藩祖　鍋島直茂】　　　　　.　　　　　　 // : : : : : ヾ　 //: :/＼∧ヾ: :}　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　7: : : : : : : : ヾｙ/: : : : : : : i　ﾙﾉ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【勝茂の庶子　鍋島三平（のちの元茂）】

901 ：1 [saga]：2009/05/25(月) 23:38:34.27 ID:wfftl36o

次回はですね、うまくいけば、

５月２８日（木）　２０：００ごろ

をめどに行いたいと思います。

>>899　周一はちょっと難しい…かな、かな？
　　　　　だいたい10日から２週間をみていただければ。

>>896　杢之助、やらない夫、そしてやる夫の最後は、今の段階で、こんな風な最後にしよう、という案はあります。
　　　　　ま、そこまで行くのにはだいぶ先になりそうです。

902 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/26(火) 00:59:08.29 ID:PCxr6Vso

ハルヒの新作、途中まで見てつまらんかったから消したな

903 ：1 [saga]：2009/05/26(火) 02:14:04.36 ID:ZqMSw2so

柳生宗矩の話

　　　　　　　　　　　　_　　-───-　　 _
　　　　　　　 , 　'´　　　　　　　　　　　｀ヽ　　　　　　　　（聞書１の４５）
　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　
　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　『ある剣の達人が老後に語ったこと。
　　　　　　/　__, ィ_,-ｧ__,,　,,､　　, ､,,__ -ｧ-=彡ﾍ　ヽ　　　　
　　　　　 '　「　　　　　　´　{ハi′　　　　　　 }　 l　　　　　「人間の修行には段階がある。
　　　　　 |　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |　　　　
　　　　 |　 !　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |　　　　初期　自分でも下手と思い、相手も下手と思う。この分では役に立たない。
　　　　　 | │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　 !　　　　
　　　　　 |　|/ノ二__‐──ｧ　　ヽﾆニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ　　中の位　自分の下手さも相手の下手さもわかるようになる。
　　　　 /⌒!|　 =彳ｏ｡ﾄ￣ヽ　　　　　'´ !o_ｼ｀ヾ　| i/ ヽ !　　
　　　　 ! ハ!|　　ー─　'　　i　　!　　 `' 　 '' " 　 ||ヽ　l |　　上の位　すべてを会得して自慢もできる。他人の不十分さを嘆く。
　　　　| | /ヽ!　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　 |ヽ i　! 　　　ここまでくれば役に立つ。
　　　　ヽ { 　|　　　　　　 !　　　　　　　　　　　|ﾉ　 /
　　　　　ヽ　 |　　　　　　　 _ 　 ,､　　　　　　 !　, ′ 　　　上の上の位　わかっても知らん顔をしている。人も上手であると見ることができる。
　　　　　　＼ !　　　　　 '-ﾞ　‐ ﾞ　　　　　　　　レ' 　　　　　大体の者がたどり着くのはここまで。
　　　　　　　｀!　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　ヽ　　　　　ﾞ　￣　￣｀　　　　 / |
　　　　　　 |＼　　　　ー ─‐ 　　　 , ′ !
　　　　　　　 |　＼　　　　　　　　　／　　 |
　　　　　　_ -‐┤ ﾞ､　＼　　　　　／　 ! l　 |`ｰr─-　 _
　_　-‐ '"　　 / |　ﾞ､　　ヽ　＿___　 '´　　 '│　 !　 |　　　　　ﾞ''‐-　､,_

904 ：1 [saga]：2009/05/26(火) 02:16:19.06 ID:ZqMSw2so

　　　　　　＿＿__,....
　 ,. ‐';ﾆ"´ﾆイ:i!:､ヽ:.:｀ヽ､_　　　　　　　　　　しかし、その上のもう一段飛び越えると、なんとも言い難い境地が広がっている。
／.:／／／:.ｲ:.|:|:|i:.:ヽ:.､ヽ:､ヽ、
:.:／:/./:／/:|:.:|:!:|:|i:.:.:ﾞ,:.:.:.ﾘ:.ヽ＼　　　　　　　その道は、入れば入るほど、果ての見えない無限の世界だとわかる。
./:.:/:/:.:.//ハ:.:i:.:l:.:.i:.:.:i:.ヽ`:|:!:.:ヽヽ
:.:/.:/:.:./:.l!::.:.ﾊ:.V:.;､:i:.:.|:.:.ヽ|:.i:.i:.:.',:.ﾞ:,　　　　　これでいい、なんて思うこともできなくなる。
/l!:/.:.:/|!.|:.:./ハ:',:|:ヽ:､|!:.:.:.ﾊ:.||:.',:.i:､:',
!|l,:!:.:.:.:|.| |ﾚ/∧:l:ﾒ!:.ヽ:.:|:.|/:.i:.ﾘ:､',:|:.i:.i　　　　自分の不十分さがよくわかっていて、これで完成したなどおもわなくなり、
:|l.|:.:.:.:|!.:|:.//￢i:.{‐､.:|.ﾄ､:l:|､:.!:.:.i:ヽ|:.|:|　　　　驕りも起さず、卑下する心もなくなり、ただ進んでいくのみである。
i:.:| |:.:.|l:.:.l/ィ示ヽﾐ　!.ﾒ| 〉ヽ!:|_!:.|:i.:Ｎ:.|
:.:.l!:l､.:.:l､:l｀ヽ::ﾉ_, '　ﾘ　|i |.,.ｨl､.|::!||:.ﾒ:ﾘ　　　　柳生殿は申された。
､:.l!.Ｎ､:い!.　　　　　　 !く:::ｿ } |:.:|/:/　　　　「人に勝つ道は知らない、自分に勝つ道を知ることができた」
!:i､.i!ﾘヽ!　　　　　　　　 , ｀~　/|:ﾉ:/
:.i|:iN　　`　　　　　　.:　ノ　　/:!ﾚ/′　　　　今日は昨日より上手に、明日は今日より上手になる、と言うようにして、
:､l:|ﾊ　　　　　､＿___　　　　/::i/'′　　　　　一生を費やして毎日仕上げることが道である』
小|　ヽ　　　　｀''ｰ‐`''　／|/l
:.:ﾄヽ　＼　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　 r‐-､r‐-､r‐-､r‐-､
Ｎ|｀ヽ　　ヽ､　　,　'´　　　　　　┌───────┤ 　||　　||　　||_..._|‐───────┐
｀`'''‐- ..,_　　 iT"´ 　　　　　　　| ｰ──────‐ |_...._||　　||_...._|ヽ_,ﾉ. ─────── |
､_　　　　｀`''‐N､　　　　　　　　　 |　剣禅一致　　　　.ヽ_,.ﾉ|.-‐.|ヽ_,ﾉ　　　　　　　　　　 |
　｀ヽ､　　　　　 i　　　　　　　　　　| ─────────. `ー' ー‐─────────‐ |
､　　　｀ヽ、　　 | 　　　　　　　　　| 　　　　　　　　　　　　　：　　　　　　　　　　　　　　　　 |
､｀ヽ、　　＼　 |　　　　　　　　　　| ──────────‐ ：. ──────────‐ |
　＼＼　　　ヽ.|ヽ　　　　　　　　　| 　　　　　　　　　　　　　　：　　　　　　　　　　　　　　　|
　　ヽ　ヽ　　　| 　＼　　　　　| ──────────‐ ：. ──────────‐ |
【徳川家剣術指南役　柳生但馬守宗矩】　

905 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/26(火) 05:37:49.44 ID:VOyTGugo

この宗矩は間違いなく隆慶のヘタレ黒宗矩だｗｗ

906 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/26(火) 05:48:31.43 ID:EC9oxfko

挑み甲斐のある立派さ……刃牙ならアイアン・マイク級

907 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/26(火) 21:36:12.85 ID:6cLVoVY0

　どもども。
柳生スレでアリマス。

　件の箇所のご紹介、ありがとうございます。
やっぱり「葉隠」に載ってたので砂。
行った先の本屋で「葉隠」の中・下が残ってて、上だけ無いという有様だったので、
「こりゃ上にだけ載ってそう」と思ってたら予想通りで砂。うひい。

>>904
　本スレの宗矩が無闇に苦労人と化してるので、
伝奇作品スレでは思う存分暗黒ヘタレ宗矩を描きたいところでアリマス。
つか、月とかルルーシュとかAAの相性良すぎ。

908 ：1 [saga]：2009/05/27(水) 00:51:33.67 ID:gGL7z2co

柳生さんどうもです。

この前、元茂について調べようとネットで回ってたら、全然いいところ見当たらなくて。
やっと見つけたと思ったら、柳生さんのＨＰでした。
あんたはスゲエェ！どんだけ柳生ＬＯＶＥなんだ。

教訓よりも、葉隠武士のエピソードを読んでもらいたいアタクシには、中・下巻はオススメですぜ。

あと、月は全剣客入場で使われていたんで、止めよっかなー、ともおったのですが。
・デスノート所有
・表と裏の顔の差がはげしい
・適度に優秀でヘタレ

こんだけピッタリな人、我らのアイドル暗黒宗矩にほっとけないじゃないですか！

909 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/28(木) 12:31:02.09 ID:I/rbETEo

>>907
気持ち悪い語尾を使うなｶｽ

910 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/28(木) 17:42:44.80 ID:BtPbBEEo

そういう>>909は、クグレカスみたいな感じの語尾なのカス？

なかなかしっくりこないでありますでカス。

911 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 19:52:20.05 ID:paIhi0go

テンプレ案

このお話は、『死ぬことと見つけたり』をテキストに『葉隠』を読み解いていくスレです。

○内容は伝奇よりな部分もあります。

○原作者、元ネタの登場人物を不当におとしめるつもりは一切ありません。

やる夫が葉隠武士になるようです　聞書１
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1238160451/

原作　『葉隠』　山本常朝・田代陣基
　　　　『死ぬことと見つけたり』　　隆慶一郎

キャスト

やる夫　　　　　　　佐賀の浪人　　　（パー速でやる夫）
中野やらない夫　　やる夫の友人。勝茂近習　　（パー速でやらない夫）
斎藤杢之助　　　　常に死人たらんとするいくさ人　　（赤木しげる『アカギ』）
お勇　　　　　　　　杢之助の妻　　（翠星石『ローゼンメイデン』）
やる夫の犬　　　　やる夫につきそう　　（シロ『クレヨンしんちゃん』）
斎藤用之助　　　　故人。杢之助の父。したたかないくさ人　　（平井銀二『銀と金』）
中野将監　　　　　故人。やらない夫の父。忠義の人　　　（できる夫）
大野上那　　　　　大野兄弟の兄貴。騒がしい男　　（カミナ『天元突破グレンラガン』）
大野志門　　　　　大野兄弟の弟。内気な青年　　　（シモン『天元突破グレンラガン』）
野村源左衛門　　浪人組。　　　　　　　　（空条承太郎『ジョジョの奇妙な冒険第３部』）

【鍋島家】
鍋島勝茂　　　　　初代佐賀藩主。剛毅　　（キョン『涼宮ハルヒの憂鬱』）
鍋島直茂　　　　　故人。佐賀藩の藩祖。名君　（涼宮ハルヒ『涼宮ハルヒの憂鬱』）
鍋島元茂　　　　　勝茂の子。佐賀支藩　小城藩主　　（緋村剣心『るろうに剣心』）
鍋島直澄　　　　　勝茂の３男。佐賀支藩　蓮池藩主　（朝倉涼子『涼宮ハルヒの憂鬱』）
多久美作守　　　　老獪な佐賀藩家老　　（利根川『賭博黙示録カイジ』）
土山五郎衛門　　江戸番役の側近　　　　　（古泉一樹『涼宮ハルヒの憂鬱』）

【徳川家】
徳川秀忠　　　　　故人。徳川幕府２代将軍　　　　　　　　（シュナイゼル『コードギアス―反逆のルルーシュ―』）
松平信綱　　　　　知恵伊豆の異名を持つ老中　　（ルルーシュ『コードギアス―反逆のルルーシュ―』）
酒井忠勝　　　　　讃岐守。信綱の行動をけん制する　　（ヤン・ウェンリー『銀河英雄伝説』）
捨丸　　　　　　　　忠勝の息子、忠朝。　　　　　　　　　（ユリアン・ミンツ『銀河英雄伝説』）
水野成貞　　　　　出雲守。旗本奴を率いる無頼　　　　（オリビエ・ポプラン
一心太助　　　　　江戸の町人。捨丸と行動を共にする　　　

？？？？　　　　　やる夫の祖父。　　　　　　　（オプーナー）

阿部さん　　　　　　葉隠の解説　　　（阿部高和『くそみそテクニック』）

912 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 19:59:49.62 ID:paIhi0go

それでははじめましょう。

９８０になったら新スレへいきます。

今日もよろしくお願いします。

913 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:00:33.23 ID:paIhi0go

　　　　　　　　　 , '´ ￣￣ ` ､
　　　　　　　　　　i　r-ｰ-┬-‐､i 　　　　　ごきげんよう、イイ男です。
　　　　　　　　　|　|,,＿　＿,{|
　　　　　　　　　　Ｎ| "ﾟ'`　{"ﾟ｀lﾘ　　　　　このスレは、隆慶一郎『死ぬことと見つけたり』をテキストに、　　　　　
　　　　　　　　ﾄ.i 　 ,__''_　 ! 　　　　　『葉隠』を読み解いていくやる夫スレだと思ってくれ。
　　　　　　　　／i/ l＼ー .ｲ|､
　　　　,.､-　￣/ 　|　ｌ　￣ / |　|` ┬-､　原作リスペクトですすめて行くが、内容や解釈が異なる場合もある。
　　 /　ヽ.　/ 　　ト-` ､ノ- |　 l　　l　ヽ. そこは穏便になって了承してもらいたい。
　　/　　　 ∨ 　　　l 　　|!　 | 　｀>　|　　i
　 /　　　　 |｀二^>　ｌ.　　|　 |　＜＿_,|　　|　では、いいかな？
＿|　　　　 |.|-<　　　＼ i　/　,イ_＿__!／＼
　 .|　　　　　{.|　 ` - ､ ,.---ｧ^!　| 　　 |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣l
＿_{ 　　＿__|└―ｰ／　￣´ |ヽ |＿__ﾉ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|
　　｝／ -=　ヽ__ - 'ヽ　 -‐　,r'ﾞ　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
＿_fﾞ/／￣￣　　　　　＿　-'　　　　 |＿＿＿＿＿ ,. - ￣　＼＿＿__|
　　| |　　- ￣　　　／　　　| 　　 _　|￣￣￣￣／　　　　　　＼　￣|
＿__`＼＿＿　／　　　　＿l -￣　 l＿＿_　／　　　, /　　　　ヽi＿__.|
￣￣￣　　　 |　　　 _ 二 =〒￣　｝￣／　　　　　l |　　　　　　!￣￣|
＿＿＿＿＿__l　　　　　　 -ヾ￣　　l／　　　　　　l|　　　　　 |＿＿_|

914 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:01:38.41 ID:paIhi0go

　　　〃　　　　　　　　　 i,　　　　　　　今日の余談はさっくりと終わらせようと思う。
　　　r' 　ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈
　　 !　　:l　　　　　　,ﾘ|}　　　 |. }　　　　　　　その分、本編に組み入れる形をとったから。
.　　 {. 　 |　　　　　 ′　　 | }
　　ﾚ-､{∠ﾆ'＝=ｧ　､=＝ﾆゞ<　　　　　　　次のはいわゆる、浅野内匠頭による殿中刃傷事件を
　　 !∩|.}. '__＿ﾞ`　　 ./'_＿` f＾|　　　　　　　を記したものだ。
　　　ｌ（( ﾞ′｀￣'"　　 f::`￣'　|l.|
.　　ヽ.ヽ　　　　　　 {:.　　　ｌﾘ　　　　　　　忠臣蔵のことは後でふれるぞ。
.　　　 }.iｰi　　　　 ^ r'　　　 ,'
　　　 !|　ヽ.　　ｰ=＝=- 　 /
.　　／}　　＼　　ｰ‐ 　 ,ｲ
　__/　∥　 .　　ヽ､＿!__／:::|＼

　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　-　－　-　_　　　　　　　（聞書１０の１０７）
　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ、　　　『元禄１４年（１７０１年）３月１４日
　　　　　　　　　　　　　　 /::/￢ｰ-ｧy､_::::::::::::::::::::ヽ　　　殿中において、吉良上野介を浅野内匠頭が討ちとったこと。
　　　　　　　　　　　　　 ./::/　　　　　〃/～=y､_:::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　 _/::/r;‐-...._　, （{ハ　　 `ｰ1:::!　　吉良は高家役で浅野は公家衆の御馳走役であった。
　　　　　　　　　　　 /ri｀ﾘ　ﾞ'=ミﾆ､f′ {ﾄ､　　　　 j::::{
　　　　　　　　　　　{　ﾉv　　　　｀/　　"ﾐ_-ﾐ丶､ j:::::i　　上野介は手傷２ヶ所浅手である。　
　　　　　　　　　　　い/　　　　ノ　　　｀ﾞヾﾐ｀ｰ!_:/´
　　　　　　　　　　　　} ' 　　　 'っ;:､}　　　　 /厶　　　梶川与惣兵衛が浅野を抱きとめた。
　　　　　　　　　　ｿ　　　辷ｰ-､　　　　 ,ハ}
　　　　　　　　　　ハ　　　　、｀ヾ‐　　　 /ﾆﾉ　　　　吉良は平川口より屋敷へ帰り、
　　　　　　　　　　ｉ　ﾍ　　　　｀'　"　　　　厶:公　　　　　浅野も田村右京大輔（御奏者番）へお預け、その晩、切腹。
　　　　　 ───- !　 i ヽ　　 /　　　　　／〃ﾌ
　　　　　　　　　 ) / 　 !　｀‐-　..＿,　イ　ハ/　　　　　このことが大下馬の家臣に伝わらないうちに、
　　　　　｀丶､　　　　 |　　　　　　　 /　　/、　　　　　　　吉良、浅野の両屋敷へ目付が出向き、家中を鎮め、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　供の者たちはすべてが済んでから次第を聞いて帰ったと言う』

915 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:02:16.46 ID:paIhi0go

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -‐''"´￣　｀　｀''ヽ=､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　　『元禄１５年１２月１５日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r（:::::::::::::::::,、_ｨ:::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　r‐､　　 r‐､　　　　_,,,_　ゞ, ｒｒ～ヅ　　ﾐ::::::::::::::::::::::::::::::　　　浅野浪人４７人が吉良の本庄屋敷へ夜討をかけた。
　　　　　　　　　 _,,_ 　　　　ヽ　ヽ　 !　l　　 / / !　ﾌﾊ　　　　　　ﾐ:::::::::::::::::::::::::::
　　　　 __,,-r‐' ,r''''ヽ.　_,,,,_ ヽr' ヽ !'´ !　　!　! ｌ　　l　__,,.　-─￢,〈::::::::::::::::::::::::::　　同１６年２月４日
　　　　./´ ;　 ,'　　　　/｝ l､r‐､! >　　l　　!　 !　! l__＿〉ﾞﾞ`'''Tjフ￣　ヽ::::::,ｨ ,､ヽ:::
　 ______!　 ;　,'　　　　/　}_`l¨''__>､____l_／¨ヽ!　l l _. / 　　,.‐'"　　　 }:::/ /ヽﾊ::::　　　浪人全員、死罪』
／/7X/ !　　, 　　 /　｛XXXXXXXX!____,ﾉ　!　 !l__/.. 　　　　　　　"´　２ﾉ/ l:::
ヽーｰi '　　,　　　 / 　ヾ''''''i'''''''''''''''''''',r'’　/i　l. ヽ.ﾆ,｀　　　　　　　　　 __／　:l::
　　　 !　　,　　　,r''' _,,-"´　l　　 , ' /　　　 ! i　!.! 　 'ｰr_‐;ｧ　　　　　　ｨ　　　　l:::
　　 ,/　　,　　 _!,,／　　　　ヽ _　　　　､__,ノ`:L,!」　　〈..　　　　　　　 /:{　　　ヽ
　 /'　　　　　　 ;!　　　　　　　 `ｰ-､` ､ヽ　　＼､　｀}　　　　　／::　!　i'''‐‐‐‐-　　それでは、今日も……
/´　　　　　　　;!　　　　　　　　　　 `ヽ､ヽヽ　　　｀＼丶、,､. イ::::::　　　 !　_,, -
　　　　　 .　　 ;!　　　　　　　　　　丶,　　　_,,-‐'''''''''''`ヽヽ　∠_　　　　　`､
　　　　　　:　　 ;!　　　　　　　　　　　　　　 ',,r''´　　　　　　　　ヽ､　ヽ、　　　　＼
　　　　　　:　　　;!　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　ヽ　　ヽ

　　　　　 ,.　-‐-─--　、
.　　　／　　　　　　 `ｰ､
　　　〃　　　　　　　　　 i,　　　　 ,.　-‐
　　　r' 　ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈　　　　／
　　 !　　:l　　　　　　,ﾘ|}　　　 |. }　　　/　　 .や
.　　 {. 　 |　　　　　 ′　　 | }　　 l
　　ﾚ-､{∠ﾆ'＝=ｧ　､=＝ﾆゞ<　　 |　　　ら
　　 !∩|.}. '"旬ﾞ`　　 ./''旬 ` f＾|　　 |
　　　ｌ（( ﾞ′｀￣'"　　 f::`￣　 |l.|　　　| 　　な
.　　ヽ.ヽ　　　　　　 {:.　　　ｌﾘ　　 |
.　　　 }.iｰi　　　　 ^ r'　　　 ,'　　　ノ　　　い
　　　 !|　ヽ.　　ｰ=＝=- 　 /　　 ⌒ヽ
.　　／}　　＼　　ｰ‐ 　 ,ｲ　　　　　 l　　か
　__/　∥　 .　　ヽ､＿!__／:::|＼　　　ヽ
　/i 　 |!　　i　　　　　 :;::;:::::::ﾄ､ヽｰ-　　　 ` ー--
　│　.|　 i　l　　　　ノ ,'　　 :ｉ　 i
　ﾉ　 |- ⊥.｣__　　　 /_,.　-‐ |　 |

916 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/28(木) 20:02:19.66 ID:FABmbsAo

忠臣蔵か

917 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:02:38.95 ID:paIhi0go

第８話

佐賀の町は祭りのように爆発した。

;:ﾐx_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　こ三三三ﾐxﾉ〆【0{iIIIi}0】圭圭ミミxﾟ*'_‰.,_　　　;|　|
; ;: ﾐx,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三彡'"ミxﾍヘメ州iIi州Xx三三三ミﾐx,_　　　　 ,|　|
;;: ;; ;;ﾐx,_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,。o *"//　rｭ川川川ヾx oヾミミx､ oﾟ　　　㌍=|　|
; ;:; ;:; ;:; ;ﾐx､　　　　　　　*''"　　　　*''"　　　*''"　　　　　　。o　〃0　/ﾟ|||||ヾx 0 c *ミx､ oﾟ　　　　　　 |　|
;:; ;:; ;:; ;:; ;:;;:ﾞﾐ　　　　　　　　　*''"　　　*''"　　　　　　　　　　　.o　〃〃 ||ﾄ､ヾx､　ヾ　○。　　　　　　 |　|
;:;;: ;:; ;:; ;:;; ;:;;:;ｼ　　　　　　　　　　　＼!：i／　　　　　　　　　　　　○ 。o.ﾟ.ii ヾ。ヾo　ﾟ o　　　　　　　　　|　|
;:; ;:;: ;;: ;: ;:;:; ;:;;:ﾞﾐx　　　　　　　　━…※…━　　　　　　　　　　　　''　ﾟﾉ小ヾ　ヾ'　　　　　　　　　　　 |　|
; ;: ;: ;:; ;:;:; ;:;;: ;:; ;:;;i!　　　　　　　　／ii：ii＼　　　　　　　　　　　　　　　　 ┃　　　　　　　　　　　　　　 _|　|
;:; ;:;:;:;:;;: :;;; ;:;;:; ;:; ;:;ﾐx,.,,__　　　　　　　　　∩　／）　　　　　　　　　i┃i　　　　　　　　　　　　　＿|+|　|
; ;:; ;:; ;:;;:;;; ;:;:; ;:; ;:;:; ;:;:;; ;:;ヽ,._　　　　　　　　 | |／／　　　　　　　　　　　　i：i　　　　　　　　　　　　　|IIIIIII|　|
;:; ;:; ;:; ;:; ;:; ;:;:; ;:;;: ;;;:; ;:;;:; ;:;:ﾐ"　　　　　　　 | |｀´　　　　　　　　　　　　　 :；:　　　　　　　　　　　　　｀￢=|　|
三ミx; ;:;;: ;:;; ;:;; ; ;:; ;:;:;:;r''`'"　　　　　　　　 | |　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,.､,､_　　　　　　　　　　　 |　|
川川ﾐ;:;; ;:; ;:; ;:;:;:; ;r'"~|＼＼__,,,...､､,,,_　　　 | |　　　　　　 _,､..ｨ､　　　　　　ｲ;::::::::.:.ヽ　　　　　　　　　　　,|　|
川川||~{|ii|`"`|i|`~|,,.,.,,|　 |　||　　　　＼　　| |　　　　　 ,f::::::::::::ﾐ;　　　　　 i!;:.:.:.:.:.:.:.i!　　　　　　　　[i{|　|
川川||"~"`"''"'"~"~"~"'''-､||,.,_,.,_　　　|　　| |　　 n　　ﾐ;:::::::::::::;i!　　　　　ゞ;:;:;:;:;:;ﾐ　　　　　　　　　　　 |　|
川川ﾘ_;:; ;:;; ;:; ;:; ;:; ;:; ;:; ;:; ;:; ;:; ;:;:;:;"'''-､|￣ii| |,､-'"ﾞヽ､. _ゞ==ﾐｼ　　　　　＿rﾉ::l::!ｲ､_　　　　　　　　　　 |　|
り / 　ヽ;: ;:; ;:; ;:;:;:; ;:;:;:;: ;:; ;:; ;:;:; ;:; ;:; ;;:;:~"'-､|,_　　　／　　　　＼ー-.､/　　　　　　　＼　　　　 ⊆⊇㌍|　|　＿＿r─────
／　, -　|;:;: ;:; ;:;:; ; ;:;ｨｨｨｫx､; ;; ;:;: ;:; ;:;:; ;:; ;:; ;:; ;:"'-､/ 〆　　　r多ヽ:;::/　　､　　　　　　| ＼　　　　　　 :|　|／＿＿|,.,_,._,.,,.,,,.,_,.,_,.
　 ,/　　|; ;:; ;:; ;: ;:;:;i!川川lﾘ;: ;:; ;:; ;:;; ;:;;: ;:; ;:; ;:; ;:; :/ /　　　〃　　|;:;|　　 |　　　　 _/ 　 |＿＿＿_0=x_|　|／三三i!x升卅从从≦x､
　i|　　　i|;: ;:;; ;:; ;:; ;:;ﾘlil!l||liﾘ;:; ;:;; ;:; :;:;; ;:;;: ;:;;:;: ;:;_ノ　|＿＿＿|!　　..:|;:;|＿＿|＿＿/爪|　　 |三三三ミ>　||　|三三,;xﾐ从㌧x㍉爻㌧x㍉x､
　|＿＿__）;: ;:; ;:; ;:;: ;:}刈i!fﾘ､l;; ; ;; ;:; ;:;:; ;:;;:; ; ／　　.:|包包包|＿＿,|;:/＿＿|三彡ﾘ川! 　 /[]　 []_　| 　 ;i|　|;:; ;:;:;x㍉恋㌧x㍉㌧x㍉恋㌧x
　　|　　|;: ;:;:; ;:; ;:;ノ　　　　　＼; ;:; ;:; ;:;:; ;; ;:;|　 rっ .|包包包|　　　|/ 　　 |三彡ｼ川|　　ヽ　　f:::i!..| 　 ;i|　|;:; ;:㍉恋㌧x㍉㌧x㍉恋㌧x㍉ﾒ
　　|　　|;:;; ;:;:; ;:;/　r　　　　　　|ヽ;:; ;:; ;: ;: ;:; ヽ. ﾚ'　 }￣￣￣＼f三i!　　 /￣￣￣￣:|＿＿） /,￣＼　..:::|　|;:;x㍉恋㌧x㍉㌧x㍉恋㌧x㍉爻ﾒ
￣::|　　|￣[]￣:|　ﾄ､＿__r─イ　|; ;: ;:; ;:;:; ;:;: ;:|　　:|　　　　　　|　 |7　 :|　　　　　 :|　　　　|_| 　 |_|　..::|　|;㍉恋㌧x㍉㌧x㍉恋㌧x㍉恋x刈ﾒ
　　|　　|　 []　 :|　 |青春謳歌|_ノ;:; ;:; ;:; ; ;: ;;: ;|　　 :|　　　　　　|　 |ヽ_ノ! 　　　　 :|ｨ窄ｨ窄!.| ￣|,!　　:|　|ﾒ恋㌧x㍉㌧x㍉恋㌧x㍉恋㌧㍉爻x

918 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:03:07.47 ID:paIhi0go

みなが耕作の家に集まり、杢之助とお勇の祝言のために歌い、踊り、飲みながらはしゃぎまくった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. -‐＝=､､
　　　　　　　　　　　　 ,. =＝=､､　ｏ　 ○o. 　i 　　　　 :::ト､
　　　　　　　　　　　_,/ 　　　｀ヾ´´`ヽ、　ﾟ　.ｌ　　　　:::ﾄ､＼
　　　　　　　　　　 // 　　　　 .::::/　　:::::!=＝=l　　　　　 :::|ｽ.　',
　　　　　　　 /./ 　　　 .::::/　　 ::::l　　　 |　 __ ..... _::::|} ヽ l-､
. 　　　　　 ,ｨｸ ,'..__ 　　　.::::/ 　　 ::::l　　　 :l '´　　　　｀)'｀ヽヾ;＼
　　　　　　／::{ﾞ　ヽ、｀`丶､;/‐‐- ､::::l　　　 `'::┬‐--＜_ 　 } ./;:::::＼
　　　　　／::::::::!　　 ,＞---‐'ﾞｰ- ...__)ｲ　,.　-‐‐-､ﾄ､　　 |l::ヽ／;';';';';::::＼
. 　　／|::::::;';';'＼／｝　（ヽ、　　_/| 　 (´　　　 _,.ｨ!::ヽ. 　ヾｰ'´;';';';';';';';';:: /ヽ、
　　／ ,ﾉ:::;';';';';';';';';'/　 /ヽ､二ﾆ-ｲ　　ヾT　¨´ ,/;';';::`、.　＼';';';';';';';';';';〈::...
.　／　 i::;';';';';';';';';';'/　,ｲ.:::::::::::::::::: !　　　ヽ`ｰ‐'";';';';';';';ヽ　　＼';';';';';';';';';!:::::

　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／＼　　／＼　　　　　　　／へ
　　　　　　　　／（ ●）　（●）＼　　　　 <´ ゞ／
　　　　　　　／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼　　／〆<ソ
　　　　　 |　　　　　|r┬-|　　　　　|／／／
　　　　　　∧ 　　　 |　|　 |　　　／／／
　　　　　　(　＼　　　／⌒`ヽ／／／ミヽ
　　　　　　　＼　＼＜　　　／／／＼／　｝　　ベンベンベンベベベン
　　　　　　　　,ヘ　＼_∩ノ＾）／　｝_＿.／
　　　　　　　｛　　＼_＿,,＿_ﾉ　　ノ
　　　　　　　　ﾍ　　　　　ヾゝ　/´
　　　　　　　　　＼　　：ﾟ¨ﾟ：　／ヽ
　　　　　　　　　　　`ｰ--‐一′ 　＼
　　　　　　　　　　　　/　　　／＼　　＼
　　　　　　　　　　／　　／　　　＼　＼
　　　　　　　　　／　　／　　　　　　＼　　ヽ
丿⌒￣￣￣⌒　　／　　ノ⌒￣￣￣　　　丿
|＿つ￣￣￣￣￣　　　　|＿つ￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　_＿_
　　　　　　　　　 _, -' ´_＿＿＼
　　　　　　 ,　 '´ _,-'´, -――- ゝ、
　　　　　／　 .／／　　　　　ｌﾄ、＼
　　　　　＼__/　/l　/　／　 , /l'|　ﾄ､l ',
　　　　　　 l |　/ ｌ/|７ニイ´/〃| -Ｌ.l　!
　　　　　　l |　l　|　-―　 / /　―-｣　|
　　ﾐ　ﾐ　　ｌ |　l　!　z=≡　 '　　≡z.! /!l　　　　ﾐ　ﾐ　ﾐ
　/⌒)⌒)⌒.ﾊ :_ﾄ:とつ　＼＼＼ C V 　　　/⌒)⌒)⌒)　　あひゃっひゃっひゃっひゃ
　|　/　/　/: ｌヽ:| 　＼ヽ　＿＿,.　　}l　(⌒)/　/ / /／
　|　:::::::::::(⌒) : :}＼　　/　　　1　／/　ゝ　　:::::::::::/
　|　　　　　ノヽ lY ｀　{_　　_,ﾉイ|://　　/　　）　　/
　ヽ　　　　/　　ﾍ :;ｨ´ {Ｘ}i　　　 l/!' 　 /　　　／　　バ
　　|　　　　|　　 l||l　从人 l||l.!::|ｲ:::ヽ_./ l||l 从人 l||lバ　ン
　　ヽ　　　 -一''''''"~~｀`'ー--､/:::::ｲ;　 -一'''''''ー-､ン
　　　ヽ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　):::/}　 (⌒＿(⌒)⌒)⌒))
　　　　　　　【杢之助の妻　お勇】

919 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:03:44.13 ID:paIhi0go

　　/ ／.:/.: 　 i.:.:.:l.:.:.:l.:.:.:/ l.:.:.:.:.:.:｀`´.:.:.:.:.:.: |.:.:.､.:.:.:.＼
　　 l.:.:./ .:.:　.|.:.:.:l..:/l.:.:/　|.:/l.:.:.l.:l.:.ﾄ､.:.:.:.:. |.:.:.:.＼￣
　　./.:./ :. :.: :|.:.:.:l/ .l.:/　 |/　l.:.:N.::.|__＼.:.::|.:.:.:.:.:.:l 　
　 /.:./ .: .:.:.: :|.:.:.:仁l/二ﾆ　　l.:仁l:/=== ヽ:!.:.:.|＼|
　 l:/.l.:.:.:.:.:.:. .ﾄ､.:.l ﾃ示ﾐヽ1 Ll/ l 「戍ﾃﾐ　lﾄV
　　　l.:.:/l .:　ﾊ:lN{　辷ｿﾉ ! 「￣l |弋辷ｿ　l1 l　　
　　　l:/　l.:/　　 lL_ ＿＿ノ　 ,　　ヽ _二ノ.:.:.　　
　　　　 l/　､__',　　　　　　　　　　　 /　.:.:.
　　　　　　　　ヽ　　　　　r‐‐ｯ　　　/.　　　　　　　「な、なんだか自分がここにいるのが場違いな気がしてきたよ」
　　　　　　　　入　　　　　　　 ,..ｲ.:.　　　　　
　　　　　　.　'´　i.:.＼＞ -- ＜/
　　　　／　　　 |.:.／＼　　ノ.:
　　　　　　　　　　【お勇の父　耕作】

　　　　　　　'´,＞〃　　　ノ　｀⌒ｰz
　　　　　／〃　　　　　　　　　　ゝ.
　　　　〃,／, 〃　　　　　　_　　　ﾍ
　　　　　 |〃/ ,〃〃 ,､,､､　,　　　ヾ'|
　　　　　　/ /,〃 ,.ヘヽ_,ゝﾍ{ ヾ　ヾ　|
　　　　　l/ / ,.く　 /＞‐｡ｧヽ'ト､ヾ' i
　　　　　　 |/　　>ヾ￣´　　 |'ト||ヾ |
　　　　　　　　　／　　　　　 |l〃ヾ|
　　　　　　　　∠-‐フ　　＿,　/ ヽ.ヾ'｣　　　　　「フッ……ここは貴方の家ですよ。御義父上」
　　　　　　　　　　｀￣匚, 　 /　　　>'＾ヽ._
　　　　　　　　　　　　　　/　 /　　／　　　|
　　　　　　　　　　　 '―ﾍ　／　　　　人
　　　　　　　　　　　　　　／冫′　　　／ミﾐ＼
　　　　　　　　　　　　　/|　|＼　　　.／ミミミミ
　　　　　　　　　　　　／|,ヽﾉ! 　＼／
　　　　　　　　【佐賀浪人　斎藤杢之助】

920 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:04:12.71 ID:paIhi0go

　　　　　　　　　 __ 　 -─-　_
　　　　　　 -=ニ二::::::::::::::::::::::::::::_＞
　　　　　　　／:::::::::::::___:::::::::::::::::｀７
　　　　　　　　／::::::::::::::::f┴‐ﾍ::::::::::::::厶
　　　　　 ∠ イ::::::::ｉ:::::::|_,.∠､ﾍ:::-､:::::/
　　　　　　 |:::::::::|ｌ:::ﾄ〈　　 } Ⅵ }::/
　　　　　　　 lハ::::|｢｀Y、 ¨´:::::　｀y'´￣￣｀i　　　「アハハ。こうしてあらためて父と言われちゃうと、やっぱり照れますねぇ」
　　　　　　　ヽ个‐'　_ .ィ　 //　/／　　ヽ
　　　　　　　　 V ﾉ＞､__.. </　 '　　　　　{　r匀ﾙ
　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　　　　　　∨l::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　}ｌ::|
.　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　　|l::|
　　　　　　　　　　　　　　　 ′ 　　　　　 |l::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　　　　　/　　　 |l::|
　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 /　　　 |l::|

これほどまでに杢之助の人気が上がったのは、島原の乱での論功行賞に決着がついたからだ。

　　　∧,＿∧　♪　　　♪　∧,＿∧
　 (( (　　　　)　　　　　　　 (´･ω･`) ))
♪　 /　　　　) ))　♪　　(( (　つ　ヽ、　　　♪　　
　(( ( 　(　　〈　　　　　　　　〉とノ　)))
　　 (＿)^ヽ__）　　　　　　（__ノ^(＿)

921 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/28(木) 20:04:53.81 ID:FABmbsAo

翠の子が豪傑すぎるｗｗ

922 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:05:16.01 ID:paIhi0go

　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　　　|　　　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　|　　　　（__人__）
　　　　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　中野やらない夫は、２００石の加増に加えて近習にとりたて。
　　　　　　　　 |　　　　　　　 }
　　　　　　　　ヽ　　　　　　 }
　　　　　　　　　　　ヽ､.,＿＿ __ノ
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::
　　　　　　　【近習　中野やらない夫】

　　　　　　-､ｰ- ､
　　　_.　-─-ゝ　　Ｙ ⌒,.Ｚ.._
　　　 ,.＞　　　　　　　　　＜｀
　 ∠.._　　　　　　 ,　　　　　ヽ
.　　／　　　 ,　,ｨ ,ハﾄ、　　　 l
　 /イ / 　 /l/‐K　ゝlへﾄi　　|　　　　一方の杢之助は、父親がもらっていた同様、捨扶持１０石の支給のみ。
　　ﾚ'ﾚf Y|＝=;=　　=;=＝|f＾!l
.　　　　 !6|| ｀￣ "||` ￣´ ||6|!　　　　身分はあいかわらず浪人のままだった。
　　　　ﾞyl、　　､|レ　　　|y'
　　　　 _,,ﾊ.ト.｀￣￣￣´ ,ｲ/＼_
　　￣:::;':::::ﾞ! ＼. ￣　／ |'::::::::|:::￣
　　:::::::::l:::::::::l　　＼／　 !::::::::::|:::::::::
　　::::::::l:／ヽ:ヽ__　　 __/:／＼:|::::::::
　　:::::::‘:::::::::::o:ヽ`　 ´/::::::::┌──┐　※捨扶持……藩から支給される米のこと。１０石は金額に換算すると、７、８万円くらい
　　:::::::::::::::::::::::::::ヽー/::::::::::: l:::::::::::::::l

923 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:06:07.75 ID:paIhi0go

この結果を聞いた佐賀の人々は度肝を抜かれた。
一方は２００石で、片方は１０石なのである。
しかも、それが本人の希望であることを知ると、さらに驚天動地だった。

【噂話中】
　　　 ∧,,∧　 ∧,,∧
　∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧
(　´・ω)　Ｕ) ( つとﾉ(ω・｀ )
｜　Ｕ (　　´・) (・｀　　)　とﾉ
　ｕ-ｕ（l 　　 ) (　　　ﾉu-ｕ
　　　　 `ｕ-ｕ'.　`ｕ-u'

【可決】
　　　　　 ∧,,∧ 　.∧,,∧
　 ∧∧(｀・ω・´)(｀・ω・´)∧∧　　　
　(｀・ω・´).∧∧) (∧∧(｀・ω・´)　　「「「「「「マジデ！？」」」」」」
　｜　Ｕ (｀・ω・´)(｀・ω・´) とﾉ
　　ｕ-ｕ　（l 　　 ) ( 　　　ﾉ u-ｕ
　　　　　　`ｕ-ｕ'　 `ｕ-u'

924 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:06:44.49 ID:paIhi0go

ここまで決着に長引いたのは、最終決定する勝茂の胸のうちに秘するものがあり、後回しになってしまったのはいうまでもない。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,, --‐''` ‐ - ､
　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀＼
　　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　 l'.......::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　 !::.................................:::::::::..............................`!
　　　　　　　　　　　　　　,i:::::::::::::::::::::::::::i:::::∧i...........､.....................:::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　i:::::::::::::::::::::::::/|:::::!　i!!::::::::!i:::::k::::::l::::::::::iﾍ
　　　　　　　　　　　　　　 '!:::::::::::::::::i!:/　!::l　ﾞ　!::::/ |::/r ､::l:::i:::|:l
　　　　　　　　　　　　　　　!:i^l:l:::::!i.ﾚ..,__ﾍ!　　 l::/　 !(ヽ､｀＼i'ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　!k i!',:::::!　_　￣_ﾞﾞ´　ﾞ' -‐‐'＼＼　＼
　　　　　　　　　　　　　　　 !ヽ`!::::|　｀ﾞ''''''　　　　　‐-‐' ＼＼　＼_　　　「わるかったな、グダグダで」
　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ､j::|　　　　　 l　 r--‐-<;:>､　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　_,/`i;:ﾄ　　u　　　|:.　｀` ‐-,､｀`　　　　　i
　　　　　　　　　　　　　 _, r´:/ : :|ﾞ' !､　　　　 ,'.:.　　／-､＼　　　　　`､
　　　　　　　　　　_, r ´:.:.:.:./:.:.:.:.:|　ヾ､　 r‐--っ　／!:.:ヽ :｀ヽ　　　　　ヽ
　　　　　　　_, r'´:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:|　　＼ヽ､｀￣／　 |::.:.:ヽ: : ﾍ　　　　　　i
　　　　_, r ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　 >-､ー_'/ 　　!::.:.:.:.:ヽ: : :!､　　＿__!=､
　　　/ﾞ: : : : : : : : : : : : ヽ:.:.:.:.:.:.／i!　　/ﾍ　i. / 入　　|＼.:.:.:.:.ヽ;,r'`‐´_,,..---┴‐,
　　 l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼／:.:.:.:!'! /ヽ､ヽrk'´:_,r､　ｲ:.:.:＼／ _>-‐'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l
　　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.l ﾞ'ヽ　 !　　　! /ﾍ/|:.:.:.:.:.:＼/::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l
　　l:.:.:.:.:.::i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!　ヽ　ﾍ＿_/　　　|:.:.:.:.:.:.:./!:::::::::::..:.:.:.:.:.:.:.:.:..::.:.:.:l
　 /:.:.:.:.:.:.: !.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　 /　ヽ　　　i:.:.:.:.:.:.:/ ﾍ::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　【佐賀藩主　鍋島勝茂】

925 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:07:27.21 ID:paIhi0go

わけても浪人たちの間での杢之助の株はうなぎ登りだった。

气三三三三三.::|　　　＼ …- 　 __　　ｒ -　　　　　　　　　　　_,ｨ=ｬ､
.　｀ーｧ'三三.::::|　　/ ￣ヽ　　　　￣¨　ｰ　、　　　　　　／.三三恥.
　　　 /三三:ヽ.:::| 　ﾙ'´迅!＼　　　　　　　　　ヽ　,．--.､ｲ　ﾆ三三三ト､ __
　　 .f三::/l:::.:.l:｀∧ /　;´￣ヽ　＼　　　　,zﾆ三三三三／ !　Ｙ二二_ﾐﾆＹ三ヽ
　　 |三7　Ｖ::.|､迅!＼　　ノ¨ヽ　　ヽ　　　　　三三三:/　i l＼　　　　　ﾉ三ﾆﾉ
　　 |/´ 　　V小. z ､　／／ _,ﾑ.　　∨　＿＿,三三∠　ノヽ. ｀ーｒ .壬三三/{_　　　　「よーう！この佐賀に、
　　　　　　　ヽﾄ∧　んｲﾉ　　　i 　　ﾚ´ 　　　　　　　　　　　＼　 {/　.::ﾆ三ﾑ三｀Ｙ　　　　俺様より目立とうとしている不逞（ふとどき）な野郎は、
＿＿＿,.　-‐ 壬　＼｀　、／/　／ゝ .._　　　,　--＜＿ ,z=ﾆ三,ｲ　､ .ﾆ三|三ﾆハ　　　　　てめえか？」
三三三三三三三三 .＼　` ´ ／{ ,ィ } 　 /三//7ｰｫ　　￣￣／　ヽ.＼ﾆ/三:/三ヽ
ヽ三三三三三三三　.三＼..ｨ　　｀! /-ｫ'三／l! {{　ヽ、　　, ′　　　　_ノ.ﾆ三|三:/
　｀＜三三三三　　　　三ﾆ|　　ｨｧ'　/ ﾆ/　 l! {{　　　｀ｰ/　　　　／　　　ﾆ/三ﾉ、
　　　　｀　ー‐‐ ､　　三／´ナ／/{-彡　/　ヽ.l! {{　　　　ゝ'ニ …く､_,． ¨´ヽﾆ/　＼
　　　　　　　,. z＝!.　/´ 　　／／ /　　 /- ､　i ＼＼　　　　ーァ ´ ￣｀￣￣
　　　　　／三,ィ=V/. 　／／　 ∧＿/ ヽ.:.:ヽ! - ヽ.≧z--イ　ヽ:､
.　　　　 /三ﾆ/　ﾉﾍ!＞ '.／　／　　　　　 V.:.:|:＼　_ _ ___,.り　　ヽ＼
.　　　 /三ﾆ/ヌヽ._ , イ　／　　　, -┐　ハ､.:.:.:.:.:.:.:.:.:／/　　　　ヽ＼
　　　　　　　　　【浪人　大野上那（兄）】

.　　　　　／'.:.::: --.´￣｀ｒ‐.､:::::＼
　　　　イ/.:::／: : :ﾉ　　　Ｖ: :.＼:::::ヽ
　　　 /.:::/､__:／／⌒＼＼:__ﾉＶ:::::.、
　　　　ｉ::::::iｒ‐‐ｒ':.ｨ::|::::::::.ﾄ:::::i:ヽ.　|:::::::.ヽ
　　　 !::::::ｉ:::::ﾊ/-i::ﾄ､:::::|‐ヽﾄ:::::ヽ:::::!｀
　　　ﾊ::::::i::::i (´ ﾘ）＼!'ﾘ　 )､:::i:::::i
　　　　ヽ:::ﾄﾍ,, ｰ‐ 　 ,　｀ｰ ,, ,'ﾉﾊﾉ
　　　　Ｖヽ::､　　　　　　 /ｰ'/
.　　　　　　　ﾉヽヽ.　´　｀　 .ｲｲノ､　　　「おちつきなよ、兄貴」
.　　　　／　　Ｙｉ＞.-.＜{/　　＼
　　　　　ｰ‐‐､　 !ﾉ　　　　ヽｉ　 ,.-一
　　　　　　...-/ヽ !',_　　　 _,'_ｉ　/＼｀ .､
　　 . - ´　／　　.! ', ｀　´ ,'　ｉ./ ,'.　＼　: ､
　 ,'　　／　　 i　|　ヽｒ4ｧ'　 .!' /　　　ヽ.　ヽ
　 !　 ./',　　　　! |　｢王_7　.|　　　　　　ｉ　 ',
　 |　 j　',　　　 i.|　 ∨,'/ 　 !　/　　 /　 | 　 '
　　　　　　　【浪人　大野志門（弟）】

926 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:07:53.43 ID:paIhi0go

　　　　　　　､__ ...　 - ‐__'' "´　　　　　ﾞi
　　　　　　　　ヾ　￣￣　　　　　　 |
　　　　　　　　　ヾ`r　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　ミ｀(　　　　　　　 __　ｒ"|..._
　　　　　　　　ミ　 ´(　 _＿＿__ ....((　）lノ　　｀ヽ
　　　　　　ヾ　　◎＝＝＝__====== ＝- ‐ ′
　　　　　　｀ｒ''ヽ　ﾉｔも＝ｯ‐<　ｒﾃﾗ（　｝
　　　　　　　　｛（り"′　｀¨´"/`　｢´ ｌ）ﾉ
　　　　　　ｼヽヾ)　　　　　　ｌ l
　　　　　　　〃　`ｰﾟ､　　　　＜ﾌ l　　　　「まったく、ウルセー野郎だ」
　　　　　ｌﾞ￣￣￣￣￣￣￣l-＝‐= l__
　　　　　 l 　（　）　（　）　 | ｀.二´l┐|
　　　　　 |　　_｀´___　｀´　　 |､＿__l │|＿
　　　　／￣　　　￣ヽ￣￣￣￣￣　　|＿_
　　／　　　　　　　　　　＼　　　　　Ｏ｢串|
　 /　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 l　│|
　　　　　　　　【浪人　野村源左衛門】

　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　／　 ⌒　　＼
　　　　　　（へ）（へ）　　｜
　　　　　　.（__人__）　　　 |
　　　　　　　ｌ｀ ⌒´　　　　.｜　　「ははっ、まったくだ」
　　　　　　　{　　　　　 .｜
　　　　　　　{　　　　　　＿ |
　　　　　　（ヽ、ヽ　　　/ 　）|
　　　　　　 |　｀`ー―‐'|　..ヽ|
　　　　　　ゝ　ノ　　　ヽ　ノ

927 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:08:16.39 ID:paIhi0go

　|＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／７
　|　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 /
　|　 |　　　　　　　　　　　＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　/　 /
　|　 |　　　　　　　　　　／＿＿　＼　　　　　　__　　　　　　/　 /
　|　 |　　　　　　　　　（__／　　　＼　＼＿＿／　）　　　　 /　 /／⌒i
　|　 |　　　　　 ∧　　　　　　　　　　＼＿＿＿／　　　　 /　　　　　　|　　 ∧
　＼　＼＿＿ノﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　／|　＼_ノ　ﾉ
　　＼＿＿＿ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（＿__／　　＼＿___ノ

　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　／　 ⌒　　＼
　　　　　　（へ）（へ）　　｜
　　　　　　.（__人__）　　u　 |
　　　　　　　ｌ｀ ⌒´　　　　.｜
　　　　　　　{　　　　u　 .｜
　　　　　　　{　　　　　　＿ |
　　　　　　（ヽ、ヽ　　　/ 　）|
　　　　　　 |　｀`ー―‐'|　..ヽ|
　　　　　　ゝ　ノ　　　ヽ　ノ

当然のことながら、やらない夫の人気は下がった。

928 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:09:17.23 ID:paIhi0go

　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　 |　　　（⌒ ）（⌒）
　　　　　　　 |　　　　（__人__）
　　　　　　 |　　　　｀ ⌒´ﾉ　　「まぁ、当然かな」
　　　　　　　　|　　　　　　　 }
　　　　　　　　ヽ　　　　　ﾍミ|
　　　　　　　　／,`　、` -`,--` ,
　　＿＿,---/;;;;;`　　`-,-/ニﾆ |
　/;;;;;::::、:::::::::|、_ ,＞、 /::l,_l･　,<、__
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::＜:::::::ヽ``l::::|　　|`l,::::ヽ

　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　|:::::: 　　　　　｜
　　　　　.　|:::::::::::　　　　　｜
　　　　　　 |::::::::::::::　　　　｜　　　　　　　　　　....,:::´,　.
　　　　　.　 |::::::::::::::　　　　} 　　　　　　　　　....:::,,　　..
　　　　　.　ヽ:::::::::::::: 　　 } 　　　　　　　,）:::::::ノ　.
　　　　　　　ヽ::::::::::　　ノ　　　　　　　　（:::::ソ:　.　　　「オレは他人の武功を横取りした上に、
　　　　　　　　/:::::::::::: く　　　　　　　　,ふ´..　　　　　　　図々しく殿にお役を願い出たすくたれもの（卑怯な奴）」
-―――――|:::::::::::::::: ＼ -―,――ノ::ノ――
　　　　　　　 |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´

929 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:09:35.48 ID:paIhi0go

　　　 ∠　　　　　　　　　＼
　　　/　　　 /|/1　　　　ヾ
　　ｌイ　 /|/ 　 .|/|/ﾚ　ヾ
　　　 |/ﾚ|芒｡〉芒｡ﾃ| ｎ .|
　　　　　　l　/　､　　 .|.|ﾘ |　　「飲め」
　　　　　　 l `----　 .||´ハ
　　　　　　__l　≡　／ |/　 |‐-　..__
_..　-‐ '' "　/ヽ_／　　 |　　|
　　　　 /　　| 　　ﾉ　　.|

　｀¨ －　､
　　　　　　| ｀Tｰ―ーヽ、＿＿＿／＼
　　　　　　|　 !　　　　　　｀ヽ　　　＿│
　　　　　 r　/　　　　　　ヽ　ヽ／
　､　　　 /´ ＼　　　　＼　＼_j
　　｀ー　　　　　⌒ー､ヽヽ__j´
　　　　　　　　　　　　゛'^´

　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　／　　ヽ_　　.＼
　　　　　　　　　　　（＞）（＜）　　｜「んん。うまい」
　　　　　　　　　　　（__人__）　　　 |
　　　　　　　　　　　　ｌ｀ ⌒´　　　　｜　　　　　　　　気にするな……＞
　　　　　　　　　　　　{　　　　　｜　　　
　　　　　　　　　　　　{　　　　　　 /　　「ん？」
　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　ノ
　　　　　　　　▼／￣　　　　　￣￣）＿＿__
　　　　　　〃(⊥) ´/　　　　/￣￣/ / 　〃 ⌒i
　＿＿＿i /⌒＼./　　　/∧ ∧し' ＿＿|;;;;;;;;;;i

930 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:10:39.94 ID:paIhi0go

　　　　　　＿─-､ -‐;ｚ.__
　　　　　　　　＞　`　"　ﾞ　　＜
　　　　　　　/　" " " "　ﾞ　ﾞﾞﾞ＼
　　　　　 l " " ", ,ｨハﾞ i ﾞ､ﾞ､ヾ
　　　　　 | " "ノlﾉメ、 |ﾉjﾑﾍ. N　　「元からオレに一番乗りをする気はなかった。
　　　　　　 ! r,ｺ| ＝｡=　 ,｡==ﾊﾘ
　　　　　　 | |ﾋ.j|　￣ r_ ＼7　　　　　ただ……、誰にも邪魔されず、金作と決着をつけたかった。
　　　　　　　j `ｧﾍ　 ──‐:7′
.　　　　　_／∨　:::＼　￣人　　　　　それだけだよ」
　 -‐'''"´ |.　ヽ.　　::::`:.イ　 |`''‐- ､.._
　　　　 |　　　＼　　:::/　　|　　　 .ハ
.　　　　 |　　 ,ヘ〉　 |へ.　|　　　 l.　l
　　　　　ｌ_／　ﾟ〈ｰ‐'| 　ヽ!　　　│　|
　　　　　　　　　　　|::::::| 　｢￣￣|　| 　 |

　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　／　　ヽ_　　＼
　　　　　　　|　　　（⌒ ）（⌒）
　　　　　　.　|　　　　（__人__）
　　　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　「……祝言おめでとう。それにしても、酒がすすむ」
　　　　　　.　 |　　　　　　　 }
　　　　　　.　ヽ　　　　　　 }
　　　　　　　　ヽ　　　　　ノ
　　　　　　_,,,,ノ|､￣／/／/ ＼、　　そういいながら杢之助の前で立ち上がると……
　　_,,..r''''"/　|　＼`'／　 /　 | ￣`''ｰ-､
　 / 　　 /　 |　／＼　 / ／　　　/　ヽ
　ﾉ　|　　＞　|／）::::/＼/　＼　　ノ　／}
　{ 　 |　{　　 | ,r":::ヽ　/ 　 /　　/　// ハ

　　　　　|┃三　　
　　　　　|┃ 　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　|┃　　　　　　..／　　　　　＼
　ｶﾞﾗｯ.　|┃　　　　　　|　　　　　　　 |
　　　　　|┃　　　　　　|　　　　　　　.. |　　　小便をしに外へむかった。
　　　　　|┃三　　　　　|　　　　　　　　}
　　　　　|┃ 　　　　　　 | 　　　　　　 }
　　　　　|┃　　　　　　ヽ　　　　　　/
　　　　　|┃三　　　　　 __ヽ　　　　ノ__
　　　　　|┃三　　　　/　　　　　　　　　.ヽ

931 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:11:07.96 ID:paIhi0go

　　　　　 |〝　〝　　　　　　＂＂くヽ!
　　　　　　 |〝〝,〝,　〟､＂＂　､ヽ
　　　　　　　 |,〝　/／! ∧　ﾄ､＂＂ﾄ､|
　　　　　　　｣ _r'7ヘ_ｊ/ 　 >､!‐ヽ＂! .|　!
　　　　　　　 |｢f.ｋ━zxヽ /xz━ｧ冫､! |
　　　　　　　 ||ゞ| ｀￣ '"|.|ヽ￣´/ｊ〃ヽ!
　　　　　　　　ﾞ=ﾍ　　　､|｣,　　 /=″　　　（オレを誘ってる……。なにか打ち明けたいことがある、な）
　　　　　　　 /| ∧ ﾞ￣￣￣ /
　　　　　 / .l/　ヽ　<7　/ヽ.　　　　　　杢之助も遅れて立ち上がった。
　　　　　　_/ 　＼　ヽ.＇/|　　＼
　スクッ／ |　　/] |　　ヽ'　!　　 ∧
　_,.-‐'´　　|　/ о| 　　　　|ヽ　 /　|`ｰ- ､
　　　　　　 |/ 　　|＼　　　 / Y ＼｣　　＼

932 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:12:05.43 ID:paIhi0go

　　　　　　　　　 ,-‐-､
　　　　　　　　　 | 糞 |　　ﾝｸﾞ
　　　ﾝｸﾞ　　　　 | 正 |　　　　　　　　　　　　　　　先ほどからひっきりなしに飲んで騒いでいたやる夫も、
　　　　　　　　　 | 宗 |
　　　　　／￣⌒)　 (⌒￣＼ﾝｸﾞ
　　　　／　,. ^‐'_ヽ　/__ｰ^ ､　＼　　　　　　　　　二人の空気を敏感に察すると、
　　／　／／￣｀ ⌒ ´￣＼＼　＼
　（　　<／　　　　　　　　　＼ﾉ　）
　　＼　＼　　　　　　　　　　／　／
　ﾝｸﾞ＼　＼　　　　　　　／　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾝｸﾞ

　　　　　　／￣￣￣＼
　　　　　　／─　　 ─ 　＼
　　　　　　/ （●）　（●）　　ヽ
　　　　　 |:::⌒（_人__）⌒::　　|`ヽ
　　　,ｨＴl'ヽ＼　 `ー´　　　／｀ヽｰ;、
　　 kﾋﾋど,　((　　　　 (({⌒Yｨ､ｿ　　　　　　　立ち上がって追いかけていった。
　　　　｀´￣ヽ　　　　　　ﾊヽ/｀^ｰ′
　　　　　　　ヽ　　｀　/　 '}
　　　　　　　　 >　　　/ごノ
　　　　　　 __,∠ 　　 /　　　　ｷｭﾑｷｭﾑ
　　　　　　〈、　　　／
　　　　　　　＼､__ノ

933 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:12:26.64 ID:paIhi0go

やらない夫は井戸の側にある雑木林の中で立小便を始めた。

　　　／￣￣￣＼
　　／　　　　　　＼
　 /　　　　　　　　　ヽ
　 |　　　　　　　　　 |
　 | 　　　　　　　 |
　 | 　　　　　　　l　　　　「あ～～～、でるでる～～～っと」
　 |　　　　　　　　　 /
　 |　　　　　　〃/
　＼、__　　　　（
　　　　 _）_ =＝＝＼
　　　／　　　　　＼
　　/　　　　　　　　　ヽ
　　 |　　　　,　　　　　　　 i
　　 |　　　 |　　　　　　 l.|
　　|　　　 l　　　　　 | |
　　|　　　 |.　　　　　 |. l
　　 l　　　　|　　　　　　 |.│
　　/　　　ﾉ　　　　　 |　|ジョボジョボジョボジョボ
　 / 　　 /　　　　　　 l /
　（ヽ､__,/＿＿__ 　_＿,У
　ヽ_ｨ　 __ __￣￣_￣_,|
　￤　￤　￤　j l　　|

934 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:12:49.27 ID:paIhi0go

　＜ゴボッ　グエェエ　　　　　杢之助は一度胃の中を吐き出して、水を飲んで清めた。
　　　 _________________
　　　［_ｉ;_;;i_ _,i__; i ;i_］　　　　　腹を切る準備である。
　　　　i;:;i _ i_ _,i__; i　　　　　　　　これから何か重要な話があるに決まっていた。
　　　　i ;_ i_ _,i__,i ;;iiｗｗ　　　　
　　⌒⌒￣￣￣⌒⌒￣⌒　　なにか命を懸けなければならないほどの。

　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／―　―　＼　　　　　となりでやる夫も同じように酔い覚ましをした。
　　　　　　／（●）　（●）＼
　　　　／　　（__人__）　　＼
　　　 |　　　　｀ ⌒´　　　　　|
　　　　＼　　　　　　　　　／
　　　　／　　　　　　　　　＼
　　　　 |　　　・　　　　・　　）　　　　, -'"^^^^,-'~~~~ ~~~~~~'-,^^^^"'-
.　　　　　|　　|　　　　　 /　 /　　　　（,,,,, -'", '"'⌒ヽ　　'"⌒ヽ`､~"'- ,,,,,）
　　　　 | 　 |　　　　　 /　 / |　　　　　　　,’　　・　　　　　・　　　;, 　　
　　　　 |　　|　　　　 /　 / 　|　　　　　　　:　　　　　━　　　　　　:　　
　　　 (YYYヾ　　Y　(YYYヽ　|　　　　　　　．､　　　　　　　　　､, '"
　　　　（_＿＿ノ-'-（'＿＿_）_ﾉ　　　　　　　　　~~~~~~~~~~~~~~

935 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:13:15.25 ID:paIhi0go

　　　　　　/ /,〃 ,.ヘヽ_,ゝﾍ{ ヾ　ヾ　|
　　　　　l/ / ,.く　 /＞‐｡ｧヽ'ト､ヾ' i
　　　　　　 |/　　>ヾ￣´　　 |'ト||ヾ |
　　　　　　　　　／　　　　　 |l〃ヾ|　　　（フッ、いい顔をするようになったじゃないか）
　　　　　　　　∠-‐フ　　＿,　/ ヽ.ヾ'｣
　　　　　　　　　　｀￣匚, 　 /　　　>'＾ヽ._
　　　　　　　　　　　　　　/　 /　　／　　　|
　　　　　　　　　　　 '―ﾍ　／　　　　人　　　　やる夫も杢之助と同じように命を懸けるつもりだった。
　　　　　　　　　　　　　　／冫′　　　／ミﾐ＼
　　　　　　　　　　　　　/|　|＼　　　.／

936 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:14:13.10 ID:paIhi0go

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　
　|　　　（ ○）（○）　グスッ
.　|　　　oﾟ（__人__）　（なんか……自然と泣けてくるだろ、友情的に考えて）
　 |　　0　　｀ー'´ﾉ
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　}　　　　
　　ヽ　　　　　ノ　
　　　/　　　く　　
　　　|　　　　＼　
　　 |　　　　|ヽ、二⌒)､　　　　　

さすがに二人の前で涙を見せない。話を切り出した。

クルッ
　　／￣￣＼
　／　ノ　　＼＼／｀i
　|　（●）（●）./　　ﾘ
.　|　　（__人__）..|　　/　　　「明日さ、殿が江戸へ向かうんだ」
　 |　　｀ ⌒´　ﾘ　ﾋ
.　ヽ　　　　／/　　,｀弋ヽ
　　ヽ　　- ′.Ｙ´　 ,　｀ヽ｀.ｌ
　　　/〈　　`ｰ〈::....ノ　　　Ｖ
　　　|　ヽ_ｰ､｀ヾ＿/　//
　　 |　　　ﾌ-､｀ｰ┴‐-〃
　　　　　　　　　`ー‐一′

937 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:14:35.90 ID:paIhi0go

　　　　　　／ " " " " ﾞﾞﾞﾞ＼
　　　　 7 " " ",.",ｨﾊﾞ ,ﾞﾞヾ　　　　　　 r‐ ' _ノ
　　　　　 ! " " /-Ｋl/　Vｌﾊﾞ.N　　　　　＿ ) (_
　　　　　 | "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ!　　　（⊂ﾆﾆ⊃)
　　　　　　|."しｌ|　￣　,._ ∨　　　　　　｀二⊃ﾉ
　　　　　　| " ﾞハ　ー--7′　　　　（( ￣
　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼.　¨/　　　　　　 ;;　　　「松平伊豆守だな」
　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　　　　　 [l、
　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　　／,ｨつ
. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ
　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ
. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　 /　）:::厂 ´
　　 |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l　/￣｀Y´

938 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:14:55.71 ID:paIhi0go

　　　／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　（ー）（ー）
.　　|　　　　（__人__）
　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　「ああ、いよいよその時がきた、ってやつさ」
　　.ｌ^l^lｎ　　　　　}
.　　ヽ　 L　　　　}
　　　ゝ　ﾉ　　　ノ
　　／　/　　　＼
　／　 /　　　　　＼
. /　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／─　　 ─　　＼
／（●）　（●）　　　＼
|　　（__人__）　　　　　 |　　　　　やる夫は話しについていけず、聞いたふりをしてうなずいた。
＼　　 ⊂ ヽ∩　　　　 <
　 |　 |　 '､＿＼　／　 )
　 |　 |＿＿＼　 “　／
　　＼＿＿＿＼_／

939 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:15:14.97 ID:paIhi0go

＜江戸・江戸城＞

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}k
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ;'l{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ;人'､
　　　　　　　　　　　　　　　 }､、__,. -'',r'／ｐ､ヾ､
　　　　　　　　　　　　　　　,}”ー--､."ﾆー--ﾞ'ゝﾞ'‐､_＿,､ｬ,
　　　　　　　　　　　　　 ,､ /;;,rlT=ｲ__~￣~＾~＾''ー‐---､.ｙ"
　　　　　　　　　　　　　,irこ;;;},|ｉ　||　 ~||~ﾞ ''l!ｔー-n-;t{;/
　　　　　　　　　　　　 ,ｊ r'i!_､_}-二ﾆﾆ゛‐-,k!i､,､､｣|__,|ﾄｯ
　　　　　　　　　　　､_ ﾔ{/iｺ};,^;;,,,;;;,‐,-,=ノ,ム=_-__ーﾈ{´,
　　　　　　　　　　 ,};ｺﾆﾆ/7r'|”~,__,゛,／ノ。＼~＾~^”””'ﾔ
　　　　　　　　　　 i!;;;;;;;;;;;､i!__|　,i-!;'"／,r'^ｖ^‐､＼iｺ~|ﾚ=i、
　　　　　　　　 ,}`ｰ';;;;;;;;;;;;;;;}r‐''”_,.-''／ [iillIII}}}] ､゛＼i!､;;;;i､
　　　　　　　　/,Eｬｯririririrnm;y､^,､ﾆﾆｰ_ー‐-ー'　゛＼,;;;i{､_　　　　 ,.ｨ
　　　　　　　 /,r"=|､__　　　￣~””””””'''''''ー,rk':;firiririnnm;y^~三ﾆ;:ﾆ'}
　　　　　　 ,/,r"=/|::::..￣~゛゛``''';::::::::::::ー‐,ノ,ム-.,, ､.､.゛,.___゛~＾~゛＾i;／
　　　　 ,、 /,r"=/,;l,,,::::i::::|iillIIIIIIIIII|||:::::;7／,r'　`｀i､:::.iﾍ::::::::.￣~''''''':|
.　　　ｫ}仁二Vｪ＾仁￣~"""゛””””''ｰ／,r'" .,・、 `＼[iillIIIII|||]:::::::::::|　 ,
　　　　i!;;;;;;;;;;;/ｲ'^ﾄｰ‐-ﾆﾆ二､こ,.-'" ,r' ,.-ｰ{　 }ｰ､`､＼"＾"＾"＾"^゛''ｰ'}
　　　 ,il;;;;;;;;;;;;;:^^i'|::::::::::::...　,. -''"_, -'／―‐‐｀´ ―`i､゛､＼゛＾゛""ｰ'r／
　　　 i l;;;;;;;;;;;;;;;;;;,'|::::i,,. -''＾_,,.-''′／' ,;iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiilllll　`i､` ､ﾞ-､:::::::::|;iｔ======r'7
　_r,=ｰｦｰ",,:;;;;;;'7rｲ~,. -'''~,._-_''~´..::::::|iillIIIIIIIIII|||||||||}.:::::ﾞ'‐､ ` ､ﾞ''-､:|;;;`i､;;;;;;;;;;;;~ヽ､
　〕{ｭｮiririririrm;;;;;~_,ｎ､￣__二;;;,, ￣~゛゛゛'''''',,;;;;;;;;;ー―‐---`ゝ､` -､~ヾ,,;;ヽ､;､;,._;;_;;_,,'‐､
../,r'ｰl~~~^~_,.,r'%%r===%%''ｭ.,_"‐^"‐''=fhifhicifcifriririririyr'g'y'ng'y''ngmgigpmgwwiV}　｀''‐､._
/,r'=r|::::::::,r7=-ｰ''＾`ｰ"＾ -､_=ﾌ:::::::::::: ..................._________　　　　~"””””””””””””|”””riririririnｆｚmir'7
ゞ゛ヾ゛;:"゛ゞ"'';;,r';";;ヾ、:::::::::|::::::i####lllllllllllliiiiii;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;￣ "''''' ::::::::::::::::::::::::::::|”””””””ヽ､””””"

940 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:15:34.90 ID:paIhi0go

徳川家光の治世は、六人集と呼ばれる老中、若年寄の合議によって執り行われていた。

まず、秀忠のころから仕えている土井利勝、酒井忠勝。

　　　　　　　　　　　　　　,.r-‐''"´｀丶､､..,,,_
　　　　　　　　　　　　 ,r'´ゝ､ ,r'´ﾌ　　,､'r￣｀ヾ､
　　　　　　　　　　　／,ｲ`ヾｰ=彡'　,ｨﾂｲ/　　 ::ヾ｀ヽ,
　　　　　　　　　　 ,!　　　　　　　 ,ﾊ'´　　 ... . ::;_,ｨミ l
　　　　　　　　 l,ｨ,,,:':::ヾミ､;;;,.､-─ﾞ'''ｧty､::;ｨヅ;;::j
　　　　　　　　　　,}｀`ﾊヽ;;;;,　r'´ -─‐'´ﾞ,ノ'ソｲ'ヾ,;;〈
　　　　　　　　　 /:..;;;,r'　ヾ､ﾘ　　,か)ゞ`' ,r'｀ヽ,|トj;:ﾘ
　　　　　　　　{ｊｊﾊi ノｉ ,:トj 　　　　　 ,jﾃy ,ﾊ;;ｉr'
　　　　　　　　　 ,!.;;:::;ヽゝ'ヾ'　　　　　　ヽ　j-‐'
　　　　　　　　　{'ﾍ、,ミジゝ　　　　｀ャソ　,!
　　　　　　　 `ゞ　ﾘﾊ彳､. 　　　｀`ｰ-､,　/
　　　　　　　　　ﾞ,r-く,._ｲ, ヽ, 　　　｀ー　/
　　　　　　　　　/ 　　　｀丶ﾐ､_ 　　　　/
　　　　　　　,ｲ　　　　　　　｀ヾ,ｰ‐r一'
　　　　　　　／｀¨丶-､　　　　｀ｲi｀ヽ､
　　　　　 ,r'´￣　｀ヽ､,ｲ　｀丶　　 / |,j､　 'j
　　　　,イ　　　　　　ヽ､　　＼,/　,!j ki､,ｲ､
　　　/ 　　　　　　　　　　｀,　　　　'i　｀`ヾ<
　　　　　　　　　　　　【老中　酒井讃岐守忠勝】

941 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:15:58.66 ID:paIhi0go

そして、家光の小姓時代から仕えていた松平信綱、堀田正盛、阿部忠秋、阿部重次らである。

　　　　　　　／. : /. : :/. :　. / . : : : :　. : : : : :　: : : : : : : : : !
　　　　　　 i.:::::. /.: : /. : .:: ,.′.: : :/.　. : : i: : : : :　: :　: :　i: l
　　　　　　 l:::: /.::: : .::: .:: ./ :/. : :/. : . ://:}: : : :::.　i: : : :| :l: |
　　　　　　 l:::::}::::::　::::..:: / :/. ／}. : : //}::ハ: :i: ::. :}: : : | :|: {
　　　　　　 |:::::|::::i::. !:::::/.:ｲ: /　/: : ｲ:/ l::l　ｌ: ﾄ､::. |: : : | :|: l
　　　　　　 }i::::|::::i:::.{:::ｲ:/_i:/　/:::.///　j::{　.｣斗ﾍ:::}:/ : }. ﾄ､!
　　　　　　ｲ:::ハ::|::::V十rfﾘミ｣:::/// , //ｨf≧=ﾍ小/. :ｲ: :ﾊ:ﾄ､
　　　　　　 }/　ｌﾊ:::::ヽ､近Ｚｿ|/メV/7/ｰﾍ北シメ/. :/ }/　}{
　　　　　ノ′　|ヽﾄ､:::ヽ　　i{　　ノ′ 　　　 /. :/.ィ:!　｀
　　　　　　　　　|:::ﾊ:::ヽﾄ＼⌒´　ﾉ!　　　　　／: :ｲ: .ｲ:l
　　　　　　　　　|/　}::|::::＼　､＿＿＿_.ノイ: ／i |/　ﾘ
　　　　　　　　　}!　 |ハ::::::i＼　｀二二´　／ｲ:!: ﾊ::{
　　　　　　　　　　　　　}从Li｣ヽ、　　 ∠＿.｣｣:::{ }:l
　　　　　　　　　　　　　　ﾄ--Ｔ r‐｀´─┐|‐‐ｲV .ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　 }_ﾊ_｣ |: : : : : : :| L｢!｣

　　　　　　　　　　　　【老中　松平伊豆守信綱】

942 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:16:35.50 ID:paIhi0go

今の懸案は、島原の乱で抜け駆けを行った鍋島家の処置のことであった。

信綱は断固たる制裁を与えるべし、と持論を展開した。

　　　　　　　　　　　　／.:.:.:. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　 /: .:.:.:./ ..:.:.:.:.:./:.:.:.:.: .i:. :.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　':.: .:.:./　.:./.:.:/:.:.: .:.l .:.l:.: .:',:.:.:.:.:.:.:.l
　　　　　　　　　　,'.:.| :.:.l. :.:.//:/:.:.,':.: .:|:.:.:!:.:. .|:..:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　 /:.: l:.:.:.|:.:.//:/:.:./.:.:. //∧'.:. !:.:.:.:.:.|:.l
　　　　　　　　　/ｲ.: .|:.:.:.l://l//:./.:.:.:.///　_ヽ:l:.:.|:.:.:|'.!
　　　　　　　 / /:.:.:.r':.:.|ド㍉､'/}.:.:.///_,∠zﾐ.|:.:l.:.!:{ ヽ　　「乱の鎮圧を命じられたのは我であり、
　　　　　　　　　/´|:.,:.ヽﾊゞｆｪ'ｲﾄ.|:.//廾ゝｭ'ｲﾌ:./ }:.lヽ､　　　　　あらかじめ勝手な城攻めを禁ずる命もだしてある。
　　　　　　　　　　 |:.{ヽヽ:ヽ￣i!´ﾘ　,' 　　￣ //ｲ:.l'.!
　　　　　　　　　　ヽ! ヽ:.l:ヽ.　　　　i!　　　　/':.:.ﾊ:.| ヽ　　　なにより、秩序が求められるこれからを考え、
　　　　　　　　　　　l:.|:.:.＼　　!ニニ!　／l:.:.|　',{　　　　　　鍋島には厳罰をもってむかうのを良しとすべし」
　　　　　　　　　　　　　ﾘ.ｿ}Fr＞､｀＝´イ／ｦ.:.{　｀
　　　　　　　　　　　　　　　ﾉl｀＝r ≧≦ｦ／ｆ |｀ヽ　　　　　　　　_　-‐　'￣}
　　　　　　　　　　　　　　／艸 | |: : : : | | 圸｀ｰ---‐´￣￣￣: : : : : : : /: :￣¨}＿＿＿＿＿
　　　　　　　　_　-‐ー‐ ´: : : 丱 | |: : : : | |: :卉: : : : -─＝ : : : : : : : : : /: :/／: : : : : : : : : : : :
　　r──'￣: : : : : : ＼: : : : : : : } }: : : : { { : : ／: : : : : : : : : : : : : : : : :/: : /´: : : : : : : : : : : : : :
　　',: : ヽ: : : : : : : : : : : ｀ｰ- : : | |: : : : : :.| |: : : : : : : : : : : : : : : : : : :／: ／ : : : : : : ／: : : : : : :
　　 ∨: :', : : : : : : : : : : : : : : : : | | : : : : : | |: : : : : : : : : : : : : : : : ／: ／: : : : : : : ／: : : : : : : : :
　　　∨ : ヽ : : : : : : : : : : : : : __| | : : : : : |└──二二才: : : : :/／: : : : : : : _／＿--───
　　　 ∨: : ', : : : : : r───´＿_l : : : : : ￣￣￣__ : : | | : : : : /: : : : : : : : イ

　　　　　　,,､-''"´￣￣｀｀`ヽ､
　　　　,／　　　　　　　　　　　`-､,,＿
　　　,/　　　　　　 i, ;　　　　　ﾞミ三ｰ''"
　　 /　　　　　　　ﾊﾊ　　　　　　　　ヽ,
　　i"　,/　/　,〃i/　い、　＼　　いN
　 /　,/　,/ノ /　,ノﾉﾊ　ﾄ,、　ミ`'ーＶﾘ
　 | ﾚ'　　　_,,､ｧﾁ-ーﾋヽ| ゞﾋs、ミヽ　i
　ﾊ　　rﾍｱ'　 <ﾓﾃ;;　　ｉ' zｯ､｀i　　ｿ　　
　ﾞYf iﾞ　|ﾄ　　　　　　　:i　｀｀　ｲ, ノ
　　いヽ　ﾞ!,　　　　　　,_　;､　　 ,ﾀ"
　　　`i, `r､　　　　.._＿｀＿　　,ﾘ
　　　ｸ',ﾍﾞ:､　　　 `''ー‐'´　 /ﾞ　　　　　「秩序ねぇ。そういって貴官は、大納言と加藤家をも改易したね」
　　　ｲ,ﾍ　ゝ＼.　　　￣　／
　 f￣`''ー─--ﾐ''-､,,＿,,イ!‐-､､,,_
,／　　　　　　ﾞi,⌒ヽz￢"ﾞヽ　　 i
　　　　　　　ﾄ　　ヾぃ　　）　　L,,＿

943 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:17:42.90 ID:paIhi0go

　　　　　　　　　　　　　 , 　　, 　　／　／i　,fV ﾊヽ.　ヽ
　　　　　　　　　　　 ,′／　　/　 / 　 l　{ﾊ/　', 　 ,　　',
　　　　　　　　　　　　/　/ /　　/　 //　　}　f`'ﾍ　}　　', 　 }
　　　　　　　　 {　 i /　　/　 // ,'　/八{　　l！　　i　,'、
　　　　　　　　　　　｣　!i′　// /i/}ムｲ/ ＿＿_j/!　　 }/ﾐ､ヽ､
　　　　　　　　　　／乂j　　{ i ﾘ云ミく`　'ーｧ云ミｖ ,　/{　　ヽﾍ、
　　　　　　　／　　仆､　Ⅳ`^~｀　　　　´~＾ア / / ,′　　 vﾊ
　　　　　　　 {{　　　　从ヽ {__,　　　　 { 　　彡'/イ /　　　　　} }
　　　　　　　　vﾍ　　　　　ﾍ､ iﾄ､　　　 ′　　 {//／　　　　　/〃
　　　　　　　　ヽﾍ.　　　　ﾉi iﾄ､　　-‐一‐-　　,ｲ {　　　　　 /,ｲ
　　　　　　　　 lヽﾍ、　　rﾍｊﾄ､＼　 ´￣　／ノｲﾊ.　　　 //！
　　　　　　　　 l　 vﾊ r‐┤　ヽ、_ヽ.＿_∠ __／　ﾄ､　　//　 l
　　　　　　　　　ﾉ　∧ }ｊ　 '、　／　/ 　　 ',　 ',　　ﾉ　 V'/　｢i {
　　　　_..　-‐￢　〈／vﾊ　　ヽ/　　{　　　　 } 　 }／　　// 　 L! 〉‐-　 .._
　　　　　　　　　　　　　　【徳川２代将軍　徳川秀忠】

寛永９年（１６３２年）は改易（かいえき）の嵐が吹き荒れた年でもあった。

大御所として江戸城西の丸に君臨していた秀忠が死去すると、将軍家光は待ってましたとばかりに
弟である徳川忠長の領地を没収。そして自害に追い込む。

そして外様の中でも群を抜いて名声の高かった加藤忠広を改易。

どちらも改易の理由がはっきりとしていない。
さらに、やたらと石高をもっていたという共通点がある。
なにか処罰があっての改易ではなく、見せしめのための改易をしたかったから、という素人考えをおこしてしまう。

944 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:18:11.88 ID:paIhi0go

世の大名は震え上がったに違いない。
少しでも咎（とが）があれば所領の没収、身分の剥奪、場合によっては切腹までことがおよぶのである。

　　　　　　　　　　_,;r''"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞi
　　　　　　　　　,r''　〈;;K〕　　　　　　　_,,;::ニ-ー-----=ﾆ::,,_ ,ﾉ
　　　　　　　　　{　　　　　　　　　,,:ﾆf'l"　　　 ;; :,　,,　　　　　`l;,
　　　　　　　　　ﾞ:､,,,＿＿＿,,;r''i"　i l | li　　　li li;　li;;,,　　　　　ﾞii;
　　　　　　　　　_;f　　　　ﾞﾂ,川;　　l l l llli;i,　 'lii;llliilllllliii;;;;;;;;,,,,liiiii}
　　　　　　　　　ら'"~　　_,,ﾂ川ﾄミヾﾐミﾄ,llllliii;;,''llliiillllllllllllllllllliiillll}
　　　　　　　　　 {i" 〃ｱ~;;;ﾆ._ﾞヾ＿_三ニ=-ﾞﾐミﾞ;iillllllllllllllllllllllllllllli}
　　　　　　　　　　ﾞi,{ ,{{ ﾞi "ﾓji:､　;'" -''ﾓj-=;,　　 ji;lllll''""ﾞ;;llllllllllﾂ　　（やれやれ、どうも知恵伊豆どのは、やたらと武力を振り回したがるね
　　　　　　　　　　　ﾞヾﾐ､ﾞl; ￣ l::　::..' ￣￣　　　,ﾉﾂﾂ i'" ,ﾉlllllllﾂ
　　　　　　　　　　　　　ﾞﾘ':l;　 l:　:::::;,_　　　　　　 ,;ﾂ'　i　ノ;illllli;'　　　　後方に回る人ほど、景気のいいことを叫ぶ、とはよく言ったもんだが）
　　　　　　　　　　　　　　　'l　ﾞ:,__:-''　　　　　　　　_,il-''";llllli;'
　　　　　　　　　　　　　　　 'l;　ー─--　　　　　,,r''ﾉﾞﾐ;illlllli;;ﾐ;､
　　　　　　　　　　　　　　　　''i;,　ﾞ"""　　　　,,;r'' ,/　　ﾂ'llliiﾂ　l
　　　　　　　　　　　　　_,;:-''"~''i:,　　　　_,::r'".:::: '_,;ﾆ-''''~~　　 :l
　　　　　　　＿,,,,,,;;;:-ｧ"ヽ　　／~'===ﾃ"ー､r''''""　　 _,:-ｰi　 :|ﾞ'-::,,_

945 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:18:35.63 ID:paIhi0go

　　　　/　　　　　　　 ,　ｉｉｉ　ﾞ!,ヽ,　 ,ヽ, ゝ、.. ;;;,　ﾞヽ,
　　　 iﾞ　　　　　　 ,　 ,! , ｉｌｉ　l i., l;,　i, l;;;;,`ミﾞヾ';;;, ﾞi i
　　　 !iﾞ ;'　　 ,i　　,! ,/!,i,iﾊﾄ, i, !! |i', ﾞi; i;;;';';,,_ミ:: ;;, ﾘ
　　　 lv',ｨ'　,;;;i　〃;/ ﾘ.ﾘl| !lﾞ:,ﾄ,ﾞ:､li;'､ i:.ﾞi;..;;;;;;;,ヾ ;;:〈
　　 ,ｨ,ｨ/ ,,;;:;;ｲ,/ｼノﾝ' ﾉﾞl! ﾞ'いﾐ`ﾐゝﾐゝ､ﾞ';;;;;;;;;;;;;'v;;;i
　　'" /　,;;-''ｼr--=､∠,,__ﾞ､　ﾞゝ,;≧-─ﾐｰi;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
　　　iﾞiﾞ　 ;;ﾍ |　ーt‐:ｧﾐ:｀､`　' '<"t::ﾗｰ-　|;;;ﾊ;;;;;;;;;;iﾞ
　　　ﾞ;ﾞ､　（ﾊ,! 　｀""´'　ﾞ:　　 `' ｀ ´　　ﾉ;ﾘ ,i;;;;;;ﾉ
　　　ﾞ:,ﾞ:､.ヽ,ﾐﾄ: 　　　　　 ,　 :.　　　　　　ｹﾉ./;;ｬ'′
　　　　　 `:､`ｰ;　　　　　 ,'.　 :::,　　　　'ﾞﾌｰ';;lﾞ　　　　（やることは正しい。が、ちょっと危なっかしい気がする……）
　　　　　　ﾉ,;;;;ﾞﾄ　　　　 `ｰ-‐'ﾞ　　　　 /};;;;;;;l、
　　　　　 ,ｨ'ｽ､;;;|`､　　　-‐ - ─-　　 /,.};;;;;;;;;;｢
　　　　 _｣ゝ､;;;l　;ﾞ:、　　　'''''''　　　,ｨﾞ 'ｸ;;;:;:;;;;｣
　　＿／/　　 `:'､ﾞ; ﾞ' ､　　　　　 ,ｨ'ﾞ　;'ク:::::::::::;`;､＿
　'"／　 l　　　 r‐`ｉﾞ:,　 `ｰ---‐''ﾞ　　｢..:::::::::;ｨ^!;;;;;;;;;;;;
　　　　　ﾞ!　　　|:::::P"⌒`ヽr～''⌒`く! ::::::::iﾟ_ノ,;;;;;;;;;;;;
　　　　　 | 　　,l:::::::|　　　/ バ　　　 ,l :::::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;

この日の合議では、信綱の意見は衆人の賛同を得るにはいたらなかった。
６月２５日までに鍋島勝茂を、佐賀から呼び寄せる、とする程度だった。

946 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:19:08.84 ID:paIhi0go

佐賀の勝茂に、江戸召喚がかかったのは、６月５日。杢之助の祝言の前日である。

　 /　　／　 ..::/.::/　.:::::: /.::::::/.:::::!::::::..!.. l　　::ヽ｀ヽ
　i　　/　　 .::::::!::/l ..:::／/.:::／!:::::/l::::::::l:::::l:::....l　 !
　! 　 ! l　.:::::::/l/__l／　/／　ｌ:::/.:::!::::/!:::::!:::::::!::!:l
　ｌ　/l/l .::::::/　＿_ ｀ヽ、　　ｌ/ .::::l::/.:l:::/l:::::::!::!::!
　 V くｌ .:::/ 　 ¨ 疋ﾀ` ヽ､ノ　.::::::_j/　-―ｌ:::/.∧l
　　∨ｰ!::/　　　　｀¨　　　　／fr芹､:::／l/.:/
　　j/iヽl/　　　　　　　　　　 /.:::::┴'..:::/./　j/
.　　　ｌ::∧　　　　　　　 { ::::::::::::::/.:/
.　 __/V ::ヽ　　　　　　　　／..::::::::::/.:/
／i/　 ! ::::::ヽ　　　 _　　　　.:::::／ j/　　　　「とうとう来たか」
.三l　:: ｌ　:::::::ヽ、　　　__‐-..::::／
.三 !.:::::.ヽ、:::::::::ヽ、　....:::::／
三ﾆｌ:::::::::::::＼::::::::::::::ｰ匕＼

佐賀をたった勝茂は、６月２３日に江戸入りした。

947 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:19:32.90 ID:paIhi0go

　　　　　　　＿＿_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　〃|ＬＬＬＬＬＬＬ| |
　　　　　　　 |　石　｢￣￣, ＝=ｰ-　､ _　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　〃/|ＬＬＬＬＬＬＬ| |
　　＿＿_ _ _l|　丸　|　　 / | r=ー' ､　 l|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　〃//|ＬＬＬＬＬＬＬ| |
＿|r===l |　| |　電　|　　{　l| l｣冂｜|　｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　〃///|ＬＬＬＬＬＬＬ| |
｜||｣_冖｜ | |　気　|　　＼｀ｰ-_'ノ'　 |l　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿_| 。ｌ ////|ＬＬＬＬＬＬＬ| |
｜|r=v┐|　| |　①　|ー--- ニ二＿＿||l　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /|」｣｣｣｣｣｣｣｣｣｣｣l| 。| ////|ＬＬＬＬＬＬＬ| |
｜|Ｌ!]_ﾘ｜ | ｢￣￣l|　匚|匚||<Ｉ|匚|匚|||　　　　　　　　　　　　　　 //|幵幵|ｴl｢幵幵| 。| ////|ＬＬＬＬＬＬＬ| |
｜|r==、 |　| |　鍋 |　匚|匚||l{ |匚|匚|||l　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ//|幵幵|ｴl| ／ | |　 | ////|ＬＬＬＬＬＬＬ| |
｜||_Ｌ!｣l |　| |　島.. |　匚|匚|lﾃl|匚|匚|ｌ|l　　　　　　　　　　　　　　　　　|//|幵幵|ｴl||[ﾚl | |　 | / ／l|[][][][][][][]| |
｜|r ､rｧ｜ | |　家 ..|　匚|匚||ﾚl|匚|匚|ｌ||l　　　　　　　　　　　　　 |//|幵幵|ｴl||L］ | |　 |／[／|ＬＬＬＬＬＬＬ| |
｜|<へ>｜ | |　と　「¨ 匚|匚||ﾋﾞ|匚|匚|冂　　　　　　　　　　　　 |//|幵幵|ｴl||{_〕 | |　 | ／／|ＬＬＬＬＬＬＬ| |
｜|＿＿｜_|_|　り　 |　匚|匚|| ･|匚|匚||；|　　　　　　　　　　　　 |//|幵幵ｆ／|lX{ | |　 |_／／|ＬＬＬＬＬＬＬ| |
冂l [l[l[l[l匚_ |　つ.. |　匚|匚| ﾑ|匚|匚||：|_　　　　　　　　　　　　 |, /|幵幵|[ﾚl| ／f´]｡ｒ'´＼ l|ＬＬＬＬＬＬＬ| |
|l |匚　　＿|l|　ぶ ..|　匚|匚|l l |匚|匚||・|l|　　　　　　　　　　　　　　　 |/ '|幵幵ｆ／|fｒ'l_| |　 | ´＼】|ＬＬＬＬＬＬＬ| |
|l |ｌ　| 　匚_ |　し　 |　匚|匚|ｌﾋﾞ|匚|匚||：|l|　　　　　　　　　　　　　　　 |／|幵幵|ｴｒ'／, |´]｡ｒ'´＼ l|ＬＬＬＬＬＬＬ| |
|l |匚　　＿|l|　か.. |　匚|匚|l l |匚|匚||；|l|　　　　　　　　　　 rｧ=ｦｦ|／|幵幵|／|レ{ | |　 | ´＼】|ＬＬＬＬＬＬＬ| |
|l |ｌ　| 　匚_ |　!?　 |　匚|匚|ｌ･|匚|匚||；|l|　　　　　　　　　　 |l_|=／|／|幵幵|／|l０| |´]｡ｒ'´＼ l|ＬＬＬＬＬＬＬ| |
|l |匚　　＿|l|　モ... |　匚|匚|ｌＤ|匚|匚||・|l| 、　　　　　　　　　 |l_| |　ｌ|／|幵l|L|ｒ'｢||'ｮ| | |　 | ´＼】|ＬＬＬＬＬＬＬ| |
|l |ｌ　| 　匚_ |　ナ.. |　匚|匚| Ｖ|匚|匚||；|l| l|　　　　　　　＿|l | |　fｱfEEEｌ }|ｒ'|i||'z| |´]｡ｒ'´_ ＿＿　ＬＬＬＬ| |
|l |匚　　＿|l|　Ｎ　 |　匚|匚|ｌＤl l|／＾ﾟ：|l| l|┐　　　　 ┌/「￣￣￣|ｘ'|EEE| ||ｒ'|l||'･| | |　 | _| || 万 ||_ ＬＬＬＬ| |
|l |ｌ　| 　匚_ |　Ｅ　 |　匚|匚|￣|∥|匚|凵l|「|r|_　　_ _ _ _r‐| |｜l _　_　_｢ｭ[ ｭｭ| ||ｒ'|l　　 |´]｡ｒ' | |l　　 ||_ ＬＬＬＬ| |
|l |匚　　＿|l|　Ｗ.. |　匚|匚|匚|∥|匚|　 l| 二／＾ﾟ　二二二二二二二|'ｭ[ ｭｭ| ||ｒ　ﾟ＾＼､ 'r┤ｌ| || 世 ||_ ＬＬＬＬ| |
|l_l＿|＿_匚_ |　Ｓ　 |　　　　　＿_∥_ _ |　 l|┴∥┴┴┴┴┴┴┴┴‐ｒ'´｢￣ﾐ￣|ｒ'ｌ｣|l　 || ｌ| l| _| |l　　 ||_ ＬＬＬＬ| |
＿＿＿_ｒ'´_|l|　　　 | }三{ _ l｢ヽ_ ∥＿_ヽ _| ｌ｣∥tr｢ |l ｨｼﾄr「,ｲﾄl| …|｢ |ｔ：|　,幺､ | -┐　l|| ｌ|_l| _| || 橋 ||__ＳＥGA_|
三　|　｢三 ∥　　　|}三三{　r‐　∥‐┐　 l| |｢∥r|rrｨｲﾐｿ、ﾐミ彡｡．｣|_l|__l|ﾆ'ｲiト､|二ﾑ'´ || 二|_　￣｢｢´二GiG０二
三　|　 |三=∥　＿｜}三三{ |￣ ∥　l|　　l|_/'｣|ｧ flfl',fl'fl' fl'fi'ffi' fi fi ｰ-= ､ _ i|｀ |=三fﾆｌ|| fifir　￣l| l|￣|￣￣|￣|
＝＝＝＝＝＝＝＝　　　,､_,､　　　　|,､_,､_ ＝─ '′ A　 fﾆl　A　　A 　 fﾆl 　 A￣｀　ｰ-∧＿∧|_λ　| l|　 |　 λ|　 |
　　　　　　　　　　　　　　　 ( ´∀)　　　(　　 )ｳﾝｳﾝ　　　　　　　 ∧＿∧　　　　　　　（｀　　）　￣l| l| ー─----
鍋島モヤバインジャネ？（　　）　　（　　）　　号外！号外＞（∀・　 ,）　　　　　　　と　　　〉　　 | l|

江戸での風説は厳しいものばかりだった。

『勝茂公、上使の命を背かれ、一番乗りをしたまうこと、伊豆守のいきどおりり深く、
領国を召し上げられるか、遠島されるなど、ひそかに内意を告げ口するものあり』

948 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:20:40.03 ID:paIhi0go

＜江戸　鍋島家桜田屋敷＞

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949 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:21:35.10 ID:paIhi0go

大名は江戸に滞在する際に、城下に屋敷を構えていた。
いよいよ明日、勝茂は江戸城へと向かうのである。
この日は勝茂の息子である、小城藩主元茂、３男直澄、江戸番方の土山など、重臣が夜を徹して協議を行っていた。

　　　　　　　　　　　　　　／　, - ' ¨ 　＼｀ >-､　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　／／　, '　, ' 　　|‐'´　　ヽ　　「父上がもし、江戸にてお隠れするようなことにでもなれば」
　　　　　　　　　　　　/ヽ / 　/　/　//ヽ,.'ヽヽヽ　＼　　　　
　　　　　　　　　　　〉　/ ! 〈　 {　 | |゛゛"''''|│　〉　　! 　　　　　「われら譜代の者であるなら、すぐさま城を明け渡すことなど断じて許されない」
　　　　　　　　　　　〈ヾ| ｉヽ_lyz七ﾘ>　　　| |　/　 |　ｌ　　　
　　　　　　　　　　　/｀ﾊﾚレ|,,r==ﾐ　　　　ﾑ,Lﾊ /　!　! 　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ--‐`''‐ｖ''''""'''ヽ、　　　　　|/.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　 //,' r | l |`V::ｿ　　　　　　 ~∨ /　/ 　　　　　　　　　　　　　　　　＿ｰ'´　　　　　　　　　ヽ、　　 _,,┴''".:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　// | ヽ|│!. ￣　　　 ,　r=z､ /∨l/　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　　　　` ｰ､　　　＼　/_,.-‐-､.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　 // │　ヽ! |　　　rーy 　　 / 〃　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / / / 　 ii　i　　　＼　　　　.Y´ _ ＿　 `ヽ､
　　　　　　　　　//　 !　　｀､!>､　r､｀´　　 ,ィ / | 　　　　　　　　　　　　　　　　　　// / /　 i .i i i　＼＼＼　　＼| ´_,,,,　"''ｰ､
　　　　　　　　 // 　 !!　　 !　　｀ノノ )7 ＜/ﾙ'　 !　　　　　　　　　　　　　　　　　　!i　i　i　__i! ! i!!ヾ､!_,,.-‐ .＼　　Y´　　ﾞ'''‐､
　　　　　　ｒヾ￣ ||　　lr‐ 'ﾌ, '／ |ヾ|　!　 |　 ! 　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧ i　i　　i｀iｯi､iヾ'､-iｯ''＼＼＼/ﾞ''‐-､
　　　　　　 ,',ﾍ　ヾヽ|| 　／　　 ∠- ｧ! ＼|　　!__ヽ　　　　　　　　　　　　　　　 / , ' ! i　i　 iヽ´/　` ￣､/ !'＼＼l　　　＼＼
　　　　　　/!　ヽ　| |||／　　　　 r--'ヽヽ　`ｰ､ヽ ¨ｧ　　　　　　　　　　　　　 / , '　/ ＼i!　i!ﾄ､ヽ＿　／` //.:.:` l ､　　＼＼
　　　　　 ,'　〉　ヽ !_/　　　,､┬､二ゝﾆ＼　ヽ!/│ 　　　　　　　　　　　 / , '　/　　　!＼ﾄ､!` ､´　　／V.:／.:.:.l 　l.ヽ
　　　　　 ! /　　　/ |　　ィ´　! !　　　　| ＼_　　|_　!　　　　　　　　　　　 / , '　/　　　　　ヽ `　｀ ‐' 　 ,i'´.:.:.:.:.:.:l 　l.:l ﾄ､　　ヽ
　　　　　　　　　　【佐賀支藩　蓮池藩主　鍋島直澄】　　　　　　　　 / ., '　/　　　　　　　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:..::.:.l 　l.:l　lヽ　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【佐賀支藩　小城藩主　鍋島元茂】

　　　　　　　　　　　　 __　,.-￢-　､._
　　　　　　　　　／　'´,　､　　、｀ヽ､
　　　　　　　　　ｒ´　　 /　l　ヽ　　＼　､ヽ
　　　　　　　 /　　/ /l.　 l、　＼　　ヽ ', lヽ
　　　　　　　　/,　l. / /´ヽ　lヽ　ヽ. !　ヽ. トヽ､
　　　　　　　 '´|　 V　'＿_ヽ. ﾄ＼､＿',| 　 ',｜
　　　　　　　　 | l. ,|　|　__　＼ﾞ､ヽ.__ヽl.　　ﾄ.|　　「しかるに、まず妻子を殺し、家を焼き、
　　　　　　　 lﾊｌﾍ｜´　｀　ヽ´　｀｀〉,^! | !
　　　　　　　　　 l＼ｌ|　　　　|　　　　//ｨ N　　　家中ことごとく籠城して、城を枕に討ち死にしましょう」
　　　　　　　　　　| ﾊヽ　　＿＿　 /ﾊ/ ｀　　　　　 _
　　　　　　　　　　'′lﾊn＼｀ニ´／! !　　　　　　　 ,ｲ |
　　　　　　　　　　 _,.-' /ヽ｀ - ´ ,ﾊ＼　　　　　　　| |ヽ
　　　　　　 _,　- ' / 　 |　　ヽｪ､ ' 　 |　ヽｰ､　　 _　| ﾄ. ヽ
　　,.､-‐　´　　 /　　｜　 /　　〉　 | 　ヽ　｀⌒.l ヽ',ヽヽヽ
　 / ヽ　　　　　〈　　,.-|ヽ/ ヽ-/ ヽ/|､　　,〉　　 |　l_! ヽ　ﾞl
　　　　　
　　　　　　　【江戸留守居役　土山五郎兵衛】

たちまちこんな極論が飛び出し、しかも大方の賛同を得てしまうのが、佐賀人の恐ろしさである。

950 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:22:23.63 ID:paIhi0go

あける２４日早朝、勝茂は屋敷をでかけた。
ふと、脇に目に付くものがある。

　　 /// ,　|　｜　　 |　| ﾍ　　ヽ
.　　|/ ｌ /　|　∧ |　| :|　|、:|｜　 ',
.　　| l　|　､ﾄ､.|. |ﾊﾊ |ヽ!ヽ'Ｖ　　｜
.　　lｲ　lヽ| _ム-- ｀　レﾆニT |　N
　　 ∨|　|´ 'ﾓｼ´　　　ﾞー'　|｜ |
　　　 |ハ！　　　　　　　 |/／
　　　　ヽﾄ、　　　 l　　　　/　　　「ん？」
　　　　　　ヽl＼　 -─　　.ｲ
　　　　　　　　 l｀　 ._　／ﾉ、
　　　　　　　　/　|　　　 ,rく. ヽ
.　　　　　　　/　,ヘ　　 /　∧｜

気になって注意深くみてみると、それは薪束の山だった。
材木の山のように野積みされてあるものが、屋敷の軒まで積みあがっている。

ｌ二ヽ
　　) )
　/￣￣￣ヽ
.　| .（＼／） |
　 |　 >　< 　|　　　おまけに油壺もご丁寧に置かれていた。
　 | （／＼）. |　　　これでは火をつけてくれといわんばかりである。
　ヽ＿＿＿/

951 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/28(木) 20:22:23.99 ID:FABmbsAo

＞外様の中でも群を抜いて名声の高かった加藤忠広
そうだったんだ。
加藤忠広は親父が死ぬまで藩政を仕切ってたせいで藩の運営に四苦八苦してた、と聞いたことがあるけど。

952 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:23:14.88 ID:paIhi0go

　　　　　　　./: : : : : : : : : : : : : :.',: : :ﾄ､::/ｉ: :/ヽ: : ﾄ､: : : : :.ﾍ
　　　　　　　i: : : : : : : : : : : : : : : ﾍ:: :l !/　l/　ヽ::l　i: :i: : |ヽ!
　　　　　　　l: : : : ﾍ; : : : : : : : : : l-',:l──--､_,,!/　ヾ!l: :,'　ヽ
　　　　　　ﾉ: : : : : r､: : : : : : : : :l　ゞ-t‐jヾ　　　/'ｰ､l:i/
　　　　　　 !ｲ: : : :/ ﾍ: ﾄ; : : : ﾄ; :l　　ー¨-　　　〈ftﾂﾞ/|
　　　　　 i: : : ,'　　',:l ',: : : l ',:l　　　　　　　　 ',￣,'ﾊ!
　　　　　　　 ',: : :ヽヽ-､!: ',: : :l　'!　　　　　　　丶､l
　　　　　　　　',ﾄ､: : :ヽ__,,i ヽ: :l　　　　　　　　　　／j
　　　　　　　　　 :i: : : : : :i ',　ヽ!　　　　　＿　 _　,ｲ　　　「なんだこりゃ……、誰がやった？」
　　　　　　　　　　',!i: : : : l ヽ、ヽ　　　 r'" 　 ∨∧;!
　　　　　　　　　　　',::ﾄ;::ﾄ!　　ヽ､　　　｀￣二¨/
　　　　　　　　　ﾚi ヾ!:　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　 __f´¨ｰ--､＿　　　　　ー,--"

::|　　　　　 !　　　ヽ.　ヽ:::..　　ヽ　　　 '::.　 l::.　ヽ
::|　　　 : 　 l　　　　　ヽ:.　ヽ､::..　　ヽ:..　　　':::.　 !::.　 i
::l　 :　　 .: 　 !　　　　　ヽ:.　ヽヽ､::..　ヽ::／　 ':::.　 !､:.　|
:::i　::　　:l: 　 l　　　　　＼　ヽ　＼／ヽ:::. 　 ':. 　| ヽ:. !
r┤:::　　:l::　 | ￣￣｀｀`ー-　＼ヽ ,r‐ｧｫﾔ､::.　 i:::　| 　ヽ|
.ト| ::::　　:l:::　| ,r≠T〒ト　　　　＼ヽ-┴'´ |､:::.　!::: |
.i' i :::::..　:ﾍ::. l　｀ー┴ｰ'　　　　　　＼､　　!::l:::. |::::::|
ヽヾ, :､:.　::ヽ::.!　　　　　　　　　　　　､＼. |:::ﾊ:::ﾊ:::::|
::::＼!:::l::.::::::lヽﾍ　　　　　　　　ヽ　 i::/ }:;' ',::::|
::::ヽ:.::::ﾍ:::::::!　ヽ　　　　　　　　　　／　/::/　|'　 ',::|
ﾍ:::}ヽ::､::',:::::!　　　　　　　　　　　　　　 /!::{　　　　ヾ
　'::|　!::Xlヽ:::',､　　　　　　　-―‐‐' 　ｨ　l::i　　　　　「はっ……、やらない夫が昨日から手配していたようですが……」
　 '.i　';'　ﾄヽ:! ヽ､　　　　　　　-　　/　! ヽ!ヽ_
　　,/　　|　ヽ　　｀　､　　　　　　/　　l　　　､｀ｰ､
.／/　　 !　　＼　　　　｀ー-r-'　　　l　　　　!　　　｀

, ' ＾￣｀丶
',　ﾄ从Ｖｖ〉
　ｉ(ﾚﾟ Дﾟﾘ　　　「すぐやらない夫を呼べ」
（　　　　づ

953 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:23:43.11 ID:paIhi0go

やらない夫は厩の方から走ってきた。
事情を聞くと、すぐに返事をした。

　　　　　　　　　　　（⊃￣￣＼
　　　　　　　　　　（⊃　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　　（⊃　　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　|　　　　（__人__）
　　　　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　「はい。自分がやりました」
　　　　　　　　 |　　　　　　　 } ＼
　　　　　　　／ヽ　　　　　　 }　　＼
　　　　　　　　／　ヽ､.,＿＿ __ノ　　　）
　　　　　　／　　　　　　　　.　　|　＿／
　　　　　　|　　　　　　　
　　　　　　＼　　　＼　

　　　　　　　　　　　　:.-‐':.:.:.:.':,:.:-､
　　　　　　　　　_,-'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀‐-
　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀､
　　　　　　　./:.:.:ｉ:.:,:.:.:.ｉ:.:.:.:.:.ｉ:.:ｉ､:.:.:.ｉ:.:.:,:.:.:.:ｉ　　　
　　　　　　　ｉ,-'´}:.:ｉ:.:/.l:､:.:.:l ､:l .､:.:l､:.:.:.:.:.:.l
　　　　　 .,-' ,‐ｉ´:/l:/　｀ .､:l　.｀　､l .l:.:.:.,.:.:l　　　
　　　　 ./　//´l,-'}　＿ ,,　｀､､＿___.l:.:.:l-:l
　　　　.l　 '- ' , :.:.l‐'_＿,,,　　　､､＿__l:.:/) l　　　　
　　　　l　　　,〈,'(',:.l　　　　 l　　　　　.l/-‐'　　　
　　　　l　　　ｉ　ｉ´｀:l　　　　l　　　 ι.l:./　　　　「なに考えてやがる」
　　　 /　　 /　ｉ　　＼　　＿__　　／l_
　 .,､ｉ　　 .' ／　　 ,‐'.l＼　 ‐　／　 l )),
　 .l　＼　 .ｉ､　　 _/ ｀‐､__ ｀‐´ __,-‐'´ .ヽ-､
　 .l　　｀‐-'ｉ _,‐' .l　　 .,-､ｉ　　ｉ,‐､　　 /　 .｀‐､_
　 .l　　　　 .ｉ　　　 l　　.l　 l　　l　 l　　/　　　　　｀‐､_
　 .l　　　　 .l　　　 .l　 /　ヽ　,'　 .l　./　　　　　,　 ,　｀‐､

954 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:24:26.60 ID:paIhi0go

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人)ヾ;　从
　 └-､_　　　　　　　　　　　　　　　　　　(:'　　　 . .　　　　　　(:. ,:.　　　　　. .　　_ノ　　_人　 (,＿
　　　 └-､　ｶﾝ!ｶﾝ!ｶﾝ!　　　　　　',　　)）　　　. .　　　　　.:从,)ﾉ':.:,　　　　. .　_从　(⌒　　　　ﾞ /⌒　　　ｳｰ
　　　　　　::::i　　　　　　＿＿＿＿　}　 /(　　　　　　　　,;;'人,,ノ;ﾉヾ;,.,　　　 . _ ゝ　　　　　.　　　　火
　　　　　　::::|　　　　　γ　　　　,'　ﾉし': :ヽ　　　　,;,､　,;ﾉﾉ .:;.（. ,.（ ,　　　 .　　　　　.,;,.,　　　　｀ﾍ/　　ｳｰ
　　　　　　::::|　　 r　―|　　　　（(,ｲ: :　　:: :V）　,､　,.:;（ﾞ:　 ,.:.人:. ヾ,､　（.　　　　　　.,.,; 　　;,,.,　　　（　＿
　　　　　 ,,;;;;|＿　i　　 :|　　　　､ゝ: :　　　: :(ﾉ}　　(,.ﾉ,､ヾ , .,;ﾉ　（;.　（:, 　,）:. 从;:　 .;　　　　　;,　　　∨(
　　　／　　＼￣＝―-＿　　ヽ: :: :　 : :: :/　~,;. ,:ﾉヾ; .　,;） ,､ヽ;,:.;）:.从;.,　　,;　　　　　　　　;,　　　从
　　／　　　　　＼　　　　　＼　　ゝ;:; :;从;ノ　|　:.　　　　　　, 从ヾ;. '',人ヾ,´:.:　　　　　　　　　:;,　　ﾉ_イ
　／　　　　　　　　＼　　　　　＼　|　　　ゝ､　 |　:::|　r―i-i　　　　　_人ﾉ,　　 ;:　　　　　　　　　　;;　　/
（　　　　　　　　　　　ヽ　　　　へ＿へｼﾆﾀｸﾅｲヽ､|r　￣￣γ‐-､__　ヽ　　　;　　　　　　　　.,ﾉｌ火)　　'ﾍ,
　　|　　　　　　　　 |　　　　　（´Д｀；）　　　　::i￣￣ヽ‐-!､　　　~‐､　　　　　　　　　　　∧ ∧ 　ﾀｽｹﾃｰ
　　|　　 ∧ ∧　　　 |　　r - 、 ⊂　 ⊂ )　　 ::|　　　　|　:::|　　　 ::|-r-=__　　　　　　　 |（ﾟДﾟ）ﾉ|::　　　　|
　　|　　(,,>A<)　　ｷｬｰ！ |　:::| Y　人,　　　 ::|　　　　|　:::| ⊥＿⊥　| 　 :::i　　　　　/　（　つ　つ:::.　　　 |
　　|～（＿_ ノ　　　|　|　　|　:::|（＿）　J ........::::|　　　　| ⊂（；∀；　）つ三三三三　 |:::. ﾐll　　ﾘ　　|:::::..... 　 |
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　し　し￣￣

この当時、人々が最も恐れていたことは火事である。
ただでさえ江戸は、何度も町が灰燼（かいじん）となる火災をおこしているのだ。
各大名は、失火に対して敏感になっていた。

955 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:25:00.64 ID:paIhi0go

　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　|　　　（ ⌒）（⌒）
　　　　　 |　　　　（__人__）
　　　　　　　 |　　　　｀ ⌒´ﾉ　　「万一のときは、屋敷に火をかけ、
　　　　　 ,|　　　　　　　 }　　　　江戸中を火の海にしたうえで、公儀に一戦を挑むほかありません。
　　　　　／ヽ　　　　　　 }
　　　　　く　くヽ　　　　ノ　　　　その仕度をいたしたまでです」
　　　　　＼　`' 　　　く
　　　　　　　ヽ、　　　 |
　　　　　　 | 　　　 |

　　　　　　　 __ ...　-‐ ､
　　　　, -.::''.:::::::::::::::::::::..`ｰ-.､
　　／::::::/:::::::;::::::,:::::::::::::::::::::..ヽ.
　　イ/::/:::::::;ｨ::::/::::::::::::::::::::::::::::.ヽ,
　　 /::::i::::／.l::/l::ﾊ:::::,i::::ヽ:::::::i:::::::l
　　/;ｨ::{:/ｰ､ｌ/_.!'　|:::ハ:;∧:::::ｌ:::::::l
　／　|::|　ﾃ''ｯ､｀丶ｰ- ､　i;:::|::::::/
　　　.|::l　　　　,　　 'ﾃ''ｚ､ l:::ﾘ::::::i
　　　.|/|　　　/　　　ｒ.Kヽf''i/'ｌﾉﾘ
　　　ﾊ　　｀　　　 | .| l .| |ノ
　　　 ,小.　- ､　　 .| .l/././､　　　　　　　　「ここが燃えても、そこまで広がるとは限らんぞ」
　_,,ィ'´.H. ﾞ.. 　　,, -'"　　,/　￣ﾞ'ｰ､
''´ /　 { ' 　｀''r'´　　　／　　　　/　ヽ
　/　　ヽ､　,ｨl　　　イ /　　　 /　　ヽ
./　 .,ィ＾i }_/_/l　　　 |/ 　　　,　　　　 i

956 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:25:32.18 ID:paIhi0go

　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　／ _ノ　 .ヽ、＼
　　　　　　　　　　　　　　　　|　（●）（●）　|
.　　　　　　　　　　　　　　　　|　　（__人__）　.|
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　｀ ⌒´ 　ﾉ　　　「ですから、のこりの藩邸にも、同じ手配をしておきました」
.　　　　　　 r─一'´￣`＜ヽ　　　　　　}
.　　　　　　　 `ー‐ｧ　　 ,　　 )　　　　, -'~⌒ヽ、
　　　　　　　　　　ノ　　　{. 　 ,ﾍ　　　　,l.　ゝ、_ .'ヽ).
. 　　　　　　／, ､　_　　　/. |　　　.　',　　.　..　 .ヽ、
　　　　　　（／ / // / /　...|　　　 ...|＼..＼＼＼_)
　　　　　　　　 / // / /　　　　　　　 . .　＼_＼_)､_）
　　　　　　　　　ｰ' {_/ノ　　　　　　　　　　　　."´

　　　　 V　　　　　　　　　　　　　,,　　　,,　　 ,　. } }　　　　　V
　　　ノ　　　　　　　　　　　　.／/　／/　 /|　　| }　　　ヽ　V
　　∠-１　　　　　　　　　　/　 { .／　|　 .ﾉ |　　1 |　　　　1　V
　　　　.{　　　　　　　　 /| ./ー-|/、　 |　/　 |　./| .}　　　　 1　|
　　　　|　　　　　　　　% .|/　　 .'　ヽ、|/　　.|. / .}1　.}|　　　　.|
　　　　}　　　　　　　 .|　 '　 ,,,,,,,,,,,,,, ;,, ヽ､,　 }/　 ' | ./|　　} |､ .}
　　　　.|.1　/^ヽ　　 .|　　　 (　心 Y"　　　 '　／"|/./　 /ﾍ|.}.{
　　　　 ' | .|　ﾍ.　 .ﾍ|　　　へ----"　　　 , .|""丶'./　 / .{　V
　　　　　k　|　| ﾍ　.} ヽ |　　　　　　　　　　|　-"././　 /| /　　
　　　　　ヽヽ、ヽ |　 |,,j　　　　　　　　　　{　　　 {1 /. |/
　　　　　　 k ,　ヽ」　　　　　　　　　　　　　/　　 .} |/　 '
　　　　　　　v}　 |　}　　　　　　　　　　　　"　　　.{ .'　　　　「なっ！？なんだと！？」
　　　　　　　　.}.1|　\　　　　　／^'---．...,　　. /
　　　　　　　　 ! 1　ヽ　　　　/￣￣￣^"/　／
　　　　　　　　　　　　ヽ、　, |"'-----､,,,.{ .／
　　　　　　　　　　　　　　ヽ､’￣￣￣ー '／
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、　　￣／
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾーー・

957 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:26:14.70 ID:paIhi0go

鍋島七屋敷といって、江戸には鍋島藩邸は７つある。

江戸城桜田門の付近にある桜田上屋敷、
麻布にある麻布中屋敷が２軒、御成橋の中屋敷、
芝増上寺付近の三島町中屋敷が２軒、新橋烏森の打越中屋敷である。

やらない夫は、そのすべてに放火の手際をしてきたという。
それらが同時に燃え上がれば、江戸を火の海にすることなど簡単だった。

　　　　　　　　　　　　　 _,　-‐--....､
　　　　　　　　　　　／..:::::::::::::::::::::::::::.ヽ
　　　　　　　 / .:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ
　　　　　　　　　/..:.:.:.:.::::/:::;i:::::,|:::::l:::::;::::::.ヽ
　　　　　　　　　 l::::::l::::::/l::/ |::/{::/|::;/l::}:;::;::i
　　　　　　　　　 l/i::l:::N`|ﾒ､_|ﾑ|/.,j／ﾚ|::|::ト!
　　　　　　　　　　f＾i:::ｌ　''ZＴｰ　ｨ'Zト.|::|::ﾚ'＾ヽ､
　　　　　,...-',,⌒ゞﾐ､l::|.　　　　　ｌ　　　l::!Y::::::::::::::.ヽ､　　　　　　　
　　　　/::／..::::::::::::..ヽl_　　　　　〉　 /ｖ':::::::::::ﾉ::_;;:::::j,ト､
　　　/:::::::::::::::::::..`ｰ-､:l､　f＝==r 　,ﾍ:::::;::::::/￣　ﾞ''ﾍｭ_ﾉ　　　　　　「誰の許しでやれといった！？」
　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::;;_ヾ;:､L＿,,ﾘ／:>:l/:::／
　 ./:::i|:::::::::::::::::::::::::::::::..｀''ヾ､ｰ_-イ, 〉<.|／　_ノ⌒ ｰ - ,,,＿＿　　＿
　 }:::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ﾞヾ!､!;::|:|,r‐'ﾞ　　　　　　　　　／/ 　ヽ
　「::::ヾ|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ヽf　　　　ヽ　　　　　 l /　　　 l
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958 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:26:54.04 ID:paIhi0go

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　　　　　 .,-' ,‐ｉ" _ノ　ヽ､_　　　i
　　　　 ./　//´l （ー）　（ー）　　i
　　　　.l　 '- ' , l　（__人___）　　　i　　　　　　　答えに窮してしまった。正直、許可など取ってない。
　　　　l　　　,〈,'　　｀⌒ ´　　　　i　　　　　　　たしかにここが痛いところである。
　　　　l　　　ｉ　ｉ　　　　　　　　　 ,i
　　　 /　　 /　ｉヽ,　　　　　　　　/
　 .,､ｉ　　 .' ／,‐'.l＼　　　　　／l )),　　　　　　しかし……
　 .l　＼　 .ｉ､ム｀‐､_｀￣￣´-‐'´ .ヽ
　 .l　　｀‐-'ｉ _.-ヽ .,-､ｉ　　ｉ,‐､　. /　 .｀‐､_
　 .l　　　　 .ｉ　　 l　l　 l　　l　 l　/　　　　　｀‐､_

　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　／　　　　　　＼
　　　　　　　　　 |　　＼,　,／　　|
　　　　　　　　　　|　（●）（●）　 |
　　　　　　　　　 | 　（__人__）　 |
　　　　　　　　　　| 　　｀⌒´　　 |
　　　　　　　　　　　{ 　　　　　　　}　　
　　　　　　　　　ヽ　　　　　ノ　
　　　　　　　／⌒ ´　　　　　｀ ⌒ヽ
　　　　　　　 /　　　　　　　　　ﾉ　　　

やらない夫は顔を上げて、まっすぐ勝茂の目を見る。

959 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:27:14.27 ID:paIhi0go

　 ∨::::ｌ.　 |! |::::::/　　 '.::::; ′　∨::::::::::::::::|:::::l::::::Ⅳ
.　　∨:|　　　|:::/　　　 }; '_.．-'´ ∨:::::::::::/:::l::|::::::|
　　　∨　　 |/　 _.．-'´　　　　　 ',:::::::::/:::::ﾊ|::::::|
　　　　　　　,.． '＿＿＿＿＿__ 　 ' ::::/::::/::::|::::/
　　　　　　　　'´　　　　　∪　　｀'　|::/:::::/|::::l::::′
　　　　　　　　　　　ー‐---一'　　 |/::::/　}:∧:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,′:/　/ﾘ　｀　　（クソッ、こいつの親父も、意見するときは同じ目をしていた……）
　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　,:::::/　/
　　　　　　　　　　　　　　　　 ∪/:::/　
.　　　|　　　　　　　　　　　　　　/V／
　　　l|　　　　　　　　　　　　厂7
.　　　!　　　　　　　　　　　　　/∧|

960 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:27:38.29 ID:paIhi0go

　　　　　 __＿＿＿__
　　　 _,./ 　　　　　　ヽ
　　 /　　─､,,＿　　 _ヽ､-ｰ､
　　〉　　　　　　｀Y(,＿）　　）
　 (´ 　　─､,,＿　入__＿__ク／￣￣＼
　｝　　　　　＼_/　　　/.／　＼,　 ,／＼
　｛　　─､,＿　　 ! 　　､i　|　（●）（●）　|
　ヽ　　　　　　ヽ／　／（　| 　　（__人__）　|
　　ヽ￢─-ｰ" 　／　ﾉ　| 　　 |r┬-|　　|　　　　　　「これらを行うのは殿が万一の場合が起こったときのみです。
　　　ゝ､_　　　　_Ｌ　/　ヽ | 　　 `ー'´ 　 |
　　　　　　｀゛ｰ＜　／　　ヽ　　　　　　 /　　　　　　　すでに亡くなられたら許しは不要と考えました」
　　　　　　　　　∨ 　　　　　ヘ　　　　　ゝr'.二ヽ、
　　　　　　　　　　∨　　　　　　　　　　　　ｉ＾Yﾞ r─ ゝ、
　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　ヽ._Ｈﾞｆﾞﾆ、|
　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　＼｀7ｰ┘!
　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　｢:ト　ｲ

961 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/28(木) 20:27:54.89 ID:KJHV77co

なんちゅぅ…扱いにくさかｗｗ

962 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:28:11.04 ID:paIhi0go

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _._.,,.､.-.ｰ.-..､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ＜´:::::::::::::::::::::::::::::`ｰ:.､
　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::/::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 /／::::::/::::/＼!＼_＼::::i:::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　 /´/:.:l::::ﾚﾍ!　ヽ／__＼::::l::::::::::::i:::::::::｝　　（……許しなど出すはずがなかろう。
　　　　　　　　　　　　　　　!l:l::l::へヾ｀´ﾆfｿゝ ∨::::::::l:::!::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　 |:::ﾚﾍ f_)）　　　　　　ﾚﾍｿﾍ::!::::::!　　　江戸焼き討ちの手配などバレたら、遠島などで済まされるわけがない。
　　　　　　　　　　　　　　ﾚﾍﾊ　く　　　　　　u　|/ )ソ!:::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　｀　　　　　　　　､／/:::/ﾘ　　　謀叛とみなされて斬首、が関の山だ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　- - ､　　　 ′|/:::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　_　´　　ﾉ:::/　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　ゴクリ　`ｰ､ ´　　　　　∨_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,∧　 __,,､､＜´　〉､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/∨) /∧　　　/::::::i:::ヽ._
　　　　　　　　　　　　 _ ,,､-ｰ／ !/ヘﾍ/ソ∧　　/:::::::::l:::::::::::｀:ｰ:.､
　　　　　　　　　　　　　,´:::::::::::::く::::::::/ヽ(⌒ｿ´´ヽ／::::::::::::::!:::::::::::::::::::ゝヽ.
　　　　　　　　　　　/::｛::::::::::::::::＞:i 　 l7i　　　/:::::＼:::／::/:::／::::::::::::::::i

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／｀`‐-─､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿,, r''´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : |:i: .:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､:.:.:.:...ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:./:./:.::./^'ﾄ:.:.:.:.:!.:.:.:.:..`､.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　／〆!.:/.:/ﾘ　　!:l:.:.:.::ト;.:.:.:.:.`､.:.:.:!.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　,z≠´　/.:.l:..:l ..,__　l:.|､:.:.:.! ､.:.:.:.:.`､.:.:.!.:l.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　 !.:.:|.:.:i　,,,__` !| `､:.|´＼.:.:.:.`,.:.:.i'.:.:､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 i.:.:.f.:r;.! ｲ升!　!　`､!-f升､.:.:.!.:.:.|i.:.lヽﾞ､　　（おやおや……。あまりにも白々しく動いてたもので、
　　　　　　　　　　　　　　　　 |:./ i!l.:.l　￣　 /　　　￣´ 7:.､!.:.:lﾉ.:l　　　　　　　　つい、許可を取っていたものだと思ってましたよ）
　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ　　!:.:.l　　　/　　　　　　 !.:.:ｿ.:./|:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !:::.ﾄ　　.`＿___　　　i..:.i!.::/. ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !..:! ＼ヽ＿／　／!.f/|/
　　　r- ､　　　　　　　 ,-‐　‐- ､＿,,!i-'"i`i､　 ‐ 　／_,,ﾘ|ﾍ､　　　　＿ . -‐ ､
　　　ヽ､　＼_＿　　/:::::::::::::::::::::::::／::;;;;| ﾍ､ー',, ／　i;;;;;ヽ｀'￣:::::::::::::::::::::　ﾍ　　　　　__
{ヽ､!ﾞ`､.ゝr､　　l｀Y＼:::::::::::::::::::::／:::::::::;i　 rゝ"､　　　 !;;::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::i　 ,.､r-ｨ'ヽ　}ｨヽ
.|　 |　 ll　 Y´　l　 !　ヽ-､　 ::::::＼:::_／! , '!::::::::入　 /::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::,., ｨ´f 　i　 l　 i´ i　l
.ヽ､ﾞ､　ﾞi　ﾍ　 |　 i　　　　ヽ::::r-‐'´:::::|/ l };:::::/　k. /i:､:::::::::_r':::::::::::::::, -‐ f　|　}　 }´ l 　! ,!　i
　　｀ﾞ､. ﾍ　 `"ﾍ　`l_　　　 !､_r ､::::::::l　 Y:::::::l 　 V/　､／::::::::::::::::r´ 　　 !　!　! 　| ｿ　 .|'　/
　　　　 `ー'‐―､_　　!　　　 //´:` ､i 　/:::::::::|　　/:::::::｀` ､::::::::::rr|::::.....r'ﾞ　 |'´　 /´　／／

963 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:29:16.90 ID:paIhi0go

　-‐ ､　　　　　　　 !　　　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,' 　　　! 　　　　　　　､ ‐-
　　　　ヽ　　　　　 ',. 　　 !　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ! 　　 .,' 　　　　　,r'
ヽ　　　　＼　　　　ヽ､　　 !　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ! 　　､,r' 　　　　／　　　　,r'
　ヽ　　　　ヽ　　　.! ﾞ''" .',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'. ゛''ﾞ !.　　　 ,r' 　　　　,r'
　　.ヽ､__, __,.' ＼.　　　 ',.　　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,' 　　.,' 　　　.／ '.,__ ,__､,r'.　　
　　　　ヽ.　　　｀､　　　! ､_,,. !　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　! .,,_､ !　　　､´ 　　　.,r'
　　　　ヽ､._,,. ' ＼　　',.　　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,' 　　.,'　　／ ' .,,_.､,r'
　　　　　　　＼.　　ﾞ'= _,!　　,,. ﾞヽ.､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､.,r'ﾞ .,,　　!,_ ='ﾞ　　.／
　ﾞ丶､　　　　 '.,　__,,　　　￣　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　￣　　　,,__　,.' 　　　　､ , ' ﾞ
　　　ノ　ﾞ '',…-'"　-‐'"　　　　　　 ,ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r', 　　　　　　゛'‐-　゛'-…,'' ﾞ　!､
　‐'"- ...,,ノ　　　 ,.　　　　　　　　　ﾉ .＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／. (,　　　　　　　　　、　　　!､,,... -゛'‐
　　　　　　ﾞﾞ''ヽ,. ﾉ　　　　　　_,,;;／　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　＼;;,,_　　　　　　(, .,,r'''ﾞﾞ
　　　　　　_,,ノ　　　　　　ノ　　, 　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　 ,　　!､　　　　　　!､,,_
　　　,.. - '"　　 ,　　　／　　 l!　　　　　　　ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ　　　　　　　!l 　　＼　　　, 　　゛' - ..,
-‐''"　､_,,...ﾉ-‐'‐-‐''ぐ_,,... -'''"ﾞ''‐‐-‐''ヽ､　ｒ'　'ﾞﾞ'''‐＼:　　　　　　　 :／‐'''ﾞﾞ'　'ｒ　､,r'''‐-‐‐''ﾞ゛'''- ...,,_ぐ''‐-‐'‐-(,...,,_､　゛''‐-
　 - ‐''"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽi､　　　　　ﾞi 　　　　　　iﾞ　　　　　､i,r'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　゛''‐ -
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ''‐ ,,..._ .ノ　　　　　 !､. _...,, ‐''ﾞ
　　　　　　　ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/´〉,､　　　　　|￣|rﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l､￣￣了〈_ノ<_/（＾ｰヵ　L__」L/　　 ∧　　　　　 /~7 ／）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゴゴゴゴゴゴゴゴ　　　　　　　　　　　　　　　二ｺ ,|　　　　　r三'_」　　　 r--､　（/ 　 /二~|/_/∠／
　　　　　　　＿　　,r''ﾞ~　　　　＿_　　　　　　　　＿　　　　＿　　＿　　　　　　　　　/＿＿」　　　　　　　　　　　_,,,ﾆｺ〈　〈〉　/￣」　　　　／^ヽ､　／〉
　　　.　＿_ |ﾛﾛ|／￣＼_,ｧ-‐ |ﾛﾛ|／￣＼　＿_ |ﾛﾛ| ＿_..|ﾛﾛ|／　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__,,,-ｰ''　　　　~~￣　　ャｰ-､フ /´く／／>
　　＿|田|_|ﾛﾛ|_|　ﾛﾛ|＿|田|.|ﾛﾛ|_|　ﾛﾛ|＿|田|.|ﾛﾛ|_|田|.|ﾛﾛ|_|　ﾛﾛ|＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰ-､__,|
　
　　　　　　　　　ﾜｰ
　　　　ｷｬｰ　　λ...　ﾜｰ　　　　λ...　　　ｷｬｰ　　　　ﾜｰ　　　　　　...λ　ﾜｰ　　　　λ...　　　ｷｬｰ　　　　ﾜｰ　　　　　　...λ
　　　　λ...　　　　　　λ...　　　　　　　　...λ　　　　...λ　　ｷｬｰ　　　　　　　λ...　　　　　　　　...λ　　　　...λ　　ｷｬｰ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　λ..　　　　　λ..　　　　λ..　　　　　　　　...λ　　　　　　...λ　　　　...λ

これらすべては他人に類を及ばせないための策略だった。

いざとなったら自分一人が責をかぶって、腹を切ってすべてを済ませる。
だが、万一の場合は、幕閣および江戸庶民に、佐賀武士の恐ろしさを、嫌というほど、
一生忘れられないように叩きつけてやろうというのだ。

964 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:29:43.04 ID:paIhi0go

　 /　　／　 ..::/.::/　.:::::: /.::::::/.:::::!::::::..!.. l　　::ヽ｀ヽ
　i　　/　　 .::::::!::/l ..:::／/.:::／!:::::/l::::::::l:::::l:::....l　 !
　! 　 ! l　.:::::::/l/__l／　/／　ｌ:::/.:::!::::/!:::::!:::::::!::!:l
　ｌ　/l/l .::::::/　＿_ ｀ヽ、　　ｌ/ .::::l::/.:l:::/l:::::::!::!::!　　　　勝茂は戦りつした。
　 V くｌ .:::/ 　 ¨ 疋ﾀ` ヽ､ノ　.::::::_j/　-―ｌ:::/.∧l
　　∨ｰ!::/　　　　｀¨　　　　／fr芹､:::／l/.:/
　　j/iヽl/　U　　　　　　　　 /.:::::┴'..:::/./　j/
.　　　ｌ::∧　　　　　　　 { ::::::::::::::/.:/
.　 __/V ::ヽ　　　　　　　　／..::::::::::/.:/　　　　　　　　　　（この男……）
／i/　 ! ::::::ヽ　　　 _　　　　.:::::／ j/
.三l　:: ｌ　:::::::ヽ、　　　__‐-..::::／
.三 !.:::::.ヽ、:::::::::ヽ、　....:::::／
三ﾆｌ:::::::::::::＼::::::::::::::ｰ匕＼

965 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:30:09.62 ID:paIhi0go

　

　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　／　ノ　　＼＼　　　　　　　　　　　　　＼il i !l ll i ll l i ll l il i !l ll ! ll l ! l! l il il i !!l l／
　　　　　　　　　　　　|　（●）（●）　|　　　　　　　　　　　　　三　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三
.　　　　　　　　　　　　|　　（__人__）　 |　　　　　　　　　　　　　三　　間違いなく死人（しびと）だ…… 　.三
　　　　　　　　　　　　 |　　｀ ⌒´　　|　　　　　　　　　　　　　三　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三
.　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　／il i !l ll i ll l i ll l il i !l ll ! ll l ! ll l il il i ! l l＼
.　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　ノ
　　　　　　　　　　　 ,ﾍ1、　　 /へ
　　　　　　　　_　 -イ::::::::::,ﾍ　／／::::::｀ト-　　 _
　　　　　　／: : : : : :!::::::::::::, ﾍ/ /::::::::::::/: : : : : : :＼
　　　　／: : : :i: : : : !::::::::::::::ゞ_/::::::::::::/: : : : : !: : : :
　　　./: : : : : :!: : : : ヽ::::::::::::／:::::::::::/: : r'1: : ! : : : :
　　　/: : :/: !: :!: : : : : : ＼／:::::::::::／: : : iz!}: : i : : : :
　　./: : : :!: :l: :i: : : : : : : :/:::::::::::／: : : : : |Z1: : !: : : :
　 /: : : : :i: : V: : : : : : ／::::::::／::: : : : : : :!ｷ!: : i : : : :　　
. /: : :/: : l: :/:: : : : :／::::::::／: : : : : : : : : :!ｷ!: : l: j1:
/: : : :! : : l: :! : : :／::::::::／: :rｭ､: : : : : : : !ｷ!: : !/1: :
: : : : i! : : i: :!::／::::::::／ : : ::'-<:ｷ、 : : : : !ｷ!:: :l: { : :
: : : : :i: : : !: :Y:::::::／ : : : : : : : :＼ｷz、: : ::!ｷ!:: :!: :!: :
: : : : :l : : :! : :∨´: : : : : : : : : : : : :＼ｷz=,f＝}rz! :i: :
: : : : :l: : : !: : : '.: : : : : : : : : : : : : : : l:＼}! }l__j: : : j: :
: : : : :l: : : !: : : : r──--------　‐'下zｿ::::::::::::!1: :
: : : : :＼,/: : : :/:, :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: }#!::,z≠! i : :
: : : : : : :j! : : :/:: :: `'　　､_r-､___, -1,. :j#j '´: :: !: l: :
'＼、: : / : : /:: ー-- ─ '1__ノー1__jノ/#j:: :i :: ::1 !: :
　　7≧!: : : l:: ::: ::: ::/:: :l:: :: :: ::!i:: :: :: 1i#j:: ::i:: :: :!:j : :

966 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:31:06.64 ID:paIhi0go

　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣ヽ
　　　　　　　　　　　　 , -‐'´　　￣ー､　　　　　　　　　 , '::　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　, ‐'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､　　　　　 /　....l.......::::.....:::::::::::::::::::::::::::::::::..........　 ',
　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　／'|:;ｲ:::l:::∧:::ﾄ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
.　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::, -‐'´ ＼　　 |' !:::,ﾍ!　ヽ|ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　,'　　　　　::::::::::::::::::＿::: :::::::/＿ , -─-､　　　',:|l,　／　ヽ::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::::::､!
　　　　　　　l......::::::::::::::::::::::::::l´ r-/......./...　　:::::::l:::::::ヽ　　 ! } Tj'ｿ　.|::ｨ::::::::|／ヽ:::::::::::::::::::::::||'
　　　　　 |::::::::::::::::::::::::::::::::::フ//::::::/:::::::::::／|:ｲ:::::l:l:.',　　 /　´ 　　 l/|::::::/rﾍヽ}:::::::::::::::::iヽ!
. 　　　　 l::::::::::::::::::::::::::::::;〃ヽ':::::::::!::::::／ヽ //!::::,':|::::i r ´　　　　　 |:::/ r-'ノ:::::::::::::::::::l　!
　　　　　　j::::::::::::::::::::::::::::〃i {r./::::::::|／ Fﾃ､X /:::/:/!::l　ヽ,　　　　　　 |/　r ｲ::::::::::::::::::::::i
　　　　 /::::::::::::::::::::::::::/ !::', (/::::::::::i 　 { i;/　/:/j::/ i:/　　､＿_,.. 　　　 / 　|/ヽ::::::::::::l:ﾍ
　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::!､l ,' ﾄ'|:::::::::::| 　｀' 　 {　 /　 |'　　　 '.　　　　　　　　　　　＼|X::i＼
　　　/::/:::::::::::::::::::::::::::::::::l_ |:::l::::::|::::| 　　　ヽ　　　　　　　　i　　　　　　　　　　／／　　＼＿
　　 /:::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`i:ﾊ::::::',:::|　　＼, '´　　　　　　丶---ー､　　　／／　　　　　　　ヽ
. 　 |::〃:::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::|'| l:::::::ﾄ;:|　　r 'l　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､／／　, -‐'´　　　　＼
　　!' |:::::::::::::::::::: :／ヽ:::::::::::l. rl::::::!_!|._ /ｲ::!　　　　　　　　　　　　　　　　／ , ' , ‐'´
　　 | i::::::::::::, -‐'´￣｀ヽ､::',::!'　!::::|　j:::::/|;'　　　　　　　　　　　　　　　　i.　/, '
.　　 |:::, -'／　　／　　　ヽ!ﾞ､　',::|　}:::/ |'　　　　　　　　　　　　　　　 /l/ '
　　　jr〃'　　／　　　　　 i　l　';|　|/　　　　　　　　　　　　　　　　　,'／
　　////､　 /　　　　　　 |__!__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
.　////　ヽ /　　　ヽ　　　　|r-r'|　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /

　　　　　　　　　　【佐賀藩祖　鍋島直茂】

「常住死身」
常に死んでいろという教えは勝茂も父親の直茂から教わっている。
そんな教えは真面目にやったことなどないし、やる必要もないともおっていた。
だが、この男はやっている。

967 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:31:34.27 ID:paIhi0go

でなければ、こんな死と引き換えに、暴力と恐怖を頭に植えつけるようなマネをするはずがない。
死人にしか思いつかない発想だった。

.　　　　　　　　/ .／ﾌ 7　 , -‐ x 　 l 　 i　i　i　 ',
　　　　　　　 / ,/ /　/ ／　／ i i　ｊ　　　　　 |
　　　　　　ﾚ/ /　／　〆ｰ‐‐く. /　/　　　i 　|
　　　　　 r/　′ ′ '´　.ィ´厂l/! / } 　/　|　}|　　
　　　　　 !′　　　　ｒ__ ､ｊ/｀￣厂ヽ! /j!　ｊ /}!
.　　　　　　 !　　　　 /　　.}　　` ー‐''/〃ハﾉ
　　　　　　ｊ　　　　　/　　ﾉ　　　　 /　/イ
　　　ｒ‐‐'―- ､／!　　 ___　　　 /　/
　　　厂￣￣｀ヽ　ﾞ> l＼　ゞ二)　　／ｊイヽ　　　　.「……見なかったことにする」
　　 ,′　　　　　Ｘ.　 l　ヽ. ___ . イ　 / .|　＼
.　 /　　　　 n / 　 !　 /ｰ､ｒ‐‐／　｜　∨＼
　/　　　　　 n /　　 l　/、c | |ｰ l｀ヽ. ｜　.∨　＼

　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　／　　　＼　/＼
　　　　　　　|　　（ー）（ー）　　　
　　　　　　　|　　　（__人__）　　
　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　「御意」
　　　　　|　　　　　　　 }
　　　　　ヽ　　　　　　 } 　　　　　
　　　　／　 ⌒ヽ　　　　'´(
　　　/　,＿＼　＼／＼＼
　　と_＿＿）_ヽ＿つ_;_ヾ_つ.;. 　　そういって城へと向かった。

968 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:32:05.66 ID:paIhi0go

　　　　　　シタニー　　　　　　　　　　　　　　_,.r==＝'''-"‐‐‐-- ､ ,,.. -- 二''ｰ-､＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ィ"　..::::::::::::..　.::::::::::::/ /　　　　ヾ;:, ＼　､―‐ヵ‐-`';　　　シタニー
　シタニー　　　　　　　　　　　　　　(フ'"　　　:::::::::::::::::: ::::::::::,.:' /l　　　　　　ヽ;:,　ヽ, `'Y ,l',-'　,!　　　　　シタニー
　　　　　　　　　　　　　__,,,... ----;;'ﾆ―- ..,,:::::::::::::::::::::: ::::::::/:' /l,rー-:　 --‐‐''"^:,~　　　 ""￣i
　　　　　 ,,... -‐ ''''""~　　　　,. - '"　　　~”ﾞﾞ`　　~` ''ｰ- ,,,,/:''..= ---' 　　　 ''''　;　　　　__　　. |
　　　　　/::;!　　,.　 '"　　　　　　_ ,.　 -　‐　　　　　　　　 ,,, !　　　　　　　　 ;　　　 .,'"　`!　 .,!
　　　 ,ト''　　　　　　　　 ,r-､､'"　　　　　　　,.r''"~~`ヽ、　　.!　　　　　　　　,'　　.,'/j:;〉i,|.-〈
　　　　 r'" :;､_　　　　　　i'::::::,!:!　　　　　,..　 ,.'　,,.-‐ｧ､:::..'!　　'!　　　　　　　　　,.'　　 {:|;:i:)ﾐi|レ'
　　　　 tミl~~`''tｰ､ｰ-.､_ゞン,:'　　　　,, ,,　　/　/､ヾ'.ハ';::l !　　i　 _　..　-‐　'' "　　 _|ヾj:ﾚﾉ
　　　　ｨ､!,!､..,,_j`''ｷーｒ-- ﾆニ...、　 ,;' ,;,' ;l!　|;;:! ,r; ,rｧ !:!:!　　｀　　　　　　,,.,.. -‐'''"
　　　 'ｰ､　　　`''ｰ､〉　ゞ-=.....,,,,ノ　　" "　|　 |r 'i , ヾ:','::!　　　_,,.. -‐''' " ~
　　　　　 `''ｰ､_､_　　　　　　　　　　　　　　|::::::ヽ'_'‐"ソ:/ｰ'''' ~
　　　　　　　　　　~ﾞ` ''''''　ー---　--―'''" ゞ-:;;;:;:::=-''"

969 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:32:29.30 ID:paIhi0go

　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　／ : : : : : : :｀¨ｰ-､
　　　　　　　　　　　 __＿/: : : : : : : : : : : : : : : ¨ｰ-､
　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : : :｀¨ｰ､
　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : ﾍ
　　　　　　　　/: : : : : : : : : : : : :{: : : : : : ;ｲ : : : : : : : : : : :ﾍ
　　　　　　　./: : : : : : : : : : : : : :.',: : :ﾄ､::/ｉ: :/ヽ: : ﾄ､: : : : :.ﾍ
　　　　　　　i: : : : : : : : : : : : : : : ﾍ:: :l !/　l/　ヽ::l　i: :i: : |ヽ!
　　　　　　　l: : : : ﾍ; : : : : : : : : : l-',:l──--､_,,!/　ヾ!l: :,'　ヽ
　　　　　　ﾉ: : : : : r､: : : : : : : : :l　ゞ-t‐jヾ　　　/'ｰ､l:i/
　　　　　　 !ｲ: : : :/ ﾍ: ﾄ; : : : ﾄ; :l　　ー¨-　　　〈ftﾂﾞ/|　　　駕籠の中で勝茂は、不思議な高揚を感じていた。
　　　　　 i: : : ,'　　',:l ',: : : l ',:l　　　　　　　　 ',￣,'ﾊ!
　　　　　　　 ',: : :ヽヽ-､!: ',: : :l　'!　　　　　　　丶､l　　　　　
　　　　　　　　',ﾄ､: : :ヽ__,,i ヽ: :l　　　　　　　　　　／j
　　　　　　　　　 :i: : : : : :i ',　ヽ!　　　∟　　　　　,ｲ　　　　　「フフッ。俺は死人にふりまわされっぱなしだ。
　　　　　　　　　　',!i: : : : l ヽ、ヽ　　　￣二¨　./;!
　　　　　　　　　　　',::ﾄ;::ﾄ!　　ヽ､　　　　　　　　/　　　　　　　だが、いい腹積もりができた」
　　　　　　　　　ﾚi ヾ!:　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　 __f´¨ｰ--､＿　　　　　ー,--"
　　　　　　　　／: j　　　　　　｀¨ｰ-,､　,'ｰ--､_

勝茂はまだ気づいていない。
これ以上の死人が、まさに死人でしかできないようなことを、江戸でやろうとしていることを。

970 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/28(木) 20:35:59.99 ID:o6Khdnoo

常在戦場なら知ってるが、
常在死身なんて言葉は初めて知った

971 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/28(木) 20:36:21.57 ID:mdHc8woo

この時代にｗｗ

972 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:37:13.76 ID:paIhi0go

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1243510566/
やる夫が葉隠武士になるようです　聞書２

次スレたててきました。

973 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/28(木) 20:37:17.05 ID:FABmbsAo

自分と高速移動できそうな駕籠ですなｗｗ

974 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:38:11.56 ID:paIhi0go

＜佐賀＞

時間は杢之助の祝言の日に戻る。

　　　　　　　　　　　　　　 ,.ィ"／,. ィ'":.:.:.:＼:.:｀丶､
　　　　　　　　　　　　　／／ ,:":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　／　./　/:.:./:.:.:.:.:.:.:.|:.:ﾄ;.:.:l:.:.:.:.:.ヽヽ
　　　　　　　　　　／　　/　/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:/:.:| ',:.:ト､:.:.!:.:.ｌ:.',
　　　　　　　　　く　　　,'　 l:.:.:.:l:.:.:./:.:.://_/ .l:/ー-ヽ:.:| ',|
　　　　　　　　　　ヽ､.」　ｌ:.:.:.:.ｌ:.:.l_:／ﾌ '　/'　､,,,,,.ﾉ:./　′
　　　　　　　　　 /:.:.{　　!:.:.:.:.Vr　　 ,,ｨ ′　 ///ｲ}
　　　　　　　　 /:.:.:.:{　　ﾍ:.:.:.:＼=''"//　　 _　　ﾊ!　　　　「ん～～～、頭が痛いですぅ。
　　　　　　　 /:.:.:.:.:.{　　 ,ｲ_ヽT rr‐',　　＜ノ　 , '　}　　
　　　　　　 /:.:.:.:.:.:..{ r-,.‐-.､＞､ヽヽヽ　..＿_／　 }　　　　　みんなお勇がかわいいからって、
　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:{ </: : : : :ヽ} ヽ、　 ,ヽ,‐;.:.::{　　 }　　　　　　　調子に乗って飲みまくったですぅ」
　　　　 /:.:.:.:.:.:.::.:.{　{l: : : : : :.:.!{,〃ﾞYﾆ - _ュく{.　　 }　
.　　　 , ':.:.:.:／:.:.:.:{ /:|:.: : : : : :ヾ,ヽ='ｨ､ﾆ. r.ｲYヽ　　 }　
　　　 , ':.:.:.／:.:.:.:.,ｲ/:.:.|:.:.',: : /: : : ＼/ !　　/　/{:ﾊ.　　}.　
.　　, ':.:.:／:.:.:.:.:./ /:.:.:.:!:.:.:.∨: :_:_: : /　l 　 '　.,'ｲ: : :!　　}.　
　, ':.:.／:.:.:.:.:.:./ ./:.:.:.:.:.!:.:.:/: :/r =７　　　　　,'.ﾌ: :ヽl　　 }
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975 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:38:47.56 ID:paIhi0go

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illlllllliiiiiillllllllllliiiiiiiiiiliiiiiiiiliiii!!!;;;,,,,,;;;!!!iillllllliiiiii!!;;;,,,,,;;;!!!iillllll!!!iiiiiiiiiiii!!!lll;;;;;;;;;::::::: :::: ;;;;;;iiiiii!!!;;;;;;;;;iillllllliii

周りを見渡すと、静かなものだった。
すでに日が暮れている。
昼間からの客は、お勇と同じように酔いつぶれているのも大勢いるが、半分以上は居なくなっていた。

976 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:39:25.54 ID:paIhi0go

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　rｸ　　　 , --＝===＝ﾐ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　ｨ7 　　　≠:::::::::::::::::::::::::::::::::`￢＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　' 　　　〃　　／:::::::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　　　　　　　rｸ　　／::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　＼　　 jｊ　　/:::::::::::::::/／:::::::::::::::／::::::/::::/::::::|::::::::::゛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼｀　､ヽ　{{ 　 .::::::::::::::::::/:::::::::::::::::／:::::／::／::::::::ﾉ::::::::::::: ﾊ　　　　お勇＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼/::::::V{{　 |::::::::::::::::/―--／ ::／::イ:::::/::::/:::::::::::::::::｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::∧{　 |::::::::::::::|子＝ﾐ　ヽ　／　/::::ｲ:::::|::::::::::::::::::::｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::／::::}}　ｉ|:::::::::::::::|├びﾊ｀　　　／／／ﾄ:::::::::::::| |.//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,/:::::::::::::::::::::}}.　＼:::::::::|｀ー ′　　／ｧえﾒ､｀:::::::::: | |'/
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::: {{ 　 rｆ＼:::ヽ:::::::::　　　、　lじﾝ〃ﾍ/::::::::| |′
　　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::/バ　 {{　＼:　　　　　　　::::::::: /　/::::::::/ /
　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::::／^ヽゝぞ!: {{　 }} |　ト＞　｀ー-　　　ー二::::::::イ//
　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::ﾚ'　　　｀｝　　 {{　 }}ト⌒＼＼＿　イ |}} 　//}}
　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::｛　　　　　　　　{{　 }}＿,ﾆヽ丨__　/ l |{{ 　　}}　ヾ!　　　　　　「あっ」
　　　　　　　　　　／::::::::　,.=､ソ　　　　　/:　:ヽ∠{{　 }}ﾊ: : : :｀.､　∨´　 {{ 　　}}. : . '.ﾑ_
　　　　　　　　／:::::::::::::/　　｀ー―'´ ｀ﾉ:　:　:　:　:{{　 }}ヽ: : ｽ:.ヽ.∨´ソ　ム.　:/ }.:' ノ-、´
　　　　　　　／:::::::::::::::::{　　　　　　イ:　:　:　:　:　: {{　 }}　ﾊ: ﾘ｀｀ヽヽ.　　　｀¨/ _,／ ./／l
　　　　　／:::::::::::::::::::::::∨　　　　｛:　:　:　:　:　:　:　: ヽ}　ハ}!＼_j:＼:ヽ　　,ｲ '　　　　／j
　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ-　　　 .j:　:　:　:　:　:　:　:　:Vリ　ﾊr´　　 }:ﾚ'､_,f/　　　　　 ,／＼:
　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::／: : :）　　 /:　:　:　:　:　:　:　:　　V｀ー'ヾ　　ﾉノ/^､　　　　　／ !: : : ﾊ
　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::f}: : : :f　　∠:　:　:　:　:　:　:　:　:　: ﾍ　r―'----'　　ヽ.._＿rf´　丶.:{l: ﾘ
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::lr ､:ﾄ弋､＼:　:　:　:　:　:　:　:　:／:ﾉ　 {＾!　　　　　　　　　７　　　　ﾑ!:.ｿ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r=====冫､==.､___,:´¨:　:｀ヽ=へ／　ゝ |　　　　　　　　 /､_ｿ⌒｀¨´ ﾚ'

977 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:39:52.98 ID:paIhi0go

振り返ると、自分の新しい殿方がいた。
今までは気を使ってもらって、ご丁寧に「さん」づけだった。
こうしてあらためて呼び方を変えてもらうと、うれしくなって赤くなってしまう。

　　　∠..., =‐-　i!　 i!　 i!　i!　＜´
　　　 .ィ´ i! 　 i!　i!　i!　i! 　 i!　i! ヽ
.　　, ′i!　i!　i!　i!　i!　i!　 i!　 i!　i!.!
　 /イ i!　i!　i!ｨ i! i./::､ i! ﾄ､　i!　i!　!
　　/i!.／/i!./::iメi/:::::::,ﾒ､「ヽﾄ､ i! i!j
　 /イ i!/! /==｡=､:::::.=｡==＝:i!,...i! |
　　　ｊ/ j/ i::｀:‐:/:::::::: ｰ一.:´:|ir, }.|
　　　　　　　i:::::/.::::::、　　 .::::::|Lﾝii|　　　　　　「ちょっと、離れへ行こう」
　　　　　　 i: ｀‐――一'.;.::::ハ.i! ｊ;＼
　　　　　　､　ー　..:::::／;　ヽ:{;;;;;;;ﾄ､__
　　　　　 . -=''7ﾍ.....:.:::::／;;; '　　　ｊ;;;;;;;j;;;;;;;
　　 -‐'";;;;;;;;;;/;;;;;;ヽ .イ;;;;: ' 　　 /;;;;;;;;|;;;;;;;
　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|:.:;;:::'　　　　/;;;;;;;;;;;!;;;;;;

978 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:40:11.71 ID:paIhi0go

　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿ ,.　　 ´　　　　　　＿, --一- ､_＼
　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　 ,. -‐ ´※　　　　米｀ヾ、
　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　 /　r ´　＿,. -匕￣￣｀ｰ､ ※ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　＿／r‐┘r‐ ′　　　　　　　　　}丶、ﾊ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　/>､ _ﾉ　／　／／　　 _ ノ　　 l　　 V∧＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 /｀　　 {　 / 　Ｘ ∠ _　　´　　 /　 /　　 |＼}／
　　　　　　　　　　　　　　　 ,′　　ｆ　/　 /　　／　　　／／　 ∧　i　ﾊ　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　 _」 ,′　! ∠ ＞--ィ_, ｲ／ / ハ |　　l 　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　｛　 l　　 l　卞ﾃ=rミ／ / ／､{　 }＼ /　　} |
　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　　f　　ﾊ　 ∧ 弋tツﾉ　／´　　ミ二' 7 ｧ､　ﾘ｀|
　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　　 }　　ゞ､　ﾄ､　　　　　　　下りｱｲ /　,イ/　|
　　　　　　　　　　　　 /／　　 ( ※　 ∧、＼_　　　　　,! 　￣/ 〃　／/
　　　　　　　　　　　　　　 /′　　　 }　　　l　l ＼￣　　 r=_，　　／／￣7
　　　　　　　　　　　 /　　　　 ,1　 +　}/、　＼　　　 _　ィ´　 } 米 /　　　　　「なんですぅ？もう、片付けだってある……」
　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　 /{　 ※　!　＼　　 7 ￣/　 /　　 !　　{1
　　　　　　　　　　 /　　　 f㍉rう 1　+　 }　　＼__1 '､ﾘ　/　　　} + f |
　　　　　　　　　 , ′　　 rf´￣￣}、　　 )　　 x=＝0==＝=x　　　Y 1ﾊ
　　　　　　　　　／　　　　　7:.:.:.:.:.:.:.:.:＼米ﾍ、{{　 //{1ﾄ､　 }_) }}　　 ! {　 ,
　　　　　　　／　　　　 f:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}､　 1ヾ__f1 |!{ ゞ＝=xｿ　　ヾﾍ ∧

979 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:40:32.79 ID:paIhi0go

　　　l.:.:ヽ　　＼.::人:::::::::ヽ／／//〃ﾊヽ丶　　　　　　　　　　　　　,　　　　　　　　　　　　　　　　　./.:.::::
　　　l.:.:l　l (二＼.:::＼::::::::＼　　　　　　〃ﾊヽ丶　　　　　　　　　　｀''´　　　　　　　　　　　　　..／.:.:.::::
　　　　l.:ヽヽ　　/ ＼.:＼:::::::::＼　　　　　　　　　　　〈　　　　　　　／／//〃ヽ　　　　　　　　／.:.:.:::::::::
　　　　l.:.〉　　 /　　l　lﾍ｀ ' - ,＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/ ハヽ｀ '　　　,-'´.::::::::::::::::
　　　　｛　l 　　　ヽ′ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　- '´:::::::::::::::::::::::::　　　　:不意に口を塞がれた。
　　　　　ヽヽ　　　　　　　|＼　　　　　　　　　　　__　　　　　　　　　　　　　_　 -.:':´::::::::::_::_- ' ´￣｀'-､
　　　　　　〉　　　　　　　　l:;:; ＼　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　ー----―_,..,_フ,´｛　　　　　　　　　　　舌をかき回される。
　　　　　｛　l　　　　　　　l:;:;:;:;:＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_-'´　　 Y 　ヽ
　＿_　　　ヽヽ　　　　　　 _ .＼:;:;:;:;＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,..-‐y′　　　　｀-‐´,. --‐亠
´:;:;:　＼　　.〉　　　　　　　ヽヽ　＼:;:;:;:;＼　　　　　　　　　　　　　_,,, _/／~/　〈　　,.　　／,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;:;:;: 　　＼｛　l　　　＼　　　} }　　/　,　:;:;｀'‐､,_　　　　　　／,. ,. ‐-､ /　　）／-‐'´,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

980 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:40:55.15 ID:paIhi0go

　　　　　　　 ,　　　_..　-‐…‐- 　＿
.　　　　　　（　,　'´ ,　-―　　　　　、｀ヽ、
　　　　　　 ×　_∠ﾆ　-―‐　　、　＼　＼
　　　　　く／. : : : : :; : : : ; : : : :＼　ヽ、＼
　　　　　／: : : :／／ : : :;ｲ: : : : : : :丶　　＼　＼
.　　　　 ,: : /: ::, '::;ｲ /: ／ /:::/ﾊ : : : : : ヽ　　{　　＼
　　　　/: :/: ::/／／／　 /: /　 !|: : : : : : :.　　ヽ　　　＼
　　　 {: /: : ,'´／／　／ , ′　!| i: : : : : :}　┼ }　ｊ　_,ノ
　　　ｊ/{: : :ｌ:/／￣　／　ヽ､|ｌﾄ､ : : : ハ　 |　厂
　　　八: : {/　ｘ‐‐ ､　　　　　｣≧ｰｉ: ::,′{　　レ{
　　　　〉. :ヽ/｛:::::ﾘ　　　´{::::::ｊヽｊ::/:}　｛十｛ : !　　　きょとん、としている間に体を持ち上げられた。
　　　　　ハヽ: {xx~´ 　 .　　　ー' ノｲ:/（　｝　 } : ｌ
. 　　　　从八　　　　　　 Xx //: : ）{Ⅹﾉl : ｌ
　　　　 / /{ヽ＼　　っ　　　　／/: : /ｆ′ ｊｌ :∥
. 　　　 / /ハＸヽ＞　.. __ 　イ: メ､: ｛{ ｊ×ﾉ l : l !
　　　　 / // ハ／　 ,ｨ个ｘ､　　　　＼｝ｊ　｛: l : l :!
.　　　 / //ノ／　　〃 ∧　＼　　　　　ヽ＋} ｌ : l :ｌ

981 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:41:30.69 ID:paIhi0go

　　　　　　　　￣￣￣￣||￣￣￣￣￣||￣￣￣￣￣||￣￣￣￣　　　　離れへ運ばれて、畳の上で刺し貫かれてしまった。
　　　　　　　　　　　　 ||　　　　　 || 　　　　　 ||
　　　　　　　　　　　　 ||　　　　　 || 　　　　　 ||
　　　　　　　　　　　　 || 　　　　　 || 　　　　　 ||
　　　　　　　　　　　　 || 　　　　　 || 　　　　　 ||　　　　「いやあ！みんなゼッタイ気づいてるですぅ！」
　　　　　　　　　　　　 ||＿＿＿＿＿||＿＿＿＿＿||
　　　　　　　　　　　　 ||＿＿＿＿＿||＿＿＿＿＿||　　　　　　　　　　お勇も文句を言いながらあえいでいた。
　　　　　　　　　　　　 ||O ※※※※||※※※※※||
　　　　　　　　　　　　 ||※※※※※||※※※※※||
　　　　　　　　＿＿＿＿||※※※※※||※※※※※|| ＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

982 ：1 [saga]：2009/05/28(木) 20:42:14.25 ID:paIhi0go

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1243510566/
やる夫が葉隠武士になるようです　聞書２

この続きはこちらで。

983 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/28(木) 20:54:58.92 ID:GToNfKgo

相変わらずえろいなあｗｗｗｗｗｗ

984 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/28(木) 20:57:52.59 ID:KJHV77co

ｹﾀﾞﾓﾉですね　ｳﾌﾌ

985 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/28(木) 21:11:25.07 ID:o6Khdnoo

さて、埋めるとするか。

986 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/28(木) 21:11:29.09 ID:f6xKXi2o

わっふるわっふ…あ次スレですかorz

987 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/29(金) 00:15:45.08 ID:0VNCvCAo

埋めるか

988 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/29(金) 00:18:12.92 ID:2mHM9B2o

ｴﾛいけど　不思議と嫉妬心がわかないっていうｗｗｗｗｗｗ

989 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/29(金) 01:04:48.77 ID:wI1W62ko

うめとくかね

990 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/29(金) 01:04:56.40 ID:MSHBUp2o

うめ

991 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/29(金) 01:06:08.95 ID:wI1W62ko

うめうめ

992 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/29(金) 01:06:41.12 ID:2mHM9B2o

うめうめうめ

993 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/29(金) 01:25:49.85 ID:wI1W62ko

うめうめうめうめ

994 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/29(金) 01:28:07.68 ID:wI1W62ko

うめーる

995 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/29(金) 01:28:28.72 ID:wI1W62ko

うみゃー

996 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/29(金) 01:32:32.76 ID:MSHBUp2o

うめぇ

997 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/29(金) 01:33:17.87 ID:MSHBUp2o

うめ

998 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/29(金) 01:33:32.21 ID:MSHBUp2o

うめうめ

999 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/29(金) 01:33:45.34 ID:MSHBUp2o

埋めよう

1000 ：旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]：2009/05/29(金) 01:33:51.42 ID:MSHBUp2o

　　　　そだ　　|-''ヽｰ---､　ヾヾヾ
　　　　れが　　|{{{　}}}））））ヽ､}|| l||i
　　　　が　　　　|{{{||ﾘﾘ彡ﾝﾘﾉﾉﾊ　l|||
　　　　い　　　　|ﾐ､ヾ彡彡彡ﾉﾉﾉ}　||||
　　　　い　　　 /ヾヾヾヾヽ三彡ソ}　|||
　　　　!!　　　 /ヾヾ}} }}ﾊヾヾ三彡;}　||　に
　＼＿＿＿／ﾊ{{ }}|l||}}}ﾄ､ヽ}} 彡ｼil　l|　や
　 {ミミﾘ　 {{{::{{ {{{ {||||| }}ﾊヾ}ﾘ彡ｼ}i{　　っ
　l|{ミﾐﾘ　ﾉﾆﾐﾐｮｪ､,, |rｪｨ彡三ヽ1ﾐ}ll､ヽ
　l|,{ ﾐl　　イエﾕﾐ､i:: iﾐｨｴフｼ'　lﾐi.} l|
　l|ﾄ､ﾐl　　　,,.-‐';: i　!｀ﾞﾞｰ-　　i",ｲ l|
　|lﾄiiヽl　　　　 ; i　!､　　　　/t'/ l||
　　rｲ{ l　　　　ヾく_ソ　　　 / |ﾄ､ l||
　 (|:.:ヽﾞ､　　ﾞｰ_‐--‐ｧ'　 / /:} }ヽ､
ノ"l;:;:ヾヽ:ヽ.　　､二二　　/::://:::l;;;;;;;
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1001 ：1001 ：Over 1000 Thread

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やる夫が葉隠武士になるようです 聞書１ - パー速VIP 過去ログ倉庫

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